説明

部材所定位置の検出装置

【課題】被検出パターン配置が可能で、かつ、センサ配置領域を小さくする。
【解決手段】距離D以上の隣接センサ間ピッチで1次元配置されたn個(n≧2)のセンサと、m個(2≦m≦n)の被検出部位(スリット12a)が、互いにユニークな配置パターンにてk箇所(k≦)それぞれに形成されている被検出部材(立設部12)と、を有する。そして、スリット12aの全てがm個にセンサに作用するときに、m個のセンサで隣接センサ間ピッチをセンサ配列順に並べた組み合わせにおいて、少なくとも1つの隣接センサ間ピッチが、k箇所から任意に選んだ2箇所で前記距離D以上異なるように、センサ配置パターンとスリット配置パターンとが決められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出部材の所定箇所の位置を複数のセンサを用いて検出する、部材所定位置の検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転または直線運動する部材の所定位置を検出して、例えば停止制御するための検出装置が広く知られている。
かかる検出装置はセンサを備え、このセンサが、上記部材に形成されている特定パターンと作用したときに、そのときの部材位置を検出するものである。これにより、検出された部材位置、すなわち回転部材の場合は、ある回転角の位置、また、直線運動する部材の場合は当該部材の、ある長さ方向の位置で、当該部材を停止制御するなどの処理を実行することができる。
【0003】
このような位置検出では、検出箇所の数が増えれば増えるほどセンサ数nも多くなる。
一般に、センサ出力は検出を例えば“1”、非検出を例えば“0”とするバイナリ出力であり、n個のセンサそれぞれ対して独自の被検出パターンを設ける場合、任意の位置(ポジション)を取得するn個のセンサの被検出パターンとしてはn列のパターンが必要であり、このため合計で2のn乗個のパターンを形成する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記方法の実現のためにはn列のパターンを配置する物理的スペースが必要であり、応用によってはそのスペースの配置が困難になるという不都合が生じる。
【0005】
本発明は、効率よい被検出パターン配置が可能で、かつ、センサ配置領域を小さくできる、部材所定位置の検出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に関わる検出装置は、距離D以上の隣接センサ間ピッチで1次元配置されたn個(n≧2)のセンサと、m個(2≦m≦n)の被検出部位が、互いにユニークな配置パターンにてk箇所(k≦)それぞれに形成されている被検出部材と、を有する。そして、前記m個の被検出部位の全てが前記n個のセンサのm個に作用するときに、前記被検出部位に作用するm個のセンサで前記隣接センサ間ピッチをセンサ配列順に並べた組み合わせにおいて、少なくとも1つの前記隣接センサ間ピッチが、前記k箇所から任意に選んだ2箇所で前記距離D以上異なるように、前記n個のセンサ配置パターンと、前記k箇所ごとに形成される前記m個の被検出部位の配置パターンとが決められている。
【0007】
上記構成によれば、被検出部材がn個のセンサに対して相対移動すると、k箇所それぞれに設けられたm個の被検出部位がn個のセンサによって検出される。
このとき、ある被検出部材の位置(ポジション)で、m個(2≦m≦n)の被検出部位の全てが、n個のセンサのうち、m個(m=nの場合もある)のセンサと作用するようになっている。そのn個の被検出部位は、被検出部材のk箇所で互いにユニークな配置パターンとなっているため、これに応じて、n個のセンサの配置パターンが決められている。
【0008】
具体的には、n個のセンサの隣接センサ間ピッチが、距離D以上、例えばD、1.5D、2D、…等の何れかとなっているとする。また、上記m個の被検出部位の全てがセンサと作用したときに、当該n個のセンサで隣接センサ間ピッチをセンサ配列順に並べた組み合わせを考える。例えばn=3で、センサ1、センサ2、センサ3の順番で並べられている場合、センサ1と2間ピッチを“L12”、センサ2と3間ピッチを“L23”とすると、[L12,L23]の組み合わせを、A箇所、B箇所それぞれで考える(k=2の場合)。ここで、A箇所の上記組み合わせを[L12a,L23a]と定義し、B箇所の上記組み合わせを[L12b,L23b]と定義する。
