説明

重合性液晶組成物及びこれを用いた光学異方体

【課題】 機械的強度及び耐熱性に優れ、均一でムラのない光学異方体を提供し、この光学異方体を得るために有用な、重合性化合物及び室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物の、アクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを含有し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物、及びこれを重合してなる光学異方体を提供する。本願発明の重合性液晶組成物は、室温付近で液晶状態を示すので、液晶状態における光重合の際に熱重合が進行する恐れがなく、不均一なムラがなく、機械的強度と耐熱性に優れる光学異方体が得られる。従って、高品質な光学異方体、特に液晶表示装置の位相差板、配向膜、偏光板の材料として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学、表示、記録材料等として利用される新規なアクリレート化合物、重合性液晶組成物及びこれを重合してなる光学異方体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶物質はTN(ツイステッド・ネマチック)型やSTN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)型に代表されるディスプレイ素子等の液晶分子の可逆的運動を利用した表示媒体への応用以外にも、その配向性と屈折率、誘電率、磁化率等の物理的性質の異方性を利用して、位相差板、偏光板、光偏光プリズム、各種光フィルター等の光学異方体への応用が検討されている。
【0003】
このように液晶物質を構成材料とする光学異方体には、安定で均一な光学特性を得るために、液晶状態における液晶分子の均一な配向状態構造を半永久的に固定化することが必須である。
【0004】
液晶状態における液晶分子の均一な配向状態構造を半永久的に固定化する手段としては、例えば、重合性官能基を有する液晶性化合物又はこのような化合物を含有する重合性液晶組成物を、液晶状態で均一に配向させた後、液晶状態を保持したまま紫外線等のエネルギー線を照射することによって光重合させて、均一な配向状態を半永久的に固定化する方法が既に知られている。
【0005】
しかしながら、これらの固定化方法においては、用いる重合性液晶化合物あるいは重合性液晶組成物の液晶相の温度範囲が比較的高いので、エネルギー線による光重合だけではなく、意図しない熱重合も誘起されて、液晶分子の均一な配向状態が失われ、所望する配向状態とは異なる不均一な配向状態が重合により固定化されてしまう。
このような技術として、例えば特許文献1には、重合性官能基を有する液晶化合物として、
【0006】
【化1】

【0007】
で表わされる化合物が記載されている。しかしながら、この化合物は108〜211℃という非常に高い温度範囲でネマチック液晶相を示し、実際にこの化合物を含有する重合性組成物を液晶状態で重合して作製した光学異方体(カラー偏光板)は外観も不均一であり、ムラが生じるという欠点があった。
【0008】
このようなことから、熱重合の進行を避けるためにも、光学異方体の材料としては、室温付近で液晶状態を示す化合物あるいはそのような液晶組成物を使用し、室温付近の温度でエネルギー線を照射して重合させることが必要である。
このような問題を解決する手段として、特許文献2には、重合性官能基を有する液晶化合物として一般式(R−1)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、jは2、5又は6の整数を表わし、R1は水素原子又はメチル基を表わす。)で表わされる化合物を用いる方法が記載されている。該公報には、使用されている液晶化合物自体の相転移温度は明確に記載されていないが、50℃において光重合させて、均一でムラのない光学異方体を得られることが記載されている。
【0011】
しかしながら、この一般式(R−1)の化合物を重合させて得られる光学異方体は機械的強度が弱く、また100℃前後まで加熱すると、固定化された均一な配向状態を失ってしまうため、光学異方体としての使用が制限されてしまうという欠点があった。
この機械的強度と耐熱性の問題を解決する手段として、特許文献3には、重合性官能基を有する液晶化合物として一般式(R−2)
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、R2は水素原子又はメチル基を表わす。)で表わされる2官能性のアクリレート化合物を重合させて重合体ネットワークを形成することを特徴とする光学異方体が記載されている。また、該公報には、一般式(R−2)の重合性組成物にカイラル化合物を添加することによって光学異方体中に螺旋構造を導入し、STN型液晶ディスプレイに好適な光学補償板(位相差板)を得る技術も記載されている。この一般式(R−2)の化合物によって、機械的強度と耐熱性の問題を解決できるものの、該公報に例示されているように、一般式(R−2)においてRがメチル基の化合物80重量部及びRが水素原子の化合物20重量部から成る液晶組成物は、80〜121℃と室温よりかなり高い温度範囲でネマチック液晶相を示し、このような重合性液晶組成物を用いて作製される光学異方体の外観は不均一であり、ムラが生じるという欠点があった。
【0014】
また、特許文献2、あるいは特許文献4には、液晶性アクリレートを、配向処理を施した支持体上に担持させた後、液晶状態を保持したまま紫外線を照射することにより、一軸配向フィルムあるいは液晶表示装置の配向膜を作製する方法が記載されている。
しかしながら、該公報の液晶性アクリレートはいずれもモノトロピックな液晶相を示すものであり、重合時において結晶が析出しやすい傾向があり、重合による均一な配向状態を固定化した光学異方体を得るのは難しいという問題があった。これを解決する技術として、特許文献5には、式(R−3)
【0015】
【化4】

