説明

透明性着色膜付基材および透明性着色膜形成用塗布液

【課題】基材との密着性、耐擦傷性、膜硬度等に優れるとともに、膜表面の平滑性、耐光性、コントラスト、表示性能等に優れた透明性着色膜付基材を提供する。
【解決手段】基材と、基材上の片面または両面に形成された透明性着色膜とからなり、
該透明性着色膜が、マトリックス成分と、着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とを含んでなり、着色膜中の該着色剤の含有量が0.1〜50重量%の範囲にあることを特徴とする透明性着色膜付基材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材との密着性、耐擦傷性、膜硬度等に優れるとともに、膜表面の平滑性、耐光性、コントラスト、表示性能等に優れた透明性着色膜付基材および該透明性着色膜を形成するために好適に用いることのできる安定性に優れた透明性着色膜形成用塗布液に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス、プラスチックシート、プラスチックレンズ、各種表示装置等の基材表面の反射を防止するために、その表面に反射防止膜を形成することが知られている。たとえば、コート法、蒸着法、CVD法等によって、フッ素樹脂、フッ化マグネシウムのような低屈折率の物質の被膜をガラスやプラスチックの基材表面に形成したり、シリカ微粒子等の低屈折率微粒子を含む塗布液を基材表面に塗布して、反射防止被膜を形成する方法が知られている(たとえば、特開平7-133105号公報など参照)。さらに、基材に帯電防止性能、電磁波遮蔽性能を付与するために金属微粒子、導電性の酸化物微粒子を含む導電性被膜を形成することも行われている。
【0003】
このような、反射防止膜、導電性被膜を設ける場合においても耐擦傷性を向上させるために基材と反射防止膜および/または導電性被膜とに間にハードコート膜を形成することも行われている。
【0004】
また、表示装置の外表面にフィルターを設けてコントラストを向上させる際に、ガラス膜が用いられるが、所望のフィルター特性を持たせるために金属アルコキシドからなるガラス膜に平均粒子径が3〜300nmの色素を含有させることが開示されている。(特開平05−178623号公報)
また、特開2005−181952号公報には、液晶表示装置を高コントラストで表示品位の高いものとするために、偏光板に設けうる保護フィルムに染料あるいは顔料を適当量添加した着色フィルムを用いることが開示されている。
【0005】
しかしながら、従来の着色膜は、色素(染料)あるいは顔料、金属微粒子等の着色剤によってはマトリックス成分(バインダー成分と言うことがある)との親和性がなく、分散性が不充分であるために透明性、ヘーズが必ずしも充分でなく、コントラストも満足のいくものでなく、加えて基材あるいは前記した同時に設けることのある他の被膜との密着性、耐擦傷性、膜の強度等が必ずしも充分とはいえなかった。また、耐光性が不充分で着色が経時的に褪色する問題があった。
【特許文献1】特開平7-133105号公報
【特許文献2】特開平05−178623号公報
【特許文献3】特開2005−181952号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、基材との密着性、耐擦傷性、硬度等に優れるとともに透明性を有し、膜表面の平滑性、耐光性、コントラストに優れた透明性着色膜付基材および該透明性着色膜を形成するための透明性着色膜形成用塗布液を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、着色剤粒子を無機酸化物または樹脂で被覆することにより、基材との密着性、耐擦傷性、膜硬度等に優れ、且つ、透明
性を有するとともに耐光性およびコントラストに優れた着色膜を形成できることを見出して本発明を完成するに至った。
[1]基材と、基材上の片面または両面に形成された透明性着色膜とからなり、
該透明性着色膜が、マトリックス成分と、着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とを含んでなり、着色膜中の該着色剤の含有量が0.1〜50重量%の範囲にあることを特徴とする透明性着色膜付基材。
[2]前記着色剤が下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理されている[1]の透明性
着色膜付基材。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
[3]前記着色剤が下記式(2)で表される有機珪素化合物で表面処理されている[1]または[2]の透明性着色膜付基材。
X-R-Si(OR)3 (2)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。Xはγ-グリシドキシ基、または(メタ)アクリロイル基を示す。)
[4]前記透明性着色膜が着色剤としてさらに染料を含んでなる[1]〜[3]の透明性着色膜付
基材。
[5]前記透明性着色膜は、
少なくとも波長560〜620nmの光透過率(I)が40〜98%にあるか、あるい
は波長450〜500nmの光透過率(II)が40〜98%の範囲にある[1]〜[4]の透明性着色膜付基材。
[6]さらに前記透明性着色膜の他の被膜が設けられてなる[1]〜[5]の透明性着色膜付基材

[7]マトリックス形成成分と、着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子
および/または金属微粒子とを含んでなり、マトリックス形成成分と着色剤との合計の濃度が固形分として0.5〜60重量%の範囲にあり、該着色剤を透明性着色膜中に固形分として0.1〜50重量%となるように含有している透明性着色膜形成用塗布液。
[8]前記着色剤が下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理されている[7]の透明性
着色膜形成用塗布液。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
[9]前記着色剤がさらに下記式(2)で表される有機珪素化合物で表面処理されている[7]ま
たは[8]の透明性着色膜形成用塗布液。
X-R-Si(OR)3 (2)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。X-はγ-グリシドキシ基、(メタ)アクリロイル基を示す。)
