通信装置及び制御方法
【課題】フォーマットが固定された出力モードとフォーマットが可変な出力モードを持つ外部装置よりデータを受信するに先だって出力フォーマットが可変なモードに切り替えることを可能にする。
【解決手段】DVC101は、出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する可変モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する固定モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置において、インターフェースの接続確立を確認すると(201)、通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを固定モードに設定するための出力モード制御コマンドをDVC101へ出力する(202)。その後、モード設定コマンドを出力した後に、DVCにデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する(203)。
【解決手段】DVC101は、出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する可変モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する固定モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置において、インターフェースの接続確立を確認すると(201)、通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを固定モードに設定するための出力モード制御コマンドをDVC101へ出力する(202)。その後、モード設定コマンドを出力した後に、DVCにデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する(203)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルビデオカメラにおいては、HD(High Definition)、SD(StandardDefinition)、SDL(Standard Definition Long)等のように複数のビデオフォーマットによるデータの記録並びに再生ができるように構成されている(例えば、非特許文献1参照)。また現在、同一記録媒体上(例えば同一テープ上)に、異なる複数種類の圧縮方式に対応した圧縮フォーマット、例えばDV(DigitalVideo)フォーマットやMPEG−2の映像データを記録する方式が提案されている。この場合、例えばSDフォーマットの映像データ(SD映像データと称する)はDV方式で、HDフォーマットの映像データ(HD映像データと称する)はMPEG−2方式で記録することが行われる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
これらの複数のフォーマットが記録されたテープを再生する場合について図1を用いて説明する。図1において、DVC(デジタルビデオカメラ)101はIEEE1394規格(非特許文献2、3を参照)に準拠した通信ケーブルであるIEEE1394ケーブル102を介してPC(パーソナルコンピュータ)103に接続されている。ここで、IEEE1394規格は、シリアルバスに関する規格である。また、図11はDVC101に収められた磁気テープ105における映像データの記録状態を示す図である。図11に示すようにDV方式の映像データ1101、1103とMPEG−2方式の映像データ1102が交互に記録されている。図1のようにIEEE1394ケーブル102でPC103に接続されたDVC101は、PC103上の編集アプリケーションからの各種の制御コマンドによって再生、停止等がコントロールされる(非特許文献4を参照)。
【0004】
再生動作時において、DVC101は、図11のDV方式の映像データ1101を再生しているときには再生されたDV方式の映像データをIEEE1394端子よりアイソクロナスデータとして出力する。また、MPEG−2方式の映像データ1102を再生しているときには、再生されたMPEG−2フォーマットの映像データをIEEE1394端子よりアイソクロナスデータとして出力する。PC103ではこのアイソクロナスデータをキャプチャし編集を行う。
【0005】
このとき、PC103は、DVC101において再生されている映像フォーマットが、DV方式かMPEG−2方式かを“Output Plug Signal Format”のステータスコマンドを用いることによって知ることが可能である(非特許文献5を参照)。ここで、Plug(プラグ)とは、非特許文献6で規定されたプラグを示す。プラグには、入力プラグと出力プラグがあり、いずれも論理的に構成されたものである。入力プラグについては入力プラグコントロールレジスタ(iPCR)によって管理され、出力プラグについては出力プラグコントロールレジスタ(oPCR)によって管理される。なお、iPCR及びoPCRの詳細な説明については、非特許文献6に記載されているので省略する。上記の場合、OutputPlug Signal Formatのステータスコマンドを用いてPC103がDVC101にその出力フォーマットを照会すると、DVC101は再生出力しているデータの出力フォーマットが、例えばDV方式であるのかMPEG−2方式であるのかを、OutputPlug Signal Formatのコントロールコマンドにより応答する。
【0006】
また、カメラ画像をキャプチャする場合は、Output Plug SignalFormatのコントロールコマンドでDVC101にDVまたはMPEG−2のフォーマットをプラグから出力することを指定してキャプチャすることが可能である。
【0007】
更に、DVC101において、インターフェースから出力するフォーマットを任意のフォーマットに固定することが可能である。これは、例えばダビング等を行う場合に、フォーマットの混在したテープ105を再生した場合に、受信側の装置(PC103)で対応していないフォーマットのデータが出力されないようにするためである。この場合の磁気テープ105上のデータと出力されるデータの関係を図12に示す。図12において、(a)の磁気テープ105には、図11で説明したようにDV方式の映像データ1101、1103とMPEG−2方式の映像データ1102が記録されている。これに対し、図12の(b)には、出力されるフォーマットをDV方式に固定した場合のデータの出力状態が示されている。(b)に示されるように、MPEG−2方式の映像データ1102が記録されている部分を再生しているときはデータが出力されない。この場合は受信側装置がDV方式の映像データしか受けられない場合に出力をDV方式に固定した例であるが、受信側装置がMPEG−2しか受けられない場合に出力をMPEG−2に固定することも可能である。
【非特許文献1】Specificationsof Consumer-Use Digital VCRs using 6.3mm magnetic tape
【非特許文献2】IEEE Std1394-1995, IEEE Standardfor a High Performance Serial Bus, Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc.
【非特許文献3】IEEE Std 1394a-2000, IEEE Standardfor a High Performance Serial Bus - Amendment 1, Institute of Electrical andElectronics Engineers, Inc.
