説明

金属酸化物膜を堆積させるための方法

金属酸化物膜を、前記膜のための支持体の表面上に堆積させるための方法であって、堆積チャンバーを準備する工程と、電子およびプラズマからなるパルスビームを前記堆積チャンバー中に与える工程と、支持体を前記堆積チャンバー中に与える工程であって、前記支持体は堆積表面を有する工程と、金属酸化物を含んだ材料で作られたターゲット体を前記堆積チャンバー中に与える工程であって、前記ターゲット体はターゲット表面を有する工程と、前記電子およびプラズマからなるパルスビームを前記ターゲット表面に衝突させることによって前記ターゲット表面からアブレーションされた金属酸化物のプルームを形成する工程と、前記プルームを前記堆積表面に接触させることによって前記堆積表面上に金属酸化物膜を堆積させる工程とを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
技術分野
本発明は、金属酸化物膜を堆積させるための方法、このような方法によって得ることができる金属酸化物膜、およびこのような膜を含むデバイスに関する。特に、本発明は、可撓性材料の表面上、および好ましくは透明である剛体材料の表面上に透明導電性酸化物(TCO)の薄膜を堆積させるための方法に関する。
【0002】
背景技術
金属酸化物膜、特に導電性と透明性を兼ね備えた金属酸化物薄膜、ならびに、酸化亜鉛、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛(AZO)、酸化リチウムをドープされた酸化亜鉛(LZO)、およびその他のドーパントをドープされた酸化亜鉛は、太陽電池およびフラットパネルディスプレイ(FPD)のような光電子デバイス、自動車のウインドウ中の表面ヒーター、カメラのレンズおよびミラーの中の透明導電性電極として、ならびに建造物、ランプおよびソーラーコレクタのための熱反射性透明窓の材料としても、広く使用されている。それらは、有機発光ダイオード(OLEDs)中のアノード端子としても広く使用されている。
【0003】
これらの膜、特にTCOを成長させるための、化学気相堆積(CVD)、(アーク、またはラジオ波をベースとする)マグネトロンスパッタリング、熱蒸着、およびスプレー熱分解を含むいくつかの堆積方法が知られている。これらの技術は、後に堆積チャンバーの環境中で酸化物を生成する出発原料を準備し、使用するための複雑なプロセスを要する。これらの技術は、幾分高い温度の基板および/またはその後の熱処理をさらに必要とし、それ故に、高温により損傷するかあるいは溶融し得るプラスチック基板を使用することができない。
【0004】
パルスレーザーを用いる成長方法は、この限度を超えることがわかっている。さらに、パルスレーザー堆積法(PLD)は、膜の均一性およびこの技術によって堆積された導電性透明酸化物の化学的純度に関して、満足のいく結果をもたらしている。しかしながら、アブレーションのエネルギーキャリアとしてフォトンを使用するPLD法は、透明酸化物の堆積(フォトンと透明材料との相互作用は乏しい)、およびスケーラビリティには適していないので、レーザー源のコストは、装置を購入するコスト、製造およびシステムメンテナンスのコスト、ならびにアブレーションプロセスの効率に関して、この方法を工業的レベルで使用することにおける重大な問題をもたらす。
【0005】
可撓性および安全性が重要である場合は、ガラスは非常に壊れやすく、かつ特に大スケールではあまりに重いので使用することはできない。これらの欠点は、非常に軽く、かつ可撓性であり得るプラスチック表面または金属シートを用いることによって克服され得る。プラスチックまたは金属シートの支持体をベースとする高度なOLED技術の発展は、プラスチック上に直接、または金属シートの幾何学配置に対しては有機発光層上に成長する透明導電性酸化物材料を要する。液晶ディスプレイ(LCDs)およびエレクトロルミネセンス有機ディスプレイのような、パッシブおよびアクティブマトリクスディスプレイは、可撓性表面の使用から多大な恩恵を受けるであろう。
【0006】
代わりに、OLEDs中の発光有機層の上にTCO膜を堆積することが必要である場合、スパッタリングターゲットから生じる100 eVを超えるエネルギー種が有機層を損傷するので、スパッタリング技術は電極膜の成長に使用することができない。スパッタリングプロセスによってプラスチック表面上に透明導電性酸化物膜を堆積させるために、現在利用されている方法は、OLEDsの性能を損なう荒い表面形態および高い抵抗をもたらす。
【0007】
したがって、平滑な表面、高い光学透明度および低い電気抵抗を有し、かつOLEDs中での使用に適切な可撓性表面上の導電性透明薄膜、およびこのような膜を製造するための方法について大きな需要がある。
【0008】
発明の開示
