説明

遊技機

【課題】大入賞口内に貯留された遊技球に遊技をさせ、興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】変動入賞装置と、変動入賞装置の動作を制御する制御装置と、を備える遊技機において、球止め部材によって案内流路が開放された場合に球止め部材よりも下流の案内流路を流下する遊技球を特別入賞領域又は一般入賞領域に分別する分別機構を備え、分別機構によって遊技球が特別入賞領域に分別された場合には、変動表示ゲームで特別演出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定条件が成立した場合に可変入賞装置が入賞部を開状態する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、表示状態が変化可能な可変表示装置を含み、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合にいわゆる“大当り”となり、大入賞口が開放状態になるなどして遊技者にとって有利な遊技状態となる遊技機があった。
【0003】
この種の遊技機として、大入賞口に入賞した遊技球を貯留し遊技者に貯留球を見せて楽しませる遊技機が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−182831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された遊技機は、大入賞口内の貯留球が貯留解除後に何ら遊技をするものでないため、単調となってしまうものであった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、大入賞口内に貯留された遊技球に遊技をさせ、興趣を向上させる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、図柄を変動表示させる変動表示ゲームの停止結果によって、入賞部を遊技者に不利な閉状態から遊技者に有利な開状態にする変動入賞装置と、前記変動入賞装置の動作を制御する制御装置と、を備える遊技機において、前記入賞部に入賞した遊技球が流下する案内流路と、前記案内流路を遮断して、上流の前記案内流路に遊技球を貯留させる貯留部を形成するとともに、前記案内流路を開放して、前記貯留部に貯留されていた遊技球を下流の前記案内流路に案内させる球止め部材と、前記球止め部材よりも下流に案内された遊技球を特別入賞領域又は一般入賞領域に分別する分別機構と、遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、前記制御装置は、前記変動表示ゲームが所定の段階で前記操作手段が遊技者に操作された場合に、乱数を抽出する乱数抽出手段と、前記乱数抽出手段によって抽出された乱数に基づいて、前記球止め部材が前記案内流路を開放している時間を設定する開放時間設定手段と、前記分別機構によって遊技球が前記特別入賞領域に分別された場合には、前記変動表示ゲームで特別演出を行う特別演出手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、前記分別機構は、回転可能な回転部材と、前記球止め部材によって前記案内流路が開放された場合に前記球止め部材よりも下流の前記案内流路を流下する遊技球を前記回転部材へ誘導する誘導部と、を有し、前記回転部材は、前記誘導部の遊技球を前記一般入賞領域に導く突起と、遊技球を収納し前記特別入賞領域に導くことが可能な球収納部と、を有し、前記回転部材が回転することによって前記球収納部又は前記突起が前記誘導部の下流端に位置するまで、前記誘導部に遊技球が停留し、前記誘導部に停留した遊技球は、前記誘導部の下流端に前記球収納部が位置する場合には、前記球収納部に収納され、前記特別入賞領域に導かれるとともに、前記誘導部の下流端に前記突起が位置する場合には、前記突起によって前記一般入賞領域に導かれることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、前記入賞部には、前記貯留部と連通する連通開口が形成され、前記変動入賞装置は、前記入賞部を前記閉状態又は前記開状態にする第1開閉部材及び前記第2開閉部材を有し、前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材は前記入賞部の入口を開閉可能であり、前記第1開閉部材が前記入賞部の入口を開放していても、前記第2開閉部材が前記入賞部の入口を閉塞している場合には、遊技球は前記連通開口に流入しないことを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、前記第1開閉部材は第1駆動源によって下端部を回転軸として開閉可能であり、前記入賞部の入口の中央部を開閉する中央扉であり、前記第2開閉部材は第2駆動源の駆動によって下端部を回転軸として開閉可能であり、前記入賞部の入口の左右両端部を開閉する左右扉であり、前記左右扉は、前記入賞部の入口の左端部を開閉する左扉と、前記入賞部の入口の右端部を開閉する右扉と、前記左扉と前記右扉とを連結する連結部と、を備え、前記第1駆動源の駆動によって、前記中央扉が開状態となり、前記入賞部の入口の中央部から遊技球が受け入れられ、前記第2駆動源の駆動によって、前記左右扉が開動作するのに伴って、前記連結部が前記中央扉に当接して前記中央扉が連動して開動作し、前記入賞部の入口の中央部及び左右両端部から遊技球が受け入れられ、前記入賞部の左右一端部には、前記連通開口が形成され、前記中央扉のみが開状態となった場合に前記左右扉によって前記連通開口が閉塞され、前記左右扉が開動作することによって前記中央扉及び前記左右扉が開状態になった場合に、前記連通開口が開放されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明によると、案内流路に貯留された遊技球が特別入賞領域又は一般入賞領域に分別され、特別入賞領域に遊技球が分別された場合には、変動表示ゲームにおいて特別演出が行われるので、遊技の興趣が向上する。また、操作手段が操作されることによって、球止め部材の開放時間、つまり分別機構まで導かれる遊技球の個数が決定されるため、遊技者に操作手段を操作させる動機づけとなり、遊技者を遊技に積極的に参加させることができ、遊技の興趣が向上する。
