関節装置、関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンド
【課題】人の指のごとき微妙な動作を実現することが可能な関節装置、関節装置を用いたロボットフィンガー、及び、ユニバーサルロボットハンドを提供する。
【解決手段】一方のリンク部材Lに固定したフレクスプライン7と、その回転軸心Pと交差する方向に延出形成した薄肉部8aを他方のリンク部材Lに固定したサーキュラスプライン8とを備えてなるハーモニックドライブHを前記関節部材Jに組み込み、基端側リンク部材Lに収容したモータMの出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構T1と、前記モータMの出力を前記第一の伝動機構T1及び前記基端側リンク部材Lに隣接するリンク部材Lに収容した伝達シャフトSを介して前記基端側のウェーブジェネレータ6に隣接するウェーブジェネレータ6に伝達する第二の伝動機構T2を備える。
【解決手段】一方のリンク部材Lに固定したフレクスプライン7と、その回転軸心Pと交差する方向に延出形成した薄肉部8aを他方のリンク部材Lに固定したサーキュラスプライン8とを備えてなるハーモニックドライブHを前記関節部材Jに組み込み、基端側リンク部材Lに収容したモータMの出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構T1と、前記モータMの出力を前記第一の伝動機構T1及び前記基端側リンク部材Lに隣接するリンク部材Lに収容した伝達シャフトSを介して前記基端側のウェーブジェネレータ6に隣接するウェーブジェネレータ6に伝達する第二の伝動機構T2を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリンク部材をその軸心方向と交差する方向の軸心周りに回転する関節部材を介して連結してなる関節装置、関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
生産現場において利用されている産業用ロボットの把持装置(以下、「ハンド」とも記す。)にはプライヤのような開閉機構で対象物を掴む形態のメカニカルグリッパが多用されているが、多くの場合、対象物を把持するために相対的に運動する二つのリンクまたは三爪チャックのような三リンクを有する機構で構成されている。
【0003】
このようなメカニカルグリッパは高度な制御を必要とせず、機械的に開閉するために、確実な繰り返し動作が保証されているが、把持動作を機械的に実現することから、生産現場の定められた位置・姿勢に整列された既知形状の対象物に対しては確実な把持を保証するが、鋳造部品やプレス成形部品のような様々な曲面を持つ複雑形状の部品を適切に把持することが困難であり、バラ積み部品等のように対象物の置かれた位置・姿勢、或いは対象物の形や寸法が少しでも異なると、最早一つのメカニカルグリッパでは対応できない。
【0004】
そのため、生産現場では、視覚センサを導入して複雑な形状認識処理によって部品の位置・姿勢を測定してメカニカルグリッパで把持可能な把持点を決定したり、対象物の形状・寸法の種類に応じて複数のメカニカルグリッパを準備して、対象物に応じてその都度グリッパを交換するといった多大なコストを必要とする複雑なロボットシステムの導入を余儀なくされている。
【0005】
一方、人は複数の関節を持つ5本の指からなる手で複雑な作業を器用に実行することができる。人の手のような構造ならびに形状を持ち、人の手と同様の運動制御機能を有したユニバーサルなロボットハンドを実現することができるならば、ロボットは、人間と同様、一つのハンド機構で様々な複雑作業を器用に行うことが可能になる。また、ロボットに合わせてその都度開発していた特殊作業工具は必要でなくなり、ロボットは、従来、人が使用してきた汎用作業工具を用いて作業を行うことも可能となる。
【0006】
このような背景の下、人間の手のような機構と人間の手のような巧みな作業機能を有したロボットハンドを実現すべく、人間の手を模した複数の関節を備えた複数の指から構成されるユニバーサルロボットハンドが研究開発されてきた。
【0007】
このようなロボットハンドとして、特許文献1には、図10(a)に示すように、人間の手と類似した運動ができるロボットハンド構造、即ち、四関節J10,J20,J30,J40備えた指を複数本配置し、各関節を駆動するモータを内蔵したロボットハンドにおいて、各指の根本側の第一関節J10と第二関節J20の軸が1点で直交し、その二つの関節を独立に駆動できるように1つの指について二つのモータを掌に設けたことを特徴とするロボットハンドが提案されている。
【0008】
上述の文献には、第三関節J30用のモータM3と駆動連結された4節リンク機構Lを介して第四関節J40の軸を駆動することで、一つのモータにより第三関節J30と第四関節J40を同時に同じ方向に回転可能な構成、及び、指先に力覚センサS10を備えた構成が提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開平11−156778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1に記載されたロボットハンドは、人の指と同じ関節配置ならびに自由度を有し、指機構にモータを内蔵して関節を駆動する機構によって人の指並びに手と類似した運動が可能なハンド機構を実現している。
【0011】
