説明

通信方法、通信システム及び通信装置

【課題】高齢の単身生活者等の被監視者の状況を、被監視者の近親者等の監視者が容易に把握することが可能な通信方法、通信システム及び通信装置を提供する。
【解決手段】被監視者が所持する携帯型電話機等の第1通信装置1は、予め設定されている時刻にアラーム処理を開始し(S101)、被監視者からアラーム処理を停止する操作を受け付けた場合(S102:YES)、第2通信装置に対して発呼を開始し(S104)、発呼の開始から所定時間経過後、又は監視者が第2通信装置のアラーム処理を停止する操作を行った場合は、その時点で、発呼を中止する(S105)。またアラーム処理の開始から所定時間経過するまで停止する操作を受け付けない場合、第1通信装置1は、アラーム処理が停止されないことを第2通信装置へ通知する通信処理を行う(S108)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1通信装置及び第2通信装置を用いた通信方法、該通信方法を適用した通信システム、並びに該通信システムにて用いられる通信装置に関し、特に第1通信装置の所持者の生活状況を第2通信装置の所持者に通知することが可能な通信方法、通信システム及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の核家族化の進行に伴って単身生活者が増加してきており、単身生活者の中には高齢者、病人等の安否確認を要する者も多い。これらの単身生活者の安否確認には、その生活場所を直接訪問することが望ましいが、近親者等の監視者の住居が近隣に存在しない場合も多く、定期的な訪問は容易ではない。
【0003】
そこで特許文献1では、安否確認を要する被監視者に健康状態を示す生体信号データを検出するための検出手段を身体に装着し、生体信号データに異常が検出された場合に、緊急連絡先にメッセージを送信する携帯型電話機が開示されている。
【特許文献1】特開平9−163029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載されている携帯型電話機では、検出手段を身体に装着しなければならないため、例えば入院患者及び自宅での治療を受けている患者にとっては効果的であるが、通常の日常生活を営むことが可能な者にとっては、行動を制限する要因となって様々な不都合を生じるという利便性に関する問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みて成されたものであり、例えば携帯型電話機のアラーム機能を利用し、目覚まし時計として作動するアラーム処理を毎日定時に開始し、アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、所定の通信装置に対する通信処理を行うことにより、携帯型電話機を操作する被監視者の安否の把握を支援することが可能な通信方法、該通信方法を提供した通信システム、及び該通信システムにて用いられる通信装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る通信方法は、第1通信装置及び第2通信装置を用いた通信方法において、前記第1通信装置は、予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始し、アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行うことを特徴とする。
【0007】
本発明では、第1通信装置を例えば毎日の起床時刻に目覚まし時計として機能する様に設定しておくことにより、第1通信装置の所持者は一般的な日常生活をおくるだけで、第2通信装置の所持者は、第1通信装置の所持者が、例えば意識不明等の危険な状態ではなく、アラーム処理を停止させる操作を行える程度に健康で安全な状況にあることを把握することが可能である。
【0008】
本発明に係る通信システムは、第1通信装置及び第2通信装置を備える通信システムにおいて、前記第1通信装置は、予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する第1手段と、アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う第2手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明では、第1通信装置を例えば毎日の起床時刻に目覚まし時計として機能する様に設定しておくことにより、第1通信装置の所持者が一般的な日常生活をおくるだけで、第2通信装置の所持者は、第1通信装置の所持者が、例えば意識不明等の危険な状態ではなく、アラーム処理を停止させる操作を行える程度に健康で安全な状況にあることを把握することが可能である。
【0010】
本発明に係る通信システムは、前記第1通信装置は、電話通信機能を更に備え、前記第2手段は、通信処理として、前記第2通信装置に対する発呼を行う様に構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明では、第2通信装置に対する発呼を行うことにより、第2通信装置の所持者は、第1通信装置の所持者の安否を着信音の出力等の着呼処理にて把握することが可能である。
【0012】
本発明に係る通信システムは、前記第2手段は、発呼開始から所定時間経過後、発呼を中止する様に構成してあることを特徴とする。
【0013】
本発明では、第1通信装置が、所定時間発呼を行った後、自動的に発呼を中止することにより、第1通信装置の所持者及び第2通信装置の所持者が特別な操作をしなくても、発呼の継続による悪影響を及ぼすことが無く、しかも呼接続が確立されて通話状態になることがないので、通話料金が発生しない。
【0014】
