説明

過電流保護回路

【課題】パワースイッチング素子Sのセンス端子STから出力される電流による抵抗体22での電圧降下量に基づき、パワースイッチング素子Sを流れる電流が閾値以上であると判断される場合に、パワースイッチング素子Sをオフ状態とする処理を行うものにあって、ノイズの混入によって上記処理を適切に行うことができなくなること。
【解決手段】感温ダイオードSDの出力電圧に基づき、反転増幅回路50によって、上記電圧降下量との比較対象となる閾値電圧が生成される。反転増幅回路50の入力電圧は、ダイオード44,46及び抵抗体42によって、「1.5〜2.2V」に制限される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量を検出する状態検出手段の出力信号及び前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段の出力信号が入力される入力手段と、該入力手段に入力される前記出力信号に基づき、前記電気的な状態量の温度依存性を補償しつつ、前記入力端子及び前記出力端子間を流れる電流が閾値以上であるか否かを判断する判断手段とを備え、前記判断手段の判断結果に基づき前記スイッチング素子を流れる電流を制限する過電流保護回路に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の過電流保護回路としては、例えば下記特許文献1に見られるように、スイッチング素子としてのIGBTのコレクタ及びエミッタ間の電圧を、これらの間を流れる電流と相関を有する状態量として利用するものも提案されている。すなわち、この状態量と閾値との大小関係によって、過度の電流が流れているか否かを判断する。
【0003】
ただし、上記コレクタ及びエミッタ間の電圧は、これらの間を流れる電流によっては一義的に定まらず、温度依存性を有する。そこで上記回路では、IGBTの近傍にサーミスタを配置し、サーミスタの出力に基づき上記閾値を可変設定することで上記温度依存性を補償しつつコレクタ及びエミッタ間を流れる電流が閾値以上であるか否かを判断することも提案されている。これにより、コレクタ及びエミッタ間の電圧の温度依存性にかかわらず、これらの間を過電流が流れたか否かを判断することができる。
【特許文献1】特許第3367699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記サーミスタの出力には、ノイズが重畳することがある。そしてこのノイズの影響により、サーミスタによって検出される温度が実際の温度から過度に離間する場合には、過電流が流れたか否かを高精度に判断することができなくなる。同様に、サーミスタに異常が生じた場合にも、過電流が流れたか否かを高精度に判断することができなくなる。詳しくは、実際の温度と比較して過度に低い温度領域にあると誤認識される場合には、IGBTを流れる電流が正常であるにもかかわらず、過電流が流れていると誤判断し、電流を制限する処理がなされるおそれがある。また、実際の温度と比較して過度に高い温度領域にあると誤認識される場合には、IGBTを流れる電流が異常であるにもかかわらず、過電流が流れていることを検出できず、IGBTに過電流が流れ続けるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量に基づき、入力端子及び出力端子間を流れる電流が閾値以上であるか否かに応じてスイッチング素子を流れる電流を適切に制限することのできる過電流保護回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0007】
請求項1記載の発明は、スイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量を検出する状態検出手段の出力信号及び前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段の出力信号が入力される入力手段と、該入力手段に入力される前記出力信号に基づき、前記電気的な状態量の温度依存性を補償しつつ、前記入力端子及び前記出力端子間を流れる電流が閾値以上であるか否かを判断する判断手段とを備え、前記判断手段の判断結果に基づき前記スイッチング素子を流れる電流を制限する過電流保護回路において、前記判断手段は、前記入力手段に入力される前記温度検出手段の出力信号に基づき前記電気的な状態量の温度依存性を補償するに際し、その補償量にガード処理を施すことを特徴とする。
【0008】