本発明の趣旨は、好ましくは、平滑な表面、高い光学透明度および低い電気抵抗を有する可撓性表面上に、金属酸化物膜、特に透明導電性酸化物薄膜(TCO)を提供すること、およびそれらを製造するための方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、可撓性表面の使用により多大な恩恵を受ける液晶ディスプレイ(LCDs)およびエレクトロルミネッセンス有機ディスプレイのような、パッシブおよびアクティブマトリクス中での使用、ならびにプラスチック支持体または金属シートをベースとする高度なOLED技術における使用のための、プラスチック上に直接、または発光有機層の上に、TCO材料製の膜を成長させることが可能な方法を提供することである。
【0010】
この趣旨、ならびにこうした目的および以下の記述から明らかになるであろう他の目的は、金属酸化物膜を前記膜のための支持体の表面上に堆積させるための、本発明による方法によって達成され、前記方法は、
堆積チャンバーを準備する工程と、
電子およびプラズマからなるパルスビームを前記堆積チャンバー中に与える工程と、
支持体を前記堆積チャンバー中に供給する工程であって、前記支持体は堆積表面を有する工程と、
前記金属酸化物を含んだ材料で作られたターゲット体を前記堆積チャンバー中に与える工程であって、前記ターゲット体はターゲット表面を有する工程と、
前記電子およびプラズマからなるパルスビームを前記ターゲット表面に衝突させることによって前記ターゲット表面からアブレーションされた金属酸化物のプラズマ雲(イオン化された高温ガス)であるプルームを与える工程と、
前記プルームを前記堆積表面に接触させることによって、金属酸化物膜を前記堆積表面上に堆積させる工程と
を含む。
【0011】
本発明の好ましい態様において、金属酸化物は透明導電性酸化物、特に、90〜100重量%のZnOおよび10〜0重量%のAlで構成される材料のような、酸化亜鉛、およびアルミニウムをドープされた酸化亜鉛からなる群より選択される金属酸化物である。
【0012】
膜を堆積させるために本発明による方法に使用される支持体は、剛体支持体または可撓性支持体であり得、かつ、ガラス、石英、およびZnSe、CdS、異なるタイプの金属および無機半導体などのような固体無機材料製の支持体、または、固体有機材料、ポリマー、例えばポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、フェノール樹脂、ポリ酸無水物、導電性ポリマー、共役ポリマー、フッ素化ポリマー、シリコーンゴム、シリコーンポリマー、バイオポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、例えばポリカーボネート、PTFE、PET、PNT、PEDOT、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン(PPV)、ポリフルオレン、および、分子固体例えば分子半導体、分子結晶、分子薄膜、分子染料、例えばA1Q3、チオフェンオリゴマー、PPVオリゴマー、ペンタセン、テトラセン、ルブレン、NPB、フラーレン、カーボンナノチューブおよびフラーリドからなる群より選択される材料から作られる支持体であり得る。
【0013】
本発明の特に好ましい態様において、堆積された金属酸化物膜は、ナノスケールの厚さでさえある透明導電性酸化物(TCO)の薄膜であり、膜がその上に堆積される支持体は可撓性支持体(すなわち、損傷することなく丸めることができる支持体)である。
【0014】
本発明による方法において使用される可撓性支持体は、例えば、ポリカーボネート、PTFE、PET、AlQ3、T6、T7、PEDOT、PPV、αNPBなどのような固体有機材料から作られ得るか、または金属シートであり得る。
【0015】
透明導電性酸化物(TCO)の膜または薄膜は、透明導電性酸化物、特に、100〜90重量%のZnOおよび0〜10重量%のAlで構成された材料のような、酸化亜鉛、およびアルミニウムをドープした酸化亜鉛からなる群より選択される金属酸化物の膜または薄膜であり得る。
【0016】
本発明の他の側面は、金属酸化物膜、特に、本発明による方法によって得ることができる透明導電性酸化物の薄膜に関する。
【0017】
本発明の他の側面は、ドーピングエージェントをドープされた金属酸化物の膜を、前記膜のための支持体の表面上に堆積させるための方法に関し、前記方法は、
- 堆積チャンバーを準備する工程と、
- 電子およびプラズマからなる第1および第2のパルスビームを、前記堆積チャンバー中に与える工程と、
- 支持体を前記堆積チャンバー中に供給する工程であって、前記支持体が堆積表面を有する工程と、
- 第1および第2のターゲット体を前記堆積チャンバー中に与える工程であって、前記第1のターゲット体は前記金属酸化物を含んだ材料で作られ、前記第2のターゲット体は前記ドーピングエージェントを含んだ材料で作られ、前記第1のターゲット体は第1のターゲット表面を有し、前記第2のターゲット体は第2のターゲット表面を有する工程と、
- 前記電子およびプラズマからなる第1のパルスビームを前記第1のターゲット表面に衝突させることによって前記第1のターゲット表面からアブレーションされた金属酸化物のプルームと、前記電子およびプラズマからなる第2のパルスビームを前記第2のターゲット表面に衝突させることによって前記第2のターゲット表面からアブレーションされた前記ドーピングエージェントのプルームとを与える工程と、
