説明

遊技機

【課題】遊技球の移動に連動した演出を提供するぱちんこ遊技機では、遊技球の移動を検出するセンサの異常が遊技機の演出に与えることがありうる。
【解決手段】ぱちんこ遊技機10は、所定の監視対象領域において移動する遊技球の位置を捕捉するために、監視対象領域内でそれぞれが受け持つ領域にて遊技球の有無を検出してその検出結果を示す検出信号を出力する複数の受光装置72と、複数の受光装置72のそれぞれから取得した検出信号に基づいて遊技球の位置を決定する位置決定手段154と、遊技球の位置に応じた情報を演出表示装置60に表示させる演出表示制御手段144と、監視対象領域に遊技球が存在しないと想定される所定期間において、受光装置72からの検出信号が異常値であるか否かの判定を実行する異常判定手段148と、検出信号が異常値であると判定されたときはその旨を外部へ報知する異常報知手段152とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機やスロット遊技機等の遊技機に関し、特に遊技機の機械的要素の検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機が遊技者に広く受け入れられるか否かを決定する1つの要因として、遊技者を楽しませる演出性の高低がある。多くの遊技機は遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この図柄変動が演出性の高低を決定する1つの要因となっている。
【0003】
本出願人は、遊技盤に設けられた移動路における遊技球の位置を複数のセンサを使用して特定し、その遊技球の移動と図柄変動とを連動させる遊技機を提案している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−089959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、特許文献1で提案した遊技機において一部のセンサが故障してしまうとそのセンサが監視対象とする領域において遊技球の位置が特定できなくなり、遊技機の演出に支障をきたすことがありうると考えた。
【0005】
本発明は本発明者の上記着目に基づいてなされたものであり、その主たる目的は、遊技機に搭載されたセンサの異常が遊技機の演出に影響を与える前に、そのセンサの異常状態を外部に報知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の遊技機は、所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する遊技機であって、所定の監視対象領域において移動する監視対象物の位置を捕捉するために、監視対象領域内でそれぞれが受け持つ領域にて監視対象物の有無を検出してその検出結果を示す検出信号を出力する複数の対物センサと、複数の対物センサから取得した検出信号に基づいて監視対象物の位置を決定する位置決定手段と、監視対象物の位置に応じた情報を所定の表示装置に表示させる表示制御手段と、監視対象領域に監視対象物が存在しないと想定される所定期間において、複数の対物センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行する異常判定手段と、検出信号が異常値であると判定されたときはその旨を外部へ報知する報知手段と、を備える。
【0007】
「監視対象物」とは、対物センサにより監視対象となる物体であり、例えば、弾球遊技機においては遊技球であり、回動式遊技機においては遊技者の指である。「対物センサ」とは、監視対象物の存在を検出する公知のセンサ機器である。例えば、受光素子を有する光センサでもよく、圧電素子を有する圧力センサでもよく、監視対象物と導通膜との間の静電容量の変化を捕捉する静電容量方式のセンサでもよい。
【0008】
この態様によると、遊技機に搭載された対物センサの異常が遊技機の演出に影響を与える前に、そのセンサの異常状態を外部に報知できる。対物センサの異常状態を報知された遊技機の管理者は、遊技者による遊技の際に、演出に不具合が発生して遊技者の興趣を削ぐ結果となる前に、適切な対応措置を実施しやすくなる。
【0009】
異常判定手段は、検出信号が監視対象物の存在を検出したことを示すときに異常値であると判定してもよい。異常判定手段における判定は、監視対象領域に監視対象物が存在しないと想定される所定期間、すなわち対物センサが監視対象物を検出しないと想定される期間に実行されるため、この判定条件は好適である。また、判定基準が明確であり、判定処理も容易に実装できる。
【0010】
報知手段は、検出対象とする領域が互いに近接する第1の対物センサおよび第2の対物センサについてそれぞれの検出信号がともに異常値であると判定されたとき、その旨を外部へ報知してもよい。近接する範囲は、複数の対物センサが遊技球の位置を特定できないときに、それぞれの対物センサがどれくらい近接していたら遊技機の演出において許容できないレベルの支障をきたすかを実験により求めて設定されればよい。例えば、所定の距離内にある領域をそれぞれ監視対象とする複数の対物センサが異常な場合でもよく、正常に動作する対物センサの両側にそれぞれ配置された2つの対物センサが異常な場合でもよい。
【0011】
この態様によると、複数の対物センサの故障により、遊技機における演出において許容できないレベルの支障をきたすとき、その旨が外部に報知される。言い換えれば、遊技機の管理者が早急に対処すべき異常が外部に報知される。これにより、遊技機の演出に許容できないレベルの支障をきたすことがない意味で、正常な遊技機を維持しやすくなる。また、対物センサが故障しても、演出への支障が許容範囲内の故障であれば報知されないため、例えば遊技店における遊技機の稼働期間、すなわち顧客の遊技可能期間を長くできる。
【0012】
報知手段は、検出対象とする領域が互いに隣接する第1の対物センサおよび第2の対物センサについてそれぞれの検出信号がともに異常値であると判定されたとき、その旨を外部へ報知してもよい。連続した領域をそれぞれ検出対象とする複数の対物センサが異常状態となると、遊技機の演出に大きな支障をきたすことがあるため、遊技機の管理者が早急に対応すべき異常として外部に報知される。これにより、遊技機の演出に大きな支障をきたすことがない意味で、正常な遊技機を維持しやすくなる。また、遊技機の稼働期間を長くできる。
【0013】
異常判定手段は、当該遊技機が電源オンされたときの所定期間において、複数の対物センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行してもよい。「遊技機が電源オンされたときの所定期間」は、電源オンを開始時点として監視対象領域に監視対象物が存在しないと想定される期間以内であることが望ましく、例えば数秒から数十秒程度でもよい。この態様によると、遊技機が電源オンされたときの所定期間内、すなわち遊技機に搭載された対物センサの異常が遊技機の演出に影響を与える前に、対物センサの異常状態を外部に報知できる。
【0014】
当該遊技機の状態が切り替わる条件であって、監視対象領域に監視対象物が存在しないと想定される遊技状態から存在しうると想定される遊技状態に切り替わる条件を記憶する条件記憶手段をさらに備えてもよい。この切り替わる条件は、例えば、弾球遊技機の所定の入球口へ遊技球が入球することであってもよく、回胴式遊技機においてその所定位置に設置された監視対象領域を遊技者が触れうる状態となる条件であってもよい。異常判定手段は、当該遊技機における遊技動作によって切り替わる条件が充足されたときの所定期間において、複数の対物センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行してもよい。この態様によると、遊技機に搭載された対物センサが演出のために必要となる前、すなわち対物センサの異常が遊技機の演出に影響を与える前に、そのセンサの異常状態を外部に報知できる。電源オンされた際のみに対物センサを検査する場合と比較して、高い頻度で対物センサの正常性が確認されるため、遊技機の管理者は遊技機の正常・異常を逐次管理しやすくなる。例えば、遊技機の対物センサが故障してから管理者がその故障を認識するまでの時間を短縮できる。
【0015】
当該遊技機は弾球遊技機であり、複数の対物センサのそれぞれは、監視対象領域内の受け持つ領域にて遊技球の有無を検出してその検出結果を示す検出信号を出力し、位置決定手段は、複数の対物センサから取得した検出信号に基づいて遊技球の位置を決定し、表示制御手段は、遊技球の位置に応じた図柄を表示装置に表示させてもよい。本発明の適用対象として弾球遊技機は好適である。遊技球の動作に連動した表示制御を実行することで遊技性に富む演出を遊技者に提供できるとともに、対物センサの故障によってその演出に支障をきたし遊技者の興趣を削ぐことを防止しやすくする。
【0016】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技機に搭載されたセンサの異常が遊技機の演出に影響を与える前に、そのセンサの異常状態を外部に報知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技を複数の形態で複合的に提供する。すなわち、第1特別遊技として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する。第1特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、遊技球が始動入賞口に入球すると第1の抽選が実行されるとともに、その結果を示すための特別図柄の変動表示がなされる。第1の抽選が当たりとなり、特別図柄が所定の当たり態様で停止されると、第1特別遊技が開始される。第2特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、遊技球が普通電役入球口に入球すると、第2大入賞口が一時的に開放されて第2特別遊技の第1段階が開始される。第2大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると、第2特別遊技の第2段階が開始され、第2特別遊技は継続される。
