説明

通信装置の両面ディスプレイ

通信装置(100)であって、本体部(110)と、その本体部に回転可能に接続されたディスプレイ部(130)とを備える。本体部(110)に対するディスプレイ部(130)の回転に応えて内側透過‐反射双安定層(141)及び外側透過‐反射双安定層(142)のモードを反転させるようにスイッチ(160、161、162、163、164)が動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に通信装置のディスプレイに関する。より具体的には本発明は、ディスプレイの角度位置に応じて、同一の画像をディスプレイの表裏のどちらの面でも見ることのできる通信装置のディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)が多くの通信装置で用いられており、例えば、テレビ受像機、コンピュータ画面、PDA、全地球測位システム(GPS)、ラップトップコンピュータ、携帯電話機、デジタルカメラ、車や飛行機などの車両のビデオ画面、およびその他の通信装置などで用いられている。LCDは、ガラスやプラスチックや金属膜や有機膜などの材料の層又は層の一部分を積層することにより形成されている。LCDには反射層と透過層の両層があり、これらの層が他種の層と組み合わされることで、ディスプレイ積層の一方の面で画像を見るようになる。蓋を開けるメカニズムの折りたたみ型携帯電話機などのヒンジ式装置では、電話機を開けずに観察者が発信者ID番号やテキストメッセージや写真などの画像を見ようとする場合と、更に折りたたみ型携帯電話機を開けて画像を見ようとする場合との、2つのLCDが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
折りたたみ型携帯電話機や同様の装置で1つのディスプレイで画像を提供できるよう、ディスプレイの一方の面からでも他方の面からでも画像を見ることができれば望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様が提供する通信装置は、本体部と、この本体部に回転可能に接続されたディスプレイ部とを備えている。本体部に対するディスプレイ部の回転に対応して、内側透過‐反射双安定層のモードと外側透過‐反射双安定層のモードとを反転させるよう、スイッチが動作可能である。
【0005】
本発明の別の態様が、通信装置のディスプレイに情報を表示する方法である。この方法が、通信装置の本体部に対するディスプレイの回転に応えてディスプレイの内側透過‐反射双安定層と外側透過‐反射双安定層とに反転モード信号を送る工程を含む。反転モード信号に応えて外側透過‐反射双安定層のモードと内側透過‐反射双安定層のモードとを反転させる。
【0006】
本発明の第三の態様が提供するのはコンピュータで使用できる媒体であり、この媒体がコンピュータプログラムを保存しており、このコンピュータプログラムが、回路により制御されている画素からなるアレイの画像を識別する為のコンピュータ可読コードと、スイッチの始動に応えて上記の回路に電気的に接続されたプロセッサに回転モード信号を供給する為のコンピュータ可読コードとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上記の装置及び他の装置、並びに本発明の特質及び利点が、以下の好適な実施形態の詳細な記述を添付の図面を併用して読むことで更に明白になる。この詳細な記述及び図面は本発明の単なる実例であり、添付の請求項及びその同等物により規定されている本発明の範囲を制限するものではない。
【0008】
本発明は添付の図面で限定ではなく例として図示され、同じ参照記号が同様な要素を指
し示している。
図1が図示しているのは、第1の実施形態の通信装置100の閉じた状態の側面図である。本体部110とディスプレイ部130とがヒンジ120で取り付けられている。通信装置100のディスプレイ部130内部にディスプレイ140が配置されている。通信装置が閉じているときにディスプレイ140の上方に矢印のある面からディスプレイ140を見る為に、ディスプレイ部130には開口部132がある。本発明の別の実施形態では、開口部132内に、ディスプレイ140を見やすくする為及び/又は保護する為、レンズ又は透明な材料、例えば、ガラスやプラスチックや水晶などが配置されている場合もある。通信装置が閉じているときディスプレイ140と本体部110との間には、ディスプレイ部130のもう一つの開口部134がある。本体部110の内部にスイッチ160の一部があり、本体部110とディスプレイ部130との間の区域内にもスイッチ160の一部がある。側面から見ると接続ヒンジ120には中心領域125がある。回転軸(図示せず)がヒンジ120に対して垂直であり中心領域125を貫通している。
