説明

遊技機、サーバ、及び、遊技システム

【課題】 遊技者が飽きてしまいにくく、当該遊技者だけが楽しむことができる演出を提供し得るとともに、演出内容の決定に遊技者自身が携わることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】 携帯端末機との通信を行うことが可能な通信手段と、所定の遊技状態を発生させるか否かを決定する遊技状態発生手段と、所定の遊技状態を発生させると決定された場合に、発生させると決定された遊技状態の種類を示す情報を含むトリガー信号を、通信手段を介して、携帯端末機に対して送信するトリガー信号送信手段とを備え、トリガー信号は、該携帯端末機の備える入力手段からの入力により決定された、複数の所定の遊技状態の夫々と携帯端末機において行われる演出の種類との対応関係、及び、該トリガー信号に含まれる情報が示す遊技状態の種類に基づいて特定される演出を、該携帯端末機に行わせるものである遊技機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ遊技装置やスロットマシン等の遊技機、サーバ、及び、遊技機とサーバとを備える遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチスロ遊技装置やパチンコ遊技装置等の遊技機が設置された遊技場(所謂パチンコホール)においては、遊技機でBB(ビッグボーナス)や大当たり等が発生すると、例えば、店内アナウンスで報知したり、店内のBGMを変化させたりするというように、BBや大当たりの興奮をさらに高揚させるようなサービスを提供することが行われている。
近年では、このような遊技者の気持ちを高揚させるサービスとして、遊技状態に伴って様々な演出が実行される遊技機が登場し、人気を集めている。
例えば、一般に、パチスロ遊技装置やスロットマシン等の遊技機においては、演出画像を表示する表示装置を備え、この表示装置により内部当籤役に応じた演出を行うように構成されている。このような遊技機によれば、決定された内部当籤役を遊技者に対して報知することが可能である。
また、例えば、このような演出を行う遊技機としては、一連のストーリーが展開される演出画像が表示され、当該物語の内容や結末等によって、BBやRB(所謂ボーナスゲーム)の発生に係る内部当籤役が決定されたか否かを報知するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年では、遊技機で表示される演出画像や、遊技機で再生される音楽は、映像技術や情報処理技術の発展に伴って、単に遊技機における演出としてだけではなく、海外で高い芸術的評価を得ているアニメやヒットチャートに登場する音楽等に匹敵するものとなりつつある。それに伴い、遊技機で行われる演出は、遊技機の魅力を構成する重要な要素となっており、各遊技機メーカは魅力的な演出が行われる遊技機を開発する一方、遊技者も、演出を楽しむことを目的に遊技場に赴く傾向が出現しつつある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−286600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の遊技機において行われる演出は、遊技機ごとに一律に決まったものである。すなわち、どのような遊技状態においてどのような演出が行われるのかは、遊技機の製造段階で予め決まってしまっている。そのため、遊技者は、何度か繰り返し遊技を行ううちに、遊技状態と演出との対応関係を覚えてしまい、演出に対して新鮮味を感じにくくなってしまう結果、遊技に飽きてしまいやすいという問題があった。
また、演出内容が遊技機ごとに一律に決まったものであるため、誰が遊技を行っても、遊技状態と演出との対応関係は全て同じであり、他人とは異なる自分だけの演出を楽しみたいという遊技者の期待には応えることができないという問題があった。
さらに、遊技者の中には、演出内容の決定を自ら行ってみたいという願望を有している者もいるが、従来の遊技機では、このような遊技者の願望に応えることができないという問題もあった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技者が飽きてしまいにくく、当該遊技者だけが楽しむことができる演出を提供し得るとともに、演出内容の決定に遊技者自身が携わることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 携帯端末機との通信を行うことが可能な通信手段と、
所定の遊技状態を発生させるか否かを決定する遊技状態発生手段と、
上記遊技状態発生手段により所定の遊技状態を発生させると決定された場合に、発生させると決定された遊技状態の種類を示す情報を含むトリガー信号を、上記通信手段を介して、上記携帯端末機に対して送信するトリガー信号送信手段とを備え、
上記トリガー信号は、
該携帯端末機の備える入力手段からの入力により決定された、複数の上記所定の遊技状態の夫々と上記携帯端末機において行われる演出の種類との対応関係、及び、該トリガー信号に含まれる情報が示す遊技状態の種類に基づいて特定される演出を、該携帯端末機に行わせるものである
ことを特徴とする遊技機。
【0008】
(1)の発明によれば、所定の遊技状態を発生させると決定された場合に、発生させると決定された遊技状態の種類を示す情報を含むトリガー信号が、携帯端末機(例えば、携帯電話機)に対して送信される。トリガー信号は、複数の所定の遊技状態の夫々と携帯端末機において行われる演出の種類との対応関係、及び、該トリガー信号に含まれる情報が示す遊技状態の種類に基づいて特定される演出を、携帯端末機に行わせるものである。上記対応関係は、携帯端末機の備える入力手段(入力装置)からの入力により決定されたものである。
すなわち、遊技者が携帯端末機から入力することにより遊技状態と演出の種類との対応関係が設定されている場合に、所定の遊技状態が発生すると、遊技者が該遊技状態と対応付けて設定した演出が、携帯端末機において行われることとなる。
このように、(1)の発明によれば、所定の遊技状態が発生したとき、遊技者の決定した演出が、携帯端末機で行われることとなる。
また、遊技者が自ら決定した演出が行われるため、遊技者は、他人とは異なる自分だけの演出を楽しむことができる。
さらに、自らが決定した演出が行われるため、遊技者は、当該演出に愛着を感じるとともに、それだけ遊技に夢中になり、遊技に飽きにくくなる。
【0009】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2) 上記(1)の遊技機が備える通信手段を介して該遊技機と通信を行うことが可能な携帯端末機との通信が可能なサーバであって、
上記サーバは、
上記携帯端末機の備える入力手段からの入力により決定された上記対応関係を示す情報を含む信号を、上記携帯端末機から受信したとき、複数の個別演出実行プログラム及び該対応関係に基づいて決定される演出実行テーブルデータを、上記携帯端末機に送信する送信手段を備えており、
上記演出実行テーブルデータは、
複数の上記所定の遊技状態の夫々に割り当てられた識別コードと、上記携帯端末機において行われる演出の種類とを対応付けたテーブルを示すデータであり、
複数の個別演出実行プログラムの夫々は、
複数の上記所定の遊技状態の夫々に対応する各演出を、上記携帯端末機において実行させるためのものである
ことを特徴とするサーバ。
【0010】
(2)の発明によれば、上記対応関係を示す情報を含む信号をサーバが携帯端末機から受信したとき、複数の個別演出実行プログラム及び該対応関係に基づいて決定される演出実行テーブルデータが、サーバから携帯端末機に送信される。すなわち、遊技者は、携帯端末機からサーバにアクセスすることによって、複数の個別演出実行プログラムと演出実行テーブルデータとを取得することができる。
演出実行テーブルデータは、複数の所定の遊技状態の夫々に割り当てられた識別コードと、携帯端末機において行われる演出の種類とを対応付けたテーブルを示すデータであり、複数の個別演出実行プログラムの夫々は、複数の所定の遊技状態の夫々に対応する各演出を、携帯端末機において実行させるためのものである。すなわち、個別演出実行プログラム及び演出実行テーブルデータは、遊技状態の種類と対応付けて遊技者自身が設定した演出を携帯端末機で行わせるために必要なプログラム及びデータである。
従って、(2)の発明によれば、遊技者は、携帯端末機からサーバにアクセスすることによって、遊技状態の種類と対応付けて自らが設定した演出を携帯端末機で行わせるために必要なプログラム及びデータを取得することができる。
また、そのようにして取得したプログラムとデータとに基づいて行われる演出は、遊技者が自ら決定したものであるため、遊技者は、他人とは異なる自分だけの演出を楽しむことができる。
さらに、自らが決定した演出が行われるため、遊技者は、当該演出に愛着を感じるとともに、それだけ遊技に夢中になり、遊技に飽きにくくなる。
【0011】
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3) 上記(1)の遊技機であって、
上記遊技機は、更に、
画像を表示することが可能な表示手段と、
所定の条件が成立したときに、上記(2)のサーバにアクセスするためのアドレス情報を含む1次元又は2次元コードを上記表示手段に表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
(3)の発明によれば、所定の条件が成立したとき(例えば、所定の役が成立したとき)に、上記(2)のサーバにアクセスするためのアドレス情報を含む1次元又は2次元コード(例えば、QRコード)が表示手段(表示装置)に表示される。
遊技者は、1次元又は2次元コードを携帯端末機の備えるCCDカメラ等で撮像することにより、上記サーバにアクセスするためのアドレス情報を取得することができる。当該アドレス情報は、遊技者が自ら設定した演出を携帯端末機で行わせるために必要なプログラムとデータとをサーバから取得するために必要な情報である。すなわち、遊技者は、当該アドレス情報を取得することにより、自らが決定した演出を携帯端末機で行わせることができる。そのため、このアドレス情報は、自ら演出を設定したい遊技者にとっては取得を渇望する対象となる。
(3)の発明によれば、所定の条件が成立したときにそのようなアドレス情報を入手することができるので、遊技者に対して、所定の条件が成立することを強く期待させることができる。従って、それだけ遊技者を遊技に夢中にさせることができる。
【0013】
(4) 上記(1)又は(3)の遊技機と、上記(2)のサーバとを備える遊技システムであって、
上記トリガー信号は、
上記遊技状態発生手段により発生させると決定された遊技状態の種類を示す情報として、上記識別コードを示す識別コードデータを含み、
上記演出実行テーブルデータと、該トリガー信号に含まれる識別コードデータが示す識別コードとに基づいて特定される演出を、該携帯端末機に行わせるものである
ことを特徴とする遊技システム。
【0014】
(4)の発明によれば、携帯端末機がサーバから受信した演出実行テーブルデータ(遊技者自身が設定した遊技状態と演出の種類との対応関係を示すデータ)と、携帯端末機が遊技機から受信したトリガー信号に含まれる識別コードデータが示す識別コード(遊技機において発生した遊技状態の種類を示すコード)とに基づいて特定される演出が、携帯端末機において行われることとなる。
すなわち、遊技者が携帯端末機から入力することにより遊技状態と演出の種類との対応関係が設定されている場合に、所定の遊技状態が発生すると、遊技者が該遊技状態と対応付けて設定した演出が、携帯端末機において行われることとなる。
このように、(4)の発明によれば、所定の遊技状態が発生したとき、遊技者の決定した演出が、携帯端末機で行われることとなる。
また、遊技者が自ら決定した演出が行われるため、遊技者は、他人とは異なる自分だけの演出を楽しむことができる。
さらに、自らが決定した演出が行われるため、遊技者は、当該演出に愛着を感じるとともに、それだけ遊技に夢中になり、遊技に飽きにくくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技者が飽きてしまいにくく、当該遊技者だけが楽しむことができる演出を提供し得るとともに、演出内容の決定に遊技者自身が携わることが可能な遊技機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、通信ケーブルにより接続されたパチスロ遊技装置と携帯電話機とを示す図である。
図2は、携帯電話機において行われる演出の一例を示す図である。
本実施形態では、パチスロ遊技装置1において、所定の遊技状態(例えば、BB)が発生したとき、通信ケーブル45を介して、パチスロ遊技装置1から携帯電話機300に対して、トリガー信号が送信される。トリガー信号には、発生した遊技状態の種類を示す情報が含まれている。該情報は、所定の遊技状態の夫々に割り当てられた識別コードを示す識別コードデータである。
