説明

重合性エステル化合物、重合体、レジスト材料及びパターン形成方法

【解決手段】式(1)〜(4)のいずれかで示される構造上β−脱離による酸分解を起こさない重合性酸不安定エステル化合物。


(A1は炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基、R1は水素原子又は−C−(R53、R2、R3はアルキル基、R4は水素原子又はアルキル基、R5は一価炭化水素基、Xはアルキレン基、Yはメチレン、エチレン又はイソプロピリデン基、Zはアルキレン基、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。n=1又は2、R1〜R5、X、Y及びZは炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【効果】本発明の重合体を含有するレジスト材料は、高感度で高解像性を有し、特に超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(1)特定の構造を有する新規な重合性酸不安定エステル化合物、(2)この重合性エステル化合物を原料とした、微細加工技術に適したレジスト材料のベース樹脂として有用かつ新規な重合体、(3)この重合体を含有するポジ型化学増幅レジスト材料及び(4)このレジスト材料を用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。微細化が急速に進歩した背景には、投影レンズの高NA化、レジスト材料の性能向上、短波長化が挙げられる。特にi線(365nm)からKrF(248nm)への短波長化は大きな変革をもたらし、0.18μmルールのデバイスの量産も可能となった。レジスト材料の高解像度化、高感度化に対して、酸を触媒とした化学増幅ポジ型レジスト材料(特許文献1,2:特公平2−27660号公報、特開昭63−27829号公報等に記載)は、優れた特徴を有するもので、遠紫外線リソグラフィーに特に主流なレジスト材料となった。
【0003】
KrFエキシマレーザー用レジスト材料は、一般的に0.3μmプロセスに使われ始め、0.25μmルールを経て、現在0.18μmルールの量産化への適用、更に0.15μmルールの検討も始まっており、微細化の勢いはますます加速されている。KrFからArF(193nm)への波長の短波長化は、デザインルールの微細化を0.13μm以下にすることが期待されるが、従来用いられてきたノボラックやポリビニルフェノール系の樹脂は193nm付近に非常に強い吸収を持つため、レジスト用のベース樹脂として用いることができない。透明性と、必要なドライエッチング耐性の確保のため、アクリル系樹脂やシクロオレフィン系の樹脂が検討された(特許文献3〜6:特開平9−73173号公報、特開平10−10739号公報、特開平9−230595号公報、国際公開第97/33198号パンフレット)。
【0004】
特にその中でも、解像性が高い(メタ)アクリルベース樹脂のレジスト材料が検討されている。(メタ)アクリル樹脂としては、特許文献7:特開平9−90637号公報に挙げられる酸不安定基ユニットとしてメチルアダマンタンエステルを持つ(メタ)アクリルと密着性基ユニットとしてラクトン環のエステルを持つ(メタ)アクリルとの組み合せが提案されている。また、特許文献8:特開2000−327633号公報にはエキソ体を有する酸不安定基が紹介されている。このものは、酸脱離性が高く、酸脱離における活性化エネルギーが低いために、高い解像性と低いポストエクスポージャベーク(PEB)依存性を得ることができる。更に、エッチング耐性を強化させた密着性基として、特許文献9,10:特開2000−26446号公報、特開2000−159758号公報に挙げられるノルボルナンラクトンが提案されている。これらの検討により、ArFレジストの解像性が大幅に向上してきた。
【0005】
一方で、ArFリソグラフィーにおける大きな課題として、微細パターンでの、優れた解像性と、より小さいパターン粗密寸法差(I/Gバイアス)の両立が挙げられる。優れた解像性のみ、あるいは良好なI/Gバイアスのみであれば従来技術によってもある程度達成可能であったが、両者を高いレベルで両立させることは非常に困難であった。
【0006】
ここで、一般的に、ArFレジスト用樹脂はアルカリ溶解性基であるカルボキシル基を酸不安定基で保護した構造を有し、この酸不安定基が酸の作用により脱保護(酸分解)されカルボキシル基を生じることにより、樹脂がアルカリ現像液可溶となる。例えば、酸不安定基としてより高反応性のものを選択することにより、解像性に関しては有利な方向となる場合があるが、一方で酸分解反応時の酸拡散が過大となることによりI/Gバイアスは逆に劣化傾向となるなど、高いレベルでの両者の両立は非常に困難であった。
【0007】
【特許文献1】特公平2−27660号公報
【特許文献2】特開昭63−27829号公報
【特許文献3】特開平9−73173号公報
【特許文献4】特開平10−10739号公報
【特許文献5】特開平9−230595号公報
【特許文献6】国際公開第97/33198号パンフレット
【特許文献7】特開平9−90637号公報
【特許文献8】特開2000−327633号公報
【特許文献9】特開2000−26446号公報
【特許文献10】特開2000−159758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、微細パターン形成時に、解像性とI/Gバイアスとを高いレベルで両立させることが可能であり、特に超LSI製造用あるいはフォトマスクパターン作製における微細パターン形成材料として好適な化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として有用な重合体及びその原料となる新規な重合性エステル化合物、並びにポジ型化学増幅レジスト材料及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、後述の方法により工業的に製造可能な特定構造の酸不安定エステル体を構成単位として有する重合体をベース樹脂としてレジスト材料に配合することにより、ラインアンドスペースパターンとコンタクトホールパターンのいずれにおいても、優れた解像性と良好なI/Gバイアスとの両立が可能となる効果を見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、下記の、特定構造の新規な重合性酸不安定エステル化合物、この重合性エステル化合物を原料とした、微細加工技術に適したレジスト材料のベース樹脂として有用な重合体、この重合体を含有するポジ型化学増幅レジスト材料、及びパターン形成方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで示される、構造上β−脱離による酸分解を起こさないことを特徴とする重合性酸不安定エステル化合物。
【化1】

(式中、A1は炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を表す。R1はそれぞれ独立に水素原子又は−C−(R53を表す。R2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の一価炭化水素基を表す。あるいは、任意のR5同士が互いに結合してそれらの結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R5は炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。n=1又は2である。上記R1〜R5、X、Y及びZは炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
請求項2:
下記一般式(5)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化2】

(式中、R2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。上記R2及びXは、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
請求項3:
下記一般式(6)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化3】

(式中、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。n=1又は2である。上記R3及びR4は炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
請求項4:
下記一般式(7)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化4】

(式中、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。上記R3、R4及びYは、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
請求項5:
下記一般式(8)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化5】

(式中、R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、R4同士は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。上記R4及びZは、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
請求項6:
少なくとも請求項1乃至5のいずれか1項記載の重合性酸不安定エステル化合物から得られる繰り返し単位を含有し、重量平均分子量2,000〜100,000であることを特徴とする重合体。
請求項7:
更に、下記一般式(R1)で示されるいずれかの繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項6記載の重合体。
【化6】