- 前記金属酸化物のプルームおよび前記ドーピングエージェントのプルームを前記堆積表面に接触させることによって、前記金属酸化物および前記ドーピングエージェントを前記堆積表面上に同時に堆積させ、それにより、前記ドーピングエージェントをドープされた前記金属酸化物の膜を前記堆積体上に得る工程と
を含む。
【0018】
本発明のこの側面の一つの態様において、この方法に使用される金属酸化物は例えばp型のZnOであり、ドーピングエージェントは例えばLi2OのようなLi含有化合物である。
【0019】
本発明のこの側面の他の態様において、使用される金属酸化物はZnOであり、ドーピングエージェントは磁性種を含む。
【0020】
本発明は以下の図を参照してより詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1a】図1aは、パルスプラズマ堆積PPDデバイスの電子ビーム源の図(電流の「トリガー」は外部にある)を示し、電子ビーム源は、ここではPPDガン(gun)、電子ガンまたはガンとしても示され得る。
【図1b】図1bは、酸化亜鉛ターゲット上でのPPDのアブレーション効果およびプラズマ発生を示す(ガラスキャピラリ中の電子パルスの一次プラズマと、ターゲットの表面上に電子束が到達することにより発生された微小爆発によって生じた、ターゲット材料の二次プラズマとの両方が確認できる)。
【図2】図2は、アブレーションプロセスの模式図を示す(左の図は、ターゲットの表面上に電子束が到達した状況を表し、右の図は、表面の微小爆発、すなわち材料のアブレーションの状況を表す)。
【図3】図3は、堆積チャンバー中の酸素圧力および基板の温度の関数としてのZnO膜抵抗を示し、ここで、最適堆積パラメータは、最小の抵抗値ρ=0.6 mΩ-cm (p=6×10-5 mbar、T=300℃)に関して認めることができる。
【図4】図4は、ZnO膜の、400〜800 nmの波長についての透明度の測定の例を示し、膜表面の平坦かつ平行な配置によって生じる振動が観察され得、グレイの曲線は、波長範囲の各点における透明度の平均値を決定するための多項式近似曲線である。
【図5】図5は、ZnO膜のIR範囲における波長についての透明度の測定の例を示し、ここでこの膜は、IR範囲における基板の透明度の理由で、ZnSe結晶上に堆積された。
【図6】図6は、波長λ=550 nm(可視領域)についてのZnO膜の、堆積パラメータに対する透明度の依存性を示す。この波長での、堆積パラメータに対する透明度の強い依存性は観察されない。弱い最小の透明度が、400℃超の温度について観察され得る。
【図7】図7は、波長λ=750 nm(赤外領域)についてのZnO膜の、堆積パラメータに対する透明度の依存性を示す。IRにおける透明度は、最も明白な形態で電気抵抗に従う。透明度の最小値は、おおよそ、抵抗の最小値に相当する。
【図8】図8は、温度T=300℃かつ酸素圧力p=5×10-5 mbarにて、ガラス基板上に堆積されたZnO膜の形態の例を示す。膜は、1.11 mΩ-cmの低い抵抗値かつ8 nmの低い粗さを示す。
【図9】図9は、AZO膜の、400〜800 nmの波長についての透明度の測定の例を示す。
【図10】図10は、2つのガンを有するPPDシステムの模式図を示し、ここで1は堆積チャンバーであり、2は1つめのPPDガンのターゲットであり、3は2つめのPPDガンのターゲットであり、4は試料(堆積された薄膜)であり、5は図1中で開示したような1つめのPPDガンであり、6は図1中で開示したような2つめのPPDガンである。
【図11】図11は、2つのガンを有するPPDシステムの稼動図である。
【0022】
発明の実施の方法
本発明の第1の側面による方法が与えられ得る装置の模式的表現が図1に示される。
【0023】
本発明の第2の側面による方法が与えられ得る装置の模式的表現が図10に示される。
【0024】
それら側面の1つにおいて、本発明は、WO2006/105955に開示されかつここで参照によって組入れられる、高エネルギー電子パルス(20 keV以下)の生成と、酸素、アルゴンまたは窒素のようなワーキングガスにより低圧(10-6〜10-2 mbar)で生成されるプラズマの生成とをベースとしたパルスプラズマ堆積技術(PPD)を、このようなパルスの発生に適切な装置と合わせて適用することによるTCOの堆積に関する。使用される装置の図を図1に示す。
【0025】
PPDシステムの稼動原理(本発明の一部ではない)は、特許DE2804393 (US4335465(Al))に示されたものと類似する。しかしながら、本発明に使用されるPPDシステムの好ましい態様は、特許DE2804393 (US4335465(Al))、US5576593A、ならびに特許出願US2005012441A1およびUS20070026160Alに示されたものとは全く異なっている。
【0026】