【非特許文献4】AV/C Tape Recorder/Player SubunitSpecification, 1394 Trade Association
【非特許文献5】AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.1, 1394 Trade Association
【非特許文献6】IEC 61883-1, Consumer audio/video equipment - Digital interface - Part 1: General
【特許文献1】特開2001−275076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の構成において、DVC101がDV方式とMPEG−2方式のいずれかの出力フォーマットに固定するモードに設定された状態でPC103に接続され、PC103のアプリケーションはいずれの方式のデータにも対応可能であったとする。この場合、DVC101はたまたま固定されていた出力フォーマットのデータしか送信しない。このため、PC103はいずれの出力フォーマットのデータも受信可能であるにもかかわらず、固定された出力フォーマット以外の映像データを受け取ることができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、出力フォーマットが固定された出力モードと、出力フォーマットが可変な出力モードを持つ外部装置よりデータを受信するに先だって、その外部装置を出力フォーマットが可変な出力モードへ切り替えることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明による通信装置は以下の構成を備える。すなわち、
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力手段と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力手段とを備える。
【0011】
また、上記の目的を達成するための本発明の制御方法は、
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な制御方法であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力工程と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力工程とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フォーマットが固定された出力モードとフォーマットが可変な出力モードを持つ外部装置よりデータを受信するに先だって、フォーマット可変モードに切り替えることが可能になる。このため、例えばフォーマット固定出力モードに設定されたDVCをPCに接続してデータを転送させる際に、PCの制御によりDVCの出力モードをフォーマット可変モードに切り替えることができ、PCはデータを漏れなく受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。上述した様にDVC101はIEEE1394ケーブル102を介してPC103に接続されている。PC103ではDVC101からの映像データを取り込んで編集を行うアプリケーション104が動いている。磁気テープ105には、図11に示すように、DV方式の映像データ1101、1103と、MPEG−2方式の映像データ1102が混在して記録されている。アプリケーション104は、ダイナミックに切り替わりながら同期伝送されてくる複数のフォーマットの映像データを受信して取り込み、編集等をすることができる。例えば、図4(b)のようにDV方式の映像データとMPEG−2方式の映像データが交互に伝送されてきた場合に、これらを取り込み、再生、編集処理を実行することができる。なお、アプリケーション104はPC103にインストールされ、実行される。
【0015】
図2は、本実施形態に係る通信装置の一例であるDVC101の内部構成を示すブロック構成図である。本実施形態のDVC101は、撮像制御部501がデジタルカメラ部508を制御することで被写体の動画及び静止画の撮影を行う。デジタルカメラ部508は、CCD、CMOSセンサ等の撮像素子を有する。デジタルカメラ部508より取り込まれたデジタル画像は画像処理部505においてにおいて目的のデータフォーマットに変換され、記録制御部504によって着脱可能記録部509(本実施形態においては磁気テープ105)に記録される。また、上述した様に、DVC101はDV又はMPEG−2の映像データを記録可能であることから、着脱可能記録部509には図11で示したような両方式の映像データが混在した状態で記録することが可能である。記録時にDV方式、MPEG−2方式のいずれの方式で記録するかは、表示部511にユーザによる設定を促すためのインターフェースを提示する。これにより、ユーザは所望の方式で映像データを記録させることができる。メイン制御部502は、DVC101の動作を制御する。IEEE1394インターフェース507は、IEEE1394規格(非特許文献2、3を参照)に準拠したデジタルインターフェースである。DIF(デジタルインターフェース)制御部506は、IEEE1394インターフェース507が有する全ての入出力プラグを制御する。内部メモリ510には、DIF制御部506が管理する固定モード管理テーブルが記憶される。この固定モード管理テーブルには、IEEE1394インターフェース507が有する全ての入力プラグ及び全ての出力プラグがどのデータ形式に固定されているかを示すデータが格納される。
【0016】
図3は、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図であり、DVC101の通信処理とアプリケーション104を搭載したPC103の通信処理を表す。
【0017】
201でDVC101とPC103の間のIEEE1394接続が確立すると、IEEE1394規格で定められた所定手順(不図示)によりデバイス情報が取得され、PC103はDVC101が接続されたことを認識する。そして、PC103のアプリケーション104は、DVC103に向けて固定モード解除の出力モード制御コマンド202を発行する。DVC101では、たとえ接続したときに出力フォーマットが固定モードに設定されていても、それを可変モードに切り替えることができる。そしてPC103内のアプリケーション104から再生制御コマンド203が発行されると、DVC101から再生された映像データ204〜206が送信される。
【0018】
この例は、図11に示す磁気テープ105が再生された場合であり、DV方式、MPEG−2方式、DV方式の映像データが順に送信される。媒体に記録されている状態と送信データの関係を図4に示す。図4(a)のように記録されている映像データが図4の(b)の様に出力される。
【0019】
次に、DVC101の出力フォーマットを可変モードに変更させる上記制御コマンド204について説明する。図5は本実施形態に適用可能な制御コマンドの一例であるところの、OUTPUT PLUG SIGNAL MODEコマンドの構成を示す図である。このコマンドは、8ビット幅で3バイト構成となっており、Operand(1)に示すように、固定/可変に1ビット(第7ビット)、MPEG−2やDVなどのフォーマットを表すのに2ビット(第6、第5ビット)が割り当てられている。なお、これら2ビットを用いて4通りのフォーマットを表すことも可能である。Operand(0)はコードによって機能を変更することが可能なものである。
