説明

運転者援助システム

【課題】非常制動機操作の際制動システムの電気部品の損傷があっても、車両を確実に制動できるようにする。
【解決手段】本発明は、自動車用運転者援助システムであって、自動車(10)の現在又は将来の運動状態を特徴づける作動データを検出する少なくとも1つの作動データセンサ、及び所定の作動状態が存在すると自動車(10)の自発的非常制動を開始するために構成されている電気制御装置(24)を有するものに関する。本発明によれば、非常制動の直前又は非常制動中又は非常制動後に自動車(10)の駐車制動機(28)を活動位置へもたらすように、電気制御装置(24)が構成され、この活動位置で停電が駐車制動機(28)を受動的に制動位置へもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用運転者援助システムであって、自動車の現在の運動状態を特徴づける作動データを検出する少なくとも1つの作動データセンサ、及び所定の作動状態が存在すると自動車の自発的非常制動を開始するために構成されている電気制御装置を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10200501600号明細書から、自動車用の最初にあげた種類の運転者援助システムが公知である。そこに記載されている非常制動システムでは、運転者援助システムにより開始される非常制動の場合、まず自動車の常用制動機が活動せしめられる。制動期間が長くなり、それにより自動車の速度が低下すると、常用制動機の制動力が減少される。それにより制動過程の終わりに、車両が駐車制動機によりほぼ完全に制動されるので、車両はがくんと動くことなく確実に停止する。
【0003】
公知のシステムの欠点は、非常制動機操作の際制動システムの電気部品の損傷により、車両を確実に制動できないことである。車両が他の車両と衝突すると、制動システムの電気部品の故障により、車両を確実に止めることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この課題を、非常制動の直前又は非常制動中又は非常制動後に自動車の駐車制動機を活動位置へもたらすように、電気制御装置が構成され、この活動位置で停電が駐車制動機を受動的に制動位置へもたらすことによって解決する。
【0006】
本発明の利点は、非常制動の直前又は非常制動中又は非常制動後に、常用制動機又は駐車制動機の電気部品の完全な故障も、停止に至るまで車両が確実に制動され、その後止めておかれることである。非常制動中または非常制動後運転者が傷つくと、事故後車両の動き出しが阻止される。
【0007】
この説明の範囲内で、自動車は例えば乗用自動車、貨物自動車、トラクタ・トレーラ又はバスを意味する。作動データセンサとは、特に自動車の運動状態を推論させるデータを検出するように構成されているセンサを意味する。自動車の運動状態とは、特に自動車の速度、加速度または加速度の時間的変化、又は先行車両に対する間隔及びこの間隔の一次又は二次導関数を意味する。作動データセンサが運動状態を直接測定することは望ましいが、必要ではない。運動状態を特徴付ける運動データを検出するために、例えば制動ペダル位置を検出すれば十分である。
【0008】
作動データセンサが自動車の将来の運動状態を特徴づける作動データを検出するように構成されているという特徴は、特に作動データセンサが所定の確率で将来の運動状態の推論を可能にするデータを検出することを意味する。特に電気制御装置は、非常制動が所定の時間に差し迫っていることを所定の確率で示唆する作動データの存在する際、駐車制動機を活動位置へもたらすように構成されている。そのため電気制御装置において、例えば作動データセンサにより測定されるデータに所定の時間に非常制動が差し迫っていることの確率を割当てる予測アルゴリズムが実行される。
【0009】
非常制動の直前又は非常制動中又は非常制動後に自動車の駐車制動機を活動位置へもたらすように電気制御装置が構成されているという特徴は、電気制御装置において、少なくとも1つの作動データセンサにより作動データを連続的に検出し、所定の作動データが存在すると信号を発生し、この信号に基いて非常制動を開始するか、又は非常制動操作のために作動状態が準備される状態に常用制動機をもたらすアルゴリズムが実行されることを意味する。
