説明

部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン、その製造方法、及び、当該ポリシロキサンを含む化粧料

【課題】既存のポリオキシアルキレン変性ポリシロキサン及びポリグリセロール変性ポリシロキサンと比較して、低粘度で作業性に優れ、また、空気下で酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので環境適合性が高く、更に、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンと比較して、加水分解性が低く安定である新規な変性ポリシロキサン及びその製造方法、更にはそれを含有する化粧料を提供すること
【解決手段】ポリグリセロール変性ポリシロキサンの末端水酸基を部分的に炭化水素基でブロックする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン及びその製造方法、並びに、当該部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンを含む化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オルガノポリシロキサンをポリグリセロールによって修飾したポリグリセロール変性ポリシロキサンが知られており、例えば、化粧料の成分として使用されている。
【0003】
特開昭57-149290号公報には、水酸化アルカリ触媒存在下にアルケニルアルコールを開始剤としてグリシドールを開環重合して得られるアルケニル末端ポリグリセロールをポリオルガノハイドロジェンシロキサンと付加反応することによるポリグリセロール変性ポリシロキサンの製造方法が開示されている。
【0004】
特開2005-089494号公報には、特開昭57-149290号公報に記載のものと基本的に同じ製造方法であって、アルケニル末端分岐状ポリグリセロールをポリオルガノハイドロジェンシロキサンと付加反応することによるポリグリセロール変性ポリシロキサンの製造方法が開示されている。なお、特開2005-089494号公報記載の製造方法では、分岐状ポリグリセロール変性ポリシロキサンが得られることが13CNMRチャートにより証明されている。しかしながら、特開昭57-149290号公報では基本的に同一の製造方法によって、直鎖状ポリグリセロール変性ポリシロキサンが得られたとされている。特開昭57-149290号公報には13CNMR分析チャートが添付されていないので、同公報による製造方法では実際には分岐状ポリグリセロール変性ポリシロキサンが得られていたと考えられる。
【0005】
一方、特開2004-339244号公報には、活性水素基含有オルガノポリシロキサンを高分子開始剤として水酸化アルカリ触媒存在下にグリシドールを開環重合して得られる分岐状ポリグリセロール変性ポリシロキサンおよびその製造方法が開示されている。
【0006】
しかしながら、特開2004-339244号公報記載の製造方法では、副反応として成長アルコラートアニオンによるシロキサン結合の切断反応が起き、仕込み比から予定される化学構造のポリマーが得られないばかりか、得られた分岐状ポリグリセロール変性ポリシロキサンはかなりの程度Si−O−C結合を含有するため、加水分解反応性が高く、そのもの自身や水溶液の品質が経時で劣化するという問題点があった。
【0007】
また、これらの製造方法によるポリグリセロール変性ポリシロキサンはポリグリセロールの重合度が高くその含有率が高い場合には非常に高粘度となり作業性が悪いものであった。したがってポリグリセロール変性ポリシロキサンより粘度が低く作業性の良いポリグリセロール変性ポリシロキサン誘導体が望まれていた。
【0008】
一方、オルガノポリシロキサンをポリエーテルによって修飾したポリエーテル変性ポリシロキサンも知られており、例えば、化粧料の成分として汎用されている。ポリエーテル変性ポリシロキサンは、空気下で酸化され易く、保存中に、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のカルボニル官能性のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成することがActa Dermato-Venereologica, 79, 5-26 (1999); J Pharm Sci, 87, 276 (1998); Contact Dermatitis, 44, 207 (2001); Contact Dermatitis, 39, 14 (1998); J Pharm Sci, 88, 4 (1999); Contact Dermatitis 44, 207-212, 2001等で報告されている。
【特許文献1】特開昭57-149290号公報
【特許文献2】特開2005-089494号公報
【特許文献3】特開2004-339244号公報
【非特許文献1】Acta Dermato-Venereologica, 79, 5-26 (1999)
【非特許文献2】J Pharm Sci, 87, 276 (1998)
【非特許文献3】Contact Dermatitis, 44, 207 (2001)
【非特許文献4】Contact Dermatitis, 39, 14 (1998)
【非特許文献5】J Pharm Sci, 88, 4 (1999)
【非特許文献6】Contact Dermatitis 44, 207-212, 2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンと比較して、低粘度で作業性に優れ、また、従来のポリエーテル変性ポリシロキサンと比較して、空気下で酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので環境適合性が高い新規な変性ポリシロキサン、並びに、それを含有する化粧料を提供し、更に、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンの製造方法と比較して、生成物の加水分解性が低く安定な、新規な変性ポリシロキサンの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、下記式(1)、(2)又は(3):
【化1】

【化2】

【化3】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される少なくとも1つの末端基が、連結基を介して、オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合している部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンによって達成される。前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基であることが好ましい。
【0011】
前記連結基は、下記一般式(4):

−R−O−(AO)− (4)

(式中、
は、置換若しくは非置換の炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は、置換若しくは非置換の炭素数6〜22のアルキレンアリーレン基を表し;
AOは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンオキシ基又は炭素数6〜10のアリーレンオキシ基を表し;
pは0〜30の数を表す;但し、Rがケイ素原子に結合する)
で表わされる2価基、又は、下記一般式(5):

−R−COO−(AO)− (5)

(式中、R、AO、及び、pは上記のとおりである)
で表わされる2価基
を含むことが好ましい。
【0012】
前記連結基は、少なくとも1つの、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を更に含むことが好ましい。前記部位は1〜500個の範囲で前記連結基中に存在することができる。
【0013】
前記部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、下記平均単位式(10):