しかし、人の指の器用さは、その多関節機構のみならず指の表面に分布する触覚と関節において感じることのできる深部体性感覚の力覚の情報をうまく融合して機構を制御することによって実現されていると考えられるところ、指先にのみ力覚センサを備え、そのセンサに基づいて把持動作等が制御されるものであるため、制御を不安定にする駆動系の機械的ガタの発生も相俟って人の指のごとき微妙な動作を実現することが困難であるという問題があった。例えば、指の腹部で対象物を把持するような場合には力覚を検知することができないのである。
【0012】
さらに、図10(b)に示すように、特許文献1に記載されたような、関節で連結されるリンクL30、L40に対して、モータからギア式の減速機構を介してリンクL30を駆動するとともに減速機構からさらにリンクやワイヤー等の駆動伝動機構、ここでは4節リンク機構Lを介してリンクL40を駆動するごとき構成を採用する場合には、減速機構によるギアのバックラッシュや駆動伝動機構による機械的遊びによるガタの発生のために正確な指の動作制御が困難となるばかりか、モータから減速機構を経て駆動伝動機構に動力を伝達するために駆動伝達機構は多大のトルクを伝達することが必要となり駆動伝達機構の大型化、延いてはロボットハンドの大型化を招くという問題があった。
【0013】
本発明は、上述の問題点に鑑み、駆動系の機械的ガタを効果的に除去するとともに、力覚等のセンシング系の実装上の工夫を施すことにより、人の指のごとき微妙な動作を実現することが可能な関節装置、関節装置を用いたコンパクト設計が可能なロボットフィンガー、及び、ユニバーサルロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、本発明による関節装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、複数のリンク部材をその軸心方向と交差する方向の軸心周りに回転する関節部材を介して連結してなる関節装置であって、一方のリンク部材に固定したフレクスプラインと、その回転軸心と交差する方向に延出形成した薄肉部を他方のリンク部材に固定したサーキュラスプラインとを備えてなるハーモニックドライブ減速機を前記関節部材に組み込み、基端側リンク部材に収容したモータの出力を基端側のウェーブジェネレータに伝達する第一の伝動機構と、前記モータの出力を前記第一の伝動機構及び前記基端側リンク部材に隣接するリンク部材に収容した伝達シャフトを介して前記基端側のウェーブジェネレータに隣接する関節部材に組み込んだハーモニックドライブ減速機のウェーブジェネレータに伝達する第二の伝動機構を備えてある点にある。
【0015】
上述の構成によれば、関節部材に組み込まれたバックラッシュレスで高減速比のハーモニックドライブ減速機を用いたリンク部材を駆動する機構を採用することで、関節機構の機械的ガタを無くして安定した関節インピーダンスの制御や高精度な指先力の制御が可能になるのである。また、ハーモニックドライブ減速機のサーキュラスプラインを出力軸とすることにより、被駆動リンクと減速機出力軸を一体構造とすることができ、関節機構のコンパクト化が可能となるのである。
【0016】
さらに、人指と同様に4関節を有する指機構において、例えば、上述の構成を採用して指先の第三関節と第四関節を連動して駆動することにより、小さい回転角度で指先を大きく動かすことが可能となり、指先の操作性を著しく向上させることができるようになる。また、ひとつのアクチュエータでふたつの関節を駆動するため機構のコンパクト化が可能になる。同時に、第三並びに第四関節部材にそれぞれハーモニックドライブ減速機を配置することで、各関節部材におけるガタを防ぐことができる。
【0017】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記第一の伝動機構を前記モータの出力軸に取り付けた小径のべベルギアと前記小径のべベルギアと噛合する大径のべベルギアとで構成し、前記大径のべベルギアの回転軸を前記基端側のウェーブジェネレータに連結してある点にある。
【0018】
上述の構成によれば、第一の伝動機構として一対のベベルギアによりアクチュエータの駆動力をハーモニックドライブに伝達できるという、より単純な構成を実現することができるようになるのである。
【0019】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記薄肉部に力覚センサを設けてある点にある。
【0020】
上述の構成によれば、各関節部材に組み込まれ、他方のリンク部材に連結されるサーキュラスプラインの薄肉部に力覚センサを設けてあるので、各リンク部材に加わる力覚を感度良く検出することができ、これらの値に基づけばより高精度な関節インピーダンスや指先力の制御が可能になる。
【0021】
本発明によるフィンガーユニットの特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成を備えた関節装置により第三関節及び第四関節を構成してある四関節を備えたものである点にある。
【0022】
上述したように、上述の関節装置により第三関節及び第四関節を構成することにより、指先の操作性を著しく向上させることができるようになり、より人に近いフィンガーユニットを実現することができるようになる。
【0023】