中空カソードの近くで発生した電子およびプラズマはサブトラクト(subtract)され、そして中空アノードとカソードとの間の電気ポテンシャル差(20 kV以下)によって加速され、アノードとターゲットとの間の等電位領域中の、ガラス製のキャピラリーまたはチューブ内を通過する。加速された電子およびプラズマからなる束(ビーム)がターゲットの表面に衝突することによって、束(ビーム)のエネルギーはターゲットの材料の中に移され、そのアブレーション、すなわち「プルーム」としても知られる、ターゲット材料のプラズマの形態での表面の爆発をもたらし、それは、その上に堆積される基板または支持体の方向に伝播する(図2)。
【0027】
低圧ガスのイオン伝導率は、電子により発生した空間電荷の静電遮蔽を確保する。この結果として、自律的なビーム(self-sustained beams)が、高エネルギーかつ高出力密度で加速され、接地電位(GROUND potential)に維持されたターゲットに導かれ得、このようにして、ターゲットの表面下でこのようなターゲットから材料の放出をもたらす爆発を生じさせ(アブレーションまたは「爆発的昇華」プロセス)、このようにして、ターゲットの表面まで垂直に伝播するプルームを形成する。
【0028】
アブレーションの深さは、ビームのエネルギー密度、パルスの持続時間、気化熱およびターゲットを構成する材料の熱伝導性ならびにこのようなターゲットの密度により決定される。
【0029】
ターゲットの表面と基板の表面との間のその経路の中で、プルームの材料は、堆積チャンバー中に低圧(10-6〜10-2 mbar)で与えられたキャリアガスと相互作用し、変化しないままであるかもしくは僅かに酸化されるか(キャリアガスが酸素)、変化しないかもしくは僅かに還元されるか(キャリアガスがアルゴン、窒素)、またはドープされる(ZnOの場合で、キャリアガスが窒素およびNOの混合物)かのいずれかであり得る。近年、Krasik Ya. E., Gleizer S., Chirko K., Gleizer J. Z., Felsteiner J., Bernshtam V., Matacotta F. CらによるJ. Appl. Phys., 99, 063303, (2006)において、一部の電子束(およそ1 %)のみが、カソードとアノードとの間のポテンシャルの最大差異(full differential)によって加速されることが証明されている。殆どの電子のエネルギーは500 eVを超えない。材料の堆積速度は、電子束が発生される周波数(繰返し周波数)、カソードとアノードとの間のポテンシャルの差異、および対応する平均電流(およそ3〜5 mA)、ならびにターゲットと基板との間の距離によって制御され得る。
【0030】
本発明の発明者は、基板上での膜の成長を最適化するために、特に、例えば基板ホルダー中に組込まれたヒーターによって基板の適切な温度を設定し、固定することが可能であることを見出している。
【0031】
本発明の発明者は、さらに、電子およびプラズマからなるパルスビームを用いることによって、平滑な表面、高い光学透明度、および低い電気抵抗を有し、かつ、OLCDsまたは太陽電池のようなデバイスにおける使用に適切な無機もしくは有機材料性の剛体表面または可撓性表面上に、金属酸化物膜、特に透明導電性酸化物の膜および薄膜を堆積することが可能であることを見出している。
【0032】
透明導電性酸化物は本発明による方法により堆積される。ここで、装置の購入コストはPLDシステムよりも遥かに低く、製造コスト(使用される電力コストの点で)はPLDシステムを用いた製造コストの10 %以下であり、メンテナンスコストはPLDシステムと比べて取るに足らないものであり、PLD法よりも高いアブレーション加工効率を有し、かつ、良好なスケーラビリティを有する。本発明によるプロセスは、実際、容易かつ安価に実施され得る。システムを準備するために1つよりも多いガンを使用することは、容易に実施され得る。さらに、このシステムは、要求される堆積プロセスの寸法に、装置の寸法を合わせる問題を生じない。
【0033】
本発明による方法において、電子およびプラズマからなるビームは、好ましくは500 eV〜50 keV、特に5〜20 keVのパルスエネルギーを有する。
【0034】
堆積チャンバー中には、酸素、アルゴン、窒素、および、アルゴン中のメタン、アルゴン、ボラン、ジボラン、アンモニアなどの中の水素のような特定の混合物より選択されるワーキングガスが存在する。
【0035】
好ましくは、堆積チャンバー中で、10-6〜10-2 mbar、好ましくは10-5〜5×10-3 mbarの圧力が維持される。
【0036】
本発明による方法に使用される、電子およびプラズマからなるビームは、好ましくは、0.1〜500 Hz、特に1〜19 Hzの周波数で発生された電子およびプラズマからなるパルスビームである。
【0037】
好ましくは、本発明による方法に使用される電子およびプラズマからなるパルスビームは、1〜50 mA、特に1〜5 mAの平均電流を用いて発生される。
【0038】
電子およびプラズマからなるパルスビームは、アノードとカソードとの間の、好ましくは500 V〜50 keV、特に12〜18 keVのポテンシャル差を用いて発生される。
【0039】
本発明による方法は、前記ターゲット表面と、前記堆積表面との間の距離を調節するための工程をさらに含み得る。
【0040】
好ましくは、ターゲット表面および堆積表面は、5〜500 mmの相互距離で配置される。