(式中、R3は水素原子又はメチル基を表わし、kは5、6、8、9、10、11又は12の整数を表わす。)で表わされる化合物を含有する液晶性アクリレート組成物が記載されているが、いずれの組成物も前述と同様にモノトロピックなネマチック相を示すにすぎず、室温で直ちに結晶化するものが多く、安定なネマチック相を示すとしても長くてわずかに1日前後であった。
【0016】
以上のように、これまで機械的強度及び耐熱性等に優れ、均一でムラのない、実用的な光学異方体、あるいはそのような光学異方体を得るために有用な、室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物はこれまで知られていなかった。
【0017】
特に、液晶ディスプレイに用いるための光学異方体としては、カイラル物質による螺旋構造を導入した光学補償板は、液晶ディスプレイの表示品位の向上を可能にすることから、早急な開発が望まれていた。
【0018】
【特許文献1】特開昭58−102205号公報
【特許文献2】特開昭63−70406号公報
【特許文献3】特開平3−140921号公報
【特許文献4】特開昭63−70407号公報
【特許文献5】特開平4−227611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明が解決しようとする課題は、機械的強度及び耐熱性に優れ、均一でムラのない光学異方体を提供し、この光学異方体を得るために有用な、重合性化合物及び室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者等は、上記課題を解決するために、重合性化合物及び室温付近で液晶相を示す重合性液晶組成物に着目して鋭意研究を重ねた結果、本発明を提供するに到った。
即ち、本発明は2つ又は3つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、又はフェノールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを含有しその含有量が50から100重量%であり、重合性官能基を有さない液晶化合物の含有量が10重量%以下であり、室温で液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を提供する。
【0021】
本発明の重合性液晶組成物は、従来の重合性液晶組成物とは異なり、室温で液晶相を示すという特徴を有し、これにより液晶状態での光重合の際に、意図しない熱重合を誘起することがなく、均一な配向状態を固定化することができ、これまでにない優れた光学異方体を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の重合性液晶組成物は室温で液晶状態を示すので、液晶状態における光重合の際に熱重合が進行する恐れがなく、不均一なムラがなく、機械的強度と耐熱性に優れる光学異方体を得られる。
従って、本発明の重合性液晶組成物は高品質な光学異方体、特に液晶表示装置の位相差板、配向膜、偏光板の材料として非常に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明の重合性液晶組成物に用いられる前記単官能アクリレート又は単官能メタクリレート(以下、本発明に係わる重合性化合物とする。)は、詳しくは一般式(I)
【0024】
【化5】

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0025】
【化6】

【0026】
を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH2)4−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物である。
【0027】
この中でも、特に一般式(II)
【0028】
【化7】

(式中、Rは炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、又はアルケニルオキシ基を表わし、Yは水素原子又はメチル基を表わす。)で表わされるアクリレート化合物は、重合性官能基を有する新規な液晶化合物であり、本発明はこの化合物をも提供する。
この一般式(II)で表わされる化合物は、例えば、対応する一般式(III)
【0029】
【化8】

