説明

金とポリパラキシリレン被膜との密着改良剤およびこれを用いた放射線画像検出器

【課題】化学的に活性の低い金表面とポリパラキシリレン被膜の密着性を向上させる。
【解決手段】金電極を有し、この金電極表面がポリパラキシリレン被膜で保護されている放射線固体検出器において、金電極とポリパラキシリレン被膜との間に、下記一般式


(ここでRは炭素数1から4の炭素数を含む脂肪族基、エーテル基から選択される2価の連結基であり、Rは1から3の飽和炭化水素であり、R2はR1とともに環を形成してもよい。X,XはO,S,N−Rからなる群より選択される二価の基である。)で表されることを特徴とする密着改良剤からなる密着層を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリパラキシリレンの気相蒸着被膜を金表面に被覆する際に、金表面と被膜となるポリパラキシリレンとを強固に密着させることが可能な密着改良剤、さらにこの密着改良剤を利用した放射線画像検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリパラキシリレンは、CVD法により容易に被膜形成ができるとともに、ポリパラキシリレンにより形成された膜は防湿性、耐電圧性に優れ、化学的にも不活性で耐薬品性が高いことから、電気部品、電気回路基板、その他多くの部品等の保護皮膜として検討されている。
【0003】
しかし、一方で、ポリパラキシリレン被膜は往々にして基材表面に対する密着性に乏しく、被覆後に剥がれ易いという問題があることが知られている。こうした問題を解決する為に種々の方法が提案されている。そのなかでも簡易であり、所望の接着強度が得られるという観点から、ポリパラキシリレンのCVD蒸着に先立ち、プライマー材料で基材表面を改質する方法が知られている。
【0004】
最も代表的なものとしては、非特許文献1に記載されているようなシリコンカップリング剤をプライマー材料として用いる方法、特許文献1に記載されているようなビフェニール骨格あるいはジフェニルメタン骨格を有する化合物をコーティングした後に、パリレン被膜を気相蒸着法により造膜する方法、特許文献2に記載されているようなリン酸不飽和エステルを定着剤として用いる方法が知られている。
【非特許文献1】Jor.Mat.Sci.;Material in electronics,12 (2001), 581-586
【特許文献1】特開平9−59406号公報
【特許文献2】特開昭62−177017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金は化学的安定性が高く、電気抵抗が低いために、電気回路の接点、配線の材料として有用である。アモルファスセレン(a−Se)を用いた直接型の放射線画像検出器においてもバイアス電極として金が使用される。Seから成る当該放射線検出器は外部環境からの影響を防ぐ為に保護膜で覆うことが好ましく、特に常温での製膜が可能なパリレン膜で保護するのが好ましい。
【0006】
しかし、こうした構成においては、金電極とパリレン被膜の密着が弱いために、ポリパラキシリレン被膜が剥がれやすいという問題がある。上記文献に記載されている化合物は、ガラス、プラスチック、鉄のような材料に対しては良好な密着改良効果を奏するものの、化学的に活性の低い金表面に対しては充分な密着性が得られない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、化学的に活性の低い金表面とポリパラキシリレン被膜の密着性を向上させることが可能な密着改良剤、およびこの密着改良剤により密着した金層を有する構造物、さらに、これを利用した放射線画像検出器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の密着改良剤は、金とポリパラキシリレン被膜を密着するための下記一般式
【化1】

(ここでRは炭素数1から4の炭素数を含む脂肪族基、エーテル基から選択される2価の連結基であり、Rは1から3の飽和炭化水素であり、R2はR1とともに環を形成してもよい。X,XはO,S,N−Rからなる群より選択される二価の基である。)
で表されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の構造物の構造物は、金表面に、上記密着改良剤からなる密着層を有し、該密着層上にポリパラキシリレン被膜が形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の放射線固体検出器は、基板上に少なくとも、静電潜像に応じた電荷を出力する読み出し電極、電磁波の照射を受けて光伝導性を呈することで画像様の静電潜像を形成する光伝導層、バイアス電圧印加用の金電極をこの順に積層してなる、放射線画像検出器において、前記金電極表面に、請求項1記載の密着改良剤からなる密着層を有し、該密着層上にポリパラキシリレン被膜が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の下記一般式で表される
【化2】