【0012】
第2の発明によると、回転部材の球収納部によって特別入賞領域に導かれ、回転部材の突起によって一般入賞領域に導かれるので、遊技者は特別入賞領域に導かれるか否かを即座に把握できる。
【0013】
第3及び第4の発明によると、第1開閉部材及び第2開閉部材の状態によって案内流路を流下するか否かが決定されるので、遊技の興趣が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技機(パチンコ機)の遊技盤の正面側斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の特別変動入賞装置の中央扉が開状態であり、左右扉が閉状態である場合のセンターケースの拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の特別変動入賞装置の中央扉及び左右扉が閉状態である場合のセンターケースの拡大斜視図である。
【図4】本発明の実施形態の特別変動入賞装置の中央扉及び左右扉が開状態である場合のセンターケース21の拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施形態のセンターケースの裏面側の斜視図である。
【図6】本発明の実施形態のセンターケースの前面を除いたセンターケースの斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の制御装置のブロック図である。
【図8】本発明の実施形態の乱数更新処理のフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の乱数抽出処理のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の出力時間設定処理のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態のプレミアム演出フラグ設定処理のフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態のプレミアム演出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。
【0016】
なお、以下の実施の形態の説明において記す前後左右とは、遊技者から見た、つまり遊技機に向かって見た方向を指すものとする。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機(パチンコ機)の遊技盤1の正面側斜視図である。
【0018】
図1に示すように、遊技盤1は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体2の表面に、区画部材としてのガイドレール10等を設けることで略円形状の遊技領域11を区画形成している。
【0019】
遊技機は、遊技者の操作に基づいて発射装置(図示省略)から遊技球を発射させ、遊技領域11内に流下させることにより遊技を行うものである。遊技者は、遊技盤1を覆うカバーガラス(図示省略)を通じて遊技領域11を視認することができる。
【0020】
遊技領域11には、開口窓部21aを有するセンターケース(包囲枠体)21が配設される。センターケース21の後方には、複数の識別情報を変動表示する変動表示装置22が、その表示部22aがセンターケース21の開口窓部21aに臨む状態で配設される。
【0021】
遊技盤1にはセンターケース21の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース21は、その開口に遊技盤1の前方から嵌装される。また、センターケース21の開口窓部21aは、開口窓部21aから臨む変動表示装置22の表示部22aが遊技領域11のほぼ中央に配置されるように形成されている。
【0022】
変動表示装置22では、表示部22aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの変動表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立して画像表示がなされる。本実施の形態では、例えば、任意の画像を表示可能な液晶表示器等で表示画面部分が構成され、この表示画面上の各変動表示領域には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。
【0023】
遊技領域11におけるセンターケース21の下方でかつ遊技領域11の略中央には、普通変動入賞装置(可動部材)23を有するチューリップタイプの始動入賞口24が配設される。始動入賞口に遊技球が入賞した場合には、変動表示装置22で複数の識別情報が変動表示する特図変動表示ゲームが実行される。
【0024】
センターケース21の上部には、特図変動表示ゲームの結果に対応して、遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な特別変動入賞装置25が配設される。
【0025】
具体的には、特別変動入賞装置25の大入賞口65を開閉する開閉部材66が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れ易い開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口65が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。特別変動入賞装置25については、後に詳述する。
【0026】
また、遊技領域11におけるセンターケース21の左側方には、普図変動表示ゲームを実行する契機となる普通図柄始動ゲート26が配設される。
【0027】
センターケース21の下方に配設される普通変動入賞装置23は、始動入賞口24の入口を拡縮するように、左右方向に開閉可能な一対の羽根部材であり、通常時には始動入賞口24に遊技球が入賞しない状態、若しくは、入賞しにくい(遊技者に不利な状態)である閉状態であり、普図変動表示ゲームの結果態様が特別の結果態様になった場合に始動入賞口24に遊技球がしやすい状態(遊技者に有利な状態)である開状態に変換される。
【0028】
遊技領域11における始動入賞口24の左側方には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口27が配設される。
