運搬台車用後付けブレ−キ装置
【課題】 従来の運搬台車のブレ−キ装置は、ブレ−キを掛けるとき足ペタルを踏む或いは解除ペタルを踏む等の操作を必要とし、煩雑であり、掛け忘れることが有った。
【解決手段】 本発明のブレ−キ装置は、台車が走行するとき握りハンドルを下へ押しながら走行し、手を離すとハンドルレバ−が戻り自動的にブレ−キが掛かる方法で、車輪タイヤを押す金具13とリンク11によりトグル機構を形成し、圧縮バネ9が伸びる過程でリンク11が方向を転じ死点に達する直前から大きな力に変換する過程の図13の曲線Rを応用し、該曲線RのXp−X1間をタイヤの当たる部分に該当させ、バネを圧縮するときブレ−キ金具が開き解除し、手を離すとバネの反発力で前記トグル曲線出力強部が押し力に変換することを特徴とする台車のブレ−キ開閉装置
【解決手段】 本発明のブレ−キ装置は、台車が走行するとき握りハンドルを下へ押しながら走行し、手を離すとハンドルレバ−が戻り自動的にブレ−キが掛かる方法で、車輪タイヤを押す金具13とリンク11によりトグル機構を形成し、圧縮バネ9が伸びる過程でリンク11が方向を転じ死点に達する直前から大きな力に変換する過程の図13の曲線Rを応用し、該曲線RのXp−X1間をタイヤの当たる部分に該当させ、バネを圧縮するときブレ−キ金具が開き解除し、手を離すとバネの反発力で前記トグル曲線出力強部が押し力に変換することを特徴とする台車のブレ−キ開閉装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在すでに使用している運搬台車にブレ−キ装置を簡単に取付ける装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より台車にブレ−キ装置を付設されたものは多く有る、しかし既設の台車に取付けることは車輪付近のスペ−スや装置の制動力不足等と製造したメ−カ−により形が異なること等を合わせ後付けは困難で有った。
【発明が解決しよとする課題】
【0003】
台車は安全上の理由から、荷の積み下ろし時、使用しないときの停止中に自動車と同じように停車時のブレ−キが必要で有ることは必然で有る、工場の組立部品の運搬、測定用の計測機器を積む計測用台車、患者に薬を運ぶナ−ス台車、手術用のメス等を乗せるメディカル台車、等通路や作業場の傾斜に左右されず所望の位置に停止して動かないことが望ましい。
【0004】
しかし工場などの荷役で既に使用している台車は、台数が多く駐車ブレ−キが付設されていないものも多く有り、これら既設台車に後付けによるブレ−キ装置の付設可能な装置が望まれていた。
【0005】
従来駐車ブレ−キの操作システムとして、停止してから足踏みによりブレ−キを掛け、スタ−ト前に再び足踏みによる解除の操作を必要とし掛け忘れ等の問題も有った。
【0006】
特開2003−89365号に開示された足踏みブレ−キ装置は複雑で有り、既設の台車に後付けにより取付ける方法は考慮されておらず、ブレ−キの付設を望むとき新たに購入する必要が有った。
又、掛け忘れ等の安全上の問題から台車が停止すれば意思に関わり無く即自動的にブレ−キが掛かるセフティ−システムの導入が望まれている。
【0007】
上記実状に鑑み、台車の操作者が台車を押しながら搬送する握り部がブレ−キの操作を兼用し、意識することなく台車を離れたとき即ブレ−キが掛かるセフティ−システム装置を提供するもので、走行時ブレ−キ操作兼用の握り形状の昇降操作レバ−と、トグル機構の特性を応用した車輪ブレ−キ装置と、この間の操作を連結するワイヤ−ケ−ブルとで構成し、既設のブレ−キが付設されていない台車に後付けにより取付可能とすることを目的とする。
【0008】