[10]着色剤としてさらに染料を含んでなる[7]〜[9]の透明性着色膜形成用塗布液。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、透明性着色膜に着色剤としてRGBの発光スペクトルの重なり合いやすい波長域560〜620nmや波長域450〜500nmに吸収のある無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子、必要に応じてさらに特定の有機珪素化合物で表面処理された顔料粒子および/または金属微粒子が含まれているので透明性着色膜中に着色剤が均一に分散しており、特定波長領域での光透過率が低く、その他の波長領域の光透過率が高く、基材との密着性、耐擦傷性、硬度等に優れるとともに透明性を有し、膜表面の平滑性、耐光性、コントラストに優れた透明性着色膜付基材および該透
明性着色膜を形成するための透明性着色膜形成用塗布液を提供することができる。
【0009】
また、透明性着色膜付基材は透過鮮明度が高く、コントラストに優れているので表示装置等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明に係る透明性着色膜付基材について説明する。
透明性着色膜付基材
本発明に係る透明性着色膜付基材は、基材と、基材上の片面または両面に形成された透明性着色膜とからなる。
【0011】
基材
本発明に用いる基材としては、公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、ガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PET、TAC、シクロポレオレフィンン、ノルボルネン等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等があげられる。中でも樹脂系基材は好適に用いることができる。
透明性着色膜
透明性着色膜は、マトリックス成分と、着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とを含んでいる。
(i)マトリックス成分
マトリックス成分としては、従来公知のマトリックス成分を用いることができるが、樹脂マトリックスが好適である。
【0012】
このような樹脂マトリックスとして、塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化等のいずれも採用することができる。具体的には、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
【0013】
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
(ii)着色剤
本発明に用いる着色剤としては従来公知の顔料、金属微粒子を無機酸化物または樹脂で被覆したものが用いられる
顔料としては、チタン白、ベンガラ、黄鉛、コバルトブルー等の無機顔料、アゾ系黄色顔料(ベンジジンイエロー、カーミンFB等)、赤色顔料、縮合顔料(ペリレン、ペリノン、ジオキサジン、チオインジゴ、イソインドリノン、キノフタロン、キナクロボン、キナクリドン等)、フタロシアニン系顔料(フタロシアニンブルー等)等が挙げられる。
【0014】
このような顔料は、平均粒子径が5〜500nm、さらには10〜200nmの範囲にあることが好ましい。
顔料の平均粒子径が小さいものは得ることが困難であり、得られたとしても塗布液に用いた場合に安定性が不充分となり、得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性が不充分となることがある。顔料の平均粒子径が大きすぎると膜の表面に凹凸が生じて光の散乱が生じ、また内部でも光の散乱が生じ、透明性(透過鮮明度ということがある)が低下する場合がある。なお、顔料は粒子径が500nmを越える場合、粉砕等により粒子径を前記範囲に調整してもよい。
【0015】
金属微粒子としては、可視光領域に特性吸収のある粒子が好適に用いられ、具体的にはAg,Au、Pd、Pt、Ru、Cu、Nd等の金属微粒子およびこれらを含む合金微粒子が挙げられる。
【0016】
また、金属微粒子は、平均粒子径が1〜200nm、さらには2〜100nmの範囲にあることが好ましい。金属微粒子も、平均粒子径が前記下限よりも小さいものは得ることが困難であり、得られたとしても塗布液に用いた場合に安定性が不充分となり、得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性が不充分となることがある。金属微粒子の平均粒子径が大きすぎても、膜の表面および内部で光の散乱が生じ、透過線明度が低下する場合がある。
【0017】
このような顔料および金属微粒子は無機酸化物または樹脂で被覆されている。
無機酸化物としては、SiO2、TiO2、ZrO、SnO2、CeO2、ZnO2、Fe25およびこれらの混合物あるいは複合酸化物が挙げられる。
【0018】
また、樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0019】
顔料および金属微粒子を被覆する無機酸化物または樹脂の量は、顔料および金属微粒子に対し固形分として1〜100重量%、さらには5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
【0020】
被覆する無機酸化物または樹脂の量が少ないと、安定性向上効果が不充分で、塗布液に用いた場合、分散性、安定性が低く凝集を引き起こす場合があり、その結果、得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性が不充分となることがある。
【0021】
被覆する無機酸化物または樹脂の量が多すぎても、さらに分散性、安定性が向上することもなく、このため得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性がさらに向上することもない。
【0022】
顔料もしくは金属微粒子を無機酸化物で被覆する方法としては、顔料、金属微粒子表面を前記無機酸化物で被覆できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
【0023】
例えば、顔料を無機酸化物で被覆する場合は、顔料粒子分散液に前記無機酸化物の前駆体になる金属塩水溶液あるいは混合金属塩水溶液を所定量添加し、加水分解して析出させ、必要に応じて熟成、洗浄、乾燥、焼成等することによって被覆することができる。
【0024】
また、顔料をシリカで被覆する場合は上記方法以外に、顔料粒子分散液にケイ酸アルカリを脱アルカリして得た珪酸液を添加し、必要に応じて熟成、洗浄、乾燥、焼成等することによって被覆することができる。
【0025】
また、金属微粒子を無機酸化物で被覆する場合は、金属アルコキシドを酸やアルカリで加水分解させ酸化物化させたのち熟成、洗浄、乾燥、焼成等することによって被覆することができる。