(式中、R001は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はCH2CO2003を示す。R002は、水素原子、メチル基又はCO2003を示す。R003は、炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R004は、水素原子、又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示す。R005〜R008の少なくとも1個はカルボキシ基又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R005〜R008は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R009は、炭素数3〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示す。R010〜R013の少なくとも1個は炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R010〜R013は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR010〜R013の少なくとも1個は炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R014は、炭素数7〜15の多環式炭化水素基又は多環式炭化水素基を含有するアルキル基を示す。R015は、酸不安定基を示す。a1’、a2’、b1’、b2’、c1’、c2’、d1’、d2’、e’は0以上1未満の数であり、それぞれに対応する繰り返し単位の重合体中の全繰り返し単位に占める比率を示す。kは、0又は1である。)
請求項8:
一般式(1)〜(8)で示されるいずれかの重合性酸不安定エステル化合物から得られる繰り返し単位のモル分率が5%〜70%であることを特徴とする請求項6又は7記載の重合体。
請求項9:
請求項6,7又は8記載の重合体をベース樹脂として含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
請求項10:
(A)請求項6,7又は8記載の重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
請求項11:
(A)請求項6,7又は8記載の重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
(D)感度調整剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
請求項12:
(A)請求項6,7又は8記載の重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
(D)感度調整剤
(E)界面活性剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
請求項13:
請求項9乃至12のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【0011】
なお、本発明のレジスト材料は、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。液浸リソグラフィーは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に液浸媒体を挿入して露光する。ArF液浸リソグラフィーにおいては、液浸媒体として主に純水が用いられる。NAが1.0以上の投影レンズと組み合わせることによって、ArFリソグラフィーを65nmノード以降まで延命させるための重要な技術であり、開発が加速されている。
【0012】
また、本発明のレジスト材料は、種々のシュリンク方法によって現像後のパターン寸法を縮小することができる。例えば、サーマルフロー、RELACS、SAFIRE、WASOOMなど既知の方法によりホールサイズをシュリンクすることができる。特にポリマーTgが低い水素化ROMPポリマー(シクロオレフィン開環メタセシス重合体水素添加物)などをブレンドした場合、サーマルフローによりホールサイズを効果的に縮小することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の重合体を含有するレジスト材料は、高感度で高解像性を有し、優れた解像性と良好なI/Gバイアスとの両立が可能であるため、特に超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。ここで、以下の化学式において化学構造上、エナンチオ異性体(Enantiomer)あるいは、ジアステレオ異性体(Diastereomer)が存在し得るものが多数あるが、特に記載がない限り、いずれの場合も各化学式はこれらの立体異性体の全てを代表して表すものとする。また、これらの立体異性体は、単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0015】
本発明の重合性酸不安定エステル化合物は、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで示され、構造上β−脱離による酸分解を起こさないことを特徴とする。
【0016】
【化7】

(式中、A1は炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を表す。R1はそれぞれ独立に水素原子又は−C−(R53を表す。R2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の一価炭化水素基を表す。あるいは、任意のR5同士が互いに結合してそれらの結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R5は炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。n=1又は2である。上記R1〜R5、X、Y及びZは炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【0017】
従来、ArFレジスト樹脂中のカルボン酸の酸不安定保護基としては、2−メチル−2−アダマンチル基などの三級アルキル基、あるいはアセタール型のものとして1−エトキシエチル基、シクロヘキシルオキシメチル基などが提案されてきたが、下図に示すように、これらはいずれも一つ以上のβ−水素を有するため、β−脱離機構による酸分解(脱保護)が可能であり、主にこのような経路での分解が予想される。ここで、本明細書中では、酸素原子に結合した炭素原子(α−炭素)に隣接した炭素原子をβ−炭素、このβ−炭素に結合した水素原子をβ−水素とよぶ。
【0018】
【化8】

(式中、A2はポリマー主鎖に連結した一価の基を表す。)
【0019】
一方、本発明の重合性酸不安定エステル化合物の場合、(1)及び(2)においては脱離に関与すべきβ−水素がそもそも全く存在しない。(3)及び(4)においては、β−水素は存在してもよいが特殊なビシクロ環構造を有するため、転位反応による炭素骨格の変化が生じない限りは、ブレット則(Bredt’s rule)上β−脱離による二重結合形成が不可能である。従って、理論的に(1)〜(4)のいずれも、構造上β−脱離による酸分解を起こすことができない。
【0020】
このことは、ポジ型化学増幅レジスト解像の鍵となる化学反応である、酸不安定基の脱保護反応のメカニズムが従来のレジスト材料と本発明のレジスト材料で大きく異なっていることを示唆しており、この差異こそが既存のレジスト材料では達成困難であった高解像性とI/Gバイアスの両立に対して大きな効果を与えたものと考えられる。
【0021】
上記一般式(1)〜(4)中、A1は炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を表し、下記に例示する基のいずれかであることが好ましいが、これらに限定されない。図中の破線は結合位置を表し、以下同様である。
【0022】
【化9】

【0023】
1はそれぞれ独立に水素原子又は−C−(R53を表す。R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の一価炭化水素基を表す。あるいは、任意のR5同士が互いに結合してそれらの結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R5は炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R5は炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含まない。R1が−C−(R53である場合の具体例として、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基を例示できるが、これらに限定されない。R1は好ましくは水素原子である。
【0024】
2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表し、炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含まない。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基を例示できるが、これらに限定されない。R2は好ましくはメチル基又はエチル基である。
【0025】
3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表し、水素原子であることはない。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R3及びR4は、炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含まない。
【0026】
3及びR4の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基を例示できるが、これらに限定されない。任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4が互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する場合、形成される脂肪族炭化水素環として、具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ビシクロ[3.3.0]オクタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、及びこれらのアルキル置換体を例示できるが、これらに限定されない。
【0027】
Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。Xが両端で結合する炭素原子と共に形成する脂肪族炭化水素環、即ち下記一般式(9)として具体的には、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルナン環、ビシクロ[3.3.0]オクタン環、ビシクロ[2.2.2]オクタン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、アダマンタン環、デカヒドロナフタレン環、オクタヒドロインデン環、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン環、及びこれらのアルキル置換体を例示できるが、これらに限定されない。
【0028】
【化10】

【0029】
上記式(3)において、Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。Yは好ましくはメチレン基である。
【0030】
Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成し、炭素原子、水素原子以外のヘテロ原子を含まない。Zが両端で結合する3炭素鎖と共に形成する4〜7員環、即ち上記一般式(4)中の部分構造である下記一般式(10)は、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、及びこれらのアルキル置換体である。
【0031】
【化11】

【0032】
n=1又は2である。
【0033】
なお、上記一般式(1)〜(4)で示される重合性酸不安定エステル化合物をArFレジストに適用する場合においては、上記R1〜R5、X、Y及びZは、ArFエキシマレーザーの波長193nmにおける光吸収の観点から、二重結合を含まないことが望ましい。
【0034】
上記一般式(1)〜(4)で示される重合性酸不安定エステル化合物は、いずれも脂環構造を有しており、本発明のレジスト材料のエッチング耐性向上にも寄与していると考えられる。
【0035】
上記一般式(1)で示される重合性酸不安定エステル化合物として具体的には、後述の一般式(5)で示される重合性酸不安定エステル化合物の例に加え、以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0036】
【化12】

【0037】
上記一般式(2)で示される重合性酸不安定エステル化合物として具体的には、後述の一般式(6)で示される重合性酸不安定エステル化合物の例に加え、以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0038】
【化13】

【0039】
上記一般式(3)で示される重合性酸不安定エステル化合物として具体的には、後述の一般式(7)で示される重合性酸不安定エステル化合物の例に加え、以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0040】
【化14】

【0041】
上記一般式(4)で示される重合性酸不安定エステル化合物として具体的には、後述の一般式(8)で示される重合性酸不安定エステル化合物の例に加え、以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0042】
【化15】

【0043】
上記一般式(1)〜(4)で示される本発明の重合性酸不安定エステル化合物は、それぞれ下記一般式(5)〜(8)で示される構造であることがより好ましい。
【0044】
【化16】

(式中、R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2〜R4、X、Y、Z、nは上記と同様である。)
【0045】
6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R6が水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であることにより、一般式(5)〜(8)で示される重合性酸不安定エステル化合物に高いラジカル重合性が付与され、各用途に最適な種々のレジスト材料のベース樹脂となる多種多様な重合体の製造が可能となるものである。
【0046】
上記一般式(5)で示される重合性酸不安定エステル化合物として、具体的には以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。

