説明

部品組み付け装置及び機械部品の製造方法

【課題】エア源を使用することなく、部品を組み付けることが可能な部品組み付け装置及び機械部品の製造方法を提供する。
【解決手段】第1のアーム12aの先端部に第1のハンド51aを有し、第1のハンド51aを用いて第1の部品を保持する第1のロボット11aと、第2のアーム12bの先端部に第2のハンド51bを有し、第2のハンド51bを用いて第1の部品に組み付けられる第2の部品を保持する第2のロボット11bと、を備え、第1のハンド51bは、第1の部品又は第2の部品を上方から押さえる押さえ部材74を有し、第2のハンド51bは、第2の部品に形成された孔に挿入され、第2の部品を保持する支持ピン55、56を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品組み付け装置及び機械部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ロボットに装備され部品を取り出してセット位置にセットする部品セット用ハンドリングユニットが記載されている。この部品セット用ハンドリングユニットは、真空吸着により部品を取り出し、真空吸着を解除して部品をセット位置にセットする真空ハンドリング機構と、永久磁石により部品の頂部を吸着して部品を取り出しセット位置上にセットした後、永久磁石を部品の頂部から吸着方向を横切る方向に退避させて部品から分離する永久磁石ハンドリング機構とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平8−497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、部品を組み付ける作業現場においては、組み付け作業用にエア源が用いられている。しかし、近年、エネルギー損失が大きい等の理由から、このエア源が排除される傾向にある。
本発明は、エア源を使用することなく、部品を組み付けることが可能な部品組み付け装置及び機械部品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係る部品組み付け装置は、第1のアームの先端部に第1のハンドを有し、該第1のハンドを用いて第1の部品を保持する第1のロボットと、
第2のアームの先端部に第2のハンドを有し、該第2のハンドを用いて前記第1の部品に組み付けられる第2の部品を保持する第2のロボットと、を備え、
前記第1のハンドは、前記第1の部品又は前記第2の部品を上方から押さえる押さえ部材を有し、
前記第2のハンドは、前記第2の部品に形成された孔に挿入され、該第2の部品を保持する支持ピンを有する。
【0006】
第1の発明に係る部品組み付け装置において、前記第1の部品は、磁性材料にて形成され、
前記第1のハンドは、前記第1の部品を吸着する吸着部を更に有することが好ましい。
【0007】
第1の発明に係る部品組み付け装置において、前記第2のロボットが、前記支持ピンを前記第2の部品に形成された孔に挿入して該第2の部品を搬送し、予め決められた場所に該第2の部品を置いた後、
前記第1のロボットが前記押さえ部材にて前記第1の部品又は前記第2の部品を押さえ、前記第2のロボットが前記孔から前記支持ピンを抜くことができる。
【0008】
第1の発明に係る部品組み付け装置において、前記第1のロボットが、前記第1のハンドの前記吸着部を用いて前記第1の部品を第3の部品に組み付け、
前記第2のロボットが、前記第2のハンドの前記支持ピンを前記第2の部品に形成された孔に挿入して該第2の部品を搬送し、該第2の部品を前記第1の部品を間に挟んで前記第3の部品の上に載せ、前記第1のロボットが前記押さえ部材にて前記第2の部品を押さえ、前記第2のロボットが前記孔から前記支持ピンを抜くことができる。
【0009】
前記目的に沿う第2の発明に係る機械部品の製造方法は、第1のハンドを有する第1のロボットが、該第1のハンドに設けられた吸着部を用いて第1の部品を吸着する第1のステップと、
前記第1のロボットが、前記第1のステップにて吸着した第1の部品を解放して第3の部品に組み付ける第2のステップと、
第2のハンドを有する第2のロボットが、該第2のハンドに設けられた支持ピンを第2の部品に形成された孔に挿入して該第2の部品を搬送し、該第2の部品を前記第1の部品を間に挟んで前記第3の部品の上に載せる第3のステップと、
