説明

過電圧過渡コントローラ

【課題】充電式バッテリを過電圧過渡状態から保護する過電圧過渡コントローラを提供する。
【解決手段】過電圧過渡コントローラは、第1の信号と基準電圧レベルを表す第2の信号とを比較して、第1の信号が第2の信号よりも大きいか第2の信号と等しければ、過電圧過渡状態を表す出力信号をスイッチに供給する比較器を備える。このスイッチは、上記出力信号に応答して上記充電式バッテリを上記過電圧過渡状態から保護する。上記過電圧過渡コントローラは、さらにDACを備える。ここで、上記第2の信号は、少なくとも部分的に上記DACの出力に基づく。また、充電スイッチ及びこのような過電圧過渡コントローラを備えた装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電圧過渡コントローラ(over voltage transient controller)に関する。
本発明は、例えば、ラップトップコンピュータ、PDA、携帯電話、及び/又は充電式バッテリ(rechargeable battery)を備えた任意のタイプの電子装置など、携帯電子装置のためのバッテリ充電及び/又はシステムに有用である。
本発明は、2004年3月25日付けで提出された米国仮出願シリアル番号第60/556254の利益を主張し、また、その教示するところは、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
充電式バッテリ(rechargeable battery)、とりわけリチウムイオン電池(lithium ion battery)は、消耗したバッテリに対するストレスを避けるために、著しく放電した状態(deeply discharged status)から予備充電(precharge)(回復充電(recovery charge))を行う必要がある。充電式バッテリが著しく放電して、そのセル電圧が不足電圧閾値VUVよりも低くなると、大きな充電電流を用いて直接的に充電することはできない。その代わり、予備充電モード(pre-charge mode)が必要とされる。予備充電モードでは、バッテリ電圧が電圧VUVを超えるまで、小さな充電電流が使用され、それから、通常モードで充電することが可能となり、即ち、大きな充電電流によって充電される。そこで、予備充電モードは、トリクル充電(trickle charge)またはウェークアップ充電(wake-up charge)とも呼ばれる。リチウムイオン電池については、不足電圧閾値VUVは1セルにつき約2.4V〜3.0Vであり、バッテリのタイプと製造業者に依存する。予備充電電流は約10mA〜100mAである。しかしながら、標準の充電電流は、数百ミリアンペアから1アンペアであり、バッテリ容量に依存する。
【0003】
図1Aは、リチウムイオン充電式バッテリについてのプロファイル50を表す。バッテリ電圧がVUVよりも高ければ、バッテリは一定電流(CC:constant current)充電モードに入り、そして大きな一定電流がバッテリを充電するために使用される(バッテリ電圧もまたバッテリ容量の増加に伴って増加する)。バッテリ電圧が、過電圧閾値を表すVOV(リチウムイオン電池の場合、通常はおよそ4.2V)にまで上がると、バッテリは、一定電圧(CV:constant voltage)充電モードに入る。このモードでは、充電器はVOVで電圧を維持する。充電電流が、所定の最小値、例えば50mAにまで減少すると、充電動作(charging procedure)が停止される。CV充電モードの間、充電器は電圧をVOVに正確に(+/−.005Vの範囲内で)調整(regulate)し、そうでなければ、充電電流は、バッテリ容量の増加に伴って徐々に減少しないであろう。もし、例えば充電出力がVOVよりも大きければバッテリの過充電が発生し、そのことは、リチウムイオン電池に関する安全性の問題(safety issue)を提起する。
【0004】
図1Bに、予備充電を実施するための従来回路10を示す。抵抗14と直列に接続された予備充電(precharge)MOSFET 12は予備充電のために使用される。予備充電時には、充電FET 16がオフになり、且つ予備充電FET 12がオンになる。従って、予備充電電流は、充電器入力電圧VPACK+と全セル電圧Vcellとの電圧差(VPACK+)−Vcellを直列抵抗14 Rpreで除算することにより決定される。ACアダプタが存在し、VPACK+がセル電圧Vcellよりも高ければ、充電または予備充電は各セルの初期電圧に基づいて開始する。もし何れかのセルにおける電圧が閾値VUVよりも低ければ、バッテリパックは予備充電モードになるであろう。そうでなければ、通常の充電が行われるであろう。
【0005】
本分野における当業者であれば、図1Bの回路10が、バッテリモニタIC 20を備え、そのバッテリモニタIC 20は、バッテリパック22のセル(セル1、セル2・・・セル4)のそれぞれに関する電圧および電流状態をモニタするための回路を備えることが理解される。このような回路は、各セル電圧をサンプリングするためのスイッチング回路網24を備えてもよい。予備充電MOSFET 12の動作を制御するために、従来回路10は比較器26を備え、この比較器26は、一定の基準電圧と各セルの電圧とをスイッチ30を介して比較する。
【0006】
しかしながら、図1Bに示された接続形態の一つの難点は、余分なパワーMOSFET(即ち、MOSFET 12)と抵抗14を必要とすることであり、それらは高価であると共にPCB面積を増やす。加えて、この接続形態では、セル電圧が低くなると、大きな予備充電電流を招く。また、予備充電電流は、セル電圧の増加に伴って減少し、それは、予備充電を完了するための時間を一層ながくする。
さらに、抵抗14の値が固定されているので、最大および最小予備充電電流も固定され、そして別のバッテリパックに適合するように調節できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る過電圧過渡コントローラは、第1の信号と基準電圧レベルを表す第2の信号とを比較して、前記第1の信号が前記第2の信号よりも大きいか前記第2の信号と等しければ、過電圧過渡状態を表す出力信号をスイッチに供給する比較器を備え、前記スイッチは、前記出力信号に応答して充電式バッテリを前記過電圧過渡状態から保護するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】リチウムイオン電池の代表的な充電プロファイルを図式的に示す図である。
【図1B】従来のバッテリ充電回路を示す図である。
【図2A】本発明による一つの典型的なトリクル充電接続形態を示す図である。
【図2B】本発明による一つの典型的なトリクル放電接続形態を示す図である。
【図3A】本発明による他の典型的なトリクル充電接続形態を示す図である。
【図3B】本発明による他の典型的なトリクル放電接続形態を示す図である。
【図4】本発明による他の典型的なトリクル充電およびトリクル放電接続形態を示す図である。
【図5】典型的なプログラム可能な電流源(Nビットのプログラム可能な基準電流源)を示す図である。
【図6】他の典型的なトリクル充電およびトリクル放電接続形態を示す図である。
【図7】過電圧過渡コントローラを備えた図6のトリクル充電およびトリクル放電接続形態を示す図である。
【図8】図7の過電圧過渡コントローラの一実施形態を示す図である。
【図9】図7の過電圧過渡コントローラの他の実施形態を示す図である。
【図10】図7の過電圧過渡コントローラのさらに他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、好ましい実施形態と使用方法を参照して述べられるが、本発明がこれらの好ましい実施形態および使用方法に限定されるものではないことは、本分野の当業者であれば理解できる。さらに、本発明は広範囲にわたり、添付の請求項において述べられることによってのみ制限される。
