部品取付けロボット及び部品取付け装置
【課題】金属粉対策を講じた部品取付け装置を提供することを課題とする。
【解決手段】部品取付け装置10では、部品保持治具16の保持部71の近傍に、ボルト203をねじ込むためにナット199のねじ穴207に向けてエア205を供給するエア噴出し口90と、ナット201のねじ穴に向けてエア206を供給するエア噴出し口100とが設けられている。
【効果】ボルト203のねじ込み前にねじ穴207に金属粉208が付着していた場合であっても、第1エア噴出し口90からエア205を噴出し、金属粉208を除去する。すなわち、本発明によれば、金属粉対策を講じた部品取付け装置10が提供される。
【解決手段】部品取付け装置10では、部品保持治具16の保持部71の近傍に、ボルト203をねじ込むためにナット199のねじ穴207に向けてエア205を供給するエア噴出し口90と、ナット201のねじ穴に向けてエア206を供給するエア噴出し口100とが設けられている。
【効果】ボルト203のねじ込み前にねじ穴207に金属粉208が付着していた場合であっても、第1エア噴出し口90からエア205を噴出し、金属粉208を除去する。すなわち、本発明によれば、金属粉対策を講じた部品取付け装置10が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品取付けロボット及びロボットに保持された部品を被固定側に取り付ける部品取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドアヒンジの取付作業では、ドアヒンジを車体表面に当てた状態で、ボルトをドアヒンジのボルト穴に通し車体に設けたねじ穴にねじ込むことによって、ドアヒンジが車体に取り付けられる。この取付作業のとき、ボルトのねじ込みを円滑に行うためには、車体のねじ穴に対するドアヒンジのボルト穴の位置決めを確実に実施する必要がある。
【0003】
従来、車体のねじ穴に対するドアヒンジのボルト穴の位置決めを確実に実施すると共にドアヒンジを保持する治具として部品保持治具が知られている(例えば、特許文献1(図9)参照。)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図12は従来の技術の基本構成を説明する図であり、(a)に示すように、部品保持治具300は、車体301の前後方向に平行に延ばされワイヤロープ302、303で車体301の前後方向及び幅方向に移動可能に支持されているフレーム304と、このフレーム304の図左側の上端、左側の下端、右側の上端及び右側の下端に設けられドアヒンジ305、306、307、308を保持している保持部309、311、312、313と、フレーム304の左側に図表方向に突出して設けられ車体301に開けた穴に挿入される位置決めピン314と、フレーム304の右側に図表方向に突出して設けられ車体301に開けた穴に挿入される位置決めピン315とで構成される。
【0005】
位置決めピン314、315を車体301に開けた穴に挿入することで、車体301に設けたねじ穴にドアヒンジ305、306、307、308のボルト穴が合致するので、車体301のねじ穴に対するドアヒンジ305、306、307、308のボルト穴の位置決めを確実に実施することができる。
【0006】
ところで、特許文献1の部品保持治具300を用いてボルトのねじ込み作業を実施するとき、(b)に示すように、車体301の内側に設けたナット316のねじ穴317に金属粉318が付着することがある。ねじ穴317に金属粉318が付着した状態でねじ穴317にボルトをねじ込むと、ボルトは金属粉318を噛み込むので、ボルトのねじ込みを止める必要がある。すなわち、ドアヒンジ取付けラインを停止させる必要がある。この結果、生産効率の悪化を招く。
【0007】
生産効率を維持するには、金属粉対策を講じた部品取付け装置の開発が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−68037公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、金属粉対策を講じた部品取付け装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明では、被固定側の表面に部品をセットする部品セット工程と、エアブロー工程と、部品固定工程とを制御部からの指令に基づいて実施するように構成していることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、ロボットに保持された部品を、被固定側に取り付ける部品取付け装置において、前記ロボットの部品保持部の近傍に、ボルトをねじ込むために前記被固定側に設けたねじ穴を清掃するための清掃手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、部品取付けロボットを、制御部からの指令に基づいて部品セット工程と、エアブロー工程と、部品固定工程とを実施するように構成しているので、部品取付け作業の省力化を実現することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、清掃手段で金属粉を除去する。すなわち、本発明によれば、金属粉対策を講じた部品取付け装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る部品取付け装置の斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】オートツールチェンジャ動作用のエア配管図である。