上記発明では、補償量にガード処理を施すために、実際の補償量が、スイッチング素子の取り得る温度から想定される補償量の範囲に対して大きく外れることを好適に回避することができる。このため、入力手段に入力される温度検出手段の出力信号にノイズが混入したり、温度検出手段に異常が生じたりする場合であっても、入力端子及び出力端子間を流れる電流が閾値以上であるか否かの判断精度が低下することを好適に抑制することができる。このため、上記発明では、スイッチング素子を流れる電流を適切に制限することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記判断手段は、前記入力手段に入力される前記温度検出手段の出力信号が、前記スイッチング素子の温度が許容範囲から外れる値に対応した信号である場合、前記温度が前記許容範囲の境界にあるものとして前記電気的な状態量の温度依存性を補償しつつ前記判断を行うことを特徴とする。
【0010】
上記発明では、入力される温度検出手段の出力信号によって、スイッチング素子の温度が許容範囲から外れる値が示される場合、許容領域の境界に実際の温度があるとして温度依存性の補償を行うことで、温度依存性の補償処理が過度に不適切なものとなることを回避することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記許容範囲は、前記温度が規定温度以上となる範囲であることを特徴とする。
【0012】
上記発明では、温度が規定温度以上となる範囲を許容範囲とすることで、入力される温度検出手段の出力信号が、過度に低い温度であることを示す場合であっても、過度に低い温度に応じた温度依存性の補償がなされることがない。このため、電気的な状態量が温度と正の相関を有する場合には、上記閾値が誤って低い値に設定されることを回避することができ、ひいては、閾値以上であると誤判断されることを回避することができる。また、電気的な状態量が温度と負の相関を有する場合には、上記閾値が誤って高い値に設定されることを回避することができ、ひいては、閾値以上の電流が流れているにもかかわらず、流れていないと誤判断されることを回避することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記許容範囲は、前記温度が所定温度以下となる範囲であることを特徴とする。
【0014】
上記発明では、温度が所定温度以下となる範囲を許容範囲とすることで、入力される温度検出手段の出力信号が、過度に高い温度であることを示す場合であっても、過度に高い温度に応じた温度依存性の補償がなされることがない。このため、電気的な状態量が温度と正の相関を有する場合には、上記閾値が誤って高い値に設定されることを回避することができ、ひいては、閾値以上の電流が流れているにもかかわらず、流れていないと誤判断されることを回避することができる。また、電気的な状態量が温度と負の相関を有する場合には、上記閾値が誤って低い値に設定されることを回避することができ、ひいては、閾値以上であると誤判断されることを回避することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記判断手段は、前記温度検出手段の出力の温度に応じた変化を変更するアナログ回路を備え、該アナログ回路の出力する電圧信号に基づき前記温度依存性を補償して且つ、該温度依存性の補償に用いられる前記電圧信号を前記許容範囲に対応する電圧領域に制限する制限手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
上記発明では、温度依存性の補償に用いられる電圧信号が許容範囲に対応する電圧領域となるように制限することで、電気的な状態量の温度依存性を補償するに際し、補償量に好適にガード処理を施すことができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記制限手段は、前記アナログ回路の出力端子又は入力端子と所定の電位との間に接続されるダイオードを備えて構成されることを特徴とする。
【0018】
上記発明では、所定の電位と上記ダイオードの電圧降下量とによって、温度依存性の補償に用いられる電圧信号を制限することができる。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記スイッチング素子は、車載回転機に電気的に接続される車載高圧システムを構成して且つ、車載低圧システムと絶縁されるものであり、当該過電流保護回路は、前記車載高圧システム内に設けられてなることを特徴とする。
【0020】
上記発明では、高圧システム内に過電流保護回路を備えることで、過電流保護回路を低圧システム内に設ける場合と比較して、フォトカプラ等の絶縁手段の数を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる過電流保護回路をハイブリッド車の電力変換回路に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1に、本実施形態にかかるモータジェネレータの制御システムの全体構成を示す。モータジェネレータ10は、インバータIV及び昇圧コンバータCVを介して高圧バッテリ12に接続されている。ここで、昇圧コンバータCVは、コンデンサと、コンデンサに並列接続された一対のパワースイッチング素子Scp,Scnと、一対のパワースイッチング素子Scp,Scnの接続点と高圧バッテリ12の正極とを接続するリアクトルLとを備えている。そして、パワースイッチング素子Scp,Scnのオン・オフによって、高圧バッテリ12の電圧(例えば「288V」)を所定の電圧(例えば「666V」)を上限として昇圧するものである。一方、インバータIVは、高電位側のパワースイッチング素子と低電位側のパワースイッチング素子との直列接続体を備えており、これら各直列接続体の接続点がモータジェネレータ10のU,V,W相にそれぞれ接続されている。