(式中、Rは一般式(II)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるフェノール誘導体を、トリエチルアミンの如き塩基を用いてアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライドと反応させるか、ジシクロヘキシルカルボジイミドの如き縮合剤を用いてアクリル酸又はメタクリル酸と反応させることによって容易に得ることができる。
【0030】
ここで、本発明に係わる重合性化合物の第1の特徴は、重合性官能基を1つ有する単官能の化合物であって、しかも液晶性の発現に寄与する液晶特有の剛直な液晶性骨格を有する点にある。
この液晶特有の剛直な液晶性骨格とは、例えば、前述の一般式(I)における6員環A、B及びCと連結基Y1及びY2からなる骨格を挙げることができる。このような特徴から、本発明に係わる重合性化合物は2官能の化合物と比較して比較的低い温度で液晶相を示す。
【0031】
また、第2の特徴は、重合性官能基であるアクリル酸又はメタクリル酸のエステルとして、前述の液晶性骨格の環構造に直接エステル基が結合している点にある。前述の各公報に記載されている化合物は、すべてn−ヒドロキシアルキルオキシ基を有する化合物とアクリル酸又はメタクリル酸のエステルであり、エステル基と環構造の間にアルキレン基を有するものである。
【0032】
本発明の重合性化合物は、これとは異なり、剛直な液晶性骨格と重合性官能基のエステル基の間にはアルキレン基又はオキシアルキレン基等の、液晶の技術分野でスペーサーと呼ばれる柔軟性のある連結基がない。従って、この本発明に係わる重合性化合物を重合させて得られる重合体の主鎖には、スペーサーを介さず直接剛直な液晶性骨格が結合し、剛直な液晶性骨格部分の運動は主鎖により制限されていると考えられる。このような特徴から、本発明に係わる重合性化合物のような単官能の重合性化合物を用いても、機械的強度と耐熱性に優れる光学異方体を得られるものと考えられる。
【0033】
本発明に係わる重合性化合物は、その化合物自体が液晶性を示しても、示さなくてもよく、また特に室温で液晶性を示す必要もない。この重合性化合物を含有する重合性組成物が室温で液晶性を示せばよい。
ここで、本発明に係わる重合性化合物の代表的なものの例とその相転移温度を示すが、本発明で使用することができる重合性化合物は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0034】
【化9】

【0035】
【化10】

【0036】
(上記中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表わし、またCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体を表わし、数字は相転移温度を表わす。)また、本発明に係わる重合性化合物は、単独で用いても、2種以上の化合物を混合して用いてもよいが、重合性液晶組成物中の総量が50〜100重量%の範囲になるように使用することが好ましい。
また、本発明の重合性液晶組成物には、本発明外の重合性官能基を有する液晶性化合物を、重合性液晶組成物中に50重量%を超えない範囲で添加してもよい。
このような化合物としては、例えば、一般式(IV)
【0037】
【化11】

【0038】
(式中、R4は炭素原子数1から20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わし、Y4は水素原子又はメチル基を表わし、aは0又は1を表わし、bは1から10の整数を表わす。)で表わされるアクリレート化合物を用いることができる。また、DirkJ.Broer等が報告(Makromol.Chem.1991年192巻59〜74頁)したジアクリレート化合物あるいは前述の各公報に記載されているアクリレート化合物を挙げることができる。
この一般式(IV)の化合物は、例えば、対応する一般式(V)
【0039】
【化12】

【0040】
(式中、R4、a及びbは一般式(IV)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるアルコール誘導体を、トリエチルアミンの如き塩基を用いてアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライドと反応させるか、ジシクロヘキシルカルボジイミドの如き縮合剤を用いてアクリル酸又はメタクリル酸と反応させることによって容易に得ることができる。
この一般式(V)の化合物は、a=1の場合、一般式(VI)
【0041】
【化13】

(式中、R4は一般式(IV)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるフェノール誘導体から、そのbに応じて、例えば、以下のようにして製造することができる。
【0042】
【化14】

(式中、R4及びbは一般式(IV)におけると同じ意味を表わし、Mはハロゲン原子を表わ
す。)
また、a=0の場合、一般式(VII)
【0043】
【化15】

(式中、R4及びbは一般式(IV)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるアルデヒド誘導体を、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤によってアルデヒドをアルコールに還元することによって製造することができる。このアルデヒド誘導体は、b=1のときは以下のようにして製造することができる。
【0044】
【化16】

(式中、R4は一般式(IV)におけると同じ意味を表わし、Zはハロゲン原子を表わす。)
また、b=2以上のときは以下のようにして製造することができる。
【0045】
【化17】