【図4】本発明に係るエア噴出し口に接続されるエア配管図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】図5の7矢視図である。
【図8】部品セット工程を説明する作用図である。
【図9】エアブロー工程を説明する作用図である。
【図10】ボルトのねじ込み準備が完了するまでの作用図である。
【図11】ドアヒンジ固定工程を説明する作用図である。
【図12】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0016】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下では被固定側は乗用車の車体として説明し、部品はドアヒンジとして説明し、部品取付けロボットは2台のロボットで構成して説明し、清掃手段はエア噴出し口からの噴出エアで説明し、部品保持部は保持部として説明する。
【0017】
図1に示すように、部品取付け装置10は、搬送装置のパレット11に載っている車体12から離れた床13に設けられアーム部14の先端にオートツールチェンジャ(以下、ATCと記す。詳細後述)15を介して部品保持治具16(詳細後述)を備えている第1ロボット20(詳細後述)と、この第1ロボット20の近くの床13に設けられアーム部21の先端にナットランナ22を備えている第2ロボット30と、この第2ロボット30の近くの床13に設けられ第1ロボット20及び第2ロボット30を制御する制御部40とで構成される。
【0018】
なお、ナットランナ22の代わりにインパクトレンチを適用してもよい。
【0019】
また、部品取付け装置10は、第1ロボット20のアーム部14の先端に連結された部品保持治具16で保持しているフロントドアヒンジ41、42(詳細後述)をフロントピラー43に取り付け、部品保持治具16で保持しているリヤドアヒンジ44、45(詳細後述)をセンターピラー46に取り付ける装置である。
【0020】
第1ロボット20及び第2ロボット30は、フロントピラー43にフロントドアヒンジ41、42をセットする共にセンターピラー46にリヤドアヒンジ44、45をセットするドアヒンジセット工程(詳細後述)と、エアブロー工程(詳細後述)と、ドアヒンジ固定工程(詳細後述)とを制御部40からの指令に基づいて実施するように構成されている。
【0021】
具体的には、第1ロボット20でドアヒンジセット工程とエアブロー工程を実施し、第2ロボット30でドアヒンジ固定工程を実施する。そのため、部品取付け作業の省力化を実現することができる。
【0022】
また、上記3つの工程を第1ロボット20及び第2ロボット30で実施するので、ロボットの動作速度を調整すれば生産量の増減に容易に対応することができる。そのため、車体12の生産量を増やしたいときにはロボットの動作速度を上げればよい。
【0023】
第1ロボット20は、アーム部14で保持されATC15に接続されている第1エア配管47(詳細後述)と、アーム部14で保持されアーム部14に設けた電磁弁48、49、51に接続されている第2エア配管52(詳細後述)とを備えている。なお、第1エア配管47及び第2エア配管52の上流には、エアコンプレッサーなどのエア供給源が設置されている。
【0024】
ATC15は、部品保持治具16に備えた軸53を把持し、且つ部品保持治具16以外の各種治具等も把持することができる装置である。54、55、56、57、58、59、61、62はボルト穴、63、64は位置決め穴、65はソケット、66はコントローラ、67、68はケーブルである。
【0025】
図2に示すように、部品保持治具16は、軸53に取り付けられH字形状に形成されているフレーム69と、このフレーム69の左側の上端に設けられている第1保持部71(詳細後述)と、フレーム69の左側の下端に設けられている第2保持部72(詳細後述)と、フレーム69の右側の上端に設けられている第3保持部73(詳細後述)と、フレーム69の右側の下端に設けられている第4保持部74(詳細後述)とを備えている。
【0026】
第1保持部71は、フレーム69の左側の上端に取り付けた支持材75上に設けられている第1エアシリンダ76と、この第1エアシリンダ76のシリンダロッドの先端に支持板77を介して取り付けられている2個の凸部材78と、これらの凸部材78が嵌るように支持材75上に設けられている2個の凹部材79と、支持板77に取り付けた2本の軸81の移動を案内するために支持材75上に設けられている2個の案内部材82とからなる。
【0027】
また、リヤドアヒンジ44のドア側の2つの穴に2個の凸部材78が挿入されていると共に凸部材78、78が凹部材79、79に嵌められているので、リヤドアヒンジ44は第1保持部71で保持されている。
【0028】
加えて、第2保持部72は、フレーム69の左側の下端に取り付けた支持材75上に設けられている第2エアシリンダ83を備えていると共にリヤドアヒンジ45を保持している。また、第3保持部73は、フレーム69の右側の上端に取り付けた支持材75上に設けられている第3エアシリンダ84を備えていると共にフロントドアヒンジ41を保持している。さらに、第4保持部74は、右支持部材74に取り付けた支持材75上に設けられている第4エアシリンダ85を備えていると共にフロントドアヒンジ42を保持している。
【0029】
なお、第2保持部72、第3保持部73及び第4保持部74の詳細構造は、第1保持部71と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
