説明

金属検出装置

【課題】金属製のテストピースを通過経路に実際に通過させることなく金属検出機能の異常をより確実に検出する。
【解決手段】金属検出装置は、樹脂ペレットを通過させる通過経路Rの周りに通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で通過経路Rを導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じるスパイラルコイル125と、両端が電気的に接続された第1の状態と、両端が電気的に接続されていない第2の状態とに切替可能に設けられたテストコイル121とを備え、スパイラルコイル125に生じるインピーダンス変化に基づいて、金属異物の混入の有無を判定する。テストコイル121は、第1の状態において、通過経路Rを導電体が通過した場合と同等のインピーダンス変化をスパイラルコイル125に生じさせるように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂に混入した金属異物を検出する金属検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、米穀等の被検査体中に混入した金属片等の異物を検出するための金属検出装置が開示されている。この金属検出装置は、中心部を被検査体の通過経路とする平面状のスパイラルコイルを備え、上記通過経路を導電体が通過した場合に渦電流損によるスパイラルコイルのインピーダンス変化を検出する。
【0003】
特許文献2には、被検査体を通過させる通過経路に磁界を発生させる送信コイルと、前記送信コイルにより発生された磁界を受けるように差動接続された受信コイルと、当該受信コイルの出力信号を検波する検波器とを備え、検波器の検波結果に基づいて、金属異物の混入の有無を判定する金属検出装置が開示されている。この金属検出装置では、受信コイルの出力信号を検波する検波器に対し、金属製のテストピースが前記通過経路を通過したときと同一の信号レベルを有する校正信号が印加されるようになっている。この校正信号の印加時に金属異物有りと判定されるか否かを確認することにより、実際に金属製のテストピースを通過経路に通過させることなく、検波器及び検波器よりも出力側の回路の異常の有無を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−160004号公報
【特許文献2】特開2001−91663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示されたような渦電流損を利用して金属を検出する金属検出装置においても、金属製のテストピースを通過経路に通過させることなく金属検出機能の異常の有無を判定したいという要望がある。
【0006】
また、上記特許文献2では、検波器に印加された校正信号の影響は検波器及び検波器よりも出力側の回路のみに及ぶので、検波器及び検波器よりも出力側の回路の異常の有無は確認できるが、送信コイル及び受信コイルの異常の有無は確認できない。したがって、金属検出機能の異常を確実に検出することができない。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、その目的とするところは、渦電流損を利用する金属検出装置において、金属製のテストピースを通過経路に通過させることなく金属検出機能の異常をより確実に検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、樹脂中の金属異物を検出する金属検出装置であって、前記樹脂を通過させる通過経路の周りに通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で前記通過経路を導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じるスパイラルコイルと、両端が電気的に接続された第1の状態と、両端が電気的に接続されていない第2の状態とに切替可能に設けられたテストコイルと、前記スパイラルコイルに生じるインピーダンス変化に基づいて、金属異物の混入の有無を判定する判定部とを備え、前記テストコイルは、前記第1の状態において、前記通過経路を導電体が通過した場合と同等のインピーダンス変化を前記スパイラルコイルに生じさせるように設けられていることを特徴とする。
【0009】
