遊技台
【課題】操作条件に関わる不正行為を抑制すること。
【解決手段】スロットマシン等の遊技台において、停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段と、所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件に該当するか否かを判定する操作条件判定手段と、前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件に該当するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、を備える。
【解決手段】スロットマシン等の遊技台において、停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段と、所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件に該当するか否かを判定する操作条件判定手段と、前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件に該当するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンに代表される遊技台において、リールの停止順序等の操作条件を設定し、設定した操作条件を充足する場合に遊技者に特典を付与するものが提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、例えば、特定の役に内部当選した場合に、右→中→左の順にリールが停止されることを操作条件として設定する。遊技者がこの通りに停止操作を行うと、内部当選した役に入賞可能となり、異なる停止操作を行うと入賞不能となる。遊技者は、基本的には、設定された操作条件を知ることができないため、その通りに停止操作を行うことは容易ではない。そこで、特定の遊技状態においては、設定された操作条件を遊技者に報知し、遊技者がより大きな利益を得られる機会を付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−119122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作条件が報知されない場合、本来遊技者は操作条件を知ることができない。しかし、不正機器を遊技台に取り付けて操作条件を示す内部データを取得し、その操作条件通りに操作することで、設計上想定されている利益以上の利益を獲得する不正行為者が存在する。
【0005】
本発明の目的は、操作条件に関わる不正行為を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段と、所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件を充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する複数種類の操作条件を設定する操作条件設定手段と、所定の場合に、前記複数種類の操作条件のうちの一つの操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の操作条件のいずれかを充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、その種類に応じて遊技者の有利度が異なる特典を設定する特典設定手段と、前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作条件に関わる不正行為を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図。
【図2】スロットマシン100の制御部の回路ブロック図。
【図3】各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
【図4】スロットマシン100の役の種類の説明図。
【図5】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図6】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャート。
【図7】(a)及び(b)は挑戦期間の説明図。
【図8】(a)乃至(c)は挑戦演出の説明図。
【図9】報知遊技の説明図。
【図10】(a)及び(b)は制御コマンドの例を示す図。
【図11】(a)及び(b)は制御コマンドの例を示す図。
【図12】不正機器の説明図。
【図13】(a)及び(b)は報知遊技中の演出例を示す図。
【図14】S25の制御内容設定処理のフローチャート。
【図15】S42の挑戦期間処理のフローチャート。
【図16】S58の操作条件判定処理のフローチャート。
【図17】S46の報知遊技処理のフローチャート。
【図18】自力正解を指摘する別の演出例の説明図。
【図19】(a)は自力正解数の記憶例を示す図、(b)は判定閾値の記憶例を示す図。
【図20】(a)は複数役が同時に内部当選する小役9の説明図、(b)及び(c)は小役9の内部当選時の演出例を示す図。
【図21】(a)及び(b)は小役9の内部当選時の他の演出例を示す図。
【図22】(a)乃至(c)は挑戦演出を行わない例の説明図。
【図23】(a)乃至(c)は操作間隔を監視する例の説明図。
【図24】(a)乃至(e)は操作間隔を監視する例の説明図。
【図25】(a)乃至(d)は操作条件の報知の有無で演出内容を異ならせる例の説明図。
【図26】(a)乃至(c)は主制御部300からガセの操作条件を送信する例の説明図。
【図27】(a)乃至(c)はガセの操作条件を報知する例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)、その回転軸方向に並べて収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。
【0011】
本実施形態において、各図柄はリール帯に等間隔で適当数印刷され、このリール帯が所定の環状体に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0013】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0014】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0015】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0016】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141に投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられたメダルセレクタを通過し、正規メダルの選別がなされると共に、メダルの通過が検出される。
【0017】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0018】
スタートレバー135は、遊技者の開始操作を受け付け、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチを構成する。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。
【0019】
停止ボタンユニット136には、遊技者の停止操作を受け付ける停止ボタン137乃至139が設けられている。停止ボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチを構成し、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各停止ボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、停止ボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0020】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0021】
停止ボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0022】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0023】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な可動体である2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bを有してこれらを動作させる動作装置であるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された画像表示装置157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと画像表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0024】
画像表示装置157は、演出画像の表示のほか、スロットマシン100で異常(エラー)が生じた場合に、これを報知する画像を表示する報知装置としても機能する。なお、このような報知装置は画像表示以外にも、音の出力装置を採用でき、或いは、画像表示と音の出力とを併用してもよい。
【0025】
本実施形態の場合、画像表示装置157は液晶表示装置(LCD)であるが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
また、本実施形態では、可動体として右シャッタ163a、左シャッタ163bを採用したが、これに限られず、人形体等、各種の可動体及びその動作装置を採用可能である。
【0027】
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンドを受信し、コマンドに応じた処理を実行する副制御部(第1副制御部400、第2副制御部500)と、によって構成されている。本実施形態の場合、副制御部は、主制御部300からコマンドを受信して演出の制御に関わる処理を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0028】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、各種の設定の情報等、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
【0029】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
【0030】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0031】
また、主制御部300には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(スタートレバー135センサ、ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダルセレクタのメダル検出センサ、停止ボタン137センサ、停止ボタン138センサ、停止ボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110〜112の各インデックスセンサ等)の状態を監視している。CPU304は各センサの状態をI/O310の所定のポートから取得可能である。
【0032】
なお、スタートレバー135に対する開始操作を受け付け可能な状態で開始操作を検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0033】
スタートレバー135センサは、遊技者による開始操作を検出する。停止ボタン137センサ、停止ボタン138センサ、および、停止ボタン139は、各々の停止ボタン137乃至139に設置されており、遊技者による停止ボタンの操作を検出する。
【0034】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0035】
リール110〜116のインデックスセンサは、例えば、リールに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0036】
主制御部300は、リール110乃至112を備えたステッピングモータ15を駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ336に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
【0037】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0038】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0039】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、各種の設定の情報等、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0040】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0041】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0042】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0043】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、画像表示装置157やシャッタ163の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
【0044】
<図柄配列>
図3を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0045】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「ブランク1」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「セブン1」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0046】
<役の種類>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の役の種類について説明する。なお、同図は役(作動役を含む)の種類、各役に対応する図柄組合せ、各役の作動または払出を示している。
【0047】
本実施形態における役のうち、ビッグボーナス(BB)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技の成立が含まれる。
【0048】
スロットマシン100の役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、押し順ベル1〜6)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0049】
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「セブン1−セブン1−セブン1」である。BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、BBに対応する図柄組み合わせが、揃って入賞する状態にある。
【0050】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ブランク2−ベル−ベル」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0051】
「小役(チェリー、スイカ、押し順ベル1〜6)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、押し順ベル1〜6は、「リプレイ」と、「ベル」との組み合わせになっている。対応する払出枚数は同図に示す通りである。「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0052】
特定の役については停止ボタン137乃至139に対する操作条件が設定される。本実施形態では、図4の「備考」欄に示すように、チェリーと、押し順ベル1〜6に操作条件が設定される。チェリーについては、第1停止操作が左リール110であることが操作条件となる。押し順ベル1〜6については、第1乃至第3停止操作の順序が操作条件となる。例えば、押し順ベル1の場合、左リール110、中リール111、右リール112の順に停止操作を行う必要があり、停止ボタン137乃至139の操作順序で言えば、停止ボタン137→停止ボタン138→停止ボタン139となる。
【0053】
本実施形態の場合、操作条件を、第1停止操作(チェリー)、或いは、第1乃至第3停止操作の順序(押し順ベル1〜6)としているが、操作条件はこれに限られず、遊技者の停止操作を区別可能な条件であれば何でもよい。例えば、停止操作のタイミング(回転中のリールに対して、停止操作がなされたときのリールの回転角度)を条件としてもよい。