【0029】
遊技領域11には、この他に、遊技球の落下方向を変える風車(図示省略)や釘(図示省略)等の方向変換部材、及び入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口30等が配設される。
【0030】
発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレール10の左側部側に区画され遊技球を案内する発射球案内通路31から遊技領域11に発射され、遊技領域11内の各所に配置された方向変換部材によって落下方向を変えながら遊技領域11を流下し、普通図柄始動ゲート26、始動入賞口24、一般入賞口27、又は特別変動入賞装置25に入賞するか、遊技領域11の最下部に設けられたアウト口30から排出される。
【0031】
一般入賞口27及び特別変動入賞装置25に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置(図示省略)から排出される。
【0032】
始動入賞口24に遊技球が入賞すると、上限数の範囲内で特図始動記憶が記憶され、先に記憶された特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームから順に開始される。
【0033】
始動入賞口24への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされたときには大当り状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当り図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置25は、大入賞口65が所定の時間だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口65が所定の時間だけ大きく開くので、この間遊技者には、多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
【0034】
なお、大当たり状態の終了後に、大当たりになる確率を高くする確変状態、又は、特図変動表示ゲームの実行時間を通常状態よりも短縮する時短状態が発生する場合がある。
【0035】
また、普通図柄始動ゲート26を遊技球が通過すると、上限数の範囲内で普図始動記憶が記憶され、図示しない普図変動表示器で普図変動表示ゲームが開始される。普通図柄始動ゲート26への遊技球の通過が所定のタイミングでなされたときには普通図柄に関する当り状態となり、普図変動表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止する。このとき、始動入賞口24に設けられた普通変動入賞装置23は、始動入賞口24への入口が所定の時間だけ拡開するように変換され、始動入賞口24への遊技球の入賞可能性が高められる。
【0036】
次に、センターケース21について説明する。
【0037】
センターケース21は、異形リング状の部材であり、遊技盤1に形成された開口に遊技盤1の前方から嵌装され、遊技盤1に対して固定される。センターケース21は合成樹脂にて形成される。
【0038】
センターケース21の外周には、外側に向かって突設する鍔部39が形成される。センターケース21は、鍔部39を介して遊技盤1に固定され、鍔部39よりも前方側が遊技領域11内に配置されることになる。
【0039】
センターケース21が遊技盤1に固定された状態では、遊技盤1には背面に変動表示装置22の表示部22aが配置された凹室40が形成される。
【0040】
凹室40の右下方には、大入賞口65に入賞した遊技球が流下する案内流路80によって案内された遊技球を特別入賞領域71(図5参照)又は一般入賞領域72に分別する分別機構70が配設される。
【0041】
特別入賞領域71に遊技球が分別された場合、次に実行される特図変動表示ゲームがプレミアム演出で実行される。なお、この処理については、図11及び図12で詳細を説明する。一方、一般入賞領域72に遊技球が分別された場合には、何も実行されない。
【0042】
センターケース21の右側から下方にかけて、大入賞口65に入賞した遊技球のうち右開口652から受け入れられた遊技球を、遊技者に視認可能に分別機構70に案内する案内流路80が配設される。なお、案内流路80は、流下する遊技球が視認可能に配設される。
【0043】
案内流路80は、複数の折曲部81A〜81Eを有し、ジグザグ状の形状に形成されている。具体的には、案内流路80は、ガイド41の右端部から右方向に向かって下り傾斜して延設し、右開口652に受け入れられた遊技球が流入する第1流路80A、第1流路80Aが折れ曲がる第1折曲部81A、第1折曲部81Aから左方向に向かって下り傾斜して延設する第2流路80B、第2流路80Bが折れ曲がる第2折曲部81B、第2折曲部81Bから鉛直下方向に延設する第3流路80C、第3流路80Cが折れ曲がる第3折曲部81C、第3折曲部81Cから右方向に下り傾斜して延設する第4流路80D、第4流路80Dが折れ曲がる第4折曲部81D、第4折曲部81Dから右方向に下り傾斜して延設する第5流路80E、第5流路80Eが折れ曲がる第5折曲部81E、第5折曲部81Eから右方向に下り傾斜し、遊技球を分別機構70まで案内する第6流路80Fを有する。
【0044】
第5流路80Eには、遊技球が第5流路80Eを流下できなくするために、第5流路80Eを閉塞(遮断)する球止め部材82が設けられる。
【0045】
球止め部材82は、第5流路80Eを形成する後方の側面から前方側に向かって突出可能な板状の部材である。球止め部材82が第5流路80Eを形成する側面から突出した場合に遊技球が球止め部材82に当接して、第5流路80Eが閉塞され、球止め部材82よりも下流の案内流路80を遊技球が流下できなくなる。
【0046】
球止め部材82が突出して遊技球の流下を妨げている場合には、球止め部材82の上流の案内流路80には遊技球が貯留するので、案内流路80のうち球止め部材82よりも上流側に位置する流路を貯留部という。なお、貯留部は、約30個程度の遊技球が貯留できれば、球止め部材82は、第5流路80Eに設けられなくてもよく、案内流路80のいずれかの位置に設けられていればよい。
【0047】