【0009】
図2が図示しているのは、第1の実施形態の通信装置100の閉じた状態の斜視図である。本体部110とディスプレイ部130とが、ヒンジ120の中心領域125に対して垂直な断続線として示された回転軸を持つヒンジ120で接続されていることが分かる。このようにディスプレイ140に対し斜めから見ると、画像170と画像175とが見える。画像「a」170がディスプレイ140の左上隅に確認され、画像「7」175がディスプレイ140右側の上面と底面との中ほどに見える。これらの画像は開口部132(図1)を通して見える。画像は、文字や、数や、写真画像や、ビデオ画像などでよい。
【0010】
図3が図示する第1の実施形態の通信装置100の側面図は、本体部110とディスプレイ部130とがヒンジ120の中心領域125を中心に回転した後の開いた状態である。回転軸(図2)はヒンジ120に対して垂直であり中心領域125を貫通している。通信装置100のディスプレイ部130内部にディスプレイ140が配置されている。通信装置が開いた状態のときにディスプレイ140を指す矢印のある面からディスプレイ140を見る為に、ディスプレイ部130には開口部134がある。本発明の別の実施形態では、開口部134に、ディスプレイ140を見やすくする為及び/又は保護する為、レンズ又は光学的に透明な材料、例えば、ガラスやプラスチックや水晶などが配置されている場合もある。図2では見えた画像170と画像175とは開口部132を通しては見ることはできないが、ディスプレイ140を指す水平な矢印のある面から確認される。開口部132と開口部134とではサイズ及び形状が同一であってもよいし異なっていてもよい。ここでスイッチ160(図1)が二つに分かれていることが分かる。ディスプレイ部130にディスプレイ側スイッチ163があり、本体部110に本体側スイッチ162がある。ディスプレイ側のスイッチ163と本体側のスイッチ162とが、通信装置100が開いた状態のときは互いの上方にあるよう、又は、通信装置100が閉じた状態のときは互いに接触しているよう配置されている。
【0011】
図4が図示しているのは、第1の実施形態の通信装置100の開いた状態の斜視図である。本体部110とディスプレイ部130とがほぼ120°の角度をなして配置されて示されている。これらは断続線により示された回転軸を持つヒンジ120により適当な配置に保たれている。このようにディスプレイ140に対し斜めから見ると、画像170と画像175とが見える。画像「a」170がディスプレイ140の左上隅に確認され、画像「7」175がディスプレイ140右側の上面と底面との中ほどに見え、これらはちょうど、通信装置100が閉じた状態のときにディスプレイ140のもう一方の面で確認されていた通りである。これらの画像は開口部134(図1及び図3)を通して見える。ここでスイッチ160(図1)が二つに分かれていることが分かる。ディスプレイ部130にディスプレイ側スイッチ163があり、本体部110に本体側スイッチ162がある。ディスプレイ側のスイッチ163と本体側のスイッチ162とが、互いの上方にあるよう、
又は、通信装置100が閉じた状態のときには互いに接触しているよう配置されている。
【0012】
図5が図示しているのは、通信装置100のディスプレイ140の第1の実施形態の層の略側面図である。開口部134の上方とディスプレイ部130の一部の上方とに内側透過‐反射双安定層141が配置されている。開口部132の下方とディスプレイ部130の一部の下方とに外側透過‐反射双安定層142がある。内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とを形成している透過‐反射双安定材料には、2つのモードがある。一方のモードは透過モードであり、このとき透過‐反射双安定材料が可視領域の波長の幾らか又は全てに対し少なくとも部分的に透明である。他方のモードは反射モードであり、このとき透過‐反射双安定材料が可視領域の波長の幾らか又は全てを反射し、反射されたものが透過‐反射双安定材料に入射する。透過‐反射双安定材料を、電圧パルスが印加され次第、光透過モードから反射モードへと切り換えることができる。更に、透過‐反射双安定材料を、電圧が印加され次第、反射モードから光透過モードへ切り換えることもできる。
【0013】
透過‐反射双安定材料には、コレステリック液晶及び強誘電性液晶があるが、これらに制限されていない。コレステリック液晶は、一つの軸に沿ってかなりの度合いでねじれたカイラルな分子である。コレステリック液晶にはこの軸に沿った周期性がある。コレステリック液晶が反射モードになるのは液晶がプレーナ状態のときである。コレステリック液晶が透過モードになるのは液晶がフォーカルコニックモードのときである。コレステリック液晶を、電圧のパルスが印加され次第一方のモードから他方のモードへと切り換えることができる。一例として、コレステリック液晶のモードを切り換えるには10〜20ミリ秒に亘り50Vのパルスで十分である。