【0054】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0055】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
【0056】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、押し順ベル1〜6)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される役である。
【0057】
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0058】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。
【0059】
但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0060】
本実施形態の場合、通常遊技中の所定の場合に、押し順ベル1〜6の操作条件を遊技者に報知する報知遊技を行う。本実施形態の場合、BB遊技終了後の所定遊技数の間(挑戦期間)に、遊技者が報知遊技の権利を獲得した場合に報知遊技を行う。詳細は後述する。
【0061】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0062】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
【0063】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0064】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
【0065】
<主制御部メイン処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0066】
電源投入が行われると、まず、S1で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0067】
S2ではメダル投入・開始操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS3へ進む。
【0068】
S3では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S4では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S5では抽選処理を行う。ここでは役の内部当選の当否を抽選する内部抽選を少なくとも行う。また、演出に関わる抽選(例えば、複数種類の中から演出内容を選択する抽選)を行ってもよい。
【0069】
役の内部抽選は、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの役に内部当選した場合、その役の内部当選フラグをONにする。S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。チェリーや押し順ベル1〜6に対応したリール停止データについては、その操作条件も設定されており、これらに対応するリール停止データが選択されると、その操作条件も設定されたことになる。こうして特定の役に内部当選した場合に操作条件が設定されることになる。操作条件に反する停止操作がなされた場合は、対応図柄組み合わせが表示されないように制御されることになる。
【0070】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させるリール制御を行う。S8では、停止ボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかの停止ボタンが押されると、押された停止ボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。つまり、リールの停止制御は、S5の役の内部抽選の結果と、停止操作のタイミングとに基づいたものとなる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した役がある場合は、その役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0071】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの役に対応する図柄組合せが表示された場合にその役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0072】
S10では払い出しのある何らかの役に入賞していれば、その役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0073】
<第1副制御部400の処理>
図6を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図6(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図6(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図6(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0074】
まず、図6(a)のS21では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS11で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。S22では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S23の処理に移行する。
【0075】
S23では、タイマ変数に0を代入する。S24では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300から受信した未処理コマンドを1つ取り出し解析する。
【0076】
S25では制御内容設定処理を行う。ここでは、S24のコマンド処理の解析結果にしたがって、主に演出に関わる設定処理を行い、これらから実行する演出の内容を選択したり、演出データをROM406から読み出す等の処理を行う。演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0077】
S26乃至S27では、S25の設定内容に従う各デバイスの処理を行う。S26では、S25の設定結果に基づいた音制御処理を行う。例えば、S25で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。S27では、S25の設定結果に基づいたランプ制御処理を行う。例えば、S25で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。S28では、S25の設定結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、S25で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。これにより、画像表示装置157の表示内容が変更されたり、シャッタ163の動作が変更される。その後、S21へ戻る。
【0078】
次に、図6(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のS31では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。上述したS24ではこのコマンド記憶領域から古いものから順に未処理コマンドを取り出すことになる。
【0079】
次に、図6(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0080】
S32では、図6(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるS22において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、S22において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。S33では、S28で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0081】
<挑戦期間及び報知遊技>
次に、上述した挑戦期間及び報知遊技について説明する。図7(a)及び(b)は挑戦期間の説明図である。図7(a)に示すように本実施形態では、BB遊技終了後の通常遊技中の所定遊技数(ここでは10遊技)の間を挑戦期間と称する状態としている。この挑戦期間中に、押し順小役1〜6のいずれかに入賞すると、遊技者に対する特典として、報知遊技の権利を設定する。なお、遊技者に対する特典は、報知内容に従った遊技操作を行った場合に、報知内容に従った遊技操作を行わない場合に比して多くの遊技媒体の払出しが得られる報知遊技の権利以外でもよく、例えば、遊技者に対する特典は、BB当選確率が上昇する遊技の権利のように、遊技操作に係らず多くの遊技媒体の払出しが得られる遊技の権利でもよく、例えば、遊技者に対する特典は、通常遊技には実行されない演出が実行される遊技または通常遊技には実行頻度の低い演出の実行頻度が上昇する遊技にように、レア演出の実行頻度が上昇する遊技の権利でもよい。つまり、遊技媒体の払出しが増加する実質的利益となる特典と、所望の演出が実行されるまでに費やす費用等を低減させることで間接的利益となる特典、とが含まれる。
【0082】
挑戦期間中に押し順小役1〜6に内部当選すると、図7(b)に示すように挑戦演出を行う。図7(b)の例では挑戦期間開始から7遊技目に押し順小役に内部当選しており、この遊技において挑戦演出を行う。挑戦演出では、内部当選した押し順小役の操作条件を報知する場合と、報知しない場合がある。
【0083】
図8(a)乃至(c)は挑戦演出の説明図である。挑戦演出は副制御部(400、500)が行う。図8(a)に示すように、主制御部300が役の内部抽選(S5)を行うと、その結果が制御コマンドとして第1副制御部400に送信される。第1副制御部400は制御コマンドを解析して操作条件を特定する。
【0084】
図8(b)は操作条件を報知する場合の挑戦演出例を示しており、LCD157にはリール110〜112の停止操作順序(中→右→左)が報知されている。遊技者が報知された通りに停止操作を行うと、操作条件を充足したことになり、LCD157にはこのことを示す表示(正解しました!)がなされる。また、内部当選した押し順小役に入賞し、報知遊技の権利が設定される。遊技者が報知された通りに停止操作を行わなかった場合、操作条件を充足しなかったことになり、LCD157にはこのことを示す表示(ハズシました!)がなされる。
【0085】
図8(c)は操作条件を報知しない場合の挑戦演出例を示しており、LCD157にはリール110〜112の停止操作順序を遊技者に問う演出がなされるだけで、操作条件は報知されていない。遊技者は、自身の勘で停止操作を行う。操作条件を充足した場合には、LCD157にはこのことを示す表示(自力正解しました!)がなされる。また、内部当選した押し順小役に入賞し、報知遊技の権利が設定される。操作条件を充足しなかった場合、LCD157にはこのことを示す表示(残念!)がなされる。
【0086】
以下、図8(b)の例のように、操作条件が報知されて操作条件が充足された場合を報知正解といい、図8(c)の例のように、操作条件が報知されないが操作条件が充足された場合を自力正解という。図8(b)及び(c)の例では、報知正解の場合と自力正解の場合とで、LCD157の表示内容を変え、自力正解の場合はこれを強調した演出内容としている。これは、勘を働かせて成功した遊技者を盛り上げる意味だけではなく、後述するように不正行為を抑制する意味もある。
【0087】
次に、図9は報知遊技の説明図である。本実施形態の場合、挑戦期間中に押し順小役に入賞すると、次遊技から所定遊技数(ここでは30遊技)の間、報知遊技を行う。報知遊技中、押し順小役に内部当選すると、内部当選した押し順小役の操作条件が報知される。したがって、遊技者に有利となる。
【0088】
この報知は副制御部(400、500)により行う。図9の例では、報知遊技開始から2遊技目、4遊技目、28遊技目において、それぞれ押し順ベル1、2、5に内部当選しており、それぞれの操作条件がLCD157に表示されて報知されている。遊技者は報知にしたがって停止操作を行うことで、各押し順小役の入賞を得られる。操作条件の報知は、押し順小役に内部当選した場合に100%行ってもよいが、高確率で行えば100%でなくてもよい。操作条件の報知が無い場合は、遊技者は自力で入賞を狙うことになる。
【0089】
<制御コマンド>
挑戦期間中及び報知遊技中において、副制御部(400、500)が操作条件を報知するためには、主制御部300が設定した操作条件を副制御部(400、500)が認識する必要がある。また、遊技者の停止操作を副制御部(400、500)が認識して操作条件に該当するかを判定する必要もある。本実施形態では、主制御部300から第1副制御部400へ送信する制御コマンドに操作条件や停止操作の内容を特定する情報を含ませることで、これらを実現する。
【0090】
図10(a)は、主制御部300から内部抽選(S5)の結果を第1副制御部400に制御コマンドとして送信した例を示している。操作条件の内容は役と対応しているので(図4)、第1副制御部400は役と操作条件との関係を示す情報を事前に記憶(例えばROM306に記憶)しておくことで、設定された操作条件を認識できる。
【0091】
図11(a)及び(b)は、第1副制御部400が、設定された操作条件を認識するための制御コマンドの別例を示している。図11(a)は内部抽選(S5)の結果に、操作条件を付加した内容となっている。この構成の場合、第1副制御部400は役と操作条件との関係を示す情報を事前に記憶しておく必要はない。図11(b)は内部抽選(S5)の結果に、選択された停止データ(S6)の種類を付加した内容となっている。この構成の場合、第1副制御部400は停止データの種類と操作条件との関係を示す情報を事前に記憶しておく。
【0092】
図10(b)は、主制御部300から第1〜第3停止操作の結果(停止制御結果:S8)を第1副制御部400に制御コマンドとして送信した例を示している。制御コマンドには、停止操作の対象リールとその停止位置が示されており、第1副制御部400は第1乃至第3停止操作を認識できる。
【0093】
<不正行為の例>
主制御部300が設定した操作条件を遊技者が知ることができれば、操作条件の報知が無くても100%自力正解することができる。そこで不正機器を用いて主制御部300が設定した操作条件を取得する不正行為が存在する。図12は不正機器の一例を示す説明図である。
【0094】
同図の不正機器は、主制御部300と第1副制御部400との間の通信線に接続された電子回路と、電子回路により点灯制御されるランプと、を備えている。電子回路は、主制御部300から副制御部400へ送信される制御コマンドを解析する機能と、解析結果に基づいてランプを点灯制御する機能を有する。そして、例えば、図10(a)に示したように、主制御部300から内部抽選(S5)の結果を示す制御コマンドが第1副制御部400に送信されると、電子回路において操作条件を特定し、特定した操作条件に対応した点灯パターンでランプを点滅させる。このランプの点灯パターンから不正行為者は操作条件を認識することが可能となる。
【0095】
<不正行為の抑制>
上記の不正行為がなされている場合、自力正解率が極めて高くなる。よって、自力正解率が高ければ不正行為がなされている蓋然性が高いが、不正行為を行わずに正当に自力正解を得ている遊技者に対する配慮が必要である。
【0096】
そこで、本実施形態では、自力正解した場合には、その旨を指摘する演出を行うこととした。例えば、図8(c)のLCD157の表示例がその一例である。図8(b)に示す報知正解の場合と表示が異なる演出内容とすることで、自力正解したことが分かり易くなっている。このような演出とすることで、不正行為を行わずに正当に自力正解を得ている遊技者に対しては称賛となり、不正行為者に対しては牽制となる。つまり、自力正解を指摘する演出頻度が高いと不正行為の蓋然性が高くなることから、不正行為者に対して不正行為の発覚を予感させ、また、ホールの従業員が監視を行い易くなる。
【0097】
また、本実施形態では、自力正解した場合は、次遊技以降の遊技において、自力正解したことを指摘する演出を行う。ここでは、報知遊技中に、自力正解により報知遊技の権利を得たことを指摘する演出を行う。図13(a)はその演出例を示す。同図の例ではLCD157に「(自力正解で開始)」との表示がなされており、報知遊技中、この表示が継続する。このような演出(表示)を行うことで、不正行為者に対しては牽制となり、ホールの従業員による監視も容易化する。図13(b)は報知正解により報知遊技の権利を得た場合の、報知遊技中の演出内容を示し、図13(a)の場合とは異なり、LCD157には、「報知遊技中!」との表示のみがなされている。よって、自力正解の場合と報知正解の場合とで、報知遊技の権利を得た条件を区別できる。
【0098】
<副制御部の制御例>
次に、図14を参照して、上記の挑戦期間、報知遊技に関する第1副制御部400のCPU404の処理例について説明する。図14はS25(図6(a))のS25の制御内容設定処理の例を示すフローチャートである。
【0099】