上記、手を離すとブレ−キが掛かる安全システムすなわちセフティ−システムは搬送時握りハンドルブレ−キレバ−を下へ押さえながら走行し、手を離すとブレ−キが掛かる方式を示すが下記の理由によりその構造は容易では無い。
【0009】
台車に制動を掛ける動力は電動等の大きいエネルギ−を得ることは困難なため通常バネ等の反発力を利用する、そのため大きい制動力を得ようとすると反発力の大きいバネを必要とし、強いバネはブレ−キを解除するとき強い手の押さえ力が必要となり、重量用台車の大径車輪に到っては制動力をいかに発生させるかが課題で有る。
【0010】
大径車輪等大きな制動力を必要とするものにセフティ−システム形式の手を離す単純操作のみでブレ−キのロックを得ることが困難なため操作をロックと解除に分割し、
特開2002−250370号公開の如くブレ−キを掛ける或いは解除するの2回の操作を手又は足により行う構造が通常で有った。
【0011】
又、上記を逃れるため特開2003−237549号公開に見られる構造は、制動力を大きくするため車輪のタイヤに爪を食い込ませ、その食い込み停止力で大きい制動力を得る方法で単純では有るが、しかし大きな問題が有る、これは制動解除のため爪を開こうとするとき爪が食い込んでいないときはレバ−を握る操作で解除可能と成るが、台車の車輪負荷がブレ−キの爪に食い込んで停止をしているときに解除レバ−を握ると、レバ−負荷は大きく成り爪を開くことが困難と成る。。
【0012】
これは予めタイヤの爪を食い込込ませて大きな制動力を得ることを想定しているからで、簡素で有り制動力も大きく前記セフティ−システム方式でも有るが使用環境が傾斜する通路での使用時解除レバ−を握るとワイヤ−が切れるなどの欠陥が有る。
本案は巨大な制動力にも拘らず軽く解除でき手を離すと即ブレ−キが掛かる。
【課題が解決しようとする手段】
【0013】
本装置の手を離すと制動力を発生し、走行時解除レバ−を握るブレ−キが開放される構造は、トグルリンク機構を応用し、トグル特性の持つリンクとバネの作動の過程で死点に達する反力が横方向に変換するとき巨大な力を発生する特性を取り込み、且つセルフロックなってタイヤ側から戻すことができないトグル特性を応用し、以下にそのブレ−キ構造を詳述する。
【0014】
トグル機構の特性応用によるブレ−キ制動は小さなバネにも拘わらず大きな押し力を発揮でき、僅かな操作力でリンク機構が作動するため車輪のブレ−キ操作力は著しく軽減する、これにより解除レバ−の走行時の押す力は軽減され、軽快に成り、又解除レバ−を単に離す動作のみで巨大な制動力を得ることが可能と成った。
【0015】
トグル機構の特性曲線を図13に示し、バネが圧縮時ZaからZbへ伸びて減衰するにも拘わらず押し力は途中から急速に立ち上がり、この終端Xp−X1間を押し力として該当させ、手を離すすなわちバネが戻るときのトグル構造を利用し終端で数倍の力が発生する特性を応用し、大きい制動力を得るタイヤ押力発生の手段で有る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1と図2にて本ブレ−キ装置のブレ−キレバ−の昇降による車輪ブレ−キのロック状態と解除された開放状態を示す。
【0017】
図1は台車の停止時を示し、解除レバ−2から手が離され上に上がり車輪ブレ−キ装置6のブレ−キがロック状態で有る図を示す。図2は台車の走行時を示し、解除レバ−2が手により押され下に下がり、車輪ブレ−キが開放状態に有る図を示す。
【0018】
台車1の押しハンドル1a上方握りパイプに解除レバ−2を取付サドル2bによりボルト締めし、台車裏面の車輪7タイヤに車輪ブレ−キ6を当て、ブレ−キ取付金具5を台車にボルト固定し、解除レバ−2と車輪ブレ−キ6をケ−ブル3により左右分配し、解除レバ−2のワイヤ−4を引くとき車輪ブレ−キが開放される。