【0019】
第1特別遊技または第2特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)と呼ばれる特定遊技に移行する。特定遊技は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下、「継続回数」とよぶ)に達するまで継続する。この特定遊技中においては、普通電役入球口への入球容易性が高まるので、第2特別遊技の発生可能性も高まる。特定遊技中に第2特別遊技が発生した場合は、第2特別遊技が終了しても特定遊技は継続される。通常状態の通常遊技においては、普通電役入球口への入球容易性が低いため、まずは遊技球を始動入賞口に入球させて第1特別遊技を発生させ、特定遊技に移行させた上で、第2特別遊技を繰り返し狙う遊技方法が定石となる。
【0020】
図1は、ぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側へ所定の指示入力をするために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0021】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、センター飾り64、第1種始動入賞口(以下、単に「始動口」という)24、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、作動口68を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
【0022】
始動口24は、遊技球の入球を検出する入球検出装置32を含む。作動口68は、遊技球の入球を検出する入球検出装置38を含む。普通電役入球口26は、遊技球の入球を検出する入球検出装置34を含む。普通電役入球口26は、その入球する入口を拡開する普通電動役物と、その普通電動役物を開閉させる普通電役ソレノイド76とを含む。第1大入賞口28は、遊技球の入球を検出する入球検出装置78と、第1大入賞口28を開閉させる大入賞口ソレノイド83とを含む。第2大入賞口30は、遊技球の入球を検出する入球検出装置81と、第2大入賞口30の羽根を開閉させる大入賞口ソレノイド80とを含む。
【0023】
普通電役入球口26は、普通電動役物が開閉することにより入球可能な状態と入球不可状態の間で変化する。具体的には、普通電役入球口26は、普通電役ソレノイド76による駆動力で開放状態または閉鎖状態への変化が可能な可変入球口として機能する。普通電役入球口26は、始動口24のすぐ下方に設けられる。普通電動役物が閉鎖状態にあるとき普通電役入球口26の入球口は始動口24に遮蔽され、遊技球は普通電役入球口26に落入しない。ただし、変形例においては通常時に遮蔽されないよう構成してもよい。その場合、普通電動役物の開放状態は閉鎖状態よりも入球容易な状態となる。普通電動役物が開放状態となると遊技球は普通電動役物の横方向から普通電役入球口26に落入可能となる。
【0024】
普通電役入球口26の1回の開放時間は、通常状態においては、たとえば0.8秒程度の短時間である。そのため、通常状態においては、遊技球が普通電役入球口26に落入する可能性は小さい。一方、特定遊技中においては普通電役入球口26の1回の開放時間が通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は普通電役入球口26に落入しやすくなる。このときの開放時間は、たとえば、3.0秒程度に設定される。
【0025】
第1大入賞口28は、入球可能な状態と入球不可状態との間で変化する。具体的には、第1大入賞口28は、大入賞口ソレノイド83による駆動力で開放状態と閉鎖状態の間で状態変化が可能な第1可変入球装置として機能する。第1大入賞口28は、特別遊技中に開放状態となる横長方形状の入賞口であり、アウト口58の上方に設けられる。第1大入賞口28が閉鎖状態のときは入球できず、開放状態となってはじめて入球可能となる。
【0026】
第2大入賞口30もまた、入球可能な状態と入球不可状態との間で変化する。具体的には、第2大入賞口30は、大入賞口ソレノイド80による駆動力で開放状態と閉鎖状態の間で状態変化が可能な第2可変入球装置として機能する。第2大入賞口30は、普通電役入球口26への入球を契機に開放状態となる。第2大入賞口30が閉鎖状態のときは入球できず、開放状態となってはじめて入球可能となる。
【0027】
遊技盤50の略中央に設けられたセンター飾り64には、演出表示装置60、特別図柄表示装置61、特別図柄変動用の保留ランプ20が設けられている。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。特別図柄表示装置61は、7セグメントLEDで構成される表示手段であり、特別図柄192を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。特別図柄192は、始動口24への入球を契機に実行される抽選(以下、「特別図柄抽選」とよぶ)の結果に応じた図柄であり、第1特別遊技を発生させるか否かを示す役割をもつ。すなわち、始動口24に入球すると、特別図柄192が変動表示され、表示に先立って決定された変動時間の経過後に特別図柄抽選の結果を示す態様にて停止する。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の右方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
【0028】
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄抽選の結果を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。また、演出表示装置60は、第1特別遊技や第2特別遊技において遊技者の賞球獲得に対する期待感を喚起するための演出においても演出的な画像を表示させる。
【0029】
作動口68は、遊技盤50の左下方位置に設けられる。作動口68への遊技球の通過は普通電役入球口26の普通電動役物を拡開させるか否かを決定する普通図柄抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄194がランプを点滅させる形で普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は作動口68の左方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄194の変動表示が当たりの態様で停止すると、普通電役入球口26が所定時間拡開する。普通図柄変動用の保留ランプ21は普通図柄表示装置59の近傍に設けられる。
【0030】
特別図柄変動用の保留ランプ20は4個のランプからなり、その点灯個数によって特別図柄192の変動の保留球数を表示する。保留球数とは、特別図柄192の変動中や特別遊技の実行中に遊技球が始動口24へ落入したときに抽選値として取得される抽選乱数(以下、「特図抽選値」ともよぶ)の個数であり、特別図柄192の変動表示がまだ実行されていない入賞球の数を示す。いわば、特別図柄変動の実行予定数である。普通図柄変動用の保留ランプ21も4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄194の変動の保留球数を表示する。この保留球数は、普通図柄194の変動中に作動口68へ遊技球が落入したときに抽選値として取得される抽選乱数(以下、「普図抽選値」ともよぶ)の個数であり、普通図柄194の変動がまだ実行されていない入球の数を示す。いわば、普通図柄変動の実行予定数である。
【0031】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が始動口24、普通電役入球口26、第2大入賞口30、第1大入賞口28等の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。始動口24等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0032】
始動口24に入球すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口28の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、第1大入賞口28は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口28の開閉が所定回数、例えば7回繰り返される。
【0033】
特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技終了後の通常遊技において、特定遊技として時短が開始される。時短においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。時短においては、特別図柄192が短縮されるだけでなく、普通図柄表示装置59における普通図柄の変動時間も短縮され、また、普通電役入球口26の開放時間も長くなる。そのため、通常状態の通常遊技に比べて格段に普通電役入球口26へ入球しやすくなる。開放された普通電役入球口26に入球すると、第2大入賞口30が開放される。これにより、第2特別遊技に移行する。第2特別遊技において第2大入賞口30が開放される状態を第2特別遊技の第1段階と呼ぶ。
【0034】
センター飾り64は、その内側に、センター飾り64の外部から隔てられる形で仕切られた空間(以下、適宜「内部空間」と呼ぶ)65を形成している。第2大入賞口30はセンター飾り64の左側に取り付けられており、開放された第2大入賞口30に入球した遊技球はセンター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内部空間65へ流入する。内部空間65には、第1の誘導装置63、第2の誘導装置62、特定領域22、流出領域66、図1には図示しない発光装置70および受光装置72が設けられている。通路31の内部には、入球検出装置81が設けられ、第2大入賞口30への入球が検出される。センター飾り64の内側に入球した遊技球は特定領域22または流出領域66の方向に導かれる。