また、第6流路80Fの下流端には、第6流路80Fの下流端の後方に位置する分別機構70まで遊技球を案内するための案内溝83が形成されている。案内溝83は、後方に向かって下り傾斜し、後方の溝幅が広くなるように形成されている。
【0048】
分別機構70は、一個の遊技球を収納可能な球収納部75と二つの突起76(図6参照)を有する回転部材77、及び、案内溝83によって案内された遊技球を回転部材77まで誘導する誘導部73を備える。
【0049】
回転部材77は、円形状をしており、等間隔(120度)で二つの突起76と球収納部75とが形成され、反時計周りに回転する。
【0050】
誘導部73は、幅方向の中央が窪み、後方に下り傾斜するとともに、後方の幅が広くなるように形成されている。また、誘導部73の左右両側には、一般入賞領域72となる開口が形成されている。
【0051】
このため、誘導部73に案内された遊技球は、回転部材77に当接することによって、誘導部73の窪みに停留し、その後回転部材77の突起76が誘導部73の下流端の位置し、突起76によって一般入賞領域72となる開口に落下させられるか、又は、回転部材77の球収納部75が誘導部73の下流端に位置し、回転部材77の球収納部75に収納される。
【0052】
なお、誘導部73に案内された遊技球のうち、流下勢が所定よりも強い遊技球は、誘導部73に停留することなく、一般入賞領域72となる開口に落下する。
【0053】
次に、特別変動入賞装置25を、図2〜図4を用いて説明する。
【0054】
図2は、本発明の実施形態の特別変動入賞装置25の中央扉67が開状態であり、左右扉68が閉状態である場合のセンターケース21の拡大斜視図である。図3は、本発明の実施形態の特別変動入賞装置25の中央扉67及び左右扉68が閉状態である場合のセンターケース21の拡大斜視図である。図4は、本発明の実施形態の特別変動入賞装置25の中央扉67及び左右扉68が開状態である場合のセンターケース21の拡大斜視図である。
【0055】
特別変動入賞装置25は、遊技球が入賞する大入賞口65を開閉可能な開閉部材66を有し、開閉部材66が変動表示装置22の作動結果によって閉状態と開状態に変換され、遊技領域11を流下する遊技球が大入賞口65に入賞すると所定の賞球を付与するものである。
【0056】
具体的には、特図変動表示ゲームの結果、大当たりとなれば、変動表示装置22の三つの表示図柄が揃った状態で停止し、特別遊技状態が生起される。特別遊技状態では、開閉部材66は、遊技球を受け入れない遊技者に不利な閉状態から遊技球を受け入れ易い遊技者に有利な開状態に変換される。
【0057】
大入賞口65は、センターケース21の上方に形成されるベース部210の前面に横長状に開口して形成される。
【0058】
開閉部材66は、大入賞口65の中央部を開閉する中央扉67と、中央扉67の左右に配置され大入賞口65の左右両端部を開閉する左右扉68とを備える。
【0059】
中央扉67は、横長状に形成された扉部67aと、扉部67aの下端部に連結され左右方向に延びるロッド部67bとを備える。ロッド部67bの両端には中空部が形成される。中央扉67は、ロッド部67bを回転軸として開閉する。
【0060】
ロッド部67bの中央部付近には、中央扉67の開度が所定以上となることを規制するストッパ部67cが形成される。中央扉67が開動作する過程で、ストッパ部67cがベース部210の前面に当接して、それ以上の開動作が規制される。つまり、ストッパ部67cは中央扉67の最大開度を規定するものである。
【0061】
左右扉68は、大入賞口65の左端部を開閉する左扉68Aと、大入賞口65の右端部を開閉する右扉68Bと、左扉68Aと右扉68Bとを連結する連結部68Cとを備える。
【0062】
左扉68A及び右扉68Bは、遊技球1個程度の幅を有する扉部68aと、扉部68aの下端部に連結され左右方向に延びるロッド部68bとを備える。
【0063】
連結部68Cは、左扉68Aと右扉68Bの上端部に亘って左右方向に延在して形成される。連結部68Cによって、左扉68Aと右扉68Bは一体に形成される。したがって、左扉68Aと右扉68Bは一体に開閉する。左右扉68は、ロッド部68bを回転軸として開閉する。
【0064】
また、左右扉68のロッド部68bは、中央扉67のロッド部67bの上方に、かつロッド部67bと平行に配置される。
【0065】
図4に示すように、大入賞口65の内周上縁部には、左右扉68が閉状態において、左扉68A及び右扉68Bの背面上端部が当接するストッパ部78が形成される。つまり、ストッパ部78は、左右扉68の閉状態を規定するものである。
【0066】
中央扉67と左右扉68の位置関係について説明すると、図3に示すように、中央扉67及び左右扉68が閉状態である場合には、中央扉67は、背面上端部が左右扉68の連結部68Cの前面に当接した状態となる。
【0067】
中央扉67及び左右扉68が閉状態である場合において、左右扉68が開動作した場合には、連結部68Cの前面には中央扉67が当接しているため、左右扉68の開動作に伴って中央扉67も連動して開動作する。そして、中央扉67のストッパ部67cがベース部210の前面に当接することによって、左右扉68の開動作が規制される。このように、左右扉68が開動作する場合には、中央扉67も連動して開動作する。これに対して、図2に示すように、中央扉67は単独で開動作可能である。
【0068】
以上のように、中央扉67は単独で開閉動作可能であるのに対して、左右扉68が開閉動作する場合には、中央扉67も連動して開閉動作する。
【0069】
開閉部材66は、特図変動表示ゲームの結果、大当たりとなり特別遊技状態が生起されれば開状態となるが、中央扉67は、第1特別遊技状態が生起された場合に開状態となり、左右扉68は、第2特別遊技状態が生起された場合に開状態となる。つまり、第2特別遊技状態が生起された場合には、左右扉68及び中央扉67の両方が開状態となる。
【0070】
第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態のいずれかが生起されるかは、変動表示装置22の大当たり図柄に応じて決定される。つまり、予め定められた大当たり図柄に基づいて第1特別遊技状態又は第2特別遊技状態が生起される。
【0071】