【0041】
本発明による方法は、前記支持体の温度を調節するための工程をさらに含み得る。支持体の温度は、好ましくは周囲温度から550℃までの範囲、より好ましくは周囲温度から350℃の範囲に固定される。
【0042】
さらに、ターゲット体および支持体は、堆積チャンバーの中に、ターゲット表面からアブレーションされた金属酸化物のプルームの伝播経路上に堆積表面が位置するように配置され、このようにして堆積表面との接触を形成し、堆積表面上への堆積により、金属酸化物膜を形成する。
【0043】
ターゲット体および/または支持体は、より均一な堆積を達成するために、このような堆積工程の間に回転運動を受ける。
【0044】
本発明による方法によって堆積された膜の厚さは、水晶バランスによってプリセットされ、かつ制御される。好ましくは、本発明による方法によって堆積された膜は、好ましくは1〜500 nmの範囲の厚さを有する薄膜である。より好ましくは、本発明による方法によって堆積された膜の厚さはナノメートルスケール、特に200 nmのものである。
【0045】
上記全ての条件は、1つのPPDガンを用いる本発明の方法と、2つ以上のPPDガンを用いる本発明の方法との両方に関して有効であり、より多くの基板の堆積支持体上への同時の堆積を可能にする。
【0046】
以下の、本発明の態様の例示は、本発明の非限定的な例により与えられる。
【0047】
ZnOの堆積
ZnO堆積の最適パラメータ、堆積された膜の特性
本発明による方法によってZnO膜を堆積する実験は、堆積チャンバー中での1×10-5〜5×10-3 mbarの範囲の酸素圧力、かつ100〜500℃の基板温度に選択された堆積パラメータで実施されている。光学顕微鏡スライド、石英窓、ZnSe結晶および可撓性シート(PC、PTFE、PET)を基板として使用した。電子ガンのパラメータを、電圧範囲12〜18 kV以内、供給電流3〜5 mA以内、かつ電子放出の周波数1〜10 Hz以内に維持した。堆積の間、表面の化学組成の起こり得る変質を防ぐために、ターゲットを回転させた。堆積の間に基板を静止させて維持し、ハロゲンランプを用いて加熱した。基板の近くの(基板とホルダーとの間)、基板のホルダーに取付けられた熱電対によって温度を測定した。平均堆積時間を2時間に選択した(膜厚の成長速度は平均で0.2 A/sである)。
【0048】
ZnO膜の物理的特性は、電気抵抗(ファン・デル・ポー法)、可視および赤外波長範囲における光学透明度(JASCO 550V分光器、およびBruker IFS-88フーリエ変換赤外干渉計)、ホール効果、走査電子顕微鏡およびAFM(原子間力顕微鏡)の測定により検討された。
【0049】
先に特定した条件で堆積された膜は、20〜200 nmの厚さ、1〜95 mΩcmの電気抵抗、78〜97 %の透明度、結晶性膜の形態で比較的低い8〜10 nmの粗さを呈する。
【0050】
特に、以下の結果は、以下の条件を用いることによって堆積されたZnOの膜について得られた:
電子およびプラズマからなるパルスの加速電圧V = -16 kV
堆積時間t = 2時間
堆積周波数f = 2 Hz
ターゲットと基板との間の距離d = 40 mm。
【0051】
電気抵抗
ホール測定により、ZnO膜が1020〜1021 cm-3のオーダーの自由電荷キャリア濃度を有するn型半導体であることを証明した。
【0052】
図3は、異なる酸素圧力かつ異なる基板温度について、剛体支持体(ガラス)上に堆積された膜についての電気抵抗の測定を要約する。図示するように、異なる組合せの堆積パラメータについての抵抗値に相当する三次元チャートの表面(surface)は、6×10-5 mbarの酸素圧力、かつ300℃の基板温度付近で最小値(抵抗値ρ=0.6 mΩ-cm)を示す。
【0053】
周囲温度で堆積された以外は同じ条件で可撓性基板(PC)上に堆積された膜は、ρ= 2.4 mΩ-cmの最小抵抗値を示す。
【0054】
透明度
UV-Visにおける透明度の測定の例を、図4、5、6および7に示す。1*10-4 mbarの圧力、かつ500℃の基板温度で剛体支持体(ガラス)上に堆積されたZnO膜の透明度の平均値は、400〜800 nmの波長範囲においてT=93 %である(図4)。2.5〜10μmの範囲の波長において、ZnSe結晶上に堆積された膜の透明度は85〜47 %である(図5)。
【0055】
抵抗値の例のように堆積パラメータを変えることによって、ガラス基板上に堆積された膜の透明度が550 nmの波長にて78〜97 %(図6)、750 nmの波長にて87〜97 %(図7)で変化するものが得られる。
【0056】
形態
図8は、ガラスまたは石英基板上に堆積され、かつ、走査電子顕微鏡法によって観察された膜の例および形態を示す。図8は、ガラス基板温度T=300℃、かつ堆積チャンバー中の酸素圧力ρ=5*10-5 mbarで堆積された膜を示す。膜の形態は、200 nmの厚さで低い表面粗さを有する(同様にPLDのような方法で堆積された典型的なZnO膜)、結晶性膜のものに相当する。膜は、膜の高い結晶性(構造の無秩序性の緩和)に起因した低い抵抗値ρ=1.11 mΩ-cmを示す。
【0057】
粗さ
