説明

金属微粒子分散液からなるパターン形成用組成物およびパターン形成法

【課題】 簡単な組成で、しかも従来から慣用の光源のいずれも使用することができる、金属微粒子分散液からなるパターン形成用組成物、及びパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】 金属微粒子及びそれを分散状態に保つ分散剤を含む金属微粒子分散液からなる光感受性ネガ型パターン形成用組成物であって、前記分散剤が、それ自身が感光して金属微粒子から遊離し、分散状態の解除を引き起こすことができる光感受性分散剤であることを特徴とする、上記光感受性ネガ型パターン形成用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板や液晶基板、アレイ基板及びその他の電子部品の基板における電極や配線などの導体回路として使用することができる導電性パターンの形成に用いるネガ型パターン形成用組成物、詳しくは光感受性の分散剤で保護された金属微粒子を含む組成物、およびこれを用いたパターン形成法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体もしくは液晶デバイスまたはその他の電子部品の基板における電極や配線などの導体回路は、近年の機器の小型化、高密度化、高精度化、高性能化に伴い、より狭い線幅が求められている。これらの要求に対して各種の微細な導体形成方法が提案されている。
【0003】
代表的な金属パターン形成方法として、樹脂に基づくフォトレジストを利用した方法が知られている。この方法はおおまかに、基板を洗浄する工程、洗浄後の基板上にスパッタまたは蒸着方法などにより金属薄膜を形成する工程、前記薄膜上にレジストを塗布して感光性樹脂層を形成する工程、マスクを介して感光性樹脂層を露光する工程、露光後の感光性樹脂層を現像してレジストパターンを得る工程、エッチングで薄膜を削る工程、レジストを除去してパターンを得る工程、から構成されている。このように、従来方法では、工程数が多くプロセス全体が煩雑・高コストであり、また、現像工程、エッチング工程において多量の薬剤を使用することから環境負荷が大きいという問題があった。
【0004】
そのため、近年、このような従来方法の問題を解決するために、金属微粒子分散液を利用したリソグラフィプロセスが幾つか提案されている。
【0005】
特開2004−39792号公報(特許文献1)には、基板上に導電性金属膜を形成させる工程において、金属微粒子分散液を基板上に直接塗布する方法が開示されている。金属膜形成に金属微粒子分散液を使用するために、従来技術の真空蒸着、スパッタリング、CVD法などで必要であった真空チャンバなどが不要とされている。
【0006】
特開2003−140330号公報(特許文献2)は、金属微粒子、金属微粒子の高分子分散剤、光ラジカル発生剤、及び溶媒を含む組成物を基板上に塗布し、これに像様露光し、次いで現像、熱処理することによって、基材上に導電性パターンを得る方法を開示している。この方法では、後に導電性パターンを構成する金属を含む組成物に対して露光、現像してパターニングするために、従来技術の金属膜形成工程、フォトレジスト、エッチング、レジスト剥離工程が不要であり、プロセスの工程数をかなり簡略することができる。この組成物を用いた場合のパターン形成の仕組みは、基材上に塗布された上記組成物膜に対して放射線露光すると、金属微粒子に結合している分散剤高分子が、光ラジカル発生剤から生じたラジカルによって分解することによって、露光領域が現像液可溶性になるというものである。すなわち、ポジ型のパターン形成機構である。
【0007】
特開2005−259861号公報(特許文献3)には、ネガ型に作動する類似の組成物が開示されている。この組成物は、金属微粒子、高分子分散剤、光酸発生剤からなり、そのパターン形成機構は、露光時に光酸発生剤から生成される酸が、高分子分散剤に作用してこれを金属微粒子から解離させることによって金属微粒子を結合反応させて固化させるというものである。それ故、この場合は、露光部分が現像液不溶性となり、ネガ型である。
【0008】
特開2006−38999号公報(特許文献4)には、金属微粒子及び分散剤を含む金属微粒子分散液を基材上に塗布し、そして得られた塗膜に対し直接レーザー走査することによって金属微粒子を焼結させてパターンを形成する方法が開示されている。この方法では、光ラジカル発生剤、光酸発生剤のいずれも不要である点で利点があるが、光源はレーザーに限られる。
【特許文献1】特開2004−39792号公報
【特許文献2】特開2003−140330号公報
【特許文献3】特開2005−259861号公報
【特許文献4】特開2006−38999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第一の課題は、簡単な組成で、しかも従来から慣用の幅広い範囲からの光源を使用することができる、金属微粒子分散液からなるパターン形成用組成物を提供することである。
【0010】
本発明の第二の課題は、より簡素化された金属パターン形成方法及び電子部品の製造方法の提供である。
【0011】
本発明の第三の課題は、より抵抗の小さい金属パターンを形成することができる、金属パターン形成方法を提供することである。
【0012】
本発明のより具体化された態様に関連する更に別の課題は、以下の記載から明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を行った結果、感光すると界面活性機能を喪失する光感受性分散剤を使用することによって上記の課題が首尾良く解決されることを見出した。分散剤そのものが光感受性を有することにより、より高い感度が得られ、また添加剤の数が減るので製造工程が簡単になる。
【0014】
それゆえ、本発明は、前記第一の課題に対応して、金属微粒子及びそれを分散状態に保つ分散剤を含む金属微粒子分散液からなる光感受性ネガ型パターン形成用組成物であって、前記分散剤が、それ自身が感光して金属微粒子から遊離し、分散状態の解除を引き起こすことができる光感受性分散剤であることを特徴とする、上記光感受性ネガ型パターン形成用組成物に関する。この組成物には、特許文献2や特許文献3に記載の発明では必要な光酸発生剤や光ラジカル発生剤は不要である。
【0015】
「それ自身が直接感光して金属微粒子から遊離して分散状態の解除を引き起こすことができる光感受性分散剤」とは、それが感度を示す波長の放射線が照射された場合に、感光して界面活性機能を停止することができる分散剤である。つまり、露光時に励起されると分子の一部が解離するかもしくは金属微粒子への吸着能力を失って、金属微粒子から遊離して、その結果、金属分散液の分散状態を解除することができるものをいう。本発明においては、露光波長として、実用上の面から、典型的には240nm以長の波長が使用されるので、光感受性分散剤もこの範囲の波長に対して吸収を示して上記の挙動を示すものが通常使用される。
【0016】
本発明においては、このような光感受性分散剤として、芳香族環を有する化合物からなる分散剤が有用であることが判明した。この分散剤としては、イオン性または非イオン性の分散剤を選択することができる。
【0017】
上記分散剤としての芳香族系化合物は、それ自体は、様々なものが従来から存在し、例えば、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、クマリン骨格、ベンゾキノン骨格、ベンゾフェノン骨格を含むものなどが挙げられる。例えば、アニオン性分散剤としては、ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アントラセンスルホン酸塩、ベンゼンカルボン酸塩、ナフタレンカルボン酸塩、アントラセンカルボン酸塩、クマリン骨格を含むスルホン酸塩、クマリン骨格を含むカルボン酸塩、ベンゾキノン骨格を含むスルホン酸塩、ベンゾキノン骨格を含むカルボン酸塩、ベンゾフェノン骨格を含むスルホン酸塩、ベンゾフェノン骨格を含むカルボン酸塩などが挙げられ、カチオン性分散剤としては、例えば、これらの芳香族環を含むジアゾニウム化合物などを挙げることができる。前者の塩型の化合物は、金属分散液の調製時に遊離の酸の形で加えてもよい。また、吸収波長の調節や溶解性改善のために適当な官能基を付加することもできる。このような官能基としては、例えばアミノ基、ニトロ基、アシル基、共役不飽和結合を有するものなどが挙げられる。これらの官能基により、光の吸収ピークを長波長側にシフトすることができる。
【0018】
個々の光感受性分散剤が感度を示す波長範囲は、それの分子の構成要素、例えば芳香族環の種類や、芳香族環の数、異なる芳香族環の組み合わせ、置換基などに依存するので一概には言えないが、個々の芳香族環について言えば、例えばベンゼン環は256nm以下の波長に感度を示し、ナフタレン環は320nm以下、アントラセン骨格は380nm以下、クマリン骨格は400nm以下、ベンゾキノン骨格は300nm以下、ベンゾフェノン骨格は360nm以下に光学吸収を示すので、これが一つの目安となろう。また、最適なパターニングは線量などによっても調節できるので分散剤の吸収波長と露光波長との関係にはそれほど厳密さは要求されない。ただし、効率上は、露光波長に対して分散剤が最大吸収を示すことが望ましいであろう。
【0019】
なお、増感剤を使用することによって、露光波長には直接感度を示さない光感受性分散剤も使用することができる。それゆえ、本発明において言う「光感受性分散剤」とは、露光波長によっては、このような本発明による光感受性分散剤と増感剤との組み合わせも包含され得る。増感剤は、種々のものが既に知られており、使用する分散剤や露光波長等に合わせて適宜選択して使用すればよい。
【0020】
更に、上記芳香族環を有する分散剤は、分散効果の増大のために、長鎖アルキル基や、高分子部を有することも好ましい。
【0021】
このような分散剤の例としては、より具体的には次のものが挙げられる。
1) アルキルアリールスルホン酸もしくはカルボン酸類、例えばアルキルベンゼンスルホン酸もしくはカルボン酸、またはアルキルナフタレンスルホン酸もしくはカルボン酸、あるいはこれらの塩、特に次式1で表されるもの。
【0022】
【化1】