トリガー信号を受信すると、携帯電話機300では、該信号に含まれる情報が示す遊技状態の種類に応じた演出が行われる。
【0017】
どの遊技状態が発生したときに、どの演出が行われるのかは、予め遊技者が設定することができる。
設定方法は、以下の通りである。
(I)まず、遊技者は、携帯電話機300からサーバ200にアクセスする。サーバ200は、携帯電話機300とインターネットを介して無線によりデータの送受信を行うことが可能である。
サーバ200のアドレス情報は、パチスロ遊技装置1においてBBが発生したときに、液晶表示装置5(表示手段)に表示される2次元コード92に含まれている。遊技者は、携帯電話機300が備えるCCDカメラ308(図示せず、図19参照)で2次元コード92を撮像することにより、サーバ200にアクセスすることができる(図15参照)。
(II)サーバ200にアクセスすると、携帯電話機300の備える表示部306に演出選択画像350が表示される(図16参照)。遊技者は、携帯電話機300の備える操作部304(入力手段)を操作することにより、どの遊技状態が発生したときにどの演出が行われるのかを選択することができる。
(III)どの遊技状態が発生したときにどの演出が行われるのかを遊技者が選択すると、遊技状態と演出との対応関係を示す情報が、携帯電話機300からサーバ200に送信される。該情報を受信すると、サーバ200は、演出実行テーブルデータと、個別演出実行プログラムとを、携帯電話機300に対して送信する。
演出実行テーブルデータは、上記識別コードと、携帯電話機300において行われる演出の種類とを対応付けたテーブルを示すデータである。個別演出実行プログラムは、所定の遊技状態の夫々に対応する各演出を、携帯電話機300において実行させるためのプログラムである。
【0018】
パチスロ遊技装置1において所定の遊技状態が発生したとき、トリガー信号を受信すると、携帯電話機300の備えるマイクロコンピュータ322は、演出実行テーブルデータを参照することにより、該信号に含まれる識別コードデータが示す識別コードに対応する演出を特定する。そして、特定された演出を、対応する個別演出実行プログラムに基づいて実行する。
【0019】
このようにして、パチスロ遊技装置1において所定の遊技状態が発生したとき、発生した遊技状態と対応付けて遊技者が設定した演出が携帯電話機300で行われることとなる。
図2に、携帯電話機300において行われる演出を示す画像(携帯演出画像)の一例を示している。図2では、BBが発生したときに行われる演出として、遊技者が「打ち上げ花火」を選択した(図17参照)ことに基づいて、「打ち上げ花火」に係る演出が行われている。
【0020】
なお、本実施形態において、携帯電話機300で行われる演出には、バイブレーションも用いられる。用いられる振動のパターンも、遊技者が選択することができる(図18参照)。
図2に示す例では、バイブレーションによる演出により、携帯電話機300がブルブルと振るえている様子も示している。
【0021】
パチスロ遊技装置1は、本発明における遊技機に相当するものである。また、パチスロ遊技装置1と、サーバ200とは、本発明における遊技システムを構成する。
本発明における遊技機は、パチスロ遊技装置に限定されず、例えば、パチンコ遊技装置、スロットマシン等を挙げることができる。
【0022】
携帯電話機300は、本発明における携帯端末機に相当するものである。本発明における携帯端末機は、1次元又は2次元コードを撮像するための撮像手段を備え、かつ、サーバと通信回線を介してデータの送受信を行うことが可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、パーソナル・ディジタル・アシスタンツ等であってもよいし、上記遊技システムの専用の携帯端末機等であってもよい。
【0023】
本実施形態において、パチスロ遊技装置1と携帯電話機300とは、通信ケーブル45を介して、通信を行うように構成されている。通信ケーブル45は、本発明における通信手段に相当する。
本発明において、パチスロ遊技装置1と携帯電話機300との通信は、このように有線により行われることとしてもよいし、無線(例えば、赤外線)により行われることとしてもよい。
【0024】
以上、本実施形態の概要について説明した。
以下、更に詳述することとする。
【0025】
図3は、パチスロ遊技装置の一例を模式的に示す斜視図である。
このパチスロ遊技装置1は、コイン、メダル又はトークン等の他、遊技者に付与されたか、若しくは、付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であるが、以下においては、メダルを用いるものとして説明することとする。
【0026】
パチスロ遊技装置1の全体を形成している筐体2の正面には、液晶表示装置5が設置されている。この液晶表示装置5は、透明液晶パネル34(図示せず)を備えており、この透明液晶パネル34は、その一部又は全部を透明/非透明の状態に切り替えることが可能であるとともに、遊技に関する演出画像を表示可能である。
また、透明液晶パネル34は、2次元コード92を表示することが可能である。液晶表示装置5は、本発明における表示手段に相当する。
本実施形態においては、表示手段としての液晶表示装置5が、回転リール3の前面に設けられている場合について説明するが、本発明において、表示手段が設けられる位置は、特に限定されるものではない。また、本実施形態においては、表示手段としての液晶表示装置5に、演出画像等が表示される場合について説明するが、本発明においては、演出画像等が表示される表示装置と、1次元又は2次元コードが表示される表示装置とが個別に設けられることとしてもよい。
【0027】
また、液晶表示装置5の背面側には、3個の回転リール3L、3C、3Rが設けられている。3個の回転リール3L、3C、3Rは、それぞれその外周面に複数の図柄等の識別情報が表示されており、回転可能に横一列に設けられている。
【0028】
液晶表示装置5の下方には、水平面を有する台座部10が形成されており、台座部10の右側には、メダル投入口22が設けられ、台座部10の左側には、1−BETスイッチ11及び最大BETスイッチ13が設けられている。
【0029】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者が遊技で獲得したメダルのクレジット/払い出しを押し操作により切り替える貯留メダル精算スイッチ14が設けられている。
この貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより「払い出し」が選択された場合には、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受部16に溜められる。一方、「クレジット」が選択された場合には、パチスロ遊技装置1が備えるメモリ(例えば、後述するRAM43等)にメダル数がクレジットとして記憶される。
【0030】
貯留メダル精算スイッチ14の右側には、遊技者の操作により回転リール3L、3C、3Rを回転させるためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部10の前面部中央には、3個の回転リール3L、3R、3Cの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L、7C、7Rが設けられている。
また、貯留メダル精算スイッチ14の下側には、通信手段としての通信ケーブル45を接続するためのUSBポート44が設けられている。
【0031】
台座部10の前面部の右寄りには、決定ボタン26及び取消ボタン27が設けられている。この決定ボタン26及び取消ボタン27を操作することにより、液晶表示装置5の表示画面の切替に関する指示等の入力を行うことができる。
台座部10の前面部の右寄りには、さらに、ドア開閉及び打ち止め解除装置29が設けられており、所定の鍵をこのドア開閉及び打ち止め解除装置29の鍵穴に差し込み、右に回すことにより前面ドアの開閉を行い、左に回すことにより打ち止め解除を行う。
【0032】
筐体2の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を示す配当表パネル23が設けられている。
【0033】
図4は、図3に示したパチスロ遊技装置が備える液晶表示装置近傍を示す拡大正面図である。
図4に示すように、液晶表示装置5の背面側には、各々の外周面に複数の識別情報である図柄が描かれた3個の回転リール3(3L、3C、3R)が回転可能に横一列に設けられている。
【0034】
液晶表示装置5は、正面パネル31と、正面パネル31の裏面に設けられた透明液晶パネル34(図示せず)とを備えている。正面パネル31は、透明な表示窓31aと、絵柄が描かれた絵柄形成領域31bとからなり、正面パネル31の裏面に設けられた透明液晶パネル34に表示される画面画像は、正面パネル31の表示窓31aを介して視認可能である。
【0035】
液晶表示装置5の左側の背面側には、遊技開始表示ランプ25、WINランプ17、メダル投入ランプ24、最大BETランプ9c、2−BETランプ9b及び1−BETランプ9aの各種ランプと、払出枚数表示部18、メダル貯留枚数表示部19及び役物作動回数表示部20の各種表示部とが設けられている。なお、正面パネル31の絵柄形成領域31bは、上述した各種ランプと各種表示部との前方部分が透明であり、各種ランプと各種表示部とを視認可能となっている。
【0036】
1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下、BET数ともいう)に応じて点灯する。一のゲームは、全ての回転リールが停止したとき、又は、メダルの払い出しが行われる場合には、メダルが払い出されたときに終了する。
【0037】
WINランプ17は、BB(ビッグボーナス)又はRB(レギュラーボーナス)に内部当選した場合に所定確率で点灯し、また、BB又はRBの入賞が成立した場合にも点灯する。遊技メダル投入ランプ24は、メダルの投入が受け付け可能であるときに点滅する。遊技開始表示ランプ25は、少なくとも1本のラインが有効化されたときに点灯する。
【0038】
払出枚数表示部18は、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示するものであり、メダル貯留枚数表示部19は、貯留されているメダルの枚数を表示するものであり、役物作動回数表示部20は、RBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数等を表示する。これらの表示部は、7セグメント表示部からなるものである。
【0039】
図5は、図3に示したパチスロ遊技装置が備える液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。図6は、図4に示した液晶表示装置の一部の構成の展開図である。
液晶表示装置5は、保護ガラス32と表示板33とからなる正面パネル31、透明液晶パネル34、導光板35、反射フィルム36、所謂白色光源である蛍光ランプ37a、37b、38a、38b、ランプホルダ39a〜39h、及び、透明液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)からなり、TCPは、透明液晶パネル34の端子部に接続したフレキシブル基板(図示せず)等により構成される。
【0040】
この液晶表示装置5は、回転リール3L、3C、3Rにより手前側に設けられている。また、この回転リール3L、3C、3Rと液晶表示装置5とは、所定の間隔をあけて設けられている。
【0041】
保護ガラス32及び表示板33は、透明な部材で構成されている。表示板33には、BETランプ9a〜9cに対応する位置等に絵柄等が形成されている。すなわち、表示板33の絵柄等が形成されている領域が、正面パネル31における絵柄形成領域31bであり、表示板33の絵柄等が形成されていない領域が、正面パネル31における表示窓31aである(図4参照)。なお、正面パネル31に絵柄形成領域31bを形成せず、正面パネル31の全面を表示窓31aとしてもよい。この場合、表示板33に絵柄を形成しないか、又は、表示板33を省略すればよい。
なお、表示板33の裏面側に配置される各種ランプ及び各種表示部を動作させる電気回路等は図示していない。
【0042】
透明液晶パネル34は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板等の透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶が封入されて形成されている。
この透明液晶パネル34の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。ノーマリーホワイトとは、液晶を駆動していない状態で白表示(表示面側に透過した光が外部より視認可能である)となる構成である。ノーマリーホワイトに構成された透明液晶パネル34を採用することにより、液晶を駆動することができない事態が生じた場合であっても、回転リール3L、3C、3Rに表示された図柄等の識別情報の可変表示及び停止表示を視認することができ、遊技を継続することができる。すなわち、そのような事態が発生した場合でも、回転リール3L、3C、3Rに表示された識別情報の変動表示態様及び停止表示態様を中心とした遊技を行うことができる。
