説明

通信システムおよびそれを用いる給電監視制御システムならびに通信システムにおけるファームウェアの更新方法

【課題】遠隔検針を行うことができる給電監視制御システムにおいて、各戸のユニット電力計までわざわざ出向することなく、ファームウェアを更新できるようにする。
【解決手段】サーバ装置から、ゲートウエイを介して、多数の端局となるユニット電力計がツリー状に配列されて成る給電監視制御システムにおいて、前記サーバ装置からは、更新用のファームウェアが所定のデータ量のブロックに分割され、通し番号を付して送信される。それを受信したユニット電力計の無線通信装置5において、無線通信制御部12はバッファメモリ16に格納してゆくとともに、下位側のユニット電力計Tへも中継送信する。そして、メーカIDやプログラムIDなどが該当する場合、前記無線通信制御部12が、バッファメモリ16の記憶内容を確認し、通し番号に欠番が生じている場合にはそのブロックだけ再送信を要求する。こうしてトラヒックも抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを管理する管理装置から、複数の端局が、ツリー状などのデータを順次中継送信可能なように接続されて成る通信システムおよびそれを用いる給電監視制御システムならびに通信システムにおけるファームウェアの更新方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記のような通信システムを、電気、ガス、水道等の検針に用いた典型的な従来技術が、特許文献1に示されている。この従来技術では、検針データを上位側の端局に吸い上げて統合し、さらに上位側へと転送してゆくので、管理装置が各端局を個別にポーリングする場合に比べて、短時間でデータを収集できるようになっている。
【0003】
そのような通信システムにおいて、通信機能や業務要件の変更などによってファームウェアの書替えが必要になると、従来では、作業員が現地へ出向し、ファームウェアをインストールするか、或いは基板または装置自体を交換することで対応している。
【0004】
しかしながら、前記電気、ガス、水道等のメータは、高所に設置されていたり、隣家との隙間に設置されたりして、作業自体が困難であるとともに、台数が多く、所定期間内に作業を終えるには多くの労力を要する。また、前記電気、ガス、水道等のメータは、複数の納入業者(メーカ)があり、納入時期によって型番(機能)も異なっており、どの家のメータにどのファームウェアをインストールすればよいのかというデータの管理も煩雑である。
【0005】
一方、特許文献2には、音楽等をツリー状のネットワークを介して上位の端局から下位の端局へ順次中継送信してゆくことで効率的に配信するようにしたコンテンツ配信システムにおいて、必要に応じてファームウェアも混ぜて配信し、各端局では、上位側が更新したファームウェアで動作していると判定すると、更新契機と判定して、自機も再起動して、受信していた更新用ファームウェアへ更新を行うことで、ネットワークの上位側から順に更新が行われ、ネットワークの接続が途切れることによる階層構造の混乱を防止して、前記ツリー構造における接続品質やサービス品質を安定させることができるファームウェア更新方法が提案されている。
【特許文献1】特開2000−187793号公報
【特許文献2】特開2007−179487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、特許文献1の構成に、特許文献2の手法を用いれば、遠隔検針を行う通信システムにおいて、ファームウェアの自動更新を行うことができる。しかしながら、特許文献2では、各端末が、インターネット回線等の比較的安定で高速なネットワークに接続されている。一方、前記電気、ガス、水道等のメータの遠隔検針には、各戸のメータまで通信ケーブルを敷設することは現実的ではなく、無線での通信が考えられる。ところが、そうなると、電波状況やトラヒックなどで、上手くインストールできない端局が発生するという問題がある。また、通信速度も比較的低いので、トラヒックを抑える必要がある。
【0007】
本発明の目的は、多数の端局が設置される状況でも、その設置箇所までわざわざ出向することなく、ファームウェアを、トラヒックを抑えつつ、確実にインストールすることができる通信システムおよびそれを用いる給電監視制御システムならびに通信システムにおけるファームウェアの更新方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信システムは、ネットワークを管理する管理装置から、複数の端局が、順次データを中継送信可能なように接続されて成る通信システムにおいて、前記各端局は、前記中継送信を行うことができる第1の通信手段と、ファームウェアを格納している記憶手段と、前記記憶手段に格納されたファームウェアに従って動作を制御する第1の制御手段とを備え、前記管理装置は、前記ファームウェアを所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信する第2の通信手段と、前記第2の通信手段を制御する第2の制御手段とを備え、前記管理装置の第2の通信手段から送信されたファームウェアは、前記各端局の第1の通信手段を順次中継送信されて前記各端局の記憶手段に格納され、前記第1の制御手段は、前記記憶手段の記憶内容を確認し、前記通し番号に欠番が生じている場合には、前記ファームウェアの送信が終了した時点や、ネットワークのトラヒックが少ない時間帯等の予め定められる送信タイミングに、前記管理装置へ向けて、前記第1の通信手段に欠落しているブロック番号のファームウェアの再送信を要求させ、それを受信した第2の制御手段は