密着改良剤は、金とポリパラキシリレン被膜の密着性を向上させることができるので、化学的に活性の低い金表面からポリパラキシリレン被膜の剥がれを抑制し、安定な構造物を得ることができる。
【0012】
本発明の放射線固体検出器は、基板上に少なくとも、静電潜像に応じた電荷を出力する読み出し電極、電磁波の照射を受けて光伝導性を呈することで画像様の静電潜像を形成する光伝導層、バイアス電圧印加用の金電極をこの順に積層してなる、放射線画像検出器であるが、前記金電極表面に、請求項1記載の密着改良剤からなる密着層を介してポリパラキシリレン被膜が形成されているため、密着性よく保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出器の一実施の形態について説明する。図1は本発明の放射線画像検出器の一実施の形態を示す概略平面図、図2は図1に示す放射線画像検出器の部分斜視図、図3は図2に示す放射線画像検出器のIII−III線部分断面図、図4は図1に示す放射線画像検出器のIV−IV線断面図である。
【0014】
本発明の放射線画像検出器10は、図に示すように、放射線画像を担持した放射線を透過する、金電極からなる第1の電極層1、第1の電極層1を透過した放射線の照射を受けることにより電荷を発生する記録用光導電層2、記録用光導電層2において発生した電荷に対しては絶縁体として作用し、且つその電荷と逆極性の輸送電荷に対しては導電体として作用する電荷輸送層3、読取光の照射を受けることにより電荷を発生する読取用光導電層4、および読取光を透過する複数の第1の線状電極5aからなる第1のストライプ電極と読取光を遮光する複数の第2の線状電極5bからなる第2のストライプ電極とを有する第2の電極層5を、ガラス基板7上にこの順に積層してなるものである(なお、図2は電極層5の構成を示すために、ガラス基板7を省略して示している)。記録用光導電層2と電荷輸送層3との間には、記録用光導電層2内で発生した電荷を蓄積する蓄電部6が形成されている。金電極からなる第1の電極層1の一端は基板7の外周部まで延長された電気接続部11を介して外部機器(図示せず)に接続されている。
【0015】
金電極からなる第1の電極層1上には、本発明の密着改良剤からなる密着層8を有し、この密着層8上にはポリパラキシリレン被膜9が形成されている(なお、図1では下部の構成を示すために密着層8とポリパラキシリレン被膜9は省略して示している)。ポリパラキシリレン被膜9は、図4に示すように、第1の電極層1およびガラス基板上まで放射線画像検出器10を覆うように形成される。なお、金電極からなる第1の電極層1の表面以外の部分には、従来公知のプライマー材料によって密着層が設けられることが好ましい。
【0016】
第2の電極層(読出電極)5は、上記のように第1のストライプ電極と第2のストライプ電極とを有するものであるが、第1のストライプ電極の第1の線状電極5aと第2のストライプ電極の第2の線状電極5とは、図2に示すように、所定の間隔を空けて交互に平行に配列されている。第1の線状電極5aの材料としては読取光を透過し、導電性を有するものであれば如何なるものでもよいが、たとえば、ITO(Indium Tin Oxide)やIDIXO(Idemitsu Indium X-metal Oxide ;出光興産(株))を用いることができる。また、Al、Crなどの金属を用いて読取光を透過する程度の厚さ(たとえば、10nm程度)で形成するようにしてもよい。また、第2の線状電極の材料としては読取光を遮光し、導電性を有するものであれば如何なるものでもよいが、たとえば、Al、Crなどの金属を用いて読取光を遮光する程度の厚さ(たとえば、100nm厚程度)で形成するようにすればよい。
【0017】
記録用光導電層2は、放射線の照射を受けることにより電荷を発生するものであればよく、放射線に対して比較的量子効率が高く、また暗抵抗が高いなどの点で優れているa−Seを主成分とするものを使用する。厚さは100から500μm程度が適切である。
【0018】
電荷輸送層3としては、たとえば、第1の電極層1に帯電する電荷の移動度と、その逆極性となる電荷の移動度の差が大きい程良く(例えば102以上、望ましくは103以上)ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。
【0019】
読取用光導電層4としては、読取光の照射を受けることにより導電性を呈するものであればよく、例えば、a−Se、Se−Te、Se−As−Te、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine)、CuPc(Cupper phtalocyanine)などのうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。厚さは0.1〜1μm程度が適切である。
【0020】
密着層8を形成する本発明の密着改良剤は、下記一般式
【化3】

で表され、具体例としては、
化合物1(2-Propenoic acid, 2-methyl-,(2-thioxo-1,3-oxathiolan-5-yl)methyl ester)
【化4】