第1特別遊技状態が生起され中央扉67のみが開状態となった場合には、遊技球は大入賞口65の中央部のみから入賞する。これに対して、第2特別遊技状態が生起され中央扉67及び左右扉68が開状態となった場合には、遊技球は大入賞口65の中央部及び左右両端部から入賞する。
【0072】
このように、第2特別遊技状態では、第1特別遊技状態と比較して大入賞口65の開口面積はより大きいため、遊技者にとってより有利となる。このように、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とでは、大入賞口65の開口面積が異なるため、大入賞口65への遊技球の入賞率を調整することができる。さらに、第2特別遊技状態では、第1特別遊技状態と比較して大入賞口65の開口面積が左右両側に拡大するため、大入賞口65への遊技球の入賞率の調整の自由度が高い。
【0073】
次に、ベース部210の背面側の構造について説明する。
【0074】
ベース部210の背面には、裏箱部材90が取り付けられている。
【0075】
裏箱部材90は、中央扉67を開閉するための第1ソレノイド86、及び左右扉68を開閉するための第2ソレノイド87が締結され、第1ソレノイド86及び第2ソレノイド87を駆動させるための基板が取り付けられる基板ホルダ91と、基板ホルダ91の前方に取り付けられ、大入賞口65に遊技球が入賞したことを検出するセンサ(図6に示す左開口SW651A及び右開口SW652B)が取り付けられるセンサホルダ92と、からなる。
【0076】
また、センサホルダ92は、ベース部210の背面から後方に突出して形成される取付ホルダ部85に取り付けられる。
【0077】
取付ホルダ部85は、センターケース21の一部であり、大入賞口65に入賞した遊技球を受け入れ可能なように、前面が開口した箱型形状に形成される。取付ホルダ部85の底部の右端部には右開口652が形成され、底部の左端部の後方には左開口651が形成される。
【0078】
また、取付ホルダ部85の底部の中央部には、右側に向かって下り傾斜する中央傾斜部653が形成され、取付ホルダ部85の底部の左端部には、後方に位置する左開口651に遊技球を案内するために、後方に向かって下り傾斜する左開口案内部654が形成される。
【0079】
なお、図2に示すように、左右扉68が閉状態である場合に右開口652は右扉68Bによって閉塞され、左右扉68が開状態である場合に右開口652は開放される。左右扉68が閉状態で、中央扉67が開状態である場合には、中央傾斜部653又は左開口案内部654に遊技球が流入する。左開口案内部654に遊技球が流入した場合、遊技球は左開口案内部654上を転動して、左開口651に流入する。一方、中央傾斜部653に遊技球が流入した場合、流入した遊技球は、中央傾斜部653上を転動し、左開口案内部654に流下して、左開口651に流入する。
【0080】
つまり、左右扉68が閉状態で、中央扉67が開状態である場合には、右開口652には遊技球は流入し得ず、左右扉68が開状態となった場合にのみ遊技球は右開口652に流入可能となる。
【0081】
左開口651に流入した遊技球は、左開口SW651Aによって左開口651に流入したことを検出されてから、図5に示すセンターケース21の裏面側に形成された排出流路93を流下し、センターケース21の外部へ排出される。
【0082】
右開口652に流入した遊技球は、右開口SW652Aによって右開口652に流入したことを検出されて、図6に示すように、右開口652の下方に配設された導入流路94を流下し、案内流路80の第1流路80Aに導かれる。
【0083】
次に、分別機構70について図2〜図4を用いて説明する。
【0084】
図2は、球止め部材82が案内流路80の第5流路80Eを遮断した状態であり、球止め部材82の上流側の案内流路80に遊技球が貯留されている。
【0085】
ここで、図3では、図2の状態から球止め部材82が第5流路80Eを開放して、一個の遊技球が第6流路80Fを流下し、案内溝83を流下して、誘導部73に導かれた状態を示す。このとき、誘導部73の下流端(後方)には回転部材77の球収納部75が位置するので、この遊技球は球収納部75に収納される。図4では、新たな遊技球が誘導部73に停留して、突起76によって一般入賞領域72となる開口に流入する。
【0086】
なお、球収納部75の底面が後方に向かって下り傾斜しているので、球収納部75に遊技球が収納されたまま回転部材77が回転しても、球収納部75に収納された遊技球は前方側に流下しない。
【0087】
次に、球収納部75に収納された遊技球について図5を用いて説明する。
【0088】
図5は、本発明の実施形態のセンターケース21の裏面側の斜視図である。
【0089】
回転部材77がセンターケース21に回転可能に取り付けられる個所には、後方側に突出した回転部材取付部211が形成される。
【0090】
回転部材取付部211には、球収納部75が鉛直上方に位置した場合に遊技球を球収納部75から排出させるための排出口212が形成される。球収納部75の底面は、後方に向かって下り傾斜するので、球収納部75に収納された遊技球は、球収納部75が排出口212と連通する位置に達した場合には、排出口212から排出される。
【0091】
また、回転部材取付部211の図5の右側(遊技機の左側)には、球収納部75から排出された遊技球を検出するための演出SW75Aが配設される。演出SW75Aが遊技球を検出すると、特別入賞領域71に遊技球が入賞したと判定される。
【0092】
排出口212の下方の回転部材取付部211には、排出口212から排出された遊技球を演出SW75Aへ案内するための排出口案内流路213が形成される。
【0093】
回転部材取付部211に排出口212が形成された位置の上方にはネジ締結部214Aがセンターケース21の裏面から立設し、回転部材取付部211の下方には二本のネジ締結部214Bが回転部材取付部211の裏面から立設する。図5では、左側(遊技機の右側)のネジ締結部214Bしか示していない。
【0094】
三本のネジ締結部214には、回転部材77を回転させる回転モータ771を取り付けるための板状の回転モータホルダ215がネジにより締結される。
【0095】
回転モータホルダ215の上方側は、排出口案内流路213の側面を形成するガイド部215Aとなる。
【0096】
また、回転部材取付部211の上方には、球止め部材82を動作させる球止めSOL82Aが取り付けられている。
【0097】