、前記第2の通信手段に、該当するブロックのファームウェアを再送信させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のファームウェアの更新方法は、ネットワークを管理する管理装置から、複数の端局が、順次データを中継送信可能なように接続されて成る通信システムにおけるファームウェアの更新方法であって、前記管理装置が、前記ファームウェアを所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信し、各端局で順次中継送信されて前記各端局に格納されてゆくステップと、前記各端局において、受信されたファームウェアを確認し、前記通し番号に欠番が生じているか否かを確認するステップと、前記欠番が生じている場合に、予め定められる送信タイミングとなった時点で、端局から管理装置へ欠落しているブロック番号のファームウェアの再送信を要求するステップと、前記管理装置が端局へ該当するブロックのファームウェアを再送信するステップとを含むことを特徴とする通信システムにおける。
【0010】
上記の構成によれば、ネットワークを管理する管理装置に、多数の端局がツリー状や直線状に配列されて成り、前記管理装置からのデータを、各端局が順次中継送信してゆくことで、末端の端局までデータの伝送が可能になり、また前記末端の端局からのデータも順次中継送信されて前記管理装置まで伝送が可能となる通信システムにおいて、たとえば特定のメーカの特定の型番の端局のファームウェアの更新にあたって、大容量のデータを該当する各端局にインストールするために、前記管理装置では、第2の制御手段が第2の通信手段を制御して、前記ファームウェアを、1回に回線を占拠してよい時間に、回線の伝送レートなどから規定される所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信させる。
【0011】
それを各端局は第1の通信手段で受信して、下位側の端局へ中継送信するとともに、該当端局は前記記憶手段に格納してゆく。そして、各該当端局では、第1の制御手段が、記憶手段の記憶内容を確認し、前記通し番号に欠番が生じておらず、総てのブロックが正常に受信できた場合は、適宜自己リセット(リブート)して新しいファームウェアで起動するとともに、その正しく受信できたことを表すACKを返信せず、トラヒックを抑える。これに対して、前記第1の制御手段は、前記通し番号に欠番が生じている場合には、前記ファームウェアの送信が終了した時点や、ネットワークのトラヒックが少ない時間帯等の予め定められる送信タイミングに、前記管理装置へ向けて、前記第1の通信手段に欠落しているブロック番号のファームウェアの再送信を要求させる。その要求を受信した管理装置の第2の制御手段は、前記第2の通信手段に、該当するブロックのファームウェアを再送信させる。
【0012】
したがって、各端局のファームウェアを一括して更新することができ、またブロックの欠落によって上手く更新できなかった端局に関しては、その欠落したブロックだけ再送信するので、複数のメーカの製品が入り乱れて多数の端局が設置される状況でも、その設置箇所までわざわざ出向することなく、前記大容量のファームウェアを遠隔で、しかも最小限のトラヒックで確実にインストールすることができる。
【0013】
さらにまた、本発明の通信システムでは、前記管理装置は、各端局のIDに対応付けて、その端局で使用すべきファームウェアのIDを記憶している管理部をさらに備え、前記各端局の第1の制御手段は、自機のIDと共にファームウェアIDを定期的に前記第1の通信手段から第2の通信手段を介して前記管理部に報告しており、前記報告を受信した管理部は、記憶しているファームウェアIDと報告を受けたファームウェアIDとが一致しない場合には、前記第2の通信手段から第1の通信手段を介して、前記第1の制御手段に、該管理部側で記憶しているファームウェアIDのファームウェアへ端局を更新させるために、該端局単体での更新要求を送信させることを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、管理装置側で各端局のファームウェアのバージョンを管理し、該管理装置が記憶しているファームウェアのIDと端局から報告を受けた実際に使用されているファームウェアのIDとが一致しない場合には、端局側にファームウェアの更新要求を該端局単体に送信させ、更新を行わせる。
【0015】
したがって、通信回線や上位側の端局の不具合等で更新ファームウェアの総て或いは一部を受信できていなかった端局や、新たにネットワークに接続された古いバージョンのファームウェアを有する端局に対しても、漏れなく、最新のバージョンのファームウェアをインストールさせることができる。
【0016】
好ましくは、前記各端局から管理装置へ伝送されるデータは各端局で収集されたセンシングデータであり、管理装置から各端局へ伝送されるデータは各端局に対する制御データであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の通信システムでは、前記第1および第2の通信手段は、PHS(Personal Handyphone System)トランシーバモードで通信を行うことを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、PHSのような無線通信では、電波状況が変化し、また通信速度も比較的低いので、本発明のような最小限のトラヒックで確実にファームウェアをインストールすることができる手法は、特に好適である。
【0019】