【0026】
また、顔料もしくは金属微粒子を樹脂で被覆する方法としては、顔料、金属微粒子表面を前記樹脂で被覆できれば特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
例えば、顔料もしくは金属微粒子のアルコール分散液に所定量の樹脂(エマルジョン)を混合し、通常40〜60℃で過熱攪拌することによって被覆することができる。
【0027】
具体例としては、金微粒子の2-プロパノール分散液に1,6-ヘキサンジオールジアクリ
レート混合し、加熱攪拌することによって被覆することができる。
さらに、本発明に用いる着色剤は前記無機酸化物または樹脂で被覆した顔料が下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理されていることが好ましい。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等およびこれらの混合物が挙げられる。(有機珪素化合物処理すると、加水分解残基が存在し、分散性の向上に寄与する)
式(1)で表される有機珪素化合物の内、4官能の有機珪素化合物(n=0)を用いる場
合、4官能の有機珪素化合物と無機酸化物または樹脂で被覆した顔料粒子との重量比(有機珪素化合物をSiO2に換算した重量/被覆粒子の重量)は顔料粒子の平均粒子径や被覆層の種類によっても異なるが、1〜100重量%、さらには5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。重量比が小さい場合は、塗布液の分散性、安定性が不充分となることがあり、得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性が不充分となることがある。重量比が大きくしても、さらに分散性、安定性が向上することもなく、このため得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性がさらに向上することもない。
【0028】
式(1)で表される有機珪素化合物のうち、4官能以外の有機珪素化合物(n=1、2、
3)を用いる場合、4官能以外の有機珪素化合物と無機酸化物または樹脂で被覆した顔料粒子との重量比(有機珪素化合物をSiO2に換算した重量/被覆粒子の重量)は顔料粒子の平均粒子径や被覆層の種類によっても異なるが、5〜80%、さらには10〜50%範
囲にあることが好ましい。
【0029】
前記重量比が小さい場合は分散性、安定性が不充分となることがあり、このため得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性が不充分となることがある。前記重量比が大きすぎてもさらに分散性、安定性が向上することもなく、このため得られる透明性着色膜の基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性がさらに向上することもない。
【0030】
なかでも、前記着色剤が下記式(2)で表される3官能の有機珪素化合物で表面処理され
ていることが好ましい。
X-R-Si(OR)3 (2)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。X-はγ-グリシドキシ基、(メタ)アクリロイル基)
具体的にはγ-グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
このような3官能の有機珪素化合物で表面処理されていると、マトリックス成分として、樹脂マトリックス、特に紫外線硬化樹脂マトリックスを使用した場合、着色剤とマトリックスとの結合が促進され、耐擦傷性や硬度が向上する。
【0032】
このような着色剤の透明性着色膜中の含有量は、着色剤の種類、着色膜の厚さ、必要に応じて設ける他の被膜の種類等によっても異なるが固形分として0.1〜50重量%さらには0.5〜40%の範囲にあることが好ましい。
【0033】
透明性着色膜中の着色剤の含有量が少ないと、着色剤の吸収ピークが明確でなく、充分なコントラストが得られない場合がある。また、着色剤の含有量が多すぎても、膜厚によっても異なるが光透過率が下がり透過鮮明度が不充分となる場合がある。
【0034】
なお、着色剤としては、顔料もしくは金属微粒子を直接、前記した有機珪素化合物で表面処理したものを用いることができるが、有機珪素化合物が、顔料もしくは金属微粒子と反応性が低いために充分な分散性、安定性等の表面処理効果が充分得られない。しかしながら、前記した無機酸化物または樹脂で被覆されていると有機珪素化合物の加水分解物と被覆した無機酸化物や樹脂の−OH基とが反応しやすく、充分な表面処理効果が得られ、即ち、分散性、安定性に優れた着色剤が得られ、このため得られる透明性着色膜は基材との密着性、耐擦傷性、硬度および透明性に優れ、さらに膜表面の平滑性に優れている。
【0035】
なお、本発明では、前記無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とともに必要に応じて所望の染料を用いることができる。
染料としてはシアン、マゼンタ、イエロー等の染料が挙げられる。
【0036】
シアン染料として、アントラキノン染料、アゾ染料、トリフェニルメタン染料等が挙げ
られる。このような染料は後述する光透過率が所定の範囲内となるように使用することができる。
【0037】
本発明の透明性着色膜には、前記着色剤に加えて従来公知の金属酸化物微粒子を含んでいてもよい。
金属酸化物微粒子としては、着色膜を設ける目的であるコントラストの向上、表示性能の向上以外の目的によっても異なるが、例えば、反射防止性能を有する被膜には通常屈折率が1.45以下、さらには1.40以下の従来公知の微粒子が用いられ、具体的にはSiO2、内部に空洞を有するSiO2粒子あるいはこれらに導電性を有する金属酸化物を被覆した粒子等が挙げられる。
【0038】
ハードコート膜に用いる金属酸化物微粒子としては、ZrO2、TiO2、Sb25、ZnO2、Al23、SnO2、あるいはこれら粒子が鎖状に連結した鎖状粒子、あるいは前記した屈折率が1.45以下のシリカ系微粒子等従来公知の微粒子が挙げられる。
【0039】
高屈折率膜に用いる金属酸化物微粒子としては、通常屈折率が1.60以上、さらには1.80以上の微粒子が用いられ、具体的にはZrO2、TiO2、Sb25、ZnO2、Al2
3、SnO2、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム、酸化錫ドープリン(
PTO)等従来公知の微粒子が挙げられる。
【0040】
