説明

運転支援システム

【課題】車体速度を所望の速度に維持するよう制御する車速制御が不意に解除されてしまうことを防ぐこと。
【解決手段】アクセルペダルの操作量が増加した後に、ユーザが車速制御の開始を所望すると判定するために予め設定された「車速制御開始範囲」内となった場合には開始指示をエンジンECU2へ出力する。車速制御の実行中に、アクセルペダルの操作量が、ユーザが車速制御の継続を所望すると判定するために予め設定された、車速制御開始範囲を包含する「車速制御継続範囲」内にある場合には解除指示をエンジンECU2へ出力せず、一方、アクセルペダルの操作量が車速制御継続範囲内にはなくなった場合には解除指示をエンジンECU2へ出力する。車速制御継続範囲が車速制御開始範囲を包含するので、何らかの要因でアクセルペダルの操作量が変化しても、操作量が車速制御継続範囲にある限りにおいては車速制御が解除されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者が行う運転操作の支援を行う運転支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載され、当該車両の運転者が行う運転操作の支援を行う運転支援システムが知られている。
この種の運転支援システムとして、例えば特許文献1に記載の速度制御装置があり、この速度制御装置では、車体速度の維持要求操作が検出された時点での車体速度が要求維持車速として記憶され、車体速度が同要求維持車速に維持されるように自動制御されるようになっている。より具体的には、運転者がアクセルペダル・ブレーキペダル等の「車速変更用操作部材」を操作して車体速度を所望の速度に調整し、且つ、車体速度が所望の速度に調整された時点で現在操作しているその「車速変更用操作部材」に対して上記「車体速度の維持要求操作」に対応する操作を実行することで、車体速度を所望の速度に維持するようになっている。この場合、車両を加速するために操作される車速変更用操作部材としての加速用操作部材に対する運転者による加速要求操作が解除されたことにより、運転者による車体速度の維持要求操作を検出するように構成されている。ここで、加速用操作部材とは、例えば、アクセルペダル、上述したジョイスティック等であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−298178号公報(第4頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の速度制御装置では、車両の走行速度を所望の速度に維持する車速制御が不意に解除されてしまうことがあった。これは、車速制御を継続するためには、ドライバがアクセルペダルの踏み込み量を固定しなければならないが、何らかの要因でアクセルペダルをオフにすると、車速制御が解除されてしまうからである。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、車両に搭載され、当該車両の運転者が行う運転操作の支援を行う運転支援システムにおいて、車両の走行速度を所望の速度に維持する車速制御が不意に解除されてしまうことを防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る運転支援システムは、車両に搭載され、当該車両の運転者が行う運転操作の支援を行うシステムであり、次のような機能を有する。
【0007】
すなわち、開始条件判断手段が、操作量検出手段によって検出された車速変更用操作部材への操作量が増加した後に、ユーザが車速制御の開始を所望すると判定するために予め設定された「車速制御開始範囲」内となったことを判断する。車速変更用操作部材への操作量が増加した後に車速制御開始範囲内となったと前記開始条件判断手段によって判断された場合には、開始指示出力手段が、車速制御を開始する旨の開始指示を車速制御実行手段へ出力する。開始指示を入力された車速制御実行手段が車速制御を実行し、解除指示が入力されるまで車速制御を継続する。
【0008】
そして、継続解除判断手段が、車速制御実行手段による車速制御の実行中に、操作量検出手段によって検出される車速変更用操作部材の操作量が、ユーザが車速制御の継続を所望すると判定するために予め設定された、車速制御開始範囲を包含する「車速制御継続範囲」内にあるか否かを判断する。車速変更用操作部材の操作量が車速制御継続範囲内にあると継続解除判断手段によって判断された場合には、解除指示出力手段が、解除指示を車速制御実行手段へ出力せず、一方、車速変更用操作部材の操作量が車速制御継続範囲内にはないと継続解除判断手段によって判断された場合には、解除指示出力手段が、解除指示を車速制御実行手段へ出力する。解除指示が入力された車速制御実行手段は、車速制御を解除する。
【0009】
なお、ユーザが車速制御の継続を所望すると判定するために予め設定された「車速制御継続範囲」が、ユーザが前記車速制御の開始を所望すると判定するために予め設定された「車速制御開始範囲」を包含するので、何らかの要因で車速変更用操作部材の操作量が変化しても、操作量が車速制御継続範囲にある限りにおいては車速制御が解除されない。
【0010】
このことにより、車両の走行速度を所望の速度に維持する車速制御が不意に解除されてしまうことを防ぐことができる。
この場合、前提条件を満たす場合に開始指示を出力するか否かの判断を行うようにしてもよい(請求項2)。なお、前提条件の具体例としては、当該車両が走行中の走行路形状が適正範囲内であること、当該車両の操舵角が規定値内であって走行路形状に応じた適正範囲内にあること、減速用操作部材が操作されておらず変速機用操作部材の操作位置がドライブモードであること、当該車両の走行速度が制御速度よりも大きく設定された既定値以下であること、制御目標が設定可能であること、が挙げられる。