さらにまた、本発明の給電監視制御システムは、前記の通信システムにおいて、各端局に、前記センシングデータを取得する電力量計および前記制御データに応答して開閉制御を行う負荷開閉器が併設されて成ることを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、管理装置は、各端局がどのように配列されているかを表すルートテーブルを保持して、各端局から定期的に電力量計のセンシングデータを取得し、必要に応じて各端局を介して負荷開閉器を制御することができる。
【0021】
したがって、時間帯別の使用電力量の集計や、入退居に伴う給停電を、作業者が直接契約家庭や事業所に出向くことなく、電力会社の営業所などで遠隔にて行うことができる。これによって、細かな料金体系を採用したり、課金や給停電を速やかに行うことができ、電力会社において、顧客サービスを向上することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の通信システムおよびそのファームウェアの更新方法は、以上のように、ネットワークを管理する管理装置に、多数の端局がツリー状や直線状に配列されて成り、前記管理装置からのデータを、各端局が順次中継送信してゆくことで、末端の端局までデータの伝送が可能になり、また前記末端の端局からのデータも順次中継送信されて前記管理装置まで伝送が可能となる通信システムにおいて、たとえば特定のメーカの特定の型番の端局のファームウェアの更新にあたって、大容量のデータを該当する各端局にインストールするために、前記管理装置では、所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信し、それを受信した各端局は、下位側の端局へ中継送信するとともに、該当端局である場合は順次記憶してゆき、送信終了後に、前記各該当端局は、前記通し番号に欠番が生じておらず、総てのブロックが正常に受信できた場合は、適宜自己リセット(リブート)して新しいファームウェアで起動するとともに、その正しく受信できたことを表すACKは返信せず、トラヒックを抑えるのに対して、前記通し番号に欠番が生じている場合には、欠落しているブロック番号のファームウェアの再送信を要求する。
【0023】
それゆえ、各端局のファームウェアを一括して更新することができ、またブロックの欠落によって上手く更新できなかった端局に関しては、その欠落したブロックだけ再送信するので、複数のメーカの製品が入り乱れて多数の端局が設置される状況でも、その設置箇所までわざわざ出向することなく、前記大容量のファームウェアを遠隔で、しかも最小限のトラヒックで確実にインストールすることができる。
【0024】
さらにまた、本発明の給電監視制御システムは、以上のように、前記の通信システムにおいて、各端局に、センシングデータを取得する電力量計および制御データに応答して開閉制御を行う負荷開閉器を併設して成る。
【0025】
それゆえ、時間帯別の使用電力量の集計や、入退居に伴う給停電を、作業者が直接契約家庭や事業所に出向くことなく、電力会社の営業所などで遠隔にて行うことができる。これによって、細かな料金体系を採用したり、課金や給停電を速やかに行うことができ、電力会社において、顧客サービスを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明の実施の一形態に係る給電監視制御システムの全体構成を示すブロック図である。この給電監視制御システムは、電力会社の営業所などに設置されるサーバ装置1と、そのサーバ装置1と社内光ファイバ網などのネットワーク2を介して接続される1または複数のゲートウエイGWa,GWb,GWc,・・・(総称するときは、以下参照符号GWで示す)と、前記各ゲートウエイGWから最下位の末端局であるユニット電力計T1−1,T1−2,T1−3,・・・まで、複数の階層を備えるツリー状に配列される前記ユニット電力計T1−1,T1−2,T1−3,・・・;T2−1,T2−2,・・・;T3−1,T3−2,・・・(総称するときは、以下参照符号Tで示す)とを備えて構成される。
【0027】
各ユニット電力計Tは、本願出願人が先に特開2006−292442号公報や特開2006−170787号公報で提案したような構造に類似しており、たとえば図2で示すように構成される。すなわち、宅内の各配電線が接続される端子台6側から、負荷開閉器3、電力量計4および無線通信装置5が配列されて構成されている。前記電力量計4は、積算電力量を予め定める周期、たとえば30分毎に検針し、センシングデータであるその検針データを、無線通信装置5が、各ユニット電力計Tに予め設定されたタイミングに、自機の属するゲートウエイGWへ向けて送信し、集約されてサーバ装置1に入力される。一方、サーバ装置1からは、負荷開閉器3の開閉や、不達検針データを再送させるバックアップ検針などを行わせるための制御データが、必要に応じて、ゲートウエイGWを介して各無線通信装置5へ向けて送信される。
【0028】
前記サーバ装置1は、各ユニット電力計Tがどのように配列されているかを表す図1で示すようなルートテーブルを保持しており、上述のようにしてそれぞれに内蔵する無線通信装置5から定期的に電力量計4の検針データを取得し、必要に応じて各無線通信装置5を介して負荷開閉器3を制御することができるようになっており、時間帯別の使用電力量の集計や、入退居に伴う給停電を、作業者が直接契約家庭や事業所に出向くことなく、電力会社の営業所などで遠隔にて行うことができる。これによって、細かな料金体系を採用したり、課金や給停電を速やかに行うことができ、電力会社において、顧客サービスを向上することができるようになっている。
【0029】