【0010】
電気制御装置とは、特にデータを処理するために設けられて運転者援助システムの部品を制御するように構成されている装置を意味する。電気制御装置は複数の部分制御装置から成っていてもよい。互いに分離される個々の部分制御装置はなるべく駐車制動機、常用制動機及びエアバッグシステムに割当てられ、主制御装置から制御指令を受ける。
【0011】
非常制動とは、特にできるだけ高い減速度で行われる自動車の制動を意味する。所定の作動データは例えば予備試験で求められて、電気制御装置の電気記憶装置に記憶される。
【0012】
駐車制動機を活動位置にもたらす非常制動は、自発的即ち運転者によって開始されるのではない非常制動であるが、運転者により開始される非常制動であってもよい。非常制動が自動車を停止させるか又は自動車の最低速度を下回らせると、好ましい実施形態によれば、電気制御装置が制動信号を駐車制動機へ送信し、それにより駐車制動機が活動位置から制動位置へ移行する。制動位置で駐車制動機は制動力を及ぼし、勾配があっても自動車を確実にその場所に停止させる。運転者による加速ペダル及び/又は手動釈放装置の操作によって、駐車制動機が制動位置から釈放位置へもたらされる。それにより、非常制動後も車両を同様に再び釈放することができる。
【0013】
好ましい実施形態では、電気制御装置が自動車のエアバッグの制御器を持つ接続装置に接続されて、非常制動の存在する場合エアバッグが始動されているか否かを検出するように構成されている。制御器は、エアバッグを始動されねばならない活動状況の検出用測定手段を含むことができる。測定手段は例えば加速度センサ及び/又は他の適当なセンサにより形成することができる。
【0014】
更に電気制御装置は、エアバッグが始動されている時、駐車制動機を制御位置へもたらすように、プログラミングされている。自動車が障害物に衝突し、それによりエアバッグが始動した後、車両が常に確実に止めておかれ、従って自動車が例えば斜面において制御できないように転がり出すことがない、とうい点で有利である。
【0015】
好ましい実施形態によれば、自発的な非常制動中に自動車が所定の最小減速度を下回る時、駐車制動機を調整して作動させるように、電気制御装置が構成されている。この場合常用制動機が欠陥のため必要な最小減速度を生じることができないことから出発する。好ましい実施形態によれば、常用制動機が滑る車道のため常用制動機が最小減速度を生じることができないか否かを確かめるために、ロック防止システムの作動データが読出されるようにすることができる。これが事実である場合、駐車制動機が制動位置へもたらされないようにすることができる。
【0016】
好ましい実施形態によれば、従来技術から公知のように、駐車制動機をロック防止モードで作動させるように、電気制御装置が構成されている。非常制動の場合にも車両が確実に制御可能であると有利である。
【0017】
本発明によれば、自動車が本発明による運転者援助システム、ばね負荷蓄圧槽を持つ電気−空気駐車制動機、及び常用制動機を持っている。ここで常用制動機とは、自動車を制動するように設計されている通常の制動機を意味する。駐車制動機は、電気制御装置で普通であるように、電気エネルギ又は空気圧エネルギが供給されない限り、ばね負荷蓄圧槽が自動車を制動するように構成されている。
【0018】
好ましい実施形態によれば、駐車制動機が、自動車の通常作動の際安定な通電されない通過位置にある1安定保持弁、自動車の通常作動の際第1の位置にあって駐車制動機を自動車の圧縮空気供給装置に接続する2安定空気圧弁、及びばね負荷蓄圧槽を含んでいる。駐車制動機は、自動車の通常作動の際給気されて、制動力を及ぼさない。電気制御装置が、自発的非常制動の場合運転者援助システムにより駐車制動機を活動位置へもたらすように構成され、この活動位置において、保持弁が通電され、それにより2安定空気圧弁が第2の位置にあり、停電の場合保持弁が開いて駐車制動機を排気するように、駐車制動機が構成されている。停電の発生は、特に保持弁がもはや電流の作用を受けないことを意味する。それにより保持弁は安定な位置へ戻り、2安定空気圧弁がばね負荷蓄圧槽へ給気し、駐車制動機が制動力を自動車へ及ぼす。