上記式に含まれる芳香族環は、点線のベンゼン環が存在しないときは、ベンゼン環であり、存在する場合にはナフタレン環であり、Alk、R1及びXは、芳香族環上の任意のそれぞれ異なる位置に結合し、
Xは、−CO2Mまたは−SO3Mであり、Mは、適当なカチオン、例えば水素原子、アルカリ金属もしくは当量のアルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びマグネシウム、またはアンモニウム基、特にアルカリ金属、例えばナトリウムであり、
Alkは、炭素原子数9〜18、好ましくは炭素原子数10〜14の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基であり、この際、このアルキル基は1〜3個の二重結合を含むことができ、また酸素、窒素、硫黄から選択される二つまでの異種原子を鎖中に含んでいてもよく、特にラウリル基であり、
1は、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基もしくはアルケニルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、ヨウ素)、アミノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくは炭素原子数2〜6のアルケニル基を有するアシル基の群から選ばれる一種もしくは二種以上の基であることができ、kは、芳香族環がベンゼン環である場合には0〜4の数であり、芳香族環がナフタレン環である場合には0〜6の数である。
【0023】
特に、次式で表される化合物である。
【0024】
【化2】

式中、Xは上記の意味を有し、nは9〜18、好ましくは10〜14の数である。
【0025】
特に好ましいものは、ラウリルベンゼンスルホン酸もしくはこれらの塩、及びラウリルベンゼンカルボン酸もしくはこれらの塩である。
2) アントラセンスルホン酸もしくはカルボン酸類、またはこれらの塩
【0026】
【化3】

式中、X及びR1は、上記の意味を有しそしてアントラセン環上の任意のそれぞれ異なる位置に結合することができ、そしてlは、0〜9の数である。Xは好ましくは−CO2Mを意味する。具体的なものとしては、例えば以下の構造式で表されるアントラセン−9−カルボン酸及び塩が挙げられる。
【0027】
【化4】

3) ナフタレンスルホン酸もしくはカルボン酸類、またはこれらの塩
【0028】
【化5】

X及びR1は上記と同じ意味であり、Alkyleneは、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数9〜18、好ましくは10〜14のアルキレン基を表し、この際、このアルキレン基は、1〜3個の二重結合を含むことができ、また酸素、窒素、硫黄から選択される二つまでの異種原子を鎖中に含んでいてもよく、そしてmは、0〜7の数である。
【0029】
好ましい態様では、Xは−CO2Mを表し、mは0である。Alkylene基は好ましくはナフタレン環の1位に結合する。Alkylene基は、特に好ましくは、炭素原子数が10〜12の直鎖状飽和アルキレン基である。具体的なものとしては、例えば、次の構造式で表されるナフタレン-1-ラウリン酸及び塩が挙げられる。
【0030】
【化6】

4) ベンゾフェノンスルホン酸もしくはカルボン酸類、またはこれらの塩
【0031】
【化7】

式中、R1及びXは上記の意味を有し、nは0〜4の数であり、oは0〜5の数を意味する。具体的なものとしては、例えば、次の構造式で表されるo-ベンゾイル安息香酸及び塩が挙げられる。
【0032】
【化8】

5) トリハロゲン化フェニルジアゾニウム塩類
【0033】
【化9】

式中、各々のHalは、同一かまたは異なり、但し好ましくは全て同じであり、そして互いに独立してハロゲン原子、例えば塩素、臭素またはヨウ素、特に塩素もしくは臭素を意味することができ、そしてYは任意のアニオン、例えばハロゲン化物イオン(例えばCl、Br、I)、水酸化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、フッ化ホウ素酸イオンなどである。具体的な例としては、次の構造式で表される2,4,6−トリクロロフェニルジアゾニウム塩や、2,4,6−トリブロモフェニルジアゾニウム塩などが挙げられる。
【0034】
【化10】