各ユニット電力計Tにおいて、前記特許文献1の従来技術では、前記無線通信装置5の部分には、電柱などからの通信信号線を引込むタイプワイヤードの通信装置が使用されていたのを、本発明では、PHS(Personal Handyphone System)トランシーバモードで無線通信を行う装置を用い、以下のようにして通信動作を行う。前記PHSトランシーバモードでは、見通し可能な場合、半径150〜200mの範囲で通信可能となり、各無線通信装置5は、隣接する無線通信装置だけでなく、場合によっては、直接ゲートウエイGWと通信を行うことも可能になる。
【0030】
図3は、無線通信装置5の一構成例を示すブロック図である。この無線通信装置5は、第1の通信手段である前記PHSの無線機11と、その通信を制御する第1の制御手段である無線通信制御部12およびタイマ13と、通信に必要なパラメータを記憶しているメモリ14と、前記メモリ14の内容の一部を設定することができる入力操作部15と、電力量計4から検針データを受信するインタフェイス21と、前記負荷開閉器3へ制御データを送信するインタフェイス22と、それらの電力量計4および負荷開閉器3との通信を制御する第1の制御手段である機内通信制御部23と、前記検針データをバックアップ記憶しておくデータメモリ24と、前記検針データや制御データを前記無線機11から送受信するにあたって、後述するような併合・分割の処理を行うデータ加工部25と、そのデータ加工の際に使用されるワーキングメモリ26と、前記無線通信制御部12、機内通信制御部23およびデータ加工部25の動作プログラム(ファームウェア)を記憶しており、記憶手段であるプログラムメモリ17と、後述するようにして前記動作プログラム(ファームウェア)をネットワーク配信する際に使用されるバッファメモリ16とを備えて構成される。
【0031】
一方、図4は、管理装置であるサーバ装置1の一構成例を示すブロック図である。サーバ装置1は、入力操作部51と、端局となる各ユニット電力計Tの電力量計4から検針データを収集するとともに、負荷開閉器3を制御するユニット制御部52と、その検針データや負荷の制御状況を記憶しているデータベース53と、各ユニット電力計Tに関する状況を記憶するデータベース54と、各ユニット電力計Tに使用されるプログラム(ファームウェア)を記憶しているデータベース55と、前記データベース54,55を使用して、後述するようなプログラム配信等を行い、第2の制御手段であるファームウェア管理部56と、前記ネットワーク2に接続され、ゲートウエイGWから各ユニット電力計Tと通信を行い、第2の通信手段であるインタフェイス57とを備えて構成される。
【0032】
前記ゲートウエイGWは、前記図3で示す無線通信装置5の構成において、電力量計4および負荷開閉器3との通信を制御する機内通信制御部23、インタフェイス21,22およびデータメモリ24に代えて、ネットワーク2と通信を行う通信制御部およびインタフェイスを備えて構成される。
【0033】
上述のように構成される給電監視制御システムにおいて、各無線通信装置5は、前記入力操作部15から設定され、前記メモリ14に、自機の電話番号♯01を有するとともに、前記検針データを転送する上位の相手(発呼)先の電話番号♯11と、緊急の制御時やファームウェア送信時に使用されるもう1つの電話番号♯12とを有する。前記電話番号♯11は前記ルートテーブルの階層に従う自機に隣接するユニット電力計の電話番号であり、もう1つの電話番号♯12は少なくとも一部のユニット電力計で前記階層を超越する自機に直接は隣接しないユニット電力計の電話番号である。
【0034】
具体的には、図1の例では、最下位の末端局であるユニット電力計T1−1,T1−2,T1−3,T1−4,T1−5;T1−11,T1−12(総称するときは、以下参照符号T1で示す)には、それぞれ前記電話番号♯01として、a−300,a−310,a−320,a−330,a−340;b−300,b−310が、前記入力操作部15から予め登録されている。そして、電話番号♯11には、それぞれ1つ上位の局であるユニット電力計T2−2,T2−4,T2−6,T2−8,T2−10;T2−12,T2−14の電話番号a−120,a−140,a−160,a−180,a−200;b−120,b−140が予め登録されている。これに対して、前記緊急時やファームウェア送信時に使用される電話番号♯12には、それぞれ2つ以上上位の局であるユニット電力計の電話番号、たとえばユニット電力計T1−11,T1−12では、T4−11,T3−12の電話番号b−30,b−80が、前記入力操作部15から予め登録されている。
【0035】
このように構成される無線通信装置5において、先ず通常状態では、無線通信制御部12は、無線機11で受信された下位側からの検針データを前記データ加工部25に入力する。一方、前記データ加工部25には、前記インタフェイス21を介して機内通信制御部23が受信し、データメモリ24に格納しておいた自機の電力量計4からの検針データが、予め定める送信周期、たとえば前記30分毎に読出されている。そして前記データ加工部25は、ワーキングメモリ26を使用して、入力されたデータを併合する処理を行い、新たな検針データを作成する。
【0036】
その新たな検針データには、無線通信制御部12において、前記メモリ14の電話番号♯01に格納されている自機の電話番号、たとえば前記ユニット電力計T3−12ではb−80が付加された後、タイマ13で規定されたタイミングτ1に、無線機11から、前記電話番号♯11に格納されている自機に隣接する上位側の無線通信装置の電話番号、たとえば前記ユニット電力計T3−12ではユニット電力計T4−11のb−30に発呼させて送信を行う。
【0037】
