説明

重連印刷システム

【課題】消耗品の交換や廃棄品の回収等のために運転が停止することに起因する連続紙等の印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制する。
【解決手段】重連印刷システム1は、連続紙Pの表面を表面印刷装置2で印刷してから裏面を裏面印刷装置3で印刷する重連印刷を行う。印刷制御装置は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3で使用している消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度を検出している。そして、同種の消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度に所定の差が生じたときは、その差が解消するまで、裏面を表面印刷装置2で印刷し、表面を裏面印刷装置3で印刷するように印刷の分担を交換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重連印刷を行う重連印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、重連印刷を行う重連プリントシステムについて開示されている。この重連プリントシステムは、例えば、連続紙の表面に印刷する第1高速ページプリンタと、この第1高速ページプリンタによる表面の印刷後に連続紙の裏面に印刷する第2高速ページプリンタとを備えている。
【0003】
この重連プリントシステムにおいて、第2高速ページプリンタで連続紙のジャムが発生すると、第1及び第2高速ページプリンタの印刷動作は停止される。この場合、第1高速ページプリンタと第2高速ページプリンタとの間には第1高速ページプリンタで表面の印刷が終了した連続紙が残存することになる。
【0004】
その後、ジャムの発生を解消して重連プリントシステムの運転を再開するときは、第1高速ページプリンタと第2高速ページプリンタとの間に残存する連続紙から第2高速ページプリンタにおける印刷再開ページを決定する。
【0005】
したがって、第2高速ページプリンタでジャムが発生した場合であっても、第1高速ページプリンタと第2高速ページプリンタとの間に残存する連続紙は取り払う必要はなく、重連プリントシステムの運転の停止に伴って残存した連続紙の損失を抑制することができる。
【特許文献1】特開2003‐39750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に重連印刷システムは、複数台の印刷装置を重連接続して、同一の印刷媒体、例えば、連続紙などに各印刷装置で順次印刷を行う重連印刷を実行するシステムであり、両面印刷やスポットカラー印刷などに使用される。例えば、両面印刷であれば、2台の印刷装置を重連接続し、そのうちの1台で連続紙の表面を印刷した後、他の1台で同一の連続紙の裏面を印刷することが行われる。
【0007】
このような重連印刷システムにおいては、複数台の印刷装置を重連接続しているため、用紙の搬送経路が長く、そのため、印刷が途中で停止すると大量の損紙が発生することになる。
【0008】
また、各印刷装置がカラー印刷を行うタンデム型の印刷装置であるときは、各印刷装置中にはY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色の画像を形成する4台の画像ステーションが用紙の搬送経路に沿って配列される。そのため、用紙の搬送経路はさらに長くなり、印刷が途中で停止する場合は更に大量の損紙が発生することになる。
【0009】
したがって、損紙の発生を防止するためには、運転中の重連印刷システムを途中で停止する回数を極力減らす必要がある。
【0010】
しかしながら、電子写真方式を用いた重連印刷システムの例で説明すると、重連印刷システムを構成する各印刷装置においては様々な消耗品(現像剤、転写クリーナなど)が使用されていて、当該消耗品の消耗の程度が進行した場合には、運転中の重連印刷システムを停止させて消耗品を交換しなければならない。
【0011】
また、各印刷装置においては印刷動作に伴って廃棄品(廃トナーなど)が発生する場合もあり、当該廃棄品の蓄積の程度が進行した場合には、運転中の重連印刷システムを停止させて廃棄品を回収しなければならない。
【0012】
このように、重連印刷システムにおいては、様々な消耗品の交換や廃棄品の回収のために運転を停止しなければならない場合があり、しかも複数台の印刷装置を備えていることから、各印刷装置について様々な消耗品の交換や廃棄品の回収の機会がばらばらに生じることになるため、消耗品の交換や廃棄品の回収の機会が度々生じることになり、重連印刷システムの運転の停止の機会が頻繁に発生し、大量の損紙が発生してしまうことになる。
【0013】
しかも、重連印刷システムの運転が度々停止することになると、停止期間中は印刷を行えないので、印刷の生産性が低下してしまうことにもなる。
【0014】
これに対して、特許文献1に開示の技術では、用紙搬送経路の下流側となる第2高速ページプリンタでジャムが発生した場合の損紙の発生は防止できるものの、消耗品の交換や廃棄品の回収のために度々運転を停止する事態を防止することはできないため、これらに起因する印刷の生産性の低下を防止することはできないという不具合があった。
【0015】
また、消耗品の交換や廃棄品の回収のために損紙が発生することを防止するための具体的な手段は何等示されていなかった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、消耗品の交換や廃棄品の回収等のために運転が停止することに起因する連続紙等の印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる重連印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(1)本発明は、印刷媒体に対して単位画像の異なる部分を互いに分担して当該単位画像の重連印刷を行うことにより、前記印刷媒体に前記単位画像を連続的に印刷する、互いに重連接続された第1の印刷装置及び前記第1の印刷装置より前記印刷媒体の搬送経路の下流側の第2の印刷装置と、前記各印刷装置で印刷により発生する一又は複数種類の消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度を検出する消耗・蓄積検出手段と、前記消耗・蓄積検出手段で検出した同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度を前記各印刷装置間で比較した結果、同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度に所定の差が生じたときは、前記各印刷装置間において前記単位画像の異なる部分の印刷の分担を交換するように制御する制御手段と、を備えている重連印刷システムである。
【0018】
(2) (1)の発明において、前記制御手段は、前記印刷分担交換手段による前記各印刷装置間での印刷の分担の交換後に、当該交換にかかる同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度の所定の差が解消したときは、前記印刷分担交換手段による前記各印刷装置での印刷の分担の交換を解消するようにしてもよい。
【0019】
(3) (2)の発明において、前記制御手段は、印刷の分担の交換がないときに前記各単位画像の印刷データのうち前記第1印刷装置で印刷を分担する第1印刷データ及び前記第2印刷装置で印刷を分担する第2印刷データのいずれも前記第1印刷装置及び前記第2印刷装置にそれぞれ送信し、印刷の分担を交換するときには、前記第1印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第1印刷データから前記第2印刷データに変更し、前記第2印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第2印刷データから前記第1印刷データに変更することにより前記印刷の分担の交換を行なうようにしてもよい。
【0020】
(4) (3)の発明において、前記制御手段は、印刷の分担を解消するときには、前記第1印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第2印刷データから前記第1印刷データに変更し、前記第2印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第1印刷データから前記第2印刷データに変更することにより前記分担の交換の解消を行なうようにしてもよい。
【0021】
(5) (2)〜(4)の発明において、前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を行ったことを識別する印刷識別標識を前記印刷媒体上の当該第2印刷データによる印刷を行った前記単位画像に付する印刷識別標識付与手段と、前記第2印刷装置のプリンタエンジンより前記印刷媒体の搬送経路上流側に設けられ、前記印刷媒体の前記印刷識別標識を読み取る印刷識別標識読取手段と、前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第1印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、前記第1印刷装置で前記印刷の分担の交換を開始したときは、前記印刷識別標識読取手段で前記印刷識別標識を読み取ることにより前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像を特定する単位画像特定手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記印刷の分担の交換を開始したときは、前記単位画像特定手段で特定された前記印刷媒体上の前記単位画像を開始位置として、前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第1印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始するよう制御するようにしてもよい。
【0022】
(6) (2)〜(4)のいずれかの発明において、前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を行ったことを識別する印刷識別標識を前記印刷媒体上の当該第1印刷データによる印刷を行った前記単位画像に付する印刷識別標識付与手段と、前記第2印刷装置のプリンタエンジンより前記印刷媒体の搬送経路上流側に設けられ、前記印刷媒体の前記印刷識別標識を読み取る印刷識別標識読取手段と、前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第2印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、前記印刷識別標識読取手段で前記印刷識別標識を読み取ることにより前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像を特定する単位画像特定手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記分担の交換の解消を開始したときは、前記単位画像特定手段で特定された前記印刷媒体上の前記単位画像を開始位置として、前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第2印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始するよう制御するようにしてもよい。
【0023】
(7) (2)〜(4)のいずれかの発明において、前記第1印刷装置で印刷後の前記印刷媒体の搬送距離を検出する搬送距離検出手段と、前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第1印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、前記搬送距離検出手段で検出した前記印刷媒体の搬送距離により前記第1印刷装置で第2印刷データを印刷した先頭の前記単位画像の位置を特定する位置特定手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記印刷の分担の交換を開始したときは、前記位置特定手段で特定した先頭の前記単位画像を開始位置として前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第1印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始するよう制御するようにしてもよい。
【0024】
(8) (2)〜(4)のいずれかの発明において、前記第1印刷装置で印刷後の前記印刷媒体の搬送距離を検出する搬送距離検出手段と、前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第2印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、前記搬送距離検出手段で検出した前記印刷媒体の搬送距離により前記第1印刷装置で第1印刷データを印刷した先頭の前記単位画像の位置を特定する位置特定手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記分担の交換の解消を開始したときは、前記位置特定手段で特定した先頭の前記単位画像を開始位置として前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第2印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始するよう制御するようにしてもよい。
【0025】
(9) (2)〜(8)のいずれかの発明において、前記制御手段は、前記所定の差が生じた前記消耗品又は前記廃棄品が複数あるときは、同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度の所定の差が解消したか否かの判断を、複数の前記消耗品又は前記廃棄品のうち当該消耗の程度又は蓄積の程度が最も大きいものについて行うようにしてもよい。
【0026】