本発明の他の特徴と利点は、図面を参照して以下の詳細な説明が進むにつれて明らかになるであろう。図面において同様の数字は同様の部分を表す。
【0010】
図2Aは、本発明による一つの典型的なトリクル充電接続形態(trickle charge topology)100を示す。この実施形態では、二つのFET(充電FET CHG_FETおよび放電FET DSG_FET)が使用される。この実施形態では、充電FET 104及び放電FET 102は、本分野において理解されるように、図示した方法で背中合わせに直列に配置される。トリクル充電モードでは、放電FET 102はオフ(非導通)であってもよいが、充電FET(CHG_FET)がオン(導通)であれば、電流がそのボディダイオード(body diode)を通して依然としてバッテリセルに流れてもよい。もし、CHG_FETがオフであれば、電流はバッテリから流れ出ることもなく、バッテリに流れ込むこともない。
【0011】
二つのMOSFETのほかに、この接続形態100は、また、基準ダイオードD1 110、放電ドライバ106、充電ドライバ108、および基準電流源Iref 112を備える。充電ドライバ108および放電ドライバ106は増幅器からそれぞれ構成される。標準の充電モードでは、スイッチK1及びK2(114及び116)は、位置2に設定される。この位置では、充電駆動電圧CHGは、相対基準電圧(relative reference voltage)CHG_REFに概ね等しい点に駆動され、それは、充電FET 104を完全にターンオンさせるように作用する。従って、基準電圧CHG_REFは、充電FETデバイス104のターンオン要件に従って選択される。
【0012】
トリクル充電モードでは、スイッチK1及びK2は位置1に設定される。ACアダプタが適用されれば、VPACK+電圧が上昇する。充電FET 104は、充電ドライバ108によって飽和状態に駆動され、このことは、充電FET 104が可変抵抗として働くことを意味し、わずかな電荷(trickle charge)がスイッチ104を通って流れる。充電ドライバ108は、充電FET(CHG_FET) 104を調節して電圧VcをVdに等しくするように適合され、それはダイオードD1 110及び基準電流源Iref 112によって設定される。
【0013】
Vcは、スイッチ間の電圧として引き出される。Vcは、増幅器の(−)端子に対する入力として設定され、一方、(Iref及びD1によって設定される)Vdはその(+)端子に対する入力として設定される。出力信号CHGはVd−Vcである。Vcは概ねVdに等しいが、増幅器の利得は、充電FETを飽和領域で動作させるのに十分な大出力信号が生成されるように選択される。従って、充電ドライバ108は、トリクル充電期間中に動作して固定信号(Vd)とVcとを比較するように適合される。
【0014】
順方向バイアス状態では、ダイオードD1のDC電流は、次の式で与えられる。
Iref=A1*IS1*(exp(Vd1/Vt)−1)
ここで、A1はダイオードD1の接合面積であり、IS1はダイオードD1の単位逆飽和電流であり、Vd1=Vd−Vcellはダイオードでの電圧降下であり、そしてVtはダイオードの閾値電圧である。
【0015】
放電FET 102のボディダイオードにおけるDC電流は次の式で与えられる。
Ipch=A2*IS2*(exp(Vd2/Vt)−1)
ここで、A2はボディダイオードの接合面積であり、IS2はボディダイオードの単位逆飽和電流であり、Vd2=Vc−Vcellは、放電FETのボディダイオードでの電圧降下である。
【0016】
IS1及びIS2は、本分野において知られているように、選択された半導体デバイスのタイプによって決定される。
もし、VdとVcとが実質的に等しくされると、トリクル充電電流は基準電流Irefに比例し、次の式で与えられる。
Ipch=A2/A1*(IS2/IS1)*Iref
【0017】
好ましくは、本発明は必要としないが、充電及び放電FETのボディダイオードの接合面積A2は、一般には低ターンオン抵抗および大電流要件のために大きいが、ダイオードD1の接合面積A1はチップ面積(die area)を抑えるために極めて小さい。従って、A2>>A1であるから、小さな電流Iref(数十マイクロアンペア)が、より大きな電流Ipch(数十から数百ミリアンペア)を制御するために使用できる。
【0018】
図2Bは、本発明による一つの典型的なトリクル放電接続形態200を示す。この実施形態は、基準電流源112及びダイオード110が放電MOSFET 102上に接続されていることを除いて、図2Aに示された接続形態と同様である。トリクル放電期間中、充電MOSFET 104はオフであってもよく、放電電流はそのボディダイオードを通じて流れる。それ以外の接続形態200の動作は、図2Aを参照して前述したとおりである。
【0019】
図3Aは、本発明による他の典型的なトリクル充電接続形態300を示す。この実施形態では、充電FETおよび放電FETは、(図2Aに示されるような)背中合わせに代えて、向かい合わせで直列に配置されている。図3Bの実施形態は、また、基準ダイオードD1 310を備え、そしてこの実施形態では、充電FETドライバ306はスイッチK1及びK2によって制御される。
【0020】
通常の充電モードでは、スイッチK1及びK2は位置2に設定され、従って充電FETのゲート電圧はCHG_REFに駆動され、それは充電FET 302を完全にターンオンさせるように作用する。トリクル充電モードでは、放電FET 304はオフであってもよく、K1及びK2は位置1に設定されてもよい。この場合、充電FETドライバ306は、充電FET302を調整して電圧Vcを実質的にVdに等しくするように動作する。順方向バイアス状態では、ダイオードD1のDC電流は次の式で表される。
Iref=A1*IS1*(exp(Vd1/Vt)−1)
ここで、A1はダイオードD1の接合面積であり、IS1はダイオードD1の単位逆飽和電流であり、Vd1=(VPACK+)−VdはダイオードD1での電圧降下であり、そしてVtはダイオードの閾値電圧である。
【0021】
放電FETのボディダイオードにおけるDC電流は、次の式で表される。
Ipch=A2*IS2*(exp(Vd2/Vt)−1)
ここで、A2はボディダイオードの接合面積であり、IS2はボディダイオードの単位逆飽和電流であり、Vd2=(VPACK+)−Vcは放電FETのボディダイオードでの電圧降下である。
【0022】
IS1及びIS2は、本分野において知られているように、選択された半導体デバイスのタイプによって決定される。
もし、Vd及びVcが等しくされると、トリクル充電電流は次の式で与えられる。
Ipch=A2/A1*(IS2/IS1)*Iref
【0023】
図3Bは、本発明による一つの典型的なトリクル放電接続形態400を示す。この実施形態は、基準電流源312及びダイオード310が放電MOSFET 302上に接続されていることを除いて、図3Aに示された接続形態300と同様である。トリクル放電期間中、充電MOSFET 304はオフであってもよく、放電電流はボディダイオードを通して流れてもよい。それ以外の接続形態400の動作は、図3Aを参照して前述したとおりである。
【0024】
トリクル充電過程の速度を上げるために、トリクル充電電流Ipchは、セル電圧に基づいて容易に調節できる。セル電圧が高くなると、基準電流Irefをプログラムすることによってトリクル充電電流が一層大きく設定される。図5におけるプログラム可能な基準電流源は、本分野で知られているように、セル電圧に基づいて基準電流を発生するように調整されてもよい。
【0025】