こうして、自機が中継局となってデータを転送する際に、無線通信制御部12が、下位側からの検針データに、自機の検針データを併合して、上位側へ転送してゆくことで、基端局(上位)側となる程データ長が長くなるが、各無線通信装置が基端局へデータを個別に送信してゆく場合に比べて、トラヒックを大幅に削減することができる。なお、自機が末端局である場合は、転送されて来る検針データが無いので、前記無線機11での受信は行われず、またデータ加工部25での検針データの併合は行われず、メモリ24からの検針データがそのまま送信される。サーバ装置1では、インタフェイス57からユニット制御部52が検針データを受信し、併合されているデータを分割して、データベース53に、需要家毎に格納してゆく。
【0038】
前記データメモリ24に格納されるデータは、図3において参照符号24aで示すような、毎時0分および30分において電力量計4で検針された積算電力量のデータであり、或いは図示しない停電などの情報も合わせて格納されていてもよく、その記憶容量は、検針データを、たとえば40日分蓄積可能な容量に選ばれる。サーバ装置1側のデータベース53には、需要家毎の検針データや、負荷の制御状況、給停電の状況などが、さらに長期間分、格納されている。
【0039】
これに対して、前記負荷開閉器3から開閉制御の結果やバックアップ検針データなどの緊急に送信すべきデータが発生すると、無線通信制御部12は、それらのデータに、電話番号♯01に格納されている自機の電話番号を付加して送信データを作成し、無線機11に、メモリ14に前記電話番号♯12として格納されている自機に隣接していないジャンプ先の無線通信装置の電話番号、たとえば前記ユニット電力計T1−12ではユニット電力計T3−12のb−80で発呼させて送信を行う。このとき、PHSトランシーバモードでは、1:1の通信しか行えないので、既にそのジャンプ先のユニット電力計T3−12が話中であるときには、前記無線通信制御部12は、通信が終了すると想定されるまでの間待機した後、前記緊急時のデータを送信する。すなわち、各無線通信装置5は、1回の通信を15秒以内で終えるようになっており、前記ジャンプ送信ができなかった場合、再試行を5秒間隔で3回行うことで、前記ジャンプ送信を実現する。
【0040】
そのデータを無線機11で受信したユニット電力計T3−12の無線通信制御部12は、前記無線機11に自機のメモリ14に前記電話番号♯12として格納されているゲートウエイGWbに即座に発呼させて転送を行う。こうして、下位側からの緊急時のデータを最小限の中継回数で速やかに伝送することができる。
【0041】
また、サーバ装置1からの、たとえば前記入退居に伴う給停電(負荷開閉器3の開閉制御)やバックアップ検針データの送信要求などの緊急の制御データは、ユニット制御部52からインタフェイス57を介して送信され、ゲートウエイGWbを経由して、その制御データに格納されている前記ユニット電力計T3−12の電話番号b−80に発呼されて送信が行われる。これを受信したユニット電力計T3−12の無線通信装置5の通信制御部12は、同様に制御データ中に格納されている前記ユニット電力計T1−12の電話番号b−310に発呼させて転送を行う。制御データを受信した前記ユニット電力計T1−12の機内通信制御部23は、前記インタフェイス21を介して、前記負荷開閉器3の開閉制御を行い、或いは不達となった検針データをメモリ24から読出して、前記送信機11にバックアップ送信させる。こうして、上位側からの緊急時のデータも、最小限の中継回数で速やかに伝送することができる。
【0042】
一方、各需要家の負荷開閉器3を所定の時間に制御するための制御データ等、急ぎでない制御データの場合も、そのヘッダ部分に前記ルートテーブルに従い、途中に経由すべき無線通信装置の電話番号が総て記載されており、無線通信制御部12は、前記ユニット制御部52から自機に届いた制御データを解析し、次に送信すべき無線通信装置の電話番号に発呼することで転送を行う。たとえば、前記ユニット電力計T4−11で中継されたサーバ装置1からの制御データは、任意のタイミングで、次の階層のユニット電力計T3−11とT3−12との内、データに従って、たとえばT3−12に転送されることになる。このとき、前記無線機11で受信された制御データは、無線通信制御部12から前記データ加工部25に入力されて、ワーキングメモリ26を使用して自機宛の制御データが分割される。
【0043】
こうして、上位側からの制御データから、自機が受取るべき制御データを分割して、下位側へ転送してゆくことで、基端局(上位)側となる程データ長が長くなるが、基端局が各無線通信装置へデータを個別に送信してゆく場合に比べて、トラヒックを大幅に削減することができる。なお、自機が末端局である場合は、転送すべき制御データが無いので、前記無線機11での送信は行われず、またデータ加工部25での制御データの分割は行われない。図1では、ゲートウエイGWa側のツリーにおいて、前記検針データの併合および制御データの分割の様子を分り易く示すように、データ量に対応した太さの矢印を付して示している。
【0044】
このようにして、定時の検針データの収集や制御データの配信を規則的にかつ短時間で行うことができるとともに、緊急時や異常時などでは、速やかにデータを伝送することができる。また、各無線通信装置5のメモリ14には、隣接する上位の無線通信装置の電話番号♯11やジャンプ先の上位の無線通信装置の電話番号♯12を記憶しておくだけで、前記ツリー全体のルートテーブルを備えていなくてもよく、記憶容量を小さくすることができるとともに、ルート変更も容易である。
【0045】