S41では、現在の遊技が挑戦期間中か否かを判定する。この判定は、例えば、RAM408に挑戦期間中か否かを示すフラグを用意することで行える。挑戦期間中の場合はS42へ進み、そうでない場合はS43へ進む。S42では挑戦期間処理を行う。詳細は後述する。S43では、今回の遊技がBB遊技の終了時の遊技か否かを判定する。この判定は主制御部300からの制御コマンドに基づき行うことができる。該当する場合はS44へ進み、次遊技から挑戦期間を開始する設定を行う。該当しない場合はS45へ進む。
【0100】
S45では報知遊技中か否かを判定する。この判定は、例えば、RAM408に報知遊技中か否かを示すフラグを用意することで行える。該当する場合はS46へ進む。S46では報知遊技処理を行う。詳細は後述する。該当しない場合はS47へ進み、その他の処理を行う。以上により一単位の処理が終了する。
【0101】
<挑戦期間処理>
図15はS42の挑戦期間処理を示すフローチャートである。S51では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技で押し順小役1〜6のいずれかに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS57へ進む。
【0102】
S52では内部当選した押し順小役1〜6の種類に対応した操作条件を特定してRAM408の特定のエリアに記憶する。S53では停止操作の監視を開始する。ここでの処理としては、例えば、RAM408に監視中であることを示すフラグをONにする。S54では、操作条件を報知するか否かの抽選を行い、当選したかどうかを判定する。当選した場合はS56へ進み、当選しなかった場合はS55へ進む。
【0103】
S55では挑戦演出を実行するための設定を行う。ここでは、操作条件の報知はないので、例えば、図8(c)に示した演出内容となる。S56では挑戦演出を実行するための設定を行う。ここでは、操作条件の報知を行うので、例えば、図8(b)に示した演出内容となる。
【0104】
S57では、停止操作監視中か否かを判定する。該当する場合はS58へ進み、該当しない場合はS59へ進む。S58では操作条件判定処理を行う。詳細は後述する。S59では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技が終了か否かを判定する。該当する場合はS60へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。
【0105】
S60では挑戦期間の遊技数を1つカウントアップする。S61では、挑戦期間の遊技数が規定数(ここでは10回)に達したかいなかにより挑戦期間終了かどうかを判定する。規定数に達した場合はS62へ進んで挑戦期間終了の処理を行う。規定数に達していない場合は一単位の処理を終了する。
【0106】
<操作条件判定処理>
図16はS58の操作条件判定処理を示すフローチャートである。S61では主制御部300からのコマンドに基づき、第1停止操作により1つ目のリールが停止したか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合はS63へ進む。S62では停止したリールが左、中、右のどれであるかを第1停止リールとしてRAM408の所定のエリアに記憶する。
【0107】
S63では主制御部300からのコマンドに基づき、第2停止操作により2つ目のリールが停止したか否かを判定する。該当する場合はS64へ進み、該当しない場合はS65へ進む。S64では停止したリールが左、中、右のどれであるかを第2停止リールとしてRAM408の所定のエリアに記憶する。
【0108】
S65では主制御部300からのコマンドに基づき、第3停止操作により3つ目のリールが停止したか否かを判定する。該当する場合はS66へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S66では停止したリールが左、中、右のどれであるかを第3停止リールRAM408の所定のエリアに記憶する。
【0109】
S67では停止操作の監視を終了する。S68では、S62、S64、S66で記憶した停止リールの情報と、S52で記憶した操作条件とを比較し、遊技者の停止操作が操作条件を充足しているか否かを判定する。充足している場合はS69へ進み、充足していない場合はS73へ進む。S73では、例えば、図8(b)、図8(c)に例示したような、停止操作に失敗した演出がなされる。
【0110】
S69では、今回の挑戦演出において、操作条件を報知したか否かを判定する。報知していた場合はS71へ進み、報知していない場合はS70へ進む。S70では自力正解であることを示す非報知時正解情報をRAM408の所定のエリアに記憶する。S71では報知正解であることを示す報知時正解情報をRAM408の所定のエリアに記憶する。報知時正解情報、非報知時正解情報は報知遊技終了時にクリアするか、或いは、過去の履歴として残してもよい。
【0111】
S72では、挑戦に成功した(停止操作が操作条件を充足した)ことを示す演出を行う。このとき、S70又はS71で記憶した非報知時正解情報又は報知時正解情報が記憶されているかによって、異なる演出内容としてもよく、例えば、報知時正解情報が記憶されている場合は図8(b)の内容とし、非報知時正解情報が記憶されている場合は図8(c)の内容とすることができる。S73では次遊技から報知遊技を開始するための設定を行う。その後、一単位の処理が終了する。
【0112】
<報知遊技処理>
図17はS46の報知遊技処理を示すフローチャートである。同図の例では押し順小役に内部当選すると100%、その操作条件を報知する例となっている。
【0113】
S81では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、1回の遊技の開始時(例えば開始操作時)か否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS85へ進む。S82では、非報知時正解情報と報知時正解情報とのいずれが記憶されているかを判定する。要するに、報知遊技の権利を得た理由が、自力正解か報知正解かの判定を行う。
【0114】
報知時正解情報が記憶されている場合はS83へ進み、通常演出を行う。非報知時正解情報が記憶されている場合はS84へ進み、自力正解指摘演出を行う。自力正解指摘演出は例えば図13(a)に示したように自力正解であることを指摘する演出である。この自力正解指摘演出が毎遊技行われることで、不正行為者を強く牽制できる。通常演出は、自力正解指摘演出と異なる演出内容となっており例えば図13(b)に示すように単に報知遊技中であることが示される。
【0115】
S85では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技で押し順小役1〜6のいずれかに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS87へ進む。S86では操作条件報知演出を行う。ここでは図9に示したように操作条件を報知する演出を行う。
【0116】
S87では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技が終了か否かを判定する。該当する場合はS88へ進み、該当しない場合はS91へ進む。S88では報知遊技の遊技数を1つカウントアップする。S89では、報知遊技の遊技数が規定数(ここでは30回)に達したかいなかにより報知遊技終了かどうかを判定する。規定数に達した場合はS90へ進んで報知遊技終了の処理を行う。規定数に達していない場合はS91へ進む。S91ではその他の処理を行い、その後、一単位の処理を終了する。
【0117】
以下、他の実施形態について説明するが、各実施形態は適宜組み合わせ可能である。
【0118】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、挑戦期間中の自力正解により報知遊技の権利を獲得した場合、その後の報知遊技において必ず自力正解指摘演出を行ったが、挑戦期間中の自力正解が複数回連続した場合に、その後の報知遊技において自力正解指摘演出を行ってもよい。また、報知遊技の終了後に自力正解指摘演出を行ってもよい。図18はこのような演出例の説明図である。
【0119】
同図では、自力正解1回目と2回目では、報知遊技中の自力正解指摘演出は行わず、3回目以降で行っている。このように自力正解が複数回連続した場合に、その後の報知遊技において自力正解指摘演出を行うことで、不正行為者とそうでない遊技者との判別を容易化することができる。
【0120】
また、図18の例では、自力正解5回目の報知遊技終了後の通常遊技中においても、自力正解指摘演出を行っている。この場合は、例えば、「自力正解率が高いです」等の表示を行う。自力正解率が極めて高い場合(例えば90%以上)には不正行為者の蓋然性が高いので、報知遊技後においても自力正解指摘演出を行うことで、強く牽制できる。
【0121】
また、図18の例では、閉店後において自立正解指摘報知を行っている。この場合も、例えば、「自力正解率が高いです」等の表示を行う。遊技者の退店後に自立正解指摘報知を行うことで、善良な遊技者の気分を害することなく、不正行為の有無の検証を行うことができる。
【0122】
図18の例のように、自力正解の連続回数をカウントする場合は、例えば、図19(a)に示すように、RAM408の所定のエリアに、自力正解、不正回の履歴を保存しておけばよい。なお、上記第1実施形態の場合、報知遊技の権利は報知正解の場合も設定されるが、報知正解の場合は、履歴の対象外とすればよい。また、自力正解の連続回数が所定数を超えたか否かを判別するための閾値は、例えば、図19(b)に示すようにROM406に記憶しておくことができる。
【0123】
<第3実施形態>
上記各実施形態では、挑戦期間中の自力正解を自力正解指摘演出の対象としたが、これに代えて、或いは、これに加えて報知遊技中に操作条件を報知しない遊技(以下、報知遊技中非報知遊技という。)を設定し、そのときに自力正解があった場合に、自力正解指摘演出を行ってもよい。この場合は、例えば、「自力正解しました」等の表示を行う。報知遊技中非報知遊技においては、例えば、図8(c)に示した挑戦演出と同様に、遊技者に停止操作順序を問う演出をしてもよいし、このような演出は行わず、押し順小役に内部当選したことが遊技者に分からないようにしてもよい。
【0124】
また、上記各実施形態のように挑戦期間中の自力正解を自力正解指摘演出の対象とすることに代えて、或いは、これに加えて重複内部当選役を設定し、報知遊技中にその自力正解があった場合に、自力正解指摘演出を行ってもよい。図20はその説明図である。
【0125】
図20(a)に示すように、同図の例では、一般役に「小役9」が追加されている。この「小役9」は、図4に示した小役1:チェリーと小役7:押し順ベル5とが同時に重複して内部当選する役である。ここで、小役1:チェリーはその操作条件が、第1停止操作が左リールであり、小役7:押し順ベル5はその操作条件が、右リール→左リール→中リールの順に停止操作を行うことである。したがって、「小役9」に内部当選すると操作条件が複数種類設定されることになる。また、小役1に入賞した場合には2枚のメダルが払いだされ、小役7に入賞した場合は10枚のメダルが払いだされることから、遊技者に対して設定される特典も、操作条件の種類によって遊技者の有利度が異なっている。
【0126】
このような前提のもと、「小役9」に内部当選すると、小役1の操作条件か、小役7の操作条件のいずれかを報知する。報知は例えば、報知遊技中のように所定の場合に行うことができる。図20(b)ではLCD157に小役1の操作条件を表示して報知している。なお、小役1の操作条件に、中リールと右リールの操作順序は含まれないが、表示形態を押し順ベルと共通にするため、中リールと右リールの順序も表示している。
【0127】
遊技者が報知通りに停止操作を行うと(報知正解)、小役1:チェリーに入賞することになる。遊技者が報知に反して停止操作を行い、小役7:押し順ベル5に入賞すると、自力正解となる。自力正解の場合は、不正行為の蓋然性が高いので、これを異操作正解情報としてRAM408の所定のエリアに記憶しておく。そして、異操作正解情報が記憶されている場合は、その遊技において、或いは、その後の遊技等において、図20(c)に示すように、自力正解指摘演出を行う。同図の例では、LCD157に、報知した操作条件と異なる停止操作を行った点を指摘する表示を行っている。
【0128】
このような演出を行うことで、不正行為者を牽制して不正行為を抑制できる。なお、操作条件を充足するか否かの判定に関する処理等については、図15〜図17で説明した処理と同様に行えばよい。
【0129】
図21は、「小役9」に内部当選したが、小役1の操作条件も小役7の操作条件も、いずれも報知しない例を示している。まず、「小役9」に内部当選したが、図21(a)に示すように、LCD157には通常の演出画面が表示され、「小役9」に内部当選したことは遊技者には分からない。遊技者が、左リールを最初に停止操作すると、小役1:チェリーに入賞し、右リール→左リール→中リールの順に停止操作すると、小役7:押し順ベル5に入賞する。いずれも自力正解であるが、小役7の方が小役1よりも遊技者が得る特典(この場合はメダル)が有利であるため、小役7に自力正解した場合は不正行為が行われている蓋然性が高くなる。よって、このことを示す正解情報をRAM408に記憶しておき、例えば、自力正解数が一定数に達すると、その遊技において、或いは、その後の遊技等において、図21(b)に示すように、自力正解指摘演出を行う。同図の例では、LCD157に有利度が高い役に入賞する頻度が高いことを指摘する表示を行っている。
【0130】
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、挑戦期間中、押し順小役に内部当選した場合に挑戦演出を行ったが、行わなくてもよい。この場合も自力正解した場合はその後の報知遊技中で自力正解指摘演出を行うことで不正行為に対する牽制となるが、挑戦演出を行わない場合、善良な遊技者は順押し(左→中→右)で停止操作を行っている可能性が高い。よって、順押しの停止操作で自力正解して報知遊技の権利が設定された場合は、自力正解指摘演出を行わない。図22はその説明図である。
【0131】
図22(a)に示す例では、挑戦期間の7遊技目で押し順小役に内部当選しているが、挑戦演出はしない。したがって、遊技者は押し順小役に内部当選していることが分からない(不正行為者は分かる)。内部当選した押し順小役に入賞した場合、報知遊技が開始されることになる。
【0132】
報知遊技中、図22(b)又は(c)の演出を行う。図22(b)は自力正解指摘演出であり、LCD157には「自力正解しました」との表示がなされている。図22(c)は通常の演出であり、LCD157には「報知遊技中!」との表示がなされており、自力正解に関する表示はない。図22(c)の演出は、内部当選した押し順小役の操作条件が順押しであった場合(図4の小役3:押し順ベル1)に行われ、図22(b)の演出は、内部当選した押し順小役の操作条件が順押し以外であった場合(図4の小役4〜8:押し順ベル2〜6)に行われる。
【0133】
<第5実施形態>
図8(c)の演出のように、遊技者に対して停止操作順序を問う演出が行われた場合、通常、遊技者は少し考えてから停止操作を行うものと考えられる。一方、不正行為者は、不正機器の情報から停止操作順序を決定しているので、即座に停止操作を行うものと考えられる。よって、内部抽選後、全リール停止までの操作間隔(時間)が短い場合は不正行為が行われている蓋然性がある。
【0134】
図23は操作間隔を基準として、不正行為を判別する例を示している。図23(a)に示すように、役の内部抽選により押し順小役が内部当選し、、遊技者に対して停止操作順序を問う演出を行うと、全リール停止まで操作間隔を監視する。自力正解し、かつ、操作間隔が規定時間よりも短い場合は、不正行為の蓋然性があるので、図23(b)に示すように、これを牽制する演出を行う。図23(b)の例では、LCD157に、「店員を呼んでください」との表示がなされており、不正行為者に対する牽制となる。
【0135】
一方、自力正解しても操作間隔が規定時間よりも長い場合は、不正行為の蓋然性が低いので、図23(c)に示すように通常の演出を行う。
【0136】
図24(a)は、操作間隔を監視する処理の例を示している。同図の操作間隔監視処理は、例えば、図14の制御内容設定処理のS47(その他の処理)に組み込むことが可能である。本実施形態の場合、操作間隔が規定時間よりも短いケースが複数回生じた場合に、不正行為を牽制する演出を行う。
【0137】
S101では、挑戦演出の実行を開始したか否かを判定する。該当する場合はS102へ進み、該当しない場合はS103へ進む。S102では操作間隔タイマを設定して計時を開始する。
【0138】
S103では、操作間隔タイマの設定中か(計時中か)否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS109へ進む。S104では操作条件を充足したか否かの判定を行う。判定は、図16の判定結果を利用してもよいが、これとは別に判定してもよく、例えば、図24(b)に示すようにRAM408に操作条件と実際の停止操作の情報を保存しておき、この情報を参照して判定することができる。
【0139】
