説明

配線基板および入力装置

【課題】第2配線電極に断線等の不具合が生じる可能性を低減しつつ、導電部材による第1配線電極と第2配線電極との接続信頼性が低下する可能性を低減する配線基板および入力装置を提供する。
【解決手段】配線基板は、第1基体2および第1配線電極8を備えた第1基板と、可撓性を有した第2基体11、第2配線電極12、第2基体11の端部111で第2配線電極12が露出するように第2配線電極12を覆う被覆層13、および補強部材14を備えたフレキシブル基板10とを備え、第1配線電極8と露出した第2配線電極12とが導電部材30を介して電気的に接続された配線基板であって、被覆層13は、導電部材30と空間S1を介して設けられており、補強部材20は、第2基体11の第2主面11b側において、空間S1と対応する第1領域B1から被覆層13と対応する第2領域B2にわたって設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板および入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、第1基板における第1配線電極と、第2基板としてのフレキシブル基板における第2配線電極とが導電部材を介して電気的に接続された配線基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような配線基板においては、第2基板を折り曲げて使用した場合、第2配線電極に断線等の不具合が生じる可能性を低減するために、第2基板における第2基体に、当該第2基体を補強する補強部材を設けることが行われている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−133904号公報
【特許文献2】特開2008−151990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配線基板の製造時において、熱圧着を行うことにより、第1配線電極と第2配線電極とは、導電部材によって電気的に接続される。しかしながら、補強部材を設ける位置によっては、導電部材に対して十分に熱を加えることができず、導電部材による第1配線電極と第2配線電極との接続信頼性が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、第2配線電極に断線等の不具合が生じる可能性を低減しつつ、導電部材による第1配線電極と第2配線電極との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる配線基板および入力装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配線基板における一態様は、第1基体、および前記第1基体上に設けられた第1配線電極を備えた第1基板と、可撓性を有しておりかつ第1主面および第2主面を有した第2基体、前記第2基体の前記第1主面側に設けられた第2配線電極、前記第2基体の端部で前記第2配線電極が露出するように前記第2配線電極を覆う被覆層、および、前記第2基体の前記第2主面側に設けられた補強部材を備えた第2基板と、を備え、前記第1配線電極と露出した前記第2配線電極とが導電部材を介して電気的に接続された配線基板であって、前記被覆層は、前記導電部材と空間を介して設けられており、前記補強部材は、前記第2基体の前記第2主面側において、前記空間と対応する第1領域から前記被覆層と対応する第2領域にわたって設けられている。
【0007】
本発明の入力装置における一態様は、本発明に係る配線基板と、前記第1基体上に設けられておりかつ入力位置を検出するための検出電極と、を備え、前記第1配線電極は、前記検出電極と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の配線基板および入力装置は、第2配線電極に断線等の不具合が生じる可能性を低減しつつ、導電部材による第1配線電極と第2配線電極との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1中に示した切断線I−Iに沿って切断した断面図である。
【図3】図1中に示した切断線II−IIに沿って切断した断面図である。
【図4】図1中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。
【図5】本実施形態に係る表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図6】本実施形態に係る携帯端末の概略構成を示す斜視図である。
【図7】変形例1に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図8】変形例1に係るフレキシブル基板の概略構成を示す平面図である。
【図9】変形例2に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図10】変形例2に係るフレキシブル基板の概略構成を示す平面図である。
【図11】変形例3に係る入力装置の概略構成を示す平面図である。