【0014】
強誘電性液晶は透過‐吸収双安定材料である。強誘電性液晶は、一方のモードでは可視領域の波長の幾らか又は全てに対し少なくとも部分的に透明であり、他方のモードでは可視領域の波長の幾らか又は全てに対し吸収性である。透過‐吸収双安定材料のディスプレイ140には、最も良く画像を見せる為に背面照射が必要な場合もある。
【0015】
ディスプレイ140では、内側透過‐反射双安定層141が透過モードのとき、外側透過‐反射双安定層142は反射モードである。内側透過‐反射双安定層141が反射モードのとき、外側透過‐反射双安定層142は透過モードである。内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142との間にはLCD積層147があり、これは、内側偏光子層143と、内側ガラス層144と、外側ガラス層145と、外側偏光子層146とから成っている。内側ガラス層144と外側ガラス層145との間の層には画像を生成するための画素(図示せず)がある。LCDは、当業者に既知のように、画像をディスプレイするよう設計され制御されている。図5に図示されたディスプレイ部130の断面には、層141〜層146の積み重ねがディスプレイ部130の所定の位置にある。別の実施形態では(図示せず)、ディスプレイ140を見やすくする為及び/又は保護する為、開口部132及び開口部134に、レンズ又は光学的に透明な材料、例えばガラスや水晶などが配置される場合がある。
【0016】
内側透過‐反射双安定層141にモード切り換え電圧を印加するよう電極152と電極153とが動作可能である。電極152及び電極153はインジウムスズ酸化物又は別の透明な金属からできているものでよく、内側透過‐反射双安定層141の一方の面に接触している。外側透過‐反射双安定層142にモード切り換え電圧を印加するよう電極154と電極155とが動作可能である。ある配列では、内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とに同時に電圧が印加され、これにより、内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とが同時にモードを切り換えるので、反射性材料の層と透過性材料の層とがいつでも一層ずつ提供される。よって、内側透過‐反射
双安定層141又は外側透過‐反射双安定層142のどちらか一方がディスプレイの反射層としての役割を果たす。図1及び図2では、内側透過‐反射双安定層141が反射性であり、外側透過‐反射双安定層142が光透過性である。図3及び図4では、内側透過‐反射双安定層141が光透過性であり、外側透過‐反射双安定層142が反射性である。しかし、本発明はこれに制限されておらず、この切り替えは非同時でもよい。
【0017】
電極156は、当業者に既知のような、LCD積層147の画素を制御するように動作可能な電極のアレイの一部である。電極152〜156は、金、スズ、アルミニウム、銀、ニッケル、チタン、それらの合金、それらの組み合わせなどから作られたものでよい。
【0018】
図6が図示しているのは、通信装置100のディスプレイ部130のディスプレイ149の層の略側面図である。ディスプレイ149がディスプレイ140(図5)とは異なるのは、外側透過‐反射双安定層142と外側偏光子146との間に光ガイド148が付加されている点である。図5に見られるように、開口部134の上方とディスプレイ部130の一区分の上方とに内側透過‐反射双安定層141が配置されている。開口部132の下方に外側透過‐反射双安定層142がある。ディスプレイ149では、内側透過‐反射双安定層141が透過モードのとき、外側透過‐反射双安定層142は反射モードである。内側透過‐反射双安定層141が反射モードのとき、外側透過‐反射双安定層142は透過モードである。内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142との間にはLCD積層147があり、これは、内側偏光子層143と、内側ガラス層144と、外側ガラス層145と、外側偏光子層146とから成っている。外側偏光子146の上方且つ外側透過‐反射双安定層142の下方に光ガイド148がある。光ガイド148は、当業者に既知のように、発光ダイオード(LED)(図示せず)から光ガイド148の端部につなげられた光を伝える。この光が反射面(内側透過‐反射双安定層141又は外側透過‐反射双安定層142)から散乱されて画像を照明する。これが必要なのは、観察者が画像を見るには周辺光が不十分なときである。光ガイド148を通って伝搬する光は、光ガイド148と外側透過‐反射双安定層142との間のブラッグ反射グレーティング(図示せず)により光ガイドから散乱される。図6では、外側透過‐反射双安定層142が光ガイド148に取り付けられており、液晶の周期的な間隔がちょうど光ガイド148の光の間隔であれば、外側透過‐反射双安定層142の周期構造が、光ガイド148からの光をつなぐブラッグ回折格子として機能する。光ガイド148は、通信装置100が開いた状態のときにはバックライトとして機能し、通信装置100が閉じた状態のときにはフロントライトとして機能する。