(式中、R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
【0047】
上記一般式(6)で示される重合性酸不安定エステル化合物として、具体的には以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0048】
【化17】

(式中、R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
【0049】
上記一般式(7)で示される重合性酸不安定エステル化合物として、具体的には以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0050】
【化18】

(式中、R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
【0051】
上記一般式(8)で示される重合性酸不安定エステル化合物として、具体的には以下の化合物を例示できるが、これらに限定されない。
【0052】
【化19】

(式中、R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。)
【0053】
本発明の重合性酸不安定エステル化合物は前記一般式(1)〜(8)で表され、その製造においては各構造に応じて適切な製造法を選択することが好ましい。具体的には、例えば以下に示す2段階の合成法により製造できるが、本発明においてはこの方法に限定されるものではない。以下、代表して、下記に図示する一般式(1)〜(4)で表される本発明の重合性酸不安定エステル化合物の場合について詳しく説明する。
【0054】
【化20】

(上式中、A1は炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を表す。R1はそれぞれ独立に水素原子又は−C−(R53を表す。R2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の一価炭化水素基を表す。あるいは、任意のR5同士が互いに結合してそれらの結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R5は炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。n=1又は2である。上記R1〜R5、X、Y及びZは炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【0055】
まず、第1段階の反応は上図中「step A」で示されるアルコール化合物(9)〜(12)、R12COで示されるカルボニル化合物もしくはその等価体、塩化水素との反応であって、一般式(13)〜(16)で示される1−クロロアルキルエーテル化合物を与える。
【0056】
上記「step A」で示される反応に用いられるカルボニル化合物もしくはその等価体として、具体的には、ホルムアルデヒド、ピバルアルデヒド、1−アダマンタンカルバヒデヒドなどのアルデヒド化合物、ジt−ブチルケトンなどのケトン化合物、パラホルムアルデヒド、1,3,5−トリオキサンなどのカルボニル化合物等価体を例示できる。カルボニル化合物もしくはその等価体の使用量は、原料であるアルコール化合物1モルに対し0.5〜10モル、特に1.0〜2.0モルとすることが好ましい。0.5モル未満の使用では原料が大量に残存するため収率が大幅に低下する場合があり、10モルを超えた使用では副反応が顕著となり収率及び得られる1−クロロアルキルエーテル化合物の純度が低下する場合がある。
【0057】
上記「step A」で示される反応に用いられる溶媒としてはトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒類から選択して単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
【0058】
上記付加反応の反応温度は−70℃から使用する溶媒の沸点程度が好ましく、反応条件により適切な反応温度を選べるが、通常−20〜20℃が特に好ましい。反応温度が高くなるほど副反応が顕著になるため、現実的速度で反応が進行する範囲のなるべく低温で反応を行うことが高収率を達成するために重要である。上記反応の反応時間は収率向上のため薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどにより反応の進行を追跡して決定することが好ましいが、通常30分〜20時間程度である。反応は、原料アルコールとカルボニル化合物もしくはその等価体と溶媒の混合物に塩化水素ガスを通じることにより行われる。反応終了後は、必要に応じて過剰の塩化水素ガスを除いた後、通常の水系後処理(aqueous work−up)により目的物(13)〜(16)の1−クロロアルキルエーテル化合物を得る。目的物(13)〜(16)は個々の物性に応じて再結晶、クロマトグラフィー、蒸留などの常法により精製することが可能である。あるいは、反応液より必要に応じて水層の分液除去を行い、更なる精製なしで次工程に用いることも可能であり、工程簡略化による製造コスト削減の観点から、より好ましい。
【0059】
第2段階の反応は上記「step B」で示され、1−クロロアルキルエーテル化合物(13)〜(16)とA1CO2-・M+で示されるカルボン酸塩化合物を用いたエステル化反応であり、カルボン酸塩と1−クロロアルキルエーテル化合物を用いたエステル化反応の常法に従って行うことができるA1CO2-・M+で示されるカルボン酸塩化合物としては、各種カルボン酸金属塩などの市販のカルボン酸塩化合物をそのまま用いてもよいし、カルボン酸(A1CO2H)と塩基より反応系内でカルボン酸塩化合物を調製して用いてもよい。A1CO2-・M+で示されるカルボン酸塩化合物の使用量は、原料であるアルコール化合物1モルに対し0.5〜10モル、特に1.0〜3.0モルとすることが好ましい。0.5モル未満の使用では原料が大量に残存するため収率が大幅に低下する場合があり、10モルを超えた使用では使用原料費の増加、釜収率の低下などによりコスト面で不利となる場合がある。カルボン酸(A1CO2H)と塩基より反応系内でカルボン酸塩化合物を調製する場合に用いることができる塩基としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化物類;炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩類;ナトリウムなどの金属類;水素化ナトリウムなどの金属水素化物;ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシドなどの金属アルコキシド類;ブチルリチウム、臭化エチルマグネシウムなどの有機金属類;リチウムジイソプロピルアミドなどの金属アミド類、から選択して単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。塩基の使用量は、カルボン酸(A1CO2H)1モルに対し0.2〜10モル、特に0.5〜2.0モルとすることが好ましい。0.2モル未満の使用では大量のカルボン酸が無駄になるためコスト面で不利になる場合があり、10モルを超えた使用では副反応の増加により収率が大幅に低下する場合がある。
【0060】
上記「step B」で示される反応に用いられる溶媒としてはトルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、2−ブタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセトニトリルなどの二トリル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒;水から選択して単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。反応には、触媒として、硫酸水素テトラブチルアンモニウムなどの相関移動触媒を添加してもよい。その場合の相関移動触媒の添加量は原料であるアルコール化合物1モルに対し0.0001〜1.0モル、特に0.001〜0.5モルとすることが好ましい。0.0001モル未満の使用では添加効果が得られない場合があり、1.0モルを超えた使用では原料費の増加によりコスト面で不利となる場合がある。
【0061】
上記エステル化反応の反応温度は−70℃から使用する溶媒の沸点程度が好ましく、反応条件により適切な反応温度を選べるが、通常0℃から使用する溶媒の沸点程度が特に好ましい。反応温度が高くなると副反応が顕著になる場合があるため、現実的速度で反応が進行する範囲のなるべく低温で反応を行うことが高収率を達成するために重要である。上記反応の反応時間は収率向上のため薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなどにより反応の進行を追跡して決定することが好ましいが、通常30分〜40時間程度である。反応は原料1−クロロアルキルエーテル化合物(13)〜(16)とカルボン酸塩化合物を溶媒中混合することにより行われる。反応終了後は、通常の水系後処理(aqueous work−up)、もしくは反応で生じた塩のろ別・溶媒除去により目的物(1)〜(4)の重合性酸不安定エステル化合物を得る。目的物(1)〜(4)は個々の物性に応じてクロマトグラフィー、蒸留、再結晶、などの常法により精製することが可能である。
【0062】
本発明の重合体は、少なくとも上記式(1)〜(8)いずれかの重合性酸不安定エステル化合物から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算重量平均分子量は2,000〜100,000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量が2,000未満では、成膜性、解像性及び耐熱性に劣る場合があり、100,000を超えると現像液溶解性が低下し解像性に劣る、もしくは多数の現像欠陥が発生する場合がある。重合体の重量平均分子量は、重合及び精製の処方を適切に選択することにより任意に調整可能である。
【0063】
この場合、本発明の重合体の繰り返し単位は、下記式(1a)〜(4a)、特に式(5a)〜(8a)の通りである。
【化21】