【0020】
また、第7ビット(Lock)は出力モードを表し、0で可変モード、1で固定モードを表す。この可変モードとは上述した様に出力フォーマットを固定にしないことである。従って可変モード時には出力フォーマットを表す第6、第5ビット(Mpeg/DV)は意味を持たない。また固定モードとは、DVあるいはMPEG−2のどちらか一方に固定するものとする。もちろん、更に多数のフォーマットについて設定可能とし、複数のフォーマットのロックを指定することも可能である。
【0021】
例えばDVC101から可変モードで出力させたい場合には、Operand(1)=0x00のOUTPUTPLUG SIGNAL MODEコントロールコマンドを発行すればよい。なお、Lockのビットを“0”にした場合、フォーマットを表すビットは意味を持たない。従って本実施形態ではこれら2ビットを“00”にしているが、“01”、“10”、“11”の如何なる数値が設定されても同様である。
【0022】
なお、上記実施形態では、IEEE1394インターフェース507による接続の確立をトリガにしてDVC101を可変フォーマットにするコマンドを発行する例を述べたが、これに限られるものではない。例えば、IEEE1394インターフェース507による接続が確立された状態でPC103のアプリケーション104を起動したタイミングをトリガとしてもよい。
【0023】
以上のように、第1実施形態によれば、たとえDVC101が出力する画像フォーマットを固定にする出力モードを持っていたとしても、PC103のアプリケーション104はDVC101の出力モードを可変モードに変更して複数フォーマットの記録内容をそのまま取り込んで編集等に使うことができる。
【0024】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、所定のトリガにより出力モードを可変モードとするためのコマンドを発行した。すなわち、コマンドを発行する前にDVC101が固定モードになっているのか可変モードになっているのかについて確認をすることなく、可変モードにするための制御コマンドを発行する場合を述べた。第2実施形態では、出力モードを可変モードとするためのコマンドを発行する前に、その時点でDVC101に設定されている出力モードを確認する。
【0025】
第2実施形態に係る通信システムの構成等は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0026】
図6は、第2実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図である。それぞれの縦線は時間の流れを表す。
【0027】
201でDVC101とPC103の間のIEEE1394接続が確立すると、IEEE1394規格で定められた所定手順(不図示)によりデバイス情報が取得され、PC103はDVC101が接続されたことを認識する。そして、PC103のアプリケーション104は、DVC101に向けて固定モードになっているのか可変モードになっているのかを確認するための出力モード確認コマンド211を発行する。DVC101からの応答(出力モード通知)212により、固定モードになっていると確認された場合には、出力フォーマットを可変に変更する必要があるので(213)、固定モードを解除するための出力モード制御コマンド202を発行する。そしてアプリケーションから再生制御コマンド203を発行する。以下第1実施形態と同様である。
【0028】
また、確認コマンド409aの応答409bにより、DVC101が可変モードであると確認された場合は、出力モード制御コマンド202を発行せずに、直ちに再生コマンド203を発行することになる。
【0029】
以上の第2実施形態に係る再生制御までのPC103による処理を図7フローチャートに示す。ステップS601において、IEEE1394接続の確立、或いはアプリケーション104の起動処理等をトリガとして検出する。ステップS602では、出力モード確認コマンド(211)を発行する。ステップS603において、返信されてきた応答(出力モード通知212)に基づいて、出力モードが固定モードであるか可変モードであるかを判断する。固定モードであると判断された場合にはステップS603からステップS604へ進み、DVC101を可変モードへ切り替えるべく、出力モード制御コマンドを送信する(202)。そしてステップS605にて再生制御コマンドを発行(203)する。このコマンドに応じて、DVC101は映像データを出力する(204〜206)。一方、応答コマンドおいてDVC101の出力モードが可変モードであると判断された場合は、ステップS603からステップS605へスキップし、そのまま再生コマンド(203)が発行される。
【0030】
<第3実施形態>
第3実施形態では、上述した第1実施形態や第2実施形態の動作に先だって、DVC101に対して停止制御を行う。
【0031】
図8は、第3実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図である。なお、図8では第1実施形態の処理に先立って停止制御を行う場合を示したが、第2実施形態の処理に先立って停止制御を行う構成も、以下の説明から当業者には明らかであろう。
【0032】
201でDVC101とPC103の間のIEEE1394接続が確立すると、IEEE1394規格で定められた所定手順(不図示)によりデバイス情報が取得され、PC103はDVC101が接続されたことを認識する。そして、PC103のアプリケーション104は、まずDVC101に対して停止制御コマンドを発行し(221)、その後、出力モードを可変モードにする出力モード制御コマンドを発行する(202)。これ以降の手順は第1実施形態と同様である。また第2実施形態と同様に一旦固定モードになっているか可変モードになっているか確認するための確認コマンドを発行し、可変モードになっていないときだけ制御コマンドを発行するようにしてもよいことは上述した通りである。
【0033】
<第4実施形態>
上記の各実施形態では、出力モードを可変モードにする出力モード制御コマンドを送ったことによりDVC101は可変モードに移行したものとして処理(映像データの送信)を開始した。すなわち、可変モードへの移行に関して確認を行うことなく映像データの送信を開始している。しかしながら、可変モードにするための制御が成功しない可能性もある。例えばDVC101の出力フォーマットの切り替えがメカスイッチ等でしか実行できない場合には、制御コマンドによる出力フォーマットの切り替えはできない。
【0034】
そこで、第4実施形態では、制御コマンドによる可変モードへの移行が成功した否かを確認し、失敗した場合にはその旨を通知する構成を設ける。以下では第1実施形態の処理手順に確認処理を加えた場合を説明するが、上述の第2、第3実施形態の手順にも確認処理を加え得ることは明らかであろう。
【0035】
図9は、第4実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図である。PC103は、出力モードの切り替えを要求するための出力モード制御コマンドを送った後(202)、DVC101より出力モード設定通知を受信する(231)ことにより、出力フォーマットの設定が成功したか否かを確認する。出力フォーマットの設定が成功していたならば、再生コマンドにより再生を指示する(203)。