第1保持部71の近傍には、ボルトをねじ込むためにセンターピラー(図1の符号46)に設けたねじ穴(詳細後述)を清掃するための清掃手段であると共にねじ穴に向けてエアを供給する第1エア噴出し口90及び第2エア噴出し口100が設けられている。これらのエア噴出し口90、100は支持部材101を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0031】
また、第2保持部72の近傍には、清掃手段である第3エア噴出し口110及び第4エア噴出し口120が設けられている。これらのエア噴出し口110、120は支持部材101を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0032】
さらに、第3保持部73の近傍には、清掃手段である第5エア噴出し口130及び第6エア噴出し口140が設けられている。これらのエア噴出し口130、140は支持部材141を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0033】
加えて、第4保持部74の近傍には、清掃手段である第7エア噴出し口150及び第8エア噴出し口160が設けられている。これらのエア噴出し口150、160は支持部材161を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0034】
162、163、164、165、166、167、168、169はボルト穴、171、172は位置決めピン、173はコントローラ、174は電磁弁箱、175はUボルトである。
【0035】
図3に示すように、部品保持治具(図2の符号16)の軸53は、ATC15に備えた3個のエアシリンダ176のピストンロッド177が軸53に設けた3つの平面を押すことで、ATC15に把持されている。ATC15は、コントローラ66からの指令による電磁弁48、49、51の作動に従って3本のピストンロッド177に押し引き動作をさせて、軸53の把持及び把持解除を実施することができる。
【0036】
一方、軸53には、ATC15に図右斜め方向に設けたエア供給穴178に続くように第1エア通過穴179が設けられているので、第1エア配管47から供給されたエアは、エア供給穴178及び第1エア通過穴179を通って後述する第2エア通過穴へ向かう。181は凸部、182は凹部、183は継手、184は配管である。
【0037】
図4に示すように、部品保持治具(図2の符号16)の軸53には、前述の第1エア通過穴(図3の符号179)に続くように図表裏方向に第2エア通過穴185が設けられ、この第2エア通過穴185に続くように右斜め方向に第3エア通過穴186が設けられている。また、第3エア通過穴186に続くように図右側から第4エア通過穴187、第5エア通過穴188、第6エア通過穴189、第7エア通過穴191及び第8エア通過穴192が設けられている。
【0038】
したがって、第1エア配管(図3の符号47)から供給されたエアは、ATC(図3の符号15)のエア供給穴(図3の符号178)、第1エア通過穴、第2エア通過穴185、第3エア通過穴186、第4エア通過穴187及び配管103を通過して、第7エア噴出し口150及び第8エア噴出し口160から噴き出される。
【0039】
同様に、供給されたエアは、第5エア通過穴188及び配管103を通過して第5エア噴出し口130及び第6エア噴出し口140から噴き出され、第6エア通過穴189及び配管103を通過して第1エア噴出し口90及び第2エア噴出し口100から噴き出され、第7エア通過穴191及び配管103を通過して第3エア噴出し口110及び第4エア噴出し口120から噴き出される。
【0040】
第8エア通過穴192は、配管193で電磁弁箱174内の電磁弁194、195、196、197に接続されている。これらの電磁弁194、195、196、197は、コントローラ173からの指令により、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ83、第3エアシリンダ84及び第4エアシリンダ85を作動させるための機器である。198はプラグである。
【0041】
図5に示すように、部品保持治具16は、位置決めピン171が二点鎖線で示したセンタピラー46の位置決め穴64に挿入されているので、車体(図1の符号12)に対する位置決めが完了している。
【0042】
このとき、第1エア噴出し口90及び第2エア噴出し口100は、リヤドアヒンジ44のボルト穴162、163、ボルト穴58、59及びセンタピラー46の内側に設けたナット199、201に向いている。また、第4エア噴出し口120は、リヤドアヒンジ45のボルト穴165、ボルト穴61及びセンタピラー46の内側に設けたナット202に向いている。
【0043】
なお、第3エア噴出し口110は、図裏方向に存在するボルト穴(図2の符号164)、ボルト穴(図1の符号62)及びナット(後述)に向いており、詳細は図7で説明する。
【0044】
図6に示すように、第1エア噴出し口90は、リヤドアヒンジ44のボルト穴162に向いていて、第2エア噴出し口100は、リヤドアヒンジ44のボルト穴163に向いているので、センターピラー46の内側に設けた2つのナットのねじ穴にエアを同時に供給することができる。
【0045】
図7に示すように、第3エア噴出し口110は、リヤドアヒンジ45のボルト穴164に向いていて、第4エア噴出し口120は、リヤドアヒンジ45のボルト穴165に向いているので、センターピラー46の内側に設けた2つのナットのねじ穴にエアを同時に供給することができる。