(10) (2)〜(9)のいずれかの発明において、前記第1印刷装置及び第2印刷装置は、感光体と、前記感光体上を帯電させる帯電装置と、前記帯電装置による帯電後の前記感光体上に静電潜像を光書き込みする露光装置と、前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像装置と、前記感光体上のトナー画像を前記印刷媒体上に転写する転写装置と、前記転写装置による転写後の前記感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置と、前記クリーニング装置により除去後の前記トナーを回収する容器と、をそれぞれ備えていて、前記容器内の前記トナーは、前記消耗・蓄積検出手段により蓄積の程度を検出する廃棄品のひとつであり、何れも電子写真方式で印刷を行うようにしてもよい。
【0027】
(11) (10)の発明において、前記第1印刷装置及び第2印刷装置は、複数色のトナー画像を各々形成する複数のプリンタエンジンをそれぞれ備え、いずれも前記各トナー画像を重ね合わせてカラー画像を形成する印刷装置であり、前記各プリンタエンジンは、前記現像装置をそれぞれ備え、前記各現像装置は、いずれも2成分現像剤により前記現像を行うものであり、前記各現像装置が有する前記2成分現像剤に前記トナーとともに含まれている現像剤は、それぞれ前記消耗・蓄積検出手段により消耗の程度を検出する前記消耗品のひとつであり、前記消耗・蓄積比較手段は、前記第1印刷装置と前記第2印刷装置とで同色のトナーで現像する前記現像装置の前記現像剤同士の消耗の程度を比較するようにしてもよい。
【0028】
(12) (2)〜(11)の発明において、前記第1印刷装置は、前記印刷媒体に対する前記単位画像となる印刷2物の一方の面の印刷を分担し、前記第2印刷装置は、前記印刷媒体に対する印刷物の他方の面の印刷を分担し、前記第1及び第2印刷装置による印刷後の前記印刷媒体の各面の印刷が前記印刷物のどちらの面であるかを識別する面識別標識を前記各単位画像に付する面識別標識付与手段と、前記印刷媒体を搬送する搬送経路の前記第2印刷装置より下流側で前記印刷媒体に付されている前記面識別標識を読み取る面識別標識読取手段と、前記面識別標識読取手段で読み取った前記面識別標識により前記印刷物の各面の印刷が前記印刷物のどちらの面であるかを判定する面判定手段と、前記面判定手段の判定に応じて前記各印刷物の各面の向きを揃える面揃え装置と、前記面揃え装置で各面の向きを揃えた前記各印刷物を積層して収納する収納部と、をさらに備えているようにしてもよい。
【0029】
(13) (1)〜(12)の発明において、前記印刷媒体は連続紙であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
(1)の発明によれば、各印刷装置間で同種の消耗品の消耗の程度や、同種の廃棄品の蓄積の程度を印刷の分担の交換により平準化することができるので、印刷中の重連印刷システムを当該消耗品の交換や廃棄品の回収のために停止させる回数を低減することができる。よって、重連印刷システムの運転が停止することに起因する連続紙などの印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる。
【0031】
(2)の発明によれば、印刷の分担の交換の行き過ぎにより消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度の差が再度拡大することを防止し、各印刷装置間で同種の消耗品の消耗の程度や、同種の廃棄品の蓄積の程度を平準化することができるので、印刷中の重連印刷システムを当該消耗品の交換や廃棄品の回収のために停止させる回数を低減することができる。よって、重連印刷システムの運転が停止することに起因する連続紙などの印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる。
【0032】
(3)の発明によれば、印刷の分担の交換を速やかに行うことができ、高い生産性を維持することができる。
【0033】
(4)の発明によれば、分担の交換の解消も速やかに行うことができ、高い生産性を維持することができる。
【0034】
(5)〜(8)の発明によれば、印刷の分担の交換、分担の交換の解消を行なっても、各単位画像に各印刷装置で印刷するべき画像が正しく印刷されるようにすることができる。
【0035】
(9)の発明によれば、消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度の所定の差を解消すべき優先順位の高いものから当該差を解消するので、重連印刷システムの運転が停止することに起因する連続紙などの印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下をさらに抑制することができる。
【0036】
(10)の発明によれば、電子写真方式の各印刷装置間で同種の消耗品の消耗の程度や、同種の廃棄品の蓄積の程度を印刷の分担の交換等により平準化することができるので、印刷中の重連印刷システムを当該消耗品の交換や廃棄品の回収のために停止させる回数を低減することができる。よって、重連印刷システムの運転が停止することに起因する連続紙などの印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる。
【0037】
(11)の発明によれば、電子写真方式の各印刷装置間で各色のトナーの消耗の程度を印刷の分担の交換等により平準化することができるので、印刷中の重連印刷システムを当該消耗品の交換や廃棄品の回収のために停止させる回数を低減することができる。よって、重連印刷システムの運転が停止することに起因する連続紙などの印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる。
【0038】
(11)の発明によれば、両面印刷を行う各印刷装置間で同種の消耗品の消耗の程度や、同種の廃棄品の蓄積の程度を印刷の分担の交換等により平準化することができるので、印刷中の重連印刷システムを当該消耗品の交換や廃棄品の回収のために停止させる回数を低減することができる。よって、重連印刷システムの運転が停止することに起因する連続紙などの印刷媒体の損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0040】
図1は、本実施の形態の重連印刷システムの概略構成の説明図である。この重連印刷システム1は、複数台の印刷装置、本例では、2台の印刷装置である表面印刷装置2と裏面印刷装置3とが重連接続されていて、この2台の印刷装置で重連印刷を行うシステムである。
【0041】
まず、給紙装置4は、印刷を行う印刷媒体を連続的に供給する。本例の印刷媒体は具体的には連続紙Pであり、給紙装置4は、この連続紙Pをロール状に巻いた状態で収納しており、この連続紙Pを重連印刷システム1に連続的に供給する。
【0042】
次に、表面印刷装置2と裏面印刷装置3について説明する。給紙装置4が供給する連続紙Pに対しては、まず、表面印刷装置2(第1印刷装置)が印刷を行い、次に、この印刷後の連続紙Pに対して当該の連続紙Pの搬送経路上で表面印刷装置2より下流側に位置する裏面印刷装置3(第2印刷装置)が印刷を行う。この表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、給紙装置4が供給する同一の連続紙Pに対して単位画像を連続的に印刷する。この単位画像(印刷物の画像)は本例では帳票の画像であり、各帳票を連続紙Pに連続的に印刷する。この場合に、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とは、同一の帳票の異なる部分を互いに分担して連続紙Pに対し当該帳票を重連印刷する。具体的には、本例では、重連印刷システム1を両面印刷に使用していて、給紙装置4から供給される連続紙Pの一方の面(表面)に表面印刷装置2で印刷を行い、その後、裏面印刷装置3で当該連続紙Pの他方の面(裏面)の印刷を行う重連印刷を実行し、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで表裏の印刷を分担するようにしている。但し、連続紙Pの裏面に表面印刷装置2で印刷を行い、その後、裏面印刷装置3で当該連続紙Pの表面の印刷を行う印刷の分担の交換を行う場合があり、これについては後述する。
【0043】
このように、表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pに対して多数枚の帳票を連続的に印刷するが、この帳票は例えば請求書などであり、基本フォームは各帳票で共通であるが、当該請求書の宛先の氏名又は名称及び住所、並びに当該請求書の請求項目などは各帳票で異なるものである。各帳票の表面、裏面は連続紙Pの表面、裏面に連続的に印刷され、これにより印刷後の連続紙Pは印刷物である帳票紙Cが多数枚連続した状態にあり、この状態で後処理装置6に送られ、後述のとおり後処理装置6で各帳票紙Cは切り離される。
【0044】
表裏反転装置5は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3との間の連続紙Pの搬送経路上に設けられ、表面印刷装置2で表面が印刷された連続紙Pの表裏を反転して裏面印刷装置3を供給し、裏面印刷装置3で連続紙Pの裏面に対しても印刷できるようにする。
【0045】
後処理装置6は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3での印刷を終了した連続紙Pに対して必要な後処理を施す。本例では、連続紙Pを構成する各帳票紙Cを切り離し、この切り離し後の各帳票紙Cの表裏の向きを揃えて積み重ねる処理を行う。
【0046】
バッファ装置7は、裏面印刷装置3での印刷を終えて後処理装置6に供給される連続紙Pのバッファリングを行う。
【0047】
次に、重連印刷システム1を構成する各装置の詳細な構成について説明する。
【0048】
図2は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3の概略構成を示す説明図である。表面印刷装置2と裏面印刷装置3とは装置構成が同一であるため、ここでは代表して表面印刷装置2について説明する。
【0049】
表面印刷装置2は、電子写真方式でカラー画像を形成する印刷装置である。印刷方式は、この例では多重転写方式のタンデム方式である。すなわち、表面印刷装置2内には、連続紙Pの搬送経路に沿って当該搬送方向(矢印11方向)の上流側から、ブラック(以下、単に「K」という)の色の画像を形成する画像ステーション12K、シアン(以下、単に「C」という)の色の画像を形成する画像ステーション12C、マゼンタ(以下、単に「M」という)の色の画像を形成する画像ステーション12M、イエロー(以下、単に「Y」という)の色の画像を形成する画像ステーション12Yが順次配列されている。搬送経路を通って各画像ステーション12K、12C、12M、12Yを順次移動することにより、連続紙PにはK,C,M,Yの各色のトナー画像が順次重ね合わされて形成され、もって、連続紙P上にはカラー画像が形成される。
【0050】
各画像ステーション12K、12C、12M、12Yには、それぞれ各色のトナー画像を形成するプリンタエンジンが設けられている。このプリンタエンジンの構成は、各画像ステーション12K、12C、12M、12Yで共通であるため、ここでは、代表して画像ステーション12Kのプリンタエンジン13Kについて説明する。
【0051】
プリンタエンジン13Kは、感光体ドラム21を備えている。この感光体ドラム21は図2において反時計方向に回転し、感光体ドラム21の周囲には電子写真プロセスで画像形成を行うための周知の各種装置が設けられている。
【0052】
まず、前帯電器22(帯電装置)は、感光体ドラム21の表面を一定電位に均一に帯電させる帯電プロセスを行う。帯電方式としては、コロナ放電などの非接触式や、ローラ帯電方式などの接触式など様々な方式を用いることができる。
【0053】
露光装置23は、前帯電器22で帯電後の感光体ドラム21の表面に静電潜像を光書込みする。露光装置23に使用する光源としては、半導体レーザー、ガスレーザーなどを用いることができる。また、光源として半導体レーザーを用いる場合には、一般に、コリメータレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズなどの周知の光学素子(何れも図示せず)が露光装置23に設けられて、これらにより感光体ドラム21の表面を露光走査する。
【0054】
現像装置24は、感光体ドラム21の表面の静電潜像をトナーで現像する現像プロセスを行う。本例では、現像装置24は2成分現像方式を採用しており、現像装置24で使用するトナーはトナーコレクタ25から供給される。トナーコレクタ25はユーザがトナーを補給する容器である。この他に、現像方式として、1成分現像方式、湿式現像方式などを用いてもよい。
【0055】
転写帯電器26(転写装置)は、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー画像を連続紙Pに転写する転写プロセスを行う。転写方式としては、コロナ転写法のほか、ローラ転写法、ベルト転写法、圧力転写法、粘着転写法などを用いることができる。本例では、転写帯電器26は、連続紙Pを挟んで感光体ドラム21の表面の最も高い位置と対峙しており、表面印刷装置2の場合は連続紙Pの印刷する面が下になって当該面にトナー画像が転写され、裏面印刷装置3の場合は表裏反転装置5で表裏が反転された連続紙Pの印刷する面が下になって当該面にトナー画像が転写される。なお、本例では、感光体ドラム21上のトナー画像を連続紙Pに直接転写する方式について図示しているが、中間転写ベルトのような像担持体を中間に介在させることにより、感光体ドラム21上のトナー画像を連続紙Pに間接的に転写するようにしてもよい。
【0056】
転写クリーナ27(クリーニング装置)は、転写プロセス後も感光体ドラム21の表面に残存するトナーを除去する。転写クリーナ27により除去されたトナーは、トナー回収経路28を介してトナー回収ボトル29に収容される。本例では、画像ステーション12K、12C、12M、12Yで共通のトナー回収ボトル29を使用しているが、画像ステーション12K、12C、12M、12Yごとにトナー回収ボトルを用意するようにしてもよい。
【0057】
各画像ステーション12K、12C、12M、12YでK,C,M,Yの各色のトナー画像が順次重ね合わされて形成された連続紙Pは、その搬送経路上で画像ステーション12Yより下流側に位置する定着装置30(図1参照)により定着される。本実施の形態では、定着プロセスで使用される定着方式としてフラッシュ方式を前提に以下の説明を行うが、他に使用できる定着方式としては、フラッシュ方式以外の非接触方式、ヒートローラ方式などの接触方式、圧力ローラ方式などの圧力方式などがある。