【0036】
なお、上記では出力フォーマット設定通知を受信するものとしたが、出力モード制御コマンドを発行したPC103が、DVC101の出力モードを照会し、可変モードに切り替わったか否かを確認するようにしてもよい。この場合、例えば、上述のOUTPUT PLUG SIGNAL MODEをステータスコマンドとして用いることが考えられる。すなわち、全てのOperandに0xFFを代入したOUTPUTPLUG SIGNAL MODEステータスコマンドをDVC101に発行し、DVC101から返信されるOUTPUT PLUG SIGNAL MODEコマンドにより出力モードを確認する。
【0037】
図10は第4実施形態に係る処理を説明するフローチャートである。ステップS901において、IEEE1394接続の確立、或いはアプリケーション104の起動処理等をトリガとして検出する。ステップS902では、DVC101の出力モードを可変モードに変更するべく、OUTPUT PLUG SIGNAL MODEコマンドを発行する。引き続き、PC103は、DVC101に対してOUTPUT PLUGSIGNAL MODEステータスコマンドを発行することによってDVC101の出力モードを確認する(ステップS903)。この確認の結果、可変モードへの移行に成功していれば、ステップS906へ進み、DVC101に映像データの送信を開始させるべく再生指示を送信する。
【0038】
一方、可変モードへの移行に失敗した場合は、ステップS904へ進み、そのことをPC103のアプリケーション104のユーザに報知する。本例では、PC103のディスプレイ上に、“出力される画像フォーマットは固定になっています”等の表示を行う。また、本実施形態では、この画面において、更に映像データの送信を開始するか否かを問い合わせるボタンを設け、ユーザにより開始が指示された場合はステップS906へ進んで再生指示をDVC101へ送信する。これにより、ユーザは、出力フォーマットが固定モードの状態で映像データを送信させたり、DVC101の出力フォーマットを例えばマニュアルで切り替えた後に映像データを送信させたりするといった対応が容易に行える。
【0039】
また、DVC101を切り替えスイッチによって出力モードを設定するように構成した場合には、ステップS904において、出力モードを可変モード側へ切り替えるよう表示してもよい。これは、接続先のDVC101がどの様な切り替えスイッチを有しているか、またどの切り替えスイッチを操作したらよいかを示す操作情報を機種毎に保持しておき、IEEE1394接続の確立時に取得したデバイス情報から識別された機種に対応する操作情報を取得し、これに基づいて表示を行うことで実現できる。
【0040】
<第5実施形態>
ところでDVC101には明示的に出力画像フォーマット固定と可変の切り替えスイッチが付いている場合もあるが、他の機能の切り替えに1対1に対応して出力モードが切り替わる場合もある。例えばDVC101の中には主に撮影、記録又は再生を行う撮影記録再生モードと、主にPC103に接続して楽しむPC接続モードを切り替えるスイッチがついている場合がある。そして、この切り替え機能に連動して撮影記録再生モードのときには出力フォーマット固定になり、PC接続モードのときには出力フォーマット可変になるものがある。このようなDVC101に対応するために、上記ステップS904において、接続もしくは起動されたアプリケーション104がユーザにDVC101をPC接続モードに変更させるメッセージを表示しても良い。このとき、DVC101がPC接続モードなのか撮影記録再生モードなのかを確認するコマンドを先に発行し、その応答に従って上記メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0041】
なお、IEEE1394接続の確立時において、取得したデバイス情報からコマンドによる出力モードの切り替えが可能な機種か否かを判定し、切り替えスイッチのみでしか出力モードの変更ができない機種である場合には、上記のようなスイッチ切り替えを案内するような表示を行うようにしてもよい。
【0042】
なお、上記各実施形態では、出力モードを可変モードへ設定する場合を説明したが、出力モードを所望の出力フォーマットによる固定モードへ設定する場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【図2】第1〜第6実施形態に係るDVC101の内部構成を示すブロック構成図である。
【図3】DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図4】可変モードにおいて、テープ上のデータと出力されるデータの関係を説明する図である。
【図5】第1〜第5実施形態に適用可能な制御コマンドの一例であるところの、OUTPUTPLUG SIGNAL MODEコマンドの構成を示す図である。
【図6】第2実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る再生制御までのPC103による処理を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図9】第3実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図10】第4実施形態に係る処理を説明するフローチャートである。
【図11】テープ上の映像データの記録状態を説明する図である。
【図12】テープ上のデータと出力されるデータの関係を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデジタルビデオカメラにおいては、HD(High Definition)、SD(StandardDefinition)、SDL(Standard Definition Long)等のように複数のビデオフォーマットによるデータの記録並びに再生ができるように構成されている(例えば、非特許文献1参照)。また現在、同一記録媒体上(例えば同一テープ上)に、異なる複数種類の圧縮方式に対応した圧縮フォーマット、例えばDV(DigitalVideo)フォーマットやMPEG−2の映像データを記録する方式が提案されている。この場合、例えばSDフォーマットの映像データ(SD映像データと称する)はDV方式で、HDフォーマットの映像データ(HD映像データと称する)はMPEG−2方式で記録することが行われる(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
これらの複数のフォーマットが記録されたテープを再生する場合について図1を用いて説明する。図1において、DVC(デジタルビデオカメラ)101はIEEE1394規格(非特許文献2、3を参照)に準拠した通信ケーブルであるIEEE1394ケーブル102を介してPC(パーソナルコンピュータ)103に接続されている。ここで、IEEE1394規格は、シリアルバスに関する規格である。また、図11はDVC101に収められた磁気テープ105における映像データの記録状態を示す図である。図11に示すようにDV方式の映像データ1101、1103とMPEG−2方式の映像データ1102が交互に記録されている。図1のようにIEEE1394ケーブル102でPC103に接続されたDVC101は、PC103上の編集アプリケーションからの各種の制御コマンドによって再生、停止等がコントロールされる(非特許文献4を参照)。