【0019】
本発明の実施例が添付図面により以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、カメラ12、間隔センサ14、制動ペダルセンサ16、回転速度計18、及び加速度センサを持つエアバッグ制御器20の形の作動データセンサを含む本発明による運転者援助システムを有する自動車10を示している。間隔センサ14は、走行方向Fにおいて自動車10の前を走る先行車両22に対する間隔Aを求めるように構成され、例えばレーダセンサ又は超音波センサであってもより。カメラ12は視野Gを持ち、先行車両22も同様に検出するように構成されている。すべての作動データセンサは電気制御装置24に電気接続されている。
【0021】
電気制御装置24は、常用制動機26.1,26.2,26.3,26.4及び後輪に作用する駐車制動機28.1,28.2に接続されている。常用制動機26及び駐車制動機28は、自動車10の図示しない車輪に作用する数字なしの記号はそれぞれ物体を示している。
【0022】
電気制御装置24は、作動データセンサ14,16,18,20の作動データを受け、これらのデータから、場合によっては(記入されてない)運転者の支援なしに自動車10を制動せねばならない非常制動状況が存在するか又はすぐ差し迫っているか否かを確かめる。非常制動が所定の確率ですぐに差し迫っているか、又は既に進行しているか、又は直前に起こったかを、電気制御装置24が確かめると、この電気制御装置24が駐車制動機28を後述する活動位置へもたらす。非常制動が高い確率ですぐ差し迫っていることは、例えば運転者が記入されてない加速ベダルを急激に釈放することから推論される。
【0023】
活動位置で駐車制動機28は制動力を及ぼさないが、停電により制動力が及ぼされる状態にある。電気制御装置24が非常制動のすぐ差し迫っていることを示す状態をまず検出するけれども、非常制動を行う必要がなく、それから電気制御装置24が非常制動を必要としない状態を検出すると、電気制御装置24は駐車制動機28を活動位置から走行位置とも称される作動位置へ戻す。
【0024】
図2は、CASバスを介して電気制御装置24に電気接続される電気−空気圧駐車制動機28を示している。駐車制動機24は、駐車制動機28の手動操作に役立つ操作装置32に電気ケーブルを介して接続されている制御ユニット30を持っている。圧縮空気導管34を介して、駐車制動機28は更に圧縮空気システムの圧縮空気溜め36に接続されている。導管28を介して、ばね負荷蓄圧槽40に圧縮空気を供給することができる。ばね負荷蓄圧槽40が給気されていると、ばねのばね力に打勝って、制動片が係合状態に保たれる。ばね負荷蓄圧槽40が排気されていると、即ち圧力なしであると、ばねが制動片を制動体へ押付け、それにより制動力を自動車10に及ぼす。
【0025】
駐車制動機28は1安定保持弁42及び2安定空気圧弁44を含み、これらの弁はそれぞれ制御導線46.1,46.2を介して電気制御装置24に接続されている。2安定空気圧弁44は圧縮空気導管34を介して圧縮空気溜め36に接続され、かつ第1の位置を持ち、この位置で保持弁42へ圧縮空気接続導管50を介して圧縮空気を供給する。図2に示す第2の位置で2安定空気圧弁44は、圧縮空気導管34と圧縮空気接続導管50との接続を遮断し、圧縮空気接続導管50を排気する。
【0026】
図2において、保持弁42は通電されない第1の通過位置で示されている。通電されないということは、制御導線46を通って電流が流れないことを意味している。図2に示す位置で、保持弁42が圧縮空気接続導管50を中継弁41の制御入口に接続し、この中継弁41がばね負荷蓄圧槽40へ圧力を送り出す。通電されない状態で保持弁42は、中継弁41の制御入口への圧力流入を阻止し、それによりばね負荷蓄圧槽40における圧力保持機能を可能にする。
【0027】