導電性膜に用いる金属酸化物微粒子としては、通常Sb、SnO、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム、酸化錫ドープリン(PTO)、あるいはこれら導電性材料で表面を被覆したシリカ系微粒子あるいは内部に空洞を有するシリカ系微粒子等従来公知の微粒子が挙げられる。
【0041】
このような金属酸化物微粒子も前記した着色剤と同様に表面処理されていることが好ましい。また、金属酸化物微粒子の平均粒子径は1〜500nm、さらには5〜200nmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が前記範囲の下限よりも小さいものは、得ることが困難であり、得られたとしても、安定性が低く凝集することがある。平均粒子径を大きくしても、膜の表面に凹凸が生じやすく、光の散乱、膜硬度の低下が生じる場合がある。
【0042】
透明性着色膜中の金属酸化物微粒子あるいは表面処理された金属酸化物微粒子の含有量は使用目的あるいは金属酸化物微粒子の種類によっても異なるが、固形分として10〜90重量%、さらには20〜70重量%の範囲にあることが好ましい。
【0043】
本発明で形成される透明性着色膜の膜厚は20〜10000nm、さらには80〜5000nmの範囲にあることが好ましい。透明性着色膜の膜厚が薄いと、着色剤を添加しても充分な着色が得られず、コントラストが向上しない場合がある。また、膜厚が厚すぎると光透過率が低くなりすぎて透過鮮明度が不充分となる場合がある。
【0044】
本発明で形成される透明性着色膜は、少なくとも波長560〜620nmの光透過率(I)が40〜98%にあるか、波長450〜500nmの光透過率(II)が40〜98%
にあることが好ましい。
【0045】
波長560〜620nmの光透過率(I)が40%未満の場合は透過鮮明度が不充分と
なることがある。また、波長560〜620nmの光透過率(I)が98%を超えると、
吸収ピークが小さく、RGBの発光スペクトルの重なり部分の光を充分キャンセルできず充分なコントラストが得られないことがある。なお、光透過率(I)のさらに好ましい範
囲は50%〜80%である。
【0046】
また、波長450〜500nmの光透過率(II)が40%未満の場合は透過鮮明度が不充分となることがある。波長450〜500nmの光透過率(II)が98%を超えると吸収ピークが小さく吸収ピークが小さく、RGBの発光スペクトルの重なり部分の光を充分キャンセルできず充分なコントラストが得られないことがある。なお光透過率(II)のさらに好ましい範囲は50%〜80%である。
【0047】
なお、本発明の光透過率は、日本分光(株)製 U−Vest560を使用して測定す
ることができる。
他の被膜
本発明の透明性着色膜付基材は、基材上の片面または両面に形成された透明性着色膜以外の他の被膜が設けられていてもよい。
【0048】
例えば、(1)基材上に透明性着色膜を設け、該透明性着色膜上に低屈折率の反射防止膜を設けてもよく、(2)基材上にハードコート層を設け、該ハードコート層上に透明性着色膜を設けてもよく、(3)基材上にハードコート層を設け、該ハードコート層上に透明性着色膜を設け、該透明性着色膜上に低屈折率の反射防止膜を設けてもよい。
【0049】
なお、反射防止膜の下層に設ける透明性着色膜は、屈折率が反射防止膜の屈折率が低いことが重要であり、好ましくは屈折率差が0.02以上、さらには0.03以上あることが好ましい。
【0050】
ハードコート層としては、従来公知のハードコート層を設けることができる。具体的には、前記マトリックス成分、好ましくはハードコート層に好適に用いることのできるZr
2、TiO2、Sb25、ZnO2、Al23、SnO2、あるいはこれら粒子が鎖状に連結し
た鎖状粒子、あるいは前記した屈折率が1.45以下のシリカ系微粒子等従来公知の金属酸化物微粒子とからなるハードコート層が好ましい。
【0051】
マトリックス成分としては、塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等のいずれも採用することができ、たとえば、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴムなどの熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、ブチラール樹脂、反応性シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
【0052】
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
【0053】
ハードコート層の厚さは0.1〜20μm、さらには0.2〜10μmの範囲にあることが好ましい。
反射防止膜としても従来公知の反射防止膜を設けることができ、具体的にはマトリックス成分、好ましくはマトリックス成分と前記した反射防止膜に好適に用いることのできる屈折率が1.45以下、さらには1.40以下の従来公知の微粒子が用いられ、具体的にはSiO2、内部に空洞を有するSiO2あるいはこれらに導電性を有する金属酸化物を被覆した微粒子等、あるいは従来公知の低屈折率成分とからなる反射防止膜が好ましい。
反射防止膜のマトリックス成分としては、前記ハードコート層用と同様のマトリックス成分を使用することができる。
【0054】
また、マトリックス成分として加水分解性有機珪素化合物の重縮合物を用いることも可能である。
反射防止膜の厚さは通常50〜300nm、さらには80〜200nmの範囲であり、屈折率は下層の屈折率によっても異なるが、通常1.35〜1.45の範囲である。
【0055】
なお、本発明の透明性着色膜付基材は、上記他の被膜とともに設けた着色膜の反対側の基材上に透明性着色膜を設けてもよく、他の被膜を設けた反対側の基材上に透明性着色膜を設けてもよい。この場合、通常、ガラス基板や偏光板と張り合わせるため、粘着層中に着色剤を混合してもよい。
透明性着色膜形成用塗布液
つぎに、本発明に係る透明性着色膜形成用塗布液について説明する。
【0056】
本発明に係る透明性着色膜形成用塗布液は、マトリックス形成成分と着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とを含んでなり、マトリックス形成成分と着色剤との合計の濃度が固形分として0.5〜60重量%の範囲にあり、該着色剤を透明性着色膜中に固形分として0.1〜50重量%となるように含有していることを特徴としている。
マトリックス形成成分
マトリックス形成成分としては前記したマトリックス性分となる樹脂が用いられる。