本発明によるユニバーサルロボットハンドの特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述のフィンガーユニットを備えて構成される点にあり、より人に近い動きができるユニバーサルロボットハンドを実現することができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明した通り、本発明によれば、駆動系の機械的ガタを効果的に除去するとともに、力覚センサ等のセンシング系の実装上の工夫を施すことにより、人の指のごとき微妙な動作を実現することが可能な関節装置、関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンドを提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明による関節装置及び関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンドの実施の形態を説明する。図1(a)から(c)に示すように、ユニバーサルロボットハンド20は、掌となる基体10と、前記基体10に支持された五本のフィンガーユニット(以下、「指体」と記す。)1,2,3,4,5とから構成されている。
【0026】
前記指体1,2,3,4,5は、夫々人間の手の母指(第一指)、示指(第二指)、中指(第三指)、薬指(第四指)、小指(第五指)に対応し、各指体は、第一、第二、第三、第四の四本のリンク部材L1,L2,L3,L4をその軸心P方向と直交する方向の軸心P1,P2,P3,P4周りに回転する四つの関節部材J1,J2,J3,J4を介して連結した関節装置30で構成される。
【0027】
前記指体2,3,4,5は、互いに平行配置され、基端側から順に第一軸心P1周りに回転可能な第一関節部材J1と、前記第一軸心P1と直交する第二軸心P2周りに回転可能な第二関節部材J2と、前記第二軸心P2に平行な第三軸心P3周りに回転可能な第三関節部材J3と、前記第二軸心P2に平行な第四軸心P4周りに回転可能な第四関節部材J4を備え、前記第一関節部材J1の回転により互いの指体の間隔が広がりまたは狭まるように変位し、前記第二関節部材J2から前記第四関節部材J4の回転により対象物を把持しまたは開放するように変位可能に構成されている。
【0028】
前記指体1は、前記指体2と対向配置され、第三関節部材J2から第四関節部材J4の回転方向が前記指体2の対応する関節部材と反対となるように構成されている。従って、指体1と指体2間で対象物を挟持可能となる。尚、前記指体3,4,5は前記指体2と平行に配列されており、関節部材の構成は前記指体2と同様であるため、指体1は指体2以外の他の指体3,4,5とも対向配置され、指体1と指体3,4,5の間でも挟時可能である。また、前記指体2,3,4,5の第一関節部材J1の各軸心P1は平行であるため、前記指体2,3,4,5での挟持も可能である。
【0029】
各指体1,2,3,4,5は基本的に同一構造であるので、以下、代表として指体2について説明する。図2(a)から(c)及び図3(a)から(b)に示すように、前記指体2の各関節部材J1,J2,J3,J4には、ハーモニックドライブ減速機構(以下、「ハーモニックドライブ」と記す。)H(H1,H2,H3,H4)が組み込まれている。
【0030】
前記ハーモニックドライブHは、図6に示すように、楕円状のカムとその外周に嵌めたベアリングにより構成されるウェーブジェネレータ6と、薄肉カップ状の金属弾性体で開口部の外周に歯が形成されたフレクスプライン7と、リング状の剛体内周に前記フレクスプライン7と同ピッチの歯でその歯数が前記フレクスプライン7より二枚多くなるように形成されたサーキュラスプライン8とで構成され、前記フレクスプライン7を固定して前記ウェーブジェネレータ6を回転させることにより、前記フレクスプライン7が弾性変形しながら前記サーキュラスプライン8との噛み合い位置を順次移動させることにより、前記サーキュラスプライン8が前記ウェーブジェネレータ6と逆方向に回転するように構成されている。
【0031】
図2及び図3に示すように、前記リンク部材L1〜L3は断面が略方形の中空部材L10とその先端に固定された円弧状部を備えた一対のアタッチメントL11で構成され、一方のアタッチメントL11に前記フレクスプライン7のカップ7a底面がボルト固定されている。尚、先端側のリンク部材L4も同様に断面が略方形の中空部材L10で構成され、一端が前記フレクスプライン7のカップ7a底面がボトル固定されている。
【0032】
前記サーキュラスプライン8の一部がその回転軸心P1,P2,P3と交差する方向に延出形成された薄肉部8aを介して他方のリンク部材L2,L3,L4の端部と固定されている。
【0033】
前記基体10、及び、前記リンク部材L1,L2の中空部に前記軸心Pと直交する方向に回転軸を有するエンコーダ内蔵のモータM1,M2,M3が内装され、各モータM1,M2,M3の出力軸に小径のべベルギアG1を取り付けるとともに、前記小径のべベルギアG1と噛合する大径のべベルギアG2を他方のアタッチメントにベアリングを介して取り付け、前記大径のべベルギアG2の回転軸を前記ウェーブジェネレータ6に嵌入連結してある。
【0034】
従って、前記モータM1,M2,M3を一方向に回転駆動することにより、前記ベベルギアG1,G2を介して前記ウェーブジェネレータ6が回転され、前記関節部材J1,J2,J3の夫々が前記軸心P1,P2,P3周りで対象物に対して把持方向に揺動駆動され、前記モータM1,M2,M3を逆方向に回転駆動することにより、前記関節部材J1,J2,J3の夫々が前記軸心P1,P2,P3周りで開放方向に揺動駆動される。
【0035】
前記第三リンク部材L3には伝達シャフトSを介して両端部に小径のベベルギアG3、G4が取り付けられ、一方のベベルギアG3が前記第三関節部材J3に設けられた大径のベベルギアG2と噛合することにより前記伝達シャフトSが回転するように構成されている。