さらに、他の典型的なトリクル充電およびトリクル放電接続形態500が図4に示されている。この典型的な実施形態では、充電FET 504および放電FET 502は、本分野で知られているように、図示されたように背中合わせで直列に配置される。トリクル充電モードでは、放電FET 502はオフ(非導通)であってもよいが、充電FET(CHG_FET)がオン(導通)であれば、電流は、そのボディダイオードを通じてバッテリセルに依然として流れ得る。もし、CHG_FETがオフであれば、電流はバッテリから流れ出ることもなく、バッテリに流れ込むこともない。
【0026】
また、この実施形態は、基準抵抗R1及びR2、放電ドライバ506、充電ドライバ508、並びに基準電流源Iref1 512及びIref2 510を備える。充電ドライバ508及び放電ドライバ506は増幅器をそれぞれ備えてもよい。通常の充電モードでは、スイッチK1及びK2(518及び520)は位置1に設定されてもよい。この位置では、充電駆動電圧CHGは、相対基準電圧CHG_REFに概ね等しい点に駆動されてもよく、それは充電FET 504を完全にターンオンさせるように作用する。従って、基準電圧CHG_REFは、充電FETデバイス504のターンオン要件に従って選択されてもよい。
【0027】
トリクル充電が必要なときには、スイッチK1及びK2はノード2に接続されてもよい。この場合における増幅器508に対する入力は、Rsens(+)の両端子間の電圧およびR1での電圧降下分である(Iref1 512によって発生される)。増幅器508の利得は、抵抗R1でのIref1による電圧降下がセンス抵抗Rsensでのトリクル充電電流Ipchによる電圧降下に概ね等しくなるように、大きな値(例えば>80dB)に選択される。
【0028】
トリクル充電電流は次の式で与えられる。
Ipch=Iref1*R1/Rsens
ここで、Iref1は、プログラム可能な基準電流源である。通常、Rsensは、極めて小さく(例えば10から20ミリオームのオーダー)、一方、R1は10オームのオーダーとなるように選択される。故に、Rsensに対するR1の比率は極めて大きく、従ってR1/Rsensの大きな利得のために、比較的大きなトリクル充電電流を発生するのに小さな基準電流Iref1が使用できる。
【0029】
図4の実施形態では、トリクル充電モード期間中、放電FETを完全にターンオンさせることもでき、これにより、VPACK+とバッテリパックとの間のダイオード順バイアス電圧降下を排除する。これは、図2A及び図3Aに示される実施形態を凌ぐ図4の利点である。このモードでは、スイッチK4 514及びK3 516は位置1に設定されてもよく、これにより、(上述の方法で)放電FETを完全にターンオンさせる放電基準電圧を用いて放電FETを駆動する。
【0030】
さらに図4を参照すると、通常の放電モードでは、スイッチK3及びK4はそれぞれノード1に接続されてもよい。このようにして、放電FETドライバは、バッファとして構成されてもよく、放電FETを駆動して完全にターンオンさせる。トリクル放電モードでは、スイッチK3及びK4はノード2に接続されてもよい。抵抗R2でのIref2による電圧降下は、ドライバの高利得のために、センス抵抗Rsensでの電圧降下分に概ね等しい。そこで、トリクル放電電流は次の式で与えられる。
Idsg=Iref2*R2/Rsens
ここで、Iref2はプログラム可能な基準電流源である。通常、Rsensは極めて小さく、従ってRsensに対するR2の比率は極めて大きくなり、よって大きな利得R2/Rsensのために、比較的大きなトリクル放電電流を発生するのに小さな基準電流Iref2が使用できる。電流方向は放電中に反転するので、センス抵抗Rsensでの電圧降下は反転された極性を有するようになる。従って、Rsensでの電流の極性を反転するために極性反転回路522が提供される。
【0031】
この実施形態では、トリクル充電期間中、放電FETは完全にターンオンされ得る。従って、ダイオード順バイアス電圧降下が、VPACK+とバッテリパック電圧との間で排除される。同様に、トリクル放電期間中、充電FETが完全にターンオンされて、バッテリパック電圧とVPACK+との間のダイオード順バイアス電圧降下を排除する。
【0032】
本発明では、一旦、MOSFETおよびダイオードが固定されても、Ipchは、プログラム可能な電流源(Iref)112、312、510及び/又は512によって依然として調節され得る。プログラム可能な電流源のための一つの典型的な回路接続形態が図5に示される。図5の回路は、本分野で知られているように、レシオドカレントミラー(ratioed current mirror)を用いて電流Irefを発生するように適合されてもよい。もちろん、プログラム可能な電流源は、本分野において知られており、図5の回路に加えて、種々の方法で実施され得る。
【0033】
一つの典型的なトリクル予備充電およびトリクル放電接続形態600が図6に示されている。この実施形態では、充電FET604及び放電FET 602は、本分野で知られているように、図示されたように背中合わせで直列に配置されてもよく、もう一つの方法として、上述したように向かい合わせで直列に配置されてもよい。この典型的な実施形態では、以下に詳細に説明するように、FET駆動電圧を発生するために、デジタル/アナログ変換回路(DAC)616が使用できる。
【0034】
この実施形態は、アナログ/デジタル変換回路(ADC)614、コントローラ612、およびデジタル/アナログ変換回路(DAC)616から構成される。センス抵抗Rsens 618で検出された電流はADC 614に入力される。次に、ADCは、検出された電流を示すデジタル信号を発生し、そしてそれらの信号をコントローラ612に出力する。動作において、抵抗Rsens 618を通る電流が所定の閾値よりも小さければ、コントローラ612は、DAC 616にデータを出力して、対応するFET駆動電圧を増加させる。そうでなければ、コントローラ612は、DAC 616にデータを出力して、検出された電流と所定の電流との差分が概ね等しくなるまでFET駆動電圧を減少させる。この実施形態のこれらの動作特性は以下で更に詳細に説明される。
【0035】
通常の充電または放電モードでは、DAC 616は機能無効(disable)とされてもよく、充電FET604および放電FET 602が導通状態となる。この実施形態では、DAC616は、例えば、図示されたようなDAC_EN信号を利用することにより、制御可能に機能有効(enable)及び/又は機能無効(disable)とされることができる。充電FETドライバ608は、充電FET 604のゲートをCHG_REF値に駆動してもよく、それは充電FET 604を完全にターンオンさせる。放電FETドライバ606は、放電FET 602のゲートをDSG_REF値に駆動してもよく、それは放電FET 602を完全にターンオンさせる。充電FETドライバ608および放電FETドライバ606は、例えば、CHG_EN及びDSG_EN信号をそれぞれ利用することにより、制御可能に機能有効及び/又は機能無効とされてもよい。
【0036】
トリクル放電モードでは、スイッチK1(620)はノード1に接続されてもよい。放電ドライバ606は機能無効(例えば、DSG_ENがロウ)とされてもよく、それは、放電ドライバ606の出力に高インピーダンスを発生させるように作用する。放電FET 602の導通状態は、DAC 616及びコントローラ612によって制御されてもよい。従って、放電FET 602、センス抵抗Rsens 618、ADC 614、コントローラ612、およびDAC 616はループを構成してもよい。放電FET 602のターンオン抵抗を制御することにより、本実施形態は、コントローラに事前プログラムされたように、トリクル放電電流を所望値に調整することができる。上記実施形態において述べたように、放電FET 602のターンオン抵抗は、そのゲート駆動電圧を調節することにより調整できる。
【0037】