【0046】
(式中、R4及びbは一般式(IV)におけると同じ意味を表わす。)
上記の一般式(VIII)の化合物に、式(IX)のウィッティッヒ反応剤を必要に応じて繰り返し反応させた後、加水分解することによって、bが2以上の化合物を製造できる。
【0047】
また、本発明の重合性液晶組成物には、重合性官能基を有していない液晶化合物を、重合性液晶組成物中の総量が10重量%を超えない範囲で添加してもよい。重合性官能基を有していない液晶化合物としては、ネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物、コレステリック液晶化合物等の通常この技術分野で液晶と認識されるものであれば特に制限なく用いることができる。しかしながら、その添加量が増えるに従い、得られる重合体の機械的強度が低下する傾向があるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0048】
また、重合性官能基を有しておらず、且つ液晶性も示さない化合物も添加することができる。このような化合物としては、通常この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであればよいが、アクリレート化合物が特に好ましい。
これらの液晶化合物又は重合性化合物は適宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないように、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0049】
更に、本発明の重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用することができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等から選択して使用することができる。その添加量は、重合性液晶組成物に対して10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0050】
また、本発明の重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加してもよい。ここで、使用することができる安定剤としては、例えば、公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等から選択して使用することができる。その安定剤の添加量は重合性液晶組成物に対して0.05重量%以下であることが好ましい。
【0051】
本発明の重合性液晶組成物には、螺旋構造を有する光学異方体を得る目的で、カイラル化合物を添加してもよい。ここで使用することができるカイラル化合物は、それ自体が液晶性を示す必要はなく、また重合性官能基を有していても、有していなくもよい。またその螺旋の向きは光学異方体の使用目的によって適宜選択することができる。そのようなカイラル化合物としては、例えば、光学活性基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチルブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上BDH社製)、「S1082」(メルク社製)、「CM−19」、「CM−20」、「CM」(以上チッソ社製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−22」(以上チッソ社製)を挙げることができる。このカイラル化合物の好ましい添加量は、重合して得られる光学異方体の用途によるが、得られる光学異方体の厚み(d)を光学異方体中での螺旋ピッチ(P)で除した値(d/P)が0.25〜2.80の範囲になるように添加量を調整することが好ましい。
【0052】
次に、このような重合性液晶組成物を用いて、本発明の光学異方体を得る方法を説明する。まず、光学異方体を得るために重合性液晶組成物を一定方向に配向させる手段としては、例えば、基板表面を布等でラビング処理した基板あるいはSiO2を斜方蒸着した配向膜を有する基板上又は基板間に担持し、重合性液晶組成物の液晶状態を保持した状態で重合させる方法を挙げることができる。
【0053】
また、配向処理を施した基板によらない方法としては、例えば、重合性液晶組成物の流動配向、あるいは電場又は磁場を利用する方法を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いてもよい。その中でも、基板表面を布等でラビング処理した基板を用いる方法は、その簡便性から特に好ましい。
【0054】
このとき使用することができる基板は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体的な例を挙げると有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、無機材料としては例えば、シリコン、ガラス等を挙げることができる。
【0055】
また、使用することができる基板は、堅固な材料であってもよく、また柔軟性を有する材料であってもよい。堅固な材料としては、上記したようなポリカーボネートやガラス基板等を挙げることができる。柔軟性を有する材料としては、透明性を有するフィルム状のものを挙げることができ、このような基板として偏光フィルムを用いた場合、光学異方体を有する偏光フィルムを得ることができ、これは、液晶表示装置の構成部品として有用である。
【0056】
これらの基板を布等でラビングすることによって適当な配向性を得られないときは、公知の方法に従ってポリイミド薄膜又はポリビニルアルコール薄膜等の有機薄膜を基板表面に形成し、これを布等でラビングしてもよい。また通常のTN又はSTNセルで使用されているようなプレチルト角を与えるポリイミド薄膜を積極的に用いることは、光学異方体の内部構造を更に精密に制御できることから特に好ましい。また、電場によって配向状態を制御する場合には、電極層を有する基板を使用することができ、この場合は電極上に前述のポリイミド薄膜等の有機薄膜を形成することが好ましい。
【0057】
重合性液晶組成物を介在させる方法として、(1)2枚の基板の間隔を制御した後に注入する方法、(2)柔軟性を有する基板の場合には、この基板の上に重合性液晶組成物及びスペーサーからなる混合物を塗布あるいはコートして、その上に他方の基板を配置する方法がある。このとき、使用することのできるスペーサーとしては、例えばマイラー、アルミナ、ロッドタイプのガラスファイバー、ガラスビーズ、ポリマービーズ等が挙げられるが、この場合はガラスビーズが好ましい。
【0058】
重合の方法としては、迅速な重合の進行が望ましいので、紫外線又は電子線等のエネルギー線を前述の基板に照射することによって、光重合させる方法が好ましい。また、重合性液晶組成物を2枚の基板間に担持させた状態で光重合を行う場合は、少なくとも照射面側の基板は適当な透明性が与えられていなければならない。この時の温度は、本発明の重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度でなければならないが、熱重合を避ける意味からもできるだけ室温に近い温度で重合させることが好ましい。
【0059】
また、このような方法によって作製される本発明の光学異方体は、基板から剥離して用いても、また剥離せずに基板に担持させたまま用いてもよい。本発明の光学異方体は、その均一な光学異方性から光学表示装置、特に液晶表示装置の位相差板、配向膜、あるいは二色性色素を添加して重合硬化させたものは偏光板としての用途に有用である。
【0060】
また、本発明の重合性液晶組成物の室温での液晶性、及び硬化後の優れた機械的強度、耐熱性を利用して、新規な電子線又は紫外線硬化型の印刷インキ及び塗料への応用も可能であり、その目的に応じて染料、顔料、色素等を添加することもできる。
【実施例】
【0061】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)アクリル酸4−[トランス−4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニル(式(h)の化合物)の合成
【0062】
【化18】