【0035】
【化11】

6) フェニレンジアミンN,N置換化合物系ジアゾニウム塩類
【0036】
【化12】

式中、R1は1)に定義した通りであり、pは0〜4の数であり、R2及びR3は、互いに独立して、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基もしくはヒドロキシアルケニル基、フェニル基、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有しかつアルキル基中に1もしくは2個の二重結合を有していてもよいフェニルアルキル基もしくはフェノキシアルキル基であり、前記フェニル基、及び前記フェニルアルキル基またはフェノキシアルキル基中のフェニル基は、置換されていないか、または1〜5個のR1によって置換されていてもよく、あるいはR2及びR3は、一緒になって炭素原子数3〜8のアルキレン鎖を形成して、これらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成することができ、また、この環は、酸素、窒素、硫黄から選択される二つまでの異種原子を含むことができ、そしてYはアニオンである。Yは、上記の意味を有することができるが、これらは、塩化亜鉛、塩化錫、硫酸アルミニウムなどによる複塩の形でもよい。具体的な例としては、例えば、次の構造式で表される4−ジアゾ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、4−ジアゾ−N−メチル−N−フェネチルアニリン、4−ジアゾ−N−エチル−N−β−フェノキシエチルアニリン、4−ジアゾ−N−フェニルモルホリン、4−ジアゾ−N−エトキシモルホリン、p−(N,N−エチルベンジルアミノ)ベンゼンジアゾニウム塩などが挙げられる。
【0037】
【化13】

【0038】
【化14】

【0039】
【化15】

【0040】
【化16】

【0041】
【化17】

【0042】
【化18】

7) アジドナフタリンスルホニルハライド類
【0043】
【化19】

式中、Hal及びR1は上に定義した通り、qは0〜6の数である。好ましくはHalは塩素原子であり、qは0である。具体的なものとしては、例えば、次の構造式で表される1−アジドナフタリン−4−スルホニルクロライドなどが挙げられる。
【0044】
【化20】

これらの分散剤は、各々単独で、または二種以上のものの混合物として使用することが可能である。
【0045】
金属微粒子のための金属としてはアルカリ金属、アルカリ土類金属を除くあらゆる金属元素が適用可能であるが、工業的には銀、金、銅、白金、インジウム、ニッケル、ビスマス、スズ、ロジウム、パラジウム、イリジウム、タングステン、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、鉄、シリコン、ゲルマニウムなどが重要であり、また単一の元素のみならず任意に組み合わせて用いることが可能である。金属微粒子の平均粒径は、0.5〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1〜100nm、更に好ましくは2〜30nmである。金属微粒子が大きすぎると沈殿が生じやすくなり、小さすぎると相対的に分散のための分散剤量が多くなり、パターン形成時に寸法変化が生じやすくなるためである。
【0046】
上記光感受性金属微粒子分散液を調製するためには、例えば次のような方法がある。まず、分散媒としての水に光感受性分散剤を分散させた水分散液を調製する。これに金属塩を分散させ、還元剤を加えて攪拌すると、金属が還元され金属微粒子が析出する。この際、この金属微粒子表面は光感受性分散剤が吸着もしくは塩を形成し保護されているため、沈殿、凝集せずに分散状態となる。金属塩としては、例えば硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩などを使用することができ、還元剤としては、例えばアセトアルデヒド、 グルコース、シュウ酸、クエン酸、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウムなどを使用することができる。各々の成分の使用量については下記表を参照されたい。
【0047】
【表1】