通電状態で図2の3ポート2位置切換え空気圧弁45は、トレーラ制御弁51を圧縮空気導管34の蓄圧に直接接続する。この機能はトレーラ監視位置において必要とされ、トラクタの制動の際この監視位置で、トラクタのばね負荷蓄圧槽40の制動作用が車両全体を制動するのに十分であるか否かを検査するために、トレーラの制動機が釈放される。通電されない状態で図2の3ポート2位置切換え空気圧弁45は、中継弁41の出口に接続されている圧縮空気導管38に、圧縮空気導管49を接続する。
【0028】
図3には本発明による電気−空気圧駐車制動機29の別の実施例が示されている。この実施例は、図2に示す駐車制動機28とは、3ポート2位置切換え空気圧弁47の変わっている圧縮空気接続口の点で相違している。3ポート2位置切換え空気圧弁47は、入口側を圧縮空気接続導管50のみに接続され、この圧縮空気接続導管50は、空気圧弁44の位置に応じて圧縮空気溜め36から給気されるか又は排気される。図3は、3ポート2位置切換え空気圧弁47の通電されない状態が示されている。通電されない状態で3ポート2位置切換え空気圧弁47は、圧縮空気をトレーラ制御弁51へ導く圧縮空気導管49に圧縮空気接続導管50を接続する。同時に保持弁42が通電されていないと、導管38に、圧縮空気導管49にあるのと同じ圧力が存在する。
【0029】
3ポート2位置切換え空気圧弁47が通電されると、圧縮空気接続導管50と圧縮空気導管49との接続が遮断されるので、保持機能が実現される。
【0030】
図3においてトレーラ制御弁51’及び圧縮空気導管49’が破線で示されて、トレーラ制御弁の別の接続例を示している。圧縮空気導管49’が実線で示すようではなく、破線で示すように接続されていることによって、3ポート2位置切換え空気圧弁47の切換え動作が反転されるので、例えばトレーラ制御弁51’に接続されているトレーラが、制動されることなく停止される。
【0031】
以下の文章において、いわゆる活動位置を実現するために、保持弁42の通電が話題にされる時、実線で示される図3の実施例による駐車制動機では、3ポート2位置切換え空気圧弁47も圧縮空気導管50と49との接続を遮断又は阻止することを意味している。
【0032】
図3に破線で示す実施例では、いわゆる活動位置を実現するため保持弁42が通電されている時に、制御ユニット30が3ポート2位置切換え空気圧弁47に通電せず、従って圧縮空気接続導管50と49’との接続を遮断又は阻止するように、この制御ユニット30が構成されている。
【0033】
電気制御装置24が、作動データセンサ14,16,18,20(図1参照)により、非常制動がすぐ差し迫っていること又は存在することを示唆する作動データを検出すると、電気制御装置24は制御信号を制御ユニット30(図2及び3)へ送信し、それにより制御ユニット30がまず保持弁42に通電する。それにより圧縮空気接続導管50とばね負荷蓄圧槽40との接続が遮断される。それにすぐ続いて制御ユニット30が2安定空気圧弁44を第2の位置へもたらし、この第2の位置で圧縮空気接続導管50が排気され、圧縮空気溜め36から分離される。保持弁42が通電され、2安定空気圧弁44が第2の位置にあると、駐車制動機28は活動位置にある。
【0034】
この活動位置でばね負荷蓄圧槽40にはまだ圧縮空気がある。なぜならば、接続導管から圧縮空気が逃げないからである。停電が起こると、保持弁42が通電されず、図2に示す通電されない状態へ戻る。圧縮空気接続導管50及び空気圧弁44を通って圧縮空気が周囲へ逃げ、ばね負荷蓄圧槽40が負荷を除かれ、駐車制動機28が制動力を自動車10へ及ぼす。
【0035】
電気制御装置24が非常制動を開始すると、電気制御装置24は、ロック防止センサ52.1,52.2,52.3,52.4(図1)により、常用制動機26が規則正しく機能しているか否かを検出する。自動車10の示されてない車輪の車輪回転数が時間と共に予め設定された閾値に相当するように変化しないことを、電気制御装置24が検出し、かつ/又は所定の目標減速度より下にある減速度が加速度センサ20により測定されることを、電気制御装置24が検出すると、電気制御装置24が減速要求信号を制御ユニット30へ送信する。この減速要求信号は、制御ユニット30によりばね負荷蓄圧槽40にある空気圧力PFederspeicherを調整して、駐車制動機28により制動される車輪がロック防止モードで減速するようにする。そのため公知のやり方で、常用制動機26に付属しているロック防止センサ52.1,52.2,52.3,52.4の測定データが検出され、公知のやり方で処理される。常用制動機24は規則正しく機能しているけれども、所定の目標減速度又は目標車輪回転数変化が得られないことを、電気制御装置24が検出すると、これは、自動車10の走行している車道が滑り易いことの示唆である。この場合電気制御装置24は減速要求信号を抑制する。