【0036】
前記伝達シャフトSに取り付けられた他方のベベルギアG4が前記第四関節部材J4に設けられた大径のベベルギアG5と噛合し、前記第四関節部材J4に組み込まれたウェーブジェネレータ6が回転するように構成され、以って、第三関節部材J3と第四関節部材J4とが同期して回転駆動され、前記第三リンク部材L3と第四リンク部材L4とが同期して揺動駆動される。
【0037】
図4(a)及び図4(b)に示すように、前記小径のベベルギアG1とそれに噛合する大径のベベルギアG2により基端側リンク部材L2に収容したモータM3の出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構T1が構成される。また、前記基端側リンク部材L2に収容された前記モータM3の出力を前記第一の伝動機構T1及び前記基端側リンク部材L2に隣接するリンク部材L3に収容した伝達シャフトSを介して小径のベベルギアG4とそれに噛合する大径のベベルギアG5により、前記基端側のウェーブジェネレータ6に隣接するウェーブジェネレータ6に伝達する第二の伝動機構T2が構成されている。
【0038】
前記第三関節J3及び前記第四関節J4を回転させるモータM3に対する減速比については、図4(c)に示すように、前記第一の伝動機構T1では、モータM3の回転数は前記小径のベベルギアG1からそれに噛合する前記大径のベベルギアG2を介して前記第三関節部材J3に収容された前記ハーモニックドライブH3へ出力として伝わり、回転速度は1/275倍に減速され、前記第三関節部材L3に接続されたリンク部材L3はP3軸を中心として回転する。
【0039】
同様に前記第二の伝動機構T2では、前記モータM3の回転数は前記小径のベベルギアG1から前記大径のベベルギアG2及び前記小径のベベルギアG3を介して伝導シャフトSに伝えられ、さらに、前記小径のベベルギアG4からそれに噛合する前記大径のベベルギアG5を介して前記関節部材J4に収容された前記ハーモニックドライブH4へと出力として伝わるとともに、回転速度は1/275−1/27500倍に減速され、リンク部材L4はP4軸を中心として回転する。前記ハーモニックドライブを介することにより、ガタをなくすことが可能となり、制度の良い制御が可能となる。
【0040】
図5(a)に示すように、力覚センサS10として、前記サーキュラスプライン8の薄肉部8aの前面に歪検出素子F1,F2、背面に歪検出素子F2,F4が対向する位置に設置され、各リンク部材L1,L2,L3,L4に作用する力覚が検出可能に構成されている。図5(b)に示すように、歪検出素子F1,F2,F3,F4で構成されたブリッジにブリッジ電源電圧eiを印加することで、指体を構成する各リンク部材L1,L2,L3,L4に作用する力のうち、各関節部 材J1,J2,J3,J4の軸心P1,P2,P3,P4周りに作用する関節トルクに比例した歪のみを分解、抽出し、ブリッジ出力電圧Δeが測定でき、指体にかかる歪を検出することができる。前記歪検出素子Fとして、ストレインゲージ式圧力センサが使用されるが、これに限るものではなく、圧電素子等の任意の歪検出素子を用いることができる。尚、上述の構成では4枚の歪検出素子Fを用いて、各リンク部材Lの歪を検出したが、歪検出素子Fの位置、枚数は適宜設定することが可能であり、特に制限されるものではない。
【0041】
また、図5(c)に示すように、前記リンク部材L2,L3,L4の腹部には触覚センサAが貼付固定されている。前記触覚センサAは、図7(a)に示すように、押圧により抵抗値が変化するシート状の感圧導電性部材11と、両側面に配置された電極シート12a,12bと、前記感圧導電性部材11の側面に前記電極シート12aを介して接着された柔軟性のあるエラストマーでなる被加圧層13を備えて構成される。
【0042】
前記電極シート12a,12bは複層のフレキシブル基板で構成され、前記感圧導電性部材11のインピーダンスを検出する電圧印加電極と電圧検出電極でなる電極セルの複数がマトリクス状に配列され、行方向または列方向に配列された複数の電圧印加電極が行または列毎に相互に接続され、外部からの電圧を同時に印加する複数のリードパターンと、列方向または行方向に配列された複数の電圧検出電極が列または行毎に相互に接続され、外部に検出電圧を出力する複数のリードパターンの何れかが前記電極セルの配列された層とは異なる層に形成されている。
【0043】
前記感圧導電性部材11は、シリコーン樹脂等の絶縁性のゴム材料中に金属や炭素等の導電性粒子を均等に分散させてシート状に成形したもので、無加圧時には導電性粒子は互いに接触せず、体積抵抗、表面抵抗ともに107Ω以上の高い電気抵抗値を示すが、加圧時には導電性粒子が次第に接触し始めて電気抵抗値が滑らかに変化する。即ち、ゴムの弾性を生かして圧力変化によるゴムの歪みに伴って電気抵抗値が変化することから、加圧時にはその圧力に対応する低電気抵抗値を示すが無加圧時には元に戻り高電気抵抗値を示す。
【0044】
前記被加圧層13は、超軟質のウレタンゲルシートで構成され、前記被加圧層13の上面から加えられた圧力が周囲に伝播して前記感圧導電性部材11を歪ませ、その抵抗値分布を算出することにより図7(b)に示すような圧力分布が得られるのである。図7(b)では、触覚センサAを構成する各電極セルに対応して分割された区画毎に検出される圧力を濃度パターンで示した圧力分布であり、濃度が濃いほど圧力が高いことが示される。
【0045】