【0011】
さらに、上述の前提条件を満たす場合において開始指示を出力すると判断したときには、開始指示が出力されて車速制御が開始されるが、その後上述の前提条件を満たさなくなった場合には、車速制御を解除することが考えられる(請求項3)。
【0012】
また、車速制御の実行中に、車速変更用操作部材の操作量が一旦オフに後に再び車速制御継続範囲内となった場合には、車速変更用操作部材の操作量がオフになったときの車速を維持する意図と判断して、例えば車速変更用操作部材の操作量が制御前加速領域となるまで、その車速を維持するよう車速制御を実行するとよい(請求項4)。
【0013】
なお、前記車速変更用操作部材を操作可能な範囲については、前記車速制御を実行していないときにユーザが当該車両の減速または低速走行を所望することを判定するための車速制御前減速/低速領域と、前記車速制御開始領域と、前記車速制御を実行していないときにユーザが当該車両の加速を所望することを判定するための車速制御前加速領域とに連続するよう分割されるとともに、一方で、前記車速制御の実行中にユーザが当該車両の減速または低速走行を所望することを判定するための車速制御中減速/低速領域と、前記車速制御維持領域と、前記車速制御の実行中にユーザが当該車両の加速を所望することを判定するための車速制御中加速領域とに連続するよう分割されることが考えられる(請求項5)。
【0014】
そして、このような車速変更用操作部材を操作可能な範囲を前提にして、次の(1)〜(9)のような処理が考えられる。
(1)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中減速/低速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに増加する場合には、当該車両の走行速度を維持するよう車速制御を実行する(請求項6)。
【0015】
(2)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御維持領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに増加する場合には、目標車速を前記既定値だけ増加するとともに既定加速度で加速するよう車速制御を走行する(請求項7)。
【0016】
(3)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中加速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに増加する場合には、前記操作量に応じた加速を行うよう車両制御を実行する(請求項8)。
【0017】
(4)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中減速/低速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに減少する場合には、前記操作量に応じた減速を行うよう車両制御を実行する(請求項9)。
【0018】
(5)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御維持領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに減少する場合には、目標車速を前記既定値だけ減少するとともに既定減速度で減速するよう車速制御を実行する(請求項10)。
【0019】
(6)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中加速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに減少する場合には、当該車両の走行速度を維持するよう車速制御を実行する(請求項11)。
【0020】
(7)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が一定で且つ前記車速制御中減速/低速領域内にある場合には、前記車速制御維持領域を前記車速制御中減速/低速領域側に修正する(請求項12)。
【0021】
(8)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が一定で且つ前記車速制御維持領域内にある場合には、前記車速制御維持領域を修正する(請求項13)。例えば、自動車速制御において高速走行になった場合に、手動運転でその車速になるアクセル操作位置までその範囲を広げるといった具合である。
【0022】
(9)前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が一定で且つ前記車速制御中加速領域内にある場合には、前記車速制御維持領域を前記車速制御中加速領域側に修正する(請求項14)。
【0023】
また、車速制御の解除後に車速制御の開始条件が再び満たされるようになることがあるが、この場合において、制御目標が存在しないときには、当該車両の走行速度を維持するよう車速制御を実行することが考えられる(請求項15)。
【0024】
また、車速制御の解除後に手動運転へ移行する場合には、次の(10)〜(16)のような処理が考えられる。
(10)車速制御の解除後に、前記車速変更用操作部材の操作量がオフである場合には、現在車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作量がオフであるときと同様の車速制御を実行する(請求項16)。
【0025】