【0019】
すでに使用中の既設台車の押しハンドルパイプ部に解除レバ−を、台車底部の左右固定車輪2個に対し後付けされシステムブレ−キが使用可能と成った図を示す。
【0020】
図3は台車の本ブレ−キシステムを取付た側面図を示し、図4は台車の取付け後面図を示す。
【0021】
図4の台車ハンドルパイプ1aに解除レバ−2の取付部2bを締め付けた図を示し、同形の台車であれば容易に取付け可能とし、解除レバ−2の操作は解除レバ−握り部2aに示し、当パイプを押す操作によりケ−ブル3のワイヤ−4を引く装置の付設図で有る。
【0022】
図5は、解除レバ−2の手を離し圧縮バネ9の反発力が中央リンクピン10を押し作動リンクが水平一直線に成ってタイヤ押し金具14の先端が車輪7のタイヤに当たっているブレ−キのロック状態をタイヤと車輪ブレ−キ体6を示す。
図6は、解除レバ−2がワイヤ−を引き圧縮バネ9がリンク中央ピン10を介しワイヤ−端4bが上に引かれ、タイヤ押し金具14がタイヤを離れブレ−キが開いた状態を示す。
【0023】
図7は、車輪ブレ−キ6の正面図、図8は外部より見る側面図を示し、本体ケ−ス8の中央部にケ−ス長穴8aを設け、リンク中央ピン10の上下限位置が定められ昇降する左右位置を規制する。
【0024】
図9は、車輪ブレ−キ6の図10のC−C断面を示し、左右の従動ピン両端部から各々中央部に位置するリンク中央ピン10に計4枚同時挿通されており、ピン10の両端部は本体ケ−ス8の前記ケ−ス長穴8aに挿通されて昇降可能とし、リンク中央ピン10の中央部にワイヤ−4を通す穴を設け下方より通しワイヤ−端4bで止める。
図10は、前記リンク中央ピン10の上部に乗り本体ケ−ス8の下面の間に圧縮状態で圧縮バネ9を挿入し、絶えず下方へバネ9の反発力がピン10を押す。
【0025】
図10は実線と鎖線とによりリンク11による開閉を示す。実線がワイヤ−端4bを引くブレ−キの解除中を示し、鎖線が解除レバ−の手を離し、バネの反発力で下へ押されて作リンク11が一直線上に成り、従動ピン12が外部方向へ押され、従動死点ピン15を回動動し、タイヤ押し金具14がタイヤを挟み車輪を制動する状態を示す。
ワイヤ−4を引く、又は戻す時バネのストロ−ク昇降をZaZb間とし距離Sで示す。
【0026】
図11はブレ−キが解除された状態を示し、図12はブレ−キが掛かった状態の力と方向を示すベクトル図を示す。
図11は、解除レバ−2を引き圧縮バネ9が上に圧縮された図を示す。レバ−引き力Z1、バネ圧縮荷重Z2、リンク引き力Y、リンク中央ピン10とし関る昇降ストロ−クSにおいて、レバ−引き力Z1はバネ圧縮力Z2に釣合って等しく、作動リンク11の中央側はピン10により上方に引かれリンク従動ピン12を中央に引きリンク従動金具13の従動死点ピン15を中心に回動する。タイヤ押し金具14は距離調整ボルト16によりリンク従動金具13にネジ締め固定され上下調整可能とし、従動ピン15は本体ケ−ス8下端両側の前記穴に回動可能に挿通され、ブレ−キ操作を前記Sにてピン10を昇降し開閉する。
【0027】
図11のリンク引き荷重Yは、リンク従動金具14がタイヤを離れて無負荷状態に有り、該レバ−引き力はタイヤを離れてからリンクの操作力は圧縮力Z2のみとなる。
【0028】
図12は、解除握り部が離されレバ−引き力Z1が0に成り圧縮バネ9の戻り荷重Z3が下方へリンク中央ピン10を押し戻し、長穴下限Zbで止まり両作動リンク11が一直線ののロック状態になったところを示す。レバ−引き力Z1、バネ戻し荷重Z3、リンク水平張力X1、タイヤ押し力X2、逆のタイヤ引き力を−X2としブレ−キのロック状態をを示す。
【0029】