S105では、S104の判定結果により、操作条件を充足していた場合はS106へ進み、そうでない場合はS109へ進む。S106では、操作間隔タイマの値を取得すると共に、操作間隔タイマを停止する。S107では、S106で取得した操作間隔タイマの値を所定の閾値と比較する。閾値は例えば図24(c)に示すようにROM406に記憶しておくことができる。閾値未満の場合は、内部抽選後、全リール停止までの操作間隔が短く、不正行為が行われている蓋然性があるものとして、S108でその回数を一つカウントアップする。この不正可能性回数は例えば、図24(d)に示すように、RAM408の所定のエリアを利用したカウンタにより管理する。閾値未満でない場合はS109へ進む。
【0140】
S109では、不正可能性回数が所定の閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、例えば、図24(d)に示すようにROM406に記憶しておくことができる。該当する場合はS110へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S110では報知設定を行う。ここでは、例えば、図23(b)の演出を行うための設定を行う。こうして報知遊技中には、不正行為者を牽制する演出が行われることになる。以上により一単位の処理を終了する。
【0141】
<第6実施形態>
上記第1実施形態では、報知正解と自力正解の場合とで、表示されるメッセージが異なる演出を行ったが、更に、書体や音量等も異なるものとしてもよい。図25(a)は報知正解の場合の演出例、図25(b)は自力正解の場合の演出例を示している。自力正解の場合は報知正解の場合よりも、文字を強調した表示(LCD157)を行い、また、スピーカ272の音量も大きくしている。自力正解したことが周囲に分かり易くなり、不正行為者に対する牽制となる。
【0142】
一方、操作条件の報知の有無により、操作条件を正解できなかった場合にも書体や音量等を異なるものとしてもよい。図25(c)は操作条件が報知されたのに正解できなかった場合、図25(d)は操作条件が報知されず、正解できなかった場合を示している。操作条件が報知されなかった場合は、文字を小さくした表示(LCD157)を行い、また、スピーカ272の音量も小さくしている。善良な遊技者に対する配慮である。
【0143】
<第7実施形態>
ガセの操作条件を含む制御コマンドを主制御部300から第1副制御部400に送信し、ガセの操作条件を充足する停止操作が行われた場合に、不正行為が行われたものと判断してもよい。図26はその説明図である。
【0144】
図26(a)は主制御部300から第1副制御部400へガセの操作条件を含む制御コマンドを送信する例を示している。同図の例では、再遊技に内部当選した場合に、ガセの操作条件を設定している。再遊技は操作条件が設定されない役である(図4)。
【0145】
図26(b)は制御コマンドを受信した第1副制御部400の処理を示している。同図の例では、ガセの操作条件の報知は、スピーカ272による音声及びLCD157による画像のいずれも行わず、通常の演出を行っている。ここで、遊技者の停止操作が左→中→右であれば、ガセの操作条件を充足せず、したがってLCD157の表示は通常の演出となる。一方、遊技者の停止操作が中→右→左であった場合は、ガセの操作条件を充足する。よって、不正行為の蓋然性が高く、非報知時正解情報としてこの事実を記憶し、その遊技或いは次の遊技以降において、所定の演出を行う。同図の例では、「店員を呼んでください。」との表示をLCD157に行い、不正行為者を牽制する演出を行っている。
【0146】
次に、ガセの操作条件を含む制御コマンドを第1副制御部400が受信した場合、第1副制御部400側で別のガセの操作条件を設定し、これを報知してもよい。図27はその説明図である。
【0147】
同図の例では、第1副制御部400は、再遊技に内部当選したこと(真実)、ガセの制御条件(中→右→左)を含む制御コマンドを受信している。第1副制御部400はガセの操作条件を設定し直し、ガセの制御条件を右→中→左とし、これを報知している。報知はスピーカ272からの音声出力と、LCD157の画像表示の双方としている。
【0148】
遊技者の停止操作が報知通りに右→中→左であれば、ガセの操作条件を充足し、したがってLCD157には、「正解です」との表示がなされている。ガセの操作条件の報知通りの停止操作であるので善良な遊技者であると判断できる。
【0149】
一方、遊技者の停止操作が中→右→左であった場合は、第1副制御部400が設定して報知したガセの操作条件に反しているだけでなく、制御コマンドに含まれている主制御部300側が設定したガセの操作条件を充足する。よって、不正行為の蓋然性が極めて高く、非報知時正解情報としてこの事実を記憶し、その遊技或いは次の遊技以降において、所定の演出を行う。同図の例では、「店員を呼んでください。」との表示をLCD157に行い、不正行為者を牽制する演出を行っている。
【0150】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110〜112)と、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ(例えば135)と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(例えばS5)と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチ(例えば137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段(例えばS8)と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段(例えばS9)と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段(例えばS6、図26)と、所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段(例えばS56、S86、図27)と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件を充足するか否かを判定する操作条件判定手段(例えば図16、図27)と、
前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段(例えば408、S70)と、前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段(例えば157、S72、S84、図27)と、を備えたことを特徴とする。
【0151】
この構成によれば、前記所定の演出により不正行為者を牽制し、操作条件に関わる不正行為を抑制できる。
【0152】
2.上記1の遊技台において、前記記憶手段は、前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知している場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す報知時正解情報を記憶し(例えばS71)、前記演出手段は、前記記憶手段に前記報知時正解情報が記憶されている場合に、前記非報知時正解情報が記憶されている場合とは異なる演出を行うこと(例えば図8、図13)を特徴とする。
【0153】
この構成によれば、不正行為者とそうでない遊技者との判別を容易化することができる。
【0154】
3.上記2の遊技台において、前記演出手段は、前記非報知時正解情報又は前記報知時正解情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記操作条件判定手段が判定した遊技の、次遊技以降の遊技において、前記演出を行うこと(図13、S84、図18)を特徴とする。
【0155】
この構成によれば、不正行為者をより強く牽制できる。
【0156】
4.上記3の遊技台において、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段(例えばS73)を備え、前記特典が設定されている場合に、遊技者に有利となる遊技が開始され(例えば、S46)、前記演出手段は、前記遊技者に有利となる遊技中に前記演出を行うこと(例えばS84)を特徴とする。
【0157】
この構成によれば、不正行為者をより強く牽制できる。
【0158】
5.上記1の遊技台において、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段を備え(例えば図20、S9、S10)、前記操作条件設定手段は、複数種類の前記操作条件を設定し(例えば図20)、前記特典は前記操作条件の種類によって遊技者の有利度が異なり(例えば図20)、前記操作条件報知手段は、所定の場合に、前記複数種類の前記操作条件のうちの一つの操作条件を報知し(例えば図20)、前記操作条件判定手段は、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の前記操作条件のいずれかを充足するか否かを判定し(例えば図20)、前記記憶手段は、前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶し(例えば図20)、前記演出手段は、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行うこと(例えば図20)を特徴とする。
【0159】
この構成によれば、前記所定の演出により不正行為者を牽制し、操作条件に関わる不正行為を抑制できる。
【0160】
6.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110〜112)と、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ(例えば135)と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(例えばS5)と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチ(例えば137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段(例えばS8)と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段(例えばS9)と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する複数種類の操作条件を設定する操作条件設定手段(例えば図20)と、所定の場合に、前記複数種類の操作条件のうちの一つの操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段(例えば図20)と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の操作条件のいずれかを充足するか否かを判定する操作条件判定手段(例えば図20)と、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、その種類に応じて遊技者の有利度が異なる特典を設定する特典設定手段(例えば図20、S9、S10)と、前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶する記憶手段(例えば図20、408)と、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段(例えば図20、157)と、を備えたことを特徴とする。
【0161】
この構成によれば、前記所定の演出により不正行為者を牽制し、操作条件に関わる不正行為を抑制できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシン(パチスロ)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンに代表される遊技台において、リールの停止順序等の操作条件を設定し、設定した操作条件を充足する場合に遊技者に特典を付与するものが提案されている(例えば、特許文献1)。具体的には、例えば、特定の役に内部当選した場合に、右→中→左の順にリールが停止されることを操作条件として設定する。遊技者がこの通りに停止操作を行うと、内部当選した役に入賞可能となり、異なる停止操作を行うと入賞不能となる。遊技者は、基本的には、設定された操作条件を知ることができないため、その通りに停止操作を行うことは容易ではない。そこで、特定の遊技状態においては、設定された操作条件を遊技者に報知し、遊技者がより大きな利益を得られる機会を付与している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−119122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作条件が報知されない場合、本来遊技者は操作条件を知ることができない。しかし、不正機器を遊技台に取り付けて操作条件を示す内部データを取得し、その操作条件通りに操作することで、設計上想定されている利益以上の利益を獲得する不正行為者が存在する。
【0005】
本発明の目的は、操作条件に関わる不正行為を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段と、所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件を充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する複数種類の操作条件を設定する操作条件設定手段と、所定の場合に、前記複数種類の操作条件のうちの一つの操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の操作条件のいずれかを充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、その種類に応じて遊技者の有利度が異なる特典を設定する特典設定手段と、前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、を備えたことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作条件に関わる不正行為を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図。
【図2】スロットマシン100の制御部の回路ブロック図。
【図3】各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図。
【図4】スロットマシン100の役の種類の説明図。
【図5】主制御部メイン処理の流れを示すフローチャート。
【図6】(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャート、(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャート、(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャート。
【図7】(a)及び(b)は挑戦期間の説明図。
【図8】(a)乃至(c)は挑戦演出の説明図。
【図9】報知遊技の説明図。
【図10】(a)及び(b)は制御コマンドの例を示す図。
【図11】(a)及び(b)は制御コマンドの例を示す図。
【図12】不正機器の説明図。
【図13】(a)及び(b)は報知遊技中の演出例を示す図。
【図14】S25の制御内容設定処理のフローチャート。
【図15】S42の挑戦期間処理のフローチャート。
【図16】S58の操作条件判定処理のフローチャート。
【図17】S46の報知遊技処理のフローチャート。
【図18】自力正解を指摘する別の演出例の説明図。
【図19】(a)は自力正解数の記憶例を示す図、(b)は判定閾値の記憶例を示す図。
【図20】(a)は複数役が同時に内部当選する小役9の説明図、(b)及び(c)は小役9の内部当選時の演出例を示す図。
【図21】(a)及び(b)は小役9の内部当選時の他の演出例を示す図。
【図22】(a)乃至(c)は挑戦演出を行わない例の説明図。
【図23】(a)乃至(c)は操作間隔を監視する例の説明図。
【図24】(a)乃至(e)は操作間隔を監視する例の説明図。
【図25】(a)乃至(d)は操作条件の報知の有無で演出内容を異ならせる例の説明図。
【図26】(a)乃至(c)は主制御部300からガセの操作条件を送信する例の説明図。
【図27】(a)乃至(c)はガセの操作条件を報知する例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
<全体構成>
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)、その回転軸方向に並べて収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。
【0011】
本実施形態において、各図柄はリール帯に等間隔で適当数印刷され、このリール帯が所定の環状体に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0012】
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図1において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示せず)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0013】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