【0058】
図3は、表裏反転装置5の平面図(a)と正面図(b)である。表裏反転装置5は、円筒形のターンバー31と、このターンバー31の両端部を回転可能に軸支する一対の支持部32と、この一対の支持部32が固定された台座となるベース部材33とを備えている。
【0059】
表面反転装置2で表面の印刷を終えた連続紙Pは、その長さ方向がターンバー31の軸方向に対してほぼ45度の傾きをもつようにターンバー31に巻き廻されて裏面印刷装置3に送り出される。これにより、表面反転装置2から送り出されたときは表面が下側だった連続紙Pは、裏面を下側にして裏面印刷装置3に送り出されることになる。
【0060】
図4は、バッファ装置7の説明図である。バッファ装置7は、裏面印刷装置3と後処理装置6との間の用紙搬送経路で連続紙Pに対して適当量のたるみを持たせ、裏面印刷装置3と後処理装置6との紙送り速度差を吸収する。バッファ装置7は、筐体41内において、連続紙Pの出口側、入口側にそれぞれ設けられている固定ローラ42と、この一対の固定ローラ42,42間の用紙搬送経路で連続紙Pのたるみ量(滞留量)に応じて上下動する可動ローラ43とを備えている。
【0061】
また、可動ローラ43の上下動により連続紙Pが存在しうる上下の範囲には連続紙Pの有無を検出するセンサ44,45が設けられている。センサ44は筐体41内の相対的に低い位置に設けられている。また、センサ45は筐体41内の相対的に高い位置に設けられている。バッファ装置7は、これらのセンサ44,45で連続紙Pを検出したときは、表面印刷装置2、裏面印刷装置3、給紙装置4、後処理装置6などの他の装置に通知する。
【0062】
図5は、後処理装置6の説明図である。バッファ装置7から送り出される連続紙Pは、表裏マーク識別センサ51により、当該表裏マーク識別センサ51側の面が表面か裏面かを検出し、また、連続紙P中の各帳票紙Cをカッタ52(切離装置)により切り離す位置を検出する。すなわち、連続紙Pの表面又は裏面の各帳票紙Cの所定位置には表裏マーク(面識別標識)が付されていて、当該表裏マークの有無又は当該表裏マークの違いにより連続紙Pの表裏マーク識別センサ51側の面が表面か裏面かを検出することができる。また、当該表裏マークの検出位置から連続紙Pの長さ方向の所定距離に帳票紙C間の切り離し位置があるため、表裏マークの検出タイミングにより、帳票紙C間の切り離しを行うカッタ52の作動のタイミングを判断する。
【0063】
カッタ52により切り離された各帳票紙Cは、例えば表面が下になっていて表裏反転する必要があるときは(表面を上にして各帳票紙Cを積み重ねたい場合)、表裏反転機構53(面揃え装置)により表裏反転してからスタッカ54(収納部)に搬送される。また、例えば表面が上になっていて表裏反転する必要がないときは、そのまま表裏反転機構53をスルーしてスタッカ54に搬送される。表裏反転機構53で帳票紙Cを表裏反転するときは、送り込み機構54を降ろして(符号54aの位置)表裏反転機構53に帳票紙Cを送り込み、その後、紙送りローラ55を逆転して当該帳票紙Cをスタッカ54に送り込む。表裏反転を行わないときは、送り込み機構54を引き上げた状態で(符号54bの位置)、そのまま帳票紙Cをスルーさせてスタッカ54に搬送する。
【0064】
また、帳票紙Cの搬送経路におけるカッタ52の前後の用紙搬送ローラ56と57とは回転速度に速度差をもたせることで、表裏反転機構53において、カッタ52で切断後の搬送経路の前側と後側の帳票紙C間で衝突が生じないようにしている。
【0065】
スタッカ54には多数枚の帳票紙Cが積層されて収納される。スタッカ54は用紙の重さを検出して上下に移動するので、帳票紙Cの積層枚数が多くなるのにしたがって漸次下降する。そして、必要に応じて表裏反転機構53により帳票紙Cの表裏反転が行われるので、スタッカ54にはすべての帳票紙Cが表面(又は裏面)を上にして表裏の向きを揃えた状態で収納されることになる。
【0066】
図6は、重連印刷システム1の電気的な接続のブロック図である。印刷制御装置101は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3に印刷ジョブを送り、重連印刷システム1の印刷動作を制御する制御装置である。印刷制御装置101は、複数台のホスト装置102とネットワーク103を介して接続されており、ホスト装置102から印刷制御装置101に指令を送信し、印刷制御装置101は当該指令に従って重連印刷システム1を制御する。
【0067】
表面印刷装置2は、表面印刷装置2の各部を集中的に制御するCPU111と、各種制御プログラムや固定データを格納したROM112と、CPU111の作業エリアとなるRAM113とがバス114を介して接続されている。さらに、バス114には、NVRAM115と、表面印刷装置2の外部の装置と通信を行う通信インターフェイスである外部接続装置インターフェイス(以下、単に「I/F」という)116と、印刷制御装置101と通信を行う通信インターフェイスであるデータ入力I/F117と、ハードディスク(HDD)118とがそれぞれ接続されている。
【0068】
さらに、バス114には、ユーザが表面印刷装置2の操作を行う操作パネル119が所定のグラフィカルユーザインターフェイスI/F(以下、「GUI‐I/F」という)120を介して接続されている。また、表面印刷装置2の各種アクチュエータ121が駆動回路122を介して接続され、表面印刷装置2の各種センサ123がセンサ回路124を介して接続されている(各種アクチュエータ121、各種センサ123としては様々なアクチュエータ、センサが使用され、駆動回路122、センサ回路124も様々な回路が使用されるが、図6においては便宜上このように表記する(後述する各装置においても同様である))。
【0069】
裏面印刷装置3は、裏面印刷装置3の各部を集中的に制御するCPU131と、各種制御プログラムや固定データを格納したROM132と、CPU131の作業エリアとなるRAM133とがバス134を介して接続されている。さらに、バス134には、NVRAM135と、裏面印刷装置3の外部の装置と通信を行う通信インターフェイスである外部接続装置I/F136と、印刷制御装置101と通信を行う通信インターフェイスであるデータ入力I/F137と、HDD138とがそれぞれ接続されている。
【0070】
さらに、バス134には、ユーザが表面印刷装置2の操作を行う操作パネル139が所定のGUI‐I/F140を介して接続されている。また、表面印刷装置2の各種アクチュエータ141が駆動回路142を介して接続され、表面印刷装置2の各種センサ143がセンサ回路144を介して接続されている。
【0071】
給紙装置4は、マイクロコンピュータを備え、給紙装置4全体を集中的に制御する制御装置151を備えている。制御装置151には、給紙装置4の外部の装置と通信を行う通信インターフェイスである外部接続装置I/F152が接続されている。また、制御装置151には、給紙装置4の各種アクチュエータ153が駆動回路154を介して接続され、給紙装置4の各種センサ155がセンサ回路156を介して接続されている。
【0072】
表裏反転装置5は、マイクロコンピュータを備え、表裏反転装置5全体を集中的に制御する制御装置161を備えている。制御装置161には、表裏反転装置5の外部の装置と通信を行う通信インターフェイスである外部接続装置I/F162が接続されている。また、制御装置161には、表裏反転装置5の各種アクチュエータ163が駆動回路164を介して接続され、表裏反転装置5の各種センサ165がセンサ回路166を介して接続されている。
【0073】
後処理装置6は、マイクロコンピュータを備え、後処理装置6全体を集中的に制御する制御装置171を備えている。制御装置171には、後処理装置6の外部の装置と通信を行う通信インターフェイスである外部接続装置I/F172が接続されている。また、制御装置171には、後処理装置6の各種アクチュエータ173が駆動回路174を介して接続され、後処理装置6の各種センサ175がセンサ回路176を介して接続されている。
【0074】
バッファ装置7は、マイクロコンピュータを備え、バッファ装置7全体を集中的に制御する制御装置181を備えている。制御装置181には、バッファ装置7の外部の装置と通信を行う通信インターフェイスである外部接続装置I/F182が接続されている。また、制御装置181には、バッファ装置7の各種アクチュエータ183が駆動回路184を介して接続され、バッファ装置7の各種センサ185がセンサ回路186を介して接続されている。
【0075】
図7は、印刷制御装置101の電気的な接続のブロック図である。印刷制御装置101は、各種演算を行い、印刷制御装置101全体を集中的に制御するCPU191と、CPU191が実行する各種制御プログラムや固定データを格納しているROM192と、CPU191の作業エリアとなるRAM193と、不揮発性の記憶装置である不揮発性メモリ194とがバス195を介して接続されている。さらに、バス195には、ネットワーク103を介してホスト装置102と通信を行う通信I/F196と、表面印刷装置2、裏面印刷装置3と通信を行う通信I/F197とが接続されている。
【0076】
図8は、ホスト装置102の電気的な接続のブロック図である。ホスト装置102は、各種演算を行い、ホスト装置102全体を集中的に制御するCPU211と、CPU211が実行する各種制御プログラムや固定データを格納しているROM212と、CPU211の作業エリアとなるRAM213と、ネットワーク103を介して印刷制御装置101と通信を行う通信I/F214とがバス215を介して接続されている。さらに、バス215には、マウス、キーボードなどの入力装置216と、液晶ディスプレイなどの表示装置217とが所定のインターフェイスを介して接続されている。
【0077】
以上のような構成で、表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、データ入力I/F117,137、通信I/F197を介して印刷制御装置101と通信を行う。表面印刷装置2、裏面印刷装置3、給紙装置4、表裏反転装置5、後処理装置6、バッファ装置7は、互いに外部接続装置I/F116、外部接続装置I/F136、外部接続装置I/F152、外部接続装置I/F162、外部接続装置I/F172、外部接続装置I/F182を介して接続され、互いに通信を行うことができる。
【0078】
この通信により、給紙装置4は表面印刷装置2などにより制御され、表裏反転装置5は表面印刷装置2、裏面印刷装置3などにより制御され、後処理装置6は裏面印刷装置3などにより制御され、バッファ装置7は裏面印刷装置3、後処理装置6などにより制御される。こうして、表面印刷装置2、裏面印刷装置3、給紙装置4、表裏反転装置5、後処理装置6、及びバッファ装置7は互いに連動して一連の印刷動作を実行する。
【0079】
すなわち、表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、ホスト装置102の指示により印刷制御装置101により制御され、印刷制御装置101が送信する印刷データに基づく印刷を行う。表面印刷装置2は連続紙Pの表面(又は裏面)を印刷し、この印刷後の連続紙Pは表裏反転装置5で表裏反転されて、裏面(又は表面)を裏面印刷装置3で印刷する。後処理装置6は、印刷後の連続紙Pを構成する各帳票紙Cを切り離し、各帳票紙Cを、表裏の向きを揃えて積み重ねる。この際、バッファ装置7は、裏面印刷装置3と後処理装置6との間で連続紙Pに対して適当量のたるみを持たせ、裏面印刷装置3と後処理装置6との紙送り速度差を吸収する。
【0080】
次に、印刷制御装置101が行う重連印刷システム1の制御について説明する。
【0081】
図9は、ROM192に格納されている制御プログラムに基づいて、印刷制御装置101のCPU191が実行する処理について説明する機能ブロック図である。
【0082】
まず、重連印刷制御部201は、ホスト装置102から受信した印刷データをラスターデータに変換し、印刷制御部202に送信後、表面印刷装置2、裏面印刷装置3に印刷を指示する。通常は表面印刷装置2が連続紙Pの表面を印刷し、裏面印刷装置3が連続紙Pの裏面を印刷するが、後述するとおり、所定の条件により表面印刷装置2が連続紙Pの裏面を印刷し、裏面印刷装置3が連続紙Pの表面を印刷する場合がある。そこで、重連印刷制御部201は、印刷中は表面印刷装置2にも裏面印刷装置3にも連続紙Pの表面の印刷データ(第1印刷データ)と裏面の印刷データ(第2印刷データ)の両方を送信し、また、表面印刷装置2で連続紙Pの表面を印刷し、裏面印刷装置3で裏面を印刷するのか、あるいは、表面印刷装置2で連続紙Pの裏面を印刷し、裏面印刷装置3で表面を印刷するのかの指示を行う。
【0083】
この場合に、表面印刷装置2には表面の印刷データのみを、裏面印刷装置3には裏面の印刷データのみを送信するようにして、表面印刷装置2と裏面印刷装置3との印刷の分担を後述のように交換したときに、表面印刷装置2には裏面の印刷データのみを、裏面印刷装置3には表面の印刷データのみを送信するように、送信データも交換するようにしてもよいが、印刷中は常に表面印刷装置2にも裏面印刷装置3にも表面の印刷データと裏面の印刷データの両方を送信するようにして、印刷の分担の交換やその解消の際に使用する印刷データを切り替えるようにした方が印刷の分担の交換やその解消を迅速に行いやすい。
【0084】
印刷制御部202は重連印刷制御部201から受信した印刷データを表面印刷装置2に送信し、印刷制御部203は重連印刷制御部201から受信した印刷データを裏面印刷装置3に送信する。
【0085】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3において使用している各種消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度について検知する。後述するように、本例では消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度について検知は多種類の消耗品、廃棄品について行っているが、一種類のみの検知としてもよい。
【0086】
スワップ判断テーブル205は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3において使用している消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度に関して消耗品消費量等検知部204で検知したデータなどを登録するテーブルである。