【0043】
導光板35は、蛍光ランプ37a、37bからの光を透明液晶パネル34へ導き出す(透明液晶パネル34を照明する)ためのものであり、透明液晶パネル34の裏側に設けられ、例えば、2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂等の透明部材(導光機能を有する)で構成されている。
【0044】
反射フィルム36は、例えば、白色のポリエステルフィルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜を形成したものが用いられ、導光板35に導入された光を導光板35の正面側へ向けて反射させる。この反射フィルム36は、反射領域36A及び非反射領域(透過領域)36Bにより構成されている。
【0045】
蛍光ランプ37a、37bは、導光板35の上端部及び下端部に沿って配置され、両端はランプホルダ39(図5参照)により支持されている。この蛍光ランプ37a、37bから照射される光は、反射フィルム36の反射領域36Aで反射して透明液晶パネル34を照明する。
【0046】
蛍光ランプ38a、38bは、反射フィルム36の裏側の上方位置及び下方位置に回転リール3L、3C、3Rに向かって配置されている。この蛍光ランプ38a、38bから出て回転リール3L、3C、3Rの表面で反射して非反射領域36Bへ入射した光は、透明液晶パネル34を照明する。
【0047】
このように、液晶表示装置5においては、蛍光ランプ37a、37bから照射され、反射フィルム36の反射領域36Aで反射した光と、蛍光ランプ38a、38bから照射され、回転リール3L、3C、3Rの表面で反射して非反射領域36Bへ入射した光とが、透明液晶パネル34を照明するのである。
従って、反射フィルム36の非反射領域36Bに対応する液晶表示装置5の領域は、液晶を駆動しているか否かによって、透明/非透明の状態に切り替わる領域であり、反射フィルム36の反射領域36Aに対応する液晶表示装置の領域は、液晶を駆動しているか否かに拘わらず非透明状態となる。
【0048】
パチスロ遊技装置1では、液晶表示装置の一部の領域のみが、透明/非透明の状態に切り替わる領域であるが、本発明の遊技機において、液晶表示装置の表示画面は、その全領域が透明/非透明の状態に切り替わる領域であってもよい。この場合、パチスロ遊技装置1において、液晶表示装置5の全領域を透過状態又は非透過状態に切り替わる領域とする場合、反射フィルム36を全て非反射領域36Bとするか、反射フィルム36を省略すればよい。
【0049】
図7は、図3に示したパチスロ遊技装置の内部構成を示すブロック図である。
主制御回路81は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素とするものである。マイクロコンピュータ40は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU41と、ROM42及びRAM43とを含む。CPU41には、基準クロックパルスを設定するクロックパルス発生回路144及び分周器145と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器146及びサンプリング回路147とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、CPU41の動作プログラム上で乱数のサンプリングを実行するように構成してもよい。
【0050】
ROM42には、副制御回路82へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。当該コマンドとしては、例えば、液晶表示装置5に対する表示制御に関するコマンドやスピーカ21に対する音声出力制御に関するコマンド等が格納されている。
【0051】
液晶表示装置5やスピーカ21に対する制御に関するコマンドとしては、例えば、演出開始コマンド、終了演出コマンド等を挙げることができる。
演出開始コマンドは、3つの回転リール3の回転開始時に液晶表示装置5に演出画像を表示させ、スピーカ21に当該演出に関する音声を出力させるためのコマンドである。終了演出コマンドは、3つの回転リール3が全て停止した際に液晶表示装置5に演出画像を表示させ、スピーカ21に当該終了演出に関する音声を出力させるためのコマンドである。
また、RB、BBの設定又は解除に関するコマンドも、ROM42に格納されており、当該コマンドによってRB又はBBの設定又は解除が副制御回路82に通知される。なお、RB、BBの設定又は解除に関するコマンドにかえて、液晶表示装置5に対する表示制御に関する各種のコマンドに、RB又はBBの実行中であることを示すデータを含めることとしてもよい。
【0052】
上述したような各種のコマンドは、特定の条件の成立を契機としてCPU41によってROM42から呼び出されてRAM43にセットされる。そして、RAM43にセットされたコマンドは所定のタイミングで副制御回路82に供給される。副制御回路82は、供給されたコマンドに基づいて各種の処理を実行する。なお、副制御回路82が主制御回路81へコマンド等が入力されることはなく、主制御回路81から副制御回路82への一方向で通信が行われる。
【0053】
また、ROM42には、回転リール3L、3C、3Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるために、図柄テーブルが格納されており、また、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応付けられた入賞図柄組合せテーブルや、内部当選役を決定する抽選を行うために必要な抽選確率テーブル等が格納される。
【0054】
RAM43には、上述したコマンド以外に、例えば、メダルの数に相当するクレジット数、設定値等、遊技進行に係る変数やフラグ等が格納される。
【0055】
マイクロコンピュータ40からの制御信号により動作が制御される主要な周辺装置(アクチュエータ)としては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17、遊技メダル投入ランプ24、遊技開始表示ランプ25、装飾ランプ93)と、各種表示部(払出枚数表示部18、メダル貯留枚数表示部19、役物作動回数表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路51の命令により所定枚数のメダルの払い出しを行うホッパー(払い出しのための駆動部を含む)50と、回転リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ59L、59C、59Rとがある。
【0056】
さらに、ステッピングモータ59L、59C、59Rを駆動制御するモータ駆動回路49、ホッパー50を駆動制御するホッパー駆動回路51、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路55、及び、各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路58が、I/Oポート48を介してCPU41の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU41から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0057】
また、マイクロコンピュータ40が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生させる主な入力信号発生装置としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、最大BETスイッチ13、貯留メダル精算スイッチ14、投入メダルセンサ22S、リセットスイッチ62、設定用鍵型スイッチ63、リール停止信号回路56、リール位置検出回路60、払い出し完了信号回路61がある。これらもI/Oポート48を介してCPU41に接続されている。設定用鍵型スイッチ63は、所定の鍵をこの鍵穴に差し込み、左右に回すことにより設定値の変更を可能とするものである。
【0058】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路56は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。決定ボタン26及び取消ボタン27は、これらの操作により、液晶表示装置5の表示画面の切替や指示の入力等を行うことができる。
【0059】
リール位置検出回路60は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各回転リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU41に送信する。
払出完了信号回路61は、メダル検出部50Sの計数値(ホッパー50から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数に達したとき、メダル払出完了信号を発生する。CPU41がこのメダル払出完了信号を受信すると、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、メダルの払出を完了させる。このメダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルを検出するための物理センサ等からなるメダルセンサを備えており、このメダルセンサにより払い出されるメダルの枚数の計数を行うことができる。
【0060】
図7に示した回路において、乱数発生器146は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路147は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数及びROM42内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
【0061】
回転リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L、59C、59Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43の所定エリアに書き込まれる。回転リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM43内には、各回転リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0062】
上記のような回転リール3L、3C、3Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM42内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各回転リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0063】
更に、ROM42内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左の回転リール3L、中央の回転リール3C、右の回転リール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0064】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU41は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路56から送られる操作信号、及び、選択された「停止制御テーブル」に基づいて、回転リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路49に送る。
【0065】
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となった場合、貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより「払い出し」が選択されているときには、CPU41は、払い出し指令信号をホッパー駆動回路51に供給してホッパー50から所定個数のメダルの払い出しを行う。その際、メダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払い出し完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、「メダルの払い出し処理」を終了する。