そして、本発明の一形態では、この2つの組み合わせの隣接センサ間ピッチ差、すなわち|L12a−L12b|、|L23a−L23b|の少なくとも1つが、距離D以上となるように、n個のセンサ配置パターンと、k箇所ごとのm個の被検出部位の配置パターンとが決められている。
【0009】
これにより、例えばセンサによる被検出部位の検出(作用)有りを“1”、検出無し(作用無し)を“0”とすると、k箇所(上記例では2箇所)のそれぞれが、n個のセンサ位置を通るとき、センサ出力のビット配列が互いに異なるものとなる。
【0010】
このように、本発明の一形態では、最大個の検出箇所をn個のセンサで検出するときに、n個のセンサ配置を上述した組み合わせの隣接センサ間ピッチに関する条件に適合させ、かつ、m個の検出部位の配置パターンを、検出箇所間で相互にユニークとなるように形成するだけでよい。
【0011】
本発明の他の形態では、上記一形態の特徴に加えて、前記距離Dを、前記センサの検出精度と前記被検出部位のパターン加工公差とを考慮した上で、前記センサが確実に検出可能な前記被検出部位の最小パターン幅の2倍の距離とする。
また、さらに好適には、前記n個のセンサ内で前記隣接センサ間ピッチの最小値を“E”としたときに、前記m個の被検出部位のパターン幅を、“D/2”以上で、かつ、“E/2”以下とする。
【0012】
この他の形態によれば、上記一形態の作用に加えて、より効率的なパターン配置を行う場合、確実な動作を保障する限界を規定するため、最大効率のパターン配置が動作信頼性を損なうことなく実現できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効率よい被検出パターン配置が可能で、かつ、センサ配置領域を小さくできる、部材所定位置の検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、ディスクチェンジャーの回転位置検出を例として図面を参照して説明する。
【0015】
図1に、コンパクトディスク等を3枚搭載可能なディスクチェンジャー機構の一部を示す。
図1に示すディスクチェンジャー機構は、不図示の回転駆動部からの動力によって中心軸周りに自転するチェンジャーテーブル10を有する。チェンジャーテーブル10は、ディスクを落とし込んで収容する円形溝からなるディスクトレイ11を3箇所に備え、不図示の記録再生部に臨むディスクトレイ11を選択するために、120度の回転角ステップで、停止制御される。この停止制御のための制御回路は図示を省略している。
【0016】
チェンジャーテーブル10は、ディスクトレイ11が形成された上面の外周付近に、停止位置検出のためのパターンが配置また形成される立設部12を備える。立設部12は、チェンジャーテーブル10の上面から所定の高さで立設するリング帯状の周壁部材である。立設部12の内周面や外周面に所定パターンの被検出材料の膜等が配置形成され、または、立設部12を一部切り欠く、開口部を開けるなどにより所定パターンのスリットが形成される。この所定パターンは、チェンジャーテーブル10の外周方向で等間隔の立設部位置に3箇所設けられ、箇所相互で見るとユニークなパターンとなっている。図示の例では、3つディスクトレイ11から立設部12まで距離が最も近い3箇所が、このパターン形成箇所となっている。
【0017】
また、チェンジャーテーブル10には、センサユニット13が設けられている。センサユニット13は、上記所定パターンを光学的、磁気的または機械的に検出可能な複数のセンサを配置する部分であり、各センサを検出可能な距離を保って立設部12に近接した位置に設けられている。センサユニット13を設ける位置は、このようにセンサによるパターン検出が可能なら、チェンジャーテーブル10の周回方向のどの位置でも構わない。
【0018】
センサユニット13に配置される所定数n個のセンサは、磁気抵抗素子やホール素子などの磁気センサや、立設部12の壁面に摺動し上記スリットの位置を機械的に検出するセンサであってもよいが、ここでは、例えばフォトインタラプタ等の光学センサを用いている。
【0019】
本実施形態のようにコンパクトディスク等を3枚収容可能なディスクチェンジャー機構では、3つのディスクトレイ11がディスク記録再生などのために特定の3箇所で停止する必要がある。このため、立設部12に形成されたパターン(フォトインタラプタでは光の通過スリット)がセンサ配置エリアを通過する際に、互いにユニークな3つのパターンを検出する。そして、記録再生部等に所望のディスクトレイ11が臨む時にセンサユニット13に近接する特定パターンを検出し、この検出に応答して、チェンジャーテーブル10の回転を停止させる。3つパターンは、互いにユニークな配置形状を有するため、3つのディスクトレイ11のうち、任意のディスクトレイ11を記録再生等のために停止制御することができる。