また、センターケース21の裏面には、左開口651に流入した遊技球等をセンターケース21の外部へ排出する排出流路93が形成される。以下に、排出流路93について具体的に説明する。
【0098】
開口窓部21aの裏面側には、開口窓部21aを囲むように第1ガイド217が立設する。上部の第1ガイド217を第1上部ガイド217A、図5に示す左側部(遊技機の右側)の第1ガイド217を第1右側ガイド217B、図5に示す右側部(遊技機の左側)の第1ガイド217を第1左側ガイド217C、図5に示す下側の第1ガイド217を第1下側ガイド217Dという。第1上部ガイド217Aは、図5の左側(遊技機の右側)に向かって下り傾斜する。
【0099】
回転部材取付部211及び球止めSOL82Aへの遊技球の流下を防止するために、第1右側ガイド217Bから第2ガイド218が図5の左側(遊技機の右側)に延設されている。
【0100】
第2ガイド218は、第1右側ガイド217Bから図5の左側(遊技機の右側)に延設される第2上部ガイド218Aと、第2上部ガイド218Aの左端部から、鉛直下方側に延設される第2側部ガイド218Bとからなる。第2上部ガイド218Aは、図5の左側(遊技機の右側)に向かって下り傾斜する。
【0101】
排出流路93は、第1上部ガイド217A、第2上部ガイド218A、及び第2側部ガイド218Bとセンターケース21の右側部との間によって形成される。
【0102】
これによって、右開口652に流入した遊技球のうち、導入流路94に所定数の遊技球が貯留されていた場合に、オーバーフロー開口941(図6参照)から排出された遊技球、は、第1上部ガイド217Aを転動して、第2上部ガイド218Aを転動し、第2側部ガイド218Bとセンターケース21の右側部との間を流下して、センターケース21から排出される。
【0103】
また、左開口651に流入した遊技球は、第1上部ガイド217上に直接排出され、第1上部ガイド217Aを転動して、第2上部ガイド218Aを転動し、第2側部ガイド218Bとセンターケース21の右側部との間を流下して、センターケース21から排出される。
【0104】
次に、図6を用いて導入流路94について説明する。図6は、本発明の実施形態のセンターケース21の前面を除いたセンターケース21の斜視図である。
【0105】
導入流路94は、第1流路80Aの後方に位置し、右開口652に流入した遊技球を前方に位置する第1流路80Aに案内する。
【0106】
導入流路94は、右側に向かって下り傾斜し、右端部には導入流路94を流下する遊技球を前方に誘導する前方誘導部942を有する。前方誘導部942は、板状の部材であり、右側に向かうにつれて前後方向の幅が大きく形成される。これによって、前方誘導部942は、遊技球を前方に誘導可能となっている。
【0107】
また、前方誘導部942の左側には、オーバーフロー開口941が形成されている。案内流路80に所定数以上の遊技球が貯留されている場合、前方誘導部942によって遊技球を第1流路80Aに遊技球を誘導できなくなり、導入流路94内にも遊技球が貯留されてしまい、遊技球がオーバーフローしてしまう。オーバーフロー開口941は、前方誘導部942によって遊技球を第1流路80Aに遊技球を誘導できなくなった場合に、排出流路93に遊技球を排出する。このため、案内流路80における遊技球のオーバーフローを防止することができる。
【0108】
図7は、本発明の実施形態の制御装置100のブロック図である。
【0109】
制御装置100は、遊技機で行われる遊技を統括的に制御し、変動表示装置22等で各種演出を制御する。
【0110】
制御装置100は、乱数更新手段101、乱数抽出手段102、出力時間設定手段103、プレミアム演出フラグ設定手段104、及びプレミアム演出手段105を備える。
【0111】
乱数更新手段101は、乱数を所定のタイミングで更新する。なお、乱数更新手段101によって実行される乱数更新処理は、図8で詳細を説明する。
【0112】
乱数抽出手段102は、遊技者が操作可能な位置に取り付けられる操作SW110が操作された場合に乱数更新手段101から乱数を抽出する。なお、乱数抽出手段102によって実行される乱数抽出処理は、図9で詳細を説明する。特図変動表示ゲームの所定の段階で、遊技者に演出を選択させるための画面が表示され、例えば、この段階で遊技者が操作SW110を操作することによって、遊技者が特図変動表示ゲームにおける演出を選択できる。
【0113】
出力時間設定手段103は、乱数抽出手段102によって抽出された乱数に基づいて、球止めSOL82AがONとなっている時間を設定する。なお、出力時間設定手段103によって実行される出力時間設定処理は、図10で詳細を説明する。
【0114】
プレミアム演出フラグ設定手段104は、演出SW75Aが遊技球を検出したことに基づいて、プレミアム演出を実行することを示すプレミアム演出フラグを設定する。なお、プレミアム演出フラグ設定手段104によって実行されるプレミアム演出フラグ設定処理は、図11で詳細を説明する。
【0115】
プレミアム演出手段105は、変動表示装置22で特図変動表示ゲームをプレミアム演出で実行する。なお、プレミアム演出手段105によって実行されるプレミアム演出処理は、図12で詳細を説明する。
【0116】
図8は、本発明の実施形態の乱数更新処理のフローチャートである。
【0117】
乱数更新処理は、制御装置100によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0118】
まず、制御装置100は、更新される乱数が格納される乱数カウンタが上限値に達しているか否かを判定する(801)。
【0119】
ステップ801の処理で、乱数カウンタが上限値に達していないと判定された場合、乱数カウンタをインクリメントして(802)、乱数更新処理を終了する。
【0120】
一方、ステップ801の処理で、乱数カウンタが上限値に達していると判定された場合、乱数カウンタを初期値に設定し(803)、乱数更新処理を終了する。
【0121】
図9は、本発明の実施形態の乱数抽出処理のフローチャートである。
【0122】
乱数抽出処理は、制御装置100によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0123】
まず、制御装置100は、特図変動表示ゲームでリーチが発生するタイミングであるか否かを判定する(901)。