一方、貯留メダル精算スイッチ14の切り替えにより「クレジット」が選択されているときには、払い出されるべきメダルの数がクレジットとしてRAM43に記憶されることになる。
【0066】
CPU41を備えた主制御回路81には、副制御回路82が接続されている。
副制御回路82は、主制御回路81からの制御指令(コマンド)に基づいて、液晶表示装置5の表示制御及びスピーカ21L、21Rからの音の出力制御を行う。
【0067】
図7は、図6に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
尚、本実施形態においては、主制御回路81から副制御回路82に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路82から主制御回路81に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路82から主制御回路81に対して信号を送信できるように構成してもよい。
【0068】
副制御回路82は、サブCPU206、プログラムROM208及びワークRAM210を備えている。サブCPU206には、インターフェイス回路240を介して、決定ボタン26及び取消ボタン27が接続されている。
また、サブCPU206には、インターフェイス回路240を介して、USBポート44が接続されている。
【0069】
また、副制御回路82は、液晶表示装置5における表示制御を行う表示制御回路250と、スピーカ21から発生させる音に関する制御を行う音声制御回路230とを備えている。
【0070】
サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、演出に係る処理等の各種の処理を実行する機能を有し、CPU41から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路82の制御を行う。
特に、本実施形態において、サブCPU206は、所定の遊技状態(BB、RB、又は、ATへの入賞)が発生したときに、通信ケーブル45を介して、携帯電話機300に対して、トリガー信号を送信する。
【0071】
プログラムROM208には、サブCPU206により、液晶表示装置5やスピーカ21における遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
【0072】
また、プログラムROM208には、液晶表示装置5に表示される画面画像及びスピーカ21から出力される音に対応した複数種類の演出パターンデータと、全てのリール3が停止した際に表示される画面画像及び出力される声に対応した複数種類の終了演出パターンデータとが記憶されている。
【0073】
また、プログラムROM208には、遊技状態の種類と、識別コードとが対応付けられた遊技状態識別テーブル(図9参照)を示す遊技状態識別テーブルデータが格納されている。所定の遊技状態が発生したとき、サブCPU206は、遊技状態識別テーブルデータを参照することにより、発生した遊技状態に対応する識別コードを特定し、該識別コードを示す識別コードデータを含むトリガー信号を、携帯電話機300に対して送信する。
【0074】
また、プログラムROM208には、サーバ200のアドレス情報が記憶されている。
また、プログラムROM208には、2次元コード表示パターンデータが記憶されている。2次元コード表示パターンデータは、BBが発生したときに、アドレス情報がコード化された2次元コード92を液晶表示装置5に表示させるためのものである。
【0075】
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶媒体としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、CPU等を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208に記憶されるものをROM42に記憶することとしてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0076】
また、本実施形態において、CPU41及びROM42を含む主制御回路81と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路82と、を別々に構成したが、これに限らず、CPU41及びROM42を含む主制御回路81のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをROM42に記憶させ、CPU41により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路82のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したROM42に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
【0077】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0078】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音データを記憶する音声データROM234、音信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
【0079】
音源IC232は、音量を調節するためのサウンド回路等を含むものであり、サブCPU206、音声データROM234、及び、AMP236と接続されている。音声データROM234には、演出パターンに基づいて抽出される演出音データ等の音に関するデータが記憶されている。
【0080】
音源IC232は、演出パターンデータの供給を受けると、この演出パターンデータに応じた演出音データを音声データROM234から読み出す。
また、音源IC232は、読み出した演出音データを所定の音信号に変換し、その音信号をAMP236に供給する。AMP236は、音信号を増幅させ、スピーカ21(21L及び21R)から音を出力する。
【0081】
表示制御回路250は、CPU41により決定された遊技結果、又は、各種ボタン26、27により入力された指示に応じて、画面画像を生成し、液晶表示装置5に上記画面画像を表示する制御を行うものであり、画像データプロセッサ(以下、VDPという。)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218から構成されている。VDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218と接続されている。
【0082】
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の各種の回路を含み、液晶表示装置5に画面画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置5に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置5の透明液晶パネル34に画面画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置5の透明液晶パネル34に画面画像が表示されることとなる。
【0083】
画像データROM216には、複数種類の演出画像データが記憶されている。演出画像データには、例えば、背景画像を構成する背景画像データ、キャラクタを示すキャラクタ画像データ等が含まれる。
【0084】
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令(コマンド)に応じて、画像データROM216から、演出画像を抽出する。
【0085】
VDP212は、画像データROM216から抽出した各種画像を、後方に位置する画像から順に、例えば、背景画像、キャラクタ画像の順に、重ね合わせてバッファ(例えば、ビデオRAM等)に記憶することにより画面画像を合成し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。D/Aコンバータ218は、この画面画像を画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置5に供給する。
【0086】
以下においては、パチスロ遊技装置1は起動しており、CPU41において用いられる変数は所定の値に初期化されるとともに、設定値、各種タイマ等も所定の値に設定された状態で定常動作しているものとする。
【0087】
図10は、主制御回路において行われる処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、予め実行されているメインルーチンから所定のタイミングで呼び出されて実行されるものである。
【0088】
まず、CPU41は、メダルの自動投入の要求があるか否かを判断する(ステップS120)。なお、自動投入の要求がある場合とは、先の遊技において再遊技(リプレイ)の入賞が成立した場合である。メダルの自動投入の要求があるときには、投入要求分のメダルを自動投入し(ステップS122)、副制御回路82にメダル投入コマンドを送信する(ステップS123)。
【0089】
一方、ステップS120において、メダルの自動投入の要求がないと判断した場合、CPU41は、メダルが投入されたか否かを判断する(ステップS121)。すなわち、CPU41は、メダル投入口22にメダルが投入されたことを検知した投入メダルセンサ22Sにより発せられる検知信号を受信したか否か、又は、BETスイッチ(1−BETスイッチ11又は最大BETスイッチ13)により発せられる検知信号を受信したか否かを判断することにより、メダルが投入されたか否かを判断する。なお、BETスイッチ(1−BETスイッチ11又は最大BETスイッチ13)により発せられる検出信号を受信したと判断した場合、CPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数から、BETされたメダルの数に相当するクレジット数を減算する処理を行う。
【0090】
ステップS121において、メダルが投入されていないと判断した場合、CPU41は、処理をステップS120に戻す。
また、ステップS121において、メダルが投入されたと判断した場合、又は、ステップS123の処理が実行された場合には、CPU41は、スタートレバー6が操作されたか否かを判断する(ステップS124)。すなわち、CPU41は、スタートスイッチ6Sからの入力信号を受信したか否かを判断するのである。
【0091】
ステップS124において、スタートレバー6が操作されていないと判断した場合、CPU41は、処理をステップS120に戻す。一方、ステップS124において、スタートレバー6が操作されたと判断した場合、CPU41は、各種設定に係る処理を行う(ステップS125)。この各種設定処理では、スタートレバー6が操作されたタイミングで、乱数発生器146から乱数のサンプリングを行い、当該サンプリングされた乱数値と、RAM43に設定されている抽選確率テーブルとに基づいて内部当選役(当選フラグ)を生成する抽選処理が行われる。また、この各種設定処理では、例えば、WINランプ点灯抽選処理、回転リールを停止させるための停止制御テーブルの選択に係る処理、リール回転用に初期化する処理等を行い、回転リール3(3L、3C、3R)の回転を開始させる。
【0092】
回転リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L、59C、59Rの各々に送信される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43に記憶される。回転リール3L、3C、3Rから一回転ごとにリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスに計数値が「0」にクリアされる。このようにすることにより、RAM43内には、各回転リール3L、3C、3Rについての一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0093】
また、回転リール3L、3C、3Rの回転位置と回転リール外周面上に描かれた図柄とを対応付けるためにROM42に格納された図柄テーブルでは、上述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各回転リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチごとに順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバーごとに対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応付けられている。また、ROM42に格納された入賞図柄組合せテーブルは、各回転リール3L、3C、3Rの停止制御時、及び、全回転リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