上述のように、前記リンク部材L2,L3,L4の腹部に触覚センサA、前記関節部材J2,J3,J4の薄肉部8aに力覚センサS10が配置されることにより、挟持する際、挟持物体の形状がどのような形においても、指体の姿勢制御及び圧力制御が可能となる。
【0046】
上述のユニバーサルロボットハンド20に対する制御機構を説明する。図8に示すように、上述のユニバーサルロボットハンド20に設けられた各触覚センサAの出力が計測制御装置C1に入力されるとともに、各エンコーダの出力及び各力覚センサS10の出力が行動制御装置C2に入力され、前記行動制御装置C2から各関節部材J1,J2,J3,J4を駆動するためのモータ駆動信号が出力されるように構成されている。
【0047】
前記計測制御装置C1及び行動制御装置C2はネットワークNを介して統合制御装置C3に接続され、前記統合制御装置C3は前記計測制御装置C1により解析された各フィンガーユニットの腹部に付与される対象物からの圧力情報、及び前記行動制御装置C2により解析された各関節の姿勢情報と各リンク部材に掛かる力覚情報に基づいて前記行動制御装置C2に各モータに対する駆動情報を出力するように構成されている。
【0048】
前記計測制御装置C1は、複数の触覚センサAからの出力値に基づいて各指体の各腹部に加わる圧力分布を高速に演算処理して前記統合制御装置C3に出力する。
【0049】
前記行動制御装置C2は、各力覚センサS10からの出力及びエンコーダ出力に基づいて、現在の各リンク部材の姿勢とそれに掛かる力を演算導出して前記統合制御装置C3に出力する。
【0050】
前記統合制御装置C3は、前記行動制御装置C2から入力された現在の各リンク部材の姿勢とそれに掛かる力と、前記計測制御装置C1から入力された各腹部に加わる圧力分布に基づいて把持対象物の形状や硬度等の特性を把握し、目的とする動作が遂行されるように前記行動制御装置C2に対して各モータM1,M2,M3に対する駆動情報を出力する。
【0051】
つまり、情報量が多くその処理に多くの時間を要する触覚情報と高速なサーボ制御に必要な角度並びに力の情報を、それぞれ専用の計測制御装置と行動制御装置によって分散制御することにより、全体の処理速度を向上させることができる。また、これらの専用制御装置を統合制御装置の元に階層化してネットワークを構築することより、触覚、力覚、角度など複数のセンサ情報を融合して個別のセンサからは抽出できない情報を推定することも可能になる。さらに、制御装置を分散しネットワークを介して階層化することによって、制御装置をコンパクト化することが可能になるとともに遠隔地からロボットハンドを操作することも可能となる。
【0052】
以下に本発明による関節装置及び関節装置を用いたフィンガーユニット及びユニバーサルハンドの別の実施の形態を説明する。
【0053】
上述の実施形態では、図9(a)に示すような、前記小径のベベルギアG1とそれに噛合する大径のベベルギアG2により基端側リンク部材L2に収容したモータM3の出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構P1が構成され、前記小径のベベルギアG3、G4と前記伝達シャフトSと前記大径のベベルギアG5により前記モータMの出力を前記第一の伝動機構P1及び前記基端側リンク部材L2に隣接するリンク部材L3に収容した伝達シャフトSを介して前記基端側のウェーブジェネレータ6に隣接する関節部材に組み込んだハーモニックドライブ減速機のウェーブジェネレータ6に伝達する第二の伝動機構P2が構成されるものを説明したが、図9(b)に示すように、前記小径のベベルギアG10に小径のベベルギアG30が噛合される。前記小径のベベルギアG30は平歯車W10、アイドル平歯車W20、平歯車W10を介してモータMの出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構T1が構成をするものであってもよい。上述の構成を採用することによって、関節部材Jの径を小さく構成することが可能となる。
【0054】
同様に、図9(c)に示すように、平歯車W10及びアイドル平歯車W20の代わりにタイミングプーリ・ベルトBを用いた場合も関節部材Jを小さくすることが可能となる。
【0055】
何れの場合にも、関節部材Jを小さくすることができるため、ユニバーサルハンド20を一層小型化することができる。
【0056】
上述の実施形態で説明した関節装置の具体的構造は一実施形態に過ぎず、本発明の範囲がこれによって制限されるものではなく、同様の作用効果を奏する範囲において適宜構成を変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(a)本発明によるユニバーサルハンドの前平面構成図、(b)本発明によるユニバーサルハンドの後平面構成図、(c)本発明によるユニバーサルハンドの横平面構成図
【図2】(a)本発明によるフィンガーユニットの平面構成図、(b),(c)本発明によるフィンガーユニットの断面図
【図3】(a)図2におけるフィンガーユニットのB−B断面図、(b)図2におけるフィンガーユニットのA−A断面図
【図4】(a)本発明によるフィンガーユニットの平面構成図、(b)本発明によるフィンガーユニットの動作説明図、(c)本発明によるフィンガーユニットの減速比説明図、
【図5】(a)本発明によるフィンガーユニットの力覚センサ配置説明図、(b)歪検出素子によるブリッジ構成図、(c)発明によるフィンガーユニットの触覚センサ配置説明図
【図6】本発明によるハーモニックドライブの回転動作説明図
【図7】(a)本発明によるユニバーサルハンドの触覚センサ検知動作説明図、(b)本発明によるユニバーサルハンドの触覚センサの圧力分布図