これにより、テストコイルを第1の状態にしたとき、すなわちテストコイルの両端を電気的に接続したときに、異物混入有りと判定されるか否かを確認することにより、金属製のテストピースを通過経路に通過させることなく、スパイラルコイル及び判定部の異常の有無を確認できる。このように、判定部の異常だけでなく、スパイラルコイルの異常を検出できるので、金属検出機能の異常を確実に検出できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、金属製のテストピースを通過経路に通過させることなく、スパイラルコイル及び判定部の異常の有無を確認できる。このように、判定部の異常だけでなく、スパイラルコイルの異常を検出できるので、金属検出機能の異常を確実に検出できる。また、金属製のテストピースを通過させる必要がないので、製造中の樹脂に誤ってテストに使用した金属異物を混入させる恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係る金属検出装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る通過経路周辺部の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るスパイラルコイルの平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る金属検出システムを示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る駆動部を実現する回路の例を示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態に係る検出部を実現する回路の例を示す回路図である。
【図7】本発明の実施形態に係る渦電流方式金属検出部を実現する回路の例を示す回路図である。
【図8】本発明の実施形態に係るCPUにより取得されるデータを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る金属検出装置100の外観を示す。該金属検出装置100は、筐体104を備え、該筐体104の上方には、上部が開口したホッパー106が被検査体としての樹脂ペレットを投入するために設けられている。
【0014】
上記筐体104の内部には、図2に示す検出装置本体部102と図示しない回路基板とが収容されている。
【0015】
上記検出装置本体部102は、セラミック(非磁性体)製の円筒部材101を備え、該円筒部材101の内部空間が、ホッパー106に投入された被検査体を自然落下により通過させる通過経路Rとなる。該円筒部材101の外側面には、上下方向中程より若干上方寄りに、全周に亘って一定の幅で凹部103が形成されている。該凹部103内には、上下方向全体に亘って駆動コイル105が巻き付けられている。
【0016】
また、上記円筒部材101の外側には、凹部103及び該凹部103の上下近傍を囲むように環状部材107が固定されている。この環状部材107の内側面の上下方向中程には、上記凹部103に嵌合する凸部109が全周に亘って形成されている。上記凸部109の突出長さL1は、上記凹部103の深さL2よりも上記駆動コイル105の厚さ程度短くなっている。
【0017】
また、上記環状部材107の上面には、プリント基板111が板面を当該上面に沿わせた状態で一体に締結されている。プリント基板111には、第1のスパイラルコイル113が通過経路R(通過方向)に対してほぼ直交する平面状に銅箔により形成されている。
【0018】
同様に、上記環状部材107の下面には、プリント基板115が板面を当該下面に沿わせた状態で一体に締結されている。プリント基板115には、第2のスパイラルコイル117が通過経路R(通過方向)に対してほぼ直交する平面状に銅箔により形成されている。
【0019】
第1及び第2のスパイラルコイル113,117は、それぞれ、図3に示すように、それぞれ外周側端部近傍の5箇所に信号取り出し口119を有している。第1及び第2のスパイラルコイル113,117の内周側端部同士は互いに接続されている。
【0020】
また、上記円筒部材101の外側面における上記環状部材107の下方には、該環状部材107と離間してテストコイル121が1周巻き付けられている。
【0021】
また、上記円筒部材101の上記テストコイル121の下方には、テストコイル121と離間してプリント基板123が板面を上下方向に向けて円筒部材101周りに配設されている。プリント基板123には、第3のスパイラルコイル125が通過経路R(通過方向)に対してほぼ直交する平面状に銅箔により形成されている。つまり、第3のスパイラルコイル125は、渦巻きの中心部を上記円筒部材101(通過経路R)が該第3のスパイラルコイル125によって構成される平面を横切って通過するように固定配置されている。