化合物2
【化5】

化合物3
【化6】

などを好ましくあげることができる。
【0021】
密着層8は、上記密着改良剤を適当な有機溶媒により溶解し、塗布することにより形成することができる。有機溶媒としては、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール等が好ましい。
【0022】
本発明の他の形態の放射線画像検出器として、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)などの電気的スイッチを1画素ずつON・OFFすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)を用いた検出器を挙げることができる。
【0023】
図5にその構造を示す。基板上に公知の方法でTFTアレーが形成され各TFT23は画素電極28と蓄積キャパシター24に接続され、蓄積キャパシターは共通の基準電位ライン21に接続される。また25はデーターライン、26はアドレスラインである。画素電極の上に記録用光導電層30が設置され、その上にバイアス印加用の金電極31が設置される。金電極31の上には、密着層32が設けられ、これを介してポリパラキシリレンからなる保護層33が設けられる。
【0024】
ポリパラキシリレン被膜9あるいは33に用いられる材料としては、以下の化学構造式の化合物が挙げられる。
【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

(但し、nは5000以上の整数)等の化学式であらわされ、単独で用いても組み合わせて用いても良い。
【0025】
ポリパラキシリレン被膜は気相蒸着重合法によって形成され、原料である固体二量体のジパラキシリレンの気化が起こる第一工程、二量体の熱分解によるジラジカルパラキシリレンの発生が起こる第二工程、基材へのジラジカルパラキシリレンの吸着と重合が同時に成され、高分子量のポリパラキシリレンの被膜形成が起こる第三工程よりなる3つの工程で形成される。この工程中において一般に真空度は0.1〜100Pa(10−3〜1Torr)であり、第一工程は100〜200℃、第二工程は450〜700℃、第三工程は室温にて行われる。これら、気相蒸着重合法によって得られたポリパラキシリレン被膜は、基材に対してコンフォーマル(同形)コーティングが可能である他、コーティングそのものは室温で行うことができるので、基材に対する熱履歴を与えないでコーティングを行うことができる。このため、高温の処理をすることができないSeデバイス等の基材に対するコーティングにも最適である。
以下に本発明の密着改良剤の実施例を示す。
【実施例】
【0026】
(密着性の比較試験)
ガラス基板上に厚み0.1μの金を蒸着しこの上に、上記化合物1から3の0.1%キシレン溶液を、刷毛を用いて塗布した。これをCVD装置のベルジャーに設置し、蒸発器で2,2’−ジクロロ−ジパラキシリレンを130℃に加熱して蒸発させた気体を、700℃に加熱した熱分解炉を通じてベルジャーに導き、ベルジャー内の金蒸着ガラス基板上にポリ−クロロパラキシリレン重合体膜を形成した試料1〜3を作製した。
【0027】
比較のために、公知のプライマーである
化合物A(trimetoxysilil-propyl-metylmetacrylate)
【化12】

化合物B(ジフェニルメタン)
【化13】

化合物C(メタクリロエチルフォスフェート)
【化14】

をそれぞれ塗布し、ここに、上記と同様の手順でポリ−クロロパラキシリレン重合体膜を形成した試料4〜6、および何ら処理を行わずにポリ−クロロパラキシリレン重合体膜を造膜した試料7を作製した。得られた試料の4cm×4cmの領域に賽の目状に切り込みを入れ、この上にマイラーテープを貼り付けた後に、剥離する方法により膜の密着強度を評価した。結果を表1に示す。
【表1】