【図8】本発明によるユニバーサルハンドのシステム構成図
【図9】本発明による第一の伝動機構の別実施形態説明図
【図10】(a)従来技術によるロボットハンドの構成図(b)従来技術によるロボットハンドの動作説明図
【符号の説明】
【0058】
1:指体(第一指)
2:指体(第二指)
3:指体(第三指)
4:指体(第四指)
5:指体(第五指)
6:ウェーブジェネレータ
7:フレクスプライン
8:サーキュラスプライン
8a:薄肉部
10:基体
11:感圧導電性部材
12:電極シート
13:被加圧層
20:ユニバーサルロボットハンド
30:関節装置
A:触覚センサ
B:タイミングプーリ・ベルト
C1:計測制御装置
C2:行動制御装置
C3:統合制御装置
F:歪検出素子
G:ベベルギア
H:ハーモニックドライブ
J:関節部材
L:リンク
M:モータ
N:ネットワーク
P:軸心
S:伝達シャフト
S10:力覚センサ
T:伝達機構
W:平歯車
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリンク部材をその軸心方向と交差する方向の軸心周りに回転する関節部材を介して連結してなる関節装置、関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
生産現場において利用されている産業用ロボットの把持装置(以下、「ハンド」とも記す。)にはプライヤのような開閉機構で対象物を掴む形態のメカニカルグリッパが多用されているが、多くの場合、対象物を把持するために相対的に運動する二つのリンクまたは三爪チャックのような三リンクを有する機構で構成されている。
【0003】
このようなメカニカルグリッパは高度な制御を必要とせず、機械的に開閉するために、確実な繰り返し動作が保証されているが、把持動作を機械的に実現することから、生産現場の定められた位置・姿勢に整列された既知形状の対象物に対しては確実な把持を保証するが、鋳造部品やプレス成形部品のような様々な曲面を持つ複雑形状の部品を適切に把持することが困難であり、バラ積み部品等のように対象物の置かれた位置・姿勢、或いは対象物の形や寸法が少しでも異なると、最早一つのメカニカルグリッパでは対応できない。
【0004】
そのため、生産現場では、視覚センサを導入して複雑な形状認識処理によって部品の位置・姿勢を測定してメカニカルグリッパで把持可能な把持点を決定したり、対象物の形状・寸法の種類に応じて複数のメカニカルグリッパを準備して、対象物に応じてその都度グリッパを交換するといった多大なコストを必要とする複雑なロボットシステムの導入を余儀なくされている。
【0005】
一方、人は複数の関節を持つ5本の指からなる手で複雑な作業を器用に実行することができる。人の手のような構造ならびに形状を持ち、人の手と同様の運動制御機能を有したユニバーサルなロボットハンドを実現することができるならば、ロボットは、人間と同様、一つのハンド機構で様々な複雑作業を器用に行うことが可能になる。また、ロボットに合わせてその都度開発していた特殊作業工具は必要でなくなり、ロボットは、従来、人が使用してきた汎用作業工具を用いて作業を行うことも可能となる。
【0006】
このような背景の下、人間の手のような機構と人間の手のような巧みな作業機能を有したロボットハンドを実現すべく、人間の手を模した複数の関節を備えた複数の指から構成されるユニバーサルロボットハンドが研究開発されてきた。
【0007】
このようなロボットハンドとして、特許文献1には、図10(a)に示すように、人間の手と類似した運動ができるロボットハンド構造、即ち、四関節J10,J20,J30,J40備えた指を複数本配置し、各関節を駆動するモータを内蔵したロボットハンドにおいて、各指の根本側の第一関節J10と第二関節J20の軸が1点で直交し、その二つの関節を独立に駆動できるように1つの指について二つのモータを掌に設けたことを特徴とするロボットハンドが提案されている。
【0008】
上述の文献には、第三関節J30用のモータM3と駆動連結された4節リンク機構Lを介して第四関節J40の軸を駆動することで、一つのモータにより第三関節J30と第四関節J40を同時に同じ方向に回転可能な構成、及び、指先に力覚センサS10を備えた構成が提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開平11−156778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1に記載されたロボットハンドは、人の指と同じ関節配置ならびに自由度を有し、指機構にモータを内蔵して関節を駆動する機構によって人の指並びに手と類似した運動が可能なハンド機構を実現している。
【0011】
しかし、人の指の器用さは、その多関節機構のみならず指の表面に分布する触覚と関節において感じることのできる深部体性感覚の力覚の情報をうまく融合して機構を制御することによって実現されていると考えられるところ、指先にのみ力覚センサを備え、そのセンサに基づいて把持動作等が制御されるものであるため、制御を不安定にする駆動系の機械的ガタの発生も相俟って人の指のごとき微妙な動作を実現することが困難であるという問題があった。例えば、指の腹部で対象物を把持するような場合には力覚を検知することができないのである。
【0012】