(11)車速制御の解除後に、前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御前減速/低速領域内にある場合には、現在車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行する(請求項17)。
【0026】
(12)車速制御の解除後に、前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御前加速領域内にある場合には、車速制御の制御状態および前記車速変更用操作部材の操作状態に応じて車速維持または加速を選択して車速制御を実行する(請求項18)。ここで、加速時には車速制御として加速度維持または加速度アップを実行する(請求項19)。なお、このような加速時には、手動運転時の同一走行状態で加速度アップとなるアクセル状態になるまでは現在加速度維持とするとよい。また、定速走行時または減速時には車速制御として現在の車速維持または加速を実行する(請求項20)。なお、このような定速走行時・減速時は、手動運転時の同一走行状態で加速となるアクセル状態になるまでは、現在の車速維持とするとよい。
【0027】
(13)車速制御の解除後に、当該車両の操舵角が規定値内で走行路形状に応じた適正範囲内でなくなった場合には、現在の車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行する(請求項21)。
【0028】
(14)車速制御の解除後に、変速機用操作部材の操作位置がドライブモードではなくなった場合には、現在の車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行する(請求項22)。
【0029】
(15)車速制御の解除後に、減速用操作部材が操作された場合には、前記減速用操作部材の操作量に応じて減速する(請求項23)。
(16)車速制御の解除後に、制御目標が設定可能でなくなった場合には、現在の車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行する(請求項24)。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】路車間通信システムの概略構成を示すブロック図
【図2】(a)路車間通信システムの概要を説明する説明図、(b)アクセルペダルを操作可能な範囲を、車速制御実行前と車速制御実行中とで、減速/低速領域、車速制御開始領域/車速制御維持領域、加速領域に分割する実施例を説明する説明図
【図3】運転支援処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
[1.路車間通信システム100の構成の説明]
本実施形態における路車間通信システム100は、図1および図2(a)に示すように、車両に搭載された運転支援システム150と、例えば交差点近傍に配置された信号機システム200とが、互いに無線通信可能に構成されている。
【0032】
[1.1.運転支援システム150の構成の説明]
運転支援システム150は、図1(a)に示すように、無線機10、表示装置11、スピーカ12が接続された支援制御ECU1(ECUは電子制御装置)と、車速センサ21が接続されたエンジンECU2と、ステアリングセンサ31、ヨーレートセンサ32が接続されたブレーキECU3と、GPSアンテナ41が接続されたナビゲーションECU4と、レーダ51が接続されたレーダ制御ECU5と、を備えている。
【0033】
各ECU1〜5は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイクロコンピュータとして構成されており、通信線を介してCAN等の所定の通信プロトコルで他のECU1〜5と通信可能に構成されている。
【0034】
支援制御ECU1は、後述する運転支援処理等を実行し、この処理の実行結果を表示装置11やスピーカ12を介して車両の運転者に報知する。また、支援制御ECU1は、情報提供装置200から無線機10を介して何らかの情報を受信すると、この受信結果に応じた処理を実行する。
【0035】
なお、支援制御ECU1は、開始条件判断手段、開始指示出力手段、継続解除判断手段および解除指示出力手段に該当する。
表示装置11は、例えば地図画像等を表示するLCD(液晶カラーディスプレイ)や、フロントガラスに画像を重ねて表示させるHUD(ヘッドアップディスプレイ)として構成されており、支援制御ECU1による処理の実行結果や、ナビゲーションECU4により生成された地図情報等を表示する。
【0036】
なお、表示装置11およびスピーカ12は、ナビゲーションECU4に接続されていてもよい。
ブレーキECU3は、操舵角を検出するステアリングセンサ31や角速度を検出するヨーレートセンサ32による検出結果に応じて、ブレーキ(図示省略)を制御する。また、ブレーキECU3は、支援制御ECU1から制動制御指令を受けるとブレーキを作動させる。
【0037】
ナビゲーションECU4は、GPSアンテナ41による検出結果に基づいて、自車両の現在地を検出し、この現在地に応じて、HDD(ハードディスクドライブ)9に格納された地図情報を読み出し、地図情報に自車両の現在地を重ねた地図画像を生成する。そして、ナビゲーションECU4は、地図情報および生成した地図画像を支援制御ECU1に送信し、表示装置11に地図画像を表示させる。
【0038】
エンジンECU2は、車速センサ21による検出結果およびアクセルペダルセンサ22によって検出されたアクセルペダルの操作量に応じてエンジン(図示しない噴射制御装置等)を制御するとともに、車速センサ21による検出結果(車速情報)を支援制御ECU1やナビゲーションECU4に送信する。
【0039】