前記第1のロボットが前記第1のハンドに設けられた押さえ部材にて前記第1の部品又は前記第2の部品を押さえる第4のステップと、
前記第2のロボットが前記孔に挿入された前記支持ピンを抜く第5のステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る部品組み付け装置及び機械部品の製造方法においては、第1及び第2のロボットがそれぞれ第1及び第2のハンドを用いて、エア源を使用することなく、部品を組み付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る部品組み付け装置の構成図である。
【図2】部品Aの斜視図である。
【図3】部品Aに組み付けられた部品Bの斜視図である。
【図4】部品A及び部品Bに組み付けられた部品Cの斜視図である。
【図5】同部品組み付け装置の第2のロボットに設けられた第2のハンドの三面図である。
【図6】ボルト保持部の拡大図である。
【図7】(A)、(B)はそれぞれ、同部品組み付け装置の第1のロボットに設けられた第1のハンドの側面図及び底面図である。
【図8】同部品組み付け装置の第2のロボットが位置決めピンを挿入する動作を示す説明図である。
【図9】(A)〜(D)は、同部品組み付け装置の第2のロボットがボルトを挿入する動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、説明の便宜上、図5及び図7にそれぞれ示すような、第1及び第2のハンドとともに動くツール座標系を定義する。ツール座標系の各軸は、必ずしも直交している必要はない。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る部品組み付け装置10は、第1及び第2のロボット11a、11bを備えている。第1及び第2のロボット11a、11bの下方には、前工程から部品A(第3の部品の一例)を搬送するコンベヤ15が設置されている。コンベヤ15の周囲には、部品B(第1の部品の一例、図3参照)を供給する部品供給機16、部品C(第2の部品の一例、図4参照)を供給するための部品供給機17及びボルトを供給するボルトフィーダ(不図示)が設置されている。ここで、このボルトは、例えば6角ボルトである。コンベヤ15の搬送面、部品供給機16が部品Bを供給する位置、及び部品供給機17が部品Cを供給する位置は、第1及び第2のロボット11a、11bの可動範囲内にある。また、第1及び第2のロボット11a、11bにケーブル(不図示)によって接続され、第1及び第2のロボット11a、11bの動作を制御するコントローラ19が設置されている。
【0014】
部品組み付け装置10は、第1及び第2のロボット11a、11bを動作させて、コンベヤ15の上流から搬送されてきた部品Aに対し、部品Bを組み付けることができる。また、部品組み付け装置10は、部品Aに対して、部品Bを間に挟んで部品Cを組み付けることができる。更に、部品組み付け装置10は、部品Aに対して部品B及び部品Cを共締めするための複数のボルトを部品A、部品B及び部品Cに挿入することができる。すなわち、部品組み付け装置10は、部品A、部品B、及び部品Cから構成される機械部品の製造工程の一部に用いられる。
【0015】
ここで、部品Aは、図2に示すように、円板状のベース部材20と、ベース部材20の中心部から突出し、部品Aの上部に取り付けられる部品Bと嵌合する円柱状の嵌合部21とを有している。円板状のベース部材20には、上方向に開口する少なくとも4つのねじ孔(取り付け孔)HA1、HA2、HA3、HA4(全て同サイズ)がベース部材20の中心軸Sを中心とする円の周上に形成されている。なお、部品Aは、図2に示したような形状の部品に限定されるものではない。
【0016】
部品Bは磁性材料で形成され、部品Aの上部に取り付けられる部品である。図3に示すように、部品Bの中心部には、部品Aの嵌合部21が挿入される孔37が形成されている。孔37の周囲には、4つの取り付け孔HB1、HB2、HB3、HB4(全て同サイズ)がそれぞれ、部品Aのねじ孔HA1〜HA4に対応する位置に形成されている。なお、部品Bは、図3に示したような形状の部品に限定されるものではなく、磁性材料で部品Aのねじ孔HA1〜HA4に対応する位置に取り付け孔が形成されている部品であれば任意でよい。