【0064】
ここで、A2は下記の基から選ぶことができる。
【化22】

1〜R4、R6、X、Y、Z、nは上記と同様である。鎖線は結合位置を示す。
【0065】
更に、本発明の重合体においては、分散度(Mw/Mn)が過大である場合は、低分子量や高分子量のポリマーが存在するために、露光後、パターン上に異物が見られたり、パターンの形状が悪化したりする場合がある。それ故、パターンルールが微細化するに従ってこのような分子量、分散度の影響が大きくなりやすいことから、微細なパターン寸法に好適に用いられるレジスト材料を得るには、使用する多成分共重合体の分散度は1.0〜5.0、特に1.0〜2.5であることが好ましい。
【0066】
本発明の重合体の合成は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合などの常法により行うことができるが、中でもラジカル重合が最も好ましい。具体的には、単量体として上記式(1)〜(8)いずれかの重合性酸不安定エステル化合物を、他の共単量体と共に、溶媒中、ラジカル開始剤を加えて反応することによりラジカル重合を行い、重合体を得ることができる。
【0067】
重合時に使用する溶媒としてはトルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸1−メトキシ−2−プロピル、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等が例示でき、これらを単独又は混合して用いることができる。
【0068】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等が例示でき、好ましくは40℃から使用する溶媒の沸点に加熱して重合できる。反応時間としては0.5〜100時間、好ましくは1〜30時間である。
【0069】
反応に際しては、必要に応じてオクタンチオール、2−メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール等のチオール化合物、ジオクチルジスルフィド等のジスルフィド化合物などを連鎖移動剤として添加してもよい。反応は、各単量体、開始剤、溶媒、必要であれば連鎖移動剤の各成分を、全て混合して加熱する方法、少なくとも一種以上の成分を加熱した反応液に、少なくとも一種以上の成分を各々単独もしくは混合してフィードしながら加熱する方法、のいずれかにより行うことが好ましく、反応の暴走を防ぐという安全上の観点から、後者の方法がより好ましい。必要であれば、得られた重合液を貧溶媒に添加するなどの方法により重合体を析出、ろ取を行うことにより、重合体を固形物として取り出すことも可能である。使用する貧溶媒としては、メタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなどの炭化水素類、水、及びこれらを含む混合溶媒を例示できる。
【0070】
本発明の重合体は、上記式(1)〜(4)、特に式(5)〜(8)のいずれかの重合性酸不安定エステル化合物から得られる繰り返し単位に加え、更に、下記一般式(R1)で示されるいずれかの繰り返し単位を少なくとも一種以上含有することがより好ましい。
【0071】
【化23】

(式中、R001は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はCH2CO2003を示す。R002は、水素原子、メチル基又はCO2003を示す。R003は、炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R004は、水素原子、又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示す。R005〜R008の少なくとも1個はカルボキシ基又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R005〜R008は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R009は、炭素数3〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示す。R010〜R013の少なくとも1個は炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R010〜R013は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR010〜R013の少なくとも1個は炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R014は、炭素数7〜15の多環式炭化水素基又は多環式炭化水素基を含有するアルキル基を示す。R015は、酸不安定基を示す。kは、0又は1である。)
【0072】
ここで、R001は、フッ素原子、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はCH2CO2003を示す。
【0073】
002は、水素原子、メチル基又はCO2003を示す。
【0074】
003は、炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペンタデシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、環状のアルキル基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基及びこれらのアルキルもしくはシクロアルキル置換体を例示できる。
【0075】
004は、水素原子、又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示し、具体的には水素原子、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシブチル、カルボキシシクロペンチル、カルボキシシクロヘキシル、カルボキシノルボルニル、カルボキシアダマンチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシシクロペンチル、ヒドロキシシクロヘキシル、ヒドロキシノルボルニル、ヒドロキシアダマンチル、ジヒドロキシアダマンチル、[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル]ノルボルニル、[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキシル、ビス[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキシル、シアノメチル、シアノエチル、シアノシクロヘキシル、シアノノルボルニル、シアノアダマンチルを例示できるが、これらに限定されない。
【0076】
005〜R008の少なくとも1個はカルボキシ基又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基としては、具体的にはカルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシブチル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、2−カルボキシエトキシカルボニル、4−カルボキシブトキシカルボニル、2−ヒドロキシエトキシカルボニル、4−ヒドロキシブトキシカルボニル、カルボキシシクロペンチルオキシカルボニル、カルボキシシクロヘキシルオキシカルボニル、カルボキシノルボルニルオキシカルボニル、カルボキシアダマンチルオキシカルボニル、ヒドロキシシクロペンチルオキシカルボニル、ヒドロキシシクロヘキシルオキシカルボニル、ヒドロキシノルボルニルオキシカルボニル、ヒドロキシアダマンチルオキシカルボニル、ジヒドロキシアダマンチルオキシカルボニル、3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル、2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル、[3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピル]ノルボルニルオキシカルボニル、[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキシルオキシカルボニル、ビス[2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシ−1−(トリフルオロメチル)エチル]シクロヘキシルオキシカルボニル、シアノ、シアノメチル、シアノエチル、シアノメチルオキシカルボニルを例示できるが、これらに限定されない。
【0077】
005〜R008の炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的にはR003で例示したものと同様のものを例示できる。
【0078】
005〜R008は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとの1種の基を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する二価の炭化水素基としては、具体的には上記含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いた二価の炭化水素基を例示できる。
【0079】
009は、炭素数3〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示し、具体的には2−オキソオキソラン−3−イル、4,4−ジメチル−2−オキソオキソラン−3−イル、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イルを例示できるが、これらに限定されない。
【0080】
010〜R013の少なくとも1個は炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基としては、具体的にはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2−オキソオキソラン−3−イルオキシカルボニル、4,4−ジメチル−2−オキソオキソラン−3−イルオキシカルボニル、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イルオキシカルボニル、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イルメチルオキシカルボニル、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イルオキシカルボニルを例示できるが、これらに限定されない。炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、具体的にはR003で例示したものと同様のものを例示できる。
【0081】
010〜R013は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR010〜R013の少なくとも1個は炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する二価の炭化水素基としては、具体的には1−オキソ−2−オキサプロパン−1,3−ジイル、1,3−ジオキソ−2−オキサプロパン−1,3−ジイル、1−オキソ−2−オキサブタン−1,4−ジイル、1,3−ジオキソ−2−オキサブタン−1,4−ジイル等の他、上記−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いた二価の炭化水素基等を例示できる。
【0082】
014は、炭素数7〜15の多環式炭化水素基又は多環式炭化水素基を含有するアルキル基を示し、具体的にはノルボルニル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、アダマンチル、デカヒドロナフタレニル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチル、及びこれらのアルキルもしくはシクロアルキル置換体を例示できる。
【0083】
015は、酸不安定基を示す。R015の酸不安定基としては、種々用いることができるが、後述する光酸発生剤から発生する酸によって脱保護される基であり、従来からレジスト材料、特に化学増幅レジスト材料において使用される公知のいずれの酸不安定基であってもよいが、具体的には下記一般式(L1)〜(L4)で示される基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
【0084】
【化24】

【0085】
ここで、破線は結合手を示す。式中、RL01、RL02は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基を例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい一価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては上記RL01、RL02と同様のものが例示でき、置換アルキル基としては下記の基等を例示できる。
【0086】
【化25】