【0046】
なお、第5エア噴出し口130及び第6エア噴出し口140とドアヒンジの位置関係、並びに第7エア噴出し口150及び第8エア噴出し口160とドアヒンジの位置関係は、上記と同様であるため、説明を省略する。
以上の述べた部品取付け装置10の作用を次に述べる。
【0047】
図8において、(a)に示すように、第1ロボット20のアーム部14で部品保持治具16を矢印(1)のようにセンタピラー46に向かわせる。
(b)において、部品保持治具16の位置決めピン171をセンタピラー46の位置決め穴64に挿入しているので、車体12に対する部品保持治具16の位置決め(セット作業)が完了した。
【0048】
図9において、(a)は図8(b)の9a拡大図に相当し、第2ロボット(図1の符号30)のアーム部(図1の符号21)に備えたナットランナ22をセンタピラー46及びリヤドアヒンジ44に臨ませ、ナットランナ22のソケット65にボルト203を嵌めた状態で、軸204を矢印(2)のように回転させる。
【0049】
次に、リヤドアヒンジ44のボルト穴162、ボルト穴58及びナット199に向けて第1エア噴出し口90から矢印(3)のようにエア205を供給し、リヤドアヒンジ44のボルト穴163、ボルト穴59及びナット201に向けて第2エア噴出し口100から矢印(4)のようにエア206を供給する。
【0050】
(b)は(a)のナット199の断面図であり、第1エア噴出し口90から供給されたエア205が矢印(5)のようにナット199のねじ穴207に流れ込むと、ねじ穴207に付着した金属粉208を矢印(6)、(6)のように噴き飛ばす。
【0051】
図10において、(a)に示すように、ナット199のねじ穴207から金属粉(図9の符号208)が除去された。
(b)において、軸204が回転している状態のナットランナ22を、リヤドアヒンジ44のボルト穴162、ボルト穴58及びナット199に向けて、矢印(7)のように前進させる。
【0052】
図11において、(a)に示すように、ナット199に対するボルト203のねじ込みが完了したので、第2ロボット(図1の符号30)のアーム部(図1の符号21)の動作によりナットランナ22を矢印(8)のように後退させる。次に下側のナット201にナットランナ22でボルトをねじ込む。
【0053】
(b)において、下側のナット201に対するボルト208のねじ込みが完了した。すなわち、センタピラー46に対するリヤドアヒンジ44の取付け(部品固定作業)が完了した。第1保持部(図2の符号71)によるリヤドアヒンジ44の保持を解除し、第1ロボット(図8の符号20)のアーム部(図8の符号14)の動作で部品保持治具16を後退させて次の工程を実施する。
【0054】
図9に示すように、部品取付け装置10では、部品保持治具16の第1保持部71の近傍に、ボルト203をねじ込むためにセンタピラー46の内側に設けたナット199のねじ穴207を清掃するための清掃手段である第1エア噴出し口90と、ナット201のねじ穴を清掃するための清掃手段である第2エア噴出し口100とが設けられている。
【0055】
そのため、ボルト203のねじ込み前にねじ穴207に金属粉208が付着していた場合であっても、第1エア噴出し口90からエア205を噴出し、金属粉208を除去する。すなわち、本発明によれば、金属粉対策を講じた部品取付け装置10が提供される。
【0056】
なお、実施例では、金属粉の除去をナット199で説明したが、ナット201でも同様の効果を得ることができる。さらに、これら以外に車体に設けられたナットでも同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0057】
尚、本発明に係る被固定側は、実施例では乗用車の車体に適用したが、トラックの車体やバスの車体にも適用可能であり、一般の車両の車体に適用することは差し支えない。
また、本発明に係る部品は、実施例ではドアヒンジを適用したが、乗用車以外の車両では車体の外側に取り付けられる部品を適用してもよい。
【0058】
さらに、請求項1に係る部品取付けロボットは、実施例では第1ロボットと第2ロボットの2台で構成したが、この2台の他に第2ロボットと同じボルト締付け工具(ナットランナ等)用ロボットを複数台設けて生産効率を高めてもよい。
加えて、請求項2に係る清掃手段は、実施例ではエア噴出し口からの噴出エアで説明したが、ブラシによる清掃、布による拭き取り等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の部品取付け装置は、乗用車の車体へのドアヒンジの取付けに好適である。
【符号の説明】
【0060】
10…部品取付け装置、12…車体、14、21…アーム部、16…部品保持治具、20…第1ロボット、22…ナットランナ、30…第2ロボット、40…制御部、41、42…フロントドアヒンジ、43…フロントピラー、44、45…リヤドアヒンジ、46…センターピラー、71…第1保持部、72…第2保持部、73…第3保持部、74…第4保持部、90…第1エア噴出し口、100…第2エア噴出し口、110…第3エア噴出し口、120…第4エア噴出し口、130…第5エア噴出し口、140…第6エア噴出し口、150…第7エア噴出し口、160…第8エア噴出し口、199、201、202…ナット、203…ボルト、205、206…エア、207…ねじ穴。