ステップS125の処理を実行した後、CPU41は、処理をステップS126に移す。
【0094】
ステップS126において、CPU41は、RAM43に演出開始コマンドをセットする。この演出開始コマンドは、液晶表示装置5への所定の演出画像の表示を開始させ、スピーカ21に所定の音声の出力を開始させるためのコマンドであり、上記抽選処理により決定された内部当選役に関するデータを含んでいる。演出開始コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
ステップS126の処理を実行した後、CPU41は、処理をステップS128に移す。
【0095】
ステップS128において、CPU41は、リール停止信号回路56からの入力信号の有無により、停止ボタン7(7L、7C、7R)が「オン」であるか否かを判断する(ステップS128)。停止ボタン7が「オン」ではないと判断した場合、CPU41は、自動停止タイマの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS129)、「0」ではないと判断した場合には、処理をステップS128に戻す。
【0096】
一方、ステップS128において、停止ボタン7が「オン」であると判断した場合、又は、ステップS129において、自動停止タイマの値が「0」であると判断した場合、CPU41は、停止ボタン7に対応した回転リール3の回転を停止させるのであるが、その際、当選要求(内部当選役のこと)、図柄位置(操作時における回転リール3の回転位置)、選択されている停止制御テーブル等から滑りコマ数を決定する(ステップS130)。
【0097】
次に、CPU41は、ステップS130において決定された滑りコマ数分、回転リール3を回転させて停止させる処理を行い(ステップS131)、一の回転リール3についての停止要求をセットする(ステップS132)。
【0098】
次に、CPU41は、3つの回転リール3(3L、3C、3R)の全てが停止したか否かを判断する(ステップS135)。全ての回転リール3が停止していないと判断した場合、処理をステップS128に戻す。一方、全ての回転リール3が停止したと判断した場合、CPU41は入賞検索を行う(ステップS136)。このとき、ROM42に格納された入賞図柄組合せテーブル等が参照されることになる。また、入賞フラグが正常であるか否かを判断し、正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行って処理を中断することとしてもよい。
【0099】
次に、CPU41は、RAM43に終了演出コマンドをセットする(ステップS137)。この終了演出コマンドは、遊技結果に応じた遊技終了時の演出画像の表示及び音声の出力を行うためのコマンドであり、ステップS136における入賞検索の結果に関するデータを含む。終了演出コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0100】
次に、CPU41は、メダルの払出があるか否か、すなわち、入賞枚数の有無を判断する(ステップS138)。
メダルの払出があると判断した場合、CPU41は、遊技状態及び入賞役に応じた枚数のメダルの貯留又は払出を行う(ステップS139)。メダルの貯留を行う場合には、CPU41は、RAM43に記憶されたクレジット数を加算する処理を行う。一方、メダルの払出を行う場合には、CPU41は、払出指令信号をホッパー駆動回路51に送信してホッパー50から所定枚数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部50Sは、ホッパー50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパー駆動回路51を介してホッパー50の駆動を停止し、メダルの払出処理を終了する。
【0101】
ステップS138においてメダルの払出がないと判断した場合、又は、ステップS139の処理を実行した後、CPU41は、RBに入賞したか否かを判断する(ステップS140)。RBに入賞したと判断すると、CPU41は、RB設定に係る処理を行う(ステップS141)。このステップS141において、CPU41は、RB用の抽選確率テーブルや、RB用の入賞図柄組合せテーブルの設定に係る処理を行う。また、このステップS141において、CPU41は、RBゲーム入賞回数等の計数を開始し、その計数値を役物作動回数表示部20に表示させる処理を開始する。ステップS141の処理を実行した後、CPU41は、処理をステップS142に移す。
【0102】
ステップS142において、CPU41は、RAM43にRB設定コマンドをセットする。RB設定コマンドは、画面画像としてのRB用の演出画像を液晶表示装置5に表示させ、RBに係る音声をスピーカ21から出力させるためのコマンドであり、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0103】
ステップS140においてRBに入賞していないと判断された場合、又は、ステップS142の処理が実行された場合、CPU41は、BBに入賞したか否かを判断する(ステップS143)。BBに入賞したと判断すると、CPU41は、BB設定に係る処理を行う(ステップS144)。このステップS144において、CPU41は、BB用の抽選確率テーブルや、BB用の入賞図柄組合せテーブル等の設定に係る処理を行う。また、このステップS144において、CPU41は、BBゲーム消化回数等の計数や、その計数値の役物動作回数表示部20への表示や、払い出されたメダルの計数等を開始する。その後、CPU41は、処理をステップS145へ移す。
【0104】
ステップS145において、CPU41は、RAM43にBB設定コマンドをセットする。BB設定コマンドは、画面画像としてのBB用の演出画像を液晶表示装置5に表示させ、BBに係る音声をスピーカ21から出力させるためのコマンドであり、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0105】
ステップS143において、BBに入賞していないと判断された場合、又は、ステップS145の処理を実行した場合、CPU41は、RBが終了したか否かを判断する(ステップS146)。RBが終了したと判断すると、次に、CPU41は、RB設定解除に係る処理を行う(ステップS147)。ステップS147において、CPU41は、ステップS141の処理で設定したRB用の抽選確率テーブルや、RB用の入賞図柄組合せテーブル等から、通常の遊技状態(RB又はBB以外)に用いられる抽選確率テーブルへの設定変更に係る処理を行う。その後、CPU41は、処理をステップS148へ移す。
【0106】
ステップS148において、CPU41は、RAM43にRB解除コマンドをセットする。RB解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0107】
ステップS146において、RBが終了したと判断されなかった場合、又は、ステップS148の処理を実行した場合、CPU41は、BBが終了したか否かを判断する(ステップS149)。BBが終了したと判断すると、次に、CPU41は、BB設定解除に係る処理を行う(ステップS150)。ステップS150において、CPU41は、ステップS144の処理で設定したBB用の抽選テーブルや、BB用の入賞図柄組合せテーブル等から、通常の遊技状態(RB又はBB以外)に用いられる抽選確率テーブルへの設定変更に係る処理を行う。その後、CPU41は、処理をステップS151へ移す。
【0108】
ステップS151において、CPU41は、RAM43にBB解除コマンドをセットする。BB解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0109】
ステップS149において、BBが終了していないと判断した場合、又は、ステップS151の処理を実行した場合、CPU41は、ATに入賞したか否かを判断する(ステップS152)。ATに入賞したと判断すると、CPU41は、ATコマンドをセットする(ステップS153)。ATコマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0110】
ステップS152において、ATに入賞していないと判断した場合、又は、ステップS153の処理を実行した場合、CPU41は、ATが終了したか否かを判断する(ステップS154)。ATが終了したと判断すると、CPU41は、AT解除コマンドをセットする(ステップS155)。AT解除コマンドは、所定のタイミングで副制御回路82に供給される。
【0111】
ステップS154において、ATが終了していないと判断した場合、又は、ステップS155の処理を実行した場合、CPU41は、本サブルーチンを終了する。
図10に示すサブルーチンを実行するとき、主制御回路81は、本発明における遊技状態発生手段として機能する。
【0112】
図11及び図12は、副制御回路において行われるコマンド受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップS200において、サブCPU206は、演出開始コマンドを受信したか否かを判断する。演出開始コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS210に移す。
一方、演出開始コマンドを受信したと判断した場合、ステップS201において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶された複数種類の演出パターンのなかから、当該コマンドに対応した演出パターンを選択する。
演出パターンには、演出画像の種類や表示期間等、液晶表示装置5に演出画像を表示させるための各種のデータが含まれる。例えば、通常遊技状態(BB又はRB以外の遊技状態)においては、通常時の演出画像を表示させるための演出パターンを選択する。
また、サブCPU206は、RBフラグがセットされている場合には、RB中の演出画像を表示させるための演出パターンを選択する。また、BBフラグがセットされている場合には、BB中の演出画像を表示させるための演出パターンを選択する。
【0113】
次に、ステップS202において、サブCPU206は、演出パターンを示すデータを表示制御回路250に供給する。
【0114】
ステップS200において演出開始コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS202の処理を実行した場合、サブCPU206は、終了演出コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS210)。
終了演出パターンを受信していないと判断した場合、ステップS220に処理を移す。
一方、終了演出パターンを受信したと判断した場合、ステップS211において、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶された複数種類の終了演出パターンのなかから、当該コマンドに対応した終了演出パターンを選択する。
終了演出パターンには、演出画像の種類や表示期間等、液晶表示装置5に演出画像を表示させるための各種のデータが含まれる。例えば、BB入賞時には、BB入賞時の演出画像を表示させるための終了演出パターンを選択する。また、小役入賞時には、小役入賞時の演出画像を表示させるための終了演出パターンを選択する。
【0115】
次に、ステップS212において、サブCPU206は、終了演出パターンを示すデータを表示制御回路250に供給する。
【0116】
ステップS210において終了演出コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS212の処理を実行した場合、サブCPU206は、RB設定コマンドを受信したか否かを判断する。RB設定コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS230に移す。一方、RB設定コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU206は、ステップS221において、RBフラグをセットする。RBフラグは、RB開始時にセットされ、RB終了時にクリアされるフラグである。
【0117】
続いて、サブCPU206は、USBケーブル45を介して、USBポート44に携帯電話機300が接続されているか否かを判断する(ステップS222)。この処理において、サブCPU206は、携帯電話機300が接続されたことを契機として変化する電流又は電圧の変化の有無が検出されるか否かを判断することにより、携帯電話機300が接続されているか否かを判断する。
【0118】