【0035】
図2は、センター飾り64における下部の構成を詳細に示す。内部空間65の上方および左方には、赤外線発光ダイオード等の発光素子を有する複数の発光装置70が配置される。また、内部空間65の下方および右方には、フォトトランジスタ等の受光素子を有する複数の受光装置72が発光装置70と対向して配置される。発光装置70の配置間隔、同様に受光装置72の配置間隔は、内部空間65に遊技球が存在する場合に縦および横のラインにおいて1つまたは2つの受光装置72によって遊技球の存在を検出するような間隔に設定される。
【0036】
発光装置70は、対向する受光装置72へ赤外線を照射する。受光装置72は、定期的に、受光素子における赤外線の受光量を示す指標値と所定のオフセット値との合計値を検出量として導出し、その検出量を示す検出信号を後述する遊技制御装置100へ送信する。発光装置70と受光装置72との間に遊技球が存在すると、受光装置72は所定の受光量以上の赤外線を検出しない。したがって、特定の受光装置72からの検出信号が示す検出量が所定値以下の場合、その受光装置72が監視対象とする図2の縦のラインもしくは横のラインの領域に遊技球が存在することを意味する。すなわち、内部空間65は複数の受光装置72による遊技球有無の検出対象領域であり、言い換えれば監視対象領域である。
【0037】
なお、センター飾り64の下部において遊技球の移動に関わる各部材は、赤外線に対して透過率の高い素材によって形成される。例えば、センター飾り64の下部に波形で形成された遊技球の流路、第1の誘導装置63、第2の誘導装置62、特定領域22等は、透明のプラスチックによって形成される。図1に戻る。
【0038】
第1の誘導装置63は、上下動を繰り返すことにより、遊技球を転動させもしくは停滞させることを繰り返して、その遊技球を右側、すなわち第2の誘導装置62の方へ導くよう作用する。その結果、遊技球は、その移動スピードを様々に変化させながら、内部空間65を二次元的に移動することになる。第2の誘導装置62は、低速で回転しており、遊技球を特定領域22と流出領域66のいずれかへ導くよう作用する。特定領域22は入球口の形状を有し、つねに左右方向に往復移動している。このように、第2の誘導装置62の回転状態と特定領域22の往復移動の位置関係や遊技球の勢いなどによって、遊技球が特定領域22へ入球するか、流出領域66へ入球するかが決まる。
【0039】
特定領域22への入球は入球検出装置36により検出され、流出領域66への入球は流出検出装置37により検出される。なお、入球検出装置36および流出検出装置37をまとめて、排出検出装置35とよぶ。入球検出装置36および流出検出装置37は、特定領域22および流出領域66のそれぞれに入球した遊技球を計数する。それぞれの領域への入球数の和が入球検出装置81により計数された入球数と一致すると、第2大入賞口30に入球したすべての遊技球が、特定領域22または流出領域66に入球したと判定される。
【0040】
遊技球がセンター飾り64の内部の特定領域22に入球することが、第2特別遊技の第1段階から第2段階へ移行するための継続条件となる。継続条件が成立すると、第1特別遊技と同様に、第1大入賞口28の開閉動作が所定回数、たとえば7回繰り返される。第2特別遊技の第1段階は1回目の単位遊技に相当し、第2段階が2回目以降の単位遊技に相当する。第2特別遊技の発生原因となった特定領域22への入球が時短中であった場合、その第2特別遊技終了後の通常遊技も再び時短へ移行するが、特定領域22に入球が時短中でなかった場合は、その第2特別遊技終了後は通常状態での通常遊技へ戻り、時短とはならない。したがって、時短中は比較的高い確率で第2特別遊技が繰り返し発生するチャンスとなる。
【0041】
なお、変形例におけるぱちんこ遊技機10では、第1大入賞口28の機能をすべて第2大入賞口30に持たせることにより、第1大入賞口28のない遊技機を実現してもよい。これにより、特別遊技の動作制御の単純化、製造コストの削減、遊技領域52のスペース有効活用をさらに進めることができる。
【0042】
図3は、ぱちんこ遊技機の背面側の構成を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口24および作動口68へ入球したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0043】
図4は、ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口24、作動口68、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30、演出表示装置60、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置59、スピーカ18、操作ボタン82のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄の変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0044】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段112、第2抽選手段113、図柄決定手段114、保留制御手段118、メイン表示制御手段122、特別遊技制御手段126、開閉制御手段132、特定遊技制御手段133を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段140、演出決定手段142、演出表示制御手段144、センサ情報記憶手段146、異常判定手段148、センサ情報更新手段150、異常報知手段152、位置決定手段154、位置記憶手段156を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
【0045】
入球判定手段110は、各入球口への入球を判定する。入球判定手段110は、入球検出装置32から始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口24に入賞したと判定し、入球検出装置38から通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判定する。入球判定手段110は、入球検出装置78から大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口28に入賞したと判定し、入球検出装置81から大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口30に入賞したと判定する。さらに、入球判定手段110は、第2大入賞口30における特定領域22や流出領域66への入球も判定する。
【0046】
第1抽選手段112は、始動口24への入球を契機に第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を特図抽選値として取得する。たとえば、特図抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選手段112が参照する当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と特図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
【0047】
第2抽選手段113は、作動口68への入球を契機に普通電役入球口26を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得する。たとえば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。第2抽選手段113が参照する当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
【0048】
図柄決定手段114は、特図決定手段115と普図決定手段116を含む。特図決定手段115は、特別図柄192の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄192の停止図柄を決定する。特図決定手段115は、第1抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。特図決定手段115は、特別図柄192の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、特別図柄192の変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。なお、特図決定手段115で決定される特別図柄192の「変動パターン」は、演出的な過程が含まれないパターンであるため実質的には「変動時間」と同義である。特図決定手段115は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段122および後述する演出決定手段142へ送出する。
【0049】
普図決定手段116は、普通図柄194の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2抽選手段113による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて普通図柄194の停止図柄を決定する。普図決定手段116は、通常状態において、たとえば10秒から60秒の間で変動時間をランダムに選択し、特定遊技中は通常状態よりも短い、たとえば1秒という変動時間を選択する。普図決定手段116は、普通図柄194の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、普通図柄194の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持する。普図決定手段116は、決定した停止図柄および変動時間を示すデータを普通図柄表示装置59へ送出する。普通図柄194の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段132が普通電役入球口26の普通電動役物を所定時間拡開する。