ロック中のリンク水平張力X1は、圧縮バネ9が押し戻す力Z3と方向が90°異なる。一旦この形を形成するとZ3とX1は無関係になり、X1は作動リンク11とピン10、12が破断する迄の強度と成ってX2・−X2は膠着状態となり停止時の制動力を形成する。
【0030】
図13は、圧縮バネ9が圧縮時の図11の上限位置Zaから下限位置Zbの昇降距離の変位Sと作動リンク11の力の相互関係をグラフで示す。
【0031】
図13は、本装置の理論の根幹を成すもので、前記項で述べたトグル機構の特性を取り込むトグル曲線Rのタイヤ当たり点Xpからリンク水平死点X1間の位置を示す。
圧縮バネ9が伸び、圧縮力が減衰する最終過程付近で、曲線Rは急速に立ち上がる、これは作動リンク11が方向を変換し一直線に成る迄の僅かな死点直前のトグル特性曲線で、この区間Xp−X1をタイヤの制動力に該当させ強力な押し力を発生させ、且つ停止時の保持力X2・−X2の制動力と共に双方可能ならしめた。
【0032】
一方解除レバ−2を手で押す力すなわちワイヤ−を引く力Z1は、巨大なタイヤ押し力を発生するにも拘らずバネ荷重線Bで示され、バネの圧縮力のみのでリンク11を開閉でき押力は軽く軽快で有る。
【発明の効果】
【0033】
本装置は、トグル機構を応用することにより、解除レバ−の操作力はバネの圧縮力のみで、タイヤを押す力がバネの数倍得られ、構造が簡素で小形軽量となり、リンク開閉が軽快なため引き荷重が軽く成って、ワイヤ−ケ−ブルでの遠隔操作が可能となり、小小形省スペ−スのため既設の台車下車輪の前後方向に後付が可能と成った。
【発明の実施するための最良の形態】
【0034】
図1と図2において、台車の押しハンドルの握りパイプに解除レバ−2装置を取付け、台車の車輪7タイヤに車輪ブレ−キ装置6を当てブレ−キ取付金具5で支える。解除レバ−2のワイヤ−操作を車輪ブレ−キ装置6へワイヤ−ケ−ブルにて伝達し、前記レバ−の手による昇降でブレ−キの制動が制御され、走行時以外はブレ−キが掛かった状態にあるセフティ−システムブレ−キ装置の形態を示す。
図1は停止時、図2は走行時を示し、停止中はブレ−キレバ−2が上に有り、ブレ−キが掛かる、移動するときは解除レバ−2を下へ押し解除しながら走行する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】 本発明の実施の形態を示し、停止時のブレ−キが掛かった状態図
【図2】 本発明の実施の形態を示し、走行時のブレ−キが開放された状態図
【図3】 台車にブレ−キ装置が後付けされた全体側面図
【図4】 台車にブレ−キ装置が後付けされた全体後面図
【図5】 車輪ブレ−キ装置のブレ−キが掛かった状態の断面図
【図6】 車輪ブレ−キ装置のブレ−キが開放された状態の断面図
【図7】 車輪ブレ−キ装置の正面図
【図8】 車輪ブレ−キ装置の外部から見た側面図
【図9】 車輪ブレ−キ装置のC−C断面を示す上面図
【図10】 車輪ブレ−キ装置の動作図で、実線がブレ−キ開、鎖線が閉を示す
【図11】 車輪ブレ−キ装置の開放時の力と方向を示すベクトル図
【図12】 車輪ブレ−キ装置のロック時の力と方向を示すベクトル図
【図13】 圧縮バネの変位とトグルリンクの押し力曲線の特性グラフを示す
【符号の説明】
【0034】
1 台車
1a 台車押しハンドル
2 解除レバ−
2a 解除レバ−握り部
2b レバ−取付サドル
3 ケ−ブル
3a ケ−ブル調節金具
4 ワイヤ−
4a ワイヤ−上端
4b ワイヤ−下端
5 ブレ−キ取付金具
6 車輪ブレ−キ
7 車輪
7a ゴム車輪凹部
8 本体ケ−ス
8a ケ−ス長穴
9 圧縮バネ
10 リンク中央ピン
10a 割りピン
11 作動リンク
12 従動ピン
13 リンク従動金具
14 タイヤ押し金具
15 従動死点ピン
16 距離調整ボルト