【0023】
ただし、本実施形態では、インバータIVの各相に接続される高電位側のパワースイッチング素子と低電位側のパワースイッチング素子との直列接続体を、3つずつ備えている。また、コンバータCVを構成する高電位側のパワースイッチング素子Scpと低電位側のパワースイッチング素子Scnとの直列接続体を、3つずつ備えている。図1には、インバータIVの高電位側のパワースイッチング素子と低電位側のパワースイッチング素子との直列接続体として、モータジェネレータ10のW相に接続されるパワースイッチング素子Swp,Swnの直列接続体を記載している。また、本実施形態では、これらパワースイッチング素子として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)が用いられている。そして、これらにはそれぞれ、フリーホイールダイオードが逆並列に接続されているが、図1では、スペースの関係上、その記載を割愛している。
【0024】
制御装置16は、低圧バッテリ14を電源とする制御装置である。制御装置16は、モータジェネレータ10を制御対象とし、その制御量を所望に制御すべく、インバータIVやコンバータCVを操作する。詳しくは、コンバータCVのパワースイッチング素子Scp,Scnを操作すべく、操作信号gcp、gcnをドライバユニットDUに出力する。また、インバータIVのW相のパワースイッチング素子Swp,Swnを操作すべく、操作信号gwp,gwnを該当するドライバユニットDUに出力する。また、インバータIVのU相及びV相のパワースイッチング素子を操作すべく、該当するドライバユニットDUに、操作信号gup,gun,gvp,gvnを出力する。
【0025】
ドライバユニットDUは、上記操作信号に基づきパワースイッチング素子を駆動する処理を行う他、パワースイッチング素子に過度の電流が流れる際には、これを制限する処理をも行う。この際には、パワースイッチング素子の付近に設けられた感温ダイオードSDによって検出されるパワースイッチング素子の温度を参照する。以下、これについて詳述する。
【0026】
図2に、上記ドライバユニットDUの構成を示す。なお、以下では、パワースイッチング素子Scp,Scn,Swp,Swn等をパワースイッチング素子Sと総括して記載し、操作信号gup,gun,gvp,gvn,gwp,gwn, gcp、gcnを操作信号gと総括して表記する。
【0027】
上記操作信号gは、高圧バッテリ12を備える高圧システムと低圧バッテリ14を備える低圧システムとを絶縁する絶縁手段及びドライバユニットDU内の集積回路30の端子T1を介して、駆動部29に取り込まれる。駆動部29は、その出力端子側が集積回路30の端子T2を介してパワースイッチング素子Sの導通制御端子(ゲート)に接続されている。そして、操作信号gが論理「H」となることで、パワースイッチング素子Sをオン状態とする旨が指示されると、パワースイッチング素子Sのゲートに正の電荷を充電する。また、操作信号gが論理「L」となることで、パワースイッチング素子Sをオフ状態とする旨が指示されると、パワースイッチング素子Sのゲートから正の電荷を放電させる。
【0028】
パワースイッチング素子Sは、その入力端子(コレクタ)及び出力端子(エミッタ)間に流れる電流(コレクタ電流)と相関を有する微少電流を出力するセンス端子STを備えている。そして、センス端子STは、抵抗体20,22の直列接続体を介してエミッタに電気的に接続されている。これにより、センス端子STから出力される電流によって抵抗体22に電圧降下が生じるため、抵抗体22による電圧降下量を、パワースイッチング素子Sの入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量とすることができる。
【0029】
抵抗体22には、抵抗体24及びコンデンサ26の直列接続体が並列接続されている。これら抵抗体24及びコンデンサ26は、RCフィルタ回路を構成するものであり、抵抗体22の電圧降下量へのノイズの重畳を除去する。そして、RCフィルタ回路の出力が、ドライバユニットDUの端子T3に取り込まれる。ここで、図では、端子T3が3つ記載されているが、これは、先の図1に示したように、ドライバユニットDUが、3つ並列接続されたパワースイッチング素子Sを駆動するものであるためである。なお、抵抗体20,22並びに上記RCフィルタ回路は、ドライバユニットDUに対して外付けされるものであるが、先の図1では、スペースの関係上、その記載を割愛した。