【0087】
次に、消耗品消費量等検知部204で検知する消耗品及び廃棄品の種別や、当該消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度についての具体的な検知手段について次の(1)〜(7)で説明する。
【0088】
(1)トナー回収ボトル内のトナー
トナー回収ボトル29内には転写クリーナ27により除去されたトナーが各画像ステーション12K,12C,12M,12Yから集められて蓄積される。消耗品消費量等検知部204は、この廃棄品としてのトナーの量を検知する。
【0089】
具体的には、各画像ステーション12K,12C,12M,12Yの現像器24では、トナー濃度センサ63(図2参照)により現像器24内のトナーの濃度(トナーの量)を検知している。そして、トナー濃度センサで検出するトナーの濃度が基準値を下回ると、トナーコレクタ25から一定量のトナーを現像器24に補給する制御を行う。そして、このトナーコレクタ25から現像器24へのトナーの補給回数からトナー回収ボトル29内のトナー量を推測することができる。本実施の形態では、各画像ステーション12K,12C,12M,12Yで共通のトナー回収ボトル29を使用しているので、各画像ステーション12K,12C,12M,12Yにおけるトナーコレクタ25から現像器24へのトナーの補給回数の積算値からトナー回収ボトル29内のトナー量を推測することができる。よって、表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでトナーコレクタ25から現像器24へのトナーの補給が発生するたびに当該事実を印刷制御装置101に報知し、消耗品消費量等検知部204は、そのトナー補給回数を積算して、その積算値からトナー回収ボトル29内のトナー量を判断する。トナー回収ボトル29内のトナーを回収したときは、ユーザの所定の操作により、消耗品消費量等検知部204が保持しているトナー補給回数の積算値をリセットするなどする。
【0090】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うこともできる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とでトナー回収ボトル29内のトナーの蓄積量に差が生じることになる。
【0091】
(2)現像剤の劣化
現像器24内の現像剤(キャリア)は消耗品であり、現像器24の駆動時間が長いほど劣化する。消耗品消費量等検知部204は、この消耗品としての現像剤の劣化(消耗)の程度を検知する。具体的には、現像器24の駆動時間を積算すれば、現像剤の劣化の程度を判断することができる。
【0092】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うこともできる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで現像剤の消耗の程度に差が生じることになる。また、白黒モードの片面印刷も行うことができ、この場合は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3それぞれで画像ステーション12K間で現像剤の消耗の程度に差が発生することになる。さらには、スポットカラー印刷(例えば、KとYのみの印刷など、一部の色のみを使用した印刷)の片面印刷も行うことができ、この場合も、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K,12C,12M,又は12Y間の現像剤の消耗の程度に差が発生することになる。
【0093】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3から各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの現像器24の駆動時間の情報を取得し、その各々の駆動時間についての積算値を求めて、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの現像器24における現像剤の劣化の程度を判断する。表面印刷装置2、裏面印刷装置3で劣化した現像剤を交換したときは、ユーザが所定の操作を行うことにより、消耗品消費量等検知部204は、その保持している当該現像器24の駆動時間の積算値をリセットするなどする。
【0094】
(3)転写クリーナの劣化
転写クリーナ27は消耗品であり、駆動時間が長いほど劣化する。消耗品消費量等検知部204は、この消耗品としての転写クリーナ27の劣化(消耗)の程度を検知する。具体的には、感光体ドラム21の回転駆動時間を検知し、この回転駆動時間の積算値を求めることで、転写クリーナ27の劣化の程度を判断することができる。
【0095】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うことができる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで転写クリーナ27の消耗の程度に差が生じることになる。また、白黒モードの片面印刷も行うことができ、この場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K間で転写クリーナ27の消耗の程度に差が発生することになる。さらには、スポットカラー印刷(例えば、KとYのみの印刷など、一部の色のみを使用した印刷)の片面印刷も行うことができ、この場合も、表面印刷装置2と裏面印刷装置3と画像ステーション12K,12C,12M,又は12Y間の転写クリーナ27の消耗の程度に差が発生することになる。
【0096】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの感光体ドラム21の回転駆動時間の情報を取得し、その各々の回転駆動時間についての積算値を求めて、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの現像器24における転写クリーナ27の劣化の程度を判断する。表面印刷装置2、裏面印刷装置3で劣化した転写クリーナ27を交換したときは、ユーザの所定の操作により、消耗品消費量等検知部204は、その保持している感光体ドラム21の回転駆動時間の積算値をリセットするなどする。
【0097】
(4)脱煙フィルタの劣化
定着装置30の定着方式としてフラッシュ方式を使用する場合は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3内に図1に示すように脱煙ブロワ61(脱煙装置)を設けており、この脱煙ブロワ61は定着装置30のフラッシュ発光時に駆動されて脱煙を行う。そして、この脱煙ブロワ61のフィルタである脱煙フィルタは、消耗品であり、駆動時間が長いほど劣化(消耗)する。消耗品消費量等検知部204は、この消耗品としての脱煙フィルタの劣化の程度を検知する。具体的には、定着装置30のフラッシュ発光回数を検知し、このフラッシュ発光回数の積算値を求めることで、脱煙フィルタの消耗の程度を判断することができる。
【0098】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うことができる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで脱煙フィルタの消耗の程度に差が生じることになる。
【0099】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各定着装置30のフラッシュ発光回数の情報を取得し、その各々の発光回数についての積算値を求めて、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて定着装置30に対応して設けられている脱煙フィルタの劣化の程度を判断する。表面印刷装置2、裏面印刷装置3において劣化した脱煙フィルタを交換したときは、ユーザの所定の操作により、消耗品消費量等検知部204は、その保持している当該脱煙フィルタのフラッシュ発光回数の積算値をリセットするなどする。
【0100】
(5)感光体ドラムの劣化
感光体ドラム21は消耗品であり、駆動時間が長いほど劣化(消耗)する。消耗品消費量等検知部204は、この消耗品としての感光体ドラム21の劣化の程度を検知する。具体的には、該当する感光体ドラム21の回転駆動時間を検知し、この回転駆動時間の積算値を求めることで、感光体ドラム21の消耗の程度を判断することができる。
【0101】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うことができる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで感光体ドラム21の消耗の程度に差が生じることになる。また、白黒モードの片面印刷)も行うことができ、この場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K間で感光体ドラム21の消耗の程度に差が発生することになる。さらには、スポットカラー印刷(例えば、KとYのみの印刷など、一部の色のみを使用した印刷)の片面印刷も行うことができ、この場合も、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K,12C,12M,又は12Y間の感光体ドラム21の消耗の程度に差が発生することになる。
【0102】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの感光体ドラム21の回転駆動時間の情報を取得し、その各々の回転駆動時間についての積算値を求めて、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの感光体ドラム21の劣化の程度を判断する。各画像ステーション12K,12C,12M,12Yで劣化した感光体ドラム21を交換したときは、ユーザの所定の操作により、消耗品消費量等検知部204は、その保持している当該感光体ドラム21の回転駆動時間の積算値をリセットするなどする。
【0103】
(6)前帯電器の劣化
前帯電器22は消耗品であり、駆動時間が長いほど劣化(消耗)する。消耗品消費量等検知部204は、この消耗品としての前帯電器22の劣化の程度を検知する。具体的には、感光体ドラム21の回転駆動時間を検知し、この回転駆動時間の積算値を求めることで、前帯電器22の消耗の程度を判断することができる。
【0104】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うことができる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで前帯電器22の消耗の程度に差が生じることになる。また、白黒モードの片面印刷も行うことができ、この場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K間で前帯電器22の消耗の程度に差が発生することになる。さらには、スポットカラー印刷(例えば、KとYのみの印刷など、一部の色のみを使用した印刷)の片面印刷も行うことができ、この場合も、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K,12C,12M,又は12Y間の前帯電器22の消耗の程度に差が発生することになる。
【0105】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの感光体ドラム21の回転駆動時間の情報を取得し、その各々の回転駆動時間についての積算値を求めて、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの前帯電器22の劣化の程度を判断する。表面印刷装置2、裏面印刷装置3で劣化した前帯電器22を交換したときは、ユーザの所定の操作により、消耗品消費量等検知部204は、その保持している当該感光体ドラム21の駆動時間の積算値をリセットするなどする。
【0106】
(7)転写帯電器の劣化
転写帯電器26は消耗品であり、駆動時間が長いほど劣化(消耗)する。消耗品消費量等検知部204は、この消耗品としての転写帯電器26の劣化の程度を検知する。具体的には、転写帯電器26による連続紙Pへのトナー画像の転写量を検知し、この転写量の積算値を求めることで、転写帯電器26の消耗の程度を判断することができる。ここで、「転写量」は、トナー画像の転写を行った連続紙Pの長さが、基準となる基本サイズの何枚分であるか、などにより判断する。例えば、帳票紙C一枚分の長さを基本サイズとする。
【0107】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は、連続紙Pの両面印刷を行うが、表面印刷装置2又は裏面印刷装置3のみを駆動して片面印刷を行うことができる。よって、片面印刷を行う場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで転写帯電器26の消耗の程度に差が生じることになる。また、白黒モードの片面印刷も行うことができ、この場合は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K間で転写帯電器26の消耗の程度に差が発生することになる。さらには、スポットカラー印刷(例えば、KとYのみの印刷など、一部の色のみを使用した印刷)の片面印刷も行うことができ、この場合も、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで画像ステーション12K,12C,12M,又は12Y間の転写帯電器26の消耗の程度に差が発生することになる。
【0108】
消耗品消費量等検知部204は、表面印刷装置2、裏面印刷装置3から各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの転写量の情報を取得し、その各々の転写量についての積算値を求めて、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて各画像ステーション12K,12C,12M,12Yでの転写帯電器26の劣化の程度を判断する。表面印刷装置2、裏面印刷装置3で劣化した転写帯電器26を交換したときは、ユーザの所定の操作により、消耗品消費量等検知部204は、その保持している当該転写帯電器26に対応する転写量の積算値をリセットするなどする。
【0109】