このようにして得られた金属微粒子分散液は、必要に応じて濃度調節した後に、そのまま本発明のパターン形成用組成物として使用することができる。パターン形成用組成物の最終濃度は、金属分濃度として一般的には1〜90重量%である。最適な濃度は塗布方法と所望する膜厚によって異なり得る。例えばディップコートの場合、好ましい濃度は1〜20重量%であり、スピンコートの場合は5〜40重量%である。またバーコートの場合は20〜90重量%である。この金属微粒子分散液には、塗布性の改善を目的として分散剤やレべリング剤など、感光特性の改善を目的としてクエンチャーや増感剤など、焼成促進のための触媒などを添加することができる。
【0048】
クエンチャーの例としては、塗布膜の乾燥時を含めて包含量があまり変わらないこと、つまりは沸点の高いアルカリ性物質が望ましい。この例として、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンや水溶性ヒンダードアミン類が挙げられる。なお非水溶性のものであっても、シクロデキストリン等の包摂化合物との組み合わせにより使用できる場合もある。増感剤としては、クマリン系化合物、アゾ化合物、含キノン化合物や蛍光色素を用いることができる。水溶性であることが望ましいが、前述した包摂化合物との組み合わせにより使用できる場合もある。
【0049】
また本発明の金属微粒子分散液には、上述の通り、上記特許文献2及び3に記載の発明で使用されるような従来必要であった光ラジカル発生剤や、光酸発生剤は不要であるが、本発明の効果に不利な影響を及ぼさない限り、これらの成分も、該分散液中に存在していてもよい。その量は、該分散液中の金属微粒子100重量部あたりで20重量部未満であることができる。ただし、本発明の金属微粒子分散液は、好ましくは、これらの光ラジカル発生剤、光酸発生剤は実質的に含まないか、または全く含まず、それゆえ、これらの含有量は、より好ましくは、該分散液中の金属微粒子100重量部あたりで0.1重量部未満、特に0.01重量部未満である。
【0050】
更に本発明は、上記第二の課題に対応して、上記光感受性金属微粒子分散液からなる本発明のパターン形成用組成物を用いて、基材上に導電性パターンを形成する方法、並びにこの導電性パターン形成法に基づいて、半導体基板、液晶基板、アレイ基板などの電子部品を製造する方法も提供する。これらの方法は、
a) 上記パターン形成用組成物を基材上に塗布する段階、
b) 基材上に形成された上記パターン形成用組成物の膜にパターン露光を行う段階、
c) 上記パターン形成用組成物膜の未露光部を現像液で除去する段階、
を含む。これらの段階a)、b)及びc)は、パターン形成用組成物として本発明のものを使用するという点を除いては、それぞれ従来技術(例えば特許文献3)に基づいて行うことができる。
【0051】
段階a)における基材としては、金属パターン形成の技術分野において慣用の任意のものを使用することができ、例えばガラス基板、シリコン基板、ステンレス基板、樹脂基板、フィルム状樹脂基板等が挙げられる。なお、これらの基材の上に予め何らかの薄膜、例えば絶縁膜、半導体膜、金属膜、透明導電膜、その他機能膜が形成されていても構わない。 塗布法も任意であり、スピン塗布、スリット塗布、スプレイ塗布、ロール塗布、ディップ塗布、インクジェット塗布、スクリーン印刷など各種の塗布法が利用可能である。
【0052】
段階a)の塗布後は、必要に応じて加熱により乾燥して溶媒を蒸発させることができる。一般には50〜150℃、好ましくは50〜130℃の乾燥が望ましい。乾燥時間は一般的には30〜300秒である。加熱装置としては、ホットプレートやオーブンを用いることができる。
【0053】
その後、段階b)において、金属微粒子塗布膜に対して、所望のパターンで露光を行う。露光波長は、一般的には240nm以長、例えば240nm〜800nmである。露光光源としては光感受性分散剤もしくは増感剤に感度がある波長を含むものであれば良い。具体的な光源の例としては、電子線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、エキシマレーザー(KrFなど)、色素レーザー、アルゴンレーザーなどを使用することができる。
【0054】
この露光工程における光照射により、光感受性分散剤が直接励起したり、あるいは増感剤から間接的に励起することにより、分散剤の一部が解離するかもしくは金属微粒子への吸着能力を失い、分散状態が解除される。分散剤の機能が停止し分散が解除されると、金属微粒子同士が直接接触するようになり、そして金属微粒子同士が結合する。こうして、光照射された領域が、現像液に対して不溶性になる。この際、熱を加えると結合反応が更に加速される。この際加える熱は好ましくは40℃〜200℃、より好ましくは50℃〜180℃、更に好ましくは70℃〜170℃である。これは温度が低すぎると融合を促進する効果が乏しく、温度が高すぎると当初の分散剤で覆われている部分(光の照射されていない部分)でも金属間の結合が始まるためである。なお加熱時間は、10秒〜300秒、好ましくは30秒〜180秒程度が実用的である。加熱装置としては、ホットプレートやオーブンを用いることができる。加熱時間が短かすぎると十分な反応が得られない恐れがあり、長すぎると製造コストが増大する。