具体的には塗料用樹脂として公知の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化樹脂等のいずれも採用することができ、たとえば、従来から用いられているポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーンゴム性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。さらにはこれら樹脂の2種以上の共重合体や変性体であってもよい。
【0057】
これらの樹脂は、エマルジョン樹脂、水溶性樹脂、親水性樹脂であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂の場合、紫外線硬化型のものであっても、電子線硬化型のものであってもよく、熱硬化性樹脂の場合、硬化触媒が含まれていてもよい。
【0058】
このようなマトリックス形成成分の透明性着色膜形成用塗布液中の濃度は、固形分として0.1〜60重量%、さらには0.5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
マトリックス形成成分の透明性着色膜形成用塗布液中の濃度が固形分として0.1重量%未満の場合は、得られる透明性着色膜の膜厚が20nm未満となることがあり、所定の光透過率が得られないことがあり、また所定の光透過率を得るために繰り返し塗布する必要が生じる。
マトリックス形成成分の透明性着色膜形成用塗布液中の濃度が固形分として60重量%を超えると、塗布液の安定性が不充分となり得られる透明性着色膜にムラが発生したり、基材との密着性、耐擦傷性、硬度、透明性等が不充分となることがある。
【0059】
着色剤
着色剤としては前記したと同様のものが用いられる。
透明性着色膜形成用塗料中の着色剤の濃度は、固形分として0.1〜60重量%、さらには0.5〜50重量%の範囲にあることが好ましい。着色剤の濃度が少ないと、所定の光透過率が得られないことがある。着色剤の濃度が高すぎても、塗布液の安定性が不充分となり得られる透明性着色膜にムラや凝集物が発生したり、基材との密着性、耐擦傷性、硬度、透明性等が不充分となることがある。着色剤は、透明性着色膜中に固形分として0.1〜50重量%、さらには0.2〜40重量%となるように含有されていることが好ましい。
【0060】
重合開始剤
本発明の透明性着色膜形成用塗布液には重合開始剤が含まれていてもよい。
重合開始剤としては前記マトリックス形成成分を重合、硬化させることができれば特に制限はなく、樹脂によって適宜選択し、従来公知の重合開始剤を用いることができる。
【0061】
例えば、アシルホスフィンオキシド類、アセトフェノン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類等の重合開始剤の他、カチオン系光重合開始剤等が挙げられる。
【0062】
透明被膜形成用塗料中の重合開始剤の濃度はマトリックス形成成分の種類によっても異なるが、マトリックス形成成分および重合開始剤を固形分としたとき、マトリックス形成成分の0.1〜20重量%、さらには0.5〜10重量%の範囲にあることが好ましい。重合開始剤の含有量が少ないと、塗膜の硬化が不充分となることがあり、多すぎても、塗料の安定性が不充分となったり、得られる透明被膜の硬度が不充分となることがある。
分散媒
分散媒としてはマトリックス形成成分、必要に応じて用いる重合開始剤を溶解あるいは分散できるとともに着色剤を均一に分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。
【0063】
具体的には、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、トルエン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。なかでもカルボニル基を有する溶媒は好適に用いることができる。
【0064】
カルボニル基を有する溶媒が含まれていると、表面処理した顔料粒子および/または金属微粒子が均一に分散するとともに塗料の安定性がよく、均一性、基材との密着性、強度等に優れるとともに、凹凸を有する透明被膜を再現性よく形成することができる。
【0065】
これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできるが、本発明では沸点の異なる2種以上の溶媒を混合して用いることが好ましい。
金属酸化物微粒子
本発明の透明性着色膜形成用塗料には、前記着色剤に加えて金属酸化物微粒子を含んでいてもよい。
【0066】
金属酸化物微粒子としては、前記した金属酸化物微粒子あるいは表面処理された金属酸化物微粒子を用いることができる。
透明性着色膜形成用塗料中の金属酸化物微粒子あるいは表面処理された金属酸化物微粒子の含有量は固形分として0.1〜50重量%、さらには0.2〜40重量%の範囲にあることが好ましい。金属酸化物微粒子(表面処理されたものも含む)の濃度が少ないと、金属酸化物粒子の固有の特性、高屈折率機能、低屈折率機能、導電性機能、ハードコート機能などを充分発現できない場合があり、また多すぎると、着色剤を低減する必要が生じ
てしまい、充分な着色剤添加効果が得られない場合がある。
【0067】
このような透明性着色膜形成用塗布液をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、乾燥し、マトリックス形成成分が熱硬化性樹脂の場合は硬化させた後、熱可塑性樹脂の場合は、さらに必要に応じて基材の軟化点未満の温度で加熱処理することによって透明性着色膜を形成することができる。
【0068】
透明性着色膜付基材が他の被膜を有する場合、他の被膜がハードコート層である場合には、基材上にハードコート層形成用塗料を塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化し、ついで、前記透明性着色膜形成用塗布液を塗布し、乾燥し、硬化して透明性着色膜付基材を得ることができる。
【0069】
また、他の被膜が反射防止膜である場合は、前記透明性着色膜形成用塗布液を塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化した後、反射防止膜形成用塗料を塗布し、乾燥し、硬化して透明性着色膜付基材を得ることができる。
【0070】
なお、透明性着色膜に粘着性を付与することも可能であり、この場合、基材上にあるいは他の被膜等を設けた反対側の基材上に透明性着色膜形成用塗布液をディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法等の周知の方法で基材に塗布し、他の基材に貼り付けた後、必要に応じて乾燥し、マトリックス形成成分が熱硬化性樹脂の場合は硬化させた後、熱可塑性樹脂の場合は、さらに必要に応じて基材の軟化点未満の温度で加熱処理することによって透明性着色膜を形成することができる。
【0071】