以上説明したように、消耗品消費量等検知部204は、様々な消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度について検知することができる。もちろん、ここに提示しているのは一例であって、その他の消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度についても検知するようにしてもよい。例えば、本実施の形態では、トナー濃度センサ63により現像器24内のトナーの濃度を検知し、そのトナーの濃度が基準値を下回るときはトナーコレクタ25から一定量のトナーを現像器24に自動補給する制御を行なっているが、表面印刷装置2、裏面印刷装置3がこのような機能を有していない場合には、トナー濃度センサ63により現像器24内の消耗品としてのトナーの濃度を検知するようにしてもよい。このような各種消耗品の消耗の程度及び廃棄品の蓄積の程度を示す数値は、不揮発性メモリ194などに記憶される。
【0110】
図10(a)は消耗品の消耗の程度の時間変化を概念的に示すグラフである。消耗品については、図10(a)に示すように、交換したばかりでまったく消耗がない状態(100%)を「消耗品初期値」とし、消耗しきってしまって交換しなければ表面印刷装置2や裏面印刷装置3の運転が不可能な状態(0%)を「劣化値」とする。また、10%まで劣化した状態を「交換規定値」とし、消耗品の消耗の程度が交換規定値となったときは、印刷制御装置101からホスト装置102を介して、当該消耗品の種別と、当該消耗品が表面印刷装置2と裏面印刷装置3のどちらのものであるのか(さらに各画像ステーション12K,12C,12M,12Yごとに設けられている消耗品については当該画像ステーション12K,12C,12M,12Yのうちのいずれであるのか)などの情報を報知して、ユーザに当該消耗品の交換を促す。
【0111】
また、図10(b)は廃棄品の蓄積の程度の時間変化を概念的に示すグラフである。廃棄品については、図10(b)に示すように、回収したばかりでまったく蓄積がない状態(0%)を「廃棄品初期値」とし、満杯になってしまって回収しなければ表面印刷装置2や裏面印刷装置3の運転が不可能な状態(100%)を「限度値」とする。また、90%まで蓄積した状態を「交換規定値」とし、廃棄品の蓄積の程度が交換規定値となったときは、印刷制御装置101からホスト装置102を介して、当該廃棄品の種別と、当該廃棄品が表面印刷装置2と裏面印刷装置3のどちらのものであるのか(さらに画像ステーション12K,12C,12M,12Yごとに設けられている廃棄品については当該画像ステーション12K,12C,12M,12Yのうちのいずれであるのか)などの情報を報知して、ユーザに当該廃棄品の回収を促す。
【0112】
次に、スワップ判断テーブル205について説明する。図11は、スワップ判断テーブル205の具体的な構成について説明する説明図である。このスワップ判断テーブル205は、不揮発性メモリ194などに格納されている。スワップ判断テーブル205は、前述の各種の消耗品、廃棄品について、同種の消耗品の消耗の程度及び同種の廃棄品の蓄積の程度を表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで比較し、この比較の結果得られた最大消費量、差異発生フラグ、スワップフラグを当該各消耗品、廃棄品ごとに登録するテーブルである。ここで、「トナー回収容器フル」とあるのはトナー回収容器29内の廃棄品としてのトナーの蓄積であり、「脱煙フィルタ劣化」とあるのは消耗品としての脱煙フィルタの消耗である。また、「現像剤(Y)劣化」とあるのは画像ステーション12Yにおける消耗品としての現像剤の消耗であり、「現像剤(M)劣化」とあるのは画像ステーション12Mにおける消耗品としての現像剤の消耗であり、「現像剤(C)劣化」とあるのは画像ステーション12Cにおける消耗品としての現像剤の消耗であり、「現像剤(K)劣化」とあるのは画像ステーション12Kにおける消耗品としての現像剤の消耗である。同様に、画像ステーション12K,12C,12M,12Yごとに発生する消耗品である転写クリーナ27、感光体ドラム21、前帯電器22、転写帯電器26については、画像ステーション12K,12C,12M,12Yごとにスワップ判断テーブル205にデータが登録される。
【0113】
これら、「トナー回収容器フル」、「脱煙フィルタ劣化」、「現像剤(Y)劣化」、…の各項目で、「最大消費量」とは、同種の各消耗品、廃棄品について表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで消耗品の消耗の程度、廃棄品の蓄積の程度を比較し、多い方の消耗の程度又は蓄積の程度を示す値である。例えば、トナー回収容器29内のトナーの蓄積が表面印刷装置2で15%、裏面印刷装置3で14%であれば、「トナー回収容器フル」の「最大消費量」として表面印刷装置2の15%が登録される。どちらも15%であれば、その15%が登録される。また、脱煙フィルタの消耗が表面印刷装置2で66%、裏面印刷装置3で68%であれば、「脱煙フィルタ劣化」の「最大消費量」として裏面印刷装置3の68%が登録される。どちらも68%であれば、その68%が登録される。消耗品の消耗の程度、廃棄品の蓄積の程度は、重連印刷システム1で印刷を行なえば時間経過とともに進行し、「最大消費量」も変動するので、スワップ判断テーブル205の「最大消費量」は当該消耗品の消耗の程度、廃棄品の蓄積の程度の変動とともに適宜更新される。
【0114】
また、「差異発生フラグ」とは、各消耗品、廃棄品について表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで消耗品の消耗の程度、廃棄品の蓄積の程度に差異が生じたときにオンとなる(「1」となる)フラグである。この場合に、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とでわずかな差異が発生しても差異発生フラグがオンになるようにしてもよいし、あらかじめ設定された値以上の差異が発生したときに差異発生フラグがオンになるようにしてもよい。後者の場合、例えば、2%以上の差異が発生したときに差異発生フラグがオンになるようにするのであれば、トナー回収容器29内のトナーの蓄積が表面印刷装置2で15%、裏面印刷装置3で13%であれば、差異発生フラグはオンになる。また、脱煙フィルタの消耗が表面印刷装置2で67%、裏面印刷装置3で68%であれば、差異発生フラグはオフのまま(「0」のまま)である。これらのスワップ判断テーブル205のデータの更新は消耗品消費量検知部203が行う。
【0115】
本実施の形態では、スワップ判断テーブル205に掲げられているいずれかの項目について差異発生フラグがオンになっているときは、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度に差異が生じているので、重連印刷制御部201は、当該差異を解消すべく表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで印刷する印刷データを交換するように、表面印刷装置2、裏面印刷装置3それぞれで印刷する印刷データを変更する。すなわち、本来は表面印刷装置2で連続紙Pの表面を印刷し、裏面印刷装置3で連続紙Pの裏面を印刷しているのに対し、表面印刷装置2で連続紙Pの裏面を印刷し、裏面印刷装置3で連続紙Pの表面を印刷するように印刷の分担を表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで交換する。このような表面印刷装置2、裏面印刷装置3の印刷データの変更を行うときは、差異発生フラグがオンになっているスワップ判断テーブル205の「スワップフラグ」をオンにする(「1」とする)。このような「スワップフラグ」がオンにされているときは、表面印刷装置2で連続紙Pの裏面を印刷し、裏面印刷装置3で連続紙Pの表面を印刷するように印刷データの変更を行ない、その後、「スワップフラグ」がオフになったときは(「0」になったときは)、再度、表面印刷装置2で連続紙Pの表面を印刷し、裏面印刷装置3で連続紙Pの裏面を印刷するように、前述の表面印刷装置2と裏面印刷装置3との印刷の分担の交換を解消する。
【0116】
なお、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度にわずかな差異が発生しても差異発生フラグがオンになるようにした場合は、印刷の分担の交換及びその解消が頻繁に発生して印刷の効率が悪い事態も考えられるため、その場合には、あらかじめ設定された値以上の差異が発生したときに差異発生フラグがオンになるようにするのが望ましい。
【0117】
次に、差異発生フラグ、スワップフラグを操作する処理についてフローチャートを参照して具体的に説明する。
【0118】
まず、消耗品消費量検知部204が行う処理について図12のフローチャートを参照して説明する。図12の処理は、重連印刷システム1の起動後において、スワップ判断テーブル205に登録する消耗品及び廃棄品ごとに実行する。すなわち、当該消耗品又廃棄品について、対応する差異発生フラグ、スワップフラグをリセットする(差異発生フラグ=0、スワップフラグ=0)(ステップS1)。そして、所定のタイマー時間の間だけWaitする(ステップS2)。このタイマー時間は、当該消耗品又廃棄品がどの程度の速度で消耗し又は蓄積するかなどの特性を考慮して重連印刷システム1の起動の際にユーザが設定することができるようにしてもよい。そして、この表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて当該消耗品又廃棄品の消耗の程度又は蓄積の程度について情報を取得し、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで当該消耗品又廃棄品の消耗の程度又は蓄積の程度に差異があるか否かを判断する(ステップS3)。これは、前述のとおり、わずかでも差異があれば差異ありと判断してもよいし、あらかじめ設定された基準値以上の差異があった場合にだけ差異ありと判断してもよい。
【0119】
表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで当該消耗品又廃棄品の消耗の程度又は蓄積の程度に差異があるときは(ステップS3のY)、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)であるか否かを判断し(ステップS4)、差異発生フラグがオフ(差異発生フラグ=0)であれば(ステップS4のN)、差異発生フラグをオン(差異発生フラグ=1)にする(ステップS5)。
【0120】
一方、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで当該消耗品又廃棄品の消耗の程度又は蓄積の程度に差異がないときは(ステップS3のN)、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)であるか否かを判断し(ステップS6)、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)であれば(ステップS6のY)、差異発生フラグをオフ(差異発生フラグ=0)にする(ステップS7)。そして、当該消耗品又廃棄品についてスワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であるか否かを判断し(ステップS8)、スワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であれば(ステップS8のY)、スワップフラグをオフ(スワップフラグ=0)にする(ステップS9)。このようなステップS2〜S9の処理は、重連印刷システム1の稼動中に繰り返し実行される。
【0121】
次に、重連印刷制御部201が実行する処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。図13の処理は、重連印刷システム1で印刷を開始した後に実行される。まず、スワップ判断テーブル205に登録されている各消耗品、廃棄品について、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である消耗品又は廃棄品の数が「0」であるか、「1」であるか、あるいは「2以上」であるかを判断する(ステップS11)。
【0122】
差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である消耗品又は廃棄品の数が「1」であるときは、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である当該消耗品又は廃棄品のスワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であるか否かを判断し(ステップS12)、当該スワップフラグがオフ(スワップフラグ=0)であるときは(ステップS12のN)、当該スワップフラグをオン(スワップフラグ=1)にする(ステップS13)。この場合は、スワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であることに基づいて、表面印刷装置2と裏面印刷装置3のそれぞれで印刷を行う印刷データを変更することで印刷の分担を交換することになる。すなわち、表面印刷装置2で裏面の印刷を行い、裏面印刷装置3で表面の印刷を行なう(詳細は後述する)。
【0123】
一方、ステップS11において、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である消耗品又は廃棄品の数が「2以上」であるときは、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である各消耗品又は廃棄品の中で最大消費量である消耗品又は廃棄品のスワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であるか否かを判断する(ステップS15)。そして、当該スワップフラグがオフ(スワップフラグ=0)であるときは(ステップS15のN)、当該スワップフラグをオン(スワップフラグ=1)にする(ステップS13)。このように、スワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であるときは、表面印刷装置2と裏面印刷装置3のそれぞれで印刷を行う印刷データを変更することで印刷の分担の交換を解消することになる。すなわち、表面印刷装置2で裏面の印刷を行い、裏面印刷装置3で表面の印刷を行なう。