本発明に係る通信システムは、前記第1通信装置は、複数の電話通信機能を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明では、第2手段に基づく通信処理として、通常の通話のための発呼と異なる通信方式の電話通信機能に基づく発呼を行うことができるので、第2通信装置側では、着呼に係る通信方式に応じて出力する表示画像及び着信音を使い分けることができ、第2通信装置の所持者は、通話のための着呼か安否確認のための着呼かを、着呼に対して応答せずとも容易に把握することが可能である。
【0016】
本発明に係る通信システムは、前記第2通信装置は、電話通信機能と、前記第1通信装置から、第2手段の通信処理に基づく着呼を受け付けてから所定時間経過後、呼を切断する手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明では、第2通信装置が、所定時間着呼処理を行った後、自動的に呼を切断することにより、第1通信装置の所持者及び第2通信装置の所持者が特別な操作をしなくても、発呼の継続による悪影響を及ぼすことが無く、しかも呼接続が確立されて通話状態になることがないので、通話料金が発生しない。
【0018】
本発明に係る通信システムは、前記第1通信装置は、電子メール送信機能を更に備え、前記第2手段は、通信処理として、前記第2通信装置へ電子メールを送信する様に構成してあることを特徴とする。
【0019】
本発明では、第2通信装置の所持者は、第1通信装置の所持者の安否を電子メールの着信にて把握することが可能である。
【0020】
本発明に係る通信システムは、前記第1通信装置は、前記第1手段によるアラーム処理の開始から所定時間経過しても停止操作を受け付けない場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う第3手段を更に備えることを特徴とする。
【0021】
本発明では、第1通信装置の所持者がアラームを停止させる操作を行えない危険な状況にあることを、第2通信装置の所持者に通知することが可能である。
【0022】
本発明に係る通信システムは、前記第2手段及び第3手段は、異なる通信処理を行う様に構成してあることを特徴とする。
【0023】
本発明では、第1通信装置の所持者がアラーム処理を停止することが可能な状況と、不可能な状況とで異なる通信処理を行うことにより、第2通信装置では例えば通信処理毎に異なる着信音の使い分け等の設定を行うことができるので、第2通信装置の所持者は、第1通信装置の所持者の安否を容易に把握することが可能である。
【0024】
本発明に係る通信システムは、前記第1通信装置は、携帯型電話機であることを特徴とする。
【0025】
本発明では、通常、所持者が常時携帯すると考えられる携帯型電話機を第1通信装置として用いることにより、例えば第1通信装置の所持者が外出した場合でも、その安否を確認することが容易である。
【0026】
本発明に係る通信システムは、第1通信装置及び第2通信装置を備える通信システムにおいて、前記第1通信装置は、予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する手段と、アラーム処理の開始から所定時間経過しても停止操作を受け付けない場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0027】
本発明では、第1通信装置を例えば毎日の起床時刻に目覚まし時計として機能する様に設定しておくことにより、第1通信装置の所持者が一般的な日常生活をおくるだけで、第2通信装置の所持者は、第1通信装置の所持者が、アラーム処理を停止させる操作を行うことができない危険な状況にあることを把握することが可能である。
【0028】
本発明に係る通信装置は、予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する手段と、アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、予め設定されている他の装置に対する通信処理を行う手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明では、例えば毎日の起床時刻に目覚まし時計として機能する様に設定しておくことにより、所持者は一般的な日常生活をおくるだけで、アラーム処理を停止させる操作を行える程度に健康で安全な状況にあることを通知することが可能である。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る通信方法、通信システム及び通信装置は、例えば携帯型電話機を用いた第1通信装置にて、毎日の起床時刻に目覚まし時計として機能する様に設定を行い、設定されている時刻に音声の出力等のアラーム処理を開始し、アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、第2通信装置に対する発呼等の通信処理を行う。
【0031】
この構成により、本発明では、第1通信装置の所持者、例えば高齢の単身生活者等の被監視者が一般的な日常生活を送るだけで、第2通信装置の所持者、例えば単身生活者の近親者等の監視者は、被監視者が、意識不明等の危険な状態ではなく、アラーム処理を停止させる操作を行える程度に健康で安全な状況にあることを把握することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0032】
また本発明は、アラーム処理の開始から所定時間経過しても停止操作を受け付けない場合にも、第2通信装置に対する通信処理を行うことにより、監視者は、被監視者がアラームを停止させる操作を行うことができない様な危険な状態にあることを把握することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0033】
さらに本発明では、第1通信装置からの通信処理を状況に応じて変更することにより、例えば通常の通話による発呼と、アラーム処理の停止操作に基づく発呼とで通信方式を変更することにより、また一方を電子メールとすることにより、第2通信装置は、着呼又は着信状況に応じて着信音等の出力方法が異なる様に設定しておけば、監視者は、着信音を確認するだけで容易に被監視者の状況を把握することが可能である等、優れた効果を奏する。