コントローラ612は、DAC 616の動作を制御する回路を備えてもよい。本明細書の何れの実施形態においても使用されるが、“回路(circuitry)”は、例えば、単体または任意の組み合わせで、ハードウェア回路、プログラム可能な回路、状態マシン回路、及び/又はプログラム可能な回路によって実行される命令を格納するファームウェアから構成されてもよい。コントローラ612は、1又は2以上の集積回路から構成されてもよい。本明細書の何れの実施形態においても使用されるが、“集積回路(integrated circuit)”は、例えば、半導体集積回路チップのような半導体装置及び/又はマイクロ電子デバイスを意味する。図6には示されていないが、この実施形態は、また、1又は2以上の次のようなタイプのメモリから成るメモリを備えても良い。即ち、半導体ファームウェアメモリ、プログラマブルメモリ、不揮発性メモリ、読み出し専用メモリ、電気的にプログラム可能なメモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクメモリ、及び/又は光ディスクメモリである。追加的または択一的に、メモリは、他の又は最近開発されたタイプのコンピュータ読み取り可能なメモリから構成されてもよい。機械読み取り可能なファームウェアプログラム命令はメモリに格納される。以下に説明するように、これらの命令は、コントローラ612によってアクセスされて実行され、そして、これらの命令が、コントローラ612及び/又は本実施形態に含まれるであろう他の回路によって実行されると、コントローラ612が本明細書で述べられる動作を実施することになる。
【0038】
この実施形態では、コントローラ612は、所望のトリクル放電電流値Itdを表す1又は2以上のデータビットを発生することができる。そのために、コントローラ612は、連続的及び/又は繰り返しの動作を実施して、Rsens 618によって検出される実際の電流に基づいて所望のトリクル放電電流を達成することができる。例えば、もし所望のトリクル放電電流がItdに設定されると、コントローラ612は、逐次近似抵抗(successive approximation register; SAR)法を実施して、適切なデータビットを生成することができる。SAR法は、初期状態でDACのMSB(most significant bit)をハイに設定するステップと、それからRsens 612を流れる電流を測定するステップとから成る。もし、センス抵抗618(Isen)を流れる電流がItdよりも大きければ、コントローラ612は、DACのMSBをロウに設定し、そうでなければ、コントローラ612はDACのMSBをハイに維持する。そして、コントローラ612は、第2MSBビットをハイに設定し、それからRsensを流れる電流を測定する。もし、Itd<Isenであれば、第2のMSBビットはロウに設定され、そうでなければ、このビットはハイである。この逐次近似は、DACのLSBが設定されるまで続けられる。従って、実行命令は、メモリ(図示なし)に格納され、そしてコントローラ612は、これらの命令をアクセスして、例えばSAR法などの動作を実施してもよい。もし、Itdが所定のバッテリパックについて固定されていれば、メモリに格納された命令もまた固定される。いつでもトリクル放電が必要とされるときには、コントローラ612は、DACを制御して所望のトリクル放電を発生し、そして、バッテリパックは、Itdを外部の負荷に供給することができる。適切なトリクル放電電流を発生する制御コードはメモリに保持され、そして、その後のトリクル放電動作のためにコントローラ612によってアクセスされる。もし、トリクル放電電流の調節が必要であれば、本明細書で述べられる制御ループが使用されて、適宜、Itdを増加または減少させる。トリクル放電モード期間中、充電ドライバ608は機能有効または機能無効とされ得る。その違いは、トリクル放電電流が、それぞれ充電FETまたはそのボディダイオードを通じて流れることである。
【0039】
トリクル充電モードでは、スイッチK1はノード2に接続される。充電ドライバ608は、機能無効(CHG_ENがロウ)にされてもよい。充電FET 604の導通状態は、DAC 616及びコントローラ612によって制御される。このモードでは、充電FET 604、センス抵抗Rsens 618、ADC 614、コントローラ612、およびDAC 616は、上記制御ループを構成してもよい。充電FET 604のターンオン抵抗を制御することにより、本実施形態は、トリクル充電電流を所望値に調節することができる。通常、予備充電電流は固定値である。このモードでは、本実施形態は、例えば上述のSAR法を用いてIpchを生成し、そしてこの制御コードをメモリに保持してもよい。トリクル予備充電電流について、上限値から下限値までの範囲で値が変わってもよく、従って、制御コードは、ハイレンジとロウレンジとの間でIpchを変えるように適合され、よってトリクル充電電流が適宜に調節されることを可能にする。トリクル充電モード中、放電ドライバ606もまた、機能有効または機能無効とされることができる。その違いは、トリクル充電電流が、それぞれ放電FETまたはそのボディダイオードを通じて流れることである。
【0040】
図1Aから、予備充電期間および一定電圧(CV)充電期間中に、充電電流は制御される必要があることが分かる。このような従来回路では、CV充電は、充電電圧を正確にVOVに調節するためには充電器に完全に依存しなければばらず、そして、充電電流は徐々に減少するであろう。
【0041】
本発明では、予備充電機能は、余分の予備充電FETを用いることなく実施可能である。さらに、予備充電過程の速度を高める目的で、予備充電電流Ipchはセル電圧に基づいて容易に調節可能である。図2A、図3Aおよび図4、または図6に述べられている制御ループアプローチのように、セル電圧が高くなる程、基準電流Irefをプログラミングすることによって、より大きな予備充電電流が供給されてもよい。
【0042】
有利には、本明細書の幾多の実施形態に述べられているように、トリクル予備充電電流制御は、トリクル予備充電回路がセル電圧に基づいてトリクル充電電流を発生可能なCV時間期間中に利用可能である。このようにして、CV充電電流のテーパー(taper)は、充電器調節電圧VOVに依存する必要がない。従って、有利には、本開示は、高価で精度の良い電圧調整充電器に対する必要性を取り除く幾多の実施形態を提供する。確かに、リチウムイオン電池を充電するために簡単なACアダプタを使用することができる。なぜなら、CV充電期間では、充電器でさえ一定電圧をVOVに維持することはできないが、充電電流は予めプログラムされたトリクル電流値に制限され、それはセル電圧に基づき決定されるからである。従って、過充電(over charging)は起こらないであろう。この充電電流制限は、(この電流制限を、所望のVOVについて実際に観測された電流よりもわずかに大きな電流制限に設定することにより)二次的な過電圧保護として、及び/又は、(正確な所望のVOVが得られるまで、充電電流を調整することにより)一次的な過電圧保護として使用することができる。
【0043】