【0087】
L01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合にはRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
【0088】
L04は炭素数4〜20、好ましくは炭素数4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(L1)で示される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)プロパン−2−イル基、2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、8−メチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、8−エチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、3−メチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル、3−エチル−3−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示できる。yは0〜6の整数である。
【0089】
L05は炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、置換されていてもよいアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの、又はこれらのメチレン基の一部が酸素原子又は硫黄原子に置換されたもの等が例示でき、置換されていてもよいアリール基としては、具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等が例示できる。式(L3)において、mは0又は1、nは0,1,2,3のいずれかであり、2m+n=2又は3を満足する数である。
【0090】
L06は炭素数1〜10の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはRL05と同様のもの等が例示できる。RL07〜RL16はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の一価の炭化水素基を示し、具体的には水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示できる。RL07〜RL16は互いに結合して環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には炭素数1〜15の二価の炭化水素基を示し、具体的には上記一価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等が例示できる。また、RL07〜RL16は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15等)。
【0091】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
【0092】
【化26】

【0093】
上記式(L1)で示される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
【0094】
上記式(L2)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
【0095】
上記式(L3)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−シクロヘキシルシクロペンチル、1−(4−メトキシブチル)シクロペンチル、1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)シクロペンチル、1−(7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、1−メチル−2−シクロペンテニル、1−エチル−2−シクロペンテニル、1−メチル−2−シクロヘキセニル、1−エチル−2−シクロヘキセニル等が例示できる。
【0096】
上記式(L4)の酸不安定基としては、下記式(L4−1)〜(L4−4)で示される基が特に好ましい。
【0097】
【化27】

【0098】
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)中、破線は結合位置及び結合方向を示す。RL41はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
【0099】
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)には、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在しえるが、前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、これらの立体異性体の全てを代表して表す。これらの立体異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0100】
例えば、前記一般式(L4−3)は下記一般式(L4−3−1)、(L4−3−2)で示される基から選ばれる1種又は2種の混合物を代表して表すものとする。
【0101】
【化28】

【0102】
また、上記一般式(L4−4)は下記一般式(L4−4−1)〜(L4−4−4)で示される基から選ばれる1種又は2種以上の混合物を代表して表すものとする。
【0103】
【化29】

【0104】
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)は、それらのエナンチオ異性体及びエナンチオ異性体混合物をも代表して示すものとする。
【0105】
なお、式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)、及び式(L4−4−1)〜(L4−4−4)の結合方向がそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される(特開2000−336121号公報参照)。これらビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する三級exo−アルキル基を置換基とする単量体の製造において、下記一般式(L4−1−endo)〜(L4−4−endo)で示されるendo−アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50%以上であることが好ましく、exo比率が80%以上であることが更に好ましい。
【0106】
【化30】

【0107】
上記式(L4)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
【0108】
【化31】

【0109】
また、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、具体的にはRL04で挙げたものと同様のもの等が例示できる。
【0110】
016は水素原子又はメチル基を示す。R017は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。
【0111】
a1’、a2’、b1’、b2’、c1’、c2’、d1’、d2’、e’は0以上1未満の数であり、それぞれに対応する繰り返し単位の重合体中の全繰り返し単位に占める比率を示す。
【0112】
各繰り返し単位は、2種類以上を同時に導入してもよい。各繰り返し単位として複数の単位を用いることにより、レジスト材料とした際の性能を調整することができる。
【0113】
上記式(R1)において組成比a1’で導入される繰り返し単位から1種以上を選択して重合体に導入することにより、酸拡散長、現像液親和性、接触角などの性質を調整することができる。具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0114】
【化32】

【0115】
【化33】

【0116】
上記式(R1)において組成比b1’で導入される繰り返し単位から1種以上を選択して重合体に導入することにより、レジストパターンの基板密着性を向上することができる。具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
【化34】

【0118】
【化35】

【0119】
【化36】

【0120】
上記式(R1)において組成比d1’で導入される繰り返し単位から1種以上を選択して重合体に導入することにより、溶解コントラストなどの性質を調整することができる。具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0121】
【化37】

【0122】
【化38】

【0123】
【化39】

【0124】
【化40】

【0125】
【化41】

【0126】
更に、本発明の重合体は下記一般式(R2)で示されるいずれかの繰り返し単位を含有してもよい。
【0127】
【化42】

(式中、R015は前記と同様である。R016は水素原子又はメチル基を示す。R017は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。f’、g’、h’、i’、j’、o’、p’は0以上1未満の数であり、それぞれに対応する繰り返し単位の重合体中の全繰り返し単位に占める比率を示す。x’、y’、z’は0〜3の整数であり、1≦x’+y’+z’≦5、1≦y’+z’≦3を満足する。)
【0128】
本発明の重合体において、前記一般式(1a)〜(8a)で示される繰り返し単位のモル分率は5%以上70%以下であることが好ましい。5%未満では重合体への導入効果が現れない場合があり、70%を超えると酸拡散長過大となって解像性が劣化する場合がある。
【0129】
上記一般式(1a)〜(8a)で表される繰り返し単位は、重合体中に1種又は2種以上含まれていてもよい。
【0130】
本発明の高分子化合物において、各単量体から得られる各繰り返し単位の好ましい含有割合は、例えば以下に示す範囲(モル%)とすることができるが、これに限定されるものではない。
(I)上記式(1)〜(4)の単量体に基づく式(1a)〜(4a)、特に式(5)〜(8)の単量体に基づく式(5a)〜(8a)で示される構成単位の1種又は2種以上を5モル%以上70モル%以下、好ましくは10〜50モル%含有し、
(II)上記式(R1)で示される構成単位の1種又は2種以上を0モル%以上95モル%以下、好ましくは5〜90モル%、より好ましくは10〜80モル%含有し、必要に応じ、
(III)その他の単量体に基づく構成単位(式(R2)の単位)の1種又は2種以上を0〜95モル%、好ましくは0〜90モル%、より好ましくは0〜80モル%含有することができる。
なお、式(R1)の繰り返し単位のうちでは、導入率a1’及びb1’として示される繰り返し単位を用いることが好ましい。
【0131】
本発明の重合体は、化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として好適に用いることができる。この場合、本発明の重合体をベース樹脂として使用するに際し、繰り返し単位種、組成比率、分子量、分散度が異なる2つ以上の重合体をブレンドすることも可能である。本発明の重合体は、従来提案されてきた重合体、即ちポリ(メタ)アクリレート共重合体、ポリ(メタ)アクリレート/ビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(VEMA)、シクロオレフィン/無水マレイン酸共重合体(COMA)、ポリノルボルネン、シクロオレフィン開環メタセシス重合体水素添加物(Hydrogenated ROMP)とブレンドして用いることができる。特に、シクロオレフィン単量体を用いるシクロオレフィン/無水マレイン酸共重合体(COMA)、ポリノルボルネン、シクロオレフィン開環メタセシス重合体水素添加物(Hydrogenated ROMP)等はエッチング耐性が高く、PEB温度が変化したときのパターン寸法変化(PEB温度依存性)が小さい特徴があり、高解像な本発明の(メタ)アクリレートポリマーとブレンドすることによって、高解像でしかもエッチング耐性が高いレジスト材料にすることができる。上記のシクロオレフィン単量体を用いた重合体の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
【0132】
【化43】