4−[トランス−4−(トランス−4−ブチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェノール10.0gとトリエチルアミン9.7gをテトラヒドロフラン100mlに溶解し、この溶液を5℃に冷却した。これに20mlのテトラヒドロフランに溶解したアクリル酸クロライド4.3gを10分間かけて滴下した後、1時間攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン200mlを加えて反応生成物を抽出し、有機層を希炭酸水素ナトリウム水溶液で洗った後、更に水洗した。無水硫酸ナトリウムを用いて有機層を乾燥した後、溶媒を留去して粗精製物12.0gを得た。
【0063】
これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5、Rf=0.50)を用いて精製して、次いで20mlのエタノールから再結晶させて精製して、5.0gの目的物を得た。この化合物は25℃からの加熱過程において101℃で結晶相からスメクチック相に、140℃でスメクチック相からネマチック相に相転移した。ネマチック相から等方性液体相への転移温度は200℃以上の温度で重合反応が進んでしまうため、正確には決定できなかった。しかし、この化合物は140℃から200℃以上の広い温度範囲に渡って、安定なエナンチオトロピックなネマチック相を示すことが明らかになった。
(実施例2)
式(a)
【0064】
【化19】

【0065】
の化合物50重量部及び式(c)
【0066】
【化20】

【0067】
の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物を調製した。得られた組成物は室温でネマチック液晶相を示し、ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は55℃であった。
(実施例3)式(a)の化合物60重量部及び式(c)の化合物40重量部からなる重合性液晶組成物を調製した。得られた組成物は室温でネマチック液晶相を示し、ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は49℃であった。
(実施例4)式(a)の化合物20重量部及び式(c)の化合物10重量部からなる重合性液晶組成物を調製した。得られた組成物は室温でネマチック液晶相を示し、ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は44℃であった。
(実施例5)式(a)の化合物10重量部、式(c)の化合物10重量部及び式(d)
【0068】
【化21】