【0030】
集積回路30では、端子T3を介して入力される上記抵抗体22における電圧降下量に基づき、パワースイッチング素子Sのコレクタ及びエミッタ間に流れる電流(コレクタ電流)が閾値以上であるか否かを判断する。ここで、センス端子STの出力する電流は、温度に依存して変動するものであるため、上記電圧降下量も温度に応じて変化する。詳しくは、図3に示されるように、同一の電流量I1,I2であっても、温度が高いほど電圧降下量が増大する。このため、コレクタ電流が閾値(固定値)以上となるか否かを判断するためには、図3に示されるように、電圧降下量と比較される閾値電圧についても温度の増加に応じて増加させることが望ましい。
【0031】
そこで、集積回路30では、端子T4を介して、感温ダイオードSDの出力電圧を取り込む。ここで、感温ダイオードSDの出力電圧とは、順方向の電圧降下量のことである。感温ダイオードSDの出力電圧は、図4に示すように、温度と負の相関を有する。換言すれば、温度が高いほど出力電圧が低下する。このため、感温ダイオードSDの出力電圧の温度に対する変化を反転させるなら、上記抵抗体22における電圧降下量との比較対象となる閾値電圧の温度変化に近似させることができる。
【0032】
こうした点に着目し、本実施形態では、感温ダイオードSDの出力電圧に基づき、次に述べるようにして閾値電圧を設定する。並列接続されたパワースイッチング素子Sのそれぞれの付近に設けられる感温ダイオードSDの出力電圧に基づき、先の図2に示す高温セレクト回路40において、上記3つの感温ダイオードSDによって検出される温度のうちの最高温度を選択する。これは、出力電圧の最低値を選択する処理となる。高温セレクト回路40によって選択された出力電圧は、反転増幅回路50に取り込まれる。この反転増幅回路50が、感温ダイオードSDの出力電圧の温度による変化を変更することで、先の図3に示した閾値電圧を生成するためのアナログ回路である。
【0033】
詳しくは、反転増幅回路50は、オペアンプ50aと、オペアンプ50aの出力端子及び反転入力端子間を接続する抵抗体50bと、オペアンプ50aの反転入力端子と反転増幅回路50の入力端子とを接続する抵抗体50cとを備え、オペアンプ50aの非反転入力端子には、所定の電圧が印加されて構成されている。ここで、所定の電圧は、電源50dの電圧が、抵抗体50e,50fによって分圧された電圧である。こうした構成によれば、抵抗体50b、50cを調節することで、温度に対する反転増幅回路50の出力電圧の変化(傾き)を調節することができる。また、オペアンプ50aの非反転入力端子に印加する電圧を調節することで、換言すれば抵抗体50e,50fの抵抗値を調節することで、出力電圧の絶対値を調節することができる。これにより、感温ダイオードSDの出力電圧の温度に対する変化度合いを変更して、パワースイッチング素子Sを流れる電流が閾値となる際の抵抗体22における電圧降下量の温度による変化を模擬することができる。換言すれば、反転増幅回路50の出力電圧を、上記閾値電圧とすることができる。
【0034】
反転増幅回路50の出力電圧は、コンパレータ52の反転入力端子に印加される。一方、コンパレータ52の非反転入力端子には、端子T3を介して、抵抗体22の電圧が印加される。これにより、コンパレータ52の出力は、コレクタ電流が閾値以上となることで論理「H」に反転する。
【0035】
図2においては、図示していないが、実際には、コンパレータ52は、3つの回路からなる。これは、互いに並列接続された3つのパワースイッチング素子Sを流れる電流と閾値とを各別に比較するためである。そして、これら各コンパレータ52の出力信号は、OR回路54に取り込まれる。OR回路54では、各コンパレータ52の出力信号の論理和信号を生成し、これをフェール信号FLとして、駆動部29に出力する。フェール信号FLは、論理「H」となることで、パワースイッチング素子Sを強制的にオフ状態とする旨を指示するものである。これにより、本実施形態では、互いに並列接続された3つのパワースイッチング素子Sの少なくとも1つを流れる電流が閾値以上となる場合、これら全てのパワースイッチング素子Sが強制的にオフ状態とされる。
【0036】
ところで、上記端子T4から入力される感温ダイオードSDの出力信号にはノイズが混入するおそれがある。ここで、ノイズによって入力電圧が実際の温度に対応する電圧よりも過度に高くなる場合には、ドライバユニットDUでは、パワースイッチング素子Sの温度が実際の温度よりも過度に低い温度であるものと認識することが懸念される。そしてこの場合には、閾値電圧が過度に小さい値に設定され、コレクタ電流が閾値未満であるにもかかわらず、パワースイッチング素子Sを強制的にオフ状態とする処理がなされるおそれがある。また、ノイズによって入力電圧が実際の温度に対応する電圧よりも過度に低くなる場合には、ドライバユニットDUでは、パワースイッチング素子Sの温度が実際の温度よりも過度に高い温度であると認識することが懸念される。そしてこの場合には、閾値電圧が過度に大きい値に設定され、コレクタ電流が閾値以上となっているにもかかわらず、パワースイッチング素子Sを強制的にオフ状態とする処理がなされなくなるおそれがある。