ZnO堆積膜の、AFM法によって得られた形態測定は、比較的低い粗さ(180〜200 nmの厚さについて8〜10 nm)、および膜のピンホールのような少数の欠陥の存在を明らかにしている。
【0058】
最も低い抵抗値を有するZnO膜は、以下の条件を用いて堆積された:
堆積チャンバー中の酸素圧力p = 5*10-5 mbar
基板温度T = 300℃
電子およびプラズマからなるパルスの加速電圧V = -16 kV
堆積時間t = 2時間
堆積周波数f = 2 Hz
ターゲットと基板との距離d = 40 mm。
【0059】
以下の結果が得られた:
膜厚s = 200 nm
抵抗値ρ= 1.11 mΩ-cm。
【0060】
AZOの堆積
最適化されたAZO堆積のパラメータ、堆積された膜の特性
AZO膜の堆積パラメータ(98重量%のZnOおよび2重量% のAl)は、ZnOについて先述したものと同じものを選択した。
【0061】
AZO膜の物理特性は、電気抵抗(ファン・デル・ポー法)、可視および赤外波長範囲における光学透明度の測定によって検討された。
【0062】
電気抵抗
ガラス上に堆積されたアルミニウムをドープされた酸化亜鉛(AZO)の膜は、堆積パラメータ(基板温度、堆積チャンバー中の酸素圧力)についてZnO膜と同じ依存性を示した。抵抗値の最小値(ρ=0.16 mΩ-cm)は、酸素の圧力パラメータp = 2×10-5 mbarかつ基板温度T = 300℃について達成され、得られた膜の圧力は50 nmである。
【0063】
透明度
2.5×10-5 mbarの圧力、300℃の基板温度で剛体支持体(ガラス)上に堆積されたAZO膜について、透明度の平均値は、400〜800の波長範囲においてT = 91 %である(図9)。
【0064】
最も低い抵抗値を有するAZO膜は、以下の条件を用いて堆積された:
堆積チャンバー中の酸素圧力p = 2×10-5 mbar
基板温度T = 300℃
電子およびプラズマからなるパルスの加速電圧V = -16 kV
堆積時間t = 2時間
堆積周波数f = 2 Hz
ターゲットと基板との間の距離d = 40 mm。
【0065】
以下の結果が得られた:
膜厚s = 50 nm
抵抗値ρ= 0.167 mΩ-cm。
【0066】
ドープされた酸化亜鉛のマルチアブレーションによる堆積、マルチガンによるPPDアブレーション
ドープされた材料、または運動力学的な手段(熱力学的平衡に無い系)によって成長させられた材料の堆積は、同時に稼動する2つ以上のガンの使用を要する。ガンの1つはベース材料を堆積するために使用され、その他は、その後の、適切な量でのドープ材料のアブレーションおよび堆積のために使用される。このような系は、バルクな形態では作ることのできない系の合金およびドーピング(例えば、材料のこの組合せ、または選択されたドーパントの濃度を抑制する相分離に起因する)をもたらすことができる。さらに、熱力学的平衡を欠く条件で成長させられた系をもたらすことが可能である(例えば、非晶質系または結晶系であるが、運動力学的に組入れられた、構造的に相容れないドーパントを有するもの(例えば、磁性種であるFe、Mn、Co、Niなどをドープされた酸化亜鉛))。
【0067】
2つ以上のガンを有するPPDシステムは、ガンが1つであるシステムについて既に言及したパーツに加えて、対応する電力供給を伴う2つ以上のガンと、ガンの「タイミング」を相互同期するためのユニットとから構成される。同期および「タイミング」ユニットは2つの機能を実行する。第1の機能は、対応するガンの、堆積の周波数を制御することによって、ベース材料の量とドーパントの量との間に要求される割合を確保しなければならない。第2の機能は、ベース材料およびドーパントのプルームの生成の「タイミング」に関する。ベース材料のアブレーションおよびドーパントのアブレーションについての一続きの事象は、例えば、プラズマ相中で求められる化学反応を与えるための適切な2つの材料のプルームの重なりを確保するものでなければならない。一方の材料のアブレーションと他方の材料のアブレーションとの間の間隔は、材料の組合せ、および予期される反応のタイプに依存して、0〜500 nsの間で変わる。
【0068】
2つのガンを使用してのLiをドープされたp型ZnOの堆積
先述したZnO材料は全てn型である(すなわち、電子が多数電荷キャリアである)。その後のセクションにおいて、p型のZnOが使用される。p型のZnOにおいては、正孔が多数電荷キャリアである。
【0069】
ガンが2つであるPPDシステムを図10に示す。各ガンは、各自のターゲットを持つ。1つめは純ZnOであり、2つめは、ZnOと様々な濃度のドーパント(酸化リチウムとして)とから構成されるか、または純酸化リチウムで構成され得る(第2のターゲットの組成は(Li2O)x+(ZnO)1-xであり、ここで、0≦x≦1、好ましくは0.03≦x≦0.1である)。ドーパント(リチウム)の量は、ターゲット中のドーパントの濃度、およびベース材料(ZnO)のアブレーション周波数とドーパント((Li2O)x+(ZnO)1-x)のアブレーション周波数との間の比率により制御される。2つの対応するターゲットにより発生されたプルームは、加熱用の基板キャリア上に固定され、それによって加熱された基板上で重なる。加熱ユニットの温度は、周囲温度から500℃までに、このましくは150〜350℃に制御され得る。アブレーションおよび堆積の間、ターゲットおよび基板を、0.1〜5 Hzの回転数、好ましくは0.5〜1 Hzの回転数で回転させる。堆積された材料は、10〜1000 nm、好ましくは100〜200 nmの厚さを有する、LiをドープされたZnO薄膜を形成する。残りの堆積パラメータは、先述したn型ZnO膜の堆積についてのものと同じである。