【0014】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0015】
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0016】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。メダル投入口141に投入されたメダルは、スロットマシン100の内部に設けられたメダルセレクタを通過し、正規メダルの選別がなされると共に、メダルの通過が検出される。
【0017】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
【0018】
スタートレバー135は、遊技者の開始操作を受け付け、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチを構成する。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。
【0019】
停止ボタンユニット136には、遊技者の停止操作を受け付ける停止ボタン137乃至139が設けられている。停止ボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチを構成し、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各停止ボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、停止ボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0020】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0021】
停止ボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0022】
音孔180はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
【0023】
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な可動体である2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bを有してこれらを動作させる動作装置であるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された画像表示装置157を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと画像表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
【0024】
画像表示装置157は、演出画像の表示のほか、スロットマシン100で異常(エラー)が生じた場合に、これを報知する画像を表示する報知装置としても機能する。なお、このような報知装置は画像表示以外にも、音の出力装置を採用でき、或いは、画像表示と音の出力とを併用してもよい。
【0025】
本実施形態の場合、画像表示装置157は液晶表示装置(LCD)であるが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
【0026】
また、本実施形態では、可動体として右シャッタ163a、左シャッタ163bを採用したが、これに限られず、人形体等、各種の可動体及びその動作装置を採用可能である。
【0027】
<制御部>
図2は、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンドを受信し、コマンドに応じた処理を実行する副制御部(第1副制御部400、第2副制御部500)と、によって構成されている。本実施形態の場合、副制御部は、主制御部300からコマンドを受信して演出の制御に関わる処理を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
【0028】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、各種の設定の情報等、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。
【0029】
この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314が出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。WDT313はウォッチドッグタイマである。
【0030】
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0031】
また、主制御部300には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(スタートレバー135センサ、ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダルセレクタのメダル検出センサ、停止ボタン137センサ、停止ボタン138センサ、停止ボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110〜112の各インデックスセンサ等)の状態を監視している。CPU304は各センサの状態をI/O310の所定のポートから取得可能である。
【0032】
なお、スタートレバー135に対する開始操作を受け付け可能な状態で開始操作を検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0033】
スタートレバー135センサは、遊技者による開始操作を検出する。停止ボタン137センサ、停止ボタン138センサ、および、停止ボタン139は、各々の停止ボタン137乃至139に設置されており、遊技者による停止ボタンの操作を検出する。
【0034】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0035】
リール110〜116のインデックスセンサは、例えば、リールに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
【0036】
主制御部300は、リール110乃至112を備えたステッピングモータ15を駆動する駆動回路322を設けており、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ336に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324を設けており、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326を設けており、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を設けている。
【0037】
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0038】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0039】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、各種の設定の情報等、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作し、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406が設けている。
【0040】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0041】
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0042】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)を設けている。
【0043】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、画像表示装置157やシャッタ163の制御を行う。こうして遊技の進行に合わせて演出が実行される。
【0044】
<図柄配列>
図3を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
【0045】
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「ブランク1」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「セブン1」の図柄、がそれぞれ配置されている。
【0046】
<役の種類>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の役の種類について説明する。なお、同図は役(作動役を含む)の種類、各役に対応する図柄組合せ、各役の作動または払出を示している。
【0047】
本実施形態における役のうち、ビッグボーナス(BB)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技の成立が含まれる。
【0048】
スロットマシン100の役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、押し順ベル1〜6)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
【0049】
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「セブン1−セブン1−セブン1」である。BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、BBに対応する図柄組み合わせが、揃って入賞する状態にある。
【0050】
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ブランク2−ベル−ベル」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
【0051】
「小役(チェリー、スイカ、押し順ベル1〜6)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、押し順ベル1〜6は、「リプレイ」と、「ベル」との組み合わせになっている。対応する払出枚数は同図に示す通りである。「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
【0052】
特定の役については停止ボタン137乃至139に対する操作条件が設定される。本実施形態では、図4の「備考」欄に示すように、チェリーと、押し順ベル1〜6に操作条件が設定される。チェリーについては、第1停止操作が左リール110であることが操作条件となる。押し順ベル1〜6については、第1乃至第3停止操作の順序が操作条件となる。例えば、押し順ベル1の場合、左リール110、中リール111、右リール112の順に停止操作を行う必要があり、停止ボタン137乃至139の操作順序で言えば、停止ボタン137→停止ボタン138→停止ボタン139となる。
【0053】
本実施形態の場合、操作条件を、第1停止操作(チェリー)、或いは、第1乃至第3停止操作の順序(押し順ベル1〜6)としているが、操作条件はこれに限られず、遊技者の停止操作を区別可能な条件であれば何でもよい。例えば、停止操作のタイミング(回転中のリールに対して、停止操作がなされたときのリールの回転角度)を条件としてもよい。
【0054】
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
【0055】
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。本実施例では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、に大別するような区分けであってもよい。
【0056】
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、押し順ベル1〜6)がある。「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される役である。
【0057】
なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
【0058】
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。
【0059】
但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
【0060】
本実施形態の場合、通常遊技中の所定の場合に、押し順ベル1〜6の操作条件を遊技者に報知する報知遊技を行う。本実施形態の場合、BB遊技終了後の所定遊技数の間(挑戦期間)に、遊技者が報知遊技の権利を獲得した場合に報知遊技を行う。詳細は後述する。
【0061】
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施例では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を連続して繰り返し実行可能とすることなく、RB遊技を開始する役を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
【0062】
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施例では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば8回)の入賞があった場合に終了する。BB遊技は、予め定めた回数の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。
【0063】
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
【0064】
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。
【0065】
<主制御部メイン処理>
図5を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図5に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0066】
電源投入が行われると、まず、S1で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。
【0067】
S2ではメダル投入・開始操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればS3へ進む。
【0068】
S3では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。S4では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。S5では抽選処理を行う。ここでは役の内部当選の当否を抽選する内部抽選を少なくとも行う。また、演出に関わる抽選(例えば、複数種類の中から演出内容を選択する抽選)を行ってもよい。
【0069】
役の内部抽選は、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている役抽選テーブルを読み出し、これとS4で取得した乱数値とを用いて抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの役に内部当選した場合、その役の内部当選フラグをONにする。S6では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。チェリーや押し順ベル1〜6に対応したリール停止データについては、その操作条件も設定されており、これらに対応するリール停止データが選択されると、その操作条件も設定されたことになる。こうして特定の役に内部当選した場合に操作条件が設定されることになる。操作条件に反する停止操作がなされた場合は、対応図柄組み合わせが表示されないように制御されることになる。
【0070】
S7では全リール110乃至112の回転を開始させるリール制御を行う。S8では、停止ボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかの停止ボタンが押されると、押された停止ボタンに対応するリール110乃至112の何れかをS6で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。つまり、リールの停止制御は、S5の役の内部抽選の結果と、停止操作のタイミングとに基づいたものとなる。リールの停止制御は、基本的には、内部当選した役がある場合は、その役に対応する図柄組み合わせが表示されることは許容し、ハズレ等の場合はいずれの役に対応する図柄組み合わせも表示されないように、いわゆる引き込み・蹴飛ばしといったリールの停止制御を行う。
【0071】