【0037】
なお、上記ノイズの影響に限らず、端子T4を介して取り込まれる電圧が、実際の温度に対応した電圧から離間する異常が生じる場合にあっては、一般に同様の問題が生じることが懸念される。
【0038】
そこで本実施形態では、コレクタ電流が閾値以上となるか否かを抵抗体22における電圧降下量と閾値電圧との大小に基づき判断する処理において、上記電圧降下量の温度依存性を補償するために閾値電圧を変更するに際し、その変更量(温度依存性の補償量)に制限を設ける。
【0039】
詳しくは、図2に示すように、高温セレクト回路40の出力電圧を、所定の電圧範囲内に制限する。詳しくは、本実施形態では、「1.5〜2.2V」の範囲に制限する。これは、高温セレクト回路40の出力端子に接続される抵抗体42と、エミッタの電位を基準とする所定の電位「2.1V」に固定された電源から抵抗体42側に進む方向を順方向とするダイオード46と、抵抗体42から、エミッタの電位を基準とする所定の電位「1.6V」に固定された電源へと進む方向を順方向とするダイオード44とを備えて構成される。ここで、ダイオード44,46は、いずれもその順方向の電圧降下量が「0.6V」のものを例示している。これにより、高温セレクト回路40の出力電圧が「1.5V」未満となると、ダイオード46に順方向電流が流れるため、反転増幅回路50の入力端子の電圧は、「1.5V」に制限される。これに対し、高温セレクト回路40の出力電圧が「2.2V」を上回ると、ダイオード44に順方向電流が流れるため、反転増幅回路50の出力電圧は、「2.2V」に制限される。
【0040】
図5に本実施形態にかかる閾値電圧の設定態様を示す。詳しくは、図5(a)に、感温ダイオードSDの出力特性を示し、図5(b)に、閾値電圧の設定を示す。
【0041】
図示されるように、本実施形態では、感温ダイオードSDによって検出される温度が上限温度THと下限温度TLとの間にある場合には、感温ダイオードSDの検出する温度の変化に対して負の相関を有するようにして閾値電圧(反転増幅回路50の出力電圧)を可変設定する。ここで、上限温度THは、パワースイッチング素子Sの駆動時において想定される温度の上限値(例えば「150°C」)に基づき設定される。また、下限温度TLは、パワースイッチング素子Sの温度として想定される下限値(例えば「−40°C」)に基づき設定される。
【0042】
これにより、端子T4から取り込まれる温度信号(感温ダイオードSDの出力電圧)が上限温度TH及び下限温度TLを境界とする許容範囲に対応する電圧領域にある場合には、抵抗体22における電圧降下量の温度特性を補償するように閾値を温度に応じて可変設定することができる。一方、端子T4から取り込まれる温度信号が、下限温度TLよりも低い温度に対応する信号である場合には、実際の温度が下限温度TLであるとして閾値電圧を下限値VLに固定する。これにより、ノイズ等の影響により、閾値電圧が過度に低い値に設定される事態を好適に抑制することができる。このため、コレクタ電流が閾値以上となっていないにもかかわらず、閾値以上であると誤判断してパワースイッチング素子Sが強制的に停止状態とされることを回避することができる。また、端子T4から取り込まれる温度信号が、上限温度THよりも高い温度に対応する信号である場合には、実際の温度が上限温度THであるとして閾値電圧を上限値VHに固定する。これにより、ノイズ等の影響により、閾値電圧が過度に高い値に設定される事態を好適に抑制することができる。このため、コレクタ電流が閾値以上となっているにもかかわらず、閾値未満であると誤判断してパワースイッチング素子Sを通常通り駆動し続ける事態を回避することができる。
【0043】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0044】
(1)端子T4の入力信号が、パワースイッチング素子Sの温度が下限温度TLよりも低い温度に対応した信号である場合、実際の温度が下限温度TLにあるものとして閾値電圧を設定した。これにより、過電流が流れたとの誤判断によってパワースイッチング素子Sが強制的に停止状態とされることを回避することができる。
【0045】
(2)端子T4の入力信号が、パワースイッチング素子Sの温度が上限温度THよりも高い温度に対応した信号である場合、実際の温度が上限温度THにあるものとして閾値電圧を設定した。これにより、コレクタ電流が閾値以上となっているにもかかわらず、閾値未満であると誤判断してパワースイッチング素子Sを通常通り駆動し続ける事態を回避することができる。
【0046】
(3)感温ダイオードSDの出力の温度に応じた変化を変更して閾値電圧として出力する反転増幅回路50を備え、反転増幅回路50の出力する電圧信号を温度の許容範囲に対応する電圧領域に制限した。これにより、閾値電圧が過度に大きい値や小さい値となることを回避することができる。