の化合物10重量部からなる重合性液晶組成物を調製した。得られた組成物は室温でネマチック液晶相を示し、ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は49℃であった。また、25℃におけるne(異常光屈折率)は1.61であり、no(常光屈折率)は1.50であった。
【0069】
(実施例6)実施例5で得られた液晶組成物100重量部及び光重合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)2重量部からなる重合性液晶組成物(A)を得た。次に、ラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するガラス基板とラビング処理を行ったポリカーボネート基板を、ラビングの方向が90度の角度をなすように、ラビング処理を行った面を対向させて、セルギャップが20ミクロンのTN構造のセルを作製した。このセル中に前記重合性液晶組成物(A)を注入した。このセルを2枚の直交する偏光板の間に置いて確かめたところ、TN構造の均一な配向が得られていた。
【0070】
次いで、室温の状態でこのセルを紫外線(メタルハライドランプ、80W)の下を10m/分の速度で2回通過させて、350mJ/cm2に相当するエネルギーの紫外線を照射して、重合性液晶組成物を硬化させた。更に得られた重合体からポリカーボネート基板を剥離して、ガラス基板に担持された光学異方体を得た。得られた光学異方体の機械的強度は強かった。また、この光学異方体を担持するガラス基板を2枚の直交する偏光板の間に置いて確かめたところ、紫外線硬化後もTN構造の均一な配向が保持されており、不均一なムラもなかった。また、この光学異方体を200℃まで加熱しても、TN構造は失われず、耐熱性にも優れていた。
【0071】
(実施例7)実施例6において、対向基板として、ポリカーボネート基板に代えてポリテトラフルオロエチレン基板を使用した以外は実施例6と同様にして、光学異方体を得た。得られた光学異方体はTN構造の均一な配向を保持し、且つ不均一なムラもなかった。また、同様にして200℃まで加熱してもTN構造は失われず、耐熱性にも優れていた。
【0072】
(実施例8)式(a)の化合物50重量部及び式(d)の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物を調製した。得られた組成物は室温でネマチック相を示し、ネマチック相から等方性液体相への相転移温度は47℃であった。また、25℃におけるne(異常光屈折率)は1.65であり、no(常光屈折率)は1.52であった。
【0073】
(実施例9)実施例8で得られた液晶組成物100重量部、光重合開始剤「IRG−651」(チバガイギー社製)2重量部及び右巻きの螺旋構造を誘起するカイラル化合物「R−811」(メルク社製)0.49重量部からなり、螺旋ピッチが15.0ミクロンの重合性液晶組成物(B)を得た。これをラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するガラス基板からなり、セルギャップが10.0ミクロン、ツイスト角が右巻きに240度のSTNセルに注入した。更にこれを室温において紫外線(メタルハライドランプ、80W)の下を10m/分の速度で2回通過させて、350mJ/cm2に相当するエネルギーの紫外線を照射することによって重合性液晶組成物を硬化させた。得られた重合体から一方のガラス基板を剥離して、一枚のガラス基板上に担持され、且つ内部に右巻きで240度の回転した螺旋構造を有する光学異方体を得た。得られた光学異方体の屈折率の異方性(Δn)と厚さ(d)の積(Δn・d)は0.85ミクロンであった。またこの光学異方体は不均一なムラもなく、耐熱性に優れたものであった。次に液晶組成物「ZLI−1132」(メルク社製)100重量部及び左巻きの螺旋構造を誘起するカイラル化合物、ペラルゴン酸コレステロール1重量部からなり、螺旋ピッチが11.1ミクロンの非重合性液晶組成物を得た。
【0074】
これをラビング処理を施したポリイミド配向膜を有する透明電極付きガラス基板からなり、セルギャップが6.2ミクロン、ツイスト角が左巻きに240度のSTNセルに注入した。このSTNセルの上に光学異方体を置き、これを2枚の直交する偏光板の間にはさみこんで液晶表示装置を作製した。このとき、STNセルには、光学異方体を担持しているガラス基板側が接し、且つ光学異方体を担持しているガラス基板のラビング方向と光学異方体を担持しているガラス基板と接している側のSTNセルのガラス基板のラビング方向が直角をなすようにした。この液晶表示装置の透明電極間に電圧を印加したところ、広い範囲に渡って均一な白黒表示が得られた。
また視角特性も良好であった。
【0075】