【0055】
段階c)の現像工程では、現像液としては水もしくはフォトレジストの現像液として一般的なアルカリ水溶液を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などを用いることができる。本発明による金属微粒子は分散剤と塩を形成している部分があるため、アルカリ性水溶液に易溶である。したがって光照射を受けなかった部分は、現像液に容易に溶解する。一方光照射された部分は、分散剤が機能を停止しており、かつ金属微粒子同士の結合のため粒子が大きくなりすぎ、現像液に溶解しない。
【0056】
現像後のパターンニングされた金属膜は、段階c)後に加熱により焼成(熱処理)することができる。加熱に際しては、膜中に存在する有機物がすべて蒸発もしくは分解する温度で焼成することが望ましいが、実際には有機物の残存があっても実用可能である。具体的には150℃〜600℃、好ましくは150〜400℃の焼成が望ましいが、基材の耐熱性によって焼成温度は調整される。例えば一般的な樹脂基板を用いる場合には、焼成温度は250℃程度以下に抑える必要がある。また焼成触媒を予め金属微粒子溶液に添加しておくことにより、焼成温度をより低温化することも可能である。焼成にはホットプレートやオーブンを用いることができる。必要な焼成時間は、金属の種類、分散剤の種類、焼成温度によって異なるが、一般に5分〜180分である。
【0057】
さらに焼成に先立って塗布膜全面に光照射することにより、分散剤を金属微粒子からより遊離せしめ、その後の焼成工程で必要な温度を低くしたり焼成時間を短くすることも可能である。照射の際の放射線の波長や、光源などの条件は、段階b)と同じものであることができるが、パターニングの必要はないため一度に広い範囲が照射できる低圧水銀灯が最も望ましい。照射量は金属分散物の種類、膜厚等によって異なるが、一般に10mJ/cm2〜10J/cm2であり、好ましくは100mJ/cm2〜5J/cm2の範囲にある。
【0058】
上記の段階a)、b)間もしくはb)、c)間の追加的な熱処理、または段階c)後の焼成処理、並びに焼成前の光照射処理は、上記第三の課題に対応して、金属層をより密なものとし、得られる最終的な金属パターンの導電性をより高めるという追加的な効果も有する。
【0059】
以下、本発明を実施例に基づいてより詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【実施例】
【0060】
金属微粒子分散液1の作製方法
純水400gに硝酸銀25g、分散剤としてラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム10g、還元剤としてホルムアルデヒド10gを加え完全に溶解した後、十分攪拌しながらアンモニアガスを吹き込み、銀コロイド水溶液を得た。
その後電気透析により分散剤由来のアニオンを除去し、金属分重量濃度10%の水溶液とした。
なお、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムが以下の実験で用いる照射光(波長248nm)に光学吸収があることは事前に確認した。
【0061】
金属微粒子分散液2の作製方法
純水400gに硝酸銀10g、塩化パラジウム5g、分散剤としてアントラセン-9-カルボン酸アンモニウム塩10g、還元剤としてホルムアルデヒド10gを加えて完全に溶解したのち、十分攪拌しながらアンモニアガスを吹き込み、金属コロイドを得た。
その後イオン交換樹脂と接触させ分散剤由来のアニオンを除去し、金属分重量濃度10%の水・イソプロピルアルコール溶液とした。なお水とイソプロピルアルコールの比率は、体積比で2:8である。なお、アントラセン-9-カルボン酸アンモニウム塩が以下の実験で用いる照射光(波長360nm)に光学吸収があることは事前に確認した。
【0062】
金属微粒子分散液3の作製方法
純水400gに塩化金酸25g、分散剤として2,4,6−トリクロロベンゼンジアゾニウムクロライド2g、還元剤としてグルコース25gを加え完全に溶解した後、十分攪拌しながらアンモニアガスを吹き込み、金コロイド水溶液を得た。
その後、遠心分離により分散剤由来のカチオンを除去し、金属分重量濃度10%の水溶液とした。なお、2,4,6−トリクロロベンゼンジアゾニウムクロライドが以下の実験で用いる照射光(波長248nm)に光学吸収があることは事前に確認した。
【0063】
金属微粒子分散液4の作製方法 (比較用)
純水400gにラウリン酸ナトリウム10g、硝酸銀25g、還元剤としてホルムアルデヒド10gを加え完全に溶解した後、十分攪拌しながらアンモニアガスを吹き込み、銀コロイド水溶液を得た。
その後電気透析により分散剤由来のアニオンを除去し、金属分重量濃度を10%の水溶液とした。
なお、ラウリン酸ナトリウムが以下の実験で用いる照射光(波長248nm)に光学吸収が事実上ないことは事前に確認した。
【0064】
実施例1