(RSiO(4−a−b)/2 (10)

(式中、
は、脂肪族不飽和結合を含有しない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
は、−R−R(Rは前記連結基を表し、Rは前記末端基を表す)で表される部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性基を表し;
1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5である)
で表すことができる。
【0014】
前記部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、下記式(1)、(2)又は(3):
【化8】

【化9】

【化10】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される少なくとも1つの末端基が、連結基を介して、脂肪族不飽和炭化水素基と結合している部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロールと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、付加反応触媒存在下で反応させることによって製造することができる。前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基であることが好ましい。
【0015】
前記連結基は、下記一般式(4’):

−R−O−(AO)− (4’)

(式中、
は、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は、置換若しくは非置換の炭素数6〜20のアルキレンアリーレン基を表し;
AOは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンオキシ基、又は、炭素数6〜10のアリーレンオキシ基を表し;
pは0〜30の数を表す;但し、Rが脂肪族不飽和炭化水素基に結合する)で表される2価基、又は、下記一般式(5’):

−R−COO−(AO)− (5’)

(式中、R、AO、及び、pは上記のとおりである)
で表される2価基を含むことが好ましい。
【0016】
前記連結基は、少なくとも1つの、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を更に含むことが好ましい。
【0017】
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均単位般式(11):

SiO(4−a−b)/2 (11)

(式中、
は、脂肪族不飽和結合を含有しない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5である)
で表されるものが好ましい。
【0018】
前記脂肪族不飽和含有基はビニル基又はアリル基であることが好ましい。
【0019】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは化粧料の成分として使用することができ、化粧料に好適に配合される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンとは異なり、末端のOH基が部分的にアルキル化されているために、当該OH基同士の水素結合が抑制される。したがって、本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンに比べて、低粘度で、作業性に優れている。したがって、化粧料等への配合が容易である。
【0021】
また、本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、従来のポリエーテル変性ポリシロキサンと比較して、空気下で酸化され難く、保存中にホルムアルデヒド等のアルデヒド類、ギ酸エステル類等のアレルギー抗原性化合物を経時的に生成し難いので、水素添加処理等の後処理を行わなくとも、高い環境適合性を有する。したがって、既存のポリエーテル変性ポリシロキサンの代替品として使用することができる。
【0022】
このように、本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、人体に有害なアルデヒド類を長期に亘って発生しないので、環境汚染のない乳化剤として、人体に使用される化粧料等に好適に使用することができる。
【0023】
そして、本発明の製造方法では、ヒドロシリル化反応によって部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンを合成するので、Si−O−C結合ではなく、Si−C結合によって(ポリ)グリセロール変性部位がポリシロキサンに強固に結合する。したがって、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンと比較して、本発明の製造方法で得られる部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは加水分解性が低く経時的に安定であり、その特性を長期に亘って維持することができる。
【0024】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンを配合した化粧料は、保存中にホルムアルデヒド等のアレルギー抗原性化合物が発生することがないので、長期に亘って、安全に使用することができる。また、アレルギー抗原性化合物の発生防止のために抗酸化剤等を添加する必要がないので、より自然な組成の化粧料とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、下記式(1)、(2)又は(3):
【化15】

【化16】

【化17】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される末端基を1つ以上有する。
【0026】
炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換もしくは非置換の1価の炭化水素基としては、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基等の飽和脂肪族炭化水素基;シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の飽和脂環式炭化水素基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等を含む有機基で置換された基が例示される。メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0027】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの末端基は、そこに存在するXの全てがOH基ではなく、Xの少なくとも1つ、好ましくは15%以上が炭化水素基でブロックされているので、水素結合が抑制される。したがって、部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは低粘度であり、取り扱い性に優れている。
【0028】
前記末端基に存在する全てのXの、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、更により好ましくは少なくとも40%、更により好ましくは少なくとも50%、更により好ましくは少なくとも60%、更により好ましくは少なくとも70%が前記炭化水素基であるべきである。
【0029】
前記末端基は、連結基を介して、オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合している。
【0030】
前記連結基は、下記一般式(4):

−R−O−(AO)− (4)

(式中、
は、置換若しくは非置換の炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は、置換若しくは非置換の炭素数6〜22のアルキレンアリーレン基を表し;
AOは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンオキシ基、又は、炭素数6〜10のアリーレンオキシ基を表し;
pは、0〜30の数を表す;但し、Rがケイ素原子に結合する)
で表わされる2価基、又は、下記一般式(5):

−R−COO−(AO)− (5)