【0022】
さらに、上記円筒部材101の下方には、下方に向かって直径が徐々に短くなる断面環状の筒状部材127が、上側開口を上記円筒部材101の下側開口に対向させた状態で配設されている。当該筒状部材127の上側開口近傍の側壁には、回転可能な1本の軸部材129が当該側壁に対して略垂直に固定されており、この軸部材129の回転により上記筒状部材127が下側開口を真下に向けた第1の状態から、下側開口を斜め下に向けた第2の状態(図2において仮想線で示す)へ回動するようになっている。
【0023】
上記筐体104の下方には、第1の状態の筒状部材127の下側開口に対応する位置に第1の開口部(図示せず)が形成されているとともに、第2の状態の筒状部材127の下側開口に対応する位置に第2の開口部(図示せず)が形成されている。そして、第1の開口部周縁には、第1の排出管部133が筐体104の外側に向けて突設され、第2の開口部周縁には、第2の排出管部135が筐体104の外側に向けて突設されている。第1の排出管部133の内部空間が、異物を含まない樹脂ペレットを排出するための第1の排出経路となり、第2の排出管部135の内部空間が、異物を含む樹脂ペレットを排出するための第2の排出経路となる。
【0024】
上記駆動コイル105と、第1〜第3のスパイラルコイル113,117,125と、テストコイル121と、上記図示しない回路基板とで、図4に示す金属検出システム400が構成される。
【0025】
金属検出システム400は、差動方式金属検出部401と渦電流方式金属検出部402とテスト回路403と温度センサー420とCPU404とを有する。
【0026】
差動方式金属検出部401は、駆動部405と検出部406とを備え、上記駆動部405は、コルピッツ発振回路407と、誤差増幅回路408と、電流源回路409とを備えている。
【0027】
上記コルピッツ発振回路(三素子発振回路)407は、三素子のうちの一つであるコイルとして上記駆動コイル105を含む。
【0028】
上記誤差増幅回路408は、コルピッツ発振回路407により生成された発振信号と基準電圧との差を増幅する。
【0029】
上記電流源回路409は、コルピッツ発振回路407に入力される電流の値を調節する。
【0030】
駆動部405は、例えば図5に示すような回路により実現できる。
【0031】
上記検出部406は、上記第1及び第2のスパイラルコイル113,117と、第1増幅回路410と、検波回路411と、第2増幅回路412とを備えている。
【0032】
第1増幅回路410は、第1のスパイラルコイル113のいずれか1つの信号取り出し口119と、第2のスパイラルコイル117のいずれか1つの信号取り出し口119とに接続され、第1及び第2のスパイラルコイル113,117に生じた誘起電圧の差を示す信号を増幅し、増幅信号を出力する。この第1増幅回路410の増幅率は可変である。
【0033】
検波回路411は、第1増幅回路410により出力された増幅信号に対して検波を行い、復調信号を出力する。
【0034】
第2増幅回路412は、検波回路411により出力された復調信号を増幅して出力する。この第2増幅回路412の出力は、第1及び第2のスパイラルコイル113,117に生じた電圧の差に基づく信号となる。
【0035】
検出部406は、例えば図6に示すような回路により実現できる。
【0036】
図6において、第1増幅回路410は、アナログ掛け算器410a、及び演算増幅器410bにより構成されている。
【0037】
渦電流方式金属検出部402は、コルピッツ発振回路413、検波回路414、増幅回路415、微分回路416、及び電流源回路417を備えている。
【0038】
コルピッツ発振回路413は、三素子のうちの一つのコイルとして上記第3のスパイラルコイル125を含む。第3のスパイラルコイル125には、発振電流が流れる。
【0039】
検波回路414は、第3のスパイラルコイル125に流れる高周波電流により発生した電圧信号に対して検波を行い、復調信号を出力する。この復調信号は、第3のスパイラルコイル125を通過する金属により変動する。
【0040】
増幅回路415は、検波回路414により出力された復調信号を増幅し、信号成分に含まれる高周波成分の除去と直流成分を取り除いた金属異物の検出信号を微分回路416に出力する。また、検波回路414のDC電圧信号をCPU404に出力する。
【0041】
微分回路416は、増幅回路415により出力された増幅信号に対して微分を行い、金属異物による信号電圧の変動分のみを検出信号として出力する。この検出信号は、第3のスパイラルコイル125のインピーダンスの変化率に応じた値となる。