【0133】
本発明の重合体は、化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として好適に用いられ、本発明は、上記重合体を含有するポジ型レジスト材料を提供する。この場合、レジスト材料としては、
(A)上記重合体を含むベース樹脂、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
更に、必要に応じて、
(D)感度調整剤、
(E)界面活性剤
を含有するものが好ましい。
【0134】
上記(A)成分のベース樹脂として、本発明の重合体以外に、必要に応じて酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する公知の他の樹脂を加えてもよいが、本発明の重合体はベース樹脂全体の10〜100質量%、より好ましくは30〜100質量%、更に好ましくは40〜100質量%であることが好ましい。
【0135】
本発明で使用される(B)成分の光酸発生剤は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもよく、従来からレジスト材料、特に化学増幅レジスト材料で用いられている公知のいずれの光酸発生剤であってもよい。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するが、これらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0136】
スルホニウム塩は、スルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、パーフルオロ−1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
【0137】
ヨードニウム塩は、ヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、パーフルオロ−1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
【0138】
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル−カルボニルジアゾメタンが挙げられる。
【0139】
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
【0140】
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレートベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
【0141】
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基の全てをトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
【0142】
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
【0143】
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
【0144】
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤は、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載の化合物を挙げることができ、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2、2、2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2、2、2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0145】
また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の(5−(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(2,5−ビス(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0146】
米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(メチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニル−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−10−カンホリルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(フェニル)−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、1,3−ビス[1−(4−フェノキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンオキシム−O−スルホニル]フェニル、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルカルボニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メトキシカルボニルメトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)−フェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[2−チオフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、及び2,2,2−トリフルオロ−1−[1−ジオキサ−チオフェン−2−イル]]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(トリフルオロメタンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−プロパンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ブタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−ブタンスルホネート)等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0147】
特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報あるいは文中の従来技術として記載のオキシムスルホネートとして、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0148】
下記式で示されるオキシムスルホネート(例えばWO2004/074242に具体例記載)、
【0149】
【化44】

(式中、RS1は置換又は非置換の炭素数1〜10のハロアルキルスルホニル、又はハロベンゼンスルホニル基を表す。RS2は炭素数1〜11のハロアルキル基を表す。ArS1は置換又は非置換の芳香族基又はヘテロ芳香族基を表す。)
【0150】
具体的には、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−4−ビフェニルなどが挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0151】
また、ビスオキシムスルホネートとして特開平9−208554号公報記載の化合物、特にビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられ、更に上記骨格に2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、アダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ[b]フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホネート、4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネートを置換した化合物が挙げられる。
【0152】
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート、グリオキシム誘導体である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネートである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tertブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−1−ブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−1−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(ピバロイルオキシ)プロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ) −1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(2−ナフトイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウムアダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(ピバロイルオキシ)プロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム2−(2−ナフトイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムアダマンタンメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム1−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン)メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ1,3−プロピレンビススルホニルイミド、トリフェニルスルホニウムビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(2−(シクロヘキサンカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン等が挙げられる。
【0153】
本発明の化学増幅型レジスト材料における光酸発生剤の添加量はいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100質量部中0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。光酸発生剤の割合が多すぎる場合には解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記光酸発生剤は単独でも2種以上混合して用いることができる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
【0154】
なお、光酸発生剤を2種以上混合して用い、一方の光酸発生剤がいわゆる弱酸を発生するオニウム塩である場合、酸拡散制御の機能を持たせることもできる。
【0155】
即ち、強酸(フッ素置換されたスルホン酸)を発生する光酸発生剤と弱酸(フッ素置換されていないスルホン酸)を発生するオニウム塩を混合して用いた場合、高エネルギー線照射により光酸発生剤から生じた強酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると塩交換により弱酸を放出し強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
【0156】
ここで強酸を発生するオニウム塩と弱酸を発生するオニウム塩を混合して用いた場合、上記のように強酸が弱酸に交換することはできるが、弱酸は未反応の強酸を発生するオニウム塩と衝突して塩交換を行うことはできない。これらはオニウムカチオンがより強酸のアニオンとイオン対を形成しやすいとの現象に起因する。
【0157】
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
【0158】
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル2−メチル2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)1,3−ジオキソラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
【0159】
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100質量部中2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。
【0160】
本発明で使用される(C)成分の有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチル−2−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert―ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ―ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0161】
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対して200〜1,000質量部、特に400〜800質量部が好適である。
【0162】
更に、本発明のレジスト材料には、(D)成分の感度調整剤として、含窒素有機化合物を1種又は2種以上配合することができる。
【0163】
含窒素有機化合物としては、光酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。含窒素有機化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
【0164】
このような含窒素有機化合物としては、レジスト材料、特に化学増幅レジスト材料において従来から用いられている公知のいずれの含窒素有機化合物であってもよく、例示すると、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類、アンモニウム塩類等が挙げられる。
【0165】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0166】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0167】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1−シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N−t−ブトキシカルボニル−N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
【0168】
アンモニウム塩類としては、ピリジニウム=p−トルエンスルホナート、トリエチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、トリオクチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、トリエチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、トリオクチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、トリエチルアンモニウム=カンファースルホナート、トリオクチルアンモニウム=カンファースルホナート、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラブチルアンモニウムヒドロキサイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラメチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、テトラブチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウム=p−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウム=カンファースルホナート、テトラブチルアンモニウム=カンファースルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウム=カンファースルホナート、テトラメチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、テトラブチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウム=2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホナート、酢酸=テトラメチルアンモニウム、酢酸=テトラブチルアンモニウム、酢酸=ベンジルトリメチルアンモニウム、安息香酸=テトラメチルアンモニウム、安息香酸=テトラブチルアンモニウム、安息香酸=ベンジルトリメチルアンモニウム等が例示される。
【0169】
更に下記一般式(B)−1で示される含窒素有機化合物が例示される。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(式中、n=1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X)−1〜(X)−3で表すことができる。
【0170】
【化45】

【0171】
側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。
【0172】
ここでR300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環もいずれかを1あるいは複数含んでいてもよい。
【0173】
303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基であり、R306は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル、エステル基、ラクトン環のいずれかを1あるいは複数含んでいてもよい。)
【0174】
一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトンが例示される。
【0175】
更に下記一般式(B)−2に示される環状構造を持つ含窒素有機化合物が例示される。
【0176】
【化46】

(式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状もしくは分岐状の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよいアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基、スルフィドのいずれかを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
【0177】
式(B)−2として具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチルが例示される。
【0178】
更に、一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物が例示される。
【0179】
【化47】

(式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基である。)
【0180】
式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物として具体的には3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)が例示される。
【0181】
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
【0182】
【化48】

(式中、R310は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、アセタール基のいずれかを1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
【0183】
更に、下記一般式(B)−8で示されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
【0184】
【化49】

(式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。R315は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、シアノ基のいずれかを一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基のいずれかを一つ以上含んでいてもよい。)
【0185】
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で示される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
【0186】
【化50】

(式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R322、R323は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R321とR323は結合してベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
【0187】
更に、下記一般式(B)−11、12、13及び14で示される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【0188】
【化51】

(式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合して、炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0189】
更に、下記一般式(B)−15で示される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
【0190】
【化52】