また、有利には、本発明によるトリクル放電は、バッテリパックについて一層良好な短絡回路(short circuit)を提供する。従来のバッテリパックでは、放電FETは、完全にターンオンして放電を可能にできるか、または完全にターンオフして放電を不能にできるかのどちらかである。バッテリパックがシステムから取り外された場合、例えば、廃棄処分された場合、放電FETは、オンに維持されて、バッテリパックがシステムに差し込まれたときにはいつでもシステムを給電するための準備をする。この場合、もし、VPACK+端子が短絡するような、何か異常なことが発生すれば、非常に大きな電流がバッテリから流れ出し、それは次にバッテリにダメージを与えるであろう。あるいは、従来のバッテリパックでは、放電FETは、バッテリを短絡回路状態から保護するためにオフに維持される。しかし、これは、バッテリパックがシステムに差し込まれているときに、バッテリがシステムに給電することを妨げる。この困難を克服するため、幾つかの従来のバッテリパックは、放電FETをターンオンさせることをバッテリに通知する機械的方法を提供する。これは、顧客に不便を与え、そしてまた、バッテリパックの価格及び/又は大きさの増加を招く。本明細書に述べられる少なくとも一つの実施形態によれば、バッテリパックは、バッテリがシステムから取り外されているときには、トリクル放電モードに置かれても良い。トリクル放電電流値は、バッテリパックがシステムに差し込まれたときにシステム組み込みコントローラ(system embedded controller)を給電するために、十分に大きく、例えば100mAに選択されることができる。そしてシステム組み込みコントローラは、バッテリが存在することを検出し、このバッテリに通常の放電モードで動作することを通知する。VPACK+短絡中でさえ、所定のトリクル放電値、例えば100mAに電流を制限する放電FETを用いれば、高電流サージが防止される。
【0044】
本明細書で述べられるトリクル放電およびトリクル充電接続形態は、また、複数のバッテリシステム(multiple battery system)において利用される。複数のバッテリパックが同時に放電するときに、それらは、より多くの電力をシステムに供給することができる。これは、また、効率を増加させるために複数のバッテリパックが互いに並列接続されているので、このバッテリの内部インピーダンスを減少させる。しかしながら、厳しい規定(stringent regulations)は、複数のバッテリパックが同時に放電しても、それらの複数のバッテリが正確に同一の電圧でなければならないことを要求する。そうでなければ、バッテリに接続された給電バスの抵抗が極めて小さい(例えば2ミリオーム)ために二つのバッテリパックが極めて小さな電圧差(例えば10mV)を有していても、大きな電流(この例では5アンペア)が電圧の高いバッテリパックから電圧の低いバッテリパックに流れる。
【0045】
実際には、複数のバッテリパックが同一の電圧を有するように維持することは困難であり、また、バッテリパック電圧が放電に伴って変化するため、バッテリ電圧をモニタする高精度のADCを用いたとしても、二つのバッテリが同一の電圧であるかどうかを判断することは極めて困難である。幾多の実施形態を参照して本明細書で述べるように、トリクル放電動作は、複数のバッテリパックの問題を解決することができる。一例として、システムは、二つのバッテリパック、即ちパックAとパックBから構成されてもよい。初期状態では、パックAの電圧はパックBの電圧よりも高いと仮定する。
【0046】
パックAは、最初に放電してシステムを給電し、そしてパックAの電圧は徐々に低下する。パックBの放電FETはオフになってパックBの放電を機能無効(disable)にしてもよい。パックAの電圧がパックBと同じ電圧にまで低下すると、本発明は、パックBを、トリクル充電モードまたはトリクル放電モードのどちらかに設定する。もし、パックBがトリクル充電モードで機能有効とされれば、放電FETは完全にターンオンとされ、そして充電FETは飽和導通領域で動作するように制御される。このようにして、放電FETは電流制限抵抗として使用される。もし、パックBがトリクル放電モードで機能有効とされれば、充電FETは完全にターンオンとされ、そして放電FETは飽和領域で動作するように制御される。このようにして、放電FETは電流制限抵抗として使用される。さらなる安全のため、図6の接続形態600を参照すると、トリクル充電動作及び/又はトリクル放電動作は、充電FET及び/又は放電FETの等価抵抗を増加させるため、充電FETおよび放電FETを飽和導通領域で動作させることにより比較的小さな電流値を発生するように制御設定されてもよい。
【0047】
上記の例では、パックAが放電し、パックBは働いていないので、たとえ測定電圧値が等しくても、実際のパックAの電圧はパックBの電圧よりも高くなる。このことが発生すると、パックAがパックBを充電する。しかしながら、(もしパックBをトリクル充電モードにすれば)充電電流は充電FETの抵抗によって制限され、または、(もしパックBをトリクル放電モードにすれば)充電電流は放電FETの抵抗によって制限される。制限された電流は、例えばコントローラ612により実行される制御コードによって決定される。
【0048】
本発明では、この充電電流は、パックBに備えられたADCによりモニタされる。パックAとパックBとの間の電圧差が減少するにつれて、パックAからパックBへの充電電流も減少する。充電電流が、所定値、例えば10mAよりも小さくなったときに、コントローラは、トリクル充電モードまたはトリクル放電モードから完全な放電モードに切り換える。
【0049】
従って、従来の接続形態に比較して、より多くの柔軟性、より少ない構成、予備充電を完了するための高効率を提供する接続形態およびプログラム可能なトリクル予備充電及び/又はトリクル放電回路が開示された。本明細書で述べられた少なくとも一つの実施形態のプログラム可能なトリクル充電回路を、バッテリセルの充電レベルに基づいてトリクル予備充電モードまたは通常の充電モードに設定するために、スイッチ(K1,K2及び/又はK3及びK4)はバッテリモニタICによって制御されてもよいことが理解される(著しく放電されたものはトリクル充電モードを必要とする)。さらに、本明細書で示された接続形態は、個別の構成部品を用いて実施されてもよく、及び/又は、ICに集積されてもよく、及び/又は、その両方の組み合わせであってもよい。
【0050】
本発明は、充電式バッテリを使用する任意の携帯電子装置(ポータブルコンピュータ、携帯電話、PDAなど)に適用される。そのためには、本明細書で示された接続形態は、携帯電子装置のためのバッテリパックに統合されてもよい。本明細書で使用される“バッテリパック”は、少なくとも一つののバッテリセルから構成されたバッテリとして定義されてもよい。バッテリパックは、1又は2以上の充電式リチウムイオンセルから構成されてもよい。また、バッテリパックは、バッテリパックの制御可能な充電及び/又は放電動作を容易にするための本明細書で説明され図示されたような1又は2以上の電子構成部品から構成されてもよい。
【0051】
(過電圧過渡コントローラ構成要素)
図7は、過電圧過渡コントローラ702を備えた図6のトリクル予備充電およびトリクル放電接続形態の他の実施形態を図示する。通常、過電圧過渡コントローラ702は、バッテリパックのセルを過電圧過渡状態(over voltage transient condition)から保護する。本明細書で使用されるように、“過電圧過渡状態”とは、過渡時間インターバル中の通常の充電電圧レベルを超える電圧レベルにおける増加である。一例として、電圧レベルにおける上記増加は、約10ミリボルトよりも大きくてもよく、そして過渡時間インターバルは、約1マイクロ秒と1ミリ秒との間であってもよい。
【0052】
バッテリのセルを過電圧過渡状態から保護するために、過電圧過渡コントローラ702は、バッテリパックに供給される電圧レベルを示す入力信号を受け取って、過電圧過渡状態が発生しているかどうかを検出する。もし、このような過電圧過渡状態が検出されれば、過電圧過渡コントローラ702は、この状態を表す出力制御信号を供給する。充電スイッチ604は、過電圧過渡コントローラ702からの出力制御信号に応答して、充電式バッテリを過電圧状態から保護する。一実施形態において、スイッチ604は、過電圧状態期間で開放して充電式バッテリを保護する。
【0053】
図7の接続形態の集積回路700は、図6に詳細に示されるような電流制限回路を備えても良い。本明細書で使用されるように、“回路(circuit)”は、例えば、ハードウェア回路、プログラマブル回路、状態マシン回路、及び/又は、プログラマブル回路によって実行される命令を格納するファームウェアの一つ又は任意の組み合わせから構成されてもよい。このような電流制限回路は、高分解能のADC 614、コントローラ611、DAC 612、およびスイッチK1を備えても良い。