【0004】
再生動作時において、DVC101は、図11のDV方式の映像データ1101を再生しているときには再生されたDV方式の映像データをIEEE1394端子よりアイソクロナスデータとして出力する。また、MPEG−2方式の映像データ1102を再生しているときには、再生されたMPEG−2フォーマットの映像データをIEEE1394端子よりアイソクロナスデータとして出力する。PC103ではこのアイソクロナスデータをキャプチャし編集を行う。
【0005】
このとき、PC103は、DVC101において再生されている映像フォーマットが、DV方式かMPEG−2方式かを“Output Plug Signal Format”のステータスコマンドを用いることによって知ることが可能である(非特許文献5を参照)。ここで、Plug(プラグ)とは、非特許文献6で規定されたプラグを示す。プラグには、入力プラグと出力プラグがあり、いずれも論理的に構成されたものである。入力プラグについては入力プラグコントロールレジスタ(iPCR)によって管理され、出力プラグについては出力プラグコントロールレジスタ(oPCR)によって管理される。なお、iPCR及びoPCRの詳細な説明については、非特許文献6に記載されているので省略する。上記の場合、OutputPlug Signal Formatのステータスコマンドを用いてPC103がDVC101にその出力フォーマットを照会すると、DVC101は再生出力しているデータの出力フォーマットが、例えばDV方式であるのかMPEG−2方式であるのかを、OutputPlug Signal Formatのコントロールコマンドにより応答する。
【0006】
また、カメラ画像をキャプチャする場合は、Output Plug SignalFormatのコントロールコマンドでDVC101にDVまたはMPEG−2のフォーマットをプラグから出力することを指定してキャプチャすることが可能である。
【0007】
更に、DVC101において、インターフェースから出力するフォーマットを任意のフォーマットに固定することが可能である。これは、例えばダビング等を行う場合に、フォーマットの混在したテープ105を再生した場合に、受信側の装置(PC103)で対応していないフォーマットのデータが出力されないようにするためである。この場合の磁気テープ105上のデータと出力されるデータの関係を図12に示す。図12において、(a)の磁気テープ105には、図11で説明したようにDV方式の映像データ1101、1103とMPEG−2方式の映像データ1102が記録されている。これに対し、図12の(b)には、出力されるフォーマットをDV方式に固定した場合のデータの出力状態が示されている。(b)に示されるように、MPEG−2方式の映像データ1102が記録されている部分を再生しているときはデータが出力されない。この場合は受信側装置がDV方式の映像データしか受けられない場合に出力をDV方式に固定した例であるが、受信側装置がMPEG−2しか受けられない場合に出力をMPEG−2に固定することも可能である。
【非特許文献1】Specificationsof Consumer-Use Digital VCRs using 6.3mm magnetic tape
【非特許文献2】IEEE Std1394-1995, IEEE Standardfor a High Performance Serial Bus, Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc.
【非特許文献3】IEEE Std 1394a-2000, IEEE Standardfor a High Performance Serial Bus - Amendment 1, Institute of Electrical andElectronics Engineers, Inc.
【非特許文献4】AV/C Tape Recorder/Player SubunitSpecification, 1394 Trade Association
【非特許文献5】AV/C Digital Interface Command Set General Specification Version 4.1, 1394 Trade Association
【非特許文献6】IEC 61883-1, Consumer audio/video equipment - Digital interface - Part 1: General
【特許文献1】特開2001−275076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の構成において、DVC101がDV方式とMPEG−2方式のいずれかの出力フォーマットに固定するモードに設定された状態でPC103に接続され、PC103のアプリケーションはいずれの方式のデータにも対応可能であったとする。この場合、DVC101はたまたま固定されていた出力フォーマットのデータしか送信しない。このため、PC103はいずれの出力フォーマットのデータも受信可能であるにもかかわらず、固定された出力フォーマット以外の映像データを受け取ることができなくなってしまう。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、出力フォーマットが固定された出力モードと、出力フォーマットが可変な出力モードを持つ外部装置よりデータを受信するに先だって、その外部装置を出力フォーマットが可変な出力モードへ切り替えることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明による通信装置は以下の構成を備える。すなわち、
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力手段と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力手段とを備える。
【0011】
また、上記の目的を達成するための本発明の制御方法は、
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な制御方法であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力工程と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力工程とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フォーマットが固定された出力モードとフォーマットが可変な出力モードを持つ外部装置よりデータを受信するに先だって、フォーマット可変モードに切り替えることが可能になる。このため、例えばフォーマット固定出力モードに設定されたDVCをPCに接続してデータを転送させる際に、PCの制御によりDVCの出力モードをフォーマット可変モードに切り替えることができ、PCはデータを漏れなく受信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。上述した様にDVC101はIEEE1394ケーブル102を介してPC103に接続されている。PC103ではDVC101からの映像データを取り込んで編集を行うアプリケーション104が動いている。磁気テープ105には、図11に示すように、DV方式の映像データ1101、1103と、MPEG−2方式の映像データ1102が混在して記録されている。アプリケーション104は、ダイナミックに切り替わりながら同期伝送されてくる複数のフォーマットの映像データを受信して取り込み、編集等をすることができる。例えば、図4(b)のようにDV方式の映像データとMPEG−2方式の映像データが交互に伝送されてきた場合に、これらを取り込み、再生、編集処理を実行することができる。なお、アプリケーション104はPC103にインストールされ、実行される。