【0050】
保留制御手段118は、第1保留手段119と第2保留手段120を含む。第1保留手段119は、特別図柄192の変動表示中や特別遊技の実行中に始動口24への入球があったとき、その入球に対応する特図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶する。第2保留手段120は、普通図柄194の変動表示中に作動口68への入球があったとき、その入球に対応する普図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶する。
【0051】
メイン表示制御手段122は、特図表示手段123と普図表示手段124を含む。特図表示手段123は、第1抽選手段112による抽選の結果を、特図決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。特図表示手段123は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段144へ送信することにより、特図表示手段123および演出表示制御手段144による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図表示手段124は、決められた変動時間にて普通図柄194の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
【0052】
特別遊技制御手段126は、第1作動条件保持手段127、第2作動条件保持手段128、第1特別遊技実行手段129、第2特別遊技実行手段130、作動回避手段131を含む。第1作動条件保持手段127は、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持し、第2作動条件保持手段128は、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件には、特別図柄192が当たり態様で停止することが条件として定められている。第2作動条件には、普通電役入球口26への入球が条件として定められている。
【0053】
第1特別遊技実行手段129は、第1抽選手段112による抽選結果が当たりであった場合に、第1特別遊技を実行する。第1特別遊技は、第1大入賞口28の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした単位遊技が複数回実行される。単位遊技の回数は例えば7回であり、1回につき第1大入賞口28を約30秒間開放させる。
【0054】
第2特別遊技実行手段130は、第2抽選手段113による抽選結果が当たりとなって普通電役入球口26に遊技球が入球した場合に、第2特別遊技を実行する。第2特別遊技は、第1段階と第2段階に分けられる。第2作動条件の成立は、第2特別遊技の第1段階を開始するための条件が成立したことを示すとともに、その後、第1段階および第2段階を通して第2特別遊技が続く限り第2作動条件が成立している。第2特別遊技の第1段階では1回目の単位遊技として第2大入賞口30が開放され、第2段階では2回目以降の単位遊技として、第1大入賞口28が複数回開放される。第2段階での単位遊技の回数は例えば7回であり、1回につき第1大入賞口28を約30秒間開放させる。
【0055】
また、第2特別遊技実行手段130は、役物制御手段135を有する。役物制御手段135は、センター飾り64の内部空間65に設置された第1の誘導装置63および第2の誘導装置62の動作を制御する。
【0056】
作動回避手段131は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる。いいかえれば、第1特別遊技と第2特別遊技が同時並行的に実行されないように排他制御する。第2作動条件の成立中であって、第2特別遊技の第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避され、第2特別遊技の第1段階および第2段階のいずれも実行されない。特別図柄192が変動表示されている間に第2作動条件が成立した場合、作動回避手段131は特別図柄192の変動表示における変動時間の進行を一時停止させる。
【0057】
特定遊技制御手段133は、通常遊技における遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技は時短である。第1抽選手段112による抽選が当たりとなった場合であって、特図決定手段115が決定する特別図柄192の停止図柄が所定の図柄であった場合に、その第1特別遊技の終了後に時短へ移行する。また、時短中に第2特別遊技が発生した場合もまた、その第2特別遊技の終了後に時短へ移行する。その他の場合は、第1特別遊技または第2特別遊技の終了後であっても時短へは移行しない。時短へ移行した場合、図柄変動回数が所定の継続回数、たとえば100回に達するか、次の第1特別遊技または第2特別遊技が発生するまで時短が継続される。
【0058】
特定遊技制御手段133は、特定遊技の開始時と終了時において図柄決定手段114と開閉制御手段132に特定遊技の開始と終了を示す情報を送信する。特定遊技中は、特図決定手段115は変動時間の短い変動パターンを選択し、普図決定手段116は普通図柄の変動時間を短縮する。また、特定遊技中における開閉制御手段132は、普通図柄抽選が当たりのときに、通常状態よりも長い開放時間にて普通電役入球口26を開放する。
【0059】
開閉制御手段132は、普通電役入球口26の普通電動役物、第1大入賞口28、第2大入賞口30の開閉を制御する。開閉制御手段132は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電役ソレノイド76に開放指示を送り、普通電役入球口26を開放させる。同様に、開閉制御手段132は、第1特別遊技中は大入賞口ソレノイド83に開放指示を送って第1大入賞口28を開放させ、第2特別遊技の第1段階は大入賞口ソレノイド80に開放指示を送って第2大入賞口30を開放させ、第2特別遊技の第2段階は大入賞口ソレノイド83に開放指示を送って第1大入賞口28を開放させる。
【0060】
パターン記憶手段140は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。
【0061】
演出決定手段142は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、第1抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。これにより特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンが選択される。演出決定手段142は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
【0062】
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段112による判定結果が第1特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。第1抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段142は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段144へ送る。
【0063】
演出表示制御手段144は、第1抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段144は、遊技効果ランプの点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
【0064】
また、演出表示制御手段144は、第2特別遊技の第1段階において、内部空間65に対応する二次元空間の画像を第1の装飾図柄として演出表示装置60へ表示させる。さらにまた、演出表示制御手段144は、内部空間65における遊技球の存在位置に対応する二次元空間の位置を示すデータを位置決定手段154から取得して、そのデータが示す二次元空間の位置に第2の装飾図柄を表示させる。
【0065】
図5は、演出表示制御手段144により表示される演出画像を示す。同図の第1の装飾図柄196は、内部空間65における遊技球74の流路に対応する二次元空間として表示される。同図の第2の装飾図柄198は、遊技球に対応した図柄であり、内部空間65における遊技球74の移動にあわせて、第1の装飾図柄196上を移動するように表示される。
【0066】
さらにまた、演出表示制御手段144は、ぱちんこ遊技機10に対して所定の操作が実施されたとき、遊技球の移動に応じて位置決定手段154において逐次決定された遊技球の位置を示す所定の確認図柄を演出表示装置60において継続的に表示させる。このとき演出表示装置60に表示される画像を確認画像と呼ぶことにする。この契機となる操作は、確認画像の表示要求であることが識別できる操作であればよく、例えば通常とは異なる方法で電源オンされることでもよいし、動作モードを切替えるための所定のボタンが押下されることでもよい。
【0067】
図6は、演出表示制御手段144により表示される確認画像を示す図である。同図の演出表示装置60には、内部空間65における遊技球74の位置が確認図柄200として継続的に表示される。言い換えると、演出表示装置60には遊技球74の軌跡が表示される。これによれば、発光装置70および受光装置72の正常性だけでなく、位置決定手段158および演出表示制御手段144の正常性についても、ぱちんこ遊技機10の管理者が確認できる。また、工場出荷時等におけるぱちんこ遊技機10の検査において、検査者は確認画像を表示させて、遊技球の移動と確認図柄200の描画とが連動するか否かを直観的に確認でき、検査容易性および検査精度を向上できる。図4に戻る。
【0068】