【0034】
さらに本発明では、第1通信装置が、アラーム処理の停止操作に基づく発呼を開始から所定時間経過後、発呼を中止することにより、又は第2通信装置が着呼を受け付けてから所定時間経過後、呼を切断することにより、被監視者及び監視者が特別な操作をしなくても、処理の継続による悪影響を及ぼすことが無く、しかも呼接続が確立されて通話状態になることがないので、通話料金が発生しない等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明の通信方法の構成例を概念的に示す説明図である。図1中1は、携帯型電話機等の第1通信装置であり、第1通信装置1は、高齢の単身生活者等の被監視者に所持されている。第1通信装置1は、携帯型電話機、固定型電話機等の第2通信装置2と通信することが可能であり、第2通信装置2は、被監視者の近親者等の監視者に所持されている。なお以降では第2通信装置2として携帯型電話機を用いた場合の例について説明する。
【0036】
図2は、本発明に通信システムにて用いられる各種装置の構成例を示すブロック図である。第1通信装置1は、各種通信処理、音声入出力処理、画像表示処理等の各種処理を制御するCPU(Central Processing Unit) 等の制御手段10と、各種処理に必要なコンピュータプログラム及びデータ等の各種情報を記録するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory) 、SRAM(Static Random Access Memory) 、フラッシュメモリ等の記録手段11とを備えており、記録手段11に記録されている各種プログラムを制御手段10の制御にて実行する。記録手段11に記録されている各種プログラムとは、予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始するアラーム処理プログラム、電子メールの送受信に用いられるメーラプログラム等のプログラムである。
【0037】
また第1通信装置1は、第1の通信方式に基づき電話通信制御を行う通信制御回路、アンテナ等の第1電話通信手段12と、第1の通信方式と異なる第2の通信方式に基づく第2電話通信手段13と、インターネット等のパケット交換網に接続して電子メールの送受信等のデータ通信を行うデータ通信手段14とを備えている。第1通信装置1は、例えばPDC(Personal Digital Cellular) 方式及びPHS(Personal HandyphoneSystem)方式、PDC方式及びW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA方式及び無線LAN方式等の異なる通信方式に基づく複数の電話通信機能を備えるデュアル端末である。
【0038】
さらに第1通信装置1は、スピーカ等の音声出力手段15と、マイク等の音声入力手段16と、音声出力手段15から出力される音声信号及び音声入力手段16から入力される音声信号の変換処理を行う音声処理手段17とを備えている。音声処理手段17による変換処理とは、音声出力手段15から出力すべくデジタル信号をアナログ音声信号に変換する処理、及び音声入力手段16から入力された音声に基づくアナログ音声信号をデジタル信号に変換する処理である。
【0039】
さらに第1通信装置1は、英数字、記号、各種命令等のキー入力を受け付ける押釦等のキー入力手段18と、キー入力手段18からキー入力された情報、送受信する情報等の各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示手段19とを備えている。
【0040】
第2通信装置2は、制御手段20及び記録手段21とを備えており、記録手段21には、メーラプログラム、音を出力させる音データ、着呼及び着信に応じて音データを出力する着信音プログラム等の様々なプログラム及びデータが記録されている。
【0041】
また第2通信装置2は、電話通信手段22、データ通信手段23、音声出力手段24、音声入力手段25、音声処理手段26、キー入力手段27及び表示手段28を備えている。
【0042】
次に本発明の通信システムにて用いられる各種装置の処理について説明する。ここで説明する処理の例において、第1通信装置1は、被監視者の毎日の起床時刻に目覚まし時計として機能する様にアラーム処理プログラムが設定されてあり、また通常の電話通信を行う場合、第1電話通信手段12による第1の通信方式の通信が優先される様に設定されてあるものとする。さらに第2通信装置2は、第1通信装置1からの着呼を受け付けた場合、第1電話通信手段12による第1の通信方式の通信の着呼と、第2電話通信手段13による第2の通信方式の通信の着呼とで異なる着信音を出力する様に設定されている。
【0043】
図3は、本発明の通信システムにて用いられる第1通信装置1の処理の一例を示すフローチャートである。第1通信装置1は、制御手段10の制御により、予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する(S101)。所定のアラーム処理とは、例えば設定されている音データに基づく音楽を音声出力手段15から出力することを示す。被監視者が、出力された音楽の停止等のアラーム処理を停止させる場合、キー入力手段18に対する所定のキーの押下等の操作を行うことになる。なおアラーム処理を開始する条件は任意に設定することが可能であり、必ずしも毎日の同時刻に処理を実行する様にしなくとも良い。
【0044】
第1通信装置1は、制御手段10の制御により、キー入力手段18から、アラーム処理を停止する操作を受け付けたか否かを判定し(S102)、アラーム処理を停止する操作を受け付けたと判定した場合(S102:YES)、アラーム処理を停止し(S103)、第2通信装置2に対する通信処理として、第2通信装置2に対し、第2電話通信手段13にて発呼を開始し(S104)、発呼の開始から所定時間経過後、発呼を中止し(S105)、処理を終了する。
【0045】