【0036】
Za 上限位置
Zb 下限位置
Z1 レバ−引き力
X2 タイヤ押し力
−X2 タイヤ引き力
Xp タイヤ当たり点
S バネ作動距離
B バネ荷重線
R トグルリンク特性曲線
P 荷重
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在すでに使用している運搬台車にブレ−キ装置を簡単に取付ける装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より台車にブレ−キ装置を付設されたものは多く有る、しかし既設の台車に取付けることは車輪付近のスペ−スや装置の制動力不足等と製造したメ−カ−により形が異なること等を合わせ後付けは困難で有った。
【発明が解決しよとする課題】
【0003】
台車は安全上の理由から、荷の積み下ろし時、使用しないときの停止中に自動車と同じように停車時のブレ−キが必要で有ることは必然で有る、工場の組立部品の運搬、測定用の計測機器を積む計測用台車、患者に薬を運ぶナ−ス台車、手術用のメス等を乗せるメディカル台車、等通路や作業場の傾斜に左右されず所望の位置に停止して動かないことが望ましい。
【0004】
しかし工場などの荷役で既に使用している台車は、台数が多く駐車ブレ−キが付設されていないものも多く有り、これら既設台車に後付けによるブレ−キ装置の付設可能な装置が望まれていた。
【0005】
従来駐車ブレ−キの操作システムとして、停止してから足踏みによりブレ−キを掛け、スタ−ト前に再び足踏みによる解除の操作を必要とし掛け忘れ等の問題も有った。
【0006】
特開2003−89365号に開示された足踏みブレ−キ装置は複雑で有り、既設の台車に後付けにより取付ける方法は考慮されておらず、ブレ−キの付設を望むとき新たに購入する必要が有った。
又、掛け忘れ等の安全上の問題から台車が停止すれば意思に関わり無く即自動的にブレ−キが掛かるセフティ−システムの導入が望まれている。
【0007】
上記実状に鑑み、台車の操作者が台車を押しながら搬送する握り部がブレ−キの操作を兼用し、意識することなく台車を離れたとき即ブレ−キが掛かるセフティ−システム装置を提供するもので、走行時ブレ−キ操作兼用の握り形状の昇降操作レバ−と、トグル機構の特性を応用した車輪ブレ−キ装置と、この間の操作を連結するワイヤ−ケ−ブルとで構成し、既設のブレ−キが付設されていない台車に後付けにより取付可能とすることを目的とする。
【0008】
上記、手を離すとブレ−キが掛かる安全システムすなわちセフティ−システムは搬送時握りハンドルブレ−キレバ−を下へ押さえながら走行し、手を離すとブレ−キが掛かる方式を示すが下記の理由によりその構造は容易では無い。
【0009】
台車に制動を掛ける動力は電動等の大きいエネルギ−を得ることは困難なため通常バネ等の反発力を利用する、そのため大きい制動力を得ようとすると反発力の大きいバネを必要とし、強いバネはブレ−キを解除するとき強い手の押さえ力が必要となり、重量用台車の大径車輪に到っては制動力をいかに発生させるかが課題で有る。
【0010】
大径車輪等大きな制動力を必要とするものにセフティ−システム形式の手を離す単純操作のみでブレ−キのロックを得ることが困難なため操作をロックと解除に分割し、
特開2002−250370号公開の如くブレ−キを掛ける或いは解除するの2回の操作を手又は足により行う構造が通常で有った。
【0011】
又、上記を逃れるため特開2003−237549号公開に見られる構造は、制動力を大きくするため車輪のタイヤに爪を食い込ませ、その食い込み停止力で大きい制動力を得る方法で単純では有るが、しかし大きな問題が有る、これは制動解除のため爪を開こうとするとき爪が食い込んでいないときはレバ−を握る操作で解除可能と成るが、台車の車輪負荷がブレ−キの爪に食い込んで停止をしているときに解除レバ−を握ると、レバ−負荷は大きく成り爪を開くことが困難と成る。。