【0124】
差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である消耗品又は廃棄品の数が「2以上」であるときに、差異発生フラグがオン(差異発生フラグ=1)である2以上の消耗品又は廃棄品の中で最大消費量である消耗品又は廃棄品についてスワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であるか否かを判断するのは(ステップS15)、消耗又は蓄積の程度が大きい消耗品又は廃棄品ほど交換規定値(図10)に近く、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで消耗又は蓄積の程度に差が生じると、重連印刷システム1を停止して消耗品の交換又は廃棄品の回収を行わねばならない可能性が高いため、消耗又は蓄積の程度の差を解消する緊急性が高いからである。
【0125】
すなわち、印刷の分担の交換にかかる同種類の消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度に生じていた差が解消したか否かの判断は、複数の消耗品又は廃棄品のうち消耗の程度又は蓄積の程度が最も大きいもの(最大消費量のもの)について行うことになる。もちろん、図12、図13に明らかなように、その最大消費量である消耗品又は廃棄品について消耗又は蓄積の程度の差が解消しても、いまだ他の消耗品又は廃棄品について消耗又は蓄積の程度の差が解消していないときは、引き続き印刷の分担の交換が継続することになる。
【0126】
次に、スワップフラグがオン(スワップフラグ=1)であるときに(ステップS13)実行される表面印刷装置2、裏面印刷装置3の印刷データの変更についての具体的手段について複数例説明する。
【0127】
(1)印刷データ変更手段1
表面印刷装置2は、連続紙Pを構成する各帳票紙Cのユーザ印字領域外に用紙の表裏を識別する識別マーク(印刷識別標識)を印刷する。この識別マークは、前述した後処理装置6の表裏マーク識別センサ51で検出する表裏マークと共通であってもよい。この識別マークは、印刷済みの連続紙Pのどちらの面が表面でどちらの面が裏面かを判断するための識別標識となる。識別マークは、連続紙Pの表面又は裏面にのみ印刷して、当該表裏マークの有無により当該面が表面か裏面かを判断するようにしてもよいし、連続紙Pの表裏どちらの面にも印刷して、当該マークの違いにより当該面が表面か裏面かを判断するようにしてもよい。すなわち、前者の場合、表面印刷装置2は、帳票紙Cの表面の印刷データで印刷するときは当該表面のユーザ印字領域外に識別マークを印刷する。また、表面印刷装置2は、帳票紙Cの裏面の印刷データを印刷するときは当該裏面のユーザ印字領域外には識別マークを印刷しない。また、後者の場合は、表面印刷装置2は、帳票紙Cの表面の印刷データを印刷するときは当該表面のユーザ印字領域外に表面であることを示す識別マークを印刷する。この場合、表面印刷装置2は、帳票紙Cの裏面の印刷データを印刷するときは当該裏面のユーザ印字領域外に裏面であることを示す識別マークを印刷する。このような識別マークによって表面印刷装置2で表面の印刷データと裏面の印刷データのどちらを印刷したのかを識別することができる。この場合に、識別マークは表面印刷装置2の画像ステーション12Kのプリンタエンジン13Kなどで印刷することができるが、画像ステーション12K、12C,12M,12Y以外に識別マークを各帳票紙Cに付与するための専用の装置(スタンパなど)を設けるようにしてもよい。
【0128】
そして、裏面印刷装置3は、例えば、画像ステーション12Kのプリンタエンジン13Kより用紙搬送経路の上流側に設けられたマーク識別センサ62(図1参照)により識別マークを読み取って当該識別マークの有無を検出し、当該マーク識別センサ62側の帳票紙Cの面が表面か裏面かを判断する。
【0129】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3のCPU111、131は、それぞれ印刷制御部202、203から印刷実行の指示を受けた帳票紙Cに対する印刷(転写帯電器26による連続紙Pへのトナー画像の転写)の終了を、それぞれ印刷制御部202、203を介して重連印刷制御部201に通知する。
【0130】
重連印刷制御部201は、ホスト装置102から送信される印刷データ(各帳票紙Cの表面、裏面の印刷データ)をラスターデータに変換後、各印刷データを表面印刷装置2、裏面印刷装置3に送信する。この場合、表面印刷装置2で表面を印刷し、裏面印刷装置3で裏面を印刷していても、あるいは、その逆であっても、表面印刷装置2、裏面印刷装置3の双方に各帳票紙Cの表面、裏面両方の印刷データを送信する。
【0131】
印刷制御部202、203は、それぞれ数枚から数十枚の帳票の印刷データをスプールすることができる。
【0132】
以上の構成で、表面印刷装置2で各帳票紙Cの表面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの裏面を印刷しているときに、表面印刷装置2で各帳票紙Cの裏面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの表面を印刷するように印刷の分担の交換を行う場合の処理について、フローチャートを参照して説明する。
【0133】
図14のフローチャートに示すように、重連印刷制御部201は、いずれかのスワップフラグがオフの状態(スワップフラグ=0)からオン(スワップフラグ=1)になったときは(ステップS21のY)、表面印刷装置2のCPU111からの印刷終了の通知により、表面印刷装置2でどの帳票紙C(の表面)まで印刷が終了しているか否かを判断し(ステップS22)、表面印刷装置2で各帳票紙Cの裏面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの表面を印刷するように印刷データの変更を行う当該印刷データ(裏面の印刷データ及び表面の印刷データ)を識別するための番号(データ識別標識)とともに当該印刷データの変更を表面印刷装置2及び裏面印刷装置3に指示する(ステップS23)。
【0134】
図15のフローチャートに示すように、表面印刷装置2のCPU111は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う当該印刷データの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS31のY)、当該印刷データの番号をRAM113などに記憶し、当該指示を受けた番号の印刷データの帳票紙Cの印刷から帳票紙Cの裏面の印刷データを印刷するように印刷に使用する印刷データを変更する(ステップS32)。また、当該指示を受けた番号の帳票紙Cの印刷から帳票紙Cの裏面を印刷することを示すようにユーザ印字領域外の識別マークを変更して印刷する(ステップS32)。すなわち、ユーザ印字領域外には裏面であることを示すために識別マークを印刷しないようにし、あるいは、帳票紙Cの裏面であることを示す識別マークをユーザ印字領域外に印刷するようにする。
【0135】
また、図16のフローチャートに示すように、裏面印刷装置3のCPU131は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う印刷データの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS41のY)、当該印刷データの番号をRAM133などに記憶し、片面のみ表面印刷装置2で印刷済みの帳票紙Cの識別マークをマーク識別センサ62で検出し、その検出結果により裏面の印刷データを表面印刷装置2で印刷済みの帳票紙Cを特定したときは(ステップS42のY)、当該帳票紙Cを始まりとして、印刷データの変更を行うとの指示を受けた番号以降の帳票紙Cの表面の印刷データの印刷を帳票紙Cの未印刷の面に対して始める(ステップS43)。すなわち、印刷データの番号により表面印刷装置2で印刷の分担の交換を開始した先頭の帳票紙Cの表面の印刷データがどれであるかを識別することができる。
【0136】
図17は、この場合の印刷データの変更について説明する印刷データの説明図である。各帳票紙Cの印刷データには、…,n−3番,n−2番,n−1番,n番,n+1番,n+2番,n+3番,…のような番号が付されていて、番号の若い印刷データの順に帳票紙Cの印刷が行われる。各番号には、当該帳票紙Cの表面の印刷データ(第1印刷データ)Oと、裏面の印刷データU(第2印刷データ)とが対応していて、前述のとおり、表面印刷装置2、裏面印刷装置3には何れも表面の印刷データOと、裏面の印刷データUとがそれぞれ送信されている。
【0137】
ここで、印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号がn番であったときは、表面印刷装置2ではn番の帳票紙Cから帳票紙Cの裏面を印刷し、当該印刷面が帳票紙Cの裏面であることを示すように識別マークを変更する。また、裏面印刷装置3は、識別マークの検出によりn番の帳票紙Cを検出したときは、当該n番の帳票紙Cから帳票紙Cの表面を印刷するようにする。
【0138】
次に、表面印刷装置2で各帳票紙Cの表面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの裏面を印刷するように印刷の分担の交換を解消する場合の処理について説明する。
【0139】
図18のフローチャートに示すように、重連印刷制御部201は、全てのスワップフラグがオンの状態(スワップフラグ=1)からオフ(スワップフラグ=0)になったときは(ステップS61のY)、表面印刷装置2のCPU111からの印刷終了の通知により、表面印刷装置2でどの帳票紙C(の表面)まで印刷が終了しているか否かを判断し(ステップS62)、表面印刷装置2で各帳票紙Cの表面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの裏面を印刷するように、印刷データの変更を行う印刷データ(裏面の印刷データ及び表面の印刷データ)を識別するための番号(データ識別標識)とともに当該印刷データの変更を表面印刷装置2及び裏面印刷装置3に指示する(ステップS63)。
【0140】
図19のフローチャートに示すように、表面印刷装置2のCPU111は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う印刷データの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS71のY)、当該印刷データの番号をRAM113などに記憶し、当該指示を受けた番号の印刷データの帳票紙Cの印刷から帳票紙Cの表面の印刷データを印刷するように印刷に使用する印刷データを変更する(ステップS72)。また、当該指示を受けた番号の印刷データの帳票紙Cの印刷から帳票紙Cの表面を印刷することを示すようにユーザ印字領域外の識別マークを変更して印刷する(ステップS72)。すなわち、ユーザ印字領域外には表面であることを示すために識別マークを印刷するようにし、あるいは、帳票紙Cの表面であることを示す識別マークをユーザ印字領域外に印刷するようにする。
【0141】
また、図20のフローチャートに示すように、裏面印刷装置3のCPU131は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS81のY)、当該印刷データの番号をRAM133などに記憶し、片面のみ表面印刷装置2で印刷済みの帳票紙Cの識別マークをマーク識別センサ62で検出し、その検出結果により表面を表面印刷装置2で印刷済みの帳票紙Cを検出したときは(ステップS82のY)、当該帳票紙Cを始まりとして、印刷データの変更を行うとの指示を受けた番号以降の帳票紙Cの裏面の印刷データの印刷を帳票紙Cの未印刷の面に対して始める(ステップS83)。すなわち、印刷データの番号により表面印刷装置2で印刷の分担の交換の解消を開始した先頭の帳票紙Cの裏面の印刷データがどれであるかを識別することができる。
【0142】
この場合は、図17に示すように、印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号がn番であったときは、表面印刷装置2ではn番の帳票紙Cから帳票紙Cの表面を印刷し、当該印刷面が帳票紙Cの表面であることを示すように識別マークを変更する。また、裏面印刷装置3は、識別マークの検出によりn番の帳票紙Cを検出したときは、当該n番の帳票紙Cから帳票紙Cの裏面を印刷するようにする。
【0143】
本例は、表裏反転装置5がバッファ装置としての機能も備えている場合など、表面印刷装置2と裏面印刷装置3との間の連続紙Pの搬送距離が変動しうる場合に有効である。
【0144】
(2)印刷データ変更手段2
次に、スワップフラグがオン(スワップフラグ=1)になったときに(ステップS13)実行される表面印刷装置2、裏面印刷装置3の印刷データの変更手段の他の例について説明する。
【0145】
本例では、表面印刷装置2は、帳票紙Cのユーザ印字領域外に用紙の表裏を識別する識別マークを印刷する必要はない。また、識別マークを用いないために、マーク識別センサ62(図1)も不要である。
【0146】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3のCPU111、131は、それぞれ印刷制御部202、203から印刷実行の指示を受けた帳票紙Cに対する印刷(転写帯電器26による連続紙Pへのトナー画像の転写)の終了を、それぞれ印刷制御部202、203を介して重連印刷制御部201に通知する。
【0147】
重連印刷制御部201は、ホスト装置102から送信される印刷データ(各帳票紙Cの表面、裏面の印刷データ)をラスターデータに変換後、各印刷データを表面印刷装置2、裏面印刷装置3に送信する。この場合、表面印刷装置2で表面を印刷し、裏面印刷装置3で裏面を印刷していても、あるいは、その逆であっても、表面印刷装置2、裏面印刷装置3の双方に各帳票紙Cの表面、裏面両方の印刷データを送信する。
【0148】
印刷制御部202、203は、それぞれ数枚から数十枚の印刷データをスプールすることができる。
【0149】
また、本例では表面印刷装置2から裏面印刷装置3までの連続紙Pの搬送距離は常に一定であり、本例では表面印刷装置2で印刷が開始する直前から裏面印刷装置3で印刷が開始する直前まで帳票紙Cでm枚分の搬送距離があるものとする。そして、裏面印刷装置3のCPU131は、連続紙Pを搬送する搬送ローラや感光体ドラム21、あるいは、連続紙Pの流れに連れ回るように回転するローラ(図示せず)などの回転角などから、裏面印刷装置3内を移動する連続紙Pの搬送距離を判断することができる。