【0019】
予見しうる本発明の他の実施形態では、ディスプレイ149内部の内側透過‐反射双安定層141と内側偏光子143との間に第2の光ガイドが備えられている。このような実施形態では、本体部110に対するディスプレイ部130の位置に依存して透過‐反射双安定層141と142とのどちらか一方にLEDが連結するよう動作してもよい。通信装置100の本体部110に対するディスプレイ部130の回転時に、LEDに隣接している機械的なスイッチがLEDの連結位置を変えるよう動作してもよい。このような実施形態では、通信装置が閉じた状態のときには付加された方の光ガイドがバックライトとして働き、開いた状態では光ガイド148がバックライトとして働く。
【0020】
図6に図示されたディスプレイ部130の断面には、層141〜層146及び層148の積み重ねがディスプレイ部130内の所定の位置にある。別の実施形態(図示せず)では、見やすくなるよう及び/又はディスプレイ149を保護するよう、レンズ又は光学的に透明な材料、例えばガラスや水晶などが、開口部132及び開口部134に配置される場合がある。
【0021】
内側透過‐反射双安定層141に切り換え電圧を印加するよう電極152と電極153
とが動作可能である。外側透過‐反射双安定層142に切り換え電圧を印加するよう電極154と電極155とが動作可能である。電極156は、当業者に既知のように、LCD積層147の画素を制御するように動作可能な電極のアレイの一部である。内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とに同時に電圧が印加され、これにより、内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とが同時にモードを切り換えるので、反射性材料の層と透過性材料の層とがいつでも一層ずつ提供される。よって、内側透過‐反射双安定層141又は外側透過‐反射双安定層142のどちらか一方がディスプレイの反射層としての役割を果たす。図1及び図2では、内側透過‐反射双安定層141が反射性であり、外側透過‐反射双安定層142が光透過性である。図3及び図4では、内側透過‐反射双安定層141が光透過性であり、外側透過‐反射双安定層142が反射性である。しかし、本発明はこれに制限されておらず、この切り替えは非同時でもよい。
【0022】
通信装置100の本体部110とディスプレイ部130とが閉じた状態へと又は閉じた状態から回転されたとき、内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とにスイッチ160(図1)が切り換え電圧を図5と図6の両図で同時に印加する。よって、ディスプレイ140は、本体部110(図1〜図4)とディスプレイ部130(図1〜図4)との相対位置に依存して、ディスプレイ140の一方の面又は他方の面に画像170と画像175とを表示するように動作可能である。
【0023】
一方の画像のセットが他の他方の画像のセットに対して逆さになることなく、図1〜図2に示されているように通信装置100の外面と、図3〜図4に示されているように通信装置100の内面との両面から画像が見えるよう、一方の画像のセットをヒンジ120(図1〜図4)の回転軸と平行な軸を中心に回転させる。画像は、文字や、数や、写真画像や、ビデオ画像などでよい。
【0024】
画像が、文字や数などのテキストの行から成っている場合には、各文字と各テキストの行とを、各文字又は数が画像である画像のセットと考えればよい。画像のセットをヒンジ120の回転軸と平行な軸を中心に回転させる必要がある。加えて、回転時に、表示画像の一番上の行の文字と数とを表示画像の一番下の行に移動させる必要もある。回転時にディスプレイの二行目の文字と数とを表示画像の下から二行目に移動させる、といったように、ディスプレイの真ん中の行に達するまで、ディスプレイの行毎に移動させる必要がある。奇数の行のテキストの場合、例えば、N行でNが奇数の場合は、[((N−1)/2)+1]行目が回転の前後で画像の同一の位置にくる。このプロセスを以下に更に詳しく記載する。
【0025】