【0012】
これは予めタイヤの爪を食い込込ませて大きな制動力を得ることを想定しているからで、簡素で有り制動力も大きく前記セフティ−システム方式でも有るが使用環境が傾斜する通路での使用時解除レバ−を握るとワイヤ−が切れるなどの欠陥が有る。
本案は巨大な制動力にも拘らず軽く解除でき手を離すと即ブレ−キが掛かる。
【課題が解決しようとする手段】
【0013】
本装置の手を離すと制動力を発生し、走行時解除レバ−を握るブレ−キが開放される構造は、トグルリンク機構を応用し、トグル特性の持つリンクとバネの作動の過程で死点に達する反力が横方向に変換するとき巨大な力を発生する特性を取り込み、且つセルフロックなってタイヤ側から戻すことができないトグル特性を応用し、以下にそのブレ−キ構造を詳述する。
【0014】
トグル機構の特性応用によるブレ−キ制動は小さなバネにも拘わらず大きな押し力を発揮でき、僅かな操作力でリンク機構が作動するため車輪のブレ−キ操作力は著しく軽減する、これにより解除レバ−の走行時の押す力は軽減され、軽快に成り、又解除レバ−を単に離す動作のみで巨大な制動力を得ることが可能と成った。
【0015】
トグル機構の特性曲線を図13に示し、バネが圧縮時ZaからZbへ伸びて減衰するにも拘わらず押し力は途中から急速に立ち上がり、この終端Xp−X1間を押し力として該当させ、手を離すすなわちバネが戻るときのトグル構造を利用し終端で数倍の力が発生する特性を応用し、大きい制動力を得るタイヤ押力発生の手段で有る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1と図2にて本ブレ−キ装置のブレ−キレバ−の昇降による車輪ブレ−キのロック状態と解除された開放状態を示す。
【0017】
図1は台車の停止時を示し、解除レバ−2から手が離され上に上がり車輪ブレ−キ装置6のブレ−キがロック状態で有る図を示す。図2は台車の走行時を示し、解除レバ−2が手により押され下に下がり、車輪ブレ−キが開放状態に有る図を示す。
【0018】
台車1の押しハンドル1a上方握りパイプに解除レバ−2を取付サドル2bによりボルト締めし、台車裏面の車輪7タイヤに車輪ブレ−キ6を当て、ブレ−キ取付金具5を台車にボルト固定し、解除レバ−2と車輪ブレ−キ6をケ−ブル3により左右分配し、解除レバ−2のワイヤ−4を引くとき車輪ブレ−キが開放される。
【0019】
すでに使用中の既設台車の押しハンドルパイプ部に解除レバ−を、台車底部の左右固定車輪2個に対し後付けされシステムブレ−キが使用可能と成った図を示す。
【0020】
図3は台車の本ブレ−キシステムを取付た側面図を示し、図4は台車の取付け後面図を示す。
【0021】
図4の台車ハンドルパイプ1aに解除レバ−2の取付部2bを締め付けた図を示し、同形の台車であれば容易に取付け可能とし、解除レバ−2の操作は解除レバ−握り部2aに示し、当パイプを押す操作によりケ−ブル3のワイヤ−4を引く装置の付設図で有る。
【0022】
図5は、解除レバ−2の手を離し圧縮バネ9の反発力が中央リンクピン10を押し作動リンクが水平一直線に成ってタイヤ押し金具14の先端が車輪7のタイヤに当たっているブレ−キのロック状態をタイヤと車輪ブレ−キ体6を示す。
図6は、解除レバ−2がワイヤ−を引き圧縮バネ9がリンク中央ピン10を介しワイヤ−端4bが上に引かれ、タイヤ押し金具14がタイヤを離れブレ−キが開いた状態を示す。
【0023】
図7は、車輪ブレ−キ6の正面図、図8は外部より見る側面図を示し、本体ケ−ス8の中央部にケ−ス長穴8aを設け、リンク中央ピン10の上下限位置が定められ昇降する左右位置を規制する。