金属微粒子分散液1をシリコンウェハーにスピン塗布し、100℃のホットプレートで1分間乾燥し膜厚0.5μmの薄膜を得た。この後、KrFステッパー(キヤノン製 FPA-3000主波長 248nm)を用いて、10μmのライン&スペースパターン露光を行った(照射量 300mJ/cm2)。
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 MIF300)に1分間浸漬したところ、露光部分のみ塗布膜が残り、その他の部分はすべて現像液に溶出した。
このパターニングされた塗布膜を十分水洗した後、250℃のホットプレートで30分間加熱した。
結果として体積抵抗率6μΩcmのパターン金属膜を得ることができた。
【0065】
実施例2
金属微粒子分散液2をシリコンウェハーにスピン塗布し、100℃のホットプレートで1分間乾燥し膜厚0.5μmの薄膜を得た。この後、i線コンタクトアライナー(キヤノン製 PLA-501 主波長 360nm)を用いて、10 μmのライン&スペースパターン露光を行った(照射量 1J/cm2)。
その後、現像液として水を用い、これに1分間浸漬したところ、露光部分のみ塗布膜が残り、その他の部分はすべて現像液に溶出した。
このパターニングされた塗布膜を、250℃のホットプレートで30分間加熱した。
結果として体積抵抗率6μΩcmのパターン金属膜を得ることができた。
【0066】
実施例3
実施例2と同様に、金属微粒子分散液2をシリコンウェハーにスピン塗布し、100℃のホットプレートで1分間乾燥した。この後、KrFステッパー(主波長 248nm)を用いて、10 μmのライン&スペースパターン露光を行った。
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 MIF300)に1分間浸漬したところ、露光部分のみ塗布膜が残り、その他の部分はすべて現像液に溶出した。
このパターニングされた塗布膜を十分水洗した後、低圧水銀灯で1J/cm2の照射を行った後、250℃のホットプレートで30分間加熱した。
結果として体積抵抗率4μΩcmのパターン金属膜を得ることができた。
【0067】
実施例4
金属微粒子分散液3をシリコンウェハーにスピン塗布し、100℃のホットプレートで1分間乾燥し膜厚0.5 μmの薄膜を得た。この後、KrFステッパー(キヤノン製 FPA-3000主波長 248nm)を用いて、10 μmのライン&スペースパターン露光を行った(照射量 500mJ/cm2) 。
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 MIF300)に1分間浸漬したところ、露光部分のみ塗布膜が残り、その他の部分はすべて現像液に溶出した。
このパターニングされた塗布膜を十分水洗した後、500℃のオーブンで60分間加熱した。
結果として体積抵抗率4μΩcmのパターン金属膜を得ることができた。
【0068】
比較例1
金属微粒子分散液4をシリコンウェハーにスピン塗布し、100℃のホットプレートで1分間乾燥した。この後、KrFステッパー(キヤノン製 FPA-3000主波長 248nm)を用いて、10 μmのライン&スペースパターン露光を行った。
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38%水溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ社製 MIF300)に1分間浸漬したところ、露光部分・未露光部分に関わらず、すべて現像液に溶出した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属微粒子及びそれを分散状態に保つ分散剤を含む金属微粒子分散液からなる光感受性ネガ型パターン形成用組成物であって、前記分散剤が、それ自身が直接感光して金属微粒子から遊離して分散状態の解除を引き起こすことができる光感受性分散剤であることを特徴とする、上記光感受性ネガ型パターン形成用組成物。
【請求項2】
上記光感受性分散剤が、少なくとも一つの芳香族環を含むイオン性もしくは非イオン性分散剤であることを特徴とする、請求項1の光感受性ネガ型パターン形成用組成物。
【請求項3】
上記光感受性分散剤が、アニオン性もしくはカチオン性分散剤であることを特徴とする、請求項1または2の光感受性ネガ型パターン形成用組成物。
【請求項4】
芳香族環が、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、クマリン骨格、ベンゾキノン骨格及びベンゾフェノン骨格から選択される少なくとも一つの芳香族環であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの光感受性ネガ型パターン形成用組成物。
【請求項5】
上記光感受性分散剤が、次式で表される化合物の一種もしくは二以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの光感受性ネガ型パターン形成用組成物。
1) 次式で表されるアルキルアリールスルホン酸もしくはカルボン酸類またはこれらの塩
【化1】