(式中、R、AO、及び、pは上記のとおりである)
で表わされる2価基を含むことが好ましい。
【0031】
としては、例えば、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン基、ジメチレンフェニレン基等が挙げられる。これらの中ではジメチレン、トリメチレン基が好ましく、合成の容易さの観点から、トリメチレン基が特に好ましい。
【0032】
AOとしては、例えば、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基又はフェニレンオキシ基が挙げられる。エチレンオキシ基が好ましい。
【0033】
pは、0〜20、0〜10の数であってもよい。
【0034】
前記連結基は、少なくとも1つの、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を更に含むことが好ましい。
【0035】
前記部位が存在する場合は、当該部位は前記末端基と直接結合することが好ましい。具体的には、上記式(6)〜(9)のいずれかの酸素原子から伸びる結合が上記式(1)、(2)又は(3)の末端基の炭素結合から伸びる結合となるように、直接結合することが好ましい。上記式(6)〜(9)のいずれかの炭素原子から伸びる結合は、同じく、上記式(6)〜(9)のいずれかの酸素原子から伸びる結合とすることができる。この場合は前記連結基の中に上記式(6)〜(9)のいずれかの部位が複数個現れる。但し、上記式(6)〜(9)の部位から伸びる結合の1つは、上記式(4)又は(5)の2価基の酸素原子に結合する。前記部位は、例えば、1〜500個、若しくは1〜300個、若しくは1〜200個の範囲で、前記連結基中に存在することができる。
【0036】
前記部位中には、少量のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が存在していてもよい。これらの基は酸化に対して不安定であり容易に分解してカルボニル官能性分解生成物を与えるので、ポリグリセロール基1モル当量に対して0.5モル当量以下であることが好ましく、0.2モル当量以下であることが更に好ましい。
【0037】
したがって、本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、下記平均単位式:

(RSiO(4−a−b)/2 (10)

(式中、
は、脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
は、−R−R(Rは前記連結基を表し、Rは前記末端基を表す)で表される部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性基を表し;
1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5である)
で表すことができる。
【0038】
前記脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基としては既述したものを挙げることができ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。そして、ここでの脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基としては、脂肪族不飽和結合を含有しない1価のフッ化炭化水素基又はポリオキシアルキレン置換1価飽和炭化水素基をも挙げることができる。
【0039】
前記脂肪族不飽和結合を含有しない1価のフッ化炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル基等が挙げられる。また、前記ポリオキシアルキレン置換1価飽和炭化水素基としては、例えば、片末端水酸基封鎖ポリオキシアルキレン置換1価アルキル基、片末端アルキル基封鎖ポリオキシアルキレン置換1価アルキル基が例示され、具体的には、以下の基:
-CH2CH2CH2O(CH2CH2O)nH
-CH2CH2CH2O(CH2CH2O)n(CH2CH(CH3)O)mH
-CH2CH2CH2O(CH2CH2O)nCH3
-CH2CH2CH2O(CH2CH2O)n(CH2CH(CH3)O)mCH3
(各式中、n、mは整数であり、n<100及びn+m<100であることが好ましい)
が挙げられる。
【0040】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、下記式(1)、(2)又は(3):
【化22】

【化23】

【化24】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される少なくとも1つの末端基が、連結基を介して、脂肪族不飽和炭化水素基と結合している部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロールと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、付加反応触媒存在下で反応させることによって製造することができる。前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基であることが好ましい。
【0041】
前記連結基は、下記一般式(4’):

−R−O−(AO)− (4’)

(式中、
は、置換基若しくは非置換の炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基又は炭素数6〜20のアルキレンアリーレン基を表し;
AOは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンオキシ基又は炭素数6〜10のアリーレンオキシ基を表し;
pは、0〜30の数を表す;但し、Rが脂肪族不飽和炭化水素基に結合する)で表される2価基、又は、下記一般式(5’):

−R−COO−(AO)− (5’)

(式中、R、AO、及び、pは上記のとおりである)
で表される2価基を含むことが好ましい。
【0042】
としては、例えば、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン基、ジメチレンフェニレン基等が挙げられる。これらの中ではメチレン、ジメチレン、トリメチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。なお、AO、p及びqの具体例については、既述のとおりである。
【0043】
脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基、ウンデセニル基、ビニルフェニル基が例示される。ビニル基又はアリル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。
【0044】
前記連結基は、少なくとも1つの、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を更に含むことが好ましい。
【0045】
前記部位が存在する場合は、当該部位は前記末端基と直接結合することが好ましい。具体的には、上記式(6)〜(9)のいずれかの酸素原子から伸びる結合が上記式(1)、(2)又は(3)の末端基の炭素結合から伸びる結合となるように、直接結合することが好ましい。上記式(6)〜(9)のいずれかの炭素原子から伸びる結合は、同じく、上記式(6)〜(9)のいずれかの酸素原子から伸びる結合とすることができる。この場合は前記連結基の中に上記式(6)〜(9)のいずれかの部位が複数個現れる。但し、上記式(6)〜(9)の部位から伸びる結合の1つは、上記式(4’)又は(5’)の2価の基の酸素原子に結合する。前記部位は、例えば、1〜500個、若しくは1〜300個、若しくは1〜200個の範囲で、前記連結基中に存在することができる。
【0046】
上記の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロールは、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル等の脂肪族不飽和結合含有アルコール又はカルボン酸を開始剤とし、酸性又は塩基触媒存在下に、グリシドール、グリシドールの水酸基中の水素原子を上記X基を構成する炭化水素基で置換して得られるグリシジルエーテル、又は、グリシドールとグリシジルエーテルの混合物を開環(共)重合して得ることができる。開環(共)重合は公知の方法に従って行うことができる。グリシドール及びグリシジルエーテルの混合物を共重合するとランダムコポリマーに対応するものを得ることができ、片方を重合させた後もう一方を添加して重合させることによりブロックコポリマーに対応するものを得ることができる。2種類以上のグリシジルエーテルを用いることも可能である。
【0047】
また、上記の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロールは、上記の脂肪族不飽和結合含有アルコール又はカルボン酸を開始剤とし、酸性又は塩基触媒存在下にグリシドールを開環重合した後、所定量の水酸化アルカリを投入し、分子鎖末端をアルカリアルコラート化してからハロゲン化炭化水素と反応させ、水酸基中の水素原子を部分的に炭化水素基で置換する、所謂ウィリアムソンのエーテル合成反応によっても製造することができる。
【0048】
酸性重合触媒としては、BF3・OEt2、HPF6・OEt2、TiCl4、SnCl4、硫酸、PhCOSbF6、過塩素酸、フルオロ硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のルイス酸が挙げられる(ここで、Etはエチル基、Phはフェニル基を示す)。塩基性重合触媒としては、LiOH、NaOH、KOH、CsOH等の金属水酸化物、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属単体又はこれらの水銀アマルガム、一般式ROM1(R:アルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、M1:アルカリ金属)で表わされる金属アルコラート、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の金属水素化物、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ペンタジエニルカリウム、ナフタレンカリウム、グリニャール試薬等の有機金属化合物等が挙げられる。これらの中では、アルカリ金属単体、金属水酸化物、金属アルコラートや有機金属化合物が、高活性で好ましく、中でも、K、KOH、CsOH、カリウム水素化物、カリウムメトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム-t-ブトキシドが、利便性と高活性を兼備した触媒種として特に好ましい。触媒量は、官能基の1モル当量に対して、0.01〜2モル当量が好ましく、0.03〜1.0モル当量が更に好ましく、0.05〜0.8モル当量が特に好ましい。
【0049】
溶媒は、用いても、用いなくてもよいが、触媒種、触媒量、グリシドールの添加量により、反応系が著しく高粘度又は固体状、ないし不均一なスラリー混合物となる場合は、適当な溶媒を用いてその中で重合を行うことができる。
【0050】
重合温度は、使用する触媒の重合活性や、官能基の濃度等により、適宜決定すればよいが、−78〜220℃、−30〜150℃がより好ましい。
【0051】
なお、上記部位中に少量のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が存在していてもよい。これらの基は酸化に対して不安定であり容易に分解してカルボニル官能性分解生成物を与えるので、ポリグリセロール基1モル当量に対して0.5モル当量以下であることが好ましく、0.2モル当量以下であることが更に好ましい。これらは上記の重合反応中に所定量のエチレンオキシド及び/またはプロピレンオキシドを添加し、共重合することにより容易に製造できる。
【0052】
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均単位式(11):