【0024】
図9は、車輪ブレ−キ6の図10のC−C断面を示し、左右の従動ピン両端部から各々中央部に位置するリンク中央ピン10に計4枚同時挿通されており、ピン10の両端部は本体ケ−ス8の前記ケ−ス長穴8aに挿通されて昇降可能とし、リンク中央ピン10の中央部にワイヤ−4を通す穴を設け下方より通しワイヤ−端4bで止める。
図10は、前記リンク中央ピン10の上部に乗り本体ケ−ス8の下面の間に圧縮状態で圧縮バネ9を挿入し、絶えず下方へバネ9の反発力がピン10を押す。
【0025】
図10は実線と鎖線とによりリンク11による開閉を示す。実線がワイヤ−端4bを引くブレ−キの解除中を示し、鎖線が解除レバ−の手を離し、バネの反発力で下へ押されて作リンク11が一直線上に成り、従動ピン12が外部方向へ押され、従動死点ピン15を回動動し、タイヤ押し金具14がタイヤを挟み車輪を制動する状態を示す。
ワイヤ−4を引く、又は戻す時バネのストロ−ク昇降をZaZb間とし距離Sで示す。
【0026】
図11はブレ−キが解除された状態を示し、図12はブレ−キが掛かった状態の力と方向を示すベクトル図を示す。
図11は、解除レバ−2を引き圧縮バネ9が上に圧縮された図を示す。レバ−引き力Z1、バネ圧縮荷重Z2、リンク引き力Y、リンク中央ピン10とし関る昇降ストロ−クSにおいて、レバ−引き力Z1はバネ圧縮力Z2に釣合って等しく、作動リンク11の中央側はピン10により上方に引かれリンク従動ピン12を中央に引きリンク従動金具13の従動死点ピン15を中心に回動する。タイヤ押し金具14は距離調整ボルト16によりリンク従動金具13にネジ締め固定され上下調整可能とし、従動ピン15は本体ケ−ス8下端両側の前記穴に回動可能に挿通され、ブレ−キ操作を前記Sにてピン10を昇降し開閉する。
【0027】
図11のリンク引き荷重Yは、リンク従動金具14がタイヤを離れて無負荷状態に有り、該レバ−引き力はタイヤを離れてからリンクの操作力は圧縮力Z2のみとなる。
【0028】
図12は、解除握り部が離されレバ−引き力Z1が0に成り圧縮バネ9の戻り荷重Z3が下方へリンク中央ピン10を押し戻し、長穴下限Zbで止まり両作動リンク11が一直線ののロック状態になったところを示す。レバ−引き力Z1、バネ戻し荷重Z3、リンク水平張力X1、タイヤ押し力X2、逆のタイヤ引き力を−X2としブレ−キのロック状態をを示す。
【0029】
ロック中のリンク水平張力X1は、圧縮バネ9が押し戻す力Z3と方向が90°異なる。一旦この形を形成するとZ3とX1は無関係になり、X1は作動リンク11とピン10、12が破断する迄の強度と成ってX2・−X2は膠着状態となり停止時の制動力を形成する。
【0030】
図13は、圧縮バネ9が圧縮時の図11の上限位置Zaから下限位置Zbの昇降距離の変位Sと作動リンク11の力の相互関係をグラフで示す。
【0031】
図13は、本装置の理論の根幹を成すもので、前記項で述べたトグル機構の特性を取り込むトグル曲線Rのタイヤ当たり点Xpからリンク水平死点X1間の位置を示す。
圧縮バネ9が伸び、圧縮力が減衰する最終過程付近で、曲線Rは急速に立ち上がる、これは作動リンク11が方向を変換し一直線に成る迄の僅かな死点直前のトグル特性曲線で、この区間Xp−X1をタイヤの制動力に該当させ強力な押し力を発生させ、且つ停止時の保持力X2・−X2の制動力と共に双方可能ならしめた。
【0032】
一方解除レバ−2を手で押す力すなわちワイヤ−を引く力Z1は、巨大なタイヤ押し力を発生するにも拘らずバネ荷重線Bで示され、バネの圧縮力のみのでリンク11を開閉でき押力は軽く軽快で有る。
【発明の効果】
【0033】