携帯電話機300が接続されていると判断した場合、サブCPU206は、RBに対応する識別コードデータを含むトリガー信号を、USBケーブルを介して、携帯電話機300に対して送信する(ステップS223)。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208に格納されている遊技状態識別テーブルデータを参照することにより、RBに対応する識別コードを特定し、該識別コードを示す識別コードデータを含むトリガー信号を、携帯電話機300に対して送信するのである。
【0119】
ステップS223の処理を実行した後、又は、ステップS222において携帯電話機300が接続されていないと判断した場合、サブCPU206は、処理をステップS230に移す。
【0120】
ステップS230において、サブCPU206は、BB設定コマンドを受信したか否かを判断する。BB設定コマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS240に移す。一方、BB設定コマンドを受信したと判断した場合、サブCPU206は、ステップS231において、BBフラグをセットする。BBフラグは、BB開始時にセットされ、BB終了時にクリアされるフラグである。
【0121】
続いて、サブCPU206は、サーバ200のアドレス情報をプログラムROM208から抽出し、エンコード処理を行い、サーバ200のアドレス情報を2次元コードにコード化する(ステップS232)。エンコード処理については、後に、図13を用いて詳述する。
続いて、サブCPU206は、ステップS203において生成された2次元コードをワークRAM210に記憶させる(ステップS233)。次に、サブCPU206は、プログラムROM208から2次元コード表示パターンデータを読み出して表示制御回路250に供給する(ステップS234)。
その結果、液晶表示装置5に、2次元コード92が表示されることとなる。
【0122】
BBが発生することは、本発明における所定の条件に相当する。
本発明における所定の条件としては、この例に限定されず、例えば、RBやAT等他の遊技状態が発生することとしてもよいし、所定の役(例えば、スイカ)が成立することとしてもよい。
また、遊技媒体の収支が所定の値になること、遊技を開始してからの遊技回数が所定回数に達すること、BET数が所定の値に達すること、所定の時刻になること等としてもよい。所定の条件としてこのような例を採用することにより、遊技媒体の収支が大きくマイナスになっている遊技者や長時間遊技を行った遊技者、多くの遊技媒体を消費した遊技者に対して、携帯電話機300において行われる演出の内容を設定することができる権利を付与することが可能となり、係る遊技者に対して一定の満足感を提供することができる。
【0123】
続いて、サブCPU206は、USBケーブル45を介して、USBポート44に携帯電話機300が接続されているか否かを判断する(ステップS235)。この処理において、サブCPU206は、携帯電話機300が接続されたことを契機として変化する電流又は電圧の変化の有無が検出されるか否かを判断することにより、携帯電話機300が接続されているか否かを判断する。
【0124】
携帯電話機300が接続されていると判断した場合、サブCPU206は、BBに対応する識別コードデータを含むトリガー信号を、USBケーブルを介して、携帯電話機300に対して送信する(ステップS236)。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208に格納されている遊技状態識別テーブルデータを参照することにより、BBに対応する識別コードを特定し、該識別コードを示す識別コードデータを含むトリガー信号を、携帯電話機300に対して送信するのである。
【0125】
ステップS236の処理を実行した後、又は、ステップS235において携帯電話機300が接続されていないと判断した場合、サブCPU206は、処理をステップS240に移す。
【0126】
ステップS240において、サブCPU206は、RB解除コマンドを受信したか否かを判断する。RB解除コマンドを受信したと判断した場合、RBフラグをクリアする(ステップS241)。
【0127】
ステップS240において、RB解除コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS241の処理を実行した場合、サブCPU206は、BB解除コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS250)。BB解除コマンドを受信したと判断した場合、BBフラグをクリアする(ステップS251)。
【0128】
BB解除コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS251の処理を実行した後、ATコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS260)。ATコマンドを受信していないと判断した場合、処理をステップS264に移す。一方、ATコマンドを受信したと判断した場合、サブCPU206は、ステップS261において、ATフラグをセットする。ATフラグは、AT開始時にセットされ、AT終了時にクリアされるフラグである。
【0129】
続いて、サブCPU206は、USBケーブル45を介して、USBポート44に携帯電話機300が接続されているか否かを判断する(ステップS262)。この処理において、サブCPU206は、携帯電話機300が接続されたことを契機として変化する電流又は電圧の変化の有無が検出されるか否かを判断することにより、携帯電話機300が接続されているか否かを判断する。
【0130】
携帯電話機300が接続されていると判断した場合、サブCPU206は、ATに対応する識別コードデータを含むトリガー信号を、USBケーブルを介して、携帯電話機300に対して送信する(ステップS263)。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208に格納されている遊技状態識別テーブルデータを参照することにより、ATに対応する識別コードを特定し、該識別コードを示す識別コードデータを含むトリガー信号を、携帯電話機300に対して送信するのである。
【0131】
ステップS263の処理を実行した後、又は、ステップS262において携帯電話機300が接続されていないと判断した場合、サブCPU206は、処理をステップS264に移す。
【0132】
ステップS264において、サブCPU206は、AT解除コマンドを受信したか否かを判断する。AT解除コマンドを受信したと判断した場合、ATフラグをクリアする(ステップS265)。
【0133】
ステップS264において、AT解除コマンドを受信していないと判断した場合、又は、ステップS265の処理を実行した場合、サブCPU206は、本サブルーチンを終了する。
【0134】
ステップS223、ステップS236、又は、ステップS263において、BB、RB、又は、ATに対応する識別コードを示す識別コードデータを示すトリガー信号を携帯電話機300に対して送信するとき、副制御回路82は、本発明におけるトリガー信号送信手段として機能する。
【0135】
図13は、図11に示したサブルーチンのステップS232において呼び出されて実行されるエンコード処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0136】
まず、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されたアドレス情報としてのURLをワークRAM210にセットする(ステップS400)。
図中では、アドレス情報としてのURLの一例としてhttp://***.***/.010.htmを示している。
【0137】
次に、サブCPU206は、ワークRAM210に、アドレス情報の文字種(例えば、数字、英数字、漢字等)に応じたモード識別子を作成する(ステップS401)。
次に、サブCPU206は、ワークRAM210に、アドレス情報の文字数に応じた文字数識別子を作成する(ステップS402)。
次に、サブCPU206は、アドレス情報を2進化する処理を行う(ステップS403)。次に、サブCPU206は、ステップS401〜S403により得られたデータに終端パターンを付加する処理を行う(ステップS404)。
【0138】
次に、サブCPU206は、ステップS404により得られたデータのコード語変換を行い(ステップS405)、さらに、ステップS405により得られたデータに基づいてエラー訂正コード語を作成し、ステップS405により得られたデータに付加する(ステップS406)。次に、サブCPU206は、ステップS406により得られたデータを2進化し、マトリックス状に配置する処理を行う(ステップS407)。
次に、サブCPU206は、ステップS407により得られたデータに対して所定パターンのマスクをかける処理を行う(ステップS408)。次に、エラー訂正レベルとマスク識別子とを含む形式情報を付加する処理を行い(ステップS409)、2次元コードを生成する(ステップS410)。生成された2次元コードは、ワークRAM210に記憶される。
その後、本サブルーチンを終了する。
【0139】
本実施形態においては、アドレス情報としてのURLのみを2次元コードにエンコード(コード化)する場合について説明したが、本発明においては、アドレス情報と他のデータとをエンコードすることとしてもよい。当該他のデータとしては、特に限定されるものではなく、例えば、遊技機の機種を示すデータ、遊技機自体を識別するための当該遊技機の固有の識別データ等を挙げることができる。
【0140】
図14は、表示制御回路において行われる表示制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
表示制御処理は、サブCPU206からの指示に基づいてVDP212が実行する処理である。VDP212は、サブCPU206から供給される各種のデータに対応した画面画像を生成する。
VDP212は、サブCPU206から演出パターンデータの供給を受けていない場合には(ステップS300:NO)、画像データROM216からデモ画像を抽出し、バッファに記憶する(ステップS301)。
【0141】
VDP212は、サブCPU206から演出パターンデータの供給を受けており(ステップS300:YES)、終了演出パターンデータの供給を受けていない場合には(ステップS304:NO)、画像データROM216から演出画像を抽出し、バッファに記憶する(ステップS305)。
【0142】
VDP212は、サブCPU206から演出パターンデータの供給を受け(ステップS300:YES)、終了演出パターンデータの供給を受けている場合(ステップS304:YES)、画像データROM216から、終了時の演出画像を抽出し、バッファに記憶する(ステップS306)。
ステップS301、S305又はS306の処理を実行した後、VDP212は、2次元コード表示パターンデータの供給を受けた場合には(ステップS320:YES)、ワークRAM210から2次元コードを抽出し、バッファに記憶する(ステップS321)。
このとき、ステップS310、S305又はS306において抽出されてバッファに記憶された演出画像に重ね合わせて2次元コードを記憶する。
その後、2次元コードの表示を終了するタイミングであれば(ステップS323:YES)、2次元コード表示パターンデータをクリアする(ステップS324)。
【0143】
次に、所定のタイミング毎(例えば、1/30秒毎)に(ステップS307:YES)、画面画像を液晶表示装置5に出力する(ステップS308)。その結果、液晶表示装置5には2次元コード92が表示されることになる。
【0144】
一方、所定のタイミングではない場合には(ステップS307:NO)、処理をステップS307に戻す。
【0145】
その後、演出が終了していない場合には(ステップS310:NO)、ステップS300に処理を戻す。一方、演出が終了した場合には(ステップS310:YES)、パターンデータをクリアし(ステップS311)、処理をステップS300に戻す。
【0146】
ステップS320〜ステップS323、ステップS307、及び、ステップS308の処理を実行することにより、2次元コード92を液晶表示装置5に表示させるとき、表示制御回路250は、本発明における表示制御手段として機能する。
【0147】
本実施形態では、2次元コードが表示される場合について説明するが、本発明においては、1次元コード(バーコード)が表示されることとしてもよい。また、本実施形態では、2次元コードとしてQRコード(登録商標)を用いる場合について説明するが、本発明はこの例に限定されるものではない。
【0148】
また、本発明においては、コード化されるデータにパスワードを示す情報が含まれることとし、携帯端末機からサーバにアクセスしたときに、携帯端末機の表示部に演出の内容を設定するための演出選択画像を表示させるためには、当該パスワードを入力しなければならないこととしてもよい。