(式中、R333は水素又は炭素数1〜10の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基であって、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合して、炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
【0191】
なお、含窒素有機化合物の配合量は全ベース樹脂100質量部に対して0.001〜2質量部、特に0.01〜1質量部が好適である。配合量が0.001質量部より少ないと配合効果がなく、2質量部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0192】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に(E)成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、界面活性剤の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0193】
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「KH−20」、「KH−30」(いずれも旭硝子(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0194】
本発明のレジスト材料の基本的構成成分は、上記の重合体、酸発生剤、有機溶剤、感度調整剤、及び界面活性剤であるが、上記成分以外に任意成分として必要に応じて更に、溶解阻止剤、酸性化合物、安定剤、色素などの他の成分を添加してもよい。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0195】
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、特に限定されないが公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができる。集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜、Cr、CrO、CrON、MoSi等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により膜厚が0.05〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレートで上60〜150℃、0.1〜10分間、好ましくは80〜140℃で0.5〜5分間プリベークする。次いで、目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、紫外線、遠紫外線、エキシマレーザー、電子線、X線、γ線、シンクロトロン放射線等から選ばれる光源、好ましくは300nm以下の露光波長で露光量1〜200mJ/cm2、好ましくは10〜100mJ/cm2となるように照射する。露光は通常の露光法の他、必要に応じて投影レンズとレジストの間を水などの液体で満たす液浸露光(Immersion Lithography)を用いることも可能である。液浸露光の場合は、必要に応じて露光前にレジスト上に更にトップコートを塗布した後に露光を行うこと(Top Coat Process)も適用可能である。次いで、ホットプレート上で60〜150℃、0.1〜5分間、好ましくは80〜140℃、0.5〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像して、基板上に目的のパターンが形成される。また必要に応じて現像後に更に加熱処理を行ってパターンサイズの調整を行うこと(thermal flow)も可能である。なお、本発明のレジスト材料は、特に高エネルギー線の中でも260〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、極短紫外線、X線及び電子線による微細パターニングに最適である。
【実施例】
【0196】
以下、合成例、比較合成例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、下記例で、分子量及び分散度はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算の値である。
【0197】
[モノマー合成例]
本発明の重合性酸不安定化合物を以下の用に合成した。
【0198】
[モノマー合成例1]メタクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチル(Monomer1)の合成
【化53】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノール128g、ヘキサン400g、パラホルムアルデヒド36gの混合物に、氷冷、撹拌下、ガスクロマトグラフィー分析により原料のアルコールが消失するまで塩化水素を吹き込んだ。窒素を導入して過剰の塩化水素を追い出した後、水層を分液により除去、硫酸マグネシウムを用いて乾燥後固形物をろ別し、クロロメチル[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]エーテルのヘキサン溶液を得た。
メタクリル酸103gとトルエン400gの混合物に、氷冷、撹拌下、トリエチルアミン116gを添加した。続いて、上記で得たクロロメチル[(1−メチルシクロヘキシル)メチル]エーテルのヘキサン溶液を反応液に滴下、その後、室温にて16時間撹拌した。通常の水系後処理(aqueous work−up)、溶媒留去により粗生成物を得た。減圧蒸留により精製を行い、目的物のメタクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチル204g(収率90%)を得た。
【0199】
[モノマー合成例2]メタクリル酸=[(2−メチル−2−ノルボルニル)メトキシ]メチル(Monomer2)の合成
【化54】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノールの換わりに、等モルの(2−メチル−2−ノルボルニル)メタノールを用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりメタクリル酸=[(2−メチル−2−ノルボルニル)メトキシ]メチルを得た(収率91%)。
二種の立体異性体混合物(異性体比68:32)のIR(薄膜):ν=2956,2871,1725,1637,1452,1322,1297,1186,1159,1147,1099,1006,952,916,813cm-1
二種の立体異性体混合物(異性体比68:32)の1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=0.82(0.68H,dd),0.86(0.32H,dd),0.95−1.05[1.01(0.96H,s),1.02(2.04H,s)を含む3.32H,m],1.10−1.25(2H,m),1.25−1.40(1.68H,m),1.45−1.65(3H,m),1.90−2.05(4H,m),2.10−2.20(1H,m),3.25(0.68H,d),3.38(0.32H,d),3.42(0.68H,d),3.51(0.32H,m).5.34(0.68H,d),5.35(0.32H,d),5.36(0.68H,d),5.39(0.32H,d),5.55−5.65(1H,m),6.15−6.20(1H,m).
【0200】
[モノマー合成例3]メタクリル酸=[(2−メチル−2−アダマンチル)メトキシ]メチル(Monomer3)の合成
【化55】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノールの換わりに、等モルの(2−メチル−2−ノルボルニル)メタノールを用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりメタクリル酸=[(2−メチル−2−アダマンチル)メトキシ]メチルを得た(収率89%)。
IR(薄膜):ν=2994,2912,2863,1725,1637,1479,1465,1454,1411,1321,1295,1168,1141,1095,1006,950,914,813cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=1.08(3H,s),1.50−1.55(6H,m),1.65(2H,m),1.81(2H,m),1.90−2.00(5H,m),2.03(2H,m),3.67(2H,s),5.35(2H,s),5.58(1H,m),6.14(1H,m).
【0201】
[モノマー合成例4]メタクリル酸=[(1R)−endo−フェンキルオキシ]メチル(Monomer4)の合成
【化56】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノールの換わりに、等モルの(1R)−endo−フェンキルアルコール用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりメタクリル酸=[(1R)−endo−フェンキルオキシ]メチルを得た(収率94%)。
IR(薄膜):ν=2956,2929,2873,1724,1639,1459,1452,1411,1375,1322,1297,1153,10971006,952,917,813cm-1
1H−NMR(600MHz in CDCl3):δ=0.84(3H,s),0.90−1.00(1H,m),1.01(3H,s),1.06(3H,s),1.10(1H,dd),1.38(1H,m),1.44(1H,m),1.60−1.75(3H,m),1.95(3H,dd),3.20(1H,d),5.30(1H,d),5.38(1H,d),5.60(1H,dq),6.16(1H,dq).
【0202】
[モノマー合成例5]メタクリル酸=[(2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシルオキシ)メチル](Monomer5)の合成
【化57】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノールの換わりに、等モルの2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキサノールを用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりメタクリル酸=[(2,2,6,6−テトラメチルシクロヘキシルオキシ)メチル]を得た(収率88%)。
【0203】
[モノマー合成例6]メタクリル酸=[(9,9−ジメチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルオキシ)メチル](Monomer6)の合成
【化58】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノールの換わりに、等モルの9,9−ジメチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカノールを用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりメタクリル酸=[(9,9−ジメチル−8−トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルオキシ)メチル]を得た(収率86%)。
【0204】
[モノマー合成例7]メタクリル酸=[(9−ビシクロ[3.3.1]ノニルオキシ)メトキシ]メチル(Monomer7)の合成
【化59】

(1−メチルシクロヘキシル)メタノールの換わりに、等モルの9−ビシクロ[3.3.1]ノナノールを用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりメタクリル酸=[(9−ビシクロ[3.3.1]ノニルオキシ)メトキシ]メチルを得た(収率92%)。
【0205】
[モノマー合成例8]アクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチル(Monomer8)の合成
【化60】

メタクリル酸の換わりに、等モルのアクリル酸を用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりアクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチルを得た(収率81%)。
【0206】
[モノマー合成例9]α−トリフルオロメチルアクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチル(Monomer9)の合成
【化61】

メタクリル酸の換わりに、等モルのα−トリフルオロメチルアクリル酸を用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法によりα−トリフルオロメチルアクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチルを得た(収率73%)。
【0207】
[モノマー合成例10]5−ノルボルネン−2−カルボン酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチル(Monomer10)の合成
【化62】

メタクリル酸の換わりに、等モルの5−ノルボルネン−2−カルボン酸を用いた以外は[モノマー合成例1]と同様の方法により5−ノルボルネン−2−カルボン酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチルを得た(収率92%)。
【0208】
[ポリマー合成例]
本発明の重合体の具体的合成例を以下に示すが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0209】
[ポリマー合成例1]Polymer1の合成
【化63】