【図12】図11中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。したがって、本発明に係る配線基板および入力装置は、本明細書が参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る入力装置X1は、静電容量方式のタッチパネルであって、使用者によって入力操作が可能な入力領域Eと、入力領域Eの外側に位置する外側領域Eとを有している。なお、静電容量方式のタッチパネルに代えて、抵抗膜方式のタッチパネル、表面弾性波方式のタッチパネル、赤外線方式のタッチパネル、あるいは電磁誘導方式のタッチパネルを用いてもよい。
【0013】
図1〜図4に示すように、入力装置X1は、第1基体2を備えている。
【0014】
第1基体2は、入力領域Eにおいて後述する第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bを支持する役割を担うとともに、外側領域Eにおいて後述する第1配線電極8を支持する役割を担う部材である。第1基体2は、操作面2a、および操作面2aの反対側に位置する背面2bを有している。ここで、第1基体2および第1配線電極8が、本発明に係る第1基板の一実施形態となる。
【0015】
第1基体2は、操作面2aおよび背面2bに対して交差する方向に光を適切に透過することが可能な構成とされるとともに、絶縁性を有する構成とされている。第1基体2の構成材料としては、例えば、透明ガラスあるいは透明プラスチック等の透光性を有するものが挙げられるが、中でも視認性の観点において透明ガラスが好ましい。なお、本明細書において透光性とは、可視光に対する透過性を有することを意味する。
【0016】
図1〜図3に示すように、入力領域Eに対応する第1基体2の背面2b上には、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5が設けられている。
【0017】
第1検出電極3aは、入力領域Eに接近した使用者の指F1の、Y方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第1検出電極3aは、第1基体2の背面2b上に、X方向に沿って
所定の間隔を空けて設けられている。ここで、本実施形態に係る第1検出電極3aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0018】
第1接続電極3bは、隣り合う第1検出電極3aを電気的に接続する役割を担う部材である。第1接続電極3bは、第1基体2の背面2b上に設けられている。
【0019】
第2検出電極4aは、入力領域Eに接近した使用者の指F1の、X方向における入力位置の検出を行う役割を有するものであり、指F1との間に静電容量を発生する機能を有している。すなわち、第2検出電極4aは、第1基体2の背面2b上に、Y方向に沿って所定の間隔を空けて設けられている。ここで、本実施形態に係る第2検出電極4aは、検出感度を向上する観点から、平面視形状が略ひし形とされているが、これには限られない。
【0020】
第2接続電極4bは、隣り合う第2検出電極4aを電気的に接続する役割を担う部材である。第2接続電極4bは、第1接続電極3bと電気的に絶縁するように、絶縁体5を跨ぐように、絶縁体5上に設けられている。ここで、絶縁体5は、第1接続電極3bを覆うように第1基体2の背面2b上に設けられている。絶縁体5の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、二酸化珪素、あるいは窒化珪素等が挙げられる。
【0021】
上述の第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、および第2接続電極4bの構成材料としては、例えば、透光性を有する導電部材が挙げられる。透光性を有する導電部材としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、AZO(Al-Doped Zinc Oxide)、酸化錫、酸化亜鉛、あるいは導電性高分子が挙げられる。
【0022】
また、図2および図3に示すように、入力領域Eに対応する第1基体2の背面2b上には、保護部材6が設けられている。
【0023】
保護部材6は、第1検出電極3a、第1接続電極3b、第2検出電極4a、第2接続電極4b、および絶縁体5を保護するための役割を担う部材である。このため、保護部材6は、これらの部材を覆うようにして設けられている。すなわち、保護部材6は、入力領域Eに対応する第1基体2の背面2bと接合部材7を介して接合される。保護部材6としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、樹脂フィルム等が挙げられる。また、接合部材7としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。
【0024】
また、外側領域Eに対応する第1基体2の背面2b上には、第1配線電極8が設けられている。
【0025】