【0070】
ホール効果測定は、PPD法によって調製された、LiをドープされたZnO膜の導電性が、およそ5*1017 cm-3の電荷キャリア(正孔)の濃度を有するp型のものであり、モビリティはおよそ1.7cm2/Vsであり、典型的な抵抗値は6.2 Ωcmであることを証明する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属酸化物膜を、前記膜のための支持体の表面上に堆積させるための方法であって、
- 堆積チャンバーを準備する工程と、
- 電子およびプラズマからなるパルスビームを、前記堆積チャンバー中に与える工程と、
- 支持体を前記堆積チャンバー中に供給する工程であって、前記支持体は堆積表面を有する工程と、
- 前記金属酸化物を含んだ材料で作られたターゲット体を前記堆積チャンバー中に与える工程であって、前記ターゲット体はターゲット表面を有する工程と、
- 前記電子およびプラズマからなるパルスビームを前記ターゲット表面に衝突させることによって、前記ターゲット表面からアブレーションされた金属酸化物のプルームを与える工程と、
- 前記プルームを前記堆積表面に接触させることによって、前記堆積表面上に金属酸化物膜を堆積させる工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記金属酸化物が透明導電性酸化物、特に酸化亜鉛、および、アルミニウムまたはリチウムまたは他のドーパントをドープされた酸化亜鉛からなる群より選択される金属酸化物であることを特徴とする請求項1による方法。
【請求項3】
前記支持体が、透明材料または不透明材料製の支持体であることを特徴とする請求項1および2のうちの1項による方法。
【請求項4】
前記支持体が、可撓性または剛性の支持体であることを特徴とする請求項1および2のうちの1項による方法。
【請求項5】
前記支持体が、固体無機材料製の支持体であることを特徴とする請求項1〜4のうちの1項による方法。
【請求項6】
前記支持体が、ガラス、石英、CdS、ZnSe、金属、および無機半導体からなる群より選択される材料で作られたことを特徴とする請求項5による方法。
【請求項7】
前記支持体が、固体有機材料製の支持体であることを特徴とする請求項1〜4のうちの1項による方法。
【請求項8】
前記支持体が、ポリマー、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイミド、フェノール樹脂、ポリ酸無水物、導電性ポリマー、共役ポリマー、フッ素化ポリマー、シリコーンゴム、シリコーンポリマー、バイオポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、例えば、ポリカーボネート、PTFE、PET、PNT、PEDOT、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン(PPV)、ポリフルオレン、および分子固体、例えば、分子半導体、分子結晶、分子薄膜、分子染料、例えば、A1Q3、チオフェンオリゴマー、PPVオリゴマー、ペンタセン、テトラセン、ルブレン、NPB、フラーレン、カーボンナノチューブおよびフラーリドからなる群より選択される材料から作られたことを特徴とする請求項7による方法。
【請求項9】
前記電子およびプラズマからなるビームが、500 keV〜50 keV、特に5〜20 keVのパルスエネルギーを有することを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項10】
10-6〜10-2 mbar、好ましくは10-5〜5×10-3 mbarの圧力が前記堆積チャンバー中で維持されることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項11】
前記堆積チャンバー中に、酸素、アルゴン、窒素、ならびにメタンとアルゴンとの混合物、水素と、アルゴン、ボラン、ジボラン、およびアンモニアとの混合物からなる群より選択されるワーキングガスが存在することを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項12】
前記電子およびプラズマからなるビームが、0.1〜500 Hz、特に1〜19 Hzの周波数で発生された電子およびプラズマからなるパルスビームであることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項13】