係る構成を採用することにより、所定の条件を成立させたことにより遊技機の備える表示手段に1次元又は2次元コードを表示させることができた遊技者だけが、携帯端末機で行われる演出の内容を設定することが可能となる。
これにより、携帯端末機で行われる演出の内容を設定することができる権利の希少価値を高めるとともに、所定の条件を成立させることへの期待感、及び、所定の条件を成立させることができたときの満足感を増大させることができる。
【0149】
また、本発明においては、コード化されるデータに時限情報を含ませることが可能である。すなわち、アドレス情報とその時点の日時を示すデータとをコード化した2次元コードを遊技機が表示し、サーバは、2次元コードに基づくアドレス情報とその時点の日時を示すデータとを受信又は生成した際、これらのデータを受信又は生成した日時と、アドレス情報を2次元コードにコード化した日時とに基づいて所定期間(例えば、1日、1週間等)が経過しているか否かを判断し、所定期間が経過していると判断した場合には、音再生用データを携帯端末機に送信せず、期限切れである旨を表す画像を携帯端末機に表示させるためのデータを、携帯端末機に送信することが可能である。
【0150】
図15は、本実施形態に係る遊技システムの一例を示すネットワーク構成図である。
遊技システム500は、パチスロ遊技装置1と、携帯電話機300と、携帯電話機300とインターネットを介して無線によりデータの送受信を行うことが可能なサーバ200とを備えている。
【0151】
上述したように、パチスロ遊技装置1では、BBが発生したとき、サーバ200のアドレス情報がコード化された2次元コード92が、液晶表示装置5に表示される。
遊技者は、携帯電話機300が備えるCCDカメラ308により、2次元コード92を撮像することができる。
【0152】
携帯電話機300は、CCDカメラ308が2次元コード92を撮像した際に得られる画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードから、サーバ200のアドレス情報を生成する。その結果、サーバ200にアクセスすることが可能となる。
【0153】
本実施形態においては、携帯電話機300とサーバ200とが無線によりデータの送受信を行う場合について説明するが、本発明は、この例に限定されず、有線により送受信を行うこととしてもよい。すなわち、本発明における通信回線には、有線と、無線による伝送路とが含まれる。
【0154】
図16は、演出選択画像の一例を示す図である。
サーバ200にアクセスすると、携帯電話機300の備える表示部306に演出選択画像350が表示される。
図16では、演出選択画像350の一例として、BBが発生したときに行われる演出の種類を選択する旨を促す画像を示している。遊技者は、この画像が表示されているときに携帯電話機300の備える操作部304を操作することにより、BBが発生したときに行われる演出の種類を選択することができる。
【0155】
図17(a)、(b)は、演出確定画像の一例を示す図である。
所定の遊技状態としてのBB、RB、及び、ATが発生したときに行われる演出の種類を、遊技者が図16を用いて説明した方法によって夫々選択すると、当該選択でよいか否かを確認する旨の画像(演出確定画像351)が表示される。
遊技者は、操作部304を操作して、「確定」を選択することにより、遊技状態と演出の種類との対応関係を確定することができる。
そして、遊技状態と演出の種類との対応関係が確定されたことを契機として、当該対応関係を示す情報が、携帯電話機300からサーバ200に送信される。
【0156】
なお、図17(a)の演出確定画像351aと、図17(b)の演出確定画像351bとでは、遊技状態と演出の種類との対応関係として、異なる対応関係が選択されている。
このように、本実施形態によれば、所定の遊技状態が発生したときに携帯電話機300で行われる演出として、遊技者ごとに異なる演出を設定することが可能であるため、遊技者は、他人とは異なる演出を楽しむことができる。
【0157】
図18は、振動パターン選択画像の一例を示す図である。
上述したように、携帯電話機300で行われる演出には、バイブレーションも用いられる。
図17を用いて説明した方法によって、遊技状態と演出の種類との対応関係が確定すると、振動のパターンを選択する旨を促す画像(振動パターン選択画像352)が表示部306に表示される。遊技者は、この画像が表示されているときに操作部304を操作することにより、どのような振動のパターンでバイブレーションを用いた演出を行わせるのかを選択することができる。
【0158】
図19は、携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
なお、携帯電話機300は、本発明における携帯端末機に相当する。
携帯電話機300は、操作部304、表示部306、撮像手段としてのCCDカメラ308、無線部310、音声回路312、スピーカ314、マイク316、送受信アンテナ318、不揮発性メモリ320、マイクロコンピュータ322、二次電池324、及び、接続端子330を備えている。
【0159】
無線部310は、マイクロコンピュータ322により制御されて、送受信アンテナ318を通じて電波を媒体として基地局に対して送受信する。音声回路312は、無線部310からマイクロコンピュータ322を通じて出力された受信信号をスピーカ314に出力するとともに、マイク316から出力された音声信号を送信信号としてマイクロコンピュータ322を通じて無線部310に出力する。
【0160】
スピーカ314は、音声回路312から出力された受信信号を受信音声に変換して出力し、マイク316は、操作者から発せられた送信音声を音声信号に変換して音声回路312に出力する。
CCDカメラ308は、パチスロ遊技装置1の液晶表示装置5に表示される2次元コード92を撮像可能であり、撮像して得られた画像データは不揮発性メモリ320に記憶される。本実施形態では、2次元コード92を撮像するための手段(撮像手段)としてCCDカメラを用いる場合について説明するが、本発明において、撮像手段は特に限定されるものではなく、例えば、CMOSセンサカメラ等を挙げることができる。
【0161】
不揮発性メモリ320は、例えば、CCDカメラ308が2次元コード92を撮像して得られた画像データ、待受画像用の画像データ、着メロ用の音楽データ等の各種データや各種プログラムを不揮発的に記憶する。
二次電池324は、各回路に電力を供給する。マイクロコンピュータ322は、CPU、ROM及びRAMから構成されたもので、例えば、電話の発着信処理、電子メールの作成送受信処理、インターネット処理等を行う。なお、電子メールの送受信及びインターネットによるデータの送受信は、マイクロコンピュータ322が無線部310及び送受信アンテナ318を介して行う。
接続端子330は、通信ケーブル45を接続することが可能なものである。接続端子330に通信ケーブル45を接続することにより、通信ケーブル45を介して、携帯電話機300とパチスロ遊技装置1とを接続することが可能である。
【0162】
マイクロコンピュータ322は、操作部304を介して入力された所定の指示に基づいて、インターネットを介してサーバ200から所定のプログラムをダウンロードし、不揮発性メモリ320に格納する。そして、マイクロコンピュータ322は、上記プログラムを不揮発性メモリ320から読み出して実行することにより、下記(A)〜(B)のように機能する。
【0163】
(A)マイクロコンピュータ322は、CCDカメラ308が2次元コード92を撮像した際に得られる画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードからアドレス情報を生成する。
(B)マイクロコンピュータ322は、上記(A)において生成されたアドレス情報を、無線部310及び送受信アンテナ318により、インターネットを介して、サーバ200に送信する。
【0164】
本実施形態では、携帯電話機300がサーバ200から、プログラムをダウンロードする場合について説明するが、予め携帯電話機300の不揮発性メモリ322に記憶される(プレインストールされる)こととしてもよい。
【0165】
図20は、サーバの内部構成を示すブロック図である。
サーバ200は、演算処理装置としてのCPU201と、ROM202と、RAM203と、携帯電話機300とインターネットを介して通信するための通信用インターフェイス回路204と、ハードディスクドライブ205とを備えている。
【0166】
ハードディスクドライブ205には、個別演出実行プログラムと、バイブレーション演出実行プログラムと、演出実行テーブルデータと、演出実行待機プログラムとが記憶されている。
個別演出実行プログラムは、所定の遊技状態の夫々に対応する各演出を、携帯電話機300において実行させるためのプログラムである。本実施形態において、遊技者が選択し得る演出は、「宇宙大冒険」、「やす太郎の名推理」、「ねこのデート」、「恐竜の世界」、「チョコレート大王」、「打ち上げ花火」の合計6種類であるので、これら6種類の演出に対応する6種類のプログラムが、ハードディスクドライブ205に記憶されている。
バイブレーション演出実行プログラムは、バイブレーションを用いた演出を、携帯電話機300において実行させるためのプログラムである。
【0167】
演出実行テーブルデータは、所定の遊技状態の夫々に割り当てられた識別コードと、携帯電話機300において行われる演出の種類とを対応付けたテーブルを示すデータである。本実施形態においては、BB、RB、ATという3種類の遊技状態と、上記6種類の演出との対応関係として存在し得る組合せの数だけ、演出実行テーブルデータが存在する。
図21に演出実行テーブルの一例を示している。
遊技者が図17(a)のように遊技状態と演出の種類との対応関係を設定したとき、ハードディスクドライブ205に記憶されている演出実行テーブルデータのなかから、図21(a)に示す演出実行テーブルを示す演出実行テーブルデータが特定され、該演出実行テーブルデータが、携帯電話機300に対して送信される。
また、遊技者が図17(b)のように遊技状態と演出の種類との対応関係を設定したとき、ハードディスクドライブ205に記憶されている演出実行テーブルデータのなかから、図21(b)に示す演出実行テーブルを示す演出実行テーブルデータが特定され、該演出実行テーブルデータが、携帯電話機300に対して送信される。
【0168】
演出実行待機プログラムは、携帯電話機300がパチスロ遊技装置1と接続されたことを契機として実行されるプログラムである。演出実行待機プログラムが実行されることにより、携帯電話機300の備えるマイクロコンピュータ322は、図24に示す演出実行処理を行うことが可能となる。
【0169】
本実施形態では、サーバ200から携帯電話機300に対して、個別演出実行プログラムと、バイブレーション演出実行プログラムと、演出実行テーブルデータと、演出実行待機プログラムとが送信されることとしている。しかし、本発明において、携帯端末機がこれらのプログラム及びデータを取得する方法は、この例に限定されない。例えば、遊技機と所定の方法で通信することにより、遊技機から取得することとしてもよいし、予め携帯端末機の不揮発性メモリにプレインストールされることとしてもよい。
【0170】
図22は、携帯電話機とサーバとにおいて行われる処理を示すフローチャートである。
まず、携帯電話機300が備えるマイクロコンピュータ322は、操作部304を介して入力された指示に基づいて、CCDカメラ308を駆動させ、CCDカメラ308は、パチスロ遊技装置1の液晶表示装置5に表示された画面画像に含まれる2次元コード92を撮像する(ステップS500)。
【0171】
その後、マイクロコンピュータ322は、ステップS500において得られた画像データを不揮発性メモリ320に記憶させる(ステップS501)。
次に、マイクロコンピュータ322は、2次元コード認識処理を行い(ステップS502)、ステップS500において得られた画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードからアドレス情報を生成する。2次元コード認識処理については、後で詳述することにする。
【0172】
次に、マイクロコンピュータ322は、ステップS502における2次元コード認識処理により得られたアドレス情報を、携帯電話機300のIDデータとともに、無線部310及び送受信アンテナ318により、インターネットを介してサーバ200に送信する(ステップS503)。
【0173】
次に、マイクロコンピュータ322は、携帯電話機300において行われる演出を遊技者が設定するための画像を、表示部306に表示させる(ステップS504)。この処理において、マイクロコンピュータ322は、図16〜図18に示した演出選択画像350、演出確定画像351、及び、振動パターン選択画像352を順次表示させる。
【0174】
次に、マイクロコンピュータ322は、遊技者が操作部304を操作することにより選択した遊技状態と演出の種類との対応関係、及び、振動のパターンを示す情報を含む信号を、インターネットを介して、サーバ200に対して送信する(ステップS505)。