【0042】
電流源回路417は、前記コルピッツ発振回路413を流れる電流を生成する。
【0043】
渦電流方式金属検出部402は、例えば図7に示すような回路により実現できる。
【0044】
CPU404は、検出部406の第2増幅回路412により出力された復調信号のレベルとDC電圧信号とに基づいて、第1増幅回路410の増幅率と検波回路411のバイアス電圧とを調整する。
【0045】
CPU404は、増幅回路415により出力されたDC電圧信号、微分回路416により出力された検出信号に基づいて、検出感度が最良となるように、検波回路414のバイアス電圧、及び電流源回路417により生成される電流の大きさを調整する。
【0046】
また、CPU404は、微分回路416により出力された検出信号に対してサンプリングを所定のサンプリング周期毎に行うことによりサンプリングデータSamを取得し、過去32個のサンプリングデータの平均値AvSamを上記サンプリング周期毎に算出する。そして、サンプリングデータSamと前記平均値AvSamとの差Difを上記サンプリング周期毎に算出する。そして、過去5個分の差Difの積算値IntDif(最近の5サンプリング周期分)を上記サンプリング周期毎に算出する。
【0047】
図8は、CPU404により取得されたSam、AvSam、Dif、及びIntDifを示す。
【0048】
CPU404は、積算値IntDifが所定の第1の閾値を超えた場合には異物混入有りと判定する。また、CPU404は、差動方式金属検出部401の検出部406の第2増幅回路412の出力が所定の第2の閾値を超えた場合にも異物混入有りと判定する。一方、当該積算値IntDifが所定の第1の閾値を超えておらず、かつ差動方式金属検出部401の検出部406の第2増幅回路412の出力が所定の第2の閾値を超えていない場合には、異物混入無しと判定する。上記第1の閾値及び第2の閾値は可変であり、周囲温度に基づいてCPU404により自動的に調整される。
【0049】
詳しくは、第1の閾値は以下の式によって算出される。
【0050】
第1の閾値=25℃における判定基準+(現在の温度−25℃)×温度係数
CPU404は、異物混入有りと判定すると、当該判定の時刻から所定時間経過後に、軸部材129を回転させることにより、筒状部材127を上記第1の状態から第2の状態に回動させる。前記所定時間は、CPU404の判定から判定対象の被検査体が筒状部材127の下側開口に達するまでにかかる時間以下に設定される。
【0051】
テスト回路403は、上記テストコイル121と、抵抗418と、CPU404によってON/OFFが制御されるスイッチ419とを備えている。テストコイル121の位置、巻き数、及び抵抗418の抵抗値は、スイッチ419をONにした場合に通過経路Rに金属を投入した場合と同等の変化が第3のスパイラルコイル125を貫く磁束に生じるように設定されている。
【0052】
上記のように構成された金属検出装置100では、通常の使用状態においては、テスト回路403のスイッチ419はOFFに制御されている。この状態で、ホッパー106に投入された樹脂ペレット中に導電体が混入していると、第3のスパイラルコイル125に高周波電流が流れることにより発生された磁力線内にその導電体が入り、導電体に渦電流が生じる。これにより、渦電流損が生じ、第3のスパイラルコイル125の両端の電位差の振幅、すなわち第3のスパイラルコイル125のインピーダンスに変化が生じる。これにより、微分回路416により出力される検出信号のレベルが大きくなり、第1の閾値が適切な値に予め設定されていれば、積算値IntDifが上記第1の閾値を超え、CPU404が異物混入有りと判定する。
【0053】
また、ホッパー106に投入された樹脂ペレット中に磁性体が混入していると、第1及び第2のスパイラルコイル113,117のうち、磁性体に近い側の一方の誘起電圧が他方の誘起電圧に比べて高くなる。したがって、第1及び第2のスパイラルコイル113,117に電位差が生じる。これにより、差動方式金属検出部401の検出部406の第2増幅回路412の出力が大きくなり、上記第2の閾値が適切な値に予め設定されていれば、第2増幅回路412の出力が第2の閾値を超え、CPU404が異物混入有りと判定する。
【0054】
CPU404は異物混入有りと判定すると、当該判定の時刻から所定時間経過後に、軸部材129を回転させることにより、筒状部材127を上記第1の状態から第2の状態に回動させる。これにより、導電体や鉄が混じった樹脂ペレットは、第2の排出管部135から排出される。