第1配線電極8は、第1検出電極3aおよび第2検出電極4aに電圧を印加するための役割を担う部材である。第1配線電極8は、その一端部が第1検出電極3aおよび第2検出電極4aと電気的に接続され、その他端部が第1フレキシブル基板10および第2フレキシブル基板20に電気的に接続されている。第1配線電極8は、例えば、硬質で高い形状安定性を得るべく、金属薄膜で構成されている。この金属薄膜としては、例えば、アルミニウム膜、アルミニウム合金膜、クロム膜とアルミニウム膜との積層膜、クロム膜とアルミニウム合金膜との積層膜、銀膜、銀合金膜、あるいは金合金膜が挙げられる。なお、上述の金属薄膜を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、蒸着法、あるいは
化学気相成長法が挙げられる。
【0026】
なお、上記では、第1フレキシブル基板10および第2フレキシブル基板20の2つを用いた例について説明したが、これに限定されない。すなわち、1つのフレキシブル基板を用いてもよい。
【0027】
図4は、図1中に示した切断線III−IIIに沿って切断した断面図である。図4に示すように、第1フレキシブル基板(第2基板)10は、第2基体11、第2配線電極12、被覆層13、および補強部材14を備えている。ここで、第1基板(第1基体2、第1配線電極8)および第1フレキシブル基板10が、本発明に係る配線基板の一実施形態となる。
【0028】
第2基体11は、絶縁性および可撓性を有している。また、第2基体11は、第1主面11aおよび第2主面11bを有している。第2基体11は、例えば、ポリイミド樹脂、あるいはポリエステル樹脂から構成される。
【0029】
第2配線電極12は、第2基体11の第1主面11a側に設けられている。第2配線電極12の構成材料としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、金、ステンレススチール等の金属材料が挙げられる。
【0030】
被覆層13は、第2基体11の接続側の端部111で第2配線電極12が露出するように第2配線電極12を覆う役割を担う部材である。すなわち、第2基体11の接続側の端部111で第2配線電極12が露出するように当該端部111に位置する被覆層13を切り欠いている。被覆層13は、後述する導電部材30と空間S1を介して設けられている。被覆層13は、例えば、ポリイミド樹脂、あるいはポリエステル樹脂から構成される。
【0031】
なお、露出した第2配線電極12にはめっき層12aが形成されている。露出した第2配線電極12にめっき層12aが形成されていることにより、露出した第2配線電極12が酸化してしまう可能性を低減することができる。
【0032】
また、第1配線電極8と露出した第2配線電極12とは、導電部材30を介して電気的に接続されている。これにより、第1フレキシブル基板10における第2配線電極12、および第1配線電極8を介して、検出電極3a,4aに電圧を印加することが可能となる。ここで、導電部材30としては、例えば、はんだ、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)等が挙げられる。
【0033】
補強部材14は、第2基体11を補強するための役割を担う部材である。補強部材14は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスエポキシ樹脂、紙フェノール、あるいは金属板から構成される。
【0034】
補強部材14は、第2基体11の第2主面11b側において、空間S1と対応する第1領域B1から被覆層13と対応する第2領域B2にわたって設けられている。補強部材14が第1領域B1から第2領域B2にわたって設けられているので、図4に示す矢印の方向に第1フレキシブル基板10を折り曲げて使用した場合であっても、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性を低減することができる。
【0035】
具体的に言えば、第1配線電極8と露出した第2配線電極12とが導電部材30により電気的に接続された状態で、第1フレキシブル基板10を図4に示す矢印の方向に折り曲げて使用した場合に、図4のA1の部分に曲げ応力が集中する。このため、図4のA1の部分に位置する第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性がある。そこで、本実
施形態のように、第1領域B1から第2領域B2にわたって補強部材14を設けることにより、図4のA1の部分に曲げ応力が集中する可能性を低減することができる。これにより、図4のA1の部分に位置する第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性を低減することができる。
【0036】
また、本実施形態では、補強部材14が導電部材30と対応する第3領域B3には設けられていないので、導電部材30による第1配線電極8と露出した第2配線電極12との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる。
【0037】