【0054】
過電圧過渡コントローラ702は、このような電流制限回路と共に、または独立に利用されてもよい。例えば、電流制限回路は、通常の充電および放電動作中に放電および充電スイッチ602及び604の状態を制御していなくてもよく、従ってDAC 612は機能無効とされてもよい。このような充電動作中に、充電ドライバ608は、充電スイッチ604を完全にターンオンさせる基準電圧レベル(CHG_REF)に充電スイッチ604を駆動してもよい。同様に、このような放電動作中に、放電ドライバ606は、放電スイッチ602を完全にターンオンさせる基準電圧レベル(DSG_REF)に放電スイッチ602を駆動してもよい。さらに、過電圧過渡コントローラ702は、このような期間中、予備充電可能なバッテリを過電圧過渡状態から依然として保護していてもよい。
【0055】
例えば、このような通常の充電および放電動作中に、過電圧過渡コントローラ702は、バッテリパックのセルに入力される電圧レベル(VPACK+)をモニタしてもよい。このような電圧信号は、経路706を介して過電圧過渡コントローラ702に入力されてもよい。モニタされた電圧レベルが、許容できる閾値レベルよりも低くなると、過電圧過渡コントローラ702は、経路708を介してデジタル1のレベルの信号(CHG_PERMIT信号)をANDゲート704に供給してもよい。あるいは、モニタされた電圧レベルが上記閾値レベルを上回るか、上記閾値レベルと等しいときには、過電圧過渡コントローラ702は、経路708を介してデジタル0のレベルの信号(CHG_PERMIT信号)をANDゲート704に供給してもよい。
【0056】
ANDゲート704は、充電ドライバ608を機能有効(enable)または機能無効(disable)とする充電許可信号(CHG_EN)を、経路708を介して供給してもよい。ANDゲート704は、ANDゲート704に対する両方の入力がデジタル1であるときに、デジタル1の充電許可信号を供給する。ANDゲート704に対する一方の入力は、経路708を介して過電圧過渡コントローラ702から与えられてもよい。ANDゲート704に対する他方の入力は、経路710を介した二次的な充電許可信号(CHG_EN’)入力であってもよい。経路710を介して入力された二次的な充電許可信号(CHG_EN’)は、或る場合においては、バッテリパックのセルのそれぞれに関する充電をモニタする任意の種々の回路によって供給されてもよい。CHG_EN’信号は、全てのセルの電圧レベルが閾値レベルを上回っていれば、デジタル1であってもよい。あるいは、CHG_EN’信号は、一つのセルの電圧レベルが上記閾値レベルを下回っていれば、デジタル0であってもよい。
【0057】
従って、通常のバッテリ充電動作中には、過電圧過渡コントローラ702は、過電圧過渡状態を検出し、デジタル0の出力信号をANDゲート704に供給してもよい。よって、ANDゲート704の出力は、CHG_EN’信号に従ってデジタル0となり、そして充電ドライバ608は、充電スイッチ604を開放して、バッテリを過電圧過渡状態から保護する。或る場合においては、このような過電圧過渡状態は、一定電圧充電状態中に発生する(図1B参照)。
【0058】
従って、過電圧過渡状態の開始から充電スイッチ604の実際の開放までの時間は、重大な過電圧過渡がセルに到達することを防止するために十分に速くあるべきである。或る場合においては、数マイクロ秒が好ましい。従って、過電圧過渡コントローラ702は、過電圧過渡状態を迅速に検出して、デジタル0の信号をANDゲート704に供給することができなければならず、且つ、充電ドライバ608は、即座に応答して充電スイッチ604を開放することができなければならない。過電圧状態の場合に充電スイッチを開放することにより充電スイッチ604を制御するためのデジタルスイッチ制御が上述されたが、アナログスイッチ制御スキームもまた実施できる。アナログスイッチ制御スキームは、アナログ信号をドライバ608に供給して、充電スイッチ604のオン抵抗を制御する。従って、過電圧過渡状態は、充電スイッチ604を中間導通状態に駆動して、過電圧過渡状態の期間中にバッテリに供給される電圧を制限することができる。
【0059】
過電圧過渡コントローラ702は、また、過渡電圧状態(transient voltage condition)が消失したときを検出し、そしてデジタル1の出力信号をANDゲート704に供給してもよい。また、二次的な充電許可信号CHG_EN’がデジタル1である限り、通常の充電動作が再開される。充電スイッチ604の開放を生じる過電圧過渡状態の発生は比較的稀であり、充電スイッチ604の閉成時間が比較的遅くても平均充電電流を著しく減少させないので、通常は、充電スイッチ604は、開放のように迅速に閉成する必要はない。
【0060】
過電圧過渡コントローラ702は電流制限回路と独立に使用されてもよいが、過電圧過渡コントローラ702は、また、幾つかの追加の特徴を提供するために電流制限回路と共に使用されてもよい。例えば、もし、充電中にバッテリに供給される電圧値が期待電圧レベルをわずかに上回れば、電流制御回路の電流制限制御ループが位置1のスイッチK1を介して放電ドライバ606に接続されて、放電スイッチ602のオン抵抗を、充電式バッテリに対する平均出力電圧が低くされて上記所望の電圧レベルになる点に制御してもよい。同時に、過電圧過渡コントローラ702は、過電圧過渡状態に対する保護のために、バッテリに供給される電圧レベルをモニタしてもよい。
【0061】
放電スイッチ602のオン抵抗を制御する電流制限回路と、充電スイッチ604の状態を制御する過電圧過渡コントローラ702との同時的な動作は、種々の状況で有利である。これらの状況の一つは、関連する充電器が所望の出力電圧を発生しているが、バッテリのアンバランス又はミスマッチの内部セルが過度の充電電圧を受けるときである。放電スイッチ602のオン抵抗を制御することにより平均充電電圧値を減少させることは、アンバランスまたはミスマッチのセルがより適度な充電電圧を受けることを可能にする。従って、追加的なセルのバランシングが発生するので、充電が継続できる。ここで、そうでなければ、充電は過度の充電電圧を受けるセルのために停止される。
【0062】
これに対し、他の状況は、関連する充電器が所望の出力電圧を発生しているが、バッテリパックのセルが受ける電圧が、最大安全充電レート(maximum safe charging rate)を得るのに十分高くないかもしれないときである。これは、例えばライン損失(line losses)などの多くの要因のために起こる。そして、充電器の出力電圧は、少量だけ意図的に増加されてもよい。そして、電流制限回路は、放電スイッチ602のオン抵抗を制御するために利用されてもよい。バッテリセルに最大安全充電電圧を提供するために、放電スイッチ602のオン抵抗を増加することにより、充電器からのより高い電圧レベルが減少されてもよい。従って、充電時間が減少される。
【0063】
さらに、他の状況は、並列に2以上のバッテリを同時充電(simultaneous charging)することを提供することである。これは、バッテリパックが、電流制限回路の放電制御ループに放電スイッチ602のオン抵抗を制御させることにより、小さな過電圧状態を処理できるためであり、従って、低抵抗経路を介してバッテリパックを互いに結合するときに、各バッテリパックについてほとんど同一の電圧レベルを有する必要性を緩和する。
【0064】
これら3つの状況のそれぞれにおいて、スイッチ602のオン抵抗は、仮定または測定された平均VPACK+電圧に基づき所望の電圧または電流を選択するように制御されてもよい。そして、過電圧過渡コントローラ702は、充電スイッチ604を制御することによりこれらの方策(strategy)を強化し又は有効にして、発生するかもしれない任意の過電圧過渡を抑制してもよい。