画像が映像や写真画像の場合は、テキストの場合に画像のセットが回転されたのと同じように画像の画素の行を回転させる必要がある。開口部132と開口部134(図1)とで形状及びサイズが異なる場合、完全な画像を同一の形状係数で各開口部132にも134にも収めるならば、画像の回転には増倍率を付加する必要がある。
【0026】
図7がブロック図で図示しているのは、スイッチ160とディスプレイ140との相互作用である。ディスプレイ部130に対する本体部110の回転時に、スイッチが作動する。スイッチ160の作動と同時に、通信装置100内部の電源180がスイッチから反転モードの信号を受信する。反転モードの信号をスイッチ160から受信し次第、電源180が、ディスプレイ140の内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とに電圧のパルスを同時に印加する。これらの印加されたパルスが電源180からディスプレイ140への矢印二つの線により示されている。内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142とに印加されたそれぞれの電圧パルスが、内側透過‐反射双安定層141のモードと外側透過‐反射双安定層142のモードとを切り換える。
モードを同時に切り換えることで、常に反射層と光透過層とが必ず一つずつあることが確実になる。通信装置100は、通信装置100が閉じた状態のとき、内側透過‐反射双安定層141が反射性で外側透過‐反射双安定層142が透過性であるよう構成されればよい。モードの切り換えは同時に起こる必要はないものの、急速に移行することが望まれる本発明の実施形態があり、一方、本発明の他の実施形態ではモードが非同時に切り換わることが意図されている。
【0027】
更に、スイッチ160の作動と同時に、通信装置100内部の制御装置190が回転モード信号をスイッチ160から受信する。制御装置190のある機能は、ディスプレイ140上に見える画像中の画像のセットを認識することである。画像のあるセットが、例えばテキストの行の場合がある。画像のこのセットは、制御装置190に電気的に接続されたメモリ191に保存されている。メモリ191はプロセッサの一部でよい。画像が変わるとメモリに保存されている画像が更新されるので、この画像認識のプロセスは周期的に起こる。制御装置190の別の機能は、回転時にディスプレイ上で確認される画像のセットを通信装置100が開いた状態のときも閉じた状態のときも同一にするべく、ディスプレイ140上に見える画像のセット中の画像と画像の行とをどのように回転させるかを決定することである。制御装置190はディスプレイ回路200に電気的に接続されており、このディスプレイ回路200はディスプレイ140(及びディスプレイ149)の画素を制御する。この画素アレイには幾つかの電極があり、これらの電極は、ディスプレイ回線200からディスプレイ140への複数の矢印により概略的に示されている。スイッチ160からの回転モード信号が制御装置190に受信されたとき、制御装置190が、ディスプレイ140/149上に現在見えている認識された画像と画像のセットとについて、更新された保存画像をメモリから検索する。その後、制御装置190が、画像を前述したように回転させる為にディスプレイ回路200をどのように修正するかを決定する。その後、ディスプレイ回路200に電気的に接続されている制御装置190が、入力をディスプレイ回路200に送り、ディスプレイ回路200が、ディスプレイ140/149上の画像のセットを、前述したように回転させる。
【0028】
図8が概略的に図示しているのは、通信装置100の電気スイッチ161の第1の実施形態である。通信装置100の本体部110が通信装置100のディスプレイ部130にヒンジ120で取り付けられている。側面から見ると接続ヒンジ120には中心領域125がある。回転軸(図示せず)がヒンジ120に対して垂直であり中心領域125を貫通している。
【0029】
図9が概略的に図示しているのは、通信装置100が開いた状態のときの図8の電気スイッチ161の第1の実施形態である。本体部110とディスプレイ部130とが接続ヒンジ120を中心に回転した状態であり、ヒンジ120はその中心領域125に対して垂直な回転軸(図示せず)を有している。この電気スイッチ161は、ディスプレイ部130にあるディスプレイ側スイッチ163と、本体部110にある本体側スイッチ162とから成っている。ディスプレイ側スイッチ163と本体側スイッチ162とが、通信装置100が閉じた状態のときには互いに接触するよう、且つ、通信装置100が開いた状態のときには互いに接触しないよう配置されている。ディスプレイ側スイッチ163と本体側スイッチ162とが接触したとき又は接触状態から解放されたときに、電子スイッチ161(図8)が作動する。