【0055】
また、CPU404がテスト回路403のスイッチ419をONにすると、テストコイル121に誘導電流が流れ、この結果、第3のスパイラルコイル125を貫く磁束に、通過経路Rに金属を投入した場合と同等の変化が生じる。したがって、テスト回路403のスイッチ419をONにしたときにCPU404が異物混入有りと判定するか否かを確認することにより、第3のスパイラルコイル125が正常に機能し、かつ渦電流方式金属検出部402が適切な感度で動作しているか否かを確認することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、過去5個分の差Difの積算値IntDifに代えて、例えば過去10個分の差Difの積算値IntDif’(図8参照)を所定の第1の閾値と比較するようにしてもよい。
【0057】
また、過去5個分の差Difの積算値ではなく、平均値に基づいて、異物の混入の有無を判定するようにしてもよい。
【0058】
また、上記第1の閾値及び第2の閾値のいずれか一方のみが、周囲温度に基づいてCPU404により調整されるようにしてもよい。
【0059】
また、第1の閾値は、必ずしも上記式により算出される値に限らず、周囲温度に応じた他の値であってもよい。例えば、第3のスパイラルコイル125のインピーダンスの変化率が、周囲温度の上昇に応じて低下する場合には、次の式により第1の閾値を算出するようにしてもよい。
【0060】
第1の閾値=25℃における判定基準−(現在の温度−25℃)×温度係数
また、CPU404がさらに、差動方式金属検出部401の検出部406の第2増幅回路412の出力に対してサンプリングを所定のサンプリング周期毎に行うことによりサンプリングデータSam2を取得し、過去32個のサンプリングデータの平均値AvSam2を上記サンプリング周期毎に取得し、サンプリングデータSam2と前記平均値AvSam2との差Dif2を上記サンプリング周期毎に算出し、過去5個分の差Dif2の積算値IntDif2(最近の5サンプリング周期分)を上記サンプリング周期毎に算出するようにしてもよい。そして、積算値IntDif2が第2の閾値を超えた場合に異物混入有りと判定し、積算値IntDifが第1の閾値を超えておらず、かつ積算値IntDif2が第2の閾値を超えていない場合に、異物混入無しと判定するようにしてもよい。
【0061】
また、本実施形態では、被検査体が樹脂ペレットであったが、樹脂ペレット以外の樹脂(樹脂材料)を被検査体とする場合にも本発明を適用できる。
【0062】
また、本実施形態では、金属検出システム400が、差動方式金属検出部401と渦電流方式金属検出部402との両方を有していた。しかし、差動方式金属検出部401を設けず、CPU404が、渦電流方式金属検出部402の微分回路416により出力された検出信号のみに基づいて、異物混入の有無を判定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、樹脂に混入した金属異物を検出する金属検出装置として有用である。
【符号の説明】
【0064】
100 金属検出装置
125 第3のスパイラルコイル(スパイラルコイル)
121 テストコイル
404 CPU(判定部)
R 通過経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂中の金属異物を検出する金属検出装置であって、
前記樹脂を通過させる通過経路の周りに通過方向に対してほぼ直交する平面状に配置され、発振電流を流した状態で前記通過経路を導電体が通過した場合にインピーダンス変化が生じるスパイラルコイルと、
両端が電気的に接続された第1の状態と、両端が電気的に接続されていない第2の状態とに切替可能に設けられたテストコイルと、
前記スパイラルコイルに生じるインピーダンス変化に基づいて、金属異物の混入の有無を判定する判定部とを備え、
前記テストコイルは、前記第1の状態において、前記通過経路を導電体が通過した場合と同等のインピーダンス変化を前記スパイラルコイルに生じさせるように設けられていることを特徴とする金属検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−237287(P2011−237287A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109126(P2010−109126)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(398044097)株式会社エミネット (3)
【Fターム(参考)】