全リール110乃至112が停止するとS9へ進む。S9では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの役に対応する図柄組合せが表示された場合にその役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。また、フラグ持ち越しの場合を除き、内部当選フラグをリセットする。
【0072】
S10では払い出しのある何らかの役に入賞していれば、その役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。S11では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。こうして本実施形態では、停止表示された図柄の組み合わせに基づいて遊技者に特典を付与している。以上により1ゲームが終了する。以降S2へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
【0073】
<第1副制御部400の処理>
図6を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図6(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。図6(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図6(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
【0074】
まず、図6(a)のS21では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずS11で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。S22では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、S23の処理に移行する。
【0075】
S23では、タイマ変数に0を代入する。S24では、コマンド処理を行う。コマンド処理では第1副制御部400のCPU404は、主制御部300から受信した未処理コマンドを1つ取り出し解析する。
【0076】
S25では制御内容設定処理を行う。ここでは、S24のコマンド処理の解析結果にしたがって、主に演出に関わる設定処理を行い、これらから実行する演出の内容を選択したり、演出データをROM406から読み出す等の処理を行う。演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
【0077】
S26乃至S27では、S25の設定内容に従う各デバイスの処理を行う。S26では、S25の設定結果に基づいた音制御処理を行う。例えば、S25で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。S27では、S25の設定結果に基づいたランプ制御処理を行う。例えば、S25で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。S28では、S25の設定結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、S25で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。これにより、画像表示装置157の表示内容が変更されたり、シャッタ163の動作が変更される。その後、S21へ戻る。
【0078】
次に、図6(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のS31では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。上述したS24ではこのコマンド記憶領域から古いものから順に未処理コマンドを取り出すことになる。
【0079】
次に、図6(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
【0080】
S32では、図6(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるS22において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、S22において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。S33では、S28で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
【0081】
<挑戦期間及び報知遊技>
次に、上述した挑戦期間及び報知遊技について説明する。図7(a)及び(b)は挑戦期間の説明図である。図7(a)に示すように本実施形態では、BB遊技終了後の通常遊技中の所定遊技数(ここでは10遊技)の間を挑戦期間と称する状態としている。この挑戦期間中に、押し順小役1〜6のいずれかに入賞すると、遊技者に対する特典として、報知遊技の権利を設定する。なお、遊技者に対する特典は、報知内容に従った遊技操作を行った場合に、報知内容に従った遊技操作を行わない場合に比して多くの遊技媒体の払出しが得られる報知遊技の権利以外でもよく、例えば、遊技者に対する特典は、BB当選確率が上昇する遊技の権利のように、遊技操作に係らず多くの遊技媒体の払出しが得られる遊技の権利でもよく、例えば、遊技者に対する特典は、通常遊技には実行されない演出が実行される遊技または通常遊技には実行頻度の低い演出の実行頻度が上昇する遊技にように、レア演出の実行頻度が上昇する遊技の権利でもよい。つまり、遊技媒体の払出しが増加する実質的利益となる特典と、所望の演出が実行されるまでに費やす費用等を低減させることで間接的利益となる特典、とが含まれる。
【0082】
挑戦期間中に押し順小役1〜6に内部当選すると、図7(b)に示すように挑戦演出を行う。図7(b)の例では挑戦期間開始から7遊技目に押し順小役に内部当選しており、この遊技において挑戦演出を行う。挑戦演出では、内部当選した押し順小役の操作条件を報知する場合と、報知しない場合がある。
【0083】
図8(a)乃至(c)は挑戦演出の説明図である。挑戦演出は副制御部(400、500)が行う。図8(a)に示すように、主制御部300が役の内部抽選(S5)を行うと、その結果が制御コマンドとして第1副制御部400に送信される。第1副制御部400は制御コマンドを解析して操作条件を特定する。
【0084】
図8(b)は操作条件を報知する場合の挑戦演出例を示しており、LCD157にはリール110〜112の停止操作順序(中→右→左)が報知されている。遊技者が報知された通りに停止操作を行うと、操作条件を充足したことになり、LCD157にはこのことを示す表示(正解しました!)がなされる。また、内部当選した押し順小役に入賞し、報知遊技の権利が設定される。遊技者が報知された通りに停止操作を行わなかった場合、操作条件を充足しなかったことになり、LCD157にはこのことを示す表示(ハズシました!)がなされる。
【0085】
図8(c)は操作条件を報知しない場合の挑戦演出例を示しており、LCD157にはリール110〜112の停止操作順序を遊技者に問う演出がなされるだけで、操作条件は報知されていない。遊技者は、自身の勘で停止操作を行う。操作条件を充足した場合には、LCD157にはこのことを示す表示(自力正解しました!)がなされる。また、内部当選した押し順小役に入賞し、報知遊技の権利が設定される。操作条件を充足しなかった場合、LCD157にはこのことを示す表示(残念!)がなされる。
【0086】
以下、図8(b)の例のように、操作条件が報知されて操作条件が充足された場合を報知正解といい、図8(c)の例のように、操作条件が報知されないが操作条件が充足された場合を自力正解という。図8(b)及び(c)の例では、報知正解の場合と自力正解の場合とで、LCD157の表示内容を変え、自力正解の場合はこれを強調した演出内容としている。これは、勘を働かせて成功した遊技者を盛り上げる意味だけではなく、後述するように不正行為を抑制する意味もある。
【0087】
次に、図9は報知遊技の説明図である。本実施形態の場合、挑戦期間中に押し順小役に入賞すると、次遊技から所定遊技数(ここでは30遊技)の間、報知遊技を行う。報知遊技中、押し順小役に内部当選すると、内部当選した押し順小役の操作条件が報知される。したがって、遊技者に有利となる。
【0088】
この報知は副制御部(400、500)により行う。図9の例では、報知遊技開始から2遊技目、4遊技目、28遊技目において、それぞれ押し順ベル1、2、5に内部当選しており、それぞれの操作条件がLCD157に表示されて報知されている。遊技者は報知にしたがって停止操作を行うことで、各押し順小役の入賞を得られる。操作条件の報知は、押し順小役に内部当選した場合に100%行ってもよいが、高確率で行えば100%でなくてもよい。操作条件の報知が無い場合は、遊技者は自力で入賞を狙うことになる。
【0089】
<制御コマンド>
挑戦期間中及び報知遊技中において、副制御部(400、500)が操作条件を報知するためには、主制御部300が設定した操作条件を副制御部(400、500)が認識する必要がある。また、遊技者の停止操作を副制御部(400、500)が認識して操作条件に該当するかを判定する必要もある。本実施形態では、主制御部300から第1副制御部400へ送信する制御コマンドに操作条件や停止操作の内容を特定する情報を含ませることで、これらを実現する。
【0090】
図10(a)は、主制御部300から内部抽選(S5)の結果を第1副制御部400に制御コマンドとして送信した例を示している。操作条件の内容は役と対応しているので(図4)、第1副制御部400は役と操作条件との関係を示す情報を事前に記憶(例えばROM306に記憶)しておくことで、設定された操作条件を認識できる。
【0091】
図11(a)及び(b)は、第1副制御部400が、設定された操作条件を認識するための制御コマンドの別例を示している。図11(a)は内部抽選(S5)の結果に、操作条件を付加した内容となっている。この構成の場合、第1副制御部400は役と操作条件との関係を示す情報を事前に記憶しておく必要はない。図11(b)は内部抽選(S5)の結果に、選択された停止データ(S6)の種類を付加した内容となっている。この構成の場合、第1副制御部400は停止データの種類と操作条件との関係を示す情報を事前に記憶しておく。
【0092】
図10(b)は、主制御部300から第1〜第3停止操作の結果(停止制御結果:S8)を第1副制御部400に制御コマンドとして送信した例を示している。制御コマンドには、停止操作の対象リールとその停止位置が示されており、第1副制御部400は第1乃至第3停止操作を認識できる。
【0093】
<不正行為の例>
主制御部300が設定した操作条件を遊技者が知ることができれば、操作条件の報知が無くても100%自力正解することができる。そこで不正機器を用いて主制御部300が設定した操作条件を取得する不正行為が存在する。図12は不正機器の一例を示す説明図である。
【0094】
同図の不正機器は、主制御部300と第1副制御部400との間の通信線に接続された電子回路と、電子回路により点灯制御されるランプと、を備えている。電子回路は、主制御部300から副制御部400へ送信される制御コマンドを解析する機能と、解析結果に基づいてランプを点灯制御する機能を有する。そして、例えば、図10(a)に示したように、主制御部300から内部抽選(S5)の結果を示す制御コマンドが第1副制御部400に送信されると、電子回路において操作条件を特定し、特定した操作条件に対応した点灯パターンでランプを点滅させる。このランプの点灯パターンから不正行為者は操作条件を認識することが可能となる。
【0095】
<不正行為の抑制>
上記の不正行為がなされている場合、自力正解率が極めて高くなる。よって、自力正解率が高ければ不正行為がなされている蓋然性が高いが、不正行為を行わずに正当に自力正解を得ている遊技者に対する配慮が必要である。
【0096】
そこで、本実施形態では、自力正解した場合には、その旨を指摘する演出を行うこととした。例えば、図8(c)のLCD157の表示例がその一例である。図8(b)に示す報知正解の場合と表示が異なる演出内容とすることで、自力正解したことが分かり易くなっている。このような演出とすることで、不正行為を行わずに正当に自力正解を得ている遊技者に対しては称賛となり、不正行為者に対しては牽制となる。つまり、自力正解を指摘する演出頻度が高いと不正行為の蓋然性が高くなることから、不正行為者に対して不正行為の発覚を予感させ、また、ホールの従業員が監視を行い易くなる。
【0097】
また、本実施形態では、自力正解した場合は、次遊技以降の遊技において、自力正解したことを指摘する演出を行う。ここでは、報知遊技中に、自力正解により報知遊技の権利を得たことを指摘する演出を行う。図13(a)はその演出例を示す。同図の例ではLCD157に「(自力正解で開始)」との表示がなされており、報知遊技中、この表示が継続する。このような演出(表示)を行うことで、不正行為者に対しては牽制となり、ホールの従業員による監視も容易化する。図13(b)は報知正解により報知遊技の権利を得た場合の、報知遊技中の演出内容を示し、図13(a)の場合とは異なり、LCD157には、「報知遊技中!」との表示のみがなされている。よって、自力正解の場合と報知正解の場合とで、報知遊技の権利を得た条件を区別できる。
【0098】
<副制御部の制御例>
次に、図14を参照して、上記の挑戦期間、報知遊技に関する第1副制御部400のCPU404の処理例について説明する。図14はS25(図6(a))のS25の制御内容設定処理の例を示すフローチャートである。
【0099】
S41では、現在の遊技が挑戦期間中か否かを判定する。この判定は、例えば、RAM408に挑戦期間中か否かを示すフラグを用意することで行える。挑戦期間中の場合はS42へ進み、そうでない場合はS43へ進む。S42では挑戦期間処理を行う。詳細は後述する。S43では、今回の遊技がBB遊技の終了時の遊技か否かを判定する。この判定は主制御部300からの制御コマンドに基づき行うことができる。該当する場合はS44へ進み、次遊技から挑戦期間を開始する設定を行う。該当しない場合はS45へ進む。
【0100】
S45では報知遊技中か否かを判定する。この判定は、例えば、RAM408に報知遊技中か否かを示すフラグを用意することで行える。該当する場合はS46へ進む。S46では報知遊技処理を行う。詳細は後述する。該当しない場合はS47へ進み、その他の処理を行う。以上により一単位の処理が終了する。
【0101】
<挑戦期間処理>
図15はS42の挑戦期間処理を示すフローチャートである。S51では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技で押し順小役1〜6のいずれかに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS57へ進む。
【0102】
S52では内部当選した押し順小役1〜6の種類に対応した操作条件を特定してRAM408の特定のエリアに記憶する。S53では停止操作の監視を開始する。ここでの処理としては、例えば、RAM408に監視中であることを示すフラグをONにする。S54では、操作条件を報知するか否かの抽選を行い、当選したかどうかを判定する。当選した場合はS56へ進み、当選しなかった場合はS55へ進む。
【0103】
S55では挑戦演出を実行するための設定を行う。ここでは、操作条件の報知はないので、例えば、図8(c)に示した演出内容となる。S56では挑戦演出を実行するための設定を行う。ここでは、操作条件の報知を行うので、例えば、図8(b)に示した演出内容となる。
【0104】
S57では、停止操作監視中か否かを判定する。該当する場合はS58へ進み、該当しない場合はS59へ進む。S58では操作条件判定処理を行う。詳細は後述する。S59では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技が終了か否かを判定する。該当する場合はS60へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。
【0105】
S60では挑戦期間の遊技数を1つカウントアップする。S61では、挑戦期間の遊技数が規定数(ここでは10回)に達したかいなかにより挑戦期間終了かどうかを判定する。規定数に達した場合はS62へ進んで挑戦期間終了の処理を行う。規定数に達していない場合は一単位の処理を終了する。
【0106】
<操作条件判定処理>
図16はS58の操作条件判定処理を示すフローチャートである。S61では主制御部300からのコマンドに基づき、第1停止操作により1つ目のリールが停止したか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合はS63へ進む。S62では停止したリールが左、中、右のどれであるかを第1停止リールとしてRAM408の所定のエリアに記憶する。
【0107】
S63では主制御部300からのコマンドに基づき、第2停止操作により2つ目のリールが停止したか否かを判定する。該当する場合はS64へ進み、該当しない場合はS65へ進む。S64では停止したリールが左、中、右のどれであるかを第2停止リールとしてRAM408の所定のエリアに記憶する。
【0108】
S65では主制御部300からのコマンドに基づき、第3停止操作により3つ目のリールが停止したか否かを判定する。該当する場合はS66へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S66では停止したリールが左、中、右のどれであるかを第3停止リールRAM408の所定のエリアに記憶する。