センサ情報記憶手段146は、複数の受光装置72それぞれについての識別情報と、それぞれの受光装置72が監視する領域を特定するための監視領域情報とを対応づけて記憶する。監視領域情報は、例えば、図2における内部空間65右方の受光装置72については、下から順に「横座標1」、「横座標2」、・・・と設定されてもよい。また例えば、図2における内部空間65下方の受光装置72については、左から順に「縦座標1」、「縦座標2」・・・と設定されてもよい。識別情報および監視領域情報は、遊技店において遊技者による遊技が開始される前、典型的にはぱちんこ遊技機10の製造時において、センサ情報記憶手段146にあらかじめ記録される。
【0069】
また、センサ情報記憶手段146は、複数の受光装置72それぞれのレコードについて異常センサフラグを対応づけて記憶する。異常センサフラグが設定された受光装置72(以下、適宜「異常センサ」ともいう)は、正常に動作しない受光装置72を意味する。後述するように、異常センサフラグはセンサ情報更新手段150によって受光装置72のレコードに設定される。変形例として、検査者によるぱちんこ遊技機10の検査時にあらかじめ記録されてもよい。また、「受光装置72が正常に動作しない」ことには、発光装置70が正常に動作しない結果として、その発光装置70と対向する受光装置72が正常に動作しないことも含まれる。
【0070】
異常判定手段148は、ぱちんこ遊技機10の電源がオンにされたことを検出してからの所定期間において、複数の受光装置72から送信された検出信号を受け付けて、受光装置72が正常に動作しているか否かを判定する。異常判定手段148は、電源ユニット48から所定の通知を受け付けることをトリガとして、ぱちんこ遊技機10の電源がオンにされたと判定してもよい。また、この所定期間は、電源オンを開始時点として監視対象領域に遊技球が存在しないと想定される期間であり、例えば数秒から数十秒程度である。
【0071】
具体的には、異常判定手段148は、検出信号が示す検出量が異常値であるか否かを判定する。図7は、検出信号の検出量と異常判定手段148における判定結果との関係を示す。異常判定手段148は、検出信号が示す検出量が同図の異常値の範囲であるとき、その検出信号の送信元たる受光装置72が正常に動作していないと判定する。例えば、電源オンからの所定期間は内部空間65に遊技球は存在しないはずであるため、遊技球が存在するときの検出量を示す検出信号は異常値であると判定する。なお、図7に示す所定のバッファは、遊技球が存在しないときの検出量についてその理論値に対する測定値のゆらぎを吸収するためのバッファであり、実験等により適切な範囲が設定されればよい。また、異常判定手段148は、検出信号をそもそも送信しない受光装置72についても正常に動作していないと判定する。図4に戻る。
【0072】
センサ情報更新手段150は、異常判定手段148において正常に動作しないと判定された受光装置72、すなわち検出信号が異常値であると判定された受光装置72について、センサ情報記憶手段146に記憶されたその受光装置72のレコードに異常センサフラグを設定する。
【0073】
異常報知手段152は、センサ情報記憶手段146を参照して、異常センサフラグが設定された受光装置72を特定する。異常報知手段152は、特定した受光装置72の監視領域情報を参照して、隣接した領域をそれぞれ監視対象とする異常センサ、言い換えれば隣接した位置にそれぞれ配置された2以上の異常センサが存在するか否かを判定する。異常報知手段152は、監視対象とする領域が互いに隣接する異常センサが存在すると判定したとき、ぱちんこ遊技機10の演出に支障をきたす故障が発生した旨をぱちんこ遊技機10の管理者に報知する。報知態様に特に制限はなく、例えば、ぱちんこ遊技機10における所定のランプを点灯させてもよく、所定の音を発生させてもよく、ぱちんこ遊技機10の外部装置に対して所定の信号を送信することによりこの旨を通知してもよい。
【0074】
変形例として、異常報知手段152は、所定の範囲内の領域をそれぞれ監視する異常センサ、すなわち監視対象とする領域が互いに近接する2以上の異常センサが存在するか否かを判定してもよい。近接すると判定する範囲は、複数の対物センサが遊技球の位置を特定しないときに、それぞれの対物センサがどれくらい近接していたら遊技機の演出において許容できないレベルの支障をきたすかを実験により求めて設定されればよい。例えば、正常に動作する1つの受光装置72を間に挟む2つの受光装置72がともに異常センサであることが条件とされてもよい。言い換えれば、監視対象の領域を示す座標の差異が2以内の受光装置72がともに異常センサであることが条件とされてもよい。また例えば、所定範囲の領域を監視する複数の受光装置72のうち、所定個以上の受光装置72が異常センサであることが条件とされてもよい。
【0075】
位置決定手段154は、複数の受光装置72から送信された検出信号に基づいて遊技球の位置を決定する。具体的には、遊技球の存在を意味する検出量、すなわち図5における「遊技球が存在するときの検出量」の範囲の検出量を示す検出信号を特定する。図2で示したように、複数の受光装置72のそれぞれは縦のラインまたは横のラインで遊技球の存在を検出する。したがって、縦のラインで遊技球を検出した受光装置72の監視領域情報に対応する座標を遊技球の横座標として、横のラインで遊技球を検出した受光装置72の監視領域情報に対応する座標を遊技球の縦座標として、内部空間65に対応する二次元空間における遊技球の座標を決定する。例えば、縦のラインで遊技球を検出した受光装置72の監視領域情報が「横座標5」、横のラインで遊技球を検出した受光装置72の監視領域情報が「縦座標4」の場合、遊技球の座標を(5,4)に決定する。
【0076】
また、位置決定手段154は、隣接する縦のラインで遊技球を監視する2つの受光装置72からの検出信号が遊技球の存在を示すとき、それぞれの受光装置72の配置位置の中間に遊技球が存在することとして、遊技球の座標を決定する。例えば、それぞれの受光装置72の監視対象領域を示す横座標の中間の座標を遊技球の横座標として決定する。横のラインで遊技球を監視する受光装置72についても同様である。これにより、位置決定手段154は、受光装置72の配置間隔の2倍の精度で遊技球の位置を決定できる。
【0077】
さらにまた、位置決定手段154は、縦のラインを監視対象とする受光装置72からの検出信号のいずれもが遊技球が存在しないときの検出量であるとき、入球検出装置81により計数された入球数と、排出検出装置35により計数された排出数とが一致するか否かを確認する。ここで、入球数と排出数とが一致しないとき、位置決定手段154は、正常に動作しない受光装置72の監視領域に遊技球があると判定し、その遊技球の位置の推定処理を実行する。なお、横のラインを監視対象とする受光装置72からの検出信号のいずれもが遊技球が存在しないときの検出量であるときも同様である。
【0078】
この推定処理において位置決定手段154は、後述する位置記憶手段156を参照して、遊技球について過去に決定した座標の推移傾向にしたがって、その遊技球の現在の座標を決定する。公知の算術演算や統計的手法によって遊技球の現在の座標が決定されてもよい。例えば、遊技球の複数の過去座標から推移傾向を示す等差数列や等比数列を導出して、その等差数列や等比数列にしたがって現在の座標が導出されてもよい。また例えば、最小二乗法により単位時間経過後の遊技球の位置を示す近似式を導出して、その近似式にしたがって現在の座標が導出されてもよい。なお、遊技球の現在の縦座標および横座標について、それぞれ独立して推定処理が実施されてもよいのはもちろんである。
【0079】
また、縦座標もしくは横座標の一方について受光装置72からの検出信号に基づいて値が特定できるときには、判明している一方の座標を使用して他方の座標を推定してもよい。上記以外の別の推定方法として、例えば、横座標が特定できるときには、遊技球の複数の過去座標から遊技球の横座標を説明変数とし、縦座標を目的変数とする回帰式を導出して、その回帰式にしたがって遊技球の縦座標が決定されてもよい。
【0080】
位置記憶手段156は、ぱちんこ遊技機10の遊技状態が切り替わる条件、具体的には内部空間65に遊技球が存在しないと想定される遊技状態から存在しうると想定される遊技状態に切り替わる条件が充足されたか否かを判定する。この切り替わる条件は、典型的には、第2大入賞口30が開放状態となる条件であり、すなわち普通電役入球口26への入球である。位置記憶手段156は、メイン基板102の各機能ブロック、例えば第2特別遊技実行手段130から遊技状態を取得してこの判定処理を実行してもよい。
【0081】
変形例として、この切り替わる条件が、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機におけるいわゆるVゾーンに遊技球が入球しうる状態となる条件であり、すなわち特定の入球口へ遊技球が入球したことであってもよい。また、この切り替わる条件が、大当たりとは異なるタイミングで遊技領域中に形成される特定の領域に遊技球が入球可能な遊技状態となること、例えば大当たりを示す所定の停止態様とは異なる停止態様で図柄が停止する「小当たり」が発生したことでもよい。さらにまた、流出領域66に落入した遊技球等、賞球の有無に影響しない遊技球の移動に連動した演出画像を表示させる場合には、この切り替わる条件が、流出領域66等の特定の領域に遊技球が落入したことであってもよい。さらにまた、特定領域22や流出領域66等の大当たりになるか否かを決定する特定の領域を備えない監視対象領域に遊技球が入球可能な遊技状態となる条件であってもよく、この場合にも、上述したように、特定の入球口への遊技球の入球や小当たりの発生が条件とされてもよい。
【0082】