【0150】
以上の構成で、表面印刷装置2で各帳票紙Cの表面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの裏面を印刷しているときに、表面印刷装置2で各帳票紙Cの裏面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの表面を印刷するように印刷の分担を交換する場合の処理について、フローチャートを参照して説明する。
【0151】
図14のフローチャートに示すように、重連印刷制御部201は、いずれかのスワップフラグがオフ(スワップフラグ=0)からオン(スワップフラグ=1)になったときは(ステップS21のY)、表面印刷装置2のCPU111からの印刷終了の通知により、表面印刷装置2でどの帳票紙C(の表面)まで印刷が終了しているかを判断し(ステップS22)、表面印刷装置2で各帳票紙Cの裏面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの表面を印刷するように印刷データの変更を行う印刷データ(裏面の印刷データ及び表面の印刷データ)を識別するための番号(データ識別標識)とともに当該印刷データの変更を表面印刷装置2及び裏面印刷装置3に指示する(ステップS23)。このように図14の処理については前述の印刷データ変更手段1の場合と同様である。
【0152】
図21のフローチャートに示すように、表面印刷装置2のCPU111は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う印刷データの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS101のY)、当該印刷データの番号をRAM113などに記憶し、当該指示を受けた番号の印刷データの帳票紙Cの印刷から帳票紙Cの裏面の印刷データを印刷するように印刷に使用する印刷データを変更する(ステップS102)。
【0153】
また、図22のフローチャートに示すように、裏面印刷装置3のCPU131は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS111のY)、当該印刷データの番号をRAM133などに記憶し、その時点から帳票紙Cでm枚分の連続紙Pの搬送(印刷)を行うまで待ち(ステップS112)、帳票紙Cでm枚分の連続紙Pの搬送(印刷)を行なったときは(ステップS112のY)、その直後の帳票紙Cを印刷の分担の交換を表面印刷装置2で開始した帳票紙Cとして特定し、その帳票紙Cを始まりとして、印刷データの変更を行うとの指示を受けた番号以降の帳票紙Cの表面の印刷データの印刷を帳票紙Cの未印刷の面に対して始める(ステップS113)。すなわち、印刷データの番号により表面印刷装置2で印刷の分担の交換を開始した先頭の帳票紙Cの表面の印刷データがどれであるかを識別することができる。
【0154】
この例においては、図17に示すように、印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号がn番であったときは、表面印刷装置2ではn番の帳票紙Cから帳票紙Cの裏面の印刷を開始する。また、裏面印刷装置3は、帳票紙Cでm枚分の連続紙Pの搬送(印刷)を確認して後、前述のn番の帳票紙Cから帳票紙Cの表面を印刷するようにする。
【0155】
次に、表面印刷装置2で各帳票紙Cの表面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの裏面を印刷するように印刷の分担の交換を解消する場合の処理について説明する。
【0156】
図18のフローチャートに示すように、重連印刷制御部201は、すべてのスワップフラグがオン(スワップフラグ=1)からオフ(スワップフラグ=0)になったときは(ステップS61のY)、表面印刷装置2のCPU111からの印刷終了の通知により、表面印刷装置2でどの帳票紙C(の表面)まで印刷が終了しているかを判断し(ステップS62)、表面印刷装置2で各帳票紙Cの表面、裏面印刷装置3で各帳票紙Cの裏面を印刷するように、印刷データの変更を行う印刷データ(裏面の印刷データ及び表面の印刷データ)を識別するための番号(データ識別標識)とともに当該印刷データの変更を表面印刷装置2及び裏面印刷装置3に指示する(ステップS63)。このように図18の処理については前述の印刷データ変更手段1の場合と同様である。
【0157】
図23のフローチャートに示すように、表面印刷装置2のCPU111は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS121のY)、当該指示を受けた番号の帳票紙Cの印刷から帳票紙Cの表面を印刷するように印刷に使用する印刷データを変更する(ステップS122)。
【0158】
また、図24のフローチャートに示すように、裏面印刷装置3のCPU131は、印刷制御装置101の重連印刷制御部201から印刷データの変更を行う印刷データの番号とともに当該印刷データの変更の指示を受けたときは(ステップS131のY)、当該印刷データの番号をRAM133などに記憶し、その時点から帳票紙Cでm枚分の連続紙Pの搬送(印刷)を行うまで待ち(ステップS132)、帳票紙Cでm枚分の連続紙Pの搬送(印刷)を行なったときは(ステップS62のY)、その直後の帳票紙Cを印刷の分担の交換の解消を表面印刷装置2で開始した帳票紙Cとして特定し、その帳票紙Cを始まりとして、印刷データの変更を行うとの指示を受けた番号以降の帳票紙Cの裏面の印刷データの印刷を帳票紙Cの未印刷の面に対して始める(ステップS133)。すなわち、印刷データの番号により表面印刷装置2で印刷の分担の交換の解消を開始した先頭の帳票紙Cの裏の印刷データがどれであるかを識別することができる。
【0159】
この例においては、図17に示すように、印刷データの変更を行う帳票紙Cの番号がn番であったときは、表面印刷装置2ではn番の帳票紙Cから帳票紙Cの表面の印刷を開始する。また、裏面印刷装置3は、帳票紙Cでm枚分の連続紙Pの搬送(印刷)を確認して後、前述のn番の帳票紙Cから帳票紙Cの裏面を印刷するようにする。
【0160】
本例は、表面印刷装置2と裏面印刷装置3との間の連続紙Pの搬送距離が固定されている場合に有効である。また、印刷データ変更手段1の場合に比べてマーク識別センサ62などを設ける必要がないため、製造コストを低減することもできる。
【0161】
以上のようにして表面印刷装置2、裏面印刷装置3で印刷を行うので、連続紙P上の各帳票紙Cは表面が上になったり裏面が上になったりして統一されることなく裏面印刷装置3から排出されることになる。そこで、すべての帳票紙Cについて表裏の向きを揃えるのが後処理装置6である。すなわち、バッファ装置7から送り出される連続紙Pは、表裏マーク識別センサ51により表裏マークを検出して、当該表裏マーク識別センサ51側の面が表面か裏面かを検出され、また、連続紙P中の各帳票紙Cをカッタ52により切り離す位置を検出される。そして、各帳票紙C間はカッタ52により切り離される。
【0162】
カッタ52により切り離された各帳票紙Cは、表裏マークの検出により例えば表面が下になっていて表裏反転する必要があるときは、表裏反転機構53により表裏反転してからスタッカ54に搬送される。また、例えば表面が上になっていて表裏反転する必要がないときは、そのまま表裏反転機構53をスルーしてスタッカ54に搬送される。表裏反転機構53は、帳票紙Cを表裏反転するときは、送り込み機構54を降ろして(符号54aの位置)スタッカ54に帳票紙Cを送り込み、その後、紙送りローラ55を逆転して当該帳票紙Cをスタッカ54に送り込む。表裏反転を行わないときは、送り込み機構54を引き上げた状態で(符号54bの位置)、そのまま帳票紙Cをスルーさせてスタッカ54に搬送する。こうしてスタッカ54には多数枚の帳票紙Cが表裏の向きを揃えて積層されて収納されることになる。
【0163】
このように、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで印刷の分担を交換することがあっても、印刷後の各帳票紙Cは表裏の向きを揃えてスタッカ54に収納されるので、印刷後の大量の帳票紙Cの表裏の向きを手作業で揃えるような煩雑な作業は不要であり、もってユーザの便宜を図ることができる。
【0164】
以上のようにスワップ判断テーブル205を使用して表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで表裏の印刷データを適宜交換しつつ印刷を行う場合と、従来のように表面印刷装置2では帳票紙Cの表面の印刷、裏面印刷装置3では帳票紙Cの裏面の印刷と、印刷の分担を固定して印刷する場合とを比較して、本重連印刷システム1の作用、効果について説明する。
【0165】
図25(a)は従来の重連印刷システムで消耗品の交換又は廃棄品の回収が発生する頻度について説明する説明図であり、図25(b)は本重連印刷システム1で消耗品の交換又は廃棄品の回収が発生する頻度について説明する説明図である。
【0166】
図25においては、表面印刷装置2、裏面印刷装置3のそれぞれについて任意の2種類の消耗品A,Bの各々について消耗の程度の変化を経時的に示している。すなわち「1」〜「25」まで番号が大きくなるほど後の時点での状態を示している。そして、表面印刷装置2、裏面印刷装置3では、スワップ判断テーブル205に示すように多種類の消耗品又は廃棄品について消耗又は蓄積の程度を把握しているが、ここでは便宜上2種類の消耗品A,Bのみを示している。消耗品A,Bのそれぞれについて「1」〜「25」の各々の番号と対応付けて示されている「100」「90」などの数値は当該消耗品の消耗の程度を示すものである。「←交換1」「←交換2」などとあるのは当該時点で交換の必要な消耗品を交換したことを示している。同様に、「0→100」「4→100」などと示されているのは、矢印の左の数値は当該時点の消耗品の消耗の程度を示しており、矢印の右に「100」と示されているのは、当該消耗品を交換して消耗の程度が全く消耗していない状態、すなわち、「100」に戻ったことを示している。
【0167】
図25(b)において、「←スワップ」とあるのは、本重連印刷システム1において前述のとおり表面印刷装置2、裏面印刷装置3間で印刷の分担を交換したことを示す。すなわち、表面印刷装置2と裏面印刷装置3とで各消耗品A,Bのそれぞれについて消耗の程度を比較し、両者間に差が生じた場合には印刷に使用するデータを変更している。
【0168】
本例では、単位印刷量当たりに必要な消耗品の消耗の程度を、消耗品Aでは帳票紙Cの表面の印刷に10%、裏面の印刷に8%とし、消耗品Bでは帳票紙Cの表面の印刷に6%、裏面の印刷に4%として、消耗品A,Bの消耗の程度を示した。そして、「1」〜「25」の各時点は単位印刷を実行するごとに1つ進行するようにしている。よって、例えば、図25に示す従来の重連印刷システムの消耗品Aは単位印刷当たりに10%消耗するので、「1」「2」「3」…と進行するにつれて、消耗の程度が「100」「90」「80」…と進むことになる。
【0169】
図25(a)と図25(b)とを比較するに、図25(a)に示す従来の重連印刷システムでは、「1」〜「25」の期間で「交換1」〜「交換6」の6回もの消耗品の交換が生じている。これに対して、図25(b)に示す本重連印刷システム1においては、印刷に使用するデータの変更(「スワップ」)が16回発生し、これにより消耗品A,Bについて表面印刷装置2、裏面印刷装置3間における平準化がある程度図られて、消耗品の交換は「交換1」〜「交換3」の3回にとどまっていることがわかる。
【0170】
このように、本実施の形態の重連印刷システム1によれば、消耗品の交換や廃棄品の回収等のために印刷中に運転が停止する回数を減らすことができるので、運転が停止することに起因する連続紙Pの損失や印刷の生産性の低下を抑制することができる。
【0171】
以上、本実施の形態の重連印刷システム1について説明したが、本発明は、以上の説明の内容に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0172】
例えば、前述の重連印刷システム1は2台の印刷装置を重連接続した構成であるが、3台以上の印刷装置を重連接続し、各印刷装置で各帳票紙Cの各部分の印刷を分担するようにしてもよい。3台以上の印刷装置を重連接続するときは、各消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度の比較は消耗の程度又は蓄積の程度の最も大きいものと最も小さいものとで行い、その消耗の程度又は蓄積の程度の最も大きい印刷装置と最も小さい印刷装置とで印刷データを交換することが考えられる。
【0173】
また、重連印刷システム1は2台の印刷装置で両面印刷を行うものであるが、片面印刷を重連印刷するようにしてもよい。すなわち、各帳票紙Cの片面の印刷を2台又は3台以上の各印刷装置で分担するようにしてもよい。
【0174】
印刷媒体としては前述の例では連続紙Pを使用して帳票紙Cの印刷を連続的に行っているが、印刷媒体としてカット紙を使用して各カット紙に各帳票紙Cの印刷を行なうようにしてもよい。
【0175】
表面印刷装置2、裏面印刷装置3は何れもタンデム型で構成されてカラー印刷を行うようにしているが、表面印刷装置2、裏面印刷装置3をいずれも単一の画像ステーションのみを備える構成として、白黒印刷など単色の印刷を行うようにしてもよい。
【0176】
さらに、表面印刷装置2、裏面印刷装置3の印刷方式は電子写真方式に限定されるものではなく、インクジェット方式、銀塩写真方式、熱転写方式(昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式)、直接感熱記録方式など、様々な印刷方式を適用することができる。
【0177】
また、刷版の形成と交換を自動で迅速に行うことができるのであれば、孔版印刷方式などの刷版印刷方式を表面印刷装置2、裏面印刷装置3の印刷方式として適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】本発明の一実施の形態の重連印刷システムの概略構成の説明図である。
【図2】表面印刷装置、裏面印刷装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】表裏反転装置の平面図(a)と正面図(b)である。
【図4】バッファ装置の説明図である。
【図5】後処理装置の説明図である。