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
透明性着色膜形成用塗布液(1)の調製
顔料粒子としてキナクリドン系顔料分散液(御国色素社製:ハイミクロンKバイオレット13718S、固形分濃度10重量%、水分散媒)100gにSiO2濃度5重量%の珪酸液
50gを添加し50℃の浴槽中で1時間混合攪拌を行い固形分濃度8.3重量%の着色剤(CH-1)分散液を得た。得られた着色剤(CH-1)分散液24.1gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデックV5500)28gとIPA/ブチルセ
ロソルブ=9/1混合溶液47.9gとを混合攪拌し固形分濃度30重量%(固形分中の着色剤(CH-1)含有量6.7重量%)の透明性着色膜形成用塗布液(1)を調製した。
透明性着色膜付基材(F-1)の製造
透明性着色膜形成用塗布液(1)をTACフィルム(厚さ:80μm、屈折率:1.49、基材透過率88%)にバーコーター法で塗布し、80℃で1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を200mJ/cm2で照射して硬化させ、透明性着色膜付基材(F-1)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
【0072】
得られた透明性着色膜付基材(F-1)について、コントラスト、光透過率、反射率、ヘー
ズ、表面抵抗、鉛筆硬度、耐擦傷性および密着性を下記の方法および評価基準で評価し、結果を表に示した。
【0073】
光透過率は、分光光度計(日本分光製 U-vest560)を用い吸収ピーク波長における光
透過率を測定し、同じ波長における基材のみの光透過率との差を透明性着色膜(F-1)の光
透過率とした。反射率は、分光光度計(日本分光製 U-vest560)を用い可視光領域の最
小反射率を測定した。また、ヘーズはヘーズメーター(スガ試験機(株)製)により測定した。
【0074】
表面抵抗は、表面抵抗計(三菱化学(株)製:ハイレスタ)にて測定した。
コントラスト
透明性着色膜付基材(F-1)を液晶モニター(三菱電機製:Diamondcrysta RDTISILM)に
貼り、基材のみを貼ったときと比較した赤・緑・黄・黒の見え方以下の基準で評価した。非常に鮮やかに見える :◎
鮮やかに見える :○
やや鮮やかに見える :△
基材のみの場合と殆ど変わらない:×
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
【0075】
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を
目視観察し、以下の基準で評価した。
【0076】
筋条の傷が認められない :◎
筋条の傷が僅かに認められる :○
筋条の傷が多数認められる :△
膜の表面が全体的に削られている :×
密着性
透明性着色膜付基材(F-1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付
けて100個の升目を作り、これにセロハンテープ(登録商標)を接着し、ついで、セロハンテープを剥離したときに剥離せず残存している升目の数を、以下の基準で評価した。残存升目の数95個以上 :◎
残存升目の数90〜94個 :○
残存升目の数85〜89個 :△
残存升目の数84個以下 :×
[実施例2]
透明性着色膜形成用塗布液(2)の調製
実施例1と同様にして調製した着色剤(CH−1)分散液100gにγ-アクリロキシプロピルトりメトキシシラン(信越化学製:KBM-5103、100%)0.42gを加し、
50℃の浴槽中で1時間混合攪拌を行い固形分濃度8.7重量%の着色剤(CH-2)分
散液を得た。
得られた着色剤(CH-2)分散液22.9gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本イン
キ(株)製:ユニデックV5500)28gとIPA/ブチルセロソルブ=9/1混合溶
液を49.1gとを混合攪拌し、固形分濃度30重量%(固形分中の着色剤(CH−2)6.7重量%)の透明性着色膜形成用塗布液(2)を調製した。
透明性着色膜付基材(F-2)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にして透明性着
色膜付基材(F-2)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-2)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[実施例3]
透明性着色膜形成用塗布液(3)の調製
顔料粒子としてフタロシアニン系顔料分散液(御国色素社製:ハイミクロンKブルー5007A、固形分濃度8重量%、水分散媒)100gにアクリル樹脂(日本化薬製:1.6ヘキ
サンジオールジアクリレート)4gとIPA50gとを添加し50℃の浴槽中で1時間混合攪拌を行い固形分濃度7.8重量%の着色剤(CH-3)分散液を得た。得られた着色
剤(CH-3)を38.5gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニ
デックV5500)7gとIPA/ブチルセロソルブ=9/1混合溶液54.5gとを混
合攪拌し固形分10重量%(固形分中の着色剤(CH−3)含有量30重量%)の透明性着色膜形成塗布液(3)を調製した。
透明性着色膜付基材(F-3)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にして透明性着
色膜付基材(F-3)を調製した。このときの膜厚は0.1μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-3)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[実施例4]
透明性着色膜形成用塗布液(4)の調製
実施例2と同様にして調製した固形分濃度8.7重量%の着色剤(CH-2)分散液2
2.9gと5酸化アンチモン粒子分散液(触媒化成製:ELCOM V-4521、固形分濃度30重量%、IPA分散媒、平均粒子径20nm)30gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデックV5500)19gとIPA/ブチルセロソルブ=9
/1混合溶液28.1gとを混合攪拌し固形分濃度30重量%(固形分中の着色剤(CH-2)6.7重量%、Sb25濃度30重量%)の透明性着色膜形成塗布液(4)を調製した。
透明性着色膜付基材(F-4)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(4)を用いた以外は同様にして透明性着