【0065】
図8は、図7の過電圧過渡コントローラ702と一致する過電圧過渡コントローラ702aの一実施形態を図示する。この過電圧過渡コントローラ702aは、比較器802、デジタルラッチ808、コントローラ806、DAC 804、および分圧器812を備える。分圧器812は、抵抗R1およびR2を備え、VPACK+に現れる電圧レベルを低い電圧レベルに比例的に縮小する。そして、分圧器812は、縮小された電圧レベルを比較器802の反転入力端子に供給する。比較器802は、縮小されたVPACK+の電圧レベルを、DAC 804により供給される基準電圧と比較し、そして比較結果に応じた状態を有する信号CHG_PERMITを出力する。この信号は、上記縮小された電圧が上記基準電圧よりも小さいときにはデジタル1であり、上記縮小された電圧が上記基準信号よりも大きいか等しいときには、デジタル0であってもよく、これにより、過電圧過渡状態を示す。
【0066】
比較器802は、マイクロ秒の時間で必要な比較を行うことができ、従ってデジタル0の出力信号を迅速に供給して、バッテリパックのセルを過電圧過渡状態から保護する。デジタルラッチ808は、コントローラ806への出力信号のためにデジタル0のCHG_PERMIT信号をラッチし、そしてコントローラ806によってリセットされる。従って、短い時間インターバルで過電圧過渡状態が発生しても、コントローラ806は、それが発生したことを依然として検出することができる。コントローラ806によって命令されるDAC804は、基準電圧を比較器802の非反転端子に供給してもよい。
【0067】
一実施形態において、DAC 804は、高分解能のDACであってもよく、低線形性を有してもよく、較正されなくてもよく、且つ比較的遅くてもよい。本明細書で使用されるように、“高分解能のDAC”は、少なくとも10ビットの分解能を有するDACを意味する。DAC 804の出力は、それが、比較器802の反転入力端子に入力される縮小された電圧入力を超えるまで増加されてもよく、この比較器802は、CHG_PERMIT信号をデジタル0にすると共に、このような信号をデジタルラッチ808にラッチさせる。11ビットの高分解能のDACについては、この過程(process)は、0から始めて1ずつ増加し、2048までのテストを必要とする。このテスト過程は、既知の関連電圧の小さな範囲のみにわたるステッピング(stepping)を備える任意の種々の方法により、または前述したSAR技法により促進されてもよい。
【0068】
もし、(おそらくは精度のよい外部のアナログ/デジタル変換器(ADC)を用いることによって)VPACKの平均値が既知であれば、既知の平均VPACK電圧に対応するデジタルDACの入力値のテーブルが構築されてもよい。このテーブルから、所望の出力基準電圧のために必要な近似的なデジタル入力が推定される。あるいは、もし、線形性が高く、良好に較正されたDACがDAC 804のために使用されれば、DACによって供給される所望の基準電圧は、閉ループアプローチに頼ることなく、直接的に選択されることができる。このアプローチに必要とされるDACは、閉ループアプローチに必要とされる低線形性DACよりも費用がかかるかもしれない。
【0069】
図9は、他の実施形態を示し、図7の過電圧過渡コントローラ702と一致する過電圧過渡コントローラ702bを図示する。図8の過電圧過渡コントローラ702aと類似する過電圧過渡コントローラ702bの構成要素には同様の符号が付され、従って説明の明確のために本明細書では繰り返しの説明を省略する。図8の前述の実施形態とは反対に、図9の実施形態は、低分解能のDAC 902を利用してもよい。本明細書で使用されるように、“低分解能のDAC”は、8ビットよりも多くない分解能を有するDACを意味する。低分解能のDAC 902は小さなオフセット電圧信号を発生するために使用されてもよい。
【0070】
合算回路(summation circuit)904は、低分解能のDAC 902から小さなオフセット電圧信号を入力すると共に、コントローラ806から複数の基準信号のうちの一つを入力し、そして、低分解能のDAC 902からのオフセット電圧と基準信号との和に等しい信号を比較器802の非反転入力に供給する。従って、低分解能のDACは、選択された基準信号を整形(trim)してもよい。
【0071】
コントローラ806により供給される基準信号は、種々の電圧レベルを表す種々の基準信号のうちの一つであってもよい。基準信号の値は、バッテリパックのセル数とセル電圧レベルごとの公称最大値とを含む種々の要因に基づいて変化してもよいが、これらの要因に限定されない。例えば、コントローラ806は、セル電圧レベルごとの公称最大値が4.2ボルトの3つのセルバッテリパックについては12.6ボルトの基準電圧レベルを表す信号を供給してもよい。一方、コントローラ806は、セル電圧レベルごとの公称最大値が同じく4.2ボルトの4つのバッテリパックについては16.8ボルトの基準電圧レベルを表す信号を供給してもよい。
【0072】
図9の実施形態で必要とされる低分解能のDAC 902は、図8の高分解能のDACよりも安価である。DAC 902は、必要に応じて閉ループ法でさらに制御されてもよい。しかしながら、DAC 902は、また、開ループ法で制御されてもよい。DAC 902からの比較的低オフセットアダー(low offset adder)比較的正確な基準電圧レベルとが開ループ動作において利用されてもよい。
【0073】
また、図10は、更なる他の実施形態を示し、図7の過電圧過渡コントローラ702と一致する過電圧過渡コントローラ702cを図示する。図10の過電圧コントローラ702cの構成要素は、図8の過電圧過渡コントローラ702aの構成要素と類似しており、同様の要素には同様の符号を付し、従って明確のために、繰り返しの説明を省略する。
【0074】
過電圧過渡コントローラ702cは、ロウパスフィルタ1004、減算回路1006、コントローラ806、およびDAC 1002を備える。一定電圧充電モードでは、平均VPACK+電圧は、バッテリパックにおける他の精度のよいADCから正確に知ることができる。さらに、平均VPACK+電圧はゆっくり変化する。従って、ロウパスフィルタ1004は、分圧器812からのVPACK+の縮小バージョンから、フィルタされた平均VPACK+電圧レベルを駆動する。そして、減算回路1006は、元(raw)の縮小されたVPACK+を、上記フィルタされた平均縮小VPACK+電圧から減算して、比較器802の反転入力端子にテスト電圧を生じる。このテスト電圧は、電圧レベルの大きさとは対照的に、一般に電圧レベルにおける上方移動(upward movement)方向に敏感である。
【0075】
そして、比較器802は、このテスト電圧とDAC 1002によって供給される基準電圧とを比較して、テスト電圧が基準電圧よりも低ければデジタルの値1を供給し、テスト電圧が上記基準電圧よりも高いか上記基準電圧と等しければ、デジタルの0を供給する。この実施形態では、DAC 1002は、低分解能で、低線形性で、較正されおらず、且つ比較的低速なDACであってもよい。
【0076】
開ループ制御か閉ループ制御に関係なくVPACK+電圧への遅い任意の変化を解消するために、DAC 1002によって供給される基準電圧を定期的に再計算する必要がある。ロウパスフィルタ1004は、必要とされるフィルタ期間に依存して安定的な動作のために外部容量を必要とする。DAC 1002は、所望のDAC電圧レベルを、平均VPACK+電圧よりも低い所望の過電圧閾値レベル(例えば、システムにおける他の精度のよいADCから)と等しく設定することにより、開ループ法で制御されてもよい。
【0077】