SiO(4−a−b)/2 (11)

(式中、
は、脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5である)
で表されるものが好ましい。Rの具体例としては、既述したとおりであり、その形状は直鎖状、分岐鎖状、環状の何れであってもよい。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの数平均分子量は、好ましくは300〜70万、より好ましくは300〜20万、更に好ましくは1000〜2万である。
【0053】
付加反応触媒としては、当業者に公知の触媒を使用することができるが、白金触媒又はロジウム触媒の存在下で行うことが望ましく、具体的には塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等が好適に使用される。なお、触媒の使用量は、触媒量とすることができるが、特に白金又はロジウム量で50ppm以下、好ましくは20ppm以下である。
【0054】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンを製造する場合、ケイ素原子結合水素原子に対する脂肪族不飽和結合の仕込モル比は0.5〜2.0が好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2である。ケイ素原子結合水素原子を完全に反応させたい場合には1.0〜2.0が好ましく、1.0〜1.5がさらに好ましい。
【0055】
反応温度は上記付加反応が進行し得る温度であれば、特に制限されず、室温または加熱下で行うことができるが、反応速度を速めるために加熱下で行う場合が好ましく、反応温度が50〜200℃であることが好ましい。また、反応の進行は、反応溶液をガスクロマトグラフィー分析、赤外分光分析、あるいは核磁気共鳴分析等の方法で分析し、それぞれ反応系内の原料残存率、ケイ素原子結合水素原子または脂肪族不飽和基の含有率を追跡することにより知ることができる。
【0056】
上記付加反応は、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。ケイ素原子結合水素原子を完全に反応させるか、或いはケイ素原子結合水素原子を完全に消去する為に、残存するケイ素原子結合水素原子に1−ヘキセン等の二重結合を持つ化合物を反応させるか、又は苛性ソーダ等のアルカリ物質を添加してケイ素原子結合水素原子を脱水素反応させる等の方法で後処理してもよい。
【0057】
反応終了後は、未反応成分、あるいは有機溶媒等を除去することにより、目的の部分炭化水素基封鎖ポリグリセロール変性ポリシロキサンを得ることができる。
【0058】
上記ヒドロシリル化反応はバッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。連続式で行う場合は特開2001-294666号公報で提唱されているように、内部に攪拌手段兼栓流性維持手段を有する筒状反応装置中で行う方法が好適に使用される。
【0059】
付加反応終了後、特に有機溶媒を使用した場合には上記の後処理後低沸点物を加熱減圧除去することにより本発明の新規な部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンが得られる。
【0060】
本発明の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンは、各種用途に使用することができるが、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料の原料として好適である。この場合、前記ポリシロキサンの配合量は、化粧品全体の0.1〜40重量%の範囲が好適である。
【0061】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用される成分、水、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、油剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。これらは特に限定されるものではない。
【0062】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられる。具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ一酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。これらの粉体は、本発明の効果を妨げない範囲で複合化されたり、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものであっても良く、必要に応じて一種、又は二種以上用いることもできる。
【0063】
アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等、ステロールとして、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等がある。
【0064】
水溶性高分子としては、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、パイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。
【0065】
皮膜形成剤としては、例えば、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0066】
油剤としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、固体、半固体、液状のいずれのものも使用することができる。例えば、天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、スクワレン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワツクス、流動パラフイン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジベンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル等;シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーンレジン等;フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0067】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α、γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体等が挙げられる。
【0068】
有機変性粘土鉱物としては、例えば、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0069】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合等のカルボン酸塩、アルキルスルホン酸、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩とそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等;カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等;非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等;両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0070】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸メチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤、4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0071】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等がある。