よって電気スイッチ161(図8)が作動するのは、接続ヒンジ120を中心に回転することにより、本体部110とディスプレイ部130とが互いに近づくときと、本体部110とディスプレイ部130とが互いに遠ざかるよう回転されたときである。本体部110とディスプレイ部130とが互いに近づく又は互いに遠ざかるよう回転されるたびに、スイッチが作動し、電源180が電圧のパルスをディスプレイ140の内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142(図5)とに送る。制御装置190が、更新され識別された画像をメモリ191から検索し、更新され識別
された画像を回転させる為にどのようにディスプレイ回路200を修正すべきかを決定し、ディスプレイ140上の画像を回転させる為にディスプレイ回路200への入力を修正する。これら全てが機能することで、通信装置100のディスプレイ140の観察者に、本体部110とディスプレイ部130との互いに対する回転の前後で同一の画像が提供される。
【0030】
図10が概略的に図示しているのは、通信装置100の磁気式スイッチ164の実施形態である。通信装置100の本体部110が通信装置100のディスプレイ部130にヒンジ120で取り付けられている。側面から見ると接続ヒンジ120には中心領域125がある。回転軸(図示せず)がヒンジ120に対して垂直であり中心領域125を貫通している。
【0031】
図11が概略的に図示しているのは、通信装置100が開いた状態のときの図10の磁気式スイッチ164の実施形態である。本体部110とディスプレイ部130とが接続ヒンジ120を中心に回転した状態であり、ヒンジ120はその中心領域125に対して垂直な回転軸(図示せず)を有している。この磁気式スイッチ164は、ディスプレイ部130にあるディスプレイ側スイッチ166と、本体部110にある本体側スイッチ165とから成っている。ディスプレイ側スイッチ166と本体側スイッチ165とが、通信装置100が閉じた状態のときには互いの上方に近接して位置するよう、且つ、通信装置100が開いた状態のときには互いの上方に近接して位置しないように配置されている。ディスプレイ側スイッチ166と本体側スイッチ165とが互いの上方に近接した位置になったとき、又は互いの上方に近接した位置になくなったとき、磁気式スイッチ164(図10)が作動する。よって、磁気式スイッチ164(図10)は、接続ヒンジ120を中心とした回転により、本体部110とディスプレイ部130とが互いに近づくたび、更に、本体部110とディスプレイ部130とが互いに遠ざかるよう回転されるたびに、作動する。本体部110とディスプレイ部130とが互いに近づく又は互いに遠ざかるよう回転される毎に、磁気式スイッチ164が作動し、電源180が電圧のパルスをディスプレイ140の内側透過‐反射双安定層141と外側透過‐反射双安定層142(図5)とに送る。制御装置190が、更新され識別された画像をメモリ191から検索し、更新され識別された画像を回転させる為にどのようにディスプレイ回路200を修正すべきかを決定し、ディスプレイ140上の画像を回転させるようディスプレイ回路200への入力を修正する。これら全てが機能することで、通信装置100のディスプレイ140の観察者に、本体部110とディスプレイ部130との互いに対する回転の前後で同一の画像が提供される。
【0032】
図7に概説されている相互作用を、スイッチ160(図1)やスイッチ161(図8)やスイッチ164(図9)などと、ディスプレイ140(図5)やディスプレイ149(図6)やディスプレイの別の異なった実施形態との相互作用の説明にも利用できる。この通信装置100内部で他のタイプのスイッチを使用して本明細書で動作可能なよう記載されたように動作させてもよく、これらのスイッチには、機械的なスイッチ、圧電スイッチ、空気スイッチ、形状記憶を基礎としたスイッチ、ソレノイドを基礎としたスイッチなどがあるが、これらに限定されない。
【0033】
通信装置100の図示された実施形態は、ディスプレイ140のどちらの面でも画像(170、175)を提供する構造及び方法の図示を企図したものであり、画像(170、175)が表示される面が通信装置100の本体部110に対するディスプレイ部130の位置に依存しており、あらゆる可能性に対し網羅的であることや前述の目的の為に作られ得るものを制限することは意図していない。当業者には、LCD装置に代えて、LCD装置の代わりにLCOS装置が用いられてもよいことが分かる。従って、非常に多くの他の可能な組み合わせと実施形態とが存在する。本明細書に示され記載されたものを用いる