そして注目すべきは、本発明の給電監視制御システムでは、サーバ装置1が、各ユニット電力計Tの無線通信装置5に、更新用の制御プログラム(ファームウェア)を、前記ツリー状のネットワークを介して、順次中継送信させてインストールさせてゆくことである。具体的には、先ず、制御プログラム(ファームウェア)の不具合対策や、改訂版の登場時等に行われる複数のユニット電力計への一括配信モードでは、サーバ装置1のファームウェア管理部56は、データベース55から更新用の制御プログラム(ファームウェア)を順次読出し、前記インタフェイス57から送信する。その送信された更新用の制御プログラム(ファームウェア)は、ゲートウエイGWを介して、各ユニット電力計Tの無線通信装置5に入力され、無線機11および無線通信制御部12からバッファメモリ16に一旦格納される。その更新用の制御プログラム(ファームウェア)には、参照符号16aで示すように、ヘッダに、対象となるユニット電力計のメーカID、型式ID(型番)、機番およびプログラムID(種類)やバージョンの各情報が示されるとともに、PHSトランシーバモードにおいて、1回に回線を占拠してよい時間に、PHSの伝送レートから決定された、たとえば50Kバイトの所定のデータ量単位に分割したブロックNo.が示され、それに本体プログラムが続けて示されている。
【0046】
この更新用の制御プログラム(ファームウェア)を受信した各無線通信装置5の無線通信制御部12は、バッファメモリ16から無線機11を使用して、上述のようにして、順次配下の無線通信装置へ中継送信する。さらに、無線通信制御部12は、メモリ14に予め格納されている自機のメーカID、型式IDおよび機番と照合し、自機が更新対象に含まれているか否かを判断する。自機が更新対象に含まれていない場合は、前記バッファメモリ16の内容を破棄する。自機が更新対象に含まれていると、さらに参照符号17aで示すような実際のプログラムメモリ17の内容と照合し、現在自機で使用している制御プログラム(ファームウェア)は、受信されたその制御プログラム(ファームウェア)に更新済みであるか否かを判断し、既に更新済みである場合にはバッファメモリ16の内容を破棄する。そして、最後のブロックを受信した時点で、無線通信制御部12は、バッファメモリ16の内容を再確認し、サーバ装置1からは通し番号で送信されているはずのブロックNo.を確認し、欠落が生じていなければ(総てのブロックが正常に受信できた場合は)、所定のタイミングで、プログラムメモリ17の該当する制御プログラム(ファームウェア)を書替える。図3の例では、ネットワーク通信に関する制御プログラム(ファームウェア)の新バージョンが配信されたことを表している。
【0047】
前記プログラムメモリ17の書替えは、0分や30分の定時の検針データの送信タイミングを除いて、負荷変動の少ない夜間などに適宜行われ、無線通信制御部12は、自己リセット(リブート)して新しい制御プログラム(ファームウェア)で起動する。この自己リセットの際、或いは制御プログラム(ファームウェア)を総て受信した時点でも、無線通信制御部12は、その正しく受信できたことを表すACKをサーバ装置1へ返信せず、トラヒックを抑える。以上の動作を示すと、図5のようになる。
【0048】
これに対して、前記通し番号に欠番が生じている場合には、無線通信制御部12は、前記自己リセットを行わず古いままの制御プログラム(ファームウェア)で動作を続ける。そして、前記夜間等、ネットワーク2のトラヒックが少ない時間帯などの予め定められるファームウェアバージョン通知タイミングとなると、無線通信制御部12は、プログラムメモリ17に格納されている前記プログラムID(種類)やバージョンの各情報を、メモリ14に格納されている自機のメーカID、型式ID(型番)および機番とともに送信する。それらの情報を受信したサーバ装置1のファームウェア管理部56は、データベースに格納されている各需要家のユニット電力計Tにおける前記メーカID、型式ID(型番)、機番、プログラムIDおよびバージョンなどのステータス情報と照合し、不一致である場合には、前述の制御プログラム(ファームウェア)の更新処理が適切に行われていないと判断して、そのユニット電力計に向けて、前記ジャンプ送信で不足ブロックのNo.を問い合せ、応答があると、その不足ブロックの制御プログラム(ファームウェア)を個別的にジャンプ送信する。なお、前記ファームウェア管理部56は、更新すべき制御プログラム(ファームウェア)を送信した時点で、該当するユニット電力計のステータス情報を書替えておく。また、前記プログラムIDやバージョンの報告は、ファームウェアの更新中か否かに拘わらず、予め定められたタイミングに行われる。以上の動作を示すと、図6のようになる。
【0049】
一方、需要家の契約形態の変更時等に行われる該当ユニット電力計への個別配信モードでは、サーバ装置1のファームウェア管理部56は、データベース55から更新用の制御プログラム(ファームウェア)のブロック1を読出し、中継先の電話番号を添付して、目的のユニット電力計に向けてジャンプ送信する。これを受信したユニット電力計の無線通信制御部12は、制御プログラム(ファームウェア)の更新動作を開始し、適応機のIDやバージョン情報から、自機に適した制御プログラム(ファームウェア)である場合には、ファームウェアの更新応答を返信する。これを受信したサーバ装置1のファームウェア管理部56は、データベース55からブロック2以降のデータを読出し、ユニット電力計側からの応答を受けることなく、順次ジャンプ送信を続ける。最終のブロックのデータを受信したユニット電力計の無線通信制御部12は、全ブロックを受信したことを表すファームウェア更新の応答を送信する。その後、前述のように適宜バッファメモリ16の内容によってプログラムメモリ17の内容を更新するとともに、自己リセットして処理を終了する。以上の動作を示すと、図7のようになる。