【0017】
部品Cは、図4に示すように、ベース部材40と、ベース部材40から上方に突出する矩形状の部材41を有している。ベース部材40の下面には、部品Bの上面から出た部品Aの嵌合部21が嵌合する嵌合穴39が形成されている。この嵌合穴39の周囲には、4つの取り付け孔HC1、HC2、HC3、HC4(全て同サイズ)がそれぞれ、部品Aのねじ孔HA1〜HA4及び部品Bの取り付け孔HB1〜HB4に対応する位置に形成されている。部材41には、部材41を水平方向に貫通する2つの孔HC5、HC6が並んで形成されている。なお、部品Cは、図4に示したような形状の部品に限定されるものではなく、部品Aのねじ孔HA1〜HA4及び部品Bの取り付け孔HB1〜HB4に対応する位置に取り付け孔が形成さている部品であれば任意の形状でよい。
【0018】
図1に示すように、第1及び第2のロボット11a、11bは、それぞれ例えば7軸の多関節ロボットである。各ロボット11a、11bは、天吊りされて設置されている。
【0019】
第1のロボット11aは、第1のアーム12aの先端部に第1のハンド51aを有している。
図7(A)、(B)に示すように、第1のハンド51aは、3つの電磁石(吸着部の一例)71と、2つの位置決めピン(押さえ部材の一例)74とを有している。
【0020】
電磁石71は、励磁と非励磁とを切り替えることによって、部品Bを吸着したり、解放したりできる。
【0021】
2つの位置決めピン74は、それぞれZT1の正方向に延びている。各位置決めピン74は、それぞれ部品Bの取り付け孔HB1、HB3に先端部が挿入可能なように設けられている。
【0022】
第2のロボット11bは、第2のアーム12bの先端部に第2のハンド51bを有している。図5に示すように、第2のハンド51bは、1対の支持ピン55、56と、位置決めピン57と、ボルト保持部58とを有している。
1対の支持ピン55、56は、ブラケット59を介してベース部材61に固定され、それぞれYT2軸の正方向に突出している。1対の支持ピン55、56のピッチと形状は、各支持ピン55、56が部品Cの部材41に形成された2つの孔HC5、HC6に挿入可能となるように設定されている。
【0023】
位置決めピン57は、ブラケット62を介してベース部材61に固定され、ZT2軸の正方向に突出している。位置決めピン57の径は、部品Cの取り付け孔HC1〜HC4、部品Bの取り付け孔HB1〜HB4及び部品Aのねじ孔HA1〜HA4に挿入可能な大きさである。
【0024】
ボルト保持部58は、ブラケット62を介してベース部材61に固定される。ボルト保持部58は、円柱状であり、下面にZT2軸の正方向に開口した穴65が形成されている。ボルト保持部58は、この穴65に、ボルトの頭を保持することができる。図6に示すように、この穴65の底部(上面)の直径Rは、ボルトの頭の最外径Rbよりも大きい。また、穴65の深さ方向の寸法Hは、ボルトの頭の高さHbよりも短い。穴65の開口部側の内周面には、テーパが設けられ、穴65の底部(上面)よりも径が広く形成されている。なお、好ましくは、テーパが設けられた部分を除いた穴の深さ方向の寸法H0は、穴の深さ方向の寸法Hの半分以下であり、更に好ましくは、1/3以下である。穴65の底部には、磁石66が内蔵されている。また、ボルト保持部58の磁石66以外の部分は、非磁性材料で形成されている。従って、ボルト保持部58は、ボルトの軸方向がZT2軸方向となるように、ボルトの頭を磁力により吸着することができる。なお、穴65の底部(上面)の直径Rは、ボルトの頭の最外径Rbよりも大きいため、ボルトが6角ボルトであっても、頭の角部の向きに関わらず、ボルトはボルト保持部58に保持される。
【0025】
次に、部品組み付け装置10による部品A、B、Cを有する機械部品の製造方法(ステップS1〜S13)について順に説明する。以下に説明する各ステップS1〜S13は、コントローラ19が、第1及び第2のロボット11a、11bを制御することによって実行される。
(ステップS1)
部品Aがコンベヤ15に載って前工程から搬送される。
【0026】
(ステップS2)
第2のロボット11bが、位置決めピン57の先端が下方を向くように第2のハンド51bの向きを変え、部品Aの近傍の予め決められた位置まで移動して待機する。