【0015】
図2は、本実施形態に係る通信装置の一例であるDVC101の内部構成を示すブロック構成図である。本実施形態のDVC101は、撮像制御部501がデジタルカメラ部508を制御することで被写体の動画及び静止画の撮影を行う。デジタルカメラ部508は、CCD、CMOSセンサ等の撮像素子を有する。デジタルカメラ部508より取り込まれたデジタル画像は画像処理部505においてにおいて目的のデータフォーマットに変換され、記録制御部504によって着脱可能記録部509(本実施形態においては磁気テープ105)に記録される。また、上述した様に、DVC101はDV又はMPEG−2の映像データを記録可能であることから、着脱可能記録部509には図11で示したような両方式の映像データが混在した状態で記録することが可能である。記録時にDV方式、MPEG−2方式のいずれの方式で記録するかは、表示部511にユーザによる設定を促すためのインターフェースを提示する。これにより、ユーザは所望の方式で映像データを記録させることができる。メイン制御部502は、DVC101の動作を制御する。IEEE1394インターフェース507は、IEEE1394規格(非特許文献2、3を参照)に準拠したデジタルインターフェースである。DIF(デジタルインターフェース)制御部506は、IEEE1394インターフェース507が有する全ての入出力プラグを制御する。内部メモリ510には、DIF制御部506が管理する固定モード管理テーブルが記憶される。この固定モード管理テーブルには、IEEE1394インターフェース507が有する全ての入力プラグ及び全ての出力プラグがどのデータ形式に固定されているかを示すデータが格納される。
【0016】
図3は、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図であり、DVC101の通信処理とアプリケーション104を搭載したPC103の通信処理を表す。
【0017】
201でDVC101とPC103の間のIEEE1394接続が確立すると、IEEE1394規格で定められた所定手順(不図示)によりデバイス情報が取得され、PC103はDVC101が接続されたことを認識する。そして、PC103のアプリケーション104は、DVC103に向けて固定モード解除の出力モード制御コマンド202を発行する。DVC101では、たとえ接続したときに出力フォーマットが固定モードに設定されていても、それを可変モードに切り替えることができる。そしてPC103内のアプリケーション104から再生制御コマンド203が発行されると、DVC101から再生された映像データ204〜206が送信される。
【0018】
この例は、図11に示す磁気テープ105が再生された場合であり、DV方式、MPEG−2方式、DV方式の映像データが順に送信される。媒体に記録されている状態と送信データの関係を図4に示す。図4(a)のように記録されている映像データが図4の(b)の様に出力される。
【0019】
次に、DVC101の出力フォーマットを可変モードに変更させる上記制御コマンド204について説明する。図5は本実施形態に適用可能な制御コマンドの一例であるところの、OUTPUT PLUG SIGNAL MODEコマンドの構成を示す図である。このコマンドは、8ビット幅で3バイト構成となっており、Operand(1)に示すように、固定/可変に1ビット(第7ビット)、MPEG−2やDVなどのフォーマットを表すのに2ビット(第6、第5ビット)が割り当てられている。なお、これら2ビットを用いて4通りのフォーマットを表すことも可能である。Operand(0)はコードによって機能を変更することが可能なものである。
【0020】
また、第7ビット(Lock)は出力モードを表し、0で可変モード、1で固定モードを表す。この可変モードとは上述した様に出力フォーマットを固定にしないことである。従って可変モード時には出力フォーマットを表す第6、第5ビット(Mpeg/DV)は意味を持たない。また固定モードとは、DVあるいはMPEG−2のどちらか一方に固定するものとする。もちろん、更に多数のフォーマットについて設定可能とし、複数のフォーマットのロックを指定することも可能である。
【0021】
例えばDVC101から可変モードで出力させたい場合には、Operand(1)=0x00のOUTPUTPLUG SIGNAL MODEコントロールコマンドを発行すればよい。なお、Lockのビットを“0”にした場合、フォーマットを表すビットは意味を持たない。従って本実施形態ではこれら2ビットを“00”にしているが、“01”、“10”、“11”の如何なる数値が設定されても同様である。
【0022】
なお、上記実施形態では、IEEE1394インターフェース507による接続の確立をトリガにしてDVC101を可変フォーマットにするコマンドを発行する例を述べたが、これに限られるものではない。例えば、IEEE1394インターフェース507による接続が確立された状態でPC103のアプリケーション104を起動したタイミングをトリガとしてもよい。
【0023】
以上のように、第1実施形態によれば、たとえDVC101が出力する画像フォーマットを固定にする出力モードを持っていたとしても、PC103のアプリケーション104はDVC101の出力モードを可変モードに変更して複数フォーマットの記録内容をそのまま取り込んで編集等に使うことができる。
【0024】
<第2実施形態>
上述の第1実施形態では、所定のトリガにより出力モードを可変モードとするためのコマンドを発行した。すなわち、コマンドを発行する前にDVC101が固定モードになっているのか可変モードになっているのかについて確認をすることなく、可変モードにするための制御コマンドを発行する場合を述べた。第2実施形態では、出力モードを可変モードとするためのコマンドを発行する前に、その時点でDVC101に設定されている出力モードを確認する。
【0025】
第2実施形態に係る通信システムの構成等は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0026】
図6は、第2実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図である。それぞれの縦線は時間の流れを表す。
【0027】
201でDVC101とPC103の間のIEEE1394接続が確立すると、IEEE1394規格で定められた所定手順(不図示)によりデバイス情報が取得され、PC103はDVC101が接続されたことを認識する。そして、PC103のアプリケーション104は、DVC101に向けて固定モードになっているのか可変モードになっているのかを確認するための出力モード確認コマンド211を発行する。DVC101からの応答(出力モード通知)212により、固定モードになっていると確認された場合には、出力フォーマットを可変に変更する必要があるので(213)、固定モードを解除するための出力モード制御コマンド202を発行する。そしてアプリケーションから再生制御コマンド203を発行する。以下第1実施形態と同様である。