【0072】
防腐剤、抗菌剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0073】
酸化防止剤としては、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等、pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等、キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0074】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられ、ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のにビタミンD類、α−トコフェノール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等がある。
【0075】
アミノ酸類としては、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等、核酸としては、デオキシリボ核酸等、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0076】
本発明において化粧料とは、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、マッサージ料、洗浄剤、制汗剤、脱臭剤等のスキンケア料、ファンデーション、メークアップ下地、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅等のメークアヅプ料、シャンプー、リンス、トリートメント等の毛髪料等が挙げられる。剤型は液状、乳液状、固形状、ペースト状、ゲル状、さらにスプレー状等種々の形態を選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の部分炭化水素基封鎖ポリグリセロール変性ポリシロキサンは、従来のポリエーテル変性ポリシロキサンよりも酸化を受けにくく、経時的に安定であり、人体に有害なアルデヒド類を長期に亘って発生しない。したがって、環境汚染のない乳化剤として、人体に使用される化粧料等に、既存のポリエーテル変性ポリシロキサンの代替品として、好適に使用することができる。
【0078】
そして、本発明の部分炭化水素基封鎖ポリグリセロール変性ポリシロキサンは、従来のポリグリセロール変性ポリシロキサンよりも低粘度であり、取り扱い性に優れているために、化粧料への配合が容易である。
【実施例】
【0079】
[参考例]
市販のグリシジルメチルエーテルを13C核磁気共鳴(13CNMR)分析した結果、エピクリルヒドリン相当で3.4モル%(13700ppmの塩素)を含有していることがわかった。このグリシジルメチルエーテル500グラムにハンマーで砕いた(平均粒径300μm以上)水酸化ナトリウム25グラムを投入し、窒素雰囲気下に80℃で3時間、加熱撹拌した。ついで、40〜50mmHgの減圧度で単蒸留を行い、360グラムの留分を得た。NMR分析の結果、純度は99.9%であり、不純物に由来するシグナルは観察されなかった。この精製グリシジルメチルエーテルに5重量%のモレキュラーシーブス4Aを添加して脱水したものを重合原料として使用した。
【0080】
[実施例1]
エチレングリコールモノアリルエーテル1.88グラム(18.4ミリモル)とカリウム-t-ブトキシド0.10グラム(088ミリモル)を混合し、窒素雰囲気下で105℃に加熱した。グリシドール10.9グラム(147.2ミリモル)と参考例で精製したグリシジルメチルエーテル6.5グラム(73.6ミリモル)の混合物を3.5時間かけて115〜120℃でゆっくり滴下した(エチレングリコールモノアリルエーテル:グリシドール:グリシジルメチルエーテルのモル比=1:8:4)。滴下終了後120℃で3時間加熱撹拌した。室温まで冷却し0.06グラムの酢酸を投入して重合を停止させた。トルエン10gを投入し、ハイドロタルサイト系の吸着剤である協和化学工業製キョーワード500SNを投入し2時間撹拌した。ろ過後、ろ液から低沸点物を加熱減圧留去し、18.8グラム(収率98%)の透明な液状ポリマーを得た。少し加熱することにより容易に反応容器から抜き出すことができた。クロロホルムを溶媒にして屈折率検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量は249、分散度は1.785であった。また、図1に示す13C-核磁気共鳴分析(13C-NMR)の結果から本ポリマーは片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロールであり、カルビノール基:メトキシ基のモル比は69:21であった。また分岐構造を示す-CH2-CH(-CH2O-)O-基のシグナルが78-81ppmに見られた。)
【0081】
[実施例2〜8]
実施例1と同様にして下表の仕込みで重合反応を行い、対応する片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロールを得た。結果を表1及び表2に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
[実施例8]
エチレングリコールモノアリルエーテル1.88グラム(18.4ミリモル)とカリウム-t-ブトキシド0.10グラム(088ミリモル)を混合し、窒素雰囲気下で120℃に加熱した。グリシドール5.45グラム(73.6ミリモル)を1.5時間かけて115〜120℃でゆっくり滴下した。滴下終了後120℃で2時間加熱攪拌し、重合を完結させた。次いで参考例で精製したグリシジルメチルエーテル12.96グラム(147.2ミリモル)を添加した。その後120〜130℃で3時間加熱撹拌し、ブロック共重合を完結させた(エチレングリコールモノアリルエーテル:グリシドール:グリシジルメチルエーテルのモル比=1:4:8)。室温まで冷却し0.06グラムの酢酸を投入して重合を停止させた。トルエン10gを投入し、ハイドロタルサイト系の吸着剤である協和化学工業製キョーワード500SNを投入し2時間撹拌した。ろ過後、ろ液から低沸点物を加熱減圧留去し、19.9グラム(収率98%)の透明な液状ポリマーを得た。クロロホルムを溶媒にして屈折率検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量は1412、分散度は1.271であった。また、13C-核磁気共鳴分析(13C-NMR)の結果から本ポリマーは片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロールであり、カルビノール基:メトキシ基のモル比は38:62であった。また分岐構造を示す-CH2-CH(-CH2O-)O-基のシグナルが78-81ppに見られた。)
【0085】
実施例8における反応の概略は以下のとおりである。
【化29】