(実施例10)実施例8で得られた液晶組成物100重量部及び光重合開始剤「IRG−651」1重量部からなる重合性液晶組成物(C)を得た。次に、ラビング処理を施したポリイミド配向膜を有するガラス基板と、ラビング処理を施したポリカーボネート基板を、ラビングの方向が45度の角度をなすように、ラビング処理を施した面を対向させて、セルギャップが4ミクロン、ツイスト角が45度のねじれネマチック構造のセルを作製した。このセル中に前記重合性液晶組成物(C)を注入した。このセルを2枚の偏光板の間に置いて確かめたところ、45度のねじれネマチック構造の均一な配向が得られた。
【0076】
次いで、室温の状態でこのセルを紫外線(メタルハライドランプ、80W)の下を10m/分の速度で2回通過させて、350mJ/cm2に相当するエネルギーの紫外線を照射して、重合性液晶組成物を硬化させた。更に得られた重合体からポリカーボネート基板を剥離して、ガラス基板に担持された光学異方体を得た。得られた光学異方体の機械的強度は強かった。また、この光学異方体を担持するガラス基板を2枚の直交する偏光板の間に置いて確かめたところ、紫外線硬化後もねじれネマチック構造の均一な配向が保持されており、不均一なムラもなかった。また、この光学異方体を200℃まで加熱しても、45度のねじれネマチック構造は失われず、耐熱性にも優れていた。
【0077】
(実施例11)ラビング処理を施したポリテトラフルオロエチレン基板と、ラビング処理を施したポリカーボネート基板を、ラビングの方向が85度の角度をなすように、ラビング処理を施した面を対向させて、セルギャップが4ミクロン、ツイスト角が85度のねじれネマチック構造のセルを作製した。このセル中に実施例10と同じ重合性液晶組成物(C)を注入した。
次いで、これを室温において紫外線(メタルハライドランプ、80W)の下を10m/分の速度で2回通過させて、350mJ/cm2に相当するエネルギーの紫外線を照射して、重合性液晶組成物を硬化させた。得られた重合体からポリテトラフルオロエチレン基板を剥離して、ポリカーボネート基板上に担持された光学異方体を得た。得られた光学異方体の機械的強度は強かった。また、この光学異方体を担持するポリカーボネート基板を2枚の偏光板の間に置いて確かめたところ、紫外線硬化後も85度のねじれネマチック構造の均一な配向が保持されており、不均一なムラもなかった。また、この光学異方体を100℃まで加熱しても、85度のTN構造は失われず、耐熱性にも優れていた。
【0078】
(実施例12)偏光フィルムにポリビニルアルコールを塗布した後、偏光フィルム基板の透過軸と45度の角度をなす方向にラビング処理を施した。この偏光フィルム基板と、ラビング処理を施したポリカーボネート基板を、ラビングの方向が85度の角度をなすように、ラビング処理を施した面を対向させて、セルギャップが4ミクロン、ツイスト角が85度のねじれネマチック構造のセルを作製した。このセル中に実施例10と同じ重合性液晶組成物(C)を注入した。次いで、これを室温において紫外線(メタルハライドランプ、80W)の下を10m/分の速度で2回通過させて、350mJ/cm2に相当するエネルギーの紫外線を照射して、重合性液晶組成物を硬化させた。得られた重合体からポリカーボネート基板を剥離して、偏光フィルム基板に担持された光学異方体を得た。得られた光学異方体は均一な楕円偏光板として機能した。また、この光学異方体を100℃まで加熱しても、85度のねじれネマチック構造は失われず、耐熱性にも優れていた。
【0079】
(実施例13)偏光フィルム基板にポリビニルアルコールを塗布した後、偏光フィルム基板の透過軸と30度の角度をなす方向にラビング処理を施した。この偏光フィルム基板と、ラビング処理を施したポリカーボネート基板を、ラビングの方向が右巻きに240度の角度をなすように、10.0ミクロンの間隔をもってラビング処理を施した面を対向させて、ねじれネマチック構造のセルを作製した。このセル中に実施例9と同じ重合性液晶組成物(B)を注入した。次いで、これを室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて200mJ/cm2の光量の紫外線をポリカーボネート基板側から照射して、重合性液晶組成物を硬化させた。得られた重合体からポリカーボネート基板を剥離して、偏光フィルム基板に担持され、且つ右巻きで240度の回転した螺旋構造を有する光学異方体を得た。
【0080】
次に、実施例9で得た非重合性液晶組成物を、ラビング処理を施したポリイミド配向膜を有する2枚の透明電極付きガラス基板からなり、セルギャップ6.2ミクロン、ツイスト角が左巻きに240度のSTNセルに注入した。このSTNセルを1枚の偏光フィルムと、上記で得られた光学異方体を担持する偏光フィルムの間にはさみこんで液晶表示素子を作製した。このとき、偏光フィルムに担持された光学異方体とSTNセルが接するように配置し、偏光フィルムの透過軸、STNセルのガラス基板のラビング方向の互いのなす角度の関係は、実施例9と同様にした。この液晶表示装置の透明電極間に電圧を印加したところ、広い範囲に渡って均一な白黒表示が得られた。また、視角特性も良好であった。