【0028】
表1から明らかなように、本発明の密着改良剤を塗布した試料1〜3では、剥離が認められず、金に対して優れた密着性を有した。これに対して、密着改良剤未処理の試料7は完全に剥離し、また、公知のプライマーを用いた試料4〜6については、充分な密着性が得られなかった。
【0029】
(実施例1)
ガラス基板上に、第2の電極層、読取用光導電層、電荷輸送層、記録用光導電層、金電極からなる第1の電極層、をこの順に積層してなり、金電極が画像検出部の全面を覆うとともにその一端が外周部まで延長されて電気接続部となっている放射線画像検出器を形成した。金電極表面に、密着改良剤として上記化合物1を0.1%のキシレン溶液として塗布するとともに、金電極表面以外の画像検出器表面には公知のプライマーであるトリメトキシエチループロピル−メアタクリレートの0.1%イソプロパノール溶液を塗布した。次いで、化学蒸着法によりポリクロロパラキシリレンを20μmの厚さに堆積させ、皮膜を形成した。ポリクロロパラキシリレン膜を紫外線照射で処理した後、外側にポリエチレンテレフタレート層、内面にナイロン6の層がラミネートされたアルミ箔を、接着材を用いて、パラキシリレン膜の上方に重ねて接着することにより封止した。
【0030】
(比較例1)
実施例1において、密着改良剤として上記化合物1を用いず、金電極表面を含む検出器の全面に、化学蒸着法によりポリ−クロロパラキシリレンを20μmの厚さに堆積させた以外は実施例1と同様にして放射線画像検出器を製造した。
【0031】
実施例1と比較例1の二つの放射線画像検出器を収納ケースに収納し、40℃、85%の環境下で1ヶ月放置した後に、X線画像を測定したところ、実施例1の放射線画像検出器で得られたX線画像では画像欠陥が認められなかったが、比較例1の放射線画像検出器では、画像欠陥が表れた。
【0032】
本発明の検出器、及び比較例の検出器を収納ケースより取り出し、アルミ箔ラミネートフイルムを剥がし取り観察すると、比較例になる検出器のポリーパラキシリレン膜の一部が剥がれて浮き上がりが見られたのに対して、本発明になる検出器には異常は認められなかった。
【0033】
(実施例2)
ガラス基板上に、画素上に形成されたTFTを作製し、この上方に蒸着法によりアモルファスセレンからなる光伝導層を形成した。さらにこの上に金を蒸着してフィールド電極を形成することで、放射線画像検出器を作製した。金電極は画像検出器の全面を覆うとともにその一端が外周部まで延長され、電気接続部を介して外部回路に接続されるように形成した。金蒸着表面に密着改良剤として上記化合物1を0.1%のキシレン溶液として塗布するとともに、金蒸着表面以外の部分には公知のプライマーであるトリメトキシエチループロピル−メアタクリレートの0.1%イソプロパノール溶液を塗布した。次いで、化学蒸着法によりポリ−クロロパラキシリレンで被覆した。
【0034】
(比較例2)
実施例2において、密着改良剤として上記化合物1を用いず、金蒸着表面を含む検出器の全面に、実施例2で用いたトリメトキシエチル−プロピル−メアタクリレートの0.1%イソプロパノール溶液を塗布した以外は実施例2と同様にして放射線画像検出器を製造した。
【0035】
実施例2と比較例2の二つの放射線画像検出器を収納ケースに収納し、10℃と40℃の環境に交互に晒すことでの環境試験を行ったところ、実施例2の放射線画像検出器では変化が見られなかったのに対して、公知のプライマーであるトリメトキシエチル−プロピル−メアタクリレートを用いた比較例2の放射線画像検出器では、ガラス表面部分での変化は見られなかったものの、金電極の部分で膜が容易に剥離した。
【0036】
以上のように、本発明の密着改良剤は、金とポリパラキシリレン被膜の密着性を向上させることができるので、化学的に活性の低い金表面からポリパラキシリレン被膜の剥がれを抑制し、金とポリパラキシリレン被膜との間の接着強度を向上させることができる。また、金電極を有し、この金電極表面がポリパラキシリレン被膜で保護されている放射線固体検出器において、本発明の密着改良剤を用いることにより、放射線固体検出器の保存安定性を向上させることができるとともに、得られる画像品位を良質なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の放射線画像検出器の一実施の形態を示す概略平面図
【図2】図1に示す放射線画像検出器の部分斜視図
【図3】図2に示す放射線画像検出器のIII−III線部分断面図
【図4】図1に示す放射線画像検出器のIV−IV線断面図
【図5】TFT方式を用いた検出器の概略断面図
【符号の説明】
【0038】
1 第1の電極層
2 記録用光導電層
3 電荷輸送層
4 読取用光導電層
5 第2の電極層
5a 第1の線状電極
5b 第2の線状電極
6 蓄電部
7 ガラス基板
8 密着層
9 ポリパラキシリレン被膜
10 放射線画像検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金とポリパラキシリレン被膜を密着するための下記一般式
【化1】

(ここでRは炭素数1から4の炭素数を含む脂肪族基、エーテル基から選択される2価の連結基であり、Rは1から3の飽和炭化水素であり、R2はR1とともに環を形成してもよい。X,XはO,S,N−Rからなる群より選択される二価の基である。)
で表されることを特徴とする密着改良剤。
【請求項2】
金表面に、請求項1記載の密着改良剤からなる密着層を有し、該密着層上にポリパラキシリレン被膜が形成されていることを特徴とする構造物。
【請求項3】
基板上に少なくとも、静電潜像に応じた電荷を出力する読み出し電極、電磁波の照射を受けて光伝導性を呈することで画像様の静電潜像を形成する光伝導層、バイアス電圧印加用の金電極をこの順に積層してなる、放射線画像検出器において、前記金電極表面に、請求項1記載の密着改良剤からなる密着層を有し、該密着層上にポリパラキシリレン被膜が形成されていることを特徴とする放射線画像検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−94926(P2008−94926A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277200(P2006−277200)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100111040
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 淑子
【Fターム(参考)】