色膜付基材(F-4)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-4)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[実施例5]
透明性着色膜形成用塗布液(5)の調製
金微粒子分散液(触媒化成製:CG-001、固形分濃度10重量%、水分散媒、平均粒子径2nm)100gにSiO2濃度5重量%の珪酸液50gを添加し50℃の浴槽中で1時間混合攪拌を行い固形分濃度8.3重量%の着色剤(CH-5)分散液を得た。得られた着色
剤(CH-5)分散液48.2gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:
ユニデックV5500)26gとIPA/ブチルセロソルブ=9/1混合溶液25.8g
とを混合攪拌し固形分濃度30重量%(固形分中の着色剤(CH-5)含有量13.4重
量%)の透明性着色膜形成塗布液(5)を調製した。
透明性着色膜付基材(F-5)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(5)を用いた以外は同様にして透明性着
色膜付基材(F-5)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-4)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[実施例6]
透明性着色膜形成用塗布液(6)の調製
金微粒子分散液(触媒化成製:CS-001、固形分濃度10重量%、水分散媒、平均粒子径6nm)100gにSiO2濃度5重量%の珪酸液50gを添加し50℃の浴槽中で1時間混合攪拌を行い、ついでγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学製:KB
M-403、100重量%)0.42g加え50℃の浴槽中でさらに1時間撹拌して固形分濃度8.6重量%の着色剤(CH-6)分散液を得た。得られた着色剤(CH-6)分散液34.9gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデックV5500)5gとIPA/ブチルセロソルブ=9/1混合溶液60.1gとを混合攪拌し固形分濃度10重量%(固形分中の着色剤(CH−6)含有量30重量%)の透明性着色膜形成用塗布液(6)を調製した。
透明性着色膜付基材(F-6)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(6)を用いた以外は同様にして透明性着
色膜付基材(F-6)を調製した。このときの膜厚は0.1μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-6)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示し
た。
[実施例7]
透明性着色膜付基材(F-7)の製造
実施例4と同様にして調製した透明性着色膜付基材(F-4)(着色膜の屈折率=1.53
)上に、反射防止膜形成塗布液(触媒化成製:ELCOM P-5013、中空シリカ粒子(平均粒子
径50nm)と紫外線硬化型アクリル系樹脂でからなり、固形分濃度2.5重量%)バー
コーター法で塗布し、80℃で1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を200mJ/cm2で照射して硬化させ、透明性着色膜付基材(F-7)を調製した。このときの反射防止膜の膜厚は0.1μm、屈折率は1.40であった。
【0077】
得られた透明性着色膜付基材(F-7)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[実施例8]
透明性着色膜付基材(F-8)の製造
実施例4と同様にして調製した透明性着色膜付基材(F-4)(着色膜の屈折率=1.53
)上に、実施例6と同様にして調製した透明性着色膜形成用塗布液(6)をバーコーター
法で塗布し、80℃で1分間乾燥した後、高圧水銀灯(80W/cm)を200mJ/cm2で照射して硬化させ、透明性着色膜付基材(F-8)を調製した。このときの透明性着色膜の合計膜厚は5.1μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-8)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[実施例9]
透明性着色膜形成用塗布液(9)の調製
顔料粒子としてキナクリドン系顔料分散液(御国色素社製:ハイミクロンKバイオレット13718S、固形分濃度10重量%、水分散媒)100gにSiO2濃度5重量%の珪酸液
6gを添加し50℃の浴槽中で1時間混合攪拌を行い固形分濃度9.7g重量%の着色剤(CH-9)分散液を得た。得られた着色剤(CH-9)分散液20.6gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデックV5500)28gとIPA/ブチル
セロソルブ=9/1混合溶液51.4gとを混合攪拌し固形分濃度30重量%(固形分中の着色剤(CH-9)含有量6.7重量%)の透明性着色膜形成用塗布液(9)を調製した。 透明性着色膜付基材(F-9)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(9)を用いた以外は同様にして透明性着
色膜付基材(F-9)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(F-9)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示した。
[比較例1]
透明性着色膜形成用塗布液(R1)の製造
五酸化アンチモン粒子分散液(触媒化成工業(株)製;ELCOM PC−14、平均
粒子径20nm、Sb25濃度20重量%、分散媒:エチルセロソルブ/エタノール重量
比=94/6)200gに紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデックV5500)160gとエチルセロソルブ640gとを混合して透明性着色膜形成用塗布液(R1)を調製した。
透明性着色膜付基材(RF-1)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(RF-1)を用いた以外は同様にして透明性着色膜付基材(RF-1)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(RF-1)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示