【0047】
(4)反転増幅回路50の入力端子と所定の電位との間に接続されるダイオード44,46を備えた。これにより、反転増幅回路50の出力電圧値を好適に制限することができる。
【0048】
(5)過電流保護回路を、車載高圧システム内に備えた。これにより、過電流保護回路を低圧システム内に設ける場合と比較して、フォトカプラ等の絶縁手段の数を低減することが可能となる。
【0049】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0050】
図6に、本実施形態にかかるドライバユニットDUの構成を示す。なお、図6において、先の図2に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0051】
図示されるように、本実施形態では、反転増幅回路50の入力端子の電位に上限ガードを設けるためのダイオード44のアノード側を反転増幅回路50の入力端子に接続して且つ、カソード側を所定の電位(1.9V)に固定する。また、反転増幅回路50の入力端子の電位に下限ガードを設けるためのダイオード46のカソード側を反転増幅回路50の入力端子に接続して且つ、アノード側を所定の電位(1.8V)に固定する。そして、これらダイオード44,46の順方向の電圧降下量を、「0.3V」とする。これによっても、反転増幅回路50への入力電圧を、先の第1の実施形態と同様の範囲(「1.5〜2.2V」)に制限することができる。
【0052】
すなわち、端子T4から入力される電圧信号が「1.5V」未満である場合、ダイオード46に順方向電流が流れ、反転増幅回路50の入力電圧を「1.5V」に制限することができる。また、端子T4から入力される電圧信号が「2.2V」を上回る場合、ダイオード44に順方向電流が流れ、反転増幅回路50の入力電圧を「2.2V」に制限することができる。
【0053】
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の上記各効果に準じた効果を得ることができる。
【0054】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0055】
図7に、本実施形態にかかるドライバユニットDUの構成を示す。なお、図7において、先の図2に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0056】
図示されるように、本実施形態では、反転増幅回路50の入力電圧にガード処理を施す代わりに、出力電圧にガード処理を施す。
【0057】
すなわち、反転増幅回路50の出力端子を抵抗体42を介してダイオード46のアノード側に接続し、ダイオード46のカソード側の電位を、反転増幅回路50の出力電圧の上限値VHからダイオード46の順方向電圧Vfを減算した値に固定する。また、反転増幅回路50の出力端子を抵抗体42を介してダイオード44のカソード側に接続し、ダイオード44のアノード側の電位を、反転増幅回路50の出力電圧の下限値VLにダイオード44の順方向電圧Vfを加算した値に固定する。
【0058】
これにより、反転増幅回路50の出力電圧が上限値VHを超えようとする場合、ダイオード46に順方向電圧が流れるため、コンパレータ52の反転入力端子に印加される電圧が上限値VHに制限される。また、反転増幅回路50の出力電圧が下限値VLを下回ろうとする場合、ダイオード44に順方向電圧が流れるため、コンパレータ52の反転入力端子に印加される電圧が下限値VLに制限される。
【0059】
以上説明した本実施形態によっても、先の第1の実施形態の効果に準じた効果を得ることができる。
【0060】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0061】
図8に、本実施形態にかかるドライバユニットDUの構成を示す。なお、図8において、先の図2に示した部材に対応する部材については、便宜上同一の符号を付している。
【0062】
本実施形態では、閾値電圧を、電流の閾値に応じた固定値(閾値電圧Vth)とする。すなわち、コンパレータ52の反転入力端子には、閾値電圧Vthを印加する。これに対し、抵抗体22における電圧降下量を温度変化に応じて補正する。換言すれば、上記電流の閾値に対応する電圧を閾値電圧Vthとするようにして電圧降下量を規格化する。
【0063】
詳しくは、高温セレクト回路40の出力電圧は、ダイオード44,46及び抵抗体42によってガード処理が施された後、非反転増幅回路60に取り込まれる。非反転増幅回路60は、オペアンプ60aと、オペアンプ60aの出力端子及び反転入力端子間に接続される抵抗体60bと、オペアンプ60aの反転入力端子に接続される抵抗体60cと、非反転増幅回路60の入力端子とオペアンプ60aの非反転入力端子間に接続される抵抗体60gとを備えている。そして、オペアンプ60aの反転入力端子には、上記抵抗体60cを介して所定の電圧が印加されている。詳しくは、抵抗体60e,60fによる電源60dの電圧の分圧値が印加されている。