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品取付けロボット及びロボットに保持された部品を被固定側に取り付ける部品取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドアヒンジの取付作業では、ドアヒンジを車体表面に当てた状態で、ボルトをドアヒンジのボルト穴に通し車体に設けたねじ穴にねじ込むことによって、ドアヒンジが車体に取り付けられる。この取付作業のとき、ボルトのねじ込みを円滑に行うためには、車体のねじ穴に対するドアヒンジのボルト穴の位置決めを確実に実施する必要がある。
【0003】
従来、車体のねじ穴に対するドアヒンジのボルト穴の位置決めを確実に実施すると共にドアヒンジを保持する治具として部品保持治具が知られている(例えば、特許文献1(図9)参照。)。
【0004】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図12は従来の技術の基本構成を説明する図であり、(a)に示すように、部品保持治具300は、車体301の前後方向に平行に延ばされワイヤロープ302、303で車体301の前後方向及び幅方向に移動可能に支持されているフレーム304と、このフレーム304の図左側の上端、左側の下端、右側の上端及び右側の下端に設けられドアヒンジ305、306、307、308を保持している保持部309、311、312、313と、フレーム304の左側に図表方向に突出して設けられ車体301に開けた穴に挿入される位置決めピン314と、フレーム304の右側に図表方向に突出して設けられ車体301に開けた穴に挿入される位置決めピン315とで構成される。
【0005】
位置決めピン314、315を車体301に開けた穴に挿入することで、車体301に設けたねじ穴にドアヒンジ305、306、307、308のボルト穴が合致するので、車体301のねじ穴に対するドアヒンジ305、306、307、308のボルト穴の位置決めを確実に実施することができる。
【0006】
ところで、特許文献1の部品保持治具300を用いてボルトのねじ込み作業を実施するとき、(b)に示すように、車体301の内側に設けたナット316のねじ穴317に金属粉318が付着することがある。ねじ穴317に金属粉318が付着した状態でねじ穴317にボルトをねじ込むと、ボルトは金属粉318を噛み込むので、ボルトのねじ込みを止める必要がある。すなわち、ドアヒンジ取付けラインを停止させる必要がある。この結果、生産効率の悪化を招く。
【0007】
生産効率を維持するには、金属粉対策を講じた部品取付け装置の開発が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−68037公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、金属粉対策を講じた部品取付け装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明では、被固定側の表面に部品をセットする部品セット工程と、エアブロー工程と、部品固定工程とを制御部からの指令に基づいて実施するように構成していることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、ロボットに保持された部品を、被固定側に取り付ける部品取付け装置において、前記ロボットの部品保持部の近傍に、ボルトをねじ込むために前記被固定側に設けたねじ穴を清掃するための清掃手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、部品取付けロボットを、制御部からの指令に基づいて部品セット工程と、エアブロー工程と、部品固定工程とを実施するように構成しているので、部品取付け作業の省力化を実現することができる。
【0013】
請求項2に係る発明では、清掃手段で金属粉を除去する。すなわち、本発明によれば、金属粉対策を講じた部品取付け装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る部品取付け装置の斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】オートツールチェンジャ動作用のエア配管図である。
【図4】本発明に係るエア噴出し口に接続されるエア配管図である。
【図5】図2の5−5線断面図である。
【図6】図5の6矢視図である。
【図7】図5の7矢視図である。
【図8】部品セット工程を説明する作用図である。
【図9】エアブロー工程を説明する作用図である。
【図10】ボルトのねじ込み準備が完了するまでの作用図である。
【図11】ドアヒンジ固定工程を説明する作用図である。
【図12】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0016】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下では被固定側は乗用車の車体として説明し、部品はドアヒンジとして説明し、部品取付けロボットは2台のロボットで構成して説明し、清掃手段はエア噴出し口からの噴出エアで説明し、部品保持部は保持部として説明する。
【0017】
図1に示すように、部品取付け装置10は、搬送装置のパレット11に載っている車体12から離れた床13に設けられアーム部14の先端にオートツールチェンジャ(以下、ATCと記す。詳細後述)15を介して部品保持治具16(詳細後述)を備えている第1ロボット20(詳細後述)と、この第1ロボット20の近くの床13に設けられアーム部21の先端にナットランナ22を備えている第2ロボット30と、この第2ロボット30の近くの床13に設けられ第1ロボット20及び第2ロボット30を制御する制御部40とで構成される。