【0027】
(ステップS3)
第2のロボット11bのステップS2に示した動作と並行して、第1のロボット11aが、部品供給機16によって供給された部品Bを取りにいく。
第1のロボット11aは、第1のハンド51aの各位置決めピン74を部品Bの取り付け孔HB1、HB3の上方から下降させる。
次いで、第1のロボット11aは、各位置決めピン74を取り付け孔HB1、HB3に挿入する。
各位置決めピン74が取り付け孔HB1、HB3に挿入された後、第1のロボット11aは、電磁石71を励磁する。その結果、第1のハンド51aは、電磁石71の磁力によって部品Bの上面を吸着する。このようにして、第1のハンド51aは、3点(3つの電磁石71)で部品Bを安定して保持することができる。
【0028】
(ステップS4)
第1のロボット11aが、部品Bを部品Aの上方へ移動させる。第1のロボット11aが、部品Aの上で中心軸Sと孔37の中心を合わせるようにして電磁石71の励磁を解除すると、部品Bが解放され、部品Bは部品Aの上に載る(図3参照)。部品Aは、予め位置決めされており、部品Bは、部品供給機16によって予め決められた位置及び姿勢で供給されるため、部品Aのねじ孔HA1〜HA4の位置と、このねじ孔HA1〜HA4に対応する部品Bの取り付け孔HB1〜HB4の位置を、おおよそ一致させることができる。
【0029】
(ステップS5)
第1のロボット11aのステップS4に示した動作と並行して、第2のロボット11bが、部品供給機17によって供給された部品Cを取りにいく。第2のロボット11bは、支持ピン55、56を部品Cの部材41の側面に突き当て、部品Cを予め決められた位置に位置決めする。
第2のロボット11bは、部品Cの2つの孔HC5、HC6に1対の支持ピン55、56を挿入する。第2のロボット11bは、部品Cの2つの孔HC5、HC6に1対の支持ピン55、56を引っ掛け、部品Cを吊り下げて保持し、部品Aに載った部品Bの上方まで搬送する。第2のロボット11bは、部品Cが支持ピン55、56から抜け落ちないように、支持ピン55、56の先端を斜め上方に上げて部品Cを搬送する。
第2のロボット11bは、部品Cを降下させ、部品Cを部品A(部品B)の上に載せる。部品Aは、前述のように予め位置決めされており、部品Cは、部品供給機17によって予め決められた位置及び姿勢で供給されるため、部品Aのねじ孔HA1〜HA4の位置と、このねじ孔HA1〜HA4に対応する部品Cの取り付け孔HC1〜HC4の位置を、おおよそ一致させることができる。即ち、部品Aのねじ孔HA1〜HA4に対応する部品Bの取り付け孔HB1〜HB4及び部品Cの取り付け孔HC1〜HC4は、それぞれ、おおよそ一致した状態となる。
【0030】
(ステップS6)
第1のロボット11aは、上方から2つの位置決めピン74の内の一方を部品Cの上面に押し当て、部品Cが動かないように固定する。なお、第1のロボット11aが、2つの位置決めピン74の内の一方を部品Bの上面に押し当て、部品Cを間接的に固定してもよい。
第2のロボット11bは、第1のロボット11aによって固定された部品Cから1対の支持ピン55、56を抜き取る。
【0031】
(ステップS7)
第1のロボット11aが、第1のハンド51aを部品Cから退避させる。
第2のロボット11bが、位置決めピン57を部品Cの取り付け孔HC2に挿入する。図8に示すように、位置決めピン57は、部品Cの取り付け孔HC2、部品Cの下に位置する部品Bの取り付け孔HB2、更にその下に位置する部品Aのねじ孔HA2に挿入される。その結果、部品Aのねじ孔HA1〜HA4に対応する部品Bの取り付け孔HB1〜HB4及び部品Cの取り付け孔HC1〜HC4は、ボルトが挿入可能な程度の精度で位置決めされる。その後、第2のロボット11bは、位置決めピン57を取り付け孔HC2から抜く。
【0032】
(ステップS8)
第1のロボット11aが第1のハンド51aの位置決めピン74を用いて部品Cの上面の適当な場所を押さえる。
【0033】
(ステップS9)
第2のロボット11bが、ボルトフィーダにより供給されたボルトをボルト保持部58に保持する。
【0034】
(ステップS10)
第2のロボット11bは、保持したボルトを部品Cの取り付け孔HC1(部品Bの取り付け孔HB1)に挿入する。