さらに、図10(b)に示すように、特許文献1に記載されたような、関節で連結されるリンクL30、L40に対して、モータからギア式の減速機構を介してリンクL30を駆動するとともに減速機構からさらにリンクやワイヤー等の駆動伝動機構、ここでは4節リンク機構Lを介してリンクL40を駆動するごとき構成を採用する場合には、減速機構によるギアのバックラッシュや駆動伝動機構による機械的遊びによるガタの発生のために正確な指の動作制御が困難となるばかりか、モータから減速機構を経て駆動伝動機構に動力を伝達するために駆動伝達機構は多大のトルクを伝達することが必要となり駆動伝達機構の大型化、延いてはロボットハンドの大型化を招くという問題があった。
【0013】
本発明は、上述の問題点に鑑み、駆動系の機械的ガタを効果的に除去するとともに、力覚等のセンシング系の実装上の工夫を施すことにより、人の指のごとき微妙な動作を実現することが可能な関節装置、関節装置を用いたコンパクト設計が可能なロボットフィンガー、及び、ユニバーサルロボットハンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、本発明による関節装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、複数のリンク部材をその軸心方向と交差する方向の軸心周りに回転する関節部材を介して連結してなる関節装置であって、一方のリンク部材に固定したフレクスプラインと、その回転軸心と交差する方向に延出形成した薄肉部を他方のリンク部材に固定したサーキュラスプラインとを備えてなるハーモニックドライブ減速機を前記関節部材に組み込み、基端側リンク部材に収容したモータの出力を基端側のウェーブジェネレータに伝達する第一の伝動機構と、前記モータの出力を前記第一の伝動機構及び前記基端側リンク部材に隣接するリンク部材に収容した伝達シャフトを介して前記基端側のウェーブジェネレータに隣接する関節部材に組み込んだハーモニックドライブ減速機のウェーブジェネレータに伝達する第二の伝動機構を備えてある点にある。
【0015】
上述の構成によれば、関節部材に組み込まれたバックラッシュレスで高減速比のハーモニックドライブ減速機を用いたリンク部材を駆動する機構を採用することで、関節機構の機械的ガタを無くして安定した関節インピーダンスの制御や高精度な指先力の制御が可能になるのである。また、ハーモニックドライブ減速機のサーキュラスプラインを出力軸とすることにより、被駆動リンクと減速機出力軸を一体構造とすることができ、関節機構のコンパクト化が可能となるのである。
【0016】
さらに、人指と同様に4関節を有する指機構において、例えば、上述の構成を採用して指先の第三関節と第四関節を連動して駆動することにより、小さい回転角度で指先を大きく動かすことが可能となり、指先の操作性を著しく向上させることができるようになる。また、ひとつのアクチュエータでふたつの関節を駆動するため機構のコンパクト化が可能になる。同時に、第三並びに第四関節部材にそれぞれハーモニックドライブ減速機を配置することで、各関節部材におけるガタを防ぐことができる。
【0017】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記第一の伝動機構を前記モータの出力軸に取り付けた小径のべベルギアと前記小径のべベルギアと噛合する大径のべベルギアとで構成し、前記大径のべベルギアの回転軸を前記基端側のウェーブジェネレータに連結してある点にある。
【0018】
上述の構成によれば、第一の伝動機構として一対のベベルギアによりアクチュエータの駆動力をハーモニックドライブに伝達できるという、より単純な構成を実現することができるようになるのである。
【0019】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記薄肉部に力覚センサを設けてある点にある。
【0020】
上述の構成によれば、各関節部材に組み込まれ、他方のリンク部材に連結されるサーキュラスプラインの薄肉部に力覚センサを設けてあるので、各リンク部材に加わる力覚を感度良く検出することができ、これらの値に基づけばより高精度な関節インピーダンスや指先力の制御が可能になる。
【0021】
本発明によるフィンガーユニットの特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成を備えた関節装置により第三関節及び第四関節を構成してある四関節を備えたものである点にある。
【0022】
上述したように、上述の関節装置により第三関節及び第四関節を構成することにより、指先の操作性を著しく向上させることができるようになり、より人に近いフィンガーユニットを実現することができるようになる。
【0023】
本発明によるユニバーサルロボットハンドの特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述のフィンガーユニットを備えて構成される点にあり、より人に近い動きができるユニバーサルロボットハンドを実現することができるようになる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明した通り、本発明によれば、駆動系の機械的ガタを効果的に除去するとともに、力覚センサ等のセンシング系の実装上の工夫を施すことにより、人の指のごとき微妙な動作を実現することが可能な関節装置、関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンドを提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明による関節装置及び関節装置を用いたフィンガーユニット、及び、ユニバーサルロボットハンドの実施の形態を説明する。図1(a)から(c)に示すように、ユニバーサルロボットハンド20は、掌となる基体10と、前記基体10に支持された五本のフィンガーユニット(以下、「指体」と記す。)1,2,3,4,5とから構成されている。