位置記憶手段156は、遊技状態が切り替わる条件が充足されたと判定したとき、位置決定手段154において決定された遊技球の位置が異常センサの監視対象領域から所定範囲内の位置であることを加重条件として、その遊技球の位置を逐次記憶する。この場合、位置記憶手段156は、センサ情報記憶手段146を参照して、異常センサの監視領域情報が示す縦座標または横座標と、遊技球の位置を示す縦座標または横座標が所定の範囲内であるか否かを判定し、その判定結果に応じて遊技球の位置を記憶するか否かを決定してもよい。具体的には、異常センサの監視領域情報が示す座標である異常座標からの方向や距離に応じて決定してもよい。例えば、遊技球の進行方向に向かって遊技球の座標が異常座標より手前であること、および/または、遊技球の座標が異常座標と所定の単位座標以内であれば、その遊技機の位置を記憶すると決定してもよい。具体例として、異常座標が特定の横座標であるとき、遊技球の横座標が異常座標未満すなわち左側にあり、その横座標が異常座標と10単位座標以内であればその遊技機の位置を記憶すると決定してもよい。変形例として、位置記憶手段156は、遊技状態が切り替わる条件が充足されたと判定したとき、そのことをもって、位置決定手段154において決定された遊技球の位置についての記憶処理を開始してもよい。
【0083】
図8は、ぱちんこ遊技機10における基本的な処理過程を示すフローチャートである。まず、遊技機の電源がオンにされたときに後述する検査処理を実行する(S10)。その後、遊技球が始動口24、普通電役入球口26、第1大入賞口28、第2大入賞口30へ入球した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S11)、特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、第1特別遊技または第2特別遊技の処理を実行し(S16)、S10における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0084】
図9は、図8におけるS10の電源投入時検査処理を詳細に示すフローチャートである。異常判定手段148は、複数の受光装置72のそれぞれから検出信号を取得し(S20)、それぞれの検出信号が示す検出量を確認する。検出量が異常値を示す検出信号について(S22のY)、異常判定手段148はその検出信号の送信元たる受光装置72が正常に動作していないと判定する。異常判定手段148は、複数の受光装置72それぞれの動作状態を判定する。したがって、複数の受光装置72それぞれによって監視される内部空間65における縦のラインおよび横のラインのそれぞれについて個別に正常性が確認されることになる。センサ情報更新手段150は、センサ情報記憶手段146におけるその受光装置72のレコードに異常センサフラグを設定する(S24)。検出量が正常値を示す検出信号については(S22のN)、S24の処理はスキップされる。異常報知手段152は、センサ情報記憶手段146を参照して、互いに隣接する受光装置72がともに異常センサである場合(S26のY)、ぱちんこ遊技機10の演出に支障をきたすレベルのセンサ異常として外部に報知する(S28)。互いに隣接する特定センサの少なくとも一方が異常センサではない場合(S26のN)、S28の処理はスキップされる。
【0085】
図10は、図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。ここでは、特別図柄192の変動表示、および、装飾図柄190を含む演出画像の変動表示を処理し(S30)、普通図柄194の変動表示を処理する(S31)。なお、S30、S31の処理順序はあくまでも説明の便宜上定義した順序にすぎず、どの順序で処理してもよい。
【0086】
図11は、図10のS30における特別図柄および演出画像の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。以下、特に断らない限り「図柄」は特別図柄192と装飾図柄190の双方を示す。第1保留手段119に特図抽選値の保留がなされている場合であって(S40のY)、図柄変動が表示中でなければ(S42のN)、特別図柄抽選の当否判定や図柄決定、変動パターンの選択などが処理され(S44)、特別図柄192および装飾図柄190の変動表示が開始される(S46)。S40において特図抽選値が保留されていなかった場合は(S40のN)、S42からS46までの処理がスキップされる。S42において既に図柄変動中であれば(S42のY)、S44とS46の処理がスキップされる。
【0087】
ここで、図柄の変動表示中でなければ(S48のN)、S30の図柄変動処理はそのまま終了する。一方、図柄の変動表示が開始済であれば(S48のY)、図柄の変動表示を処理し(S50)、変動時間が変動停止タイミングまで達したとき(S52のY)、図柄の変動表示は停止される(S58)。特定遊技中であって(S60のY)、特図抽選が当たりでなければ(S61のN)、変動回数をインクリメントし(S62)、その変動回数が所定の継続回数に達すれば(S64のY)、特定遊技を終了する(S66)。変動回数が継続回数に達していなければ(S64のN)、S66をスキップする。特定遊技中に(S60のY)、当たりになった場合も(S61のY)、特定遊技を終了する(S66)。特定遊技中でなかった場合(S60のN)、S61らS66までの処理をスキップする。図柄の停止タイミングでなかった場合もまたS30のフローを終了する(S52のN)。
【0088】
図12は、図10のS31における普通図柄の変動処理を詳細に示すフローチャートである。第2保留手段120に普図抽選値の保留がなされている場合(S80のY)、普通図柄194が変動表示中でなければ(S82のN)、第2抽選手段113が普通図柄抽選として当否判定処理を実行し(S84)、普通図柄194の変動表示が開始される(S90)。S80において普図抽選値が保留されていなかった場合は(S80のN)、S82からS90までの処理はスキップされ、S82において普通図柄194が変動表示中であった場合は(S82のY)、S84およびS90の処理がスキップされる。
【0089】
続いて、普通図柄194の変動表示が開始済であれば(S92のY)、普通図柄194の変動表示を処理し(S94)、定められた変動時間が経過して普通図柄194の変動表示の停止タイミングに達したときは(S96のY)、変動表示中の普通図柄194は停止する(S98)。停止図柄が当たり態様であれば(S100のY)、普通電役入球口26が開放され(S102)、停止図柄が当たり態様でなければ(S100のN)、S102の処理はスキップされる。変動時間経過前である場合(S96のN)、S98からS102の処理はスキップされる。S92において変動表示が開始されていないときは(S92のN)、S94からS102の処理はスキップされる。
【0090】
図13は、図8におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。実行中の特別遊技が第1特別遊技であれば(S110のY)、第1特別遊技の制御を処理し(S112)、実行中の特別遊技が第1特別遊技でなければ(S110のN)、第2特別遊技の制御を処理する(S114)。
【0091】
図14は、図13のS112における第1特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、第1大入賞口28が開放済でなければ(S120のN)、演出表示制御手段144が第1特別遊技の演出を開始し(S122)、開閉制御手段132が第1大入賞口28を開放する(S124)。第1大入賞口28が開放済であれば(S120のY)、S122およびS124の処理はスキップされる。第1大入賞口28が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S126のY)、または、開放時間が経過していないものの(S126のN)、第1大入賞口28への入球数が9球以上に達した場合には(S128のY)、開閉制御手段132が第1大入賞口28を一旦閉鎖させる(S130)。開放時間が経過しておらず(S126のN)、第1大入賞口28への入球数も9球以上に達していない場合は(S128のN)、S130以降の処理をスキップしてS112のフローを終了する。
【0092】
S130における第1大入賞口28の閉鎖後、単位遊技数が所定回数に達して終了タイミングとなった場合(S132のY)、演出表示制御手段144は第1特別遊技の演出を終了させ(S134)、特別遊技制御手段126は第1特別遊技を終了させる(S136)。特定遊技への移行条件を満たす場合(S140のY)、特定遊技に移行し(S142)、満たさなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。S132において単位遊技数が所定回数に達していなければ(S132のN)、単位遊技数に1を加算してS112のフローを終了する(S138)。
【0093】
図15は、図13のS114における第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。第2特別遊技が開始済でなければ(S150のN)、位置記憶手段156における遊技球の位置記憶処理を開始し(S151)、第2大入賞口30を開放する(S152)。第2特別遊技が開始済であれば(S150のY)、S151およびS152をスキップする。第1段階にある場合(S154のY)、第2大入賞口30の開放時間が経過したら(S156のY)、第2大入賞口30を閉鎖し(S158)、開放時間以内であれば(S156のN)、S158をスキップする。ここで、演出表示装置60における演出処理として、内部空間65における遊技球の移動に応じた遊技球連動表示処理が実行される(S159)。第2大入賞口30の内部にある特定領域22への入球があれば(S160のY)、ただちに第2段階への移行を示すフラグを立て(S162)、S168へジャンプする。このとき、まだ第2大入賞口30が開放していれば閉鎖する。
【0094】
一方、第1段階において特定領域22への入球がない状態で(S160のN)、第1段階の終了条件が満たされてしまった場合は(S164のY)、第1段階を終了するとともに第2特別遊技も終了する(S166)。ここでいう終了条件は、第2大入賞口30の閉鎖から一定時間が経過するか、第2大入賞口30への入球検出数と排出検出数が10球以上の数で一致した場合である。この終了条件が満たされていなければ(S164のN)、S166はスキップされる。なお、第1段階にない場合はS156からS166の処理はスキップされる(S154のN)。第2段階への移行フラグが立っている場合(S168のY)、図15に示される特別遊技の処理を、第2特別遊技の第2段階の遊技として実行する(S170)。第2段階への移行フラグが立っていない場合はS170をスキップする(S168のN)。なお、S170における第2特別遊技の第2段階とS112における第1特別遊技は基本的に同様の動作を処理するため、ここでは図15における説明のうち「第1特別遊技」を「第2特別遊技」と読み替えるものとする。