具体的に言えば、配線基板の製造時において、第1配線電極8と露出した第2配線電極12とを導電部材30により電気的に接続する際、第3領域B3に対して図示しない治具を押し当て加熱して加圧することにより、第1配線電極8と露出した第2配線電極12とを導電部材30により電気的に接続していた。ここで、仮に、第3領域B3に補強部材14が設けられていた場合、補強部材14を介して熱圧着することになり、導電部材30に対して十分に熱を加えることができず、導電部材30による第1配線電極8と露出した第2配線電極12との接続信頼性が低下する可能性があった。これに対して、本実施形態では、補強部材14は、第1領域B1から第2領域B2にわたって設けられている(すなわち、第3領域B3には設けられていない)ので、補強部材14を介することなく直接第3領域B3に対して治具を押し当て加熱して加圧することが可能となる。これにより、第1配線電極8と露出した第2配線電極12とを導電部材30により確実に接続することが可能となる。この結果、入力装置X1では、導電部材30による第1配線電極8と露出した第2配線電極12との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる。
【0038】
なお、第2フレキシブル基板20においても、第1フレキシブル基板10と同様の構成を有していてもよい。
【0039】
次に、上記の入力装置X1の検出原理について説明する。
【0040】
入力領域Eに対応する第1基体2の操作面2aに、導電体である指F1が近接、接触、または押圧すると、指F1と検出電極3a,4aとの間の静電容量が変化する。ここで
、図示しない位置検出ドライバは、指F1と検出電極3a,4aとの間の静電容量の変化
を常に検出している。この位置検出ドライバは、所定値以上の静電容量の変化を検出すると、静電容量の変化が検出された位置を入力位置として検出する。このようにして、入力装置X1は、入力位置を検出することができる。なお、入力装置X1が入力位置を検出する方式として、相互キャパシタンス方式および自己キャパシタンス方式のいずれの方式であってもよい。相互キャパシタンス方式を採用すると、同時に複数の入力位置を検出できるので、自己キャパシタンス方式を採用する場合と比べて、好ましい。
【0041】
以上のように、上記の入力装置X1では、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性を低減しつつ、導電部材30による第1配線電極8と第2配線電極12との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる。
【0042】
次に、上記の入力装置X1を備えた表示装置Y1について、図5を参照しながら説明する。
【0043】
図5に示すように、本実施形態に係る表示装置Y1は、入力装置X1と、入力装置X1に対向して配置される液晶表示装置Z1とを備えている。
【0044】
液晶表示装置Z1は、液晶表示パネル101、バックライト102、および第1筐体103を備えている。
【0045】
液晶表示パネル101は、表示のために液晶組成物を利用した表示パネルである。なお、液晶表示パネル101の代わりに、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパ等の表示パネルであってもよい。バックライト102は、光源102aおよび導光板102bを備えている。光源102aは、導光板102bに向けて光を出射する役割を担う部材であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)から構成される。なお、LEDの代わりに、冷陰極蛍光ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、EL(Electro-Luminescence)であってもよい。導光板102bは、液晶表示パネル101の下面全体にわたって、光源102aからの光を略均一に導くための役割を担う部材である。
【0046】
第1筐体103は、液晶表示パネル101およびバックライト102を収容する役割を担うものであり、上側筐体103aおよび下側筐体103bを含んで構成される。第1筐体103の構成材料としては、例えば、ポリカーボネート等の樹脂、あるいは、ステンレス、アルミニウム等の金属が挙げられる。
【0047】
ここで、入力装置X1と液晶表示装置Z1とは、両面テープ104を介して接着される。すなわち、入力装置X1における基体2の背面2bが液晶表示パネル101の主面に対向して配置されるように、入力装置X1と液晶表示装置Z1とが、両面テープ104を介して接着される。なお、入力装置X1と液晶表示装置Z1との固定方法に使用される固定用部材は両面テープ104には限られず、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の接着部材、あるいは入力装置X1と液晶表示装置Z1とを物理的に固定する固定構造体であってもよい。また、入力装置X1と液晶表示装置Z1とは、互いに接して配置されていてもよいし、隙間を空けて配置されていてもよい。
【0048】
このように、入力装置X1は、液晶表示装置Z1の液晶表示パネル101を透視しながら、入力装置X1の入力領域Eを入力操作することによって、各種の情報を入力することができる。なお、各種の情報を入力する際に、情報を入力した使用者に対して、押圧感、なぞり感、肌触り感等の様々な触感を呈示する機能を入力装置X1に付与してもよい。この場合、入力装置X1における基体2に、1または複数の振動体(例えば、圧電素子等)を備え、所定の入力操作あるいは所定の押圧荷重を検知した場合に、当該振動体を所定の周波数で振動させることで実現することができる。