【0018】
なお、ナットランナ22の代わりにインパクトレンチを適用してもよい。
【0019】
また、部品取付け装置10は、第1ロボット20のアーム部14の先端に連結された部品保持治具16で保持しているフロントドアヒンジ41、42(詳細後述)をフロントピラー43に取り付け、部品保持治具16で保持しているリヤドアヒンジ44、45(詳細後述)をセンターピラー46に取り付ける装置である。
【0020】
第1ロボット20及び第2ロボット30は、フロントピラー43にフロントドアヒンジ41、42をセットする共にセンターピラー46にリヤドアヒンジ44、45をセットするドアヒンジセット工程(詳細後述)と、エアブロー工程(詳細後述)と、ドアヒンジ固定工程(詳細後述)とを制御部40からの指令に基づいて実施するように構成されている。
【0021】
具体的には、第1ロボット20でドアヒンジセット工程とエアブロー工程を実施し、第2ロボット30でドアヒンジ固定工程を実施する。そのため、部品取付け作業の省力化を実現することができる。
【0022】
また、上記3つの工程を第1ロボット20及び第2ロボット30で実施するので、ロボットの動作速度を調整すれば生産量の増減に容易に対応することができる。そのため、車体12の生産量を増やしたいときにはロボットの動作速度を上げればよい。
【0023】
第1ロボット20は、アーム部14で保持されATC15に接続されている第1エア配管47(詳細後述)と、アーム部14で保持されアーム部14に設けた電磁弁48、49、51に接続されている第2エア配管52(詳細後述)とを備えている。なお、第1エア配管47及び第2エア配管52の上流には、エアコンプレッサーなどのエア供給源が設置されている。
【0024】
ATC15は、部品保持治具16に備えた軸53を把持し、且つ部品保持治具16以外の各種治具等も把持することができる装置である。54、55、56、57、58、59、61、62はボルト穴、63、64は位置決め穴、65はソケット、66はコントローラ、67、68はケーブルである。
【0025】
図2に示すように、部品保持治具16は、軸53に取り付けられH字形状に形成されているフレーム69と、このフレーム69の左側の上端に設けられている第1保持部71(詳細後述)と、フレーム69の左側の下端に設けられている第2保持部72(詳細後述)と、フレーム69の右側の上端に設けられている第3保持部73(詳細後述)と、フレーム69の右側の下端に設けられている第4保持部74(詳細後述)とを備えている。
【0026】
第1保持部71は、フレーム69の左側の上端に取り付けた支持材75上に設けられている第1エアシリンダ76と、この第1エアシリンダ76のシリンダロッドの先端に支持板77を介して取り付けられている2個の凸部材78と、これらの凸部材78が嵌るように支持材75上に設けられている2個の凹部材79と、支持板77に取り付けた2本の軸81の移動を案内するために支持材75上に設けられている2個の案内部材82とからなる。
【0027】
また、リヤドアヒンジ44のドア側の2つの穴に2個の凸部材78が挿入されていると共に凸部材78、78が凹部材79、79に嵌められているので、リヤドアヒンジ44は第1保持部71で保持されている。
【0028】
加えて、第2保持部72は、フレーム69の左側の下端に取り付けた支持材75上に設けられている第2エアシリンダ83を備えていると共にリヤドアヒンジ45を保持している。また、第3保持部73は、フレーム69の右側の上端に取り付けた支持材75上に設けられている第3エアシリンダ84を備えていると共にフロントドアヒンジ41を保持している。さらに、第4保持部74は、右支持部材74に取り付けた支持材75上に設けられている第4エアシリンダ85を備えていると共にフロントドアヒンジ42を保持している。
【0029】
なお、第2保持部72、第3保持部73及び第4保持部74の詳細構造は、第1保持部71と同様であるので、説明を省略する。
【0030】
第1保持部71の近傍には、ボルトをねじ込むためにセンターピラー(図1の符号46)に設けたねじ穴(詳細後述)を清掃するための清掃手段であると共にねじ穴に向けてエアを供給する第1エア噴出し口90及び第2エア噴出し口100が設けられている。これらのエア噴出し口90、100は支持部材101を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0031】
また、第2保持部72の近傍には、清掃手段である第3エア噴出し口110及び第4エア噴出し口120が設けられている。これらのエア噴出し口110、120は支持部材101を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0032】
さらに、第3保持部73の近傍には、清掃手段である第5エア噴出し口130及び第6エア噴出し口140が設けられている。これらのエア噴出し口130、140は支持部材141を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0033】
加えて、第4保持部74の近傍には、清掃手段である第7エア噴出し口150及び第8エア噴出し口160が設けられている。これらのエア噴出し口150、160は支持部材161を介して部品保持治具16で支持されていると共に継手102及び配管103を介して軸53に接続されている。