【0064】
非反転増幅回路60の出力電圧と、端子T3から入力される電圧降下量とは、非反転加算回路62にて加算される。非反転加算回路62は、オペアンプ62aと、オペアンプ62aの出力端子と反転入力端子とを接続する抵抗体62bと、反転入力端子と接地とを接続する抵抗体62cと、オペアンプ62aの非反転入力端子を端子T3に接続する抵抗体62dと、非反転入力端子を非反転増幅回路60の出力端子に接続する抵抗体62eとを備えている。
【0065】
ここで、抵抗体62d,62eの抵抗値を互いに等しい抵抗値とすることで、非反転加算回路62の出力を、非反転増幅回路60の出力電圧と上記端子T4に印加される電圧降下量との和とすることができる。ここで、非反転増幅回路60の出力電圧の温度に対する変化量が電圧降下量の温度に対する変化量を相殺するように抵抗体60b、60cを調節するなら、非反転加算回路62の出力電圧は、コレクタ電流のみに依存し、温度には依存しない電圧とすることができる。このため、固定された閾値電圧Vthを用いて、コレクタ電流が閾値以上であるか否かを判断することができる。
【0066】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0067】
・温度依存性を補償するための電圧信号を、温度の許容範囲に対応する電圧領域に制限する制限手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば、ダイオードに代えて、ツェナーダイオードを用いて構成してもよい。ここでは、ツェナーダイオードのアノード側を接地して且つカソード側を、反転増幅回路50や非反転増幅回路60の入力端子や出力端子に接続することで、上記温度依存性を補償するための電圧信号をツェナーダイオードのブレークダウン電圧以下に制限することができる。また、ツェナーダイオードのカソード側に所定の電圧を印加して、且つアノード側を反転増幅回路50や非反転増幅回路60の入力端子や出力端子に接続することで、上記温度依存性を補償するための電圧信号の下限値を制限することができる。
【0068】
・上記各実施形態では、感温ダイオードSDを、温度の許容範囲を包含する温度領域において、温度に応じて出力電圧を略線形に変化させるものとしたが、これに限らない。例えば温度の許容範囲と同一の温度領域においてしか温度に応じて出力電圧を変化させることができないものであってもよい。換言すれば、温度の検出可能範囲が、許容範囲と同一であるものであってもよい。この場合であっても、感温ダイオードSDの出力を取り込む際に、ノイズが混入する場合には、感温ダイオードSDによる温度検出範囲が許容範囲よりも広いものであったとした場合に想定される出力電圧であると誤って検出されるおそれがある。このため、こうしたものにあっても、本発明の適用は有効である。
【0069】
・パワースイッチング素子Sの温度検出手段としては、上記各実施形態で例示したものに限らず、例えばサーミスタや熱電対等であってもよい。ただし、これらの出力電圧と温度とが正の相関を有する場合には、第1〜第3の実施形態では、反転増幅回路を用いる代わりに非反転増幅回路を用い、第4の実施形態では、非反転増幅回路に代えて反転増幅回路を用いることが望ましい。
【0070】
・パワースイッチング素子Sの入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量の温度依存性を補償すべく、温度検出手段の出力の温度による変化を変更するアナログ回路としては、反転増幅回路や非反転増幅回路を備えるものに限らない。例えば特開2008−136335号公報に記載されているように、上記温度検出手段の出力の温度による変化を指数関数的に変更するものであってもよい。
【0071】
・パワースイッチング素子としては、IGBTに限らず、例えばMOSトランジスタであってもよい。
【0072】
・パワースイッチング素子Sの入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量としては、上記各実施形態で例示したものに限らない。例えば上記特許文献1に見られるように、コレクタ及びエミッタ間の電圧であってもよい。ここでは、パワースイッチング素子Sの入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有しつつも温度特性を有する電気的な状態量であればよい。
【0073】
・上記各実施形態では、複数の感温ダイオードSDによって検出される温度のうちの最高温度に基づき電圧降下量の温度補償処理を行ったが、これに限らず、最低温度や平均温度を用いて行ってもよい。
【0074】