【0109】
S67では停止操作の監視を終了する。S68では、S62、S64、S66で記憶した停止リールの情報と、S52で記憶した操作条件とを比較し、遊技者の停止操作が操作条件を充足しているか否かを判定する。充足している場合はS69へ進み、充足していない場合はS73へ進む。S73では、例えば、図8(b)、図8(c)に例示したような、停止操作に失敗した演出がなされる。
【0110】
S69では、今回の挑戦演出において、操作条件を報知したか否かを判定する。報知していた場合はS71へ進み、報知していない場合はS70へ進む。S70では自力正解であることを示す非報知時正解情報をRAM408の所定のエリアに記憶する。S71では報知正解であることを示す報知時正解情報をRAM408の所定のエリアに記憶する。報知時正解情報、非報知時正解情報は報知遊技終了時にクリアするか、或いは、過去の履歴として残してもよい。
【0111】
S72では、挑戦に成功した(停止操作が操作条件を充足した)ことを示す演出を行う。このとき、S70又はS71で記憶した非報知時正解情報又は報知時正解情報が記憶されているかによって、異なる演出内容としてもよく、例えば、報知時正解情報が記憶されている場合は図8(b)の内容とし、非報知時正解情報が記憶されている場合は図8(c)の内容とすることができる。S73では次遊技から報知遊技を開始するための設定を行う。その後、一単位の処理が終了する。
【0112】
<報知遊技処理>
図17はS46の報知遊技処理を示すフローチャートである。同図の例では押し順小役に内部当選すると100%、その操作条件を報知する例となっている。
【0113】
S81では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、1回の遊技の開始時(例えば開始操作時)か否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS85へ進む。S82では、非報知時正解情報と報知時正解情報とのいずれが記憶されているかを判定する。要するに、報知遊技の権利を得た理由が、自力正解か報知正解かの判定を行う。
【0114】
報知時正解情報が記憶されている場合はS83へ進み、通常演出を行う。非報知時正解情報が記憶されている場合はS84へ進み、自力正解指摘演出を行う。自力正解指摘演出は例えば図13(a)に示したように自力正解であることを指摘する演出である。この自力正解指摘演出が毎遊技行われることで、不正行為者を強く牽制できる。通常演出は、自力正解指摘演出と異なる演出内容となっており例えば図13(b)に示すように単に報知遊技中であることが示される。
【0115】
S85では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技で押し順小役1〜6のいずれかに内部当選したか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS87へ進む。S86では操作条件報知演出を行う。ここでは図9に示したように操作条件を報知する演出を行う。
【0116】
S87では、主制御部300からの制御コマンドに基づき、今回の遊技が終了か否かを判定する。該当する場合はS88へ進み、該当しない場合はS91へ進む。S88では報知遊技の遊技数を1つカウントアップする。S89では、報知遊技の遊技数が規定数(ここでは30回)に達したかいなかにより報知遊技終了かどうかを判定する。規定数に達した場合はS90へ進んで報知遊技終了の処理を行う。規定数に達していない場合はS91へ進む。S91ではその他の処理を行い、その後、一単位の処理を終了する。
【0117】
以下、他の実施形態について説明するが、各実施形態は適宜組み合わせ可能である。
【0118】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、挑戦期間中の自力正解により報知遊技の権利を獲得した場合、その後の報知遊技において必ず自力正解指摘演出を行ったが、挑戦期間中の自力正解が複数回連続した場合に、その後の報知遊技において自力正解指摘演出を行ってもよい。また、報知遊技の終了後に自力正解指摘演出を行ってもよい。図18はこのような演出例の説明図である。
【0119】
同図では、自力正解1回目と2回目では、報知遊技中の自力正解指摘演出は行わず、3回目以降で行っている。このように自力正解が複数回連続した場合に、その後の報知遊技において自力正解指摘演出を行うことで、不正行為者とそうでない遊技者との判別を容易化することができる。
【0120】
また、図18の例では、自力正解5回目の報知遊技終了後の通常遊技中においても、自力正解指摘演出を行っている。この場合は、例えば、「自力正解率が高いです」等の表示を行う。自力正解率が極めて高い場合(例えば90%以上)には不正行為者の蓋然性が高いので、報知遊技後においても自力正解指摘演出を行うことで、強く牽制できる。
【0121】
また、図18の例では、閉店後において自立正解指摘報知を行っている。この場合も、例えば、「自力正解率が高いです」等の表示を行う。遊技者の退店後に自立正解指摘報知を行うことで、善良な遊技者の気分を害することなく、不正行為の有無の検証を行うことができる。
【0122】
図18の例のように、自力正解の連続回数をカウントする場合は、例えば、図19(a)に示すように、RAM408の所定のエリアに、自力正解、不正回の履歴を保存しておけばよい。なお、上記第1実施形態の場合、報知遊技の権利は報知正解の場合も設定されるが、報知正解の場合は、履歴の対象外とすればよい。また、自力正解の連続回数が所定数を超えたか否かを判別するための閾値は、例えば、図19(b)に示すようにROM406に記憶しておくことができる。
【0123】
<第3実施形態>
上記各実施形態では、挑戦期間中の自力正解を自力正解指摘演出の対象としたが、これに代えて、或いは、これに加えて報知遊技中に操作条件を報知しない遊技(以下、報知遊技中非報知遊技という。)を設定し、そのときに自力正解があった場合に、自力正解指摘演出を行ってもよい。この場合は、例えば、「自力正解しました」等の表示を行う。報知遊技中非報知遊技においては、例えば、図8(c)に示した挑戦演出と同様に、遊技者に停止操作順序を問う演出をしてもよいし、このような演出は行わず、押し順小役に内部当選したことが遊技者に分からないようにしてもよい。
【0124】
また、上記各実施形態のように挑戦期間中の自力正解を自力正解指摘演出の対象とすることに代えて、或いは、これに加えて重複内部当選役を設定し、報知遊技中にその自力正解があった場合に、自力正解指摘演出を行ってもよい。図20はその説明図である。
【0125】
図20(a)に示すように、同図の例では、一般役に「小役9」が追加されている。この「小役9」は、図4に示した小役1:チェリーと小役7:押し順ベル5とが同時に重複して内部当選する役である。ここで、小役1:チェリーはその操作条件が、第1停止操作が左リールであり、小役7:押し順ベル5はその操作条件が、右リール→左リール→中リールの順に停止操作を行うことである。したがって、「小役9」に内部当選すると操作条件が複数種類設定されることになる。また、小役1に入賞した場合には2枚のメダルが払いだされ、小役7に入賞した場合は10枚のメダルが払いだされることから、遊技者に対して設定される特典も、操作条件の種類によって遊技者の有利度が異なっている。
【0126】
このような前提のもと、「小役9」に内部当選すると、小役1の操作条件か、小役7の操作条件のいずれかを報知する。報知は例えば、報知遊技中のように所定の場合に行うことができる。図20(b)ではLCD157に小役1の操作条件を表示して報知している。なお、小役1の操作条件に、中リールと右リールの操作順序は含まれないが、表示形態を押し順ベルと共通にするため、中リールと右リールの順序も表示している。
【0127】
遊技者が報知通りに停止操作を行うと(報知正解)、小役1:チェリーに入賞することになる。遊技者が報知に反して停止操作を行い、小役7:押し順ベル5に入賞すると、自力正解となる。自力正解の場合は、不正行為の蓋然性が高いので、これを異操作正解情報としてRAM408の所定のエリアに記憶しておく。そして、異操作正解情報が記憶されている場合は、その遊技において、或いは、その後の遊技等において、図20(c)に示すように、自力正解指摘演出を行う。同図の例では、LCD157に、報知した操作条件と異なる停止操作を行った点を指摘する表示を行っている。
【0128】
このような演出を行うことで、不正行為者を牽制して不正行為を抑制できる。なお、操作条件を充足するか否かの判定に関する処理等については、図15〜図17で説明した処理と同様に行えばよい。
【0129】
図21は、「小役9」に内部当選したが、小役1の操作条件も小役7の操作条件も、いずれも報知しない例を示している。まず、「小役9」に内部当選したが、図21(a)に示すように、LCD157には通常の演出画面が表示され、「小役9」に内部当選したことは遊技者には分からない。遊技者が、左リールを最初に停止操作すると、小役1:チェリーに入賞し、右リール→左リール→中リールの順に停止操作すると、小役7:押し順ベル5に入賞する。いずれも自力正解であるが、小役7の方が小役1よりも遊技者が得る特典(この場合はメダル)が有利であるため、小役7に自力正解した場合は不正行為が行われている蓋然性が高くなる。よって、このことを示す正解情報をRAM408に記憶しておき、例えば、自力正解数が一定数に達すると、その遊技において、或いは、その後の遊技等において、図21(b)に示すように、自力正解指摘演出を行う。同図の例では、LCD157に有利度が高い役に入賞する頻度が高いことを指摘する表示を行っている。
【0130】
<第4実施形態>
上記第1実施形態では、挑戦期間中、押し順小役に内部当選した場合に挑戦演出を行ったが、行わなくてもよい。この場合も自力正解した場合はその後の報知遊技中で自力正解指摘演出を行うことで不正行為に対する牽制となるが、挑戦演出を行わない場合、善良な遊技者は順押し(左→中→右)で停止操作を行っている可能性が高い。よって、順押しの停止操作で自力正解して報知遊技の権利が設定された場合は、自力正解指摘演出を行わない。図22はその説明図である。
【0131】
図22(a)に示す例では、挑戦期間の7遊技目で押し順小役に内部当選しているが、挑戦演出はしない。したがって、遊技者は押し順小役に内部当選していることが分からない(不正行為者は分かる)。内部当選した押し順小役に入賞した場合、報知遊技が開始されることになる。
【0132】
報知遊技中、図22(b)又は(c)の演出を行う。図22(b)は自力正解指摘演出であり、LCD157には「自力正解しました」との表示がなされている。図22(c)は通常の演出であり、LCD157には「報知遊技中!」との表示がなされており、自力正解に関する表示はない。図22(c)の演出は、内部当選した押し順小役の操作条件が順押しであった場合(図4の小役3:押し順ベル1)に行われ、図22(b)の演出は、内部当選した押し順小役の操作条件が順押し以外であった場合(図4の小役4〜8:押し順ベル2〜6)に行われる。
【0133】
<第5実施形態>
図8(c)の演出のように、遊技者に対して停止操作順序を問う演出が行われた場合、通常、遊技者は少し考えてから停止操作を行うものと考えられる。一方、不正行為者は、不正機器の情報から停止操作順序を決定しているので、即座に停止操作を行うものと考えられる。よって、内部抽選後、全リール停止までの操作間隔(時間)が短い場合は不正行為が行われている蓋然性がある。
【0134】
図23は操作間隔を基準として、不正行為を判別する例を示している。図23(a)に示すように、役の内部抽選により押し順小役が内部当選し、、遊技者に対して停止操作順序を問う演出を行うと、全リール停止まで操作間隔を監視する。自力正解し、かつ、操作間隔が規定時間よりも短い場合は、不正行為の蓋然性があるので、図23(b)に示すように、これを牽制する演出を行う。図23(b)の例では、LCD157に、「店員を呼んでください」との表示がなされており、不正行為者に対する牽制となる。
【0135】
一方、自力正解しても操作間隔が規定時間よりも長い場合は、不正行為の蓋然性が低いので、図23(c)に示すように通常の演出を行う。
【0136】
図24(a)は、操作間隔を監視する処理の例を示している。同図の操作間隔監視処理は、例えば、図14の制御内容設定処理のS47(その他の処理)に組み込むことが可能である。本実施形態の場合、操作間隔が規定時間よりも短いケースが複数回生じた場合に、不正行為を牽制する演出を行う。
【0137】
S101では、挑戦演出の実行を開始したか否かを判定する。該当する場合はS102へ進み、該当しない場合はS103へ進む。S102では操作間隔タイマを設定して計時を開始する。
【0138】
S103では、操作間隔タイマの設定中か(計時中か)否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS109へ進む。S104では操作条件を充足したか否かの判定を行う。判定は、図16の判定結果を利用してもよいが、これとは別に判定してもよく、例えば、図24(b)に示すようにRAM408に操作条件と実際の停止操作の情報を保存しておき、この情報を参照して判定することができる。
【0139】
S105では、S104の判定結果により、操作条件を充足していた場合はS106へ進み、そうでない場合はS109へ進む。S106では、操作間隔タイマの値を取得すると共に、操作間隔タイマを停止する。S107では、S106で取得した操作間隔タイマの値を所定の閾値と比較する。閾値は例えば図24(c)に示すようにROM406に記憶しておくことができる。閾値未満の場合は、内部抽選後、全リール停止までの操作間隔が短く、不正行為が行われている蓋然性があるものとして、S108でその回数を一つカウントアップする。この不正可能性回数は例えば、図24(d)に示すように、RAM408の所定のエリアを利用したカウンタにより管理する。閾値未満でない場合はS109へ進む。
【0140】
S109では、不正可能性回数が所定の閾値を超えたか否かを判定する。閾値は、例えば、図24(d)に示すようにROM406に記憶しておくことができる。該当する場合はS110へ進み、該当しない場合は一単位の処理を終了する。S110では報知設定を行う。ここでは、例えば、図23(b)の演出を行うための設定を行う。こうして報知遊技中には、不正行為者を牽制する演出が行われることになる。以上により一単位の処理を終了する。
【0141】
<第6実施形態>
上記第1実施形態では、報知正解と自力正解の場合とで、表示されるメッセージが異なる演出を行ったが、更に、書体や音量等も異なるものとしてもよい。図25(a)は報知正解の場合の演出例、図25(b)は自力正解の場合の演出例を示している。自力正解の場合は報知正解の場合よりも、文字を強調した表示(LCD157)を行い、また、スピーカ272の音量も大きくしている。自力正解したことが周囲に分かり易くなり、不正行為者に対する牽制となる。
【0142】
一方、操作条件の報知の有無により、操作条件を正解できなかった場合にも書体や音量等を異なるものとしてもよい。図25(c)は操作条件が報知されたのに正解できなかった場合、図25(d)は操作条件が報知されず、正解できなかった場合を示している。操作条件が報知されなかった場合は、文字を小さくした表示(LCD157)を行い、また、スピーカ272の音量も小さくしている。善良な遊技者に対する配慮である。
【0143】
<第7実施形態>
ガセの操作条件を含む制御コマンドを主制御部300から第1副制御部400に送信し、ガセの操作条件を充足する停止操作が行われた場合に、不正行為が行われたものと判断してもよい。図26はその説明図である。
【0144】
図26(a)は主制御部300から第1副制御部400へガセの操作条件を含む制御コマンドを送信する例を示している。同図の例では、再遊技に内部当選した場合に、ガセの操作条件を設定している。再遊技は操作条件が設定されない役である(図4)。
【0145】
図26(b)は制御コマンドを受信した第1副制御部400の処理を示している。同図の例では、ガセの操作条件の報知は、スピーカ272による音声及びLCD157による画像のいずれも行わず、通常の演出を行っている。ここで、遊技者の停止操作が左→中→右であれば、ガセの操作条件を充足せず、したがってLCD157の表示は通常の演出となる。一方、遊技者の停止操作が中→右→左であった場合は、ガセの操作条件を充足する。よって、不正行為の蓋然性が高く、非報知時正解情報としてこの事実を記憶し、その遊技或いは次の遊技以降において、所定の演出を行う。同図の例では、「店員を呼んでください。」との表示をLCD157に行い、不正行為者を牽制する演出を行っている。
【0146】
次に、ガセの操作条件を含む制御コマンドを第1副制御部400が受信した場合、第1副制御部400側で別のガセの操作条件を設定し、これを報知してもよい。図27はその説明図である。
【0147】
同図の例では、第1副制御部400は、再遊技に内部当選したこと(真実)、ガセの制御条件(中→右→左)を含む制御コマンドを受信している。第1副制御部400はガセの操作条件を設定し直し、ガセの制御条件を右→中→左とし、これを報知している。報知はスピーカ272からの音声出力と、LCD157の画像表示の双方としている。
【0148】