【0175】
該信号を受信すると、サーバ200が備えるCPU201は、個別演出実行プログラムと、バイブレーション演出実行プログラムと、演出実行テーブルデータと、演出実行待機プログラムとを、インターネットを介して、携帯電話機300に対して送信する(ステップS601)。
この処理において、CPU201は、該信号に含まれる遊技状態と演出の種類との対応関係を示す情報に基づいて、該対応関係を示す演出実行テーブルデータを特定し、特定された演出実行テーブルデータを携帯電話機300に対して送信する。
また、CPU201は、該信号に含まれる演出の種類を示す情報に基づいて、当該演出に対応する個別演出実行プログラムを、ハードディスクドライブ205から抽出し、携帯電話機300に対して送信する。
また、CPU201は、該信号に含まれる振動のパターンを示す情報に基づいて、当該振動のパターンに対応するバイブレーション演出実行プログラムを、ハードディスクドライブ205から抽出し、携帯電話機300に対して送信する。
【0176】
ステップS601の処理を実行するとき、サーバ200は、本発明における送信手段として機能する。
本実施形態では、演出実行テーブルデータは、予めハードディスクドライブ205に記憶されていることとしている。しかし、本発明においては、サーバが遊技状態と演出の種類との対応関係を示す情報を受信したとき、該対応関係に基づいて、新たに演出実行テーブルデータが生成されるように構成されていてもよい。
【0177】
ステップS601においてサーバ200から送信される個別演出実行プログラムと、バイブレーション演出実行プログラムと、演出実行テーブルデータと、演出実行待機プログラムとを受信すると、携帯電話機300の備えるマイクロコンピュータ322は、これらのデータ及びプログラムを不揮発性メモリ320に記憶させる(ステップS506)。
【0178】
図23は、図22に示した処理のステップS502において呼び出されて実行される2次元コード認識処理を示すフローチャートである。
まず、マイクロコンピュータ322は、不揮発性メモリ320に記憶された画像データに対して画像変換処理を行う(ステップS700)。画像変換処理は、撮像されて得られた画像データから、2次元コードが表示されている領域の画像データを抜き出し、傾きや歪みを補正し、所定の閾値によりモノクロ画像に変換し、正面視した2次元コードを含む画像データを得る処理である。
【0179】
次に、マイクロコンピュータ322は、ステップS700において得られた画像データから2次元コードを抽出し、ノイズ除去等の補正を行う(ステップS701)。
次に、マイクロコンピュータ322は、ステップS701において得られた2次元コードの2値化処理を行い、2次元コードを構成する各ドットを“0”又は“1”に置き換え(ステップS702)、2値化マトリックスデータを生成する(ステップS703)。
次に、マイクロコンピュータ322は、2値化マトリックスデータをデコードし(ステップS704)、アドレス情報を生成する(ステップS705)。その後、本サブルーチンを終了し、図22に示したフローチャートのステップS503に処理を移すのである。
【0180】
図24は、携帯電話機において行われる演出実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンは、携帯電話機300がパチスロ遊技装置1と接続されたことを契機として、演出実行待機プログラムが読み出されて実行されることにより行われる。
まず、携帯電話機300の備えるマイクロコンピュータ322は、所定のタイミングで、パチスロ遊技装置1からトリガー信号を受信したか否かを判断する(ステップS801)。トリガー信号を受信していないと判断した場合、マイクロコンピュータ322は、本サブルーチンを終了する。
【0181】
一方、トリガー信号を受信したと判断した場合、マイクロコンピュータ322は、サーバ200から受信して不揮発性メモリ320に記憶されている演出実行テーブルデータを参照することにより、トリガー信号に含まれている識別コードデータが示す識別コードと対応付けられた演出の種類を特定する(ステップS802)。
【0182】
そして、マイクロコンピュータ322は、特定された演出に対応する個別演出実行プログラムを不揮発性メモリ320から読み出して実行することにより、当該演出を行う(ステップS803)。また、マイクロコンピュータ322は、バイブレーション演出実行プログラムを読み出して実行することにより、バイブレーションを用いた演出を行う。
その後、マイクロコンピュータ322は、本サブルーチンを終了する。
【0183】
以上、本実施形態に係る遊技システム500によれば、パチスロ遊技装置1においてBBが発生したとき、携帯電話機300からサーバ200にアクセスするためのアドレス情報を含む2次元コード92が液晶表示装置5に表示される。遊技者は、携帯電話機300の備えるCCDカメラ308で2次元コード92を撮像することにより、サーバ200にアクセスすることが可能となる。
サーバにアクセスすると、演出選択画像350が、携帯電話機300の備える表示部306に表示される。演出選択画像350は、パチスロ遊技装置1において所定の遊技状態(BB、RB、又は、AT)が発生したときに携帯電話機300で行われる演出の種類を設定するための画像である。遊技者は、携帯電話機300の備える操作部304を操作することにより、BB、RB、ATのうちどの遊技状態が発生したときにどの演出を行わせるのかを設定することができる。
本実施形態に係る遊技システム500によれば、その後、パチスロ遊技装置1において所定の遊技状態(BB、RB、又は、AT)が発生したとき、発生した遊技状態と対応付けて設定された演出が、携帯電話機300において行われることとなる。
このように、遊技者自身が決定した演出が行われるため、遊技者は、他人とは異なる自分だけの演出を楽しむことができる。
また、自らが決定した演出が行われるため、遊技者は、当該演出に愛着を感じるとともに、それだけ遊技に夢中になり、遊技に飽きにくくなる。
さらに、本実施形態に係る遊技システム500によれば、携帯電話機300で行われる演出の内容を設定するために必要となるサーバ200のアドレス情報は、BBという“大当たり”が発生したときに入手することができる。これにより、遊技者に対して、通常にも増して、BBに入賞することを期待させるとともに、BBに入賞したときの高揚感を一層高めることができる。
【0184】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】通信ケーブルにより接続されたパチスロ遊技装置と携帯電話機とを示す図である。
【図2】携帯電話機において行われる演出の一例を示す図である。
【図3】図1に示したパチスロ遊技装置の一例を模式的に示す斜視図である。
【図4】図3に示したパチスロ遊技装置が備える液晶表示装置近傍を示す拡大正面図である。
【図5】図3に示したパチスロ遊技装置が備える液晶表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】図4に示した液晶表示装置の一部の構成の展開図である。
【図7】図3に示したパチスロ遊技装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】図6に示した副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図9】遊技状態識別テーブルの一例を示す図である。
【図10】主制御回路において行われる処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】副制御回路において行われるコマンド受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図12】副制御回路において行われるコマンド受信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図13】図11に示したサブルーチンのステップS232において呼び出されて実行されるエンコード処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図14】表示制御回路において行われる表示制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】本実施形態に係る遊技システムの一例を示すネットワーク構成図である。
【図16】演出選択画像の一例を示す図である。
【図17】(a)、(b)は、演出確定画像の一例を示す図である。
【図18】振動パターン選択画像の一例を示す図である。
【図19】携帯電話機の内部構成を示すブロック図である。
【図20】サーバの内部構成を示すブロック図である。
【図21】演出実行テーブルの一例を示す図である。
【図22】携帯電話機とサーバとにおいて行われる処理を示すフローチャートである。
【図23】図22に示した処理のステップS502において呼び出されて実行される2次元コード認識処理を示すフローチャートである。
【図24】携帯電話機において行われる演出実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0186】
1 パチスロ遊技装置
2 筐体
3(3L、3C、3R) 回転リール
5 液晶表示装置
21(21L、21R) スピーカ
34 透明液晶パネル
36 反射フィルム
41 CPU
42 ROM
43 RAM
44 USBポート
45 USBケーブル
81 主制御回路
82 副制御回路
92 2次元コード
200 サーバ
201 CPU
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
300 携帯電話機
306 表示部
307 携帯演出画像
308 CCDカメラ
320 不揮発性メモリ
322 マイクロコンピュータ
330 接続端子
350 演出選択画像
351(351a、351b) 演出確定画像
352 振動パターン選択画像
500 遊技システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機との通信を行うことが可能な通信手段と、
所定の遊技状態を発生させるか否かを決定する遊技状態発生手段と、
前記遊技状態発生手段により所定の遊技状態を発生させると決定された場合に、発生させると決定された遊技状態の種類を示す情報を含むトリガー信号を、前記通信手段を介して、前記携帯端末機に対して送信するトリガー信号送信手段とを備え、
前記トリガー信号は、
該携帯端末機の備える入力手段からの入力により決定された、複数の前記所定の遊技状態の夫々と前記携帯端末機において行われる演出の種類との対応関係、及び、該トリガー信号に含まれる情報が示す遊技状態の種類に基づいて特定される演出を、該携帯端末機に行わせるものである
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機が備える通信手段を介して該遊技機と通信を行うことが可能な携帯端末機との通信が可能なサーバであって、
前記サーバは、
前記携帯端末機の備える入力手段からの入力により決定された前記対応関係を示す情報を含む信号を、前記携帯端末機から受信したとき、複数の個別演出実行プログラム及び該対応関係に基づいて決定される演出実行テーブルデータを、前記携帯端末機に送信する送信手段を備えており、
前記演出実行テーブルデータは、
複数の前記所定の遊技状態の夫々に割り当てられた識別コードと、前記携帯端末機において行われる演出の種類とを対応付けたテーブルを示すデータであり、
複数の個別演出実行プログラムの夫々は、
複数の前記所定の遊技状態の夫々に対応する各演出を、前記携帯端末機において実行させるためのものである
ことを特徴とするサーバ。
【請求項3】
前記遊技機は、更に、
画像を表示することが可能な表示手段と、
所定の条件が成立したときに、請求項2に記載のサーバにアクセスするためのアドレス情報を含む1次元又は2次元コードを前記表示手段に表示する表示制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の遊技機と、請求項2に記載のサーバとを備える遊技システムであって、
前記トリガー信号は、
前記遊技状態発生手段により発生させると決定された遊技状態の種類を示す情報として、前記識別コードを示す識別コードデータを含み、
前記演出実行テーブルデータと、該トリガー信号に含まれる識別コードデータが示す識別コードとに基づいて特定される演出を、該携帯端末機に行わせるものである
ことを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−101016(P2009−101016A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−276863(P2007−276863)
【出願日】平成19年10月24日(2007.10.24)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】