【0036】
非常制動中に電気制御装置24は、図示しないエアバッグに付属している加速度センサ20を常に監視する。エアバッグが始動されていると、電気制御装置24は駐車信号を駐車制動機28へ送信する。それにより制御ユニット30が保持弁42への給電を中断し、それにより通電が行われず、ばね負荷蓄圧槽40が排気される。それにより、障害物例えば先行車両22(図1)へ自動車10が衝突した後、確実に停止が行われる。
【0037】
電気制御装置24により、まず非常制動状況のすぐ差し迫っていることが検出されるけれども、この非常制動状況が起こらない場合、電気制御装置24が適当な信号を制御ユニット30(図2)へ送信し、それにより制御ユニット30がまず2安定空気圧弁44を第1の位置へもたらし、それから保持弁42を通電されない状態へもたらす。その場合駐車制動機28は再び作動位置にある。
【0038】
図4は、電気制御装置24及び制御ユニット30で実行されるプログラムの流れ図を示し、個々の処理段階は両方の装置のそれぞれ1つによって実行される。開始状況54から始まって、非常制動状況検査段階56において、非常制動状況が存在するか否かが検出される。noの場合常用制動機26及び駐車制動機28は作動位置に留まる。非常制動状況検査段階56において非常制動状況が検出されると、衝突検出段階58において、既に衝突が起こったか否かが確認される。これは例えばエアバッグシステムの問合せにより行われる。まだ衝突が起こらなかったことがわかると、適当な情報が常用制動機28へ送られるので、常用制動機26を介して減速が行われる。更に駐車制動機28が上述した活動位置へもたらされる。
【0039】
続いて自動車10が既に停止しているか否かが検査される。noの場合電気制御装置24により、所定の減速度閾値に達したか否かが検出される。yesの場合処理が最初から始まる。noの場合上述した減速要求信号が制御装置24から制御ユニット30へ送信されるので、制御ユニット30が上述したように駐車制動機28の制動力を調整して変化する。その際減速の不足が滑り易い車道に帰因しているか否かが常に監視される。この場合減速要求信号が制御ユニット30へ送信される。
【0040】
車両が既に停止していると(段階60)、電気制御装置24が駐車信号を制御ユニット30へ送信するので、自動車10は駐車制動機28を介して確実に止められる。
【0041】
駐車制動機を活動位置へもたらすため、段階62に示すように、保持弁42が活動位置へもたらされ、空気圧弁44が第2の位置へもたらされる。次の段階64において、電気制御装置24により、自動車10が停止しているか否か、又は電気制御装置24と制御ユニット30との交信が中断されているか否かが、問い合わされる.yesの場合段階66において、駐車制動機28が上述したように投入され、車両が安定な状態68に達する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】 本発明による運転者援助システムを持つ自動車の概略図を示す。
【図2】 自動車にある本発明による運転者援助システムと共同作用する電気−空気圧駐車制動機の接続図を示す。
【図3】 本発明による運転者援助システムと共同作用する電気−空気圧駐車制動機の別の実施例の接続図を示す。
【図4】 本発明による運転者援助システムの電気制御装置に記憶されている本発明による方法の流れ図を示す。
【符号の説明】
【0043】
10 自動車
24 電気制御装置
28 駐車制動機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(10)用運転者援助システムであって、