【0028】
また、確認コマンド409aの応答409bにより、DVC101が可変モードであると確認された場合は、出力モード制御コマンド202を発行せずに、直ちに再生コマンド203を発行することになる。
【0029】
以上の第2実施形態に係る再生制御までのPC103による処理を図7フローチャートに示す。ステップS601において、IEEE1394接続の確立、或いはアプリケーション104の起動処理等をトリガとして検出する。ステップS602では、出力モード確認コマンド(211)を発行する。ステップS603において、返信されてきた応答(出力モード通知212)に基づいて、出力モードが固定モードであるか可変モードであるかを判断する。固定モードであると判断された場合にはステップS603からステップS604へ進み、DVC101を可変モードへ切り替えるべく、出力モード制御コマンドを送信する(202)。そしてステップS605にて再生制御コマンドを発行(203)する。このコマンドに応じて、DVC101は映像データを出力する(204〜206)。一方、応答コマンドおいてDVC101の出力モードが可変モードであると判断された場合は、ステップS603からステップS605へスキップし、そのまま再生コマンド(203)が発行される。
【0030】
<第3実施形態>
第3実施形態では、上述した第1実施形態や第2実施形態の動作に先だって、DVC101に対して停止制御を行う。
【0031】
図8は、第3実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図である。なお、図8では第1実施形態の処理に先立って停止制御を行う場合を示したが、第2実施形態の処理に先立って停止制御を行う構成も、以下の説明から当業者には明らかであろう。
【0032】
201でDVC101とPC103の間のIEEE1394接続が確立すると、IEEE1394規格で定められた所定手順(不図示)によりデバイス情報が取得され、PC103はDVC101が接続されたことを認識する。そして、PC103のアプリケーション104は、まずDVC101に対して停止制御コマンドを発行し(221)、その後、出力モードを可変モードにする出力モード制御コマンドを発行する(202)。これ以降の手順は第1実施形態と同様である。また第2実施形態と同様に一旦固定モードになっているか可変モードになっているか確認するための確認コマンドを発行し、可変モードになっていないときだけ制御コマンドを発行するようにしてもよいことは上述した通りである。
【0033】
<第4実施形態>
上記の各実施形態では、出力モードを可変モードにする出力モード制御コマンドを送ったことによりDVC101は可変モードに移行したものとして処理(映像データの送信)を開始した。すなわち、可変モードへの移行に関して確認を行うことなく映像データの送信を開始している。しかしながら、可変モードにするための制御が成功しない可能性もある。例えばDVC101の出力フォーマットの切り替えがメカスイッチ等でしか実行できない場合には、制御コマンドによる出力フォーマットの切り替えはできない。
【0034】
そこで、第4実施形態では、制御コマンドによる可変モードへの移行が成功した否かを確認し、失敗した場合にはその旨を通知する構成を設ける。以下では第1実施形態の処理手順に確認処理を加えた場合を説明するが、上述の第2、第3実施形態の手順にも確認処理を加え得ることは明らかであろう。
【0035】
図9は、第4実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェース507でやりとりされる情報の一例を示す図である。PC103は、出力モードの切り替えを要求するための出力モード制御コマンドを送った後(202)、DVC101より出力モード設定通知を受信する(231)ことにより、出力フォーマットの設定が成功したか否かを確認する。出力フォーマットの設定が成功していたならば、再生コマンドにより再生を指示する(203)。
【0036】
なお、上記では出力フォーマット設定通知を受信するものとしたが、出力モード制御コマンドを発行したPC103が、DVC101の出力モードを照会し、可変モードに切り替わったか否かを確認するようにしてもよい。この場合、例えば、上述のOUTPUT PLUG SIGNAL MODEをステータスコマンドとして用いることが考えられる。すなわち、全てのOperandに0xFFを代入したOUTPUTPLUG SIGNAL MODEステータスコマンドをDVC101に発行し、DVC101から返信されるOUTPUT PLUG SIGNAL MODEコマンドにより出力モードを確認する。
【0037】
図10は第4実施形態に係る処理を説明するフローチャートである。ステップS901において、IEEE1394接続の確立、或いはアプリケーション104の起動処理等をトリガとして検出する。ステップS902では、DVC101の出力モードを可変モードに変更するべく、OUTPUT PLUG SIGNAL MODEコマンドを発行する。引き続き、PC103は、DVC101に対してOUTPUT PLUGSIGNAL MODEステータスコマンドを発行することによってDVC101の出力モードを確認する(ステップS903)。この確認の結果、可変モードへの移行に成功していれば、ステップS906へ進み、DVC101に映像データの送信を開始させるべく再生指示を送信する。
【0038】
一方、可変モードへの移行に失敗した場合は、ステップS904へ進み、そのことをPC103のアプリケーション104のユーザに報知する。本例では、PC103のディスプレイ上に、“出力される画像フォーマットは固定になっています”等の表示を行う。また、本実施形態では、この画面において、更に映像データの送信を開始するか否かを問い合わせるボタンを設け、ユーザにより開始が指示された場合はステップS906へ進んで再生指示をDVC101へ送信する。これにより、ユーザは、出力フォーマットが固定モードの状態で映像データを送信させたり、DVC101の出力フォーマットを例えばマニュアルで切り替えた後に映像データを送信させたりするといった対応が容易に行える。
【0039】
また、DVC101を切り替えスイッチによって出力モードを設定するように構成した場合には、ステップS904において、出力モードを可変モード側へ切り替えるよう表示してもよい。これは、接続先のDVC101がどの様な切り替えスイッチを有しているか、またどの切り替えスイッチを操作したらよいかを示す操作情報を機種毎に保持しておき、IEEE1394接続の確立時に取得したデバイス情報から識別された機種に対応する操作情報を取得し、これに基づいて表示を行うことで実現できる。
【0040】
<第5実施形態>