なお、本実施形態では、車速変更用操作部材としてのアクセルペダルを操作可能な範囲については、車速制御を実行していないときには、ユーザが当該車両の減速または低速走行を所望することを判定するための「車速制御前減速/低速領域」(図2(b)では「車速制御前」側で「減速/低速」と記載)と、ユーザが車速制御の開始を所望すると判定するために予め設定された「車速制御開始領域」(図2(b)では「車速制御前」側で「開始」と記載)と、ユーザが当該車両の加速を所望することを判定するための「車速制御前加速領域」(図2(b)では「車速制御前」側で「加速」と記載)とに連続するよう分割され、一方で、車速制御の実行中には、車速制御の実行中にユーザが当該車両の減速または低速走行を所望することを判定するための「車速制御中減速/低速領域」(図2(b)では「車速制御中」側で「減速/低速」と記載)と、ユーザが車速制御の継続を所望すると判定するために予め設定された、車速制御開始範囲を包含する「車速制御維持領域」(図2(b)では「車速制御中」側で「継続」と記載)と、ユーザが当該車両の加速を所望することを判定するための「車速制御中加速領域」(図2(b)では「車速制御中」側で「加速」と記載)とに連続するよう分割されている。
【0040】
なお、エンジンECU2は、車速制御実行手段および操作量検出手段に該当する。
レーダ制御ECU5は、レーダ51からの出力信号を入力し、車両周囲の物体を検出する。
【0041】
[1.2.信号機システム200の構成の説明]
信号機システム200は、図1(b)に示すように、信号機制御部201と、信号表示装置202と、無線装置203と、情報中継判定装置204と、光ビーコン205と、を備えている。
【0042】
信号機制御部201は、CPU,ROM,RAM等からなる周知のコンピュータ装置で構成されており、信号機システム200の各部を統括制御し、自ら管理する信号サイクルのジュールに従って交差点に設置された信号表示装置202の青、黄、赤及び右折専用の矢印等の各信号灯の点灯、消灯及び点滅を制御する。
【0043】
無線装置203は、道路を走行する車両に搭載された運転支援システム150との間で双方向の無線通信(路車間通信)を行うための通信装置である。この路車間通信に用いる通信様式としては、上述の運転支援システム150と同様のものを用いる。
【0044】
情報中継判定装置204は、制御対象の信号表示装置202の設置された交差点周辺の交通状況に関する検出情報を取得した光ビーコン205からの出力信号を信号機制御部201に入力するか否かを判断する。
【0045】
[2.運転支援処理の説明]
次に、路車間通信システム100の運転支援システム150が実行する運転支援処理を、図3のフローチャートおよび図2を参照して説明する。
【0046】
本処理は、図示しないアクセサリ電源がオンとなり運転支援システム150に電源供給された場合に他の処理からは独立して実行される。
[S110の処理の説明]
まず、最初のステップS110では、自動車速制御の開始条件が成立するか否かを判断する。ここでは、下記状態でアクセルが車速制御開始範囲内になって既定時間(例:0.5秒)以上経過したことにより、成立したと判断する。
(S110−1)走行路カーブ半径が既定値以上であること(注1)
(S110−2)操舵角が規定値内で走行路形状に応じた適正範囲内であること(注1)
(S110−3)ブレーキがOFFであり、且つシフト位置がドライブ(通常走行位置)であること
(S110−4)車速が既定値以下であること(注2)
(S110−5)自動車速制御のための制御目標が設定可能であること(注3)
(注1)この場合の既定値および規定値とは、操舵中、および走行路がある程度以上カーブしている場合には、自動車速制御を実施しないことを判断するための限界値を云い、適正走行路カーブ半径例としては例えば50km/hで通過可能な半径として100m以下、操舵角例として走行路半径既定(1000m)以上の場合には±1°、走行路半径既定(1000m)未満の場合には±3°といった具合である。なお、道路形状が不明な場合は判定不能とする。
(注2)この場合の既定値とは、車速が制限速度を大きくオーバーしている場合は、自動車速制御を実施しないことを判断するための限界値を云い、車速例として、制限速度に10km/hを加算するといった具合である。なお、制限速度が不明な場合は判定不能とする。
(注3)前方制御目標または走行路制限速度が不明な場合は、目標車速設定不能とする。
【0047】
自動車速制御の開始条件が成立しないと判断された場合には(S110:NO)、そのまま本処理を終了する。一方、自動車速制御の開始条件が成立すると判断された場合には(S110:YES)、S120に移行する。
【0048】
[S120の処理の説明]
S120では、自動車速制御を実施する。具体的には、自車状態と走行環境から制御内容を判断して自動車速制御を実施する。
【0049】
なお、自車状態としては、車速や加速度に基づく自車の走行状態を云い、走行環境としては、例えば前方信号交差点距離と前方交差点の信号の切替タイミングとに基づく走行環境や走行路の制限車速に基づく走行環境などが挙げられる。
【0050】
また、前方信号交差点距離と前方交差点信号切替タイミングが検出可能な場合には、制御内容を次の(S120−1)〜(S120−6)のようにする。
(S120―1)停車せずに通過するための前方信号交差点へ到達すべきタイミングを算出する。また、停車せずに通過するには、前方信号交差点へ到達するタイミングの既定時間(例:3秒)前から到達時までの間信号状態が青であることとする。