ステップS104にて第2通信装置2に対する発呼を行うため、第1通信装置1には、第2通信装置2の電話番号が発呼先として設定されている。ステップS104による発呼が開始された後、所定時間が経過する前に、第2通信装置2を所持する監視者が、着呼に応答する操作を行った場合、呼接続が確立されるのでステップS105の発呼中止処理は行われない。ステップS105にて、所定時間経過後、自動的に発呼を中止することにより、発呼による処理負荷の増大、発呼中の排他制御の実施、電力消費等の悪影響を回避することができる。また呼が確立する前に発呼処理が中止されるので通信料金の発生を回避することができる。さらにステップS104にて第2通信装置2に対する通信処理として、アラーム処理が停止されたことを通知する電子メールをデータ通信手段14から第2通信装置2へ送信する様にしても良く、この場合、発呼は行っていないので、ステップS105の発呼中止処理は不要となる。
【0046】
ステップS102において、アラーム処理を停止する操作を受け付けていないと判定した場合(S102:NO)、第1通信装置1は、制御手段10の制御により、アラーム処理の開始から所定時間経過したか否かを判定する(S106)。
【0047】
ステップS106において、所定時間が経過したと判定した場合(S106:YES)、第1通信装置1は、制御手段10の制御により、アラーム処理を停止し(S107)、第2通信装置2に対する通信処理として、アラーム処理が停止されないことを通知する電子メールをデータ通信手段14から第2通信装置2へ送信し(S108)、処理を終了する。ステップS108にて第2通信装置2に対する電子メールの送信を行うため、第1通信装置1には、第2通信装置2の電子メールアドレスが送信先として設定されている。なおステップS108による電子メールの送信は、緊急状況を通知することになるため、第2通信装置2だけでなく、他の装置、例えば医療機関、警備機関等の機関にて管理される通信装置へ送信する様にしても良く、また電子メール以外の通信方法にて通信処理を行う様にしても良い。
【0048】
ステップS106において、所定時間が経過していないと判定した場合(S106:NO)、ステップS102へ戻り、以降の処理を繰り返す。この様にして第1通信装置1の処理が実行される。
【0049】
図4は、本発明の通信システムにて用いられる第2通信装置2の処理の一例を示すフローチャートである。第2通信装置2は、制御手段20の制御により、電話通信手段22にて第1通信装置1からの着呼を受け付け(S201)、所定の通信方式、即ち第1通信装置1の第2電話通信手段13による第2の通信方式に基づく着呼であるか否かを判定する(S202)。ステップS202の判定は、例えば第2電話通信手段13に付与された電話番号、設定された着信音等に基づいて行われる。
【0050】
ステップS202において、所定の通信方式であると判定した場合(S202:YES)、第2通信装置2は、制御手段20の制御により、当該通信方式に対して設定されている着信音の出力等の着呼処理を行い(S203)、着呼を受け付けてから所定時間経過後、呼を切断し(S204)、着呼履歴を記録して処理を終了する。
【0051】
ステップS203の着呼処理にて出力される着信音により、監視者は、被監視者が第1通信装置1に対する操作ができる状態、即ち正常な状態であることを認識する。ステップS203にて着呼処理後、所定時間が経過する前に、監視者が着呼に応答する操作を行った場合、呼接続が確立されるのでステップS204の呼切断処理は行われない。ステップS204にて、所定時間経過後、自動的に呼を切断ることにより、着呼による処理負荷の増大、着呼処理中の排他制御の実施、電力消費等の悪影響を回避することができる。また呼が確立する前に呼が切断されるので通信料金の発生を回避することができる。なお第1通信装置1におけるステップS105の発呼中止処理と、第2通信装置2におけるステップS204の呼切断処理とは、いずれか一方のみを実施する様にしても良い。
【0052】
ステップS202において、所定の通信方式ではないと判定した場合(S202:NO)、第2通信装置2は、通常の着呼としての処理を実行する(S205)。例えば第1通信装置1からの着呼であっても、通常の通話を目的とした場合、第1通信装置1は、第1電話通信手段12による第1の通信方式にて発呼することになるため、第2通信装置2では、通常の着呼として処理する。
【0053】
第1通信装置1におけるステップS104にて第2通信装置2に対する通信処理として、電子メールを送信する様に設定されている場合、第2通信装置2では、通信方式の判定による処理は行わず、電子メールとしての着信処理を実行する。また第1通信装置1におけるステップS108にて送信された電子メールを受信した場合も同様である。ただし、ステップS104にて送信される電子メールと、ステップS108にて送信される電子メールにおいて、電子メールの件名に状況を示す文言を付す様にすることで、第2通信装置2では、受信した電子メールの件名に基づき夫々所定の処理を実行し、監視者に対し被監視者の状況を通知することができる様にすることができる。
【0054】
この様に第2通信装置2では、第1通信装置1からの着呼又は着信を受け付けた場合、通信方式又は件名に基づき予め設定されている所定の処理を行うことにより、被監視者の状況を監視者に通知することが可能である。即ち本発明の通信方法では、第1通信装置1において、通話を目的とした通信処理、アラーム処理が停止されたことを通知する通信処理、及びアラームが停止されないことを通知する通信処理を夫々異なる方法にて行い、また第2通信装置2では、着呼又は着信に応じて夫々に設定された動作を行う。
【0055】
また第1通信装置1については、所定の一又は複数のキーの押下、所定のキーの所定時間以上の押下等の所定の操作を行った場合に、第2通信装置2、医療機関等の所定の連絡先へ発呼を行う緊急連絡機能を備えさせる様にしても良い。
【0056】