【0086】
[実施例9及び実施例10]
グリシジルメチルエーテルの代わりにグリシジルエチルエーテルを使用し、実施例1〜7と同様にして下表の仕込みで重合反応を行い、対応する片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分エチル化ポリグリセロールを得た。結果を表3に示す。
【0087】
【表3】

【0088】
[実施例11]
撹拌装置付4つ口フラスコに実施例1で合成した片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロール7.5グラム(7.16ミリモル)、下記式(I):
【化30】

のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマー1.71グラム(1.99ミリモル、SiH:5.97ミリモル)及びイソプロピルアルコール9.2グラムを混合し、さらに、白金と1,3-ジビニル-テトラメチルジシロキサンとの錯体を白金金属量が5ppmになるようにして混合した。80℃で3時間攪拌し、サンプリングして赤外吸光分析(IR)を行って調べたところ、ケイ素原子結合水素原子の特性吸収は消失しており、反応は完結していた。低沸点物を加熱減圧留去し、淡黄色透明なポリマー8.6グラム(収率93%)が得られた。このポリマーは29Siおよび13C核磁気共鳴分析(NMR)の結果(図2参照)、部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサンであることがわかった。クロロホルムを溶媒にして屈折率検出器を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定された標準ポリスチレン換算の数平均分子量は188、分散度は3.012であった。このポリシロキサンは室温でも流動性があり、少し加熱することにより容易に反応容器から抜き出すことができた。また水には完全に相溶し、透明な水溶液を与えた。0.5重量%の水溶液を調製し、加熱して曇点を測定したところ、80℃以上であった。
【0089】
[実施例12〜20]
実施例2〜10で合成した片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分アルキル化ポリグリセロールを使用し、下表の仕込みでヒドロシリル化反応を行い、対応する部分メチル化またはエチル化ポリグリセロールグラフト型ポリシロキサンを得た。これらはいずれも水に溶解して透明な水溶液を与えた。メチル化度またはエチル化度が高くなるほど低粘度化し、室温でも反応容器から取り出すことができるようになった。またメチル化度またはエチル化度が高くカルビノール基含有率が低いほど曇点は低くなった。結果を表4及び表5に示す。
【0090】
【表4】

【0091】
【表5】

【0092】
[実施例21及び比較例1]
実施例16で製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサン(実施例21)、並びに、それとポリシロキサン含有率及び分子量計算値が近い下記式(II):
【化31】

の構造のポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサン(比較例1)各2グラムを単体で、並びに、実施例21及び比較例1を濃度が80重量%になるようにpH6の緩衝溶液に混合して得られた溶液各2グラムを30ccガラス瓶に入れて空気下で密封し、50℃オーブン内で3週間加熱劣化させた。
【0093】
室温に戻し、ホルムアルデヒドを選択的に検出する試験紙である関東化学製ホルムアルデヒドテストストリップ(TR)を浸して調べたところ、比較例1(ポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサン)は、単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も黄変し、ホルムアルデヒドが検出されたが、実施例21(実施例16で製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサン)は、単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も変色は見られず、ホルムアルデヒドが生成していることは確認できなかった。
【0094】
また、50℃劣化試験後のIR分析の結果、比較例1は、単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も1720cm-1の特性吸収が生成し、また、pHが小さいほど吸収強度が強かった。このことから、特に酸性条件ではポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサンが酸化分解し、カルボニル官能性化合物が生成しやすいことがわかった。これに対し、実施例21の場合は単体、及び、pH6の緩衝溶液との混合物のいずれの場合も1720cm-1の特性吸収はほとんど見られず、カルボニル官能性化合物はほとんど生成していないことがわかった(図3〜図6参照)。
【0095】
[実施例22]
実施例6のアリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロールを実施例11と同様にして下記式(III):
【化32】

のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマーと付加反応することにより、部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリシロキサンを得た。
【0096】
[実施例23]
実施例6のアリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロールとポリオキシプロピレン(3)アリルオレイルエーテル(日本乳化剤(株)製RG−1252)を下記式(IV):
【化33】

のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマーと共付加反応することにより、部分メチル化ポリグリセロール−ポリオキシプロピレン(3)オレイルエーテル共グラフト型ポリジメチルシロキサンを得た(部分メチル化ポリグリセロール基とポリオキシプロピレン(3)オレイルエーテル基のモル比は5:8)。
【0097】
[比較例2]
グリシジルメチルエーテルもグリシジルエチルエーテルも使用せず、グリセリンモノアリルアルコール存在下にグリシドールを開環重合し(グリセリンモノアリルアルコール:グリシドールのモル比=1:12)、片末端アリロキシエトキシ基封鎖ポリグリセロールを得た。加熱すれば流動するものの室温ではほとんど流動せず、実施例で合成した片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロール及び片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分エチル化ポリグリセロールのいずれよりも高粘度であり、反応容器からの取り出しは極めて困難だった。
【0098】
次に、これを上記式(I)のポリジメチルシロキサン−ポリメチルハイドロジェンシロキサンコポリマーと付加反応して、部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリシロキサンを得た。このポリシロキサンも加熱すれば流動するものの室温ではほとんど流動せず、実施例で合成した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリシロキサン及び部分エチル化ポリグリセロールグラフト型ポリシロキサンのいずれよりも高粘度であり、反応容器からの取り出しは極めて困難だった。
【0099】
[実施例24]
下記成分から成るアイライナーを調製した。
【表6】