【0050】
しかしながら、送信途中でデータが消失し、無線通信制御部12が、最終のブロックのデータを受信した後、バッファメモリ16の内容を確認して、前述のようにブロックNo.に欠落が生じていることからそれを検知すると、不足ブロックのNo.をジャンプ送信し、サーバ装置1のファームウェア管理部56は、その不足ブロックのデータをジャンプ送信する。その後、前述のように適宜バッファメモリ16からプログラムメモリ17の内容を更新するとともに、自己リセットして処理を終了する。以上の動作を示すと、図8のようになる。
【0051】
また、最終ブロックのデータが消失した場合には、無線通信制御部12はそれを分らず、後続のブロックのデータを待受ける。このため、サーバ装置1側で、ファームウェア管理部56は、前記最終ブロックのデータを送信後、カウント動作を開始し、所定時間経過しても前記ファームウェア更新応答を受信しない場合は、ファームウェア管理部56は、不足ブロックをジャンプ送信で問い合わせる。その問い合わせに対する応答、すなわち最終ブロックが不足していることが通知されると、ファームウェア管理部56は、その最終ブロックのデータをジャンプ送信する。これによって、最終のブロックのデータを受信したユニット電力計の無線通信制御部12は、全ブロックを受信したことを表すファームウェア更新の応答を送信し、その後、適宜プログラムメモリ17の内容を更新し自己リセットして処理を終了する。以上の動作を示すと、図9のようになる。
【0052】
以上のように、本実施の形態の給電監視制御システムは、ネットワークを管理するサーバ装置1に、多数の端局となるユニット電力計Tがツリー状に配列されて成り、各ユニット電力計Tがデータを順次中継送信してゆくことで、遠隔検針や遠隔制御を可能とする給電監視制御システムにおいて、たとえば特定のメーカの特定の型番のユニット電力計のファームウェアの更新にあたって、大容量のデータを該当するユニット電力計Tにインストールするために、前記サーバ装置1では、ファームウェア管理部56が、データベース55から読出した更新用のファームウェアを所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信し、それを受信したユニット電力計Tの無線通信制御部12はバッファメモリ16に格納してゆくとともに、下位側のユニット電力計Tへも中継送信する。そして、該当する各ユニット電力計では、前記無線通信制御部12が、バッファメモリ16の記憶内容を確認し、前記通し番号に欠番が生じておらず、総てのブロックが正常に受信できた場合は、適宜自己リセット(リブート)して新しいファームウェアで起動するとともに、その正しく受信できたことを表すACKを返信せず、トラヒックを抑える。また、前記無線通信制御部12は、ネットワークのトラヒックが少ない時間帯等の予め定められる送信タイミングに、前記サーバ装置1へ向けて、動作中のファームウェアのバージョンを報告する。これは、前記通し番号に欠番が生じている場合には、不足ブロックの問い合わせを前記サーバ装置1が送信することへの勧誘となり、結果として、サーバ装置1のファームウェア管理部56は、該当するブロックのファームウェアを再送信する。
【0053】
したがって、各ユニット電力計Tのファームウェアを一括して更新することができ、またブロックの欠落によって上手く更新できなかったユニット電力計に関しては、その欠落したブロックだけ再送信するので、複数のメーカの製品が入り乱れて多数のユニット電力計Tが設置される状況でも、その設置箇所までわざわざ出向することなく、前記大容量のファームウェアを遠隔で、しかも最小限のトラヒックで確実にインストールすることができる。特に、PHSのような無線通信では、電波状況が変化し、また通信速度も比較的低いので、本発明のような最小限のトラヒックで確実にファームウェアをインストールすることができる手法は、好適である。
【0054】
また、前記サーバ装置1は、各ファームウェアのIDに対応付けて、それを使用しているユニット電力計のIDなどのステータス情報を記憶しているデータベース54をさらに備え、前記各ユニット電力計Tの無線通信制御部12が、自機のIDと共にファームウェアIDを定期的にサーバ装置1のファームウェア管理部56に報告しており、前記報告を受信したファームウェア管理部56は、データベース54に記憶しているファームウェアIDと報告を受けたファームウェアIDとが一致しない場合には、前記無線通信制御部12に個別の更新要求を送信させ、更新を行わせるので、通信回線や上位側のユニット電力計の不具合等で更新ファームウェアの総て或いは一部を受信できていなかったユニット電力計や、新たにネットワークに接続された古いバージョンのファームウェアを有するユニット電力計に対しても、漏れなく、最新のバージョンのファームウェアをインストールさせることができる。
【0055】
なお、上記実施形態では、管理装置が、サーバ装置1とゲートウエイGWとから成る例を示した。これは、管理装置の一例であり、複数のサーバ装置を備えている管理装置、ゲートウエイGWを使用していない管理装置等であってもよい。また、端局である各ユニット電力計T間の無線通信方式としてPHSを例示したが、他の無線通信方式を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の一形態に係る給電監視制御システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】前記給電監視制御システムに用いられるユニット電力計の一構成例を示す正面図である。
【図3】前記ユニット電力計における無線通信装置の一構成例を示すブロック図である。
【図4】サーバ装置の一構成例を示すブロック図である。