要約すると、このように過電圧過渡コントローラが提供される。この過電圧過渡コントローラは、第1の信号と基準電圧レベルを表す第2の信号とを比較して、上記第1の信号が上記第2の信号よりも大きいか上記第2の信号と等しければ、過電圧過渡状態を表す出力信号をスイッチに供給する比較器を備えてもよい。このスイッチは、上記出力信号に応答して、充電式バッテリを上記過電圧過渡状態から保護する。過電圧過渡コントローラは、さらにDACを備えてもよく、ここで、上記第2の信号は、少なくとも部分的に上記DACの出力に基づく。また、充電スイッチ及びこのような過電圧過渡コントローラを備える装置が提供される。
【0078】
最後に、過電圧過渡状態を検出するステップと、バッテリと電源との間に接続されたスイッチに制御信号を供給して上記バッテリを上記過電圧過渡状態から保護するステップとを含む方法が提供される。上記過電圧過渡状態からの保護は、上記スイッチを開状態に駆動し、これにより、上記バッテリを上記過電圧過渡状態から隔絶するステップを含んでも良い。
【0079】
本明細書で用いられている用語および表現は、説明の用語として使用され、制限の用語ではなく、このような用語および表現を使用することに、図示され説明された特徴(またはその一部)の如何なる均等物をも排除する意図はなく、種々の変形は本請求項の範囲内で可能である。他の変形、バリエーション、及び代替物も可能である。従って、本請求項はこのような均等物の全てに及ぶ。
【符号の説明】
【0080】
100 接続形態
102 放電FET
104 充電FET
106 放電ドライバ
108 充電ドライバ
110 基準ダイオード(D1)
112 基準電流源(Iref)
114 スイッチ(K1)
116 スイッチ(K2)
CELL セル
Rsens センス抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の信号と基準電圧レベルを表す第2の信号とを比較して、前記第1の信号が前記第2の信号よりも大きいか前記第2の信号と等しければ、過電圧過渡状態を表す出力信号を、該出力信号に応答して充電式バッテリを前記過電圧過渡状態から保護するためのスイッチに供給する比較器と、
前記充電式バッテリの平均電圧レベルを表す信号を供給するロウパスフィルタと、
前記ロウパスフィルタからの前記充電式バッテリの前記平均電圧レベルを表す前記信号と前記充電式バッテリの元(raw)の電圧レベルを表す信号との間の差分に基づいて前記第1の信号を供給する減算回路と
を備えた過電圧過渡コントローラ。
【請求項2】
前記第2の信号は、低分解能DACにより発生される請求項1記載の過電圧過渡コントローラ。
【請求項3】
前記低分解能DACは、低分解能で、低線形性で、較正されないDACからなる請求項2記載の過電圧過度コントローラ。
【請求項4】
前記ロウパスフィルタは、該ロウパスフィルタの安定的な動作を提供するように構成された外部容量を更に備えた請求項2記載の過電圧過渡コントローラ。
【請求項5】
前記低分解能DACは、前記バッテリパックの電圧よりも低い所望の過電圧閾値レベルに等しいDAC電圧を設定することにより開ループ法で制御されるように構成された請求項4記載の過電圧過渡コントローラ。
【請求項6】
充電スイッチと、
過電圧過渡コントローラとを備え、
前記過電圧過渡コントローラは、
第1の信号と基準電圧レベルを表す第2の信号とを比較して、前記第1の信号が前記第2の信号よりも大きいか前記第2の信号と等しければ、過電圧過渡状態を表す出力信号を、該出力信号に応答して充電式バッテリを前記過電圧過渡状態から保護するための前記充電スイッチに供給する比較器と、
前記充電式バッテリの平均電圧レベルを表す信号を供給するロウパスフィルタと、
前記ロウパスフィルタからの前記充電式バッテリの前記平均電圧レベルを表す前記信号と前記充電式バッテリの元(raw)の電圧レベルを表す信号との間の差分に基づいて前記第1の信号を供給する減算回路と
を備えた装置。
【請求項7】
前記過電圧過渡コントローラは、前記充電スイッチを開状態に駆動することにより、前記充電式バッテリを前記過電圧過渡状態から保護する請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記過電圧過渡コントローラは、前記充電スイッチの内部抵抗を増加させて前記充電式バッテリに供給される電圧レベルを制限することにより、前記充電式バッテリを前記過電圧過渡状態から保護する請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記充電スイッチに直列接続された放電スイッチと、
前記放電スイッチの内部抵抗を制御するための電流制限回路とを更に備え、
前記過電圧過渡コントローラは、前記過電圧過渡状態に対する保護のために前記充電スイッチを同時に制御する請求項6記載の装置。
【請求項10】
前記第2の信号は、低分解能DACにより発生される請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記低分解能DACは、低分解能で、低線形性で、較正されないDACからなる請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記ロウパスフィルタは、該ロウパスフィルタの安定的な動作を提供するように構成された外部容量を更に備えた請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記低分解能DACは、前記バッテリパックの電圧よりも低い所望の過電圧閾値レベルに等しいDAC電圧を設定することにより開ループ法で制御されるように構成された請求項12記載の装置。
【請求項14】
過電圧過渡状態を検出するステップと、
制御信号をスイッチに供給するステップとを備え、
前記スイッチは、バッテリと電源との間に接続され、前記制御信号は、前記バッテリを前記過電圧過渡状態から保護するために、前記スイッチを第1の導通状態に駆動して、前記スイッチの内部抵抗を増加させ、前記過電圧過渡状態の期間中、前記バッテリに供給される電圧を制限するためのものである方法。
【請求項15】
前記制御信号は、前記スイッチを開状態に駆動して前記バッテリを前記過電圧過渡状態から保護する請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記過電圧過渡状態を検出するステップは、第1の信号と基準電圧レベルを表す第2の信号とを比較し、前記第1の信号が前記第2の信号よりも大きいか前記第2の信号と等しい場合、前記制御信号を前記スイッチに供給するステップを含み、前記第1の信号は、前記充電式バッテリの平均電圧レベルを表す信号と前記充電式バッテリの元(raw)の電圧レベルを表す信号との間の差分を表すものである請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記充電式バッテリの前記平均電圧レベルを表す前記信号を、ロウパスフィルタを介して供給するステップと、
減算回路を使用して、前記ロウパスフィルタからの前記充電式バッテリの前記平均電圧レベルを表す前記信号と前記充電式バッテリの前記元(raw)の電圧レベルを表す前記信号との間の差分に基づいて前記第1の信号を供給するステップと
を更に含む請求項16記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−110208(P2010−110208A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276778(P2009−276778)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【分割の表示】特願2005−90074(P2005−90074)の分割
【原出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】