【0034】
162、163、164、165、166、167、168、169はボルト穴、171、172は位置決めピン、173はコントローラ、174は電磁弁箱、175はUボルトである。
【0035】
図3に示すように、部品保持治具(図2の符号16)の軸53は、ATC15に備えた3個のエアシリンダ176のピストンロッド177が軸53に設けた3つの平面を押すことで、ATC15に把持されている。ATC15は、コントローラ66からの指令による電磁弁48、49、51の作動に従って3本のピストンロッド177に押し引き動作をさせて、軸53の把持及び把持解除を実施することができる。
【0036】
一方、軸53には、ATC15に図右斜め方向に設けたエア供給穴178に続くように第1エア通過穴179が設けられているので、第1エア配管47から供給されたエアは、エア供給穴178及び第1エア通過穴179を通って後述する第2エア通過穴へ向かう。181は凸部、182は凹部、183は継手、184は配管である。
【0037】
図4に示すように、部品保持治具(図2の符号16)の軸53には、前述の第1エア通過穴(図3の符号179)に続くように図表裏方向に第2エア通過穴185が設けられ、この第2エア通過穴185に続くように右斜め方向に第3エア通過穴186が設けられている。また、第3エア通過穴186に続くように図右側から第4エア通過穴187、第5エア通過穴188、第6エア通過穴189、第7エア通過穴191及び第8エア通過穴192が設けられている。
【0038】
したがって、第1エア配管(図3の符号47)から供給されたエアは、ATC(図3の符号15)のエア供給穴(図3の符号178)、第1エア通過穴、第2エア通過穴185、第3エア通過穴186、第4エア通過穴187及び配管103を通過して、第7エア噴出し口150及び第8エア噴出し口160から噴き出される。
【0039】
同様に、供給されたエアは、第5エア通過穴188及び配管103を通過して第5エア噴出し口130及び第6エア噴出し口140から噴き出され、第6エア通過穴189及び配管103を通過して第1エア噴出し口90及び第2エア噴出し口100から噴き出され、第7エア通過穴191及び配管103を通過して第3エア噴出し口110及び第4エア噴出し口120から噴き出される。
【0040】
第8エア通過穴192は、配管193で電磁弁箱174内の電磁弁194、195、196、197に接続されている。これらの電磁弁194、195、196、197は、コントローラ173からの指令により、第1エアシリンダ76、第2エアシリンダ83、第3エアシリンダ84及び第4エアシリンダ85を作動させるための機器である。198はプラグである。
【0041】
図5に示すように、部品保持治具16は、位置決めピン171が二点鎖線で示したセンタピラー46の位置決め穴64に挿入されているので、車体(図1の符号12)に対する位置決めが完了している。
【0042】
このとき、第1エア噴出し口90及び第2エア噴出し口100は、リヤドアヒンジ44のボルト穴162、163、ボルト穴58、59及びセンタピラー46の内側に設けたナット199、201に向いている。また、第4エア噴出し口120は、リヤドアヒンジ45のボルト穴165、ボルト穴61及びセンタピラー46の内側に設けたナット202に向いている。
【0043】
なお、第3エア噴出し口110は、図裏方向に存在するボルト穴(図2の符号164)、ボルト穴(図1の符号62)及びナット(後述)に向いており、詳細は図7で説明する。
【0044】
図6に示すように、第1エア噴出し口90は、リヤドアヒンジ44のボルト穴162に向いていて、第2エア噴出し口100は、リヤドアヒンジ44のボルト穴163に向いているので、センターピラー46の内側に設けた2つのナットのねじ穴にエアを同時に供給することができる。
【0045】
図7に示すように、第3エア噴出し口110は、リヤドアヒンジ45のボルト穴164に向いていて、第4エア噴出し口120は、リヤドアヒンジ45のボルト穴165に向いているので、センターピラー46の内側に設けた2つのナットのねじ穴にエアを同時に供給することができる。
【0046】
なお、第5エア噴出し口130及び第6エア噴出し口140とドアヒンジの位置関係、並びに第7エア噴出し口150及び第8エア噴出し口160とドアヒンジの位置関係は、上記と同様であるため、説明を省略する。
以上の述べた部品取付け装置10の作用を次に述べる。
【0047】
図8において、(a)に示すように、第1ロボット20のアーム部14で部品保持治具16を矢印(1)のようにセンタピラー46に向かわせる。
(b)において、部品保持治具16の位置決めピン171をセンタピラー46の位置決め穴64に挿入しているので、車体12に対する部品保持治具16の位置決め(セット作業)が完了した。
【0048】
図9において、(a)は図8(b)の9a拡大図に相当し、第2ロボット(図1の符号30)のアーム部(図1の符号21)に備えたナットランナ22をセンタピラー46及びリヤドアヒンジ44に臨ませ、ナットランナ22のソケット65にボルト203を嵌めた状態で、軸204を矢印(2)のように回転させる。
【0049】
次に、リヤドアヒンジ44のボルト穴162、ボルト穴58及びナット199に向けて第1エア噴出し口90から矢印(3)のようにエア205を供給し、リヤドアヒンジ44のボルト穴163、ボルト穴59及びナット201に向けて第2エア噴出し口100から矢印(4)のようにエア206を供給する。
【0050】