【0020】
立設部12、または、立設部12を備えるチェンジャーテーブル10が「被検出部材」の一例に該当する。また、センサユニット13内にn個のセンサを有している。よって、図1に一部構成を示すディスクチェンジャー機構は、本発明の「部材所定位置の検出装置」の一例を備えている。
【0021】
相互にユニークなパターンを有する3箇所を検出するためには、3個の中から相互に異なるように任意の2個を選び出す組み合わせの数、即ち=3より、3個のセンサが必要である。また、n個のセンサ内で任意の2箇所の隣接センサ間ピッチを、上記3箇所のユニークなパターンに応じて決める必要がある。
【0022】
具体的には、n個のセンサの隣接センサ間ピッチが、距離D以上となっている。この距離D以上のピッチは、距離Dの1倍以上の倍数でもよいし、距離Dの1倍以上なら倍数でない半端な値でもよい。例えば1.1D、…、1.5D、…、2.3D、…等の距離Dを基準とした値、あるいは、距離Dが0.5[mm]なら、0.5[mm]以上ならどのような値でもよい。
また、上記パターンの最小構成要素(例えばスリットの1つ)を「被検出部位」とすると、検出箇所のぞれぞれで、このスリット数を“m(2≦m≦n)”とすると、m個の被検出部位の全てがセンサと作用したときに、n個のセンサで隣接センサ間ピッチをセンサ配列順に並べた組み合わせを考える。
【0023】
例えばn=3で、センサ1、センサ2、センサ3の順番で並べられている場合、センサ1と2間距離を“L12”、センサ2と3間距離を“L23”とすると、[L12,L23]の組み合わせを、A箇所、B箇所、C箇所それぞれで考える(箇所数k=3の場合)。ここで、A箇所の上記組み合わせを[L12a,L23a]と定義し、B箇所の上記組み合わせをと定義し、C箇所の上記組み合わせを[L12c,L23c]と定義する。
【0024】
そして、本実施形態では、この3つの組み合わせの隣接センサ間ピッチ差、すなわち、箇所Aと箇所B間では|L12a−L12b|と|L23a−L23b|の少なくとも1つが、箇所Bと箇所C間では|L12b−L12c|と|L23b−L23c|の少なくとも1つが、箇所Cと箇所A間では|L12c−L12a|と|L23c−L23a|の少なくとも1つが、それぞれ距離D以上となるように、n個のセンサ配置パターンと、k箇所ごとのm個の被検出部位の配置パターンとが決められている。
このことを、以下、「隣接センサ間ピッチ差の条件」と称する。
【0025】
<実施例1>
図2に、センサユニット13のセンサ配置の詳細図を示す。
図2に示すセンサユニット13には、3つのセンサ1とセンサ2とセンサ3が、基板14の下面に1列に配置(1次元配置)して設けられている。各センサには、光検出部15を有する。このセンサ配置方向は、各センサの光検出部15から立設部12までの距離がほぼ等しくなる方向である。
また、図には表れていないが、各センサの光検出部15に対向する位置(立設部12より図で奥側の位置)に、発光素子が設けられている。通常、図示のように「被検出部位」としてのスリット(開口部、切欠部の何れか)が設けられていない場合は、発光素子からの光は立設部12により遮られ光検出部15に入射できない。一方、スリットが設けられている場合は、その通過期間だけ、光を光検出部15が受光してパルス状の検出信号がセンサから出力される。
【0026】
ここで、センサの検出精度や取り付け精度、立設部12に形成するスリットのパターン加工精度を加味した上で確実に動作する最小パターン幅の2倍の距離を“D”とする。
図2では、センサS1とS2の間は距離“D”とし、センサS2とS3の隣接センサ間ピッチを“2D”としたことを示している。
【0027】
このときセンサS1とS3のピッチ間隔が“3D”離れていることから、センサS1とS2の隣接センサ間ピッチと、センサS2とS3の隣接センサ間ピッチとの差は“D”、センサS1とS2の隣接センサ間ピッチと、センサS1とS3の隣接センサ間ピッチとの差は“2D”、センサS2とS3の隣接センサ間ピッチと、センサS1とS3の隣接センサ間ピッチとの差は“D”と、隣接センサ間ピッチの差が全て“D”以上であることから、前述した「隣接センサ間ピッチ差の条件」を満たしている。
【0028】
図3に、3箇所のユニークなポジションを表すパターン形状を示す。
本実施形態ではセンサをフォトインタラプタとしたので信号は、光の遮光と通過で表す。メカニカルスイッチの場合は突起による押し込み、磁気スイッチの場合は磁石などで信号を生成することで同様の構成が可能である。