【0049】
表示装置Y1は、入力装置X1を備えているので、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性を低減しつつ、導電部材30による第1配線電極8と第2配線電極12との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる。
【0050】
次に、表示装置Y1を備えた携帯端末P1について、図6を参照しながら説明する。
【0051】
図6に示すように、本実施形態に係る携帯端末P1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA等の機器であって、表示装置Y1と、音声入力部201と、音声出力部202と、キー入力部203と、第2筐体204とを備えている。
【0052】
音声入力部201は、例えば、マイク等により構成されており、使用者の音声等が入力される。音声出力部202は、スピーカ等により構成されており、相手方からの音声等が出力される。キー入力部203は、例えば、機械的なキーにより構成される。なお、キー入力部203は、表示画面に表示された操作キーであってもよい。第2筐体204は、表示装置Y1、音声入力部201、音声出力部202、およびキー入力部203を収容する役割を担う部材である。
【0053】
他にも、携帯端末P1は、必要な機能に応じて、デジタルカメラ機能部、ワンセグ放送
用チューナ、赤外線通信機能部等の近距離無線通信部、および各種インタフェース等を備える場合もあるが、これらの詳細についての図示および説明は省略する。
【0054】
携帯端末P1は、表示装置Y1を備えているので、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性を低減しつつ、導電部材30による第1配線電極8と第2配線電極12との接続信頼性が低下する可能性を低減することができる。
【0055】
なお、上記では、携帯端末P1に音声入力部201を備えている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、携帯端末P1には音声入力部201は備えられていなくともよい。
【0056】
ここで、表示装置Y1は、上記の携帯端末P1の代わりに、産業用途で使用されるプログラマブル表示器、電子手帳、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム用の端末装置、テレビ、デジタルカメラ等の種々の機器に備えられていてもよい。
【0057】
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の一具体例を示すものであり、種々の変形が可能である。以下、いくつかの主な変形例を示す。
【0058】
[変形例1]
図7は、変形例1に係る入力装置X2の概略構成を示す平面図である。図7において、図1と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0059】
図7に示すように、入力装置X2では、第1フレキシブル基板10の代わりに、第1フレキシブル基板10aを備えている。
【0060】
図8は、第1フレキシブル基板10aの概略構成を示す平面図である。具体的には、図8は、被覆層13の上面から見た、第1フレキシブル基板10aの概略構成を示す平面図である。図8に示すように、補強部材14が位置する部位における第2基体11の幅L1は、補強部材14が位置しない部位における第2基体11の幅L2よりも大きい。すなわち、変形例1では、第2基体11の幅は、導電部材30が位置する方向に向かうに従って、広くなっている。これにより、第1フレキシブル基板10aを折り曲げて使用した場合であっても、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性をより低減することができる。
【0061】
[変形例2]
図9は、変形例2に係る入力装置X3の概略構成を示す平面図である。図9において、図7と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0062】
図9に示すように、入力装置X3では、第1フレキシブル基板10aの代わりに、第1フレキシブル基板10bを備えている。また、入力装置X3では、外側領域Eに対応する第1基体2の背面2b上に第1ダミー配線9が設けられている。第1ダミー配線9は、第1配線電極8よりも外側に位置している。また、第1ダミー配線9は、第1配線電極8と電気的に接続されていない。第1ダミー配線9は、第1配線電極8と同様の材料から構成される。
【0063】
図10は、第1フレキシブル基板10bの概略構成を示す平面図である。具体的には、図10は、被覆層13の上面から見た、第1フレキシブル基板10bの概略構成を示す平面図である。なお、図10では、図8とは異なり、説明の便宜上、導電部材30を一点鎖