ことにより、両面ディスプレイ140を通信装置100に組み込むことができ、通信装置100には、携帯電話機、PDA、全地球測位システム、ラップトップコンピュータ、デジタルカメラ、カムコーダ、車や飛行機などの車両のビデオ画面、テレビ受像機、コンピュータ画面、他のこういった通信装置などがある。従って、当業者には、装置の構造100の実施形態を非常に多くの様々な装置で用いることの利益が分かる。
【0034】
前述の明細書において、本発明が特殊な実施形態に関して記載された。しかし、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、以下の請求項に述べられている通りに、種々の修正及び変更が可能なことが分かる。それに応じて、本明細書及び図は限定的な意味ではなく説明的な意味において考えられるべきものであり、あらゆるこのような修正が本発明の範囲内にあるよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】1の実施形態の通信装置の閉じた状態の側面図。
【図2】第1の実施形態の通信装置の閉じた状態の斜視図。
【図3】第1の実施形態の通信装置の開いた状態の側面図。
【図4】第1の実施形態の通信装置の開いた状態の斜視図。
【図5】通信装置の第1の実施形態のディスプレイの層の略側面図。
【図6】通信装置の第2の実施形態のディスプレイの層の略側面図。
【図7】スイッチ及びディスプレイの相互作用の実施形態のブロック図。
【図8】通信装置の第1の実施形態のスイッチの閉じた状態での略図。
【図9】通信装置の第1の実施形態のスイッチの開いた状態での略図。
【図10】通信装置の第2の実施形態のスイッチの閉じた状態での略図。
【図11】通信装置の第2の実施形態のスイッチの開いた状態での略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
本体部と、
前記本体部に回転可能に接続されており、かつ、内側透過‐反射双安定層と外側透過‐反射双安定層とを有しするディスプレイ部と、
前記本体部に対する前記ディスプレイ部の回転に反応して内側透過‐反射双安定層のモードと外側透過‐反射双安定層のモードとを反転させるように動作可能なスイッチと
を備えた装置。
【請求項2】
前記ディスプレイ部が更に、前記内側透過‐反射双安定層と前記外側透過‐反射双安定層との間に配置されたLCD積層を備えた請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記内側透過‐反射双安定層の双安定モードと前記外側透過‐反射双安定層の双安定モードとが逆の双安定モードになっている請求項1に記載の装置。
【請求項4】
請求項1に記載の通信装置であって、
前記LCD積層上の画像を回転させるよう前記ディスプレイに電気的に接続された制御装置を更に備え、前記回転に応えて前記スイッチが、前記LCD積層上の画像を回転させるよう前記制御装置に知らせるように動作可能な、通信装置。
【請求項5】
請求項3に記載の通信装置であって、
前記画像が文字及び数字を含んだ通信装置。
【請求項6】
請求項3に記載の通信装置であって、
前記通信装置のディスプレイ部を本体部に回転可能に接続するヒンジを更に備え、前記ヒンジが回転軸を有し、前記画像が前記ヒンジの回転軸と平行な軸を中心に回転する、通信装置。
【請求項7】
前記内側透過‐反射双安定層が、前記ディスプレイが開いた状態のとき透過性であり、前記ディスプレイが閉じた状態のとき反射性である請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記外側透過‐反射双安定層が、前記ディスプレイ部が開いた状態のとき反射性であり、前記ディスプレイ部が閉じた状態のとき透過性である請求項5に記載の通信装置。
【請求項9】
通信装置のディスプレイに情報を表示する方法であって、前記方法が、
前記通信装置の本体部に対する前記ディスプレイの回転に反応して、前記ディスプレイの内側透過‐反射双安定層と外側透過‐反射双安定層とに反転モード信号を送る工程を含み、前記反転モード信号に反応して前記外側透過‐反射双安定層のモードと前記内側透過‐反射双安定層のモードとを反転させる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−501422(P2007−501422A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522066(P2006−522066)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/024513
【国際公開番号】WO2005/013253
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】