2−ブタノン30.0gを80℃に加熱、撹拌し、これに、メタクリル酸=[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]メチル13.9g、メタクリル酸=3−ヒドロキシ−1−アダマンチル10.4g、メタクリル酸=3−オキソ−2−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−9−イル15.7g、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.75g、2−ブタノン60.0gの混合物を4時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。ヘキサン400gを撹拌し、これに反応液を滴下し、生じた沈殿を濾取し、ヘキサンで洗浄後、50℃で18時間減圧乾燥し、目的のポリマー(Polymer 1)32.4g(収率81%)を得た。
分子量(Mw):9,200
分散度(Mw/Mn):2.10
【0210】
[ポリマー合成例2〜10]Polymer2〜6の合成
[ポリマー合成例1]に準じた方法により、下記式に示すPolymer2〜6を得た。
【化64】

【0211】
[比較ポリマー合成例1〜3]Polymer7〜9の合成
[ポリマー合成例1]に準じた方法により、下記式に示すPolymer7〜9を得た。
【化65】

【0212】
[実施例及び比較例]
化学増幅型レジスト材料の調製及びパターン形成
[実施例1]
ポリマー合成例1で得られた重合体(Polymer1)を用いて、以下に示す組成で混合した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターを用いて濾過し、レジスト材料を調製した。なお、溶剤は界面活性剤としてKH−20(旭硝子(株)製)を0.01質量%含むものを用いた。
(A)ベース樹脂(Polymer1)80質量部
(B)酸発生剤として、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム4.4質量部
(C)溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート560質量部とシクロヘキサノン240質量部の混合物
(D)感度調整剤として、アミン化合物(amine1)0.53質量部
【0213】
【化66】

【0214】
このレジスト材料を、反射防止膜(日産化学工業社製ARC29A,78nm)を塗布したシリコンウエハー上へ回転塗布し、110℃で60秒間の熱処理を施して、厚さ170nmのレジスト膜を形成した。これをArFエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、NSR−S307E、NA=0.85、3/4輪帯照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて露光し、115℃で60秒間の熱処理(PEB:Post Exposure Bake)を施した後、23℃まで冷却し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて、23℃で30秒間パドル現像を行い、ラインアンドスペースパターンを形成した。
【0215】
[実施例2〜6及び比較例1〜3]
実施例1に準じて、ポリマー合成例2〜6で合成した重合体(Polymer2〜6)及び比較となる重合体(Polymer7〜9)について、それぞれこれらをベース樹脂として80質量部配合したレジスト材料を調製し、パターン形成を行った。但し、PEBに関しては、各レジスト材料に最適化した温度を適用した。
評価例
(1)解像性評価
現像済みウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)により観察し、90nmの1:1密集ラインアンドスペースパターンを解像する露光量(最適露光量)において、分離解像する最小寸法を限界解像性(5nm刻み、寸法が小さいほど良好)とし、解像性の指標とした。
(2)パターン粗密寸法差(I/Gバイアス)評価
現像済みウエハーを上空SEM(走査型電子顕微鏡)により観察し、ライン幅90nmの1:1密集ラインアンドスペースパターンを解像する露光量(最適露光量)において、同一ライン寸法の1:10ラインアンドスペースパターンのライン幅を測定し、ライン幅の差を粗密寸法差(寸法差が小さいほど良好)とした。
【0216】
実施例1〜6及び比較例1〜3のレジスト材料について、上記解像性及び粗密寸法差の評価を行った。
【0217】
上記評価結果をもとに、1:1ラインアンドスペースパターンにおける限界解像性、及び1:1と1:10ラインアンドスペースパターンでの粗密寸法差を、下記の表1及び表2にまとめた。
【0218】
【表1】

【0219】
【表2】

【0220】
表1,2の結果より、本発明のレジスト材料が、ArFエキシマレーザー露光において、高解像性と良好な粗密寸法差を両立可能であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)〜(4)のいずれかで示される、構造上β−脱離による酸分解を起こさないことを特徴とする重合性酸不安定エステル化合物。
【化1】

(式中、A1は炭素−炭素二重結合を有する重合性官能基を表す。R1はそれぞれ独立に水素原子又は−C−(R53を表す。R2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R5はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状の一価炭化水素基を表す。あるいは、任意のR5同士が互いに結合してそれらの結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R5は炭素数2〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。n=1又は2である。上記R1〜R5、X、Y及びZは炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【請求項2】
下記一般式(5)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化2】

(式中、R2は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。Xは両端で結合する炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成する炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。上記R2及びXは、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【請求項3】
下記一般式(6)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化3】

(式中、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。n=1又は2である。上記R3及びR4は、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【請求項4】
下記一般式(7)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化4】

(式中、R3はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、任意のR3同士、R4同士若しくはR3とR4は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R3及びR4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。Yはメチレン、エチレン、又はイソプロピリデン基を表す。上記R3、R4及びYは、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【請求項5】
下記一般式(8)で示される請求項1記載の重合性酸不安定エステル化合物。
【化5】

(式中、R4はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を表す。あるいは、R4同士は互いに結合してそれらの結合する環上の一部の炭素原子と共に脂肪族炭化水素環を形成してもよい。その場合R4は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R6は水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。Zはそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表し、両端で結合する3炭素鎖と共に4〜7員環を形成する。上記R4及びZは、炭素原子及び水素原子以外のヘテロ原子を含まない。)
【請求項6】
少なくとも請求項1乃至5のいずれか1項記載の重合性酸不安定エステル化合物から得られる繰り返し単位を含有し、重量平均分子量2,000〜100,000であることを特徴とする重合体。
【請求項7】
更に、下記一般式(R1)で示されるいずれかの繰り返し単位を含有することを特徴とする請求項6記載の重合体。
【化6】

(式中、R001は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はCH2CO2003を示す。R002は、水素原子、メチル基又はCO2003を示す。R003は、炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R004は、水素原子、又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示す。R005〜R008の少なくとも1個はカルボキシ基又は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R005〜R008は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR005〜R008の少なくとも1個は炭素数1〜15の含フッ素置換基,カルボキシ基,水酸基,シアノ基から選ばれる少なくとも1種の基を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R009は、炭素数3〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示す。R010〜R013の少なくとも1個は炭素数2〜15の−CO2−部分構造を含有する一価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R010〜R013は互いに結合して環を形成していてもよく、その場合にはR010〜R013の少なくとも1個は炭素数1〜15の−CO2−部分構造を含有する二価の炭化水素基を示し、残りはそれぞれ独立に単結合,水素原子又は炭素数1〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。R014は、炭素数7〜15の多環式炭化水素基又は多環式炭化水素基を含有するアルキル基を示す。R015は、酸不安定基を示す。a1’、a2’、b1’、b2’、c1’、c2’、d1’、d2’、e’は0以上1未満の数であり、それぞれに対応する繰り返し単位の重合体中の全繰り返し単位に占める比率を示す。kは、0又は1である。)
【請求項8】
一般式(1)〜(8)で示されるいずれかの重合性酸不安定エステル化合物から得られる繰り返し単位のモル分率が5%〜70%であることを特徴とする請求項6又は7記載の重合体。
【請求項9】
請求項6,7又は8記載の重合体をベース樹脂として含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
【請求項10】
(A)請求項6,7又は8記載の重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
【請求項11】
(A)請求項6,7又は8記載の重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
(D)感度調整剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
【請求項12】
(A)請求項6,7又は8記載の重合体、
(B)光酸発生剤、
(C)有機溶剤
(D)感度調整剤
(E)界面活性剤
を含有することを特徴とするポジ型化学増幅レジスト材料。
【請求項13】
請求項9乃至12のいずれか1項記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、加熱処理後フォトマスクを介して高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。

【公開番号】特開2008−13662(P2008−13662A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−186297(P2006−186297)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】