【0095】
図16は、図15のS159における遊技球連動表示処理を詳細に示すフローチャートである。位置決定手段154は、複数の受光装置72から送信された検出信号を取得する(S180)。縦のラインを監視対象とする受光装置72の検出信号のうち少なくとも1つ、および、横のラインを監視対象とする受光装置72の検出信号のうち少なくとも1つが遊技球の存在を示す検出量であるとき(S182のN)、位置決定手段154は受光装置72の監視対象領域に応じて遊技球の現在位置を決定する(S184)。縦のラインを監視対象とする受光装置72の検出信号のいずれもが遊技球の存在を示す検出量でない、および/または、横のラインを監視対象とする受光装置72の検出信号のいずれもが遊技球の存在を示す検出量でないとき(S182のY)、位置決定手段154はさらに以下の判定を実施する。
【0096】
すなわち、位置決定手段154は内部空間65における遊技球の入球数と排出数とが一致するか否かを判定する。一致しないとき(S186のN)、遊技球は内部空間65に存在するため、位置決定手段154は、位置記憶手段156を参照して、遊技球の過去位置の推移にしたがって、遊技球の現在位置を推定する(S188)。具体的には、縦のラインを監視対象とする受光装置72の検出信号のいずれもが遊技球の存在を示す検出量でないときには、遊技球の横座標を推定する。また、横のラインを監視対象とする受光装置72の検出信号のいずれもが遊技球の存在を示す検出量でないときには、遊技球の縦座標を推定する。
【0097】
また、内部空間65における遊技球の入球数と排出数とが一致するとき(S186のY)、遊技球は内部空間65に存在しないため、S188の処理はスキップされる。位置決定手段154において決定された遊技球の現在位置が異常センサの監視対象領域から所定範囲内であるとき(S190のY)、位置記憶手段156はその現在位置を記憶する(S192)。異常センサの監視対象領域から所定範囲外に遊技球の現在位置があるとき(S190のN)、S192はスキップされる。演出表示制御手段144は、位置決定手段158において決定もしくは推定された遊技球の位置に応じた演出画像を演出表示装置60に表示させる(S194)。
【0098】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0099】
第1の変形例を説明する。
上述した実施例においては、異常判定手段148の動作契機は、ぱちんこ遊技機10の電源がオンにされたことであった。変形例においては、内部空間65、すなわち受光装置72により監視された領域に遊技球が存在しないと想定される遊技状態から存在しうると想定される遊技状態に切り替わること(以下、適宜「遊技状態切替」ともいう)の発生を動作契機としてもよい。典型的な遊技状態切替の発生条件は、第2大入賞口30が開放状態となる条件であり、すなわち普通電役入球口26への入球である。この変形例によれば、遊技機が電源オンされた場合以外でも発光装置70および受光装置72の検査に好適なタイミングを検出して、そのタイミングにおいて検査を実施できる。
【0100】
この変形例におけるサブ基板104は、遊技状態切替の発生条件を記憶する切替条件記憶手段をさらに備える。異常判定手段148は、ぱちんこ遊技機10が電源オンされたことを検出する代わりに、もしくは、電源オンされたことに加えて、ぱちんこ遊技機10における遊技動作によって遊技状態切替の発生条件が充足されたことを検出する。この検出のために、異常判定手段148は、メイン基板102の各制御装置から遊技状態を示す信号を取得して、その遊技状態を切替条件記憶手段に記憶された発生条件と比較してもよい。
【0101】
異常判定手段148は、遊技状態切替の発生条件が充足されたことを検出したときの所定期間において、複数の受光装置72のそれぞれから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行する。センサ情報更新手段150は、検出信号が異常値であると判定された受光装置72について、センサ情報記憶手段146におけるその受光装置72のレコードに異常センサフラグを設定する。
【0102】
第2の変形例を説明する。
サブ基板104は、受光装置72による監視対象領域の形状に基づいて定まる制限であって、遊技球の移動に関する制限を記憶する制限情報記憶手段をさらに備えてもよい。制限情報記憶手段は、内部空間65に対応する二次元空間における座標の形式にて、この移動に関する制限をあらかじめ、例えば工場出荷時に記憶してもよい。例えば、遊技球が移動可能な上限位置を示す座標や、下限位置を示す座標を記憶してもよい。位置決定手段154は、過去決定した遊技球の位置の推移傾向と、遊技球の移動に関する制限とにしたがって遊技球の位置を推定してもよい。例えば、遊技球の縦座標について、過去の縦座標にしたがった推定処理では縦座標の制限を超過する場合には、縦座標がその制限の上限値を超過しないように決定する。この場合、縦座標を上限値と同一に設定してもよい。この変形例によれば、遊技球の移動に関する制限を考慮しない場合と比較して、実際の遊技球の位置により近い位置が推定されるため、実際の遊技球の位置により則した図柄が表示される。
【0103】
第3の変形例を説明する。
上述した第2の変形例において、受光装置72による監視対象領域についてその変化後の形状に関する情報を役物制御手段135から取得して、制限情報記憶手段に記憶された遊技球の移動に関する制限を当該変化後の形状に基づいて更新する制限情報更新手段をさらに備えてもよい。制限情報更新手段は、役物制御手段135から取得した第1の誘導装置63の制御内容に応じて、制限情報記憶手段に記憶された移動の制限を示すデータを更新する。例えば、第1の誘導装置63の高さがレベル1からレベル2に上昇したことが通知されたとき、制限情報更新手段はレベル1に応じた移動の制限を示す座標に所定値を加算して、レベル2に応じた移動の制限を示す座標に更新する。この変形例によれば、監視対象領域の形状の変化に追従して遊技球の移動に関する制限が更新されるため、監視対象領域の形状に変化が生じても、遊技球の位置の推定精度を維持できる。
【0104】
第4の変形例を説明する。
センサ情報記憶手段146は、複数の受光装置72のうち遊技機の演出に不可欠な、言い換えれば、故障すると遊技機の演出に支障をきたす所定の受光装置72を特定センサとして、その受光装置72のレコードに特定センサフラグを設定して記憶してもよい。この受光装置72は、遊技球が内部空間65の構造上移動しうる領域を監視対象とする受光装置72であってもよい。異常判定手段148は、少なくとも特定センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行し、異常報知手段152は、特定センサから取得した検出信号が異常値であると判定されたとき、その旨を外部へ報知してもよい。この態様によると、遊技機における遊技に支障をきたすと想定される特定センサが異常状態であるとき、その旨が外部に報知される。言い換えれば、遊技機の管理者が早急に対応すべき異常が外部に報知される。これにより、遊技機の演出に支障をきたすことがない意味で正常な遊技機を維持でき、遊技機の稼働時間を長くすることができる。
【0105】
第5の変形例を説明する。
上述した実施例においては、遊技球の移動に連動して装飾図柄190が変動表示された。変形例としては、遊技球の移動に連動して特別図柄192が変動表示されてもよい。なお、この場合には、センサ情報記憶手段146、異常判定手段148、センサ情報更新手段150、異常報知手段152、位置決定手段154、位置記憶手段156は、メイン基板102に備えられることが望ましい。特図表示手段123は、遊技球の位置のデータを位置決定手段154から取得して、その位置に応じた特別図柄192を特別図柄表示装置61に表示させる。
【0106】
第6の変形例を説明する。
上述した実施例においては、隣接した受光装置72のいずれもが正常に動作しないことを、その異常状態を外部に報知する条件とした。変形例においては、受光装置72の検査が実施される際の状況に応じて、この報知する条件とは別の報知する条件が選択されてもよい。この場合、複数の報知条件が所定の記憶部に記憶され、外部からの情報、例えば所定の操作を示す信号に応じて異常判定手段148が適切な報知条件を選択してもよい。例えば、工場における遊技機の検査の際には、複数の受光装置72のうちのひとつでも正常に動作しなければ、その異常状態を外部に報知する報知条件が選択されてもよい。また、遊技機による遊技において演出の重要性が低い場合には、所定数以上の受光装置72が正常に動作しない場合に限ってその異常状態を外部に報知する報知条件が選択されてもよい。この変形例によれば、受光装置72の検査が実施される際の状況に応じて、適切な報知条件を選択可能になる。これにより、例えば、工場における遊技機の検査の際には厳密な報知条件を選択させることにより、検査の品質を向上させることができる。
【0107】
第7の変形例を説明する。
上述した実施例において、異常判定手段148は、電源オンからの所定期間において、内部空間65に遊技球の存在を検出した受光装置72を異常センサとして判定した。変形例において、異常判定手段148は、電源オンを検出後、メイン基板102から遊技状態を示す情報を取得してもよく、例えば第2特別遊技実行手段130から第2特別遊技の状態であることを示す情報を取得してもよい。そして、遊技状態を示す情報が内部空間65に遊技球が存在しないと想定される遊技状態を示すことを検出してからの所定期間において、異常センサの判定処理を実行してもよい。また、異常判定手段148は、遊技状態を示す情報が内部空間65に遊技球が存在しうる遊技状態を示すことを検出した場合には、異常センサの判定処理をスキップしてもよい。遊技機が遊技中でありながら電源オフされたときには、電源オン時には内部空間65に遊技機が残存していることがあり、この場合には遊技球の存在を検出した受光装置72が異常であると判定されないことが望ましい。この変形例によれば、遊技機が遊技中でありながら電源オフされたときに、実際には正常に稼働している受光装置72を異常状態と判定してしまうことを防止できる。すなわち、受光装置72に対する検査の精度を向上できる。