【0029】
図2に示すように立設部12により基本は遮光であるが、特定のパターンを表すときのみ図3のように“D/2”の幅で光を通過させる2つの切り欠き(スリット12a)を設ける。これにより「ポジション1」にユニークなパターンのスリットがセンサ部を通過するときに、センサS1〜S3がそれぞれ[1,1,0](“1”は光通過、“0”は遮光を示す)となるパルス列を出力する。
同様に、「ポジション2」にユニークなパターンのスリットが通過するときに、センサS1〜S3は[0,1,1]のパルス列を出力し、「ポジション3」にユニークなパターンのスリットが通過するときに、センサS1〜S3は[1,0,1]のパルス列を出力する。
【0030】
「ポジション1〜3」のスリットの隣接間ピッチは、それぞれ“D”,“2D”,“3D”であり、任意の2つの隣接センサピッチが“D”と“2D”であることから、各ポジションで得られるセンサパターンのユニーク性が保証されるのは明らかである。
ちなみに、隣接スリット間ピッチが最短である「ポジション1」の2つの切り欠き(スリット)をつなげて1つの大きな切り欠きとしてもよい。
【0031】
<実施例2>
図4は、実施例2におけるセンサ配置図である。センサ数nが図2(n=3)と図4(n=4)で異なるが、これ以外のセンサユニット13の基本的な構成は、図2の説明と同じである。
本実施例2は、4つのセンサS1〜S4を用いて4箇所のユニークなポジションを検出しようとするものである。4つのセンサを用いた場合、最大で=6箇所のユニークなポジションを検出できるが、センサの配置幅、即ち一方端のセンサS1の中心から他方端のセンサS4の中心までの距離は、最短で“6D(=D+2D+3D)”となる。
これに対し、4箇所のみ検出したい場合は=4となり、“4D(=D+2D+D)”で済むため、センサの配置幅が小さくセンサユニット13をコンパクトにできる。
【0032】
図5は、4箇所のユニークなポジションを表すパターン形状を示す。センサ数nが図3(n=3)と図5(n=4)で異なり、「被検出部位」としてのスリット数mが図3(m=2)と図5(m=3)で異なるが、m個のスリット全てが、n個のセンサのm個(m≦n)により検出されるようにスリットパターンが決められ、かつ、ポジション間でスリットパターンが固有のものとなっていることは、図3の説明と同じである。
下記の表に、本実施例2において、図4に示す4つのセンサS1〜S4から任意の3個のセンサを選んだ際の、各ポジションにおけるスリットを検出可能なセンサ符号と、隣接センサ間ピッチとの関係をまとめて示す。
【0033】
[表1]
ポジション スリット検出センサ 隣接センサ間ピッチ
「ポジション1」 [S1,S2,S3] [D,2D]
「ポジション2」 [S1,S2,S4] [D,3D]
「ポジション3」 [S1,S3,S4] [3D,D]
「ポジション4」 [S2,S3,S4] [2D,D]
【0034】
上記表における隣接センサ間ピッチの組み合わせにおいて、[D,3D]と[3D,D]、あるいは、[D,2D]と[2D,D]のように、組み合わせるピッチの値は同じでも順序が違うものは異なるものである。よって、[D,2D]と[D,3D]、[D,3D]と[3D,D]、[3D,D]と[2D,D]、[2D,D]と[D,2D]の任意に選択できる全ての2組で、隣接センサ間ピッチ差がD以上異なるという、前述した「隣接センサ間ピッチ差の条件」を満たしている。
ここで、それぞれのポジションでのセンサ出力は、「ポジション1」で[1,1,1,0]、「ポジション2」で[1,1,0,1]、「ポジション3」で[1,0,1,1]、「ポジション4」で[0,1,1,1]である。
よって、上記条件が満たされ、かつ、スリットパターンのポジション間ユニーク性がある場合、これら各ポジションで得られる信号パターンのユニーク性もセンサの隣接ピッチとスリットパターンの配列のマッチングにより保証される。したがって、4つのセンサの3つを用いて4箇所の所定部材位置が互いに識別でき、これにより4箇所それぞれで停止制御等を行うことができる。
【0035】
<変形例1>
叙述した実施形態に限らず、直進運動する被検出部材を検出する場合も、本発明の検出方法が適用できることは明らかである。
なお、本実施形態で説明した回転部材(チェンジャーテーブル10)は、その直径がセンサ配置ピッチに比べて大きいため、n個のセンサにとっては立設部12が直進運動しているとみなしてよい。よって、n個のセンサは直線上に配置した。
ただし、回転部材(チェンジャーテーブル10等)の直径が比較的小さい場合は、n個のセンサを若干曲率を持たせて1次元配置することも可能である。