シリコーン樹脂:[MeSiO1/2]/[SiO]比が0.8のシリコーン網状化合物の50%D5溶液
シリコーン処理黒酸化鉄:黒酸化鉄に対し、2%のメチルハイドロジェンポリシロキサン添加後、加熱処理したもの
【0100】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5を加えて均一に混合分散する。
B:成分6〜8及び10を混合する。
C:BをAに徐添して乳化した後、成分9を加えてアイライナーを得た。
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとしてべたつきがない使用感で、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性は共に優れ、化粧持ちも非常によいことがわかった。
【0101】
[実施例25]
下記成分から成るアイシャドウを調製した。
【表7】

【0102】
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜7を添加して均一に分散する。
B:成分8〜10及び12を均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、成分11を添加してアイシャドウを得た。
以上のようにして得られたアイシャドウは、のび広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧 崩れしにくく、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0103】
[実施例26]
下記成分から成るサンタン乳液を調製した。
【表8】

【0104】
(製造方法)
A:成分aをcに溶解し、成分bを添加する。
B:Aをディスパーにて1時間攪拌した後、エバポレーターでエタノールを除去する。
C:Bを50℃で一昼夜乾燥し、成分1の乳化剤組成物を得る。
D:Cで得られた成分1及び2を混合する。
E:成分3〜6及び8を均一に混合する。
F:攪拌下、DにEを徐添して乳化し、成分7を添加しサンタン乳液を得た。
以上のようにして得られたサンタン乳液は、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や化粧持ちも良く、また、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0105】
[実施例27]
下記成分から成るファンデーションを調製した。
【表9】

【0106】
(製造方法)
A:成分1〜5を加熱混合し、成分6〜11を添加して均一にする。
B:成分12〜15及び17を加熱溶解する。(水系のpHは9.0)
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分16を添加しファンデーションを得た。
以上のようにして得られたファンデーションは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0107】
[実施例28]
下記成分から成るヘアクリームを調製した。
【表10】

【0108】
(製造方法)
A:成分1〜6及び11〜12を加熱混合する。
B:成分7〜10及び15を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分14を添加し、ヘアクリームを得た。
以上のようにして得られたヘアクリームは、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性、撥水性、耐汗性があり持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0109】
[実施例29]
下記成分から成るハンドクリームを調製した。
【表11】

* アミン当量70000g/mol
【0110】
(製造方法)
A:成分1、3を加熱混合溶解し、成分2、4〜6、10を加熱添加する。
B:成分7〜9及び12を加熱混合する。
C:BをAに徐添し、乳化した後、冷却し、成分11を加えてハンドクリームを得た。
以上のようにして得られたハンドクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、さっぱりとした使用感を有し、水仕事から効果的に皮膚を保護し、温度安定性の非常に優れたものであることがわかった。
【0111】
[実施例30]
下記成分から成る発汗抑制剤を調製した。
【表12】

【0112】
(製造方法)
A:成分1〜2を混合する。
B:成分4を5に溶解し、成分3を加える。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、発汗抑制剤を得た。
以上のようにして得られた発汗抑制剤は、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しかもあまり白くならず、さっぱりとした使用感を与えると共に、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0113】
[実施例31]
下記成分から成る美容液を調製した。
【表13】

【0114】
(製造方法)
A:成分1〜4を加熱混合する。
B:成分5〜8及び10を加熱し、均一溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分9を添加し、美容液を得た。
以上のようにして得られた美容液は、キメが細かく、のび広がりが軽く、べたつきがなく、しっとりとしてみずみずしく、また、温度や経時的に変化がなく非常に安定性にも優れていることがわかった。
【0115】
[実施例32]
下記成分から成るクレンジングクリームを調製した。
【表14】

【0116】
(製造方法)
A:成分1〜8を加熱混合する。
B:成分9〜11及び13を加熱溶解する。
C:攪拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分12を添加しクレンジングクリームを得た。
以上のようにして得られたクレンジングクリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、クレンジング効果も高く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることがわかった。
【0117】
[実施例33]
下記成分から成る洗い流しタイプパック化粧料を調製した。
【表15】

【0118】
(製造方法)
A:成分1〜2及び8を混合する。
B:成分4〜7及び9を均一混合した後、成分3を混合攪拌する。
C:BにAを添加し乳化させ、ペースト状の洗い流しタイプのパック化粧料を得た。
以上のようにして得られた洗い流しタイプのパック化粧料は、塗布中はのび広がりが軽く、洗浄効果に優れ、洗い流した後は、しっとりとしてべたつきのなく肌がつるつるした感触で、非常に優れている使用感を持ち、また、安定性にも優れていることがわかった。
【0119】
[実施例34]
下記成分から成るふきとり型クレンジングを調製した。
【表16】

【0120】
(製造方法)
A:成分1〜4及び6〜8を加熱混合する。
B:成分5及び9を加熱混合した後、攪拌しながらAに加えて乳化し、ふきとり型クレンジングを得た。
以上のようにして得られたふきとり型クレンジングは、塗布中にはべたつきがなく、のび広がりも軽く、しかも、しっとりとしており、拭き取った後は、しっとりとしてべたつきもなく非常に優れており、また、温度や経時的に変化がなく、安定性にも優れていることがわかった。
【0121】
[実施例35]
下記成分から成る脱臭剤を調製した。
【表17】