【図6】重連印刷システムの電気的な接続を示すブロック図である。
【図7】印刷制御装置の電気的な接続を示すブロック図である。
【図8】ホスト装置の電気的な接続を示すブロック図である。
【図9】印刷制御装置が実行する処理を説明する機能ブロック図である。
【図10】消耗品の消耗量、廃棄品の蓄積量について説明するグラフである。
【図11】スワップ判断テーブルについて説明する説明図である。
【図12】消耗品消費量検知部が行う処理について説明するフローチャートである。
【図13】重連印刷制御部が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図14】重連印刷制御部が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図15】表面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図16】裏面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図17】印刷データの番号について説明する説明図である。
【図18】重連印刷制御部が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図19】表面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図20】裏面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図21】表面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図22】裏面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図23】表面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図24】裏面印刷装置が実行する処理について説明するフローチャートである。
【図25】重連印刷システムの作用、効果について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0179】
1 重連印刷システム
2 表面印刷装置
3 裏面印刷装置
6 後処理装置
13K プリンタエンジン
21 感光体ドラム
22 前帯電器
23 露光装置
24 現像装置
26 転写帯電器
27 転写クリーナ
29 トナー回収ボトル
30 定着装置
51 表裏マーク識別センサ
52 カッタ
53 表裏反転機構
54 スタッカ
61 脱煙ブロワ
62 マーク識別センサ
101 印刷制御装置
201 重連印刷制御部
202 印刷制御部
203 印刷制御部
204 消耗品消費量検知部
205 スワップ判断テーブル
P 連続紙
C 帳票紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に対して単位画像の異なる部分を互いに分担して当該単位画像の重連印刷を行うことにより、前記印刷媒体に前記単位画像を連続的に印刷する、互いに重連接続された第1の印刷装置及び前記第1の印刷装置より前記印刷媒体の搬送経路の下流側の第2の印刷装置と、
前記各印刷装置で印刷により発生する一又は複数種類の消耗品の消耗の程度又は廃棄品の蓄積の程度を検出する消耗・蓄積検出手段と、
前記消耗・蓄積検出手段で検出した同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度を前記各印刷装置間で比較した結果、同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度に所定の差が生じたときは、前記各印刷装置間において前記単位画像の異なる部分の印刷の分担を交換するように制御する制御手段と、
を備えている重連印刷システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記印刷分担交換手段による前記各印刷装置間での印刷の分担の交換後に、当該交換にかかる同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度の所定の差が解消したときは、前記印刷分担交換手段による前記各印刷装置での印刷の分担の交換を解消する、請求項1に記載の重連印刷システム。
【請求項3】
前記制御手段は、印刷の分担の交換がないときに前記各単位画像の印刷データのうち前記第1印刷装置で印刷を分担する第1印刷データ及び前記第2印刷装置で印刷を分担する第2印刷データのいずれも前記第1印刷装置及び前記第2印刷装置にそれぞれ送信し、印刷の分担を交換するときには、前記第1印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第1印刷データから前記第2印刷データに変更し、前記第2印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第2印刷データから前記第1印刷データに変更することにより前記印刷の分担の交換を行なう、請求項2に記載の重連印刷システム。
【請求項4】
前記制御手段は、印刷の分担を解消するときには、前記第1印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第2印刷データから前記第1印刷データに変更し、前記第2印刷装置で印刷に使用する印刷データを前記第1印刷データから前記第2印刷データに変更することにより前記分担の交換の解消を行なう、請求項3に記載の重連印刷システム。
【請求項5】
前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を行ったことを識別する印刷識別標識を前記印刷媒体上の当該第2印刷データによる印刷を行った前記単位画像に付する印刷識別標識付与手段と、
前記第2印刷装置のプリンタエンジンより前記印刷媒体の搬送経路上流側に設けられ、前記印刷媒体の前記印刷識別標識を読み取る印刷識別標識読取手段と、
前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第1印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、
前記第1印刷装置で前記印刷の分担の交換を開始したときは、前記印刷識別標識読取手段で前記印刷識別標識を読み取ることにより前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像を特定する単位画像特定手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記印刷の分担の交換を開始したときは、前記単位画像特定手段で特定された前記印刷媒体上の前記単位画像を開始位置として、前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第1印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始するよう制御する、
請求項2〜4のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項6】
前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を行ったことを識別する印刷識別標識を前記印刷媒体上の当該第1印刷データによる印刷を行った前記単位画像に付する印刷識別標識付与手段と、
前記第2印刷装置のプリンタエンジンより前記印刷媒体の搬送経路上流側に設けられ、前記印刷媒体の前記印刷識別標識を読み取る印刷識別標識読取手段と、
前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第2印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、
前記印刷識別標識読取手段で前記印刷識別標識を読み取ることにより前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像を特定する単位画像特定手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記分担の交換の解消を開始したときは、前記単位画像特定手段で特定された前記印刷媒体上の前記単位画像を開始位置として、前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第2印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始するよう制御する、
請求項2〜4のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項7】
前記第1印刷装置で印刷後の前記印刷媒体の搬送距離を検出する搬送距離検出手段と、
前記第1印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第1印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、
前記搬送距離検出手段で検出した前記印刷媒体の搬送距離により前記第1印刷装置で第2印刷データを印刷した先頭の前記単位画像の位置を特定する位置特定手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記印刷の分担の交換を開始したときは、前記位置特定手段で特定した先頭の前記単位画像を開始位置として前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第1印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始するよう制御する、
請求項2〜4のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項8】
前記第1印刷装置で印刷後の前記印刷媒体の搬送距離を検出する搬送距離検出手段と、
前記第1印刷装置で前記第1印刷データの印刷を開始した先頭の前記単位画像の前記第2印刷データを識別するデータ識別標識を記憶するデータ識別標識記憶手段と、
前記搬送距離検出手段で検出した前記印刷媒体の搬送距離により前記第1印刷装置で第1印刷データを印刷した先頭の前記単位画像の位置を特定する位置特定手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1印刷装置で前記分担の交換の解消を開始したときは、前記位置特定手段で特定した先頭の前記単位画像を開始位置として前記データ識別標識記憶手段で記憶している前記データ識別標識が示す前記第2印刷データを先頭に前記第2印刷装置で前記第2印刷データの印刷を開始するよう制御する、
請求項2〜4のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記所定の差が生じた前記消耗品又は前記廃棄品が複数あるときは、同種類の前記消耗品の消耗の程度又は前記廃棄品の蓄積の程度の所定の差が解消したか否かの判断を、複数の前記消耗品又は前記廃棄品のうち当該消耗の程度又は蓄積の程度が最も大きいものについて行う、請求項2〜8のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項10】
前記第1印刷装置及び第2印刷装置は、
感光体と、
前記感光体上を帯電させる帯電装置と、
前記帯電装置による帯電後の前記感光体上に静電潜像を光書き込みする露光装置と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像装置と、
前記感光体上のトナー画像を前記印刷媒体上に転写する転写装置と、
前記転写装置による転写後の前記感光体上に残存するトナーを除去するクリーニング装置と、
前記クリーニング装置により除去後の前記トナーを回収する容器と、
をそれぞれ備えていて、
前記容器内の前記トナーは、前記消耗・蓄積検出手段により蓄積の程度を検出する廃棄品のひとつであり、
何れも電子写真方式で印刷を行う、
請求項2〜9のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項11】
前記第1印刷装置及び第2印刷装置は、複数色のトナー画像を各々形成する複数のプリンタエンジンをそれぞれ備え、いずれも前記各トナー画像を重ね合わせてカラー画像を形成する印刷装置であり、
前記各プリンタエンジンは、前記現像装置をそれぞれ備え、
前記各現像装置は、いずれも2成分現像剤により前記現像を行うものであり、
前記各現像装置が有する前記2成分現像剤に前記トナーとともに含まれている現像剤は、それぞれ前記消耗・蓄積検出手段により消耗の程度を検出する前記消耗品のひとつであり、
前記消耗・蓄積比較手段は、前記第1印刷装置と前記第2印刷装置とで同色のトナーで現像する前記現像装置の前記現像剤同士の消耗の程度を比較する、
請求項10に記載の重連印刷システム。
【請求項12】
前記第1印刷装置は、前記印刷媒体に対する前記単位画像となる印刷物の一方の面の印刷を分担し、
前記第2印刷装置は、前記印刷媒体に対する印刷物の他方の面の印刷を分担し、
前記第1及び第2印刷装置による印刷後の前記印刷媒体の各面の印刷が前記印刷物のどちらの面であるかを識別する面識別標識を前記各単位画像に付する面識別標識付与手段と、
前記印刷媒体を搬送する搬送経路の前記第2印刷装置より下流側で前記印刷媒体に付されている前記面識別標識を読み取る面識別標識読取手段と、
前記面識別標識読取手段で読み取った前記面識別標識により前記印刷物の各面の印刷が前記印刷物のどちらの面であるかを判定する面判定手段と、
前記面判定手段の判定に応じて前記各印刷物の各面の向きを揃える面揃え装置と、
前記面揃え装置で各面の向きを揃えた前記各印刷物を積層して収納する収納部と、
をさらに備えている請求項2〜11のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。
【請求項13】
前記印刷媒体は連続紙である、請求項1〜12のいずれかの一項に記載の重連印刷システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2009−78409(P2009−78409A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248370(P2007−248370)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】