線で表している。第1フレキシブル基板10bでは、第2基体11の第1主面11a側に第2ダミー配線15が設けられている。第2ダミー配線15は、第2配線電極12よりも外側に位置している。また、第2ダミー配線15は、第2配線電極12と電気的に接続されていない。第2ダミー配線15は、第2配線電極12と同様の材料から構成される。
【0064】
そして、第1ダミー配線9と第2ダミー配線15とは、導電部材30を介して接続されている。第1ダミー配線9と第2ダミー配線15とが導電部材30を介して接続されているので、第1フレキシブル基板10aを折り曲げて使用した場合であっても、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性をより低減することができる。
【0065】
[変形例3]
図11は、変形例3に係る入力装置X4の概略構成を示す平面図である。図11において、図9と同様の機能を有する構成については、同じ参照符号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0066】
図11に示すように、入力装置X4では、第1フレキシブル基板10bの代わりに、第1フレキシブル基板10cを備えている。
【0067】
図12は、図11中に示した切断線IV−IVに沿って切断した断面図である。図12に示すように、被覆層13と導電部材30との間の空間S1(図4参照)に樹脂部材40が設けられている。空間S1に樹脂部材40が設けられているので、第1フレキシブル基板10aを折り曲げて使用した場合であっても、第2配線電極12に断線等の不具合が生じる可能性をより低減することができる。
【0068】
[変形例4]
なお、上記では、第1基板と第2基板(第1フレキシブル基板)とを備えた配線基板が入力装置に備えられている例について説明したが、これに限定されない。すなわち、配線基板は、入力装置以外の、様々な装置に備えられていてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態および変形例を適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0070】
X1〜X4 入力装置
2 第1基体
3a 第1検出電極(検出電極)
4a 第2検出電極(検出電極)
8 第1配線電極
9 第1ダミー配線
10 第1フレキシブル基板(第2基板)
11 第2基体
12 第2配線電極
13 被覆層
14 補強部材
15 第2ダミー配線
30 導電部材
40 樹脂部材
B1 第1領域
B2 第2領域
B3 第3領域
S1 空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基体、および前記第1基体上に設けられた第1配線電極を備えた第1基板と、
可撓性を有しておりかつ第1主面および第2主面を有した第2基体、前記第2基体の前記第1主面側に設けられた第2配線電極、前記第2基体の端部で前記第2配線電極が露出するように前記第2配線電極を覆う被覆層、および、前記第2基体の前記第2主面側に設けられた補強部材を備えた第2基板と、を備え、
前記第1配線電極と露出した前記第2配線電極とが導電部材を介して電気的に接続された配線基板であって、
前記被覆層は、前記導電部材と空間を介して設けられており、
前記補強部材は、前記第2基体の前記第2主面側において、前記空間と対応する第1領域から前記被覆層と対応する第2領域にわたって設けられている、配線基板。
【請求項2】
前記補強部材は、前記第2基体の前記第2主面側において、前記導電部材と対応する第3領域には設けられていない、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記補強部材が位置する部位における前記第2基体の幅は、前記補強部材が位置しない部位における前記第2基体の幅よりも大きい、請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記第1基板は、前記第1基体上に設けられておりかつ前記第1配線電極よりも外側に位置する第1ダミー配線をさらに備え、
前記第2基板は、前記第2基体の前記第1主面側に設けられておりかつ前記第2配線電極よりも外側に位置する第2ダミー配線をさらに備え、
前記第1ダミー配線と前記第2ダミー配線とが前記導電部材を介して接続されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項5】
前記空間に樹脂部材が設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線基板と、
前記第1基体上に設けられておりかつ入力位置を検出するための検出電極と、を備え、前記第1配線電極は、前記検出電極と電気的に接続されている、入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−45956(P2013−45956A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183808(P2011−183808)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】