【0122】
(製造方法)
A:成分1〜3を混合する。
B:成分5を4に溶解し、成分6〜9を混合する。
C:Aを激しく攪拌しながらBを加えて乳化する。
D:エアゾール缶にCを65部、噴射剤(n−ブタン、イソブタン、プロパン混合物)35部を加え、脱臭剤を得た。
以上のようにして得られた脱臭剤は、高濃度に使用してもたれることなく、べたつきもなく、さらっとしていて効果の持続する非常に優れた使用牲を有していることがわかった。
【0123】
[実施例36]
下記成分から成るメイクアップリムーバーを調製した。
【表18】

【0124】
(製造方法)
A:成分1〜5及び7を加えて均一に溶解する。
B:Aに成分6を加えてメイクアップリムーバーを得た。
以上のようにして得られたメイクアップリムーバーを用いて持ちのよいファンデーションを除去したところ、ファンデーション及び皮脂汚れとのなじみも良く、汚れ落ちも非常に良好で、使用時の伸びも軽く、使用後のべたつきもなく後肌もさっぱりしていて、使用性も使用感も非常に優れたメイクアップリムーバーであった。また、温度や経時的に変化がなく、安定性にも優れていることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】実施例1で製造した片末端アリロキシエトキシ基封鎖部分メチル化ポリグリセロールの13C NMRチャート
【図2】実施例11で製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリシロキサンの13C NMRチャート
【図3】実施例16で製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサンを空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート(実施例21参照)
【図4】実施例16で製造した部分メチル化ポリグリセロールグラフト型ポリジメチルシロキサンとpH6の緩衝溶液との混合物(濃度:80重量%)を空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート(実施例21参照)
【図5】比較例1のポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサンを空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート
【図6】比較例1のポリオキシエチレングラフト型ポリジメチルシロキサンとpH6の緩衝溶液との混合物(濃度:80重量%)を空気下に50℃で3週間加熱劣化させた後のIRチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)、(2)又は(3):
【化1】

【化2】

【化3】

(各式中、
Xは、水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される少なくとも1つの末端基が、連結基を介して、オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合している部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン。
【請求項2】
前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基である、請求項1記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン。
【請求項3】
前記連結基が、下記一般式(4):

−R−O−(AO)− (4)

(式中、
は、置換若しくは非置換の炭素数1〜22の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は、置換若しくは非置換の炭素数6〜22のアルキレンアリーレン基を表し;
AOは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンオキシ基、又は、炭素数6〜10のアリーレンオキシ基を表し;
pは、0〜30の数を表す;但し、Rがケイ素原子に結合する)
で表わされる2価基、又は、下記一般式(5):

−R−COO−(AO)− (5)

(式中、R、AO、及び、pは上記のとおりである)
で表わされる2価基
を含む、請求項1又は2記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン。
【請求項4】
前記連結基が、少なくとも1つの、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を更に含む、請求項3記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン。
【請求項5】
前記部位が1〜500個の範囲で前記連結基中に存在する、請求項4記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン。
【請求項6】
下記平均単位式(10):

(RSiO(4−a−b)/2 (10)

(式中、
は、脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
は、−R−R(式中、Rは前記連結基を表し;Rは前記末端基を表す)で表される部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性基を表し;
1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5である)
で表される、請求項1乃至5のいずれかに記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサン。
【請求項7】
下記式(1)、(2)又は(3):
【化8】

【化9】

【化10】

(各式中、
Xは水素原子、又は、それぞれ独立して、炭素原子数20以下の脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
総Xの少なくとも1つは前記炭化水素基である)
で表される少なくとも1つの末端基が、連結基を介して、脂肪族不飽和炭化水素基と結合している部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロールと、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、付加反応触媒存在下で反応させることを特徴とする、部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの製造方法。
【請求項8】
前記末端基の総Xの少なくとも15%が前記炭化水素基である、請求項7記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの製造方法。
【請求項9】
前記連結基が、下記一般式(4’):

−R−O−(AO)− (4’)

(式中、
は、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又は、置換若しくは非置換の炭素数6〜20のアルキレンアリーレン基を表し;
AOは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキレンオキシ基、又は、炭素数6〜10のアリーレンオキシ基を表し;
pは、0〜30の数を表す;但し、Rが脂肪族不飽和炭化水素基に結合する)
で表わされる2価基、又は、下記一般式(5’):

−R−COO−(AO)− (5’)

(式中、R、AO、及び、pは上記のとおりである)
で表わされる2価基
を含む、請求項7又は8記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの製造方法。
【請求項10】
前記連結基が、少なくとも1つの、下記式(6)、(7)、(8)又は(9):
【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

(式中、Xは上記のとおりである)
で表される部位を更に含む、請求項9記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの製造方法。
【請求項11】
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記平均単位式(11):

SiO(4−a−b)/2 (11)

(式中、
は、脂肪族不飽和結合を含まない置換若しくは非置換の1価の炭化水素基を表し;
1.0≦a≦2.5、0.001≦b≦1.5である)
で表される、請求項7乃至10のいずれかに記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの製造方法。
【請求項12】
前記脂肪族不飽和含有基がビニル基又はアリル基である、請求項7乃至11のいずれかに記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンの製造方法。
【請求項13】
請求項1乃至6のいずれかに記載の部分炭化水素基封鎖(ポリ)グリセロール変性ポリシロキサンを含む化粧料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−144156(P2010−144156A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326576(P2008−326576)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】