本装置は、トグル機構を応用することにより、解除レバ−の操作力はバネの圧縮力のみで、タイヤを押す力がバネの数倍得られ、構造が簡素で小形軽量となり、リンク開閉が軽快なため引き荷重が軽く成って、ワイヤ−ケ−ブルでの遠隔操作が可能となり、小小形省スペ−スのため既設の台車下車輪の前後方向に後付が可能と成った。
【発明の実施するための最良の形態】
【0034】
図1と図2において、台車の押しハンドルの握りパイプに解除レバ−2装置を取付け、台車の車輪7タイヤに車輪ブレ−キ装置6を当てブレ−キ取付金具5で支える。解除レバ−2のワイヤ−操作を車輪ブレ−キ装置6へワイヤ−ケ−ブルにて伝達し、前記レバ−の手による昇降でブレ−キの制動が制御され、走行時以外はブレ−キが掛かった状態にあるセフティ−システムブレ−キ装置の形態を示す。
図1は停止時、図2は走行時を示し、停止中はブレ−キレバ−2が上に有り、ブレ−キが掛かる、移動するときは解除レバ−2を下へ押し解除しながら走行する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】 本発明の実施の形態を示し、停止時のブレ−キが掛かった状態図
【図2】 本発明の実施の形態を示し、走行時のブレ−キが開放された状態図
【図3】 台車にブレ−キ装置が後付けされた全体側面図
【図4】 台車にブレ−キ装置が後付けされた全体後面図
【図5】 車輪ブレ−キ装置のブレ−キが掛かった状態の断面図
【図6】 車輪ブレ−キ装置のブレ−キが開放された状態の断面図
【図7】 車輪ブレ−キ装置の正面図
【図8】 車輪ブレ−キ装置の外部から見た側面図
【図9】 車輪ブレ−キ装置のC−C断面を示す上面図
【図10】 車輪ブレ−キ装置の動作図で、実線がブレ−キ開、鎖線が閉を示す
【図11】 車輪ブレ−キ装置の開放時の力と方向を示すベクトル図
【図12】 車輪ブレ−キ装置のロック時の力と方向を示すベクトル図
【図13】 圧縮バネの変位とトグルリンクの押し力曲線の特性グラフを示す
【符号の説明】
【0034】
1 台車
1a 台車押しハンドル
2 解除レバ−
2a 解除レバ−握り部
2b レバ−取付サドル
3 ケ−ブル
3a ケ−ブル調節金具
4 ワイヤ−
4a ワイヤ−上端
4b ワイヤ−下端
5 ブレ−キ取付金具
6 車輪ブレ−キ
7 車輪
7a ゴム車輪凹部
8 本体ケ−ス
8a ケ−ス長穴
9 圧縮バネ
10 リンク中央ピン
10a 割りピン
11 作動リンク
12 従動ピン
13 リンク従動金具
14 タイヤ押し金具
15 従動死点ピン
16 距離調整ボルト
【0036】
Za 上限位置
Zb 下限位置
Z1 レバ−引き力
X2 タイヤ押し力
−X2 タイヤ引き力
Xp タイヤ当たり点
S バネ作動距離
B バネ荷重線
R トグルリンク特性曲線
P 荷重
【特許請求の範囲】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−168759(P2007−168759A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−381144(P2005−381144)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(591019003)
【出願人】(595147504)
【出願人】(506026254)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(591019003)
【出願人】(595147504)
【出願人】(506026254)
【Fターム(参考)】
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