(S120―2)現車速が既定車速(例:走行路制限車速+10km/h)以下で現車速のままで前方交差点を停車せずに通過できる場合は、「走行路制限車速」を制御目標とする。但し、前方交差点への到達時間が既定時間(例:3秒)以内、または前方交差点までの距離が既定距離(例:15m)以内の場合には、「現車速」を制御目標とする。
(S120―3)現車速で前方交差点を停車せずに通過できない場合で、前方交差点への到達時間が既定時間(例:3秒)以内、または前方交差点までの距離が既定距離(例:15m)以内の場合には、制御目標設定不能とする。
(S120―4)現車速が既定(例:走行路制限速度−20km/h)以上で既定減速度(例:0.1G)の減速で前方交差点無停車通過可能(青信号まで到達を遅延可能)な場合は、「前方信号交差点位置」と「到達すべきタイミング」を制御目標とする。
(S120―5)既定加速度(例:0.1G)で走行路制限車速まで加速後に巡航で前方交差点無停車通過可能(青信号まで到達を遅延可能)な場合は、「走行路制限車速」を制御目標とする。
(S120―6)既定加速度(例:0.1G)で加速後に既定減速度(例:0.1G)の減速で前方交差点無停車通過可能(青信号まで到達を遅延可能)な場合は、「走行路制限車速」を制御目標とする。
【0051】
また、前方信号交差点距離と前方交差点信号切替タイミングが検出不可能な場合には、「走行路制限車速」を制御目標とする。なお、走行路制限車速は、以下の(S120―7)〜(S120―9)の何れか手段で判断する。
(S120―7)ナビなどの地図データの規制情報、または道路種別、幅員、勾配、カーブ半径など
(S120―8)路車間通信で受信した規制情報
(S120―9)前方監視センサにより検出した前方走行環境認知結果
[S130の処理の説明]
S130では、瞬時アクセルOFFを検出したか否かを判断する。ここでは、一旦アクセルをOFFしてから短時間(例:0.3秒)内に車速制御継続範囲内になった場合に成立したと判断する。
【0052】
瞬時アクセルOFFを検出したと判断された場合には(S130:YES)、S140に移行する。
一方、瞬時アクセルOFFを検出していないと判断された場合には(S130:YES)、アクセル操作量が車速制御維持範囲内にあるとみなし、そのままS150に移行する。
【0053】
[S140の処理の説明]
S140では、制御目標を変更する。ここでは、アクセルをOFFした時の車速を目標車速とする。そして、S150に移行する。
【0054】
[S150の処理の説明]
S150では、瞬時アクセルOFFを連続して検出したか否かを判断する。ここでは、一旦アクセルをOFFしてから短時間(例:0.3秒)内に継続範囲内になり、再度短時間(例:0.3秒)内にOFFになった場合に成立したと判断する。
【0055】
瞬時アクセルOFFを連続して検出したと判断された場合には(S150:YES)、S160に移行する。
一方、瞬時アクセルOFFを連続して検出していないと判断された場合には(S150:NO)、S170に移行する。
【0056】
[S160の処理の説明]
S160では、自動車速制御をキャンセルする。ここでは、車速制御を終了し、アクセルが既定時間(例:5秒)以上連続でOFFになるまで自動車速制御は実施しない。そして、本処理を終了する。
【0057】
[S170の処理の説明]
S170では、固定アクセル後に変化を検出したか否かを判断する。ここでは、アクセル状態が既定以上の時間(例:3秒)固定され、連続的に加速走行、定速走行、または減速走行を実施した後に、アクセル状態が継続範囲内で変化した場合に成立したと判断する。
【0058】
固定アクセル後に変化を検出したと判断された場合には(S170:YES)、S180に移行する。
一方、固定アクセル後に変化を検出していないと判断された場合には(S170:YES)、そのままS190に移行する。
【0059】
[S180の処理の説明]
S180では、制御目標を変更する。ここでは、次のようにする。
(S180−1)アクセル踏込時は、以下とする。
(S180−1−1)減速時は、現在の車速を目標車速とする。
(S180−1−2)定速時は、目標車速を既定値(例:5km/h)だけ速くする。なお、制限速度+10km/h以上には速くしない。
(S180−1−3)加速時は、現在の加速を継続する。なお、制限速度+10km/h以上には速くしない。
(S180−2)アクセル緩め時は、以下とする。
(S180−2−1)減速時は、現在の減速を継続する。
(S180−2−2)定速時は、目標車速を既定値(例:5km/h)だけ遅くする。
(S180−2−3)加速時は、現在の車速を目標車速とする。
【0060】
そして、S190に移行する。
[S190の処理の説明]
S190では、自動車速制御の継続条件が成立するか否かを判断する。ここでは、下記状態でなくなった場合、およびアクセルが車速制御継続範囲外になって既定時間以上経過したことにより、不成立になったと判断する。なお、文中の(注1)〜(注3)については「S110」欄を参照のこと。
(S190−1)走行路カーブ半径が既定値以上であること(注1)
(S190−2)操舵角が規定値内で走行路形状に応じた適正範囲内であること(注1)
(S190−3)ブレーキがOFFであり、且つシフト位置がドライブ(通常走行位置)であること
(S190−4)車速が既定値以下であること(注2)
(S190−5)自動車速制御のための制御目標が設定可能であること(注3)
なお、車両制御継続範囲は、車速やアクセル操作履歴によってその範囲を適宜変更してもよい。例えば、自動車速制御において高速走行になった場合に、手動運転でその車速になるアクセル操作位置までその範囲を広げてもよい。
【0061】
自動車速制御の継続条件が成立すると判断された場合には(S190:YES)、S110に移行する。