(a)自動車(10)の現在又は将来の運動状態を特徴づける作動データを検出する少な くとも1つの作動データセンサ及び
(b)所定の作動状態が存在すると自動車(10)の自発的非常制動を開始するために構 成されている電気制御装置(24)
を有するものにおいて、
(c)非常制動の直前又は非常制動中又は非常制動後に自動車(10)の駐車制動機(2 8)を活動位置へもたらすように、電気制御装置(24)が構成され、この活動位 置で停電が駐車制動機(28)を受動的に制動位置へもたらす
ことを特徴とする、運転者援助システム。
【請求項2】
非常制動後自動車(10)が停止する際制動信号により駐車制動機(28)を活動位置から制動位置へもたらすように、電気制御装置(24)が構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の運転者援助システム。
【請求項3】
電気制御装置(24)が、
(i) 自動車のエアバッグの少なくとも1軸加速度センサ(2)に接続され、かつ
(ii)非常制動が存在する際エアバッグが始動されているかを検出し、かつ非常制動が 存在する場合駐車制動機(28)を制動位置へもたらすように構成されている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の運転者援助システム。
【請求項4】
自発的な非常制動の場合自動車(10)が所定の最小減速度を下回る時、駐車制動機(28)を調整して作動させるように、電気制御装置(24)が構成されていることを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載の運転者援助システム。
【請求項5】
駐車制動機(28)をロック防止モードで作動させるように、電気制御装置(24)が構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の運転者援助システム。
【請求項6】
(a)請求項1〜5の1つに記載の運転者援助システム、
(b)ばね負荷蓄圧槽(40)を持つ電気−空気駐車制動機(28)、及び
(c)常用制動機(26)
を持つ自動車。
【請求項7】
(i) 駐車制動機(28)が
自動車(10)の通常作動の際安定な通電されない通過位置にある1安定保持 弁(42)、
自動車(10)の通常作動の際第1の位置にあって駐車制動機(28)を自動 車(10)の圧縮空気供給装置に接続する2安定空気圧弁(44)、及び
ばね負荷蓄圧槽(40)
を含み、自動車(10)の通常作動の際駐車制動機(28)が給気され、
(ii) 電気制御装置(24)が、自発的非常制動の場合駐車制動機(28)を活動位 置へもたらすように構成され、
この活動位置において、保持弁(42)が通電され、それにより不安定な閉じ た位置へもたらされ、2安定空気圧弁(44)が第2の位置にあり、
(iii)停電の場合保持弁(42)が開いてばね負荷蓄圧槽(40)を排気する
ことを特徴とする、請求項6に記載の自動車。
【請求項8】
常用制動機(26)用ロック防止システムが設けられ、非常制動の場合
ロック防止システムにより、自動車(10)の減速を特徴づける制動データ及びロック防止システムの作動を符号化する状態データを求め、
制動データが所定の制動閾値に達せず、状態データが駐車制動機(28)を持つ車軸にある常用制動回路の故障を示す時、駐車制動機(28)が調整された制動力で制動を行うように、駐車制動機(28)を制御する
ように、電気制御装置(24)が構成されている
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−113803(P2009−113803A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292767(P2008−292767)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(596055475)ヴアブコ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (47)
【氏名又は名称原語表記】WABCO GmbH
【Fターム(参考)】