(b)は(a)のナット199の断面図であり、第1エア噴出し口90から供給されたエア205が矢印(5)のようにナット199のねじ穴207に流れ込むと、ねじ穴207に付着した金属粉208を矢印(6)、(6)のように噴き飛ばす。
【0051】
図10において、(a)に示すように、ナット199のねじ穴207から金属粉(図9の符号208)が除去された。
(b)において、軸204が回転している状態のナットランナ22を、リヤドアヒンジ44のボルト穴162、ボルト穴58及びナット199に向けて、矢印(7)のように前進させる。
【0052】
図11において、(a)に示すように、ナット199に対するボルト203のねじ込みが完了したので、第2ロボット(図1の符号30)のアーム部(図1の符号21)の動作によりナットランナ22を矢印(8)のように後退させる。次に下側のナット201にナットランナ22でボルトをねじ込む。
【0053】
(b)において、下側のナット201に対するボルト208のねじ込みが完了した。すなわち、センタピラー46に対するリヤドアヒンジ44の取付け(部品固定作業)が完了した。第1保持部(図2の符号71)によるリヤドアヒンジ44の保持を解除し、第1ロボット(図8の符号20)のアーム部(図8の符号14)の動作で部品保持治具16を後退させて次の工程を実施する。
【0054】
図9に示すように、部品取付け装置10では、部品保持治具16の第1保持部71の近傍に、ボルト203をねじ込むためにセンタピラー46の内側に設けたナット199のねじ穴207を清掃するための清掃手段である第1エア噴出し口90と、ナット201のねじ穴を清掃するための清掃手段である第2エア噴出し口100とが設けられている。
【0055】
そのため、ボルト203のねじ込み前にねじ穴207に金属粉208が付着していた場合であっても、第1エア噴出し口90からエア205を噴出し、金属粉208を除去する。すなわち、本発明によれば、金属粉対策を講じた部品取付け装置10が提供される。
【0056】
なお、実施例では、金属粉の除去をナット199で説明したが、ナット201でも同様の効果を得ることができる。さらに、これら以外に車体に設けられたナットでも同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
【0057】
尚、本発明に係る被固定側は、実施例では乗用車の車体に適用したが、トラックの車体やバスの車体にも適用可能であり、一般の車両の車体に適用することは差し支えない。
また、本発明に係る部品は、実施例ではドアヒンジを適用したが、乗用車以外の車両では車体の外側に取り付けられる部品を適用してもよい。
【0058】
さらに、請求項1に係る部品取付けロボットは、実施例では第1ロボットと第2ロボットの2台で構成したが、この2台の他に第2ロボットと同じボルト締付け工具(ナットランナ等)用ロボットを複数台設けて生産効率を高めてもよい。
加えて、請求項2に係る清掃手段は、実施例ではエア噴出し口からの噴出エアで説明したが、ブラシによる清掃、布による拭き取り等であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の部品取付け装置は、乗用車の車体へのドアヒンジの取付けに好適である。
【符号の説明】
【0060】
10…部品取付け装置、12…車体、14、21…アーム部、16…部品保持治具、20…第1ロボット、22…ナットランナ、30…第2ロボット、40…制御部、41、42…フロントドアヒンジ、43…フロントピラー、44、45…リヤドアヒンジ、46…センターピラー、71…第1保持部、72…第2保持部、73…第3保持部、74…第4保持部、90…第1エア噴出し口、100…第2エア噴出し口、110…第3エア噴出し口、120…第4エア噴出し口、130…第5エア噴出し口、140…第6エア噴出し口、150…第7エア噴出し口、160…第8エア噴出し口、199、201、202…ナット、203…ボルト、205、206…エア、207…ねじ穴。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被固定側の表面に部品をセットする部品セット工程と、エアブロー工程と、部品固定工程とを制御部からの指令に基づいて実施するように構成していることを特徴とする部品取付けロボット。
【請求項2】
ロボットに保持された部品を、被固定側に取り付ける部品取付け装置において、
前記ロボットの部品保持部の近傍に、ボルトをねじ込むために前記被固定側に設けたねじ穴を清掃するための清掃手段が設けられていることを特徴とする部品取付け装置。
【請求項1】
被固定側の表面に部品をセットする部品セット工程と、エアブロー工程と、部品固定工程とを制御部からの指令に基づいて実施するように構成していることを特徴とする部品取付けロボット。
【請求項2】
ロボットに保持された部品を、被固定側に取り付ける部品取付け装置において、
前記ロボットの部品保持部の近傍に、ボルトをねじ込むために前記被固定側に設けたねじ穴を清掃するための清掃手段が設けられていることを特徴とする部品取付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−173018(P2010−173018A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18463(P2009−18463)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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