一方、自動車速制御の継続条件が成立しないと判断された場合には(S190:NO)、S200に移行する。
【0062】
[S200の処理の説明]
S200では、車速制御を終了し、アクセル状態およびブレーキ状態に従った車速制御へ移行する。
【0063】
ここで、自動車速制御が終了になった場合の手動運転への移行時車速制御は、以下の(S200−1)〜(S200−7)とする。
(S200−1)アクセルが「OFF」になった場合には、現車速と同じ車速での手動運転時のアクセルOFFと同様の車速制御を実行する。
(S200−2)アクセルが「低速域/減速域」になった場合には、現車速と同じ車速での手動運転時の同一アクセル状態と同様の車速制御を実行する。
(S200−3)アクセルが「加減速域」になった場合には、制御状態とアクセル状態により現車速維持または加速とする。このとき、加速時は加速度維持または加速度UPを実行し、定速走行時または減速時は現車速維持または加速を実行する。なお、現車速と同じ車速での手動運転時の同一アクセル状態で減速する場合でも減速はしない。また、加速時は、手動運転時の同一走行状態で加速度UPとなるアクセル状態になるまでは、現加速度維持とする。また、定速走行時または減速時は、手動運転時の同一走行状態で加速となるアクセル状態になるまでは、現車速維持とする。
(S200−4)操舵角が規定値内で走行路形状に応じた適正範囲内でなくなった場合には、現車速と同じ車速での手動運転時の同一アクセル状態と同様の車速制御を実行する。
(S200−5)シフト位置がドライブ(通常走行位置)でなくなった場合には、現車速と同じ車速での手動運転時の同一アクセル状態と同様の車速制御を実行する。
(S200−6)ブレーキがONされた場合には、手動運転時と同様にブレーキ度合いにしたがって減速する。
(S200−7)制御目標が設定可能でなくなった場合には、現車速と同じ車速での手動運転時の同一アクセル状態と同様の車速制御を実行する。
【0064】
そして、S210に移行する。
[S210の処理の説明]
S210では、自動車速制御終了後の既定時間内に、自動車速制御の開始条件が成立したか否かを判断する。ここでは、アクセルが車速制御継続範囲外になって自動車速制御を終了後、既定時間(例:3秒)内にアクセルが開始範囲内になった場合に成立したと判断する。
【0065】
自動車速制御終了後の既定時間内に自動車速制御の開始条件が成立したと判断された場合には(S210:YES)、S220に移行する。
一方、自動車速制御終了後の既定時間内に自動車速制御の開始条件が成立しないと判断された場合には(S210:NO)、そのまま本処理を終了する。
【0066】
[S220の処理の説明]
S220では、制御目標を変更する。ここでは、現在の車速を目標車速とする。
そして、S110に移行する。
【0067】
[3.実施形態の効果]
このように本実施形態の路車間通信システム100の運転支援システム150によれば、アクセルペダルの操作量が増加した後に、ユーザが車速制御の開始を所望すると判定するために予め設定された「車速制御開始範囲」内となった場合には開始指示をエンジンECU2へ出力する。車速制御の実行中に、アクセルペダルの操作量が、ユーザが車速制御の継続を所望すると判定するために予め設定された、車速制御開始範囲を包含する「車速制御継続範囲」内にある場合には解除指示をエンジンECU2へ出力せず、一方、アクセルペダルの操作量が車速制御継続範囲内にはなくなった場合には解除指示をエンジンECU2へ出力する。車速制御継続範囲が車速制御開始範囲を包含するので、何らかの要因でアクセルペダルの操作量が変化しても、操作量が車速制御継続範囲にある限りにおいては車速制御が解除されない。
【0068】
したがって、車両の走行速度を所望の速度に維持する車速制御が不意に解除されてしまうことを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0069】
1…支援制御ECU、2…エンジンECU、3…ブレーキECU、4…ナビゲーションECU、5…レーダ制御ECU、10…無線機、11…表示装置、12…スピーカ、21…車速センサ、22…アクセルペダルセンサ、31…ステアリングセンサ、32…ヨーレートセンサ、41…GPSアンテナ、51…レーダ、100…路車間通信システム、150…運転支援システム、200…信号機システム、201…信号機制御部、202…信号表示装置、203…無線装置、204…情報中継判定装置、205…光ビーコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、当該車両の運転者が行う運転操作の支援を行う運転支援システムであって、
当該車両の走行速度を所望の速度に維持する車速制御を実行可能であり、前記車速制御を開始する旨の開始指示が入力された場合に前記車速制御を開始し、前記車速制御を解除する旨の解除指示が入力されるまでは前記車速制御を継続し、前記車速制御を解除する旨の解除指示が入力された場合に前記車速制御を解除する車速制御実行手段と、
当該車両の走行速度をユーザが所望する速度とするために操作される車速変更用操作部材へのユーザによる操作量を検出する操作量検出手段と、
前記操作量検出手段によって検出された前記車速変更用操作部材への操作量が増加した後にユーザが前記車速制御の開始を所望すると判定するために予め設定された車速制御開始範囲内となったことを判断する開始条件判断手段と、
前記車速変更用操作部材への操作量が増加した後に前記車速制御開始範囲内となったと前記開始条件判断手段によって判断された場合に、前記開始指示を前記車速制御実行手段へ出力する開始指示出力手段と、