詳細には、第2のロボット11bは、図9(A)に示すように、ボルトの先端を取り付け孔HC1の方向に向けてボルト保持部58を降下させる。第2のロボット11bは、図9(B)に示すように、ボルトの先端部を挿入した後、ボルトの頭を傾けるように、ボルト保持部58を回転移動させる。ボルトを傾けると、図9(C)に示すように、ボルトの軸部が取り付け孔HB1、HC1の内周面に接触する。ボルトが接触した状態から、図9(C)の矢印で示すように、第2のロボット11bがボルトを更に傾ける方向にボルト保持部58を回転移動させて、図9(D)に示すように、ボルト保持部58からボルトを外す。そうすると、取り付け孔HB1、HC1にボルトが挿入される。
【0035】
別の観点から説明すると、第2のロボット11bは、ボルトの先端部を挿入して傾けることによって軸部を取り付け孔HB1、HC1の内周面に接触させる。第2のロボット11bは、軸部の接触により生じた摩擦力が磁石66の吸着力よりも大きい状態となるようにボルト保持部58を取り付け孔HB1、HC1から離れる方向に移動させて、ボルト保持部58からボルトを分離する。
このように、第2のロボット11bは、ボルトを保持したり、挿入したりするための専用の駆動源を用いることなく、動きの小さな動作で取り付け孔にボルトを挿入することができる。
【0036】
なお、第2のロボット11bがボルト保持部58を使って保持したボルトを挿入する動作(ステップS10)に限って言えば、部品Bは必ずしも必要ではない。即ち、ボルトの軸部を部品Cの取り付け孔HC1の内周面のみに接触させてボルト挿入することも可能である。つまり、ステップS10に従えば、部品Aに形成されたねじ孔と、このねじ孔に対応する部品Cに形成された取り付け孔に、ボルトを挿入することができる。
取り付け孔HB1、HC1に挿入されたボルトはコンベヤ15の下流で行われる後工程にて本締めされる。
第2のロボット11bは、ボルト保持部58からボルトを分離した後、コンベヤ15から退避する。
【0037】
(ステップS11)
第2のロボット11bが、再度ボルトフィーダにより供給されたボルトをボルト保持部58に保持する。第2のロボット11bは、2本目のボルトを部品Cの取り付け孔HC2及び部品Bの取り付け孔HB2に挿入する。
第2のロボット11bの詳細なボルト挿入動作は、ステップS10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0038】
(ステップS12)
第2のロボット11bが、再度ボルトフィーダにより供給されたボルトをボルト保持部58に保持する。第2のロボット11bは、3本目のボルトを部品Cの取り付け孔HC3及び部品Bの取り付け孔HB3に挿入する。
第2のロボット11bの詳細なボルト挿入動作は、ステップS10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0039】
(ステップS13)
第2のロボット11bが、再度ボルトフィーダにより供給されたボルトをボルト保持部58に保持する。第2のロボット11bは、4本目のボルトを部品Cの取り付け孔HC4及び部品Bの取り付け孔HB4に挿入する。
第2のロボット11bの詳細なボルト挿入動作は、ステップS10と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0040】
このように、ステップS1〜S13を経て、部品組み付け装置10は、部品Aに対して、部品Bを間に挟んで部品Cを組み付けることができる。なお、これら一連のステップは、順次行わずに、可能な場合には並行して行ってもよい。
【0041】
なお、本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能である。例えば、前述の実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて発明を構成する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0042】
第2のハンド51bが有する支持ピンは、1つであってもよい。
また、第1のハンド51aが有する電磁石71は少なくとも3つあればよい。
部品Aはコンベヤ15によって搬送されずに、単なる作業台に載置されていても本発明を適用できることは明らかである。