【0108】
第8の変形例を説明する。
開閉制御手段132は、第2大入賞口30を開放後、入球判定手段110により第2大入賞口30へ遊技球が入球したと判定されたとき、第2大入賞口30を一旦閉鎖してもよい。これにより、内部空間65を移動する遊技球がひとつに制限されるため、遊技機の演出でひとつの遊技球の動きに連動した演出画像を演出表示装置60に表示させる場合において好適な態様となる。なお、開閉制御手段132は、上述のように第2大入賞口30を一旦閉鎖後、入球判定手段110により特定領域22または流出領域66へ遊技球が入球したと判定されると第2大入賞口30を再び開放する。
【0109】
第9の変形例を説明する。
位置決定手段154は、隣接しない複数の受光装置72が遊技球の存在を検出したとき、複数の遊技球が内部空間65に存在するものとして、遊技球の存在を検出した受光装置72それぞれの監視対象領域に応じて、複数の遊技球それぞれについて縦座標および横座標のうち少なくとも一方の座標を決定してもよい。この場合、遊技球の他方の座標については、決定した一方の座標と内部空間65の形状とに応じて適宜決定されてよい。演出表示制御手段144は、複数の遊技球にそれぞれ対応した複数の装飾図柄を演出表示装置60に表示させてもよい。これにより、複数の遊技球が内部空間65に流入した場合であっても、各遊技球の動作に連動した演出を提供可能な遊技機を実現できる。
【0110】
第10の変形例を説明する。
実施の形態においては、遊技機はぱちんこ遊技機として説明したが、変形例においては、遊技機はパチスロ遊技機等の回胴式遊技機であってもよい。この回胴式遊技機は、複数種類の図柄を表示した複数のリールと、役の抽選を実行する役抽選手段と、役抽選手段により所定の役に当選し、遊技者による複数のリールの停止動作にしたがって、所定の役を示す図柄が停止表示されることによって、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定する判定処理手段と、回胴式遊技機の前面に配設された、演出表示可能な表示装置と、所定の監視対象領域における監視対象物の動作または位置、例えば遊技者の指先による操作または指先の位置を捕捉するために、監視対象領域内でそれぞれが受け持つ領域にて監視対象物の有無を検出してその検出位置を示す検出信号を出力する複数の対物センサと、複数の対物センサから取得した検出信号に基づいて監視対象物の動作または位置を決定し、その動作または位置に応じた情報を表示装置に表示させる表示制御手段を備える。上述した異常判定手段148、異常報知手段152等をこの回胴式遊技機がさらに備えることにより、回胴式遊技機の演出に支障をきたさないように、対物センサの異常を外部に報知できる。また、上述したセンサ情報記憶手段146、位置決定手段154等をこの回胴式遊技機がさらに備えることにより、一部の対物センサが異常状態であっても、監視対象物の位置を推定でき、演出への支障を低減できる。
【0111】
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【0112】
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】ぱちんこ遊技機の正面側の構成を示す図である。
【図2】センター飾りにおける下部の構成を詳細に示す図である。
【図3】ぱちんこ遊技機の背面側の構成を示す図である。
【図4】ぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。
【図5】演出表示制御手段により表示される演出画像を示す図である。
【図6】演出表示制御手段により表示される確認画像を示す図である。
【図7】検出信号の検出量と異常判定手段における判定結果との関係を示す図である。
【図8】ぱちんこ遊技機における基本的な処理過程を示すフローチャートである。
【図9】図7におけるS10の電源投入時処理を詳細に示すフローチャートである。
【図10】図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図11】図9のS30における特別図柄および演出画像の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
【図12】図9のS31における普通図柄の変動処理を詳細に示すフローチャートである。
【図13】図7におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図14】図12のS112における第1特別遊技を詳細に示すフローチャートである。
【図15】図12のS114における第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。
【図16】図14のS159における遊技球連動表示処理を詳細に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
1 ぱちんこ遊技機、 22 特定領域、 24 始動口、 28 第1大入賞口、 30 第2大入賞口、 31 通路、 32 入球検出装置、 34 入球検出装置、 35 排出検出装置、 36 入球検出装置、 37 流出検出装置、 38 入球検出装置、 48 電源ユニット、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 第2の誘導装置、 63 第1の誘導装置、 64 センター飾り、 65 内部空間、 66 流出領域、 68 作動口、 70 発光装置、 72 受光装置、 74 遊技球、 78 入球検出装置、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 130 第2特別遊技実行手段、 135 役物制御手段、 144 演出表示制御手段、 146 センサ情報記憶手段、 148 異常判定手段、 150 センサ情報更新手段、 152 異常報知手段、 154 位置決定手段、 156 位置記憶手段、 190 装飾図柄、 196 第1の装飾図柄、 198 第2の装飾図柄、 200 確認図柄。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の遊技動作を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技への移行可否を判定するための当否抽選を実行する遊技機であって、
所定の監視対象領域において移動する監視対象物の位置を捕捉するために、前記監視対象領域内でそれぞれが受け持つ領域にて前記監視対象物の有無を検出してその検出結果を示す検出信号を出力する複数の対物センサと、
前記複数の対物センサから取得した検出信号に基づいて前記監視対象物の位置を決定する位置決定手段と、
前記監視対象物の位置に応じた情報を所定の表示装置に表示させる表示制御手段と、
前記監視対象領域に前記監視対象物が存在しないと想定される所定期間において、前記複数の対物センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行する異常判定手段と、
前記検出信号が異常値であると判定されたときはその旨を外部へ報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記異常判定手段は、前記検出信号が前記監視対象物の存在を検出したことを示すときに前記異常値であると判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記報知手段は、検出対象とする領域が互いに近接する第1の対物センサおよび第2の対物センサについてそれぞれの検出信号がともに異常値であると判定されたとき、その旨を外部へ報知することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記報知手段は、検出対象とする領域が互いに隣接する第1の対物センサおよび第2の対物センサについてそれぞれの検出信号がともに異常値であると判定されたとき、その旨を外部へ報知することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記異常判定手段は、当該遊技機が電源オンされたときの所定期間において、前記複数の対物センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
【請求項6】
当該遊技機の状態が切り替わる条件であって、前記監視対象領域に前記監視対象物が存在しないと想定される遊技状態から存在しうると想定される遊技状態に切り替わる条件を記憶する条件記憶手段をさらに備え、
前記異常判定手段は、当該遊技機における遊技動作によって前記切り替わる条件が充足されたときの所定期間において、前記複数の対物センサから取得した検出信号が異常値であるか否かの判定を実行することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
当該遊技機は弾球遊技機であり、
前記複数の対物センサのそれぞれは、前記監視対象領域内の受け持つ領域にて遊技球の有無を検出してその検出結果を示す検出信号を出力し、
前記位置決定手段は、前記複数の対物センサから取得した検出信号に基づいて前記遊技球の位置を決定し、
前記表示制御手段は、前記遊技球の位置に応じた図柄を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−75389(P2010−75389A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246241(P2008−246241)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】