前記車速制御実行手段による前記車速制御の実行中に、前記操作量検出手段によって検出される前記車速変更用操作部材の操作量が、ユーザが前記車速制御の継続を所望すると判定するために予め設定された、前記車速制御開始範囲を包含する車速制御継続範囲内にあるか否かを判断する継続解除判断手段と、
前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御継続範囲内にあると前記継続解除判断手段によって判断された場合に前記解除指示を前記車速制御実行手段へ出力せず、一方、前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御継続範囲内にはないと前記継続解除判断手段によって判断された場合に前記解除指示を前記車速制御実行手段へ出力する解除指示出力手段と、
を備えることを特徴とする運転支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の運転支援システムにおいて、
前記開始条件判断手段は、当該車両が走行中の走行路形状が適正範囲内であること、当該車両の操舵角が規定値内であって走行路形状に応じた適正範囲内にあること、減速用操作部材が操作されておらず変速機用操作部材の操作位置がドライブモードであること、当該車両の走行速度が制御速度よりも大きく設定された既定値以下であること、制御目標が設定可能であることからなる前提条件を満たすか否かを判断し、これらすべてを満たす場合に、前記車速変更用操作部材への操作量が増加した後に前記車速制御開始範囲内となったことを判断することを特徴とする運転支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の運転支援システムにおいて、
前記解除指示出力手段は、前記開始指示出力手段によって前記開始指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、前記前提条件の何れかが満たさなくなったと前記開始条件判断手段によって判断された場合には、前記継続解除判断手段による判断結果に拘わらず、前記解除指示を前記車速制御実行手段へ出力することを特徴とする運転支援システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記操作量検出手段によって検出される前記車速変更用操作部材の操作量が一旦オフに後に前記車速制御継続範囲内となったと前記継続解除判断手段によって判断された場合には、前記車速変更用操作部材の操作量がオフになったときの車速を維持する車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速変更用操作部材を操作可能な範囲が、前記車速制御を実行していないときにユーザが当該車両の減速または低速走行を所望することを判定するための車速制御前減速/低速領域と、前記車速制御開始領域と、前記車速制御を実行していないときにユーザが当該車両の加速を所望することを判定するための車速制御前加速領域とに連続するよう分割されるとともに、一方で、前記車速制御の実行中にユーザが当該車両の減速または低速走行を所望することを判定するための車速制御中減速/低速領域と、前記車速制御維持領域と、前記車速制御の実行中にユーザが当該車両の加速を所望することを判定するための車速制御中加速領域とに連続するよう分割されることを特徴とする運転支援システム。
【請求項6】
請求項5に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中減速/低速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに増加する場合には、当該車両の走行速度を維持するよう車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御維持領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに増加する場合には、目標車速を前記既定値だけ増加するとともに既定加速度で加速するよう車速制御を走行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項8】
請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中加速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに増加する場合には、前記操作量に応じた加速を行うよう車両制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項9】
請求項5〜請求項7の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中減速/低速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに減少する場合には、前記操作量に応じた減速を行うよう車両制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項10】
請求項5〜請求項9の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御維持領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに減少する場合には、目標車速を前記既定値だけ減少するとともに既定減速度で減速するよう車速制御を走行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項11】