【図5】一括配信モードでのファームウェアの配信動作を説明するための図である。
【図6】前記一括配信モードでデータの欠落が生じた場合の動作を説明するための図である。
【図7】個別配信モードでのファームウェアの配信動作を説明するための図である。
【図8】前記個別配信モードでデータの欠落が生じた場合の動作を説明するための図である。
【図9】前記個別配信モードでデータの欠落が生じた場合の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0057】
1 サーバ装置
2 ネットワーク
3 負荷開閉器
4 電力量計
5 無線通信装置
6 端子台
11 無線機
12 無線通信制御部
13 タイマ
14 メモリ
15,51 入力操作部
16 バッファメモリ
17 プログラムメモリ
21,22,57 インタフェイス
23 機内通信制御部
24データメモリ
25 データ加工部
26 ワーキングメモリ
52 ユニット制御部
53,54,55 データベース
56 ファームウェア管理部
T1−1〜T1−5,T1−11,T1−12 ユニット電力計
T2−1〜T2−10,T2−11〜T2−14 ユニット電力計
T3−1〜T3−5,T3−11,T3−12 ユニット電力計
T4−1〜T4−4,T4−11,T4−12 ユニット電力計
T5−1,T5−2,T5−11,T5−12 ユニット電力計
GWa,GWb,GWc,・・・ ゲートウエイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを管理する管理装置から、複数の端局が、順次データを中継送信可能なように接続されて成る通信システムにおいて、
前記各端局は、前記中継送信を行うことができる第1の通信手段と、ファームウェアを格納している記憶手段と、前記記憶手段に格納されたファームウェアに従って動作を制御する第1の制御手段とを備え、
前記管理装置は、前記ファームウェアを所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信する第2の通信手段と、前記第2の通信手段を制御する第2の制御手段とを備え、
前記管理装置の第2の通信手段から送信されたファームウェアは、前記各端局の第1の通信手段を順次中継送信されて前記各端局の記憶手段に格納され、
前記第1の制御手段は、前記記憶手段の記憶内容を確認し、前記通し番号に欠番が生じている場合には、予め定められる送信タイミングに、前記管理装置へ向けて、前記第1の通信手段に欠落しているブロック番号のファームウェアの再送信を要求させ、それを受信した第2の制御手段は、前記第2の通信手段に、該当するブロックのファームウェアを再送信させることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記管理装置は、各端局のIDに対応付けて、その端局で使用すべきファームウェアのIDを記憶している管理部をさらに備え、
前記各端局の第1の制御手段は、自機のIDと共にファームウェアIDを定期的に前記第1の通信手段から第2の通信手段を介して前記管理部に報告しており、
前記報告を受信した管理部は、記憶しているファームウェアIDと報告を受けたファームウェアIDとが一致しない場合には、前記第2の通信手段から第1の通信手段を介して、前記第1の制御手段に、該管理部側で記憶しているファームウェアIDのファームウェアへ端局を更新させるために、該端局単体での更新要求を送信させることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記各端局から管理装置へ伝送されるデータは各端局で収集されたセンシングデータであり、管理装置から各端局へ伝送されるデータは各端局に対する制御データであることを特徴とする請求項1または2記載の通信システム。
【請求項4】
前記第1および第2の通信手段は、PHSトランシーバモードで通信を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、各端局に、前記センシングデータを取得する電力量計および前記制御データに応答して開閉制御を行う負荷開閉器が併設されて成ることを特徴とする給電監視制御システム。
【請求項6】
ネットワークを管理する管理装置から、複数の端局が、順次データを中継送信可能なように接続されて成る通信システムにおけるファームウェアの更新方法であって、
前記管理装置が、前記ファームウェアを所定のデータ量のブロックに分割して、通し番号を付して送信し、各端局で順次中継送信されて前記各端局に格納されてゆくステップと、
前記各端局において、受信されたファームウェアを確認し、前記通し番号に欠番が生じているか否かを確認するステップと、
前記欠番が生じている場合に、予め定められる送信タイミングとなった時点で、端局から管理装置へ欠落しているブロック番号のファームウェアの再送信を要求するステップと、
前記管理装置が端局へ該当するブロックのファームウェアを再送信するステップとを含むことを特徴とする通信システムにおけるファームウェアの更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−188930(P2009−188930A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29409(P2008−29409)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000204424)大井電気株式会社 (25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】