【0124】
なお、リーチとは、例えば、大当たりを生起可能な態様で二つの図柄が停止し、一つの図柄が変動表示中である状態をいう。
【0125】
ステップ901の処理で、特図変動表示ゲームでリーチが発生するタイミングであると判定された場合、操作SW110の操作入力を受け付ける時間を示すタイマを設定し(902)、乱数抽出処理を終了する。
【0126】
一方、ステップ901の処理で、特図変動表示ゲームでリーチが発生するタイミングでないと判定された場合、ステップ902の処理でタイマが設定されているか否かを判定する(903)。
【0127】
ステップ902の処理でタイマが設定されていないとステップ903の処理で判定された場合、乱数抽出処理を終了する。
【0128】
一方、ステップ902の処理でタイマが設定されているとステップ903の処理で判定された場合、制御装置100は、操作SW110が操作されたか否かを判定する(904)。
【0129】
ステップ904の処理で、操作SW110が操作されたと判定された場合、ステップ902の処理で設定されたタイマが示す時間以内に操作SW110が操作されたので、制御装置100は、ステップ902の処理で設定されたタイマをクリアして(905)、乱数カウンタから乱数を抽出し、抽出された乱数を抽出領域へ設定し(906)、乱数抽出処理を終了する。
【0130】
一方、ステップ904の処理で、操作SW110が操作されていないと判定された場合、制御装置100は、ステップ902の処理で設定されたタイマから予め設定された値(例えば、1)を減算し(907)、乱数抽出処理を終了する。
【0131】
なお、図9では、操作SW110の操作入力を受け付け開始のタイミングは、特図変動表示ゲームにおいてリーチが発生するタイミングであるが、特図変動表示ゲームにおける図柄の変動表示が停止するタイミングであってもよい。
【0132】
この場合、例えば、操作SW110が操作入力を受け付けたタイミングで図柄の変動表示を停止させてもよい。
【0133】
図10は、本発明の実施形態の出力時間設定処理のフローチャートである。
【0134】
出力時間設定処理は、制御装置100によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0135】
まず、制御装置100は、抽出領域を監視し(1001)、抽出領域に乱数が設定されているか否かを判定する(1002)。
【0136】
ステップ1002の処理で、抽出領域に乱数が設定されていないと判定された場合、出力時間設定処理を終了する。
【0137】
つまり、操作SW110の操作入力を受け付ける時間内に操作SW110が操作されなければ、球止め部材82が案内流路を開放して、分別機構70に遊技球が案内されることはないので、遊技者に操作SW110の操作を促すことができ、遊技者を遊技に積極的に介入させることができる。
【0138】
ステップ1002の処理で、抽出領域に乱数が設定されていると判定された場合、抽出領域に設定されている乱数が所定値(a)以下であるか否かを判定する(1003)。
【0139】
ステップ1003の処理で、抽出領域に設定されている乱数が所定値(a)以下であると判定された場合、球止めSOL82aがONにされている出力時間を長時間に設定し(1004)、抽出領域をリセットし(1005)、出力時間設定処理を終了する。なお、球止めSOL82aがONになっている場合には、球止め部材82は案内流路80を開放する。
【0140】
一方、ステップ1003の処理で、抽出領域に設定されている乱数が所定値(a)よりも大きいと判定された場合、球止めSOL82aがONにされている出力時間を短時間に設定し(1006)、ステップ1005の処理に進む。
【0141】
球止めSOL82aの出力時間が長時間に設定された場合の球止め部材82が案内流路80を開放する時間は、球止めSOL82aの出力時間が短時間に設定された場合の球止め部材82が案内流路80を開放する時間よりも長い。
【0142】
例えば、球止めSOL82aの出力時間が長時間に設定された場合の球止め部材82が案内流路80を開放する時間は、四個の遊技球を案内流路80の球止め部材82よりも下流側へ流下させるための時間であり、球止めSOL82aの出力時間が短時間に設定された場合の球止め部材82が案内流路80を開放する時間は、二個の遊技球を案内流路80の球止め部材82よりも下流側へ流下させるための時間である。
【0143】
図11は、本発明の実施形態のプレミアム演出フラグ設定処理のフローチャートである。
【0144】
プレミアム演出フラグ設定処理は、制御装置100によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0145】
まず、制御装置100は、特別入賞領域71に遊技球が入賞したか否かを判定するために、演出SW75AがONになったか否かを判定する(1101)。
【0146】
ステップ1101の処理で、演出SW75AがONになったと判定された場合、特別入賞領域71に遊技球が入賞したことを検出したので、特図変動表示ゲームをプレミアム演出で実行することを示すプレミアム演出フラグを設定し(1102)、プレミアム演出設定フラグ設定処理を終了する。
【0147】
プレミアム演出は、例えば、大当たりになる信頼度が他のリーチパターンよりも高いリーチパターンであってもよいし、キャラクタを表示させる演出であってもよい。
【0148】
一方、ステップ1101の処理で、演出SW75AがONになっていないと判定された場合、特別入賞領域71に遊技球が入賞したことを検出していないので、プレミアム演出フラグ設定処理を終了する。
【0149】
図12は、本発明の実施形態のプレミアム演出処理のフローチャートである。
【0150】
プレミアム演出処理は、制御装置100によって所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0151】
まず、制御装置100は、特図変動表示ゲームの変動開始タイミングであるか否かを判定する(1201)。
【0152】
ステップ1201の処理で、特図変動表示ゲームの変動開始タイミングでないと判定された場合、プレミアム演出処理を終了する。
【0153】
一方、ステップ1201の処理で、特図変動表示ゲームの変動開始タイミングであると判定された場合、制御装置100は、ステップ1102の処理でプレミアム演出フラグが設定されているか否かを判定する(1202)。