遊技者の停止操作が報知通りに右→中→左であれば、ガセの操作条件を充足し、したがってLCD157には、「正解です」との表示がなされている。ガセの操作条件の報知通りの停止操作であるので善良な遊技者であると判断できる。
【0149】
一方、遊技者の停止操作が中→右→左であった場合は、第1副制御部400が設定して報知したガセの操作条件に反しているだけでなく、制御コマンドに含まれている主制御部300側が設定したガセの操作条件を充足する。よって、不正行為の蓋然性が極めて高く、非報知時正解情報としてこの事実を記憶し、その遊技或いは次の遊技以降において、所定の演出を行う。同図の例では、「店員を呼んでください。」との表示をLCD157に行い、不正行為者を牽制する演出を行っている。
【0150】
<実施形態のまとめ>
1.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110〜112)と、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ(例えば135)と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(例えばS5)と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチ(例えば137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段(例えばS8)と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段(例えばS9)と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段(例えばS6、図26)と、所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段(例えばS56、S86、図27)と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件を充足するか否かを判定する操作条件判定手段(例えば図16、図27)と、
前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段(例えば408、S70)と、前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段(例えば157、S72、S84、図27)と、を備えたことを特徴とする。
【0151】
この構成によれば、前記所定の演出により不正行為者を牽制し、操作条件に関わる不正行為を抑制できる。
【0152】
2.上記1の遊技台において、前記記憶手段は、前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知している場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す報知時正解情報を記憶し(例えばS71)、前記演出手段は、前記記憶手段に前記報知時正解情報が記憶されている場合に、前記非報知時正解情報が記憶されている場合とは異なる演出を行うこと(例えば図8、図13)を特徴とする。
【0153】
この構成によれば、不正行為者とそうでない遊技者との判別を容易化することができる。
【0154】
3.上記2の遊技台において、前記演出手段は、前記非報知時正解情報又は前記報知時正解情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記操作条件判定手段が判定した遊技の、次遊技以降の遊技において、前記演出を行うこと(図13、S84、図18)を特徴とする。
【0155】
この構成によれば、不正行為者をより強く牽制できる。
【0156】
4.上記3の遊技台において、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段(例えばS73)を備え、前記特典が設定されている場合に、遊技者に有利となる遊技が開始され(例えば、S46)、前記演出手段は、前記遊技者に有利となる遊技中に前記演出を行うこと(例えばS84)を特徴とする。
【0157】
この構成によれば、不正行為者をより強く牽制できる。
【0158】
5.上記1の遊技台において、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段を備え(例えば図20、S9、S10)、前記操作条件設定手段は、複数種類の前記操作条件を設定し(例えば図20)、前記特典は前記操作条件の種類によって遊技者の有利度が異なり(例えば図20)、前記操作条件報知手段は、所定の場合に、前記複数種類の前記操作条件のうちの一つの操作条件を報知し(例えば図20)、前記操作条件判定手段は、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の前記操作条件のいずれかを充足するか否かを判定し(例えば図20)、前記記憶手段は、前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶し(例えば図20)、前記演出手段は、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行うこと(例えば図20)を特徴とする。
【0159】
この構成によれば、前記所定の演出により不正行為者を牽制し、操作条件に関わる不正行為を抑制できる。
【0160】
6.上記実施形態の遊技台(例えば100)は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば110〜112)と、遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチ(例えば135)と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段(例えばS5)と、各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチ(例えば137〜139)と、前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段(例えばS8)と、停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段(例えばS9)と、を備えた遊技台において、前記停止スイッチに対する複数種類の操作条件を設定する操作条件設定手段(例えば図20)と、所定の場合に、前記複数種類の操作条件のうちの一つの操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段(例えば図20)と、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の操作条件のいずれかを充足するか否かを判定する操作条件判定手段(例えば図20)と、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、その種類に応じて遊技者の有利度が異なる特典を設定する特典設定手段(例えば図20、S9、S10)と、前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶する記憶手段(例えば図20、408)と、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段(例えば図20、157)と、を備えたことを特徴とする。
【0161】
この構成によれば、前記所定の演出により不正行為者を牽制し、操作条件に関わる不正行為を抑制できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、
を備えた遊技台において、
前記停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段と、
所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、
前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件を充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、
前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記記憶手段は、
前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知している場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す報知時正解情報を記憶し、
前記演出手段は、前記記憶手段に前記報知時正解情報が記憶されている場合に、前記非報知時正解情報が記憶されている場合とは異なる演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技台において、
前記演出手段は、
前記非報知時正解情報又は前記報知時正解情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記操作条件判定手段が判定した遊技の、次遊技以降の遊技において、前記演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技台において、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段を備え、
前記特典が設定されている場合に、遊技者に有利となる遊技が開始され、
前記演出手段は、前記遊技者に有利となる遊技中に前記演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1に記載の遊技台において、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段を備え、
前記操作条件設定手段は、複数種類の前記操作条件を設定し、
前記特典は前記操作条件の種類によって遊技者の有利度が異なり、
前記操作条件報知手段は、所定の場合に、前記複数種類の前記操作条件のうちの一つの操作条件を報知し、
前記操作条件判定手段は、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の前記操作条件のいずれかを充足するか否かを判定し、
前記記憶手段は、
前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶し、
前記演出手段は、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、
を備えた遊技台において、
前記停止スイッチに対する複数種類の操作条件を設定する操作条件設定手段と、
所定の場合に、前記複数種類の操作条件のうちの一つの操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、
前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の操作条件のいずれかを充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、その種類に応じて遊技者の有利度が異なる特典を設定する特典設定手段と、
前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項1】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、
を備えた遊技台において、
前記停止スイッチに対する操作条件を設定する操作条件設定手段と、
所定の場合に、前記操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、
前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記操作条件を充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、
前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知していない場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す非報知時正解情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記非報知時正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台において、
前記記憶手段は、
前記操作条件報知手段が前記操作条件を報知している場合であって、前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す報知時正解情報を記憶し、
前記演出手段は、前記記憶手段に前記報知時正解情報が記憶されている場合に、前記非報知時正解情報が記憶されている場合とは異なる演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技台において、
前記演出手段は、
前記非報知時正解情報又は前記報知時正解情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記操作条件判定手段が判定した遊技の、次遊技以降の遊技において、前記演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項3に記載の遊技台において、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段を備え、
前記特典が設定されている場合に、遊技者に有利となる遊技が開始され、
前記演出手段は、前記遊技者に有利となる遊技中に前記演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1に記載の遊技台において、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、遊技者に対する特典を設定する特典設定手段を備え、
前記操作条件設定手段は、複数種類の前記操作条件を設定し、
前記特典は前記操作条件の種類によって遊技者の有利度が異なり、
前記操作条件報知手段は、所定の場合に、前記複数種類の前記操作条件のうちの一つの操作条件を報知し、
前記操作条件判定手段は、前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の前記操作条件のいずれかを充足するか否かを判定し、
前記記憶手段は、
前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶し、
前記演出手段は、前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行うことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリールと、
遊技者の開始操作を受け付け、前記リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
複数種類の役の内部当選の当否を抽選する抽選手段と、
各々の前記リールに対応して設けられ、遊技者の停止操作を受け付け、前記リールの回転を個別に停止させるための停止スイッチと、
前記抽選手段の抽選結果に基づいて、前記リールの停止制御を行うリール停止制御手段と、
停止時の前記リールにより表示された前記図柄の組合せが、予め定めた図柄の組合せであるか否かに基づいて前記役の入賞を判定する入賞判定手段と、
を備えた遊技台において、
前記停止スイッチに対する複数種類の操作条件を設定する操作条件設定手段と、
所定の場合に、前記複数種類の操作条件のうちの一つの操作条件を遊技者に報知する操作条件報知手段と、
前記停止スイッチに対する遊技者の停止操作が、前記複数種類の操作条件のいずれかを充足するか否かを判定する操作条件判定手段と、
前記操作条件判定手段の判定結果が前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、その種類に応じて遊技者の有利度が異なる特典を設定する特典設定手段と、
前記操作条件判定手段の判定結果が、前記操作条件報知手段が報知した種類の前記操作条件よりも有利な前記特典が設定される前記操作条件を充足するとの判定結果である場合に、このことを示す異操作正解情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記異操作正解情報が記憶されている場合に所定の演出を行う演出手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図3】
【図4】
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【図17】
【図18】
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【図26】
【図27】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2013−59553(P2013−59553A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200956(P2011−200956)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】
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