・インバータIVやコンバータCVとしては、高電位側のパワースイッチング素子と低電位側のパワースイッチング素子との直列接続体を複数並列接続して用いるものに限らず、単一の直列接続体にてインバータIVの各相を構成したり、コンバータCVを構成したりするものであってもよい。
【0075】
・パワースイッチング素子Sとしては、車載回転機と電気的に接続されるインバータやコンバータを構成するものに限らない。例えば、車載高圧バッテリの電力を低圧バッテリに供給すべく、高圧バッテリの電圧を降圧するDCDCコンバータを構成するスイッチング素子であってもよい。ここで、スイッチング素子が低圧システムと絶縁された高圧システムを構成する場合には、低圧システムとの通信をすることなく過電流保護回路を構成するうえでは、上記各実施形態と同様、高圧システム内に過電流保護回路を構成することが有効である。もっとも、低圧システムのスイッチング素子であっても、本発明を適用することはできる。
【0076】
・過電流保護回路としては、電気的な状態量の温度依存性を補償する処理を、アナログ回路にて行うものに限らない。例えば上記特許文献1に見られるように、マイクロコンピュータによるディジタル処理として行うものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】同実施形態にかかる過電流保護回路の回路構成を示す回路図。
【図3】同実施形態にかかるIGBTのセンス端子の出力特性を示す図。
【図4】同実施形態にかかる感温ダイオードの出力特性を示す図。
【図5】同実施形態にかかる過電流閾値の設定態様を示す図。
【図6】第2の実施形態にかかる過電流保護回路の回路構成を示す回路図。
【図7】第3の実施形態にかかる過電流保護回路の回路構成を示す回路図。
【図8】第4の実施形態にかかる過電流保護回路の回路構成を示す回路図。
【符号の説明】
【0078】
12…高圧バッテリ、14…低圧バッテリ、16…制御装置、44,46…ダイオード、50…反転増幅回路(アナログ回路の一実施形態)、52…コンパレータ、S…パワースイッチング素子、ST…センス端子、SD…感温ダイオード(温度検出手段の一実施形態)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子の入力端子及び出力端子間を流れる電流と相関を有する電気的な状態量を検出する状態検出手段の出力信号及び前記スイッチング素子の温度を検出する温度検出手段の出力信号が入力される入力手段と、該入力手段に入力される前記出力信号に基づき、前記電気的な状態量の温度依存性を補償しつつ、前記入力端子及び前記出力端子間を流れる電流が閾値以上であるか否かを判断する判断手段とを備え、前記判断手段の判断結果に基づき前記スイッチング素子を流れる電流を制限する過電流保護回路において、
前記判断手段は、前記入力手段に入力される前記温度検出手段の出力信号に基づき前記電気的な状態量の温度依存性を補償するに際し、その補償量にガード処理を施すことを特徴とする過電流保護回路。
【請求項2】
前記判断手段は、前記入力手段に入力される前記温度検出手段の出力信号が、前記スイッチング素子の温度が許容範囲から外れる値に対応した信号である場合、前記温度が前記許容範囲の境界にあるものとして前記電気的な状態量の温度依存性を補償しつつ前記判断を行うことを特徴とする請求項1記載の過電流保護回路。
【請求項3】
前記許容範囲は、前記温度が規定温度以上となる範囲であることを特徴とする請求項2記載の過電流保護回路。
【請求項4】
前記許容範囲は、前記温度が所定温度以下となる範囲であることを特徴とする請求項2又は3記載の過電流保護回路。
【請求項5】
前記判断手段は、前記温度検出手段の出力の温度に応じた変化を変更するアナログ回路を備え、該アナログ回路の出力する電圧信号に基づき前記温度依存性を補償して且つ、該温度依存性の補償に用いられる前記電圧信号を前記許容範囲に対応する電圧領域に制限する制限手段を更に備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の過電流保護回路。
【請求項6】
前記制限手段は、前記アナログ回路の出力端子又は入力端子と所定の電位との間に接続されるダイオードを備えて構成されることを特徴とする請求項5記載の過電流保護回路。
【請求項7】
前記スイッチング素子は、車載回転機に電気的に接続される車載高圧システムを構成して且つ、車載低圧システムと絶縁されるものであり、
当該過電流保護回路は、前記車載高圧システム内に設けられてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の過電流保護回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−35284(P2010−35284A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192622(P2008−192622)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】