なお、回転部材はチェンジャーテーブル10に限定されず、何でもよい。直進部材としては、製造ラインの製品搬送ベルトを所定位置ごとに止めるための大掛かりなものから、カセット等を出し入れするためのストッカー等のスライド機構等、種々の応用が可能である。
【0036】
<変形例2>
実施例1では、距離Dを、「確実にセンサ検出動作するスリットの最小パターン幅の2倍の距離」と説明したが、これに限定されない。
距離Dは、上記した「最小パターン幅の2倍」以上あれば、センサ検出動作を確実に行うには支障がなく、意識しないで任意に距離Dを決めた場合、この条件に適合している場合もあるため、このような場合も本発明が適用された実施例の範疇に入る。
上記距離Dに関する条件は、センサ配置とスリットパターン配置を最も効率よく行う場合の条件を示すものであり、これによりセンサユニット13を最もコンパクトにし、かつ、被検出部材が小さい場合でも、必要な数の検出箇所を設けることができるという利点がある。
【0037】
<変形例3>
上記変形例2で述べた「距離Dが最小パターン幅の2倍」の場合、さらに好ましい条件として、「n個のセンサ内で隣接センサ間ピッチの最小値を“E”としたときに、m個の被検出部位(スリット)のパターン幅が、“D/2”以上で、かつ、“E/2”以下である」ことを満たすことが望ましい。これは、実施例1や2のように、最小の隣接センサ間ピッチがDではなく、それ以外の場合、例えば1.5D、その他、任意の距離である場合を考慮して、その場合に2つのセンサで同一のスリットを同時に検出することがないようにするマッチングをとる規定である。
【0038】
本実施形態によれば、以下の利益が得られる。
少ないスペースで複数のユニークなポジションを設定できる。
また、ポジション検出用のパターン形状を持つメカの構造を単純化できる。
さらに、複数のセンサのレイアウトを単純化できる。
これにより低コストで、コンパクトな所定部材位置の検出装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に関わるディスクチェンジャー機構の一部を示す模式的な上面図である。
【図2】本発明の実施形態の実施例1に関わるセンサ配置図である。
【図3】本発明の実施形態の実施例1に関わり、3箇所のユニークなポジションを表すパターン形状を示すための図である。
【図4】本発明の実施形態の実施例2に関わるセンサ配置図である。
【図5】本発明の実施形態の実施例2に関わり、4箇所のユニークなポジションを表すパターン形状を示すための図である。
【符号の説明】
【0040】
10…チェンジャーテーブル、11…ディスクトレイ、12…立設部、12a…スリット(切り欠き)、13…センサユニット、14…基板、15…光検出部、S1〜S4…センサ、D…距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離D以上の隣接センサ間ピッチで1次元配置されたn個(n≧2)のセンサと、
m個(2≦m≦n)の被検出部位が、互いにユニークな配置パターンにてk箇所(k≦)それぞれに形成されている被検出部材と、
を有し、
前記m個の被検出部位の全てが前記n個のセンサのm個に作用するときに、前記被検出部位に作用するm個のセンサで前記隣接センサ間ピッチをセンサ配列順に並べた組み合わせにおいて、少なくとも1つの前記隣接センサ間ピッチが、前記k箇所から任意に選んだ2箇所で前記距離D以上異なるように、前記n個のセンサ配置パターンと、前記k箇所ごとに形成される前記m個の被検出部位の配置パターンとが決められている、
部材所定位置の検出装置。
【請求項2】
前記距離Dは、前記センサの検出精度と前記被検出部位のパターン加工公差とを考慮した上で、前記センサが確実に検出可能な前記被検出部位の最小パターン幅の2倍の距離である
請求項1に記載の部材所定位置の検出装置。
【請求項3】
前記n個のセンサ内で前記隣接センサ間ピッチの最小値を“E”としたときに、前記m個の被検出部位のパターン幅が、“D/2”以上で、かつ、“E/2”以下である
請求項2に記載の部材所定位置の検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−97871(P2009−97871A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266750(P2007−266750)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】