前記実施の形態では、第1通信装置は、アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、第2通信装置に対する通信処理を行う形態を示したが、本発明はこれに限らず、アラーム処理を停止する操作を受け付けなかった場合にのみ、第2通信装置に対する通信処理を行う様にしても良い等、様々な形態に展開することが可能である。
【0057】
さらに前記実施の形態では、アラームが停止されたことを通知する場合に第2の通信方式による発呼を行い、アラームが停止されなかったことを通知する場合に電子メールを送信する形態を示したが、本発明はこれに限らず、アラームが停止された場合に電子メールを送信し、アラームが停止されなかった場合に第1の通信方式により発呼を行う等、状況に応じて異なる通信方式が選択されるので有れば、様々な形態に展開することが可能である。従って第1通信装置としてデュアル端末を用いる形態を示したが、必ずしもデュアル端末である必要はなく、例えば通常の携帯型電話機、更には電子メール送受信機能のみを有する端末であっても良い。なお電子メールのみで第2通信装置に対する通知を行う場合には、電子メールの件名、本文等に状況を示す情報が含まれることになる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の通信方法の構成例を概念的に示す説明図である。
【図2】本発明に通信システムにて用いられる各種装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の通信システムにて用いられる第1通信装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の通信システムにて用いられる第2通信装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 第1通信装置
2 第2通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信装置及び第2通信装置を用いた通信方法において、
前記第1通信装置は、
予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始し、
アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う
ことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
第1通信装置及び第2通信装置を備える通信システムにおいて、
前記第1通信装置は、
予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する第1手段と、
アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う第2手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項3】
前記第1通信装置は、電話通信機能を更に備え、
前記第2手段は、通信処理として、前記第2通信装置に対する発呼を行う様に構成してある
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第2手段は、発呼開始から所定時間経過後、発呼を中止する様に構成してある
ことを特徴とする請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第1通信装置は、複数の電話通信機能を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記第2通信装置は、
電話通信機能と、
前記第1通信装置から、第2手段の通信処理に基づく着呼を受け付けてから所定時間経過後、呼を切断する手段と
を備えることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項7】
前記第1通信装置は、電子メール送信機能を更に備え、
前記第2手段は、通信処理として、前記第2通信装置へ電子メールを送信する様に構成してある
ことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
【請求項8】
前記第1通信装置は、前記第1手段によるアラーム処理の開始から所定時間経過しても停止操作を受け付けない場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う第3手段を更に備えることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項9】
前記第2手段及び第3手段は、異なる通信処理を行う様に構成してあることを特徴とする請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
前記第1通信装置は、携帯型電話機であることを特徴とする請求項2乃至請求項9のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項11】
第1通信装置及び第2通信装置を備える通信システムにおいて、
前記第1通信装置は、
予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する手段と、
アラーム処理の開始から所定時間経過しても停止操作を受け付けない場合に、前記第2通信装置に対する通信処理を行う手段と
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項12】
予め設定されている時刻に所定のアラーム処理を開始する手段と、
アラーム処理を停止する操作を受け付けた場合に、予め設定されている他の装置に対する通信処理を行う手段と
を備えることを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−221474(P2007−221474A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39816(P2006−39816)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】