[上記式に含まれる芳香族環は、点線のベンゼン環が存在しないときは、ベンゼン環であり、存在する場合にはナフタレン環であり、Alk、R1及びXは、芳香族環上の任意のそれぞれ異なる位置に結合し、
Xは、−CO2Mまたは−SO3Mであり、Mはカチオンであり、
Alkは、炭素原子数9〜18の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基であり、この際、このアルキル基は1〜3個の二重結合を含むことができ、また酸素、窒素、硫黄から選択される二つまでの異種原子を鎖中に含んでいてもよく、
1は、各々独立して、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基もしくはアルケニルオキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくは炭素原子数2〜6のアルケニル基を有するアシル基の群から選ばれる一種もしくは二種以上の基であることができ、kは、芳香族環がベンゼン環である場合には0〜4の数であり、芳香族環がナフタレン環である場合には0〜6の数である]
2) 次式で表されるアントラセンスルホン酸もしくはカルボン酸類、またはこれらの塩
【化2】

[式中、X及びR1は、上記の1)に記載した意味を有し、そしてアントラセン環上の任意のそれぞれ異なる位置に結合することができ、そしてlは、0〜9の数である]
3) 次式で表されるナフタレンスルホン酸もしくはカルボン酸類、またはこれらの塩
【化3】