前記電子およびプラズマからなるパルスビームが、1〜50 mA、特に1〜5 mAの平均電流を用いて発生された電子およびプラズマからなるビームであることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項14】
前記電子およびプラズマからなるパルスビームが、500 V〜50 keV、特に12〜18 kVであるアノードとカソードとの間のポテンシャル差を用いて発生される電子およびプラズマからなるビームであることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項15】
前記ターゲット表面および前記堆積表面が、5〜500 mmの相互距離で配置されることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項16】
前記支持体が、周囲温度ないし550℃に含まれる温度を有することを特徴とする請求項5による方法。
【請求項17】
前記支持体が、周囲温度ないし350℃に含まれる温度を有することを特徴とする請求項7による方法。
【請求項18】
前記ターゲット表面と前記堆積表面との間の距離を調節するための工程をさらに含むことを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項19】
前記支持体の温度を調節するための工程をさらに含むことを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項20】
前記ターゲット体が、前記堆積工程の間に回転運動を受けることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項21】
前記堆積支持体が、前記堆積工程の間に回転運動を受けることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項22】
前記支持体および前記ターゲット体を前記堆積チャンバー内に配置し、前記プルームを前記堆積表面に接触させることを特徴とする先行する請求項のうちのいずれか1項による方法。
【請求項23】
ドーピングエージェントがドープされた金属酸化物の膜を、前記膜のための支持体の表面上に堆積させるための方法であって、
- 堆積チャンバーを準備する工程と、
- 電子およびプラズマからなる第1および第2のパルスビームを前記堆積チャンバー中に与える工程と、
- 支持体を前記堆積チャンバー中に供給する工程であって、前記支持体が堆積表面を有する工程と、
- 前記堆積チャンバー中に第1および第2のターゲット体を準備する工程であって、前記第1のターゲット体は前記金属酸化物を含んだ材料から作られ、前記第2のターゲットは前記ドーピングエージェントを含んだ材料から作られ、前記第1のターゲット体は第1のターゲット表面を有し、前記第2のターゲット体は第2のターゲット表面を有する工程と、
- 前記電子およびプラズマからなる第1のパルスビームを前記第1のターゲット表面に衝突させることによって前記第1のターゲット表面からアブレーションされた金属酸化物のプルームと、前記電子およびプラズマからなる第2のパルスビームを前記第2のターゲット表面に衝突させることによって前記第2のターゲット表面からアブレーションされた前記ドーピングエージェントのプルームとを与える工程と、
- 前記金属酸化物のプルームおよび前記ドーピングエージェントのプルームを前記堆積表面に接触させることによって、前記堆積表面上に前記金属酸化物および前記ドーピングエージェントを同時に堆積させ、それにより、前記ドーピングエージェントがドープされた前記金属酸化物の膜を前記堆積体上に得る工程と
を含む方法。
【請求項24】
前記金属酸化物がp型のZnOであり、前記ドーピングエージェントが、Li2OのようなLi含有化合物であることを特徴とする請求項23による方法。
【請求項25】
前記金属酸化物がZnOであり、前記ドーピングエージェントが磁性種を含むことを特徴とする請求項23による方法。
【請求項26】
請求項1〜25のうちのいずれか1項による方法による支持体の表面上への堆積によって得られる金属酸化物膜。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−506773(P2011−506773A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538359(P2010−538359)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064158
【国際公開番号】WO2009/080092
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(507326021)
【氏名又は名称原語表記】TALIANI, Carlo
【住所又は居所原語表記】Via Dotti, 10, I−40135 Bologna, ITALY
【出願人】(510173074)
【氏名又は名称原語表記】NOZAR, Petr
【住所又は居所原語表記】Via Fratelli Cervi, 25, I−40129 Bologna, Italy
【Fターム(参考)】