【0081】
(実施例14)偏光フィルム基板にポリビニルアルコールを塗布した後、偏光フィルム基板の透過軸と30度の角度をなす方向にラビング処理を施した。
この偏光フィルム基板のラビング処理を施した面に、実施例9で得た重合性液晶組成物(B)及び直径10.0ミクロンのガラスビーズスペーサーの混合物を、ディスペンサーを用いて全面にわたって塗布した。次いで、ラビング処理を施したポリカーボネート基板のラビング処理した面を下にして、上記で得た混合物の塗布面上に静かに置いた。このとき、偏光フィルム基板のラビング方向とポリカーボネート基板のラビング方向は、右巻きに240度の角度をなすように配置した。次いで、これを室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて200mJ/cm2の光量の紫外線をポリカーボネート基板側から照射して、重合性液晶組成物を硬化させた。得られた重合体からポリカーボネート基板を剥離して、偏光フィルム基板に担持され、且つ右巻きで240度の回転した螺旋構造を有する光学異方体を得た。
【0082】
次に、実施例9で得た非重合性液晶組成物を、ラビング処理を施したポリイミド配向膜を有する2枚の透明電極付きガラス基板からなり、セルギャップ6.2ミクロン、ツイスト角が左巻きに240度のSTNセルに注入した。このSTNセルを1枚の偏光フィルムと、上記で得られた光学異方体を担持する偏光フィルム基板の間にはさみこんで液晶表示素子を作製した。このとき、偏光フィルム基板に担持された光学異方体とSTNセルが接するように配置し、偏光フィルムの透過軸、STNセルのガラス基板のラビング方向の互いのなす角度の関係は、実施例9と同様にした。この液晶表示装置の透明電極間に電圧を印加したところ、広い範囲に渡って均一な白黒表示が得られた。また、視角特性も良好であった。
【0083】
(実施例15)実施例14において、重合性液晶組成物(B)及び直径10.0ミクロンのガラスビーズスペーサーの混合物を、コーターを用いて全面にわたってコートした以外は実施例14と同様にして偏光フィルムに担持された光学異方体を得た。また、同様にして作製したSTNセルの透明電極間に電圧を印加したところ、均一な白黒表示が得られた。また、視角特性も良好であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ又は3つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、又はフェノールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを含有しその含有量が50から100重量%であり、重合性官能基を有さない液晶化合物の含有量が10重量%以下であり、光重合開始剤又は増感剤の含有量が10
重量%以下であり、室温で液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物。
【請求項2】
請求項1記載の重合性液晶組成物の重合体であることを特徴とする光学異方体。
【請求項3】
重合体中のねじれネマチック配向に基づくねじれ角が、30〜360゜の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の光学異方体。
【請求項4】
重合体中のねじれネマチック配向に基づくねじれ角が、45〜240゜の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の光学異方体。
【請求項5】
基板及び請求項3又は4記載の光学異方体を有することを特徴とする光学異方性基板。
【請求項6】
基板上に、ラビング処理されたポリイミド配向膜を有し、該配向膜上に請求項3又は4記載の光学異方体を有することを特徴とする請求項5記載の光学異方性基板。
【請求項7】
基板が透明性を有するプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項6記載の光学異方性基板。
【請求項8】
基板が透明性を有するガラス基板であることを特徴とする請求項6記載の光学異方性基板。
【請求項9】
基板が透明性を有する偏光フィルムであることを特徴とする請求項6記載の光学異方性基板。

【公開番号】特開2007−100098(P2007−100098A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300184(P2006−300184)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【分割の表示】特願平6−217198の分割
【原出願日】平成6年9月12日(1994.9.12)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】