した。
[比較例2] (HC厚膜のブルー膜、着色剤添加過多)
透明性着色膜形成用塗布液(R2)の調製
実施例3と同様にして固形分濃度7.8重量%の着色剤(CH-3)分散液得た。得ら
れた着色剤(CH-3)を76.9gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)
製:ユニデックV5500)2gとIPA/ブチルセロソルブ=9/1混合溶液21.1
gとを混合攪拌し固形分10重量%(固形分中の着色剤(CH−3)含有量75重量%)の透明性着色膜形成塗布液(R2)を調製した。
透明性着色膜付基材(RF-2)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は同様にして透明性着色膜付基材(RF-2)を調製した。このときの膜厚は0.1μmであった。
【0078】
得られた透明性着色膜付基材(RF-2)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に
示した。
[比較例3]
透明性着色膜形成用塗布液(R3)の調製
顔料粒子としてキナクリドン系顔料分散液(御国色素社製:ハイミクロンKバイオレット13718S、固形分濃度10重量%、水分散媒)20gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大
日本インキ(株)製:ユニデックV5500)28gとIPA/ブチルセロソルブ=9/
1混合溶液52gとを混合攪拌し固形分濃度30重量%(固形分中の顔料粒子含有量6.7重量%)の透明性着色膜形成用塗布液(R3)を調製した。
透明性着色膜付基材(RF-3)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(R3)を用いた以外は同様にして透明性着色膜付基材(RF-3)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(RF-3)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示
した。
[比較例4]([実施例5]で(厚膜のAu、酸化物被覆無し)
透明性着色膜形成用塗布液(R4)の調製
金微粒子分散液(触媒化成製:CG-001、固形分濃度10重量%、水分散媒、平均粒子径2nm)40gとアクリル系紫外線硬化樹脂(大日本インキ(株)製:ユニデックV5500)26gとIPA/ブチルセロソルブ=9/1混合溶液54gとを混合攪拌し固形分
濃度30重量%(固形分中の金微粒子含有量13.3重量%)の透明性着色膜形成塗布液(RF-4)を調製した。
透明性着色膜付基材(RF-4)の製造
実施例1において、透明性着色膜形成用塗布液(RF-4)を用いた以外は同様にして透明性着色膜付基材(RF-4)を調製した。このときの膜厚は5μmであった。
得られた透明性着色膜付基材(RF-4)について実施例1と同様の評価を行い、結果を表に示
した。
【0079】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、基材上の片面または両面に形成された透明性着色膜とからなり、
該透明性着色膜が、マトリックス成分と、着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とを含んでなり、着色膜中の該着色剤の含有量が0.1〜50重量%の範囲にあることを特徴とする透明性着色膜付基材。
【請求項2】
前記着色剤が下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理されていることを特徴と
する請求項1に記載の透明性着色膜付基材。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
【請求項3】
前記着色剤が下記式(2)で表される有機珪素化合物で表面処理されていることを特徴と
する請求項1または2に記載の透明性着色膜付基材。
X-R-Si(OR)3 (2)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。Xはγ-グリシドキシ基、または(メタ)アクリロイル基を示す。)
【請求項4】
前記透明性着色膜が着色剤としてさらに染料を含んでなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明性着色膜付基材。
【請求項5】
前記透明性着色膜は、
少なくとも波長560〜620nmの光透過率(I)が40〜98%にあるか、あるい
は波長450〜500nmの光透過率(II)が40〜98%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明性着色膜付基材。
【請求項6】
さらに前記透明性着色膜の他の被膜が設けられてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の透明性着色膜付基材。
【請求項7】
マトリックス形成成分と、着色剤として無機酸化物または樹脂で被覆された顔料粒子および/または金属微粒子とを含んでなり、マトリックス形成成分と着色剤との合計の濃度が固形分として0.5〜60重量%の範囲にあり、該着色剤を透明性着色膜中に固形分として0.1〜50重量%となるように含有していることを特徴とする透明性着色膜形成用塗布液。
【請求項8】
前記着色剤が下記式(1)で表される有機珪素化合物で表面処理されていることを特徴と
する請求項7に記載の透明性着色膜形成用塗布液。
n-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
【請求項9】
前記着色剤がさらに下記式(2)で表される有機珪素化合物で表面処理されていることを
特徴とする請求項7または8に記載の透明性着色膜形成用塗布液。
X-R-Si(OR)3 (2)
(式中、Rは、置換または非置換の炭化水素基から選ばれる炭素数1〜10の有機基を表す。X-はγ-グリシドキシ基、(メタ)アクリロイル基を示す。)
【請求項10】
着色剤としてさらに染料を含んでなることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の透明性着色膜形成用塗布液。

【公開番号】特開2008−162142(P2008−162142A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354822(P2006−354822)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000190024)触媒化成工業株式会社 (458)
【Fターム(参考)】