請求項5〜請求項10の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御中加速領域内にあり、且つその範囲内で緩やかに減少する場合には、当該車両の走行速度を維持するよう車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項12】
請求項5〜請求項11の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が一定で且つ前記車速制御中減速/低速領域内にある場合には、前記車速制御維持領域を前記車速制御中減速/低速領域側に修正することを特徴とする運転支援システム。
【請求項13】
請求項5〜請求項12の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が一定で且つ前記車速制御維持領域内にある場合には、前記車速制御維持領域を修正することを特徴とする運転支援システム。
【請求項14】
請求項5〜請求項13の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記車速制御の実行中に前記車速変更用操作部材の操作量が一定で且つ前記車速制御中加速領域内にある場合には、前記車速制御維持領域を前記車速制御中加速領域側に修正することを特徴とする運転支援システム。
【請求項15】
請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、前記操作量検出手段によって検出される前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御開始範囲内となったと前記開始条件判断手段によって判断された場合において、制御目標が存在しないときには、当該車両の走行速度を維持するよう車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項16】
請求項1〜請求項15の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、前記車速変更用操作部材の操作量がオフである場合には、現在車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作量がオフであるときと同様の車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項17】
請求項1〜請求項16の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御前減速/低速領域内にある場合には、現在車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項18】
請求項1〜請求項17の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、前記車速変更用操作部材の操作量が前記車速制御前加速領域内にある場合には、車速制御の制御状態および前記車速変更用操作部材の操作状態に応じて車速維持または加速を選択して車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項19】
請求項18に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、加速時には車速制御として加速度維持または加速度アップを実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項20】
請求項18に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、定速走行時または減速時には車速制御として現在の車速維持または加速を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項21】
請求項1〜請求項20の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、当該車両の操舵角が規定値内で走行路形状に応じた適正範囲内でなくなった場合には、現在の車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項22】
請求項1〜請求項21の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、変速機用操作部材の操作位置がドライブモードではなくなった場合には、現在の車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。
【請求項23】
請求項1〜請求項22の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、減速用操作部材が操作された場合には、前記減速用操作部材の操作量に応じて減速することを特徴とする運転支援システム。
【請求項24】
請求項1〜請求項23の何れか1項に記載の運転支援システムにおいて、
前記車速制御実行手段は、前記解除指示出力手段によって前記解除指示が前記車速制御実行手段へ出力された後に、制御目標が設定可能でなくなった場合には、現在の車速と同一車速での手動運転時の前記車速変更用操作部材の操作状態と同様の車速制御を実行することを特徴とする運転支援システム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−6441(P2012−6441A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142734(P2010−142734)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】