ところでDVC101には明示的に出力画像フォーマット固定と可変の切り替えスイッチが付いている場合もあるが、他の機能の切り替えに1対1に対応して出力モードが切り替わる場合もある。例えばDVC101の中には主に撮影、記録又は再生を行う撮影記録再生モードと、主にPC103に接続して楽しむPC接続モードを切り替えるスイッチがついている場合がある。そして、この切り替え機能に連動して撮影記録再生モードのときには出力フォーマット固定になり、PC接続モードのときには出力フォーマット可変になるものがある。このようなDVC101に対応するために、上記ステップS904において、接続もしくは起動されたアプリケーション104がユーザにDVC101をPC接続モードに変更させるメッセージを表示しても良い。このとき、DVC101がPC接続モードなのか撮影記録再生モードなのかを確認するコマンドを先に発行し、その応答に従って上記メッセージを表示させるようにしてもよい。
【0041】
なお、IEEE1394接続の確立時において、取得したデバイス情報からコマンドによる出力モードの切り替えが可能な機種か否かを判定し、切り替えスイッチのみでしか出力モードの変更ができない機種である場合には、上記のようなスイッチ切り替えを案内するような表示を行うようにしてもよい。
【0042】
なお、上記各実施形態では、出力モードを可変モードへ設定する場合を説明したが、出力モードを所望の出力フォーマットによる固定モードへ設定する場合にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】第1実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【図2】第1〜第6実施形態に係るDVC101の内部構成を示すブロック構成図である。
【図3】DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図4】可変モードにおいて、テープ上のデータと出力されるデータの関係を説明する図である。
【図5】第1〜第5実施形態に適用可能な制御コマンドの一例であるところの、OUTPUTPLUG SIGNAL MODEコマンドの構成を示す図である。
【図6】第2実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る再生制御までのPC103による処理を示すフローチャートである。
【図8】第3実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図9】第3実施形態における、DVC101とPC103を接続した後の、IEEE1394インターフェースでやりとりされる情報の一例を示す図である。
【図10】第4実施形態に係る処理を説明するフローチャートである。
【図11】テープ上の映像データの記録状態を説明する図である。
【図12】テープ上のデータと出力されるデータの関係を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力手段と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記モード設定コマンドの出力に先立って、前記外部装置の出力モードを確認し、該出力モードの変更の要否を判断する判断手段を更に備え、
前記判断手段で出力モードの変更が不要と判断された場合は、前記第1出力手段による前記モード設定コマンドを出力させることなく、前記出力指示コマンドを出力させることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1出力手段によるモード設定コマンドの出力に先立って、前記外部装置の動作を停止させる停止コマンドを発行する停止制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2出力手段による前記出力指示コマンドの出力に先立って、前記モード設定コマンドによって要求される出力モードに前記外部装置が設定されたか否かを確認する確認手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記確認手段で出力モードの設定に失敗したことが確認された場合、その旨を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1出力手段による前記モード設定コマンドの出力は、前記通信インターフェースの接続の確立時、或いは当該通信装置における所定のアプリケーションの起動時をトリガとすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置の制御方法であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力工程と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【請求項1】
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力手段と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記モード設定コマンドの出力に先立って、前記外部装置の出力モードを確認し、該出力モードの変更の要否を判断する判断手段を更に備え、
前記判断手段で出力モードの変更が不要と判断された場合は、前記第1出力手段による前記モード設定コマンドを出力させることなく、前記出力指示コマンドを出力させることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1出力手段によるモード設定コマンドの出力に先立って、前記外部装置の動作を停止させる停止コマンドを発行する停止制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2出力手段による前記出力指示コマンドの出力に先立って、前記モード設定コマンドによって要求される出力モードに前記外部装置が設定されたか否かを確認する確認手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記確認手段で出力モードの設定に失敗したことが確認された場合、その旨を表示する表示手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1出力手段による前記モード設定コマンドの出力は、前記通信インターフェースの接続の確立時、或いは当該通信装置における所定のアプリケーションの起動時をトリガとすることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
出力対象データのデータ形式に応じた出力フォーマットで出力する第1出力モードと、所定の出力フォーマットのみで出力する第2出力モードを備えた外部装置と通信インターフェースを介して接続可能な通信装置の制御方法であって、
前記通信インターフェースを介して接続された前記外部装置のデータの出力モードを前記第1もしくは第2出力モードのいずれかに設定するためのモード設定コマンドを該外部装置へ出力する第1出力工程と、
前記モード設定コマンドを出力した後に、前記外部装置にデータを出力させるための出力指示コマンドを出力する第2出力工程とを備えることを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−5492(P2006−5492A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177493(P2004−177493)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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