部品Aのねじ孔、部品Bの取り付け孔及び部品Cの取り付け孔の数はそれぞれ4つに限定されるものではない。すなわち、部品Aのねじ孔、部品Bの取り付け孔及び部品Cの取り付け孔の数は任意でよい。また、各部品に形成された複数の固定用の孔(取り付け孔及びねじ孔)のサイズはそれぞれ同じサイズである必要はない。
第1及び第2のロボット11a、11bは、7軸の多関節ロボットに限定されるものではなく、7軸以上の多関節ロボットであればよい。
【符号の説明】
【0043】
10:部品組み付け装置、11a:第1のロボット、11b:第2のロボット、12a:第1のアーム、12b:第2のアーム、15:コンベヤ、16:部品供給機、17:部品供給機、19:コントローラ、20:ベース部材、21:嵌合部、37:孔、39:嵌合穴、40:ベース部材、41:部材、51a:第1のハンド、51b:第2のハンド、55、56:支持ピン、57:位置決めピン、58:ボルト保持部、59:ブラケット、61:ベース部材、62:ブラケット、65:穴、66:磁石、71:電磁石、74:位置決めピン、HA1、HA2、HA3、HA4:ねじ孔、HB1、HB2、HB3、HB4:取り付け孔、HC1、HC2、HC3、HC4:取り付け孔、HC5、HC6:孔



【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアームの先端部に第1のハンドを有し、該第1のハンドを用いて第1の部品を保持する第1のロボットと、
第2のアームの先端部に第2のハンドを有し、該第2のハンドを用いて前記第1の部品に組み付けられる第2の部品を保持する第2のロボットと、を備え、
前記第1のハンドは、前記第1の部品又は前記第2の部品を上方から押さえる押さえ部材を有し、
前記第2のハンドは、前記第2の部品に形成された孔に挿入され、該第2の部品を保持する支持ピンを有する部品組み付け装置。
【請求項2】
請求項1記載の部品組み付け装置において、前記第1の部品は、磁性材料にて形成され、
前記第1のハンドは、前記第1の部品を吸着する吸着部を更に有する部品組み付け装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の部品組み付け装置において、前記第2のロボットが、前記支持ピンを前記第2の部品に形成された孔に挿入して該第2の部品を搬送し、予め決められた場所に該第2の部品を置いた後、
前記第1のロボットが前記押さえ部材にて前記第1の部品又は前記第2の部品を押さえ、前記第2のロボットが前記孔から前記支持ピンを抜く部品組み付け装置。
【請求項4】
請求項2記載の部品組み付け装置において、前記第1のロボットが、前記第1のハンドの前記吸着部を用いて前記第1の部品を第3の部品に組み付け、
前記第2のロボットが、前記第2のハンドの前記支持ピンを前記第2の部品に形成された孔に挿入して該第2の部品を搬送し、該第2の部品を前記第1の部品を間に挟んで前記第3の部品の上に載せ、前記第1のロボットが前記押さえ部材にて前記第2の部品を押さえ、前記第2のロボットが前記孔から前記支持ピンを抜く部品組み付け装置。
【請求項5】
第1のハンドを有する第1のロボットが、該第1のハンドに設けられた吸着部を用いて第1の部品を吸着する第1のステップと、
前記第1のロボットが、前記第1のステップにて吸着した第1の部品を解放して第3の部品に組み付ける第2のステップと、
第2のハンドを有する第2のロボットが、該第2のハンドに設けられた支持ピンを第2の部品に形成された孔に挿入して該第2の部品を搬送し、該第2の部品を前記第1の部品を間に挟んで前記第3の部品の上に載せる第3のステップと、
前記第1のロボットが前記第1のハンドに設けられた押さえ部材にて前記第1の部品又は前記第2の部品を押さえる第4のステップと、
前記第2のロボットが前記孔に挿入された前記支持ピンを抜く第5のステップと、を含む機械部品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−71400(P2012−71400A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219276(P2010−219276)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】