【0154】
ステップ1102の処理でプレミアム演出フラグが設定されていないと、ステップ1202の処理で判定された場合、制御装置100は、プレミアム演出でない演出で特図変動表示ゲームを実行し(1203)、プレミアム演出処理を終了する。
【0155】
一方、ステップ1102の処理でプレミアム演出フラグが設定されていると、ステップ1202の処理で判定された場合、プレミアム演出で特図変動表示ゲームを実行し(1204)、プレミアム演出フラグをリセットし(1205)、プレミアム演出処理を終了する。
【0156】
以上によって、大入賞口65に入賞した遊技球が案内流路80を流下し、分別機構70によって特別入賞領域71又は一般入賞領域72に分別する。そして、特別入賞領域71に分別された場合には、特図変動表示ゲームでプレミアム演出を実行するので、遊技者は、大入賞口65に入賞した後の遊技球を注視するので、遊技の興趣が向上する。
【0157】
なお、今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0158】
以上のように、上記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0159】
1 遊技盤
10 ガイドレール
11 遊技領域
21 センターケース
22 変動表示装置
23 普通変動入賞装置
24 始動入賞口
25 特別変動入賞装置
26 普通図柄始動ゲート
27 一般入賞口
30 アウト口
65 大入賞口
66 開閉部材
67 中央扉
68 左右扉
70 分別機構
71 特別入賞領域
72 一般入賞領域
73 誘導部
75 球収納部
76 突起
77 回転部材
80 案内流路
82 球止め部材
93 排出流路
94 導入流路
100 制御装置
651 左開口
652 右開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄を変動表示させる変動表示ゲームの停止結果によって、入賞部を遊技者に不利な閉状態から遊技者に有利な開状態にする変動入賞装置と、前記変動入賞装置の動作を制御する制御装置と、を備える遊技機において、
前記入賞部に入賞した遊技球が流下する案内流路と、
前記案内流路を遮断して、上流の前記案内流路に遊技球を貯留させる貯留部を形成するとともに、前記案内流路を開放して、前記貯留部に貯留されていた遊技球を下流の前記案内流路に案内させる球止め部材と、
前記球止め部材よりも下流に案内された遊技球を特別入賞領域又は一般入賞領域に分別する分別機構と、
遊技者が操作可能な操作手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記変動表示ゲームが所定の段階で前記操作手段が遊技者に操作された場合に、乱数を抽出する乱数抽出手段と、
前記乱数抽出手段によって抽出された乱数に基づいて、前記球止め部材が前記案内流路を開放している時間を設定する開放時間設定手段と、
前記分別機構によって遊技球が前記特別入賞領域に分別された場合には、前記変動表示ゲームで特別演出を行う特別演出手段と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記分別機構は、
回転可能な回転部材と、
前記球止め部材によって前記案内流路が開放された場合に前記球止め部材よりも下流の前記案内流路を流下する遊技球を前記回転部材へ誘導する誘導部と、を有し、
前記回転部材は、前記誘導部の遊技球を前記一般入賞領域に導く突起と、遊技球を収納し前記特別入賞領域に導くことが可能な球収納部と、を有し、
前記回転部材が回転することによって前記球収納部又は前記突起が前記誘導部の下流端に位置するまで、前記誘導部に遊技球が停留し、
前記誘導部に停留した遊技球は、前記誘導部の下流端に前記球収納部が位置する場合には、前記球収納部に収納され、前記特別入賞領域に導かれるとともに、前記誘導部の下流端に前記突起が位置する場合には、前記突起によって前記一般入賞領域に導かれることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記入賞部には、前記貯留部と連通する連通開口が形成され、
前記変動入賞装置は、前記入賞部を前記閉状態又は前記開状態にする第1開閉部材及び前記第2開閉部材を有し、
前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材は前記入賞部の入口を開閉可能であり、
前記第1開閉部材が前記入賞部の入口を開放していても、前記第2開閉部材が前記入賞部の入口を閉塞している場合には、遊技球は前記連通開口に流入しないことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1開閉部材は第1駆動源によって下端部を回転軸として開閉可能であり、前記入賞部の入口の中央部を開閉する中央扉であり、
前記第2開閉部材は第2駆動源の駆動によって下端部を回転軸として開閉可能であり、前記入賞部の入口の左右両端部を開閉する左右扉であり、
前記左右扉は、前記入賞部の入口の左端部を開閉する左扉と、前記入賞部の入口の右端部を開閉する右扉と、前記左扉と前記右扉とを連結する連結部と、を備え、
前記第1駆動源の駆動によって、前記中央扉が開状態となり、前記入賞部の入口の中央部から遊技球が受け入れられ、
前記第2駆動源の駆動によって、前記左右扉が開動作するのに伴って、前記連結部が前記中央扉に当接して前記中央扉が連動して開動作し、前記入賞部の入口の中央部及び左右両端部から遊技球が受け入れられ、
前記入賞部の左右一端部には、前記連通開口が形成され、
前記中央扉のみが開状態となった場合に前記左右扉によって前記連通開口が閉塞され、前記左右扉が開動作することによって前記中央扉及び前記左右扉が開状態になった場合に、前記連通開口が開放されることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−188054(P2010−188054A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37883(P2009−37883)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000132747)株式会社ソフイア (2,465)
【Fターム(参考)】