[式中、X及びR1は上記1)に記載した意味を有し、Alkyleneは、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数9〜18のアルキレン基を表し、この際、このアルキレン基は、1〜3個の二重結合を含むことができ、また酸素、窒素、硫黄から選択される二つまでの異種原子を鎖中に含んでいてもよく、そしてmは、0〜7の数である]
4) 次式で表されるベンゾフェノンスルホン酸もしくはカルボン酸類またはこれらの塩
【化4】

[式中、R1及びXは上記1)に記載した意味を有し、nは0〜4の数であり、oは0〜5の数を意味する]
5) 次式で表されるトリハロゲン化フェニルジアゾニウム塩類
【化5】

[式中、各々のHalは、同一かまたは異なり、互いに独立してハロゲン原子を意味し、そしてYはアニオンである]
6) 次式で表されるフェニレンジアミンN,N置換化合物系ジアゾニウム塩類
【化6】

[式中、R1は1)に定義した通りであり、pは0〜4の数であり、R2及びR3は、互いに独立して、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基もしくはヒドロキシアルケニル基、フェニル基、アルキル基中に1〜6個の炭素原子を有しかつアルキル基中に1もしくは2個の二重結合を有していてもよいフェニルアルキル基もしくはフェノキシアルキル基であり、前記フェニル基、及び前記フェニルアルキル基またはフェノキシアルキル基中のフェニル基は、置換されていないか、または1〜5個のR1によって置換されていてもよく、あるいはR2及びR3は、一緒になって炭素原子数3〜8のアルキレン鎖を形成して、これらが結合する窒素原子と一緒になって環を形成することができ、また、この環は、酸素、窒素、硫黄から選択される二つまでの異種原子を含むことができ、そしてYはアニオンである]
7) 次式で表されるアジドナフタリンスルホニルハライド類
【化7】

[式中、R1は上記1)にそしてHalは上記5)に定義した通り、qは0〜6の数である]
【請求項6】
光感受性分散剤が、240nm〜800nmの波長の放射線に感度を示すものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの光感受性ネガ型パターン形成用組成物。
【請求項7】
基材上に導電性パターンを形成する方法であって、次の段階、
a) 請求項1〜6のいずれか一つに記載のパターン形成用組成物を基材上に塗布する段階、
b) 基材上に形成された上記パターン形成用組成物の膜にパターン露光を行う段階、
c) 上記パターン形成用組成物膜の未露光部を現像液で除去する段階、
を含むことを特徴とする、上記方法。
【請求項8】
段階a)とb)との間に、段階a)で得られた塗膜を50〜150℃の温度で30〜300秒間乾燥する段階を更に含むことを特徴とする、請求項7の方法。
【請求項9】
段階b)とc)との間に、更に、段階b)でパターン露光された塗膜を40〜200℃の温度で10秒〜300秒間加熱処理する段階を更に含むことを特徴とする、請求項7または8の方法。
【請求項10】
段階c)の後に、パターン形成された塗膜を150℃〜600℃の温度下での5分〜180分の焼成処理に付す段階を更に含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つの方法。
【請求項11】
段階c)及び焼成段階の間に、パターン形成された塗膜の全面に光照射する段階を更に含むことを特徴とする、請求項10の方法。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか一つに記載の方法を含む、電子部品を製造する方法。

【公開番号】特開2008−83605(P2008−83605A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266160(P2006−266160)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(504435829)AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社 (79)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】