【0026】
前記指体1,2,3,4,5は、夫々人間の手の母指(第一指)、示指(第二指)、中指(第三指)、薬指(第四指)、小指(第五指)に対応し、各指体は、第一、第二、第三、第四の四本のリンク部材L1,L2,L3,L4をその軸心P方向と直交する方向の軸心P1,P2,P3,P4周りに回転する四つの関節部材J1,J2,J3,J4を介して連結した関節装置30で構成される。
【0027】
前記指体2,3,4,5は、互いに平行配置され、基端側から順に第一軸心P1周りに回転可能な第一関節部材J1と、前記第一軸心P1と直交する第二軸心P2周りに回転可能な第二関節部材J2と、前記第二軸心P2に平行な第三軸心P3周りに回転可能な第三関節部材J3と、前記第二軸心P2に平行な第四軸心P4周りに回転可能な第四関節部材J4を備え、前記第一関節部材J1の回転により互いの指体の間隔が広がりまたは狭まるように変位し、前記第二関節部材J2から前記第四関節部材J4の回転により対象物を把持しまたは開放するように変位可能に構成されている。
【0028】
前記指体1は、前記指体2と対向配置され、第三関節部材J2から第四関節部材J4の回転方向が前記指体2の対応する関節部材と反対となるように構成されている。従って、指体1と指体2間で対象物を挟持可能となる。尚、前記指体3,4,5は前記指体2と平行に配列されており、関節部材の構成は前記指体2と同様であるため、指体1は指体2以外の他の指体3,4,5とも対向配置され、指体1と指体3,4,5の間でも挟時可能である。また、前記指体2,3,4,5の第一関節部材J1の各軸心P1は平行であるため、前記指体2,3,4,5での挟持も可能である。
【0029】
各指体1,2,3,4,5は基本的に同一構造であるので、以下、代表として指体2について説明する。図2(a)から(c)及び図3(a)から(b)に示すように、前記指体2の各関節部材J1,J2,J3,J4には、ハーモニックドライブ減速機構(以下、「ハーモニックドライブ」と記す。)H(H1,H2,H3,H4)が組み込まれている。
【0030】
前記ハーモニックドライブHは、図6に示すように、楕円状のカムとその外周に嵌めたベアリングにより構成されるウェーブジェネレータ6と、薄肉カップ状の金属弾性体で開口部の外周に歯が形成されたフレクスプライン7と、リング状の剛体内周に前記フレクスプライン7と同ピッチの歯でその歯数が前記フレクスプライン7より二枚多くなるように形成されたサーキュラスプライン8とで構成され、前記フレクスプライン7を固定して前記ウェーブジェネレータ6を回転させることにより、前記フレクスプライン7が弾性変形しながら前記サーキュラスプライン8との噛み合い位置を順次移動させることにより、前記サーキュラスプライン8が前記ウェーブジェネレータ6と逆方向に回転するように構成されている。
【0031】
図2及び図3に示すように、前記リンク部材L1〜L3は断面が略方形の中空部材L10とその先端に固定された円弧状部を備えた一対のアタッチメントL11で構成され、一方のアタッチメントL11に前記フレクスプライン7のカップ7a底面がボルト固定されている。尚、先端側のリンク部材L4も同様に断面が略方形の中空部材L10で構成され、一端が前記フレクスプライン7のカップ7a底面がボトル固定されている。
【0032】
前記サーキュラスプライン8の一部がその回転軸心P1,P2,P3と交差する方向に延出形成された薄肉部8aを介して他方のリンク部材L2,L3,L4の端部と固定されている。
【0033】
前記基体10、及び、前記リンク部材L1,L2の中空部に前記軸心Pと直交する方向に回転軸を有するエンコーダ内蔵のモータM1,M2,M3が内装され、各モータM1,M2,M3の出力軸に小径のべベルギアG1を取り付けるとともに、前記小径のべベルギアG1と噛合する大径のべベルギアG2を他方のアタッチメントにベアリングを介して取り付け、前記大径のべベルギアG2の回転軸を前記ウェーブジェネレータ6に嵌入連結してある。
【0034】
従って、前記モータM1,M2,M3を一方向に回転駆動することにより、前記ベベルギアG1,G2を介して前記ウェーブジェネレータ6が回転され、前記関節部材J1,J2,J3の夫々が前記軸心P1,P2,P3周りで対象物に対して把持方向に揺動駆動され、前記モータM1,M2,M3を逆方向に回転駆動することにより、前記関節部材J1,J2,J3の夫々が前記軸心P1,P2,P3周りで開放方向に揺動駆動される。
【0035】
前記第三リンク部材L3には伝達シャフトSを介して両端部に小径のベベルギアG3、G4が取り付けられ、一方のベベルギアG3が前記第三関節部材J3に設けられた大径のベベルギアG2と噛合することにより前記伝達シャフトSが回転するように構成されている。
【0036】
前記伝達シャフトSに取り付けられた他方のベベルギアG4が前記第四関節部材J4に設けられた大径のベベルギアG5と噛合し、前記第四関節部材J4に組み込まれたウェーブジェネレータ6が回転するように構成され、以って、第三関節部材J3と第四関節部材J4とが同期して回転駆動され、前記第三リンク部材L3と第四リンク部材L4とが同期して揺動駆動される。
【0037】
図4(a)及び図4(b)に示すように、前記小径のベベルギアG1とそれに噛合する大径のベベルギアG2により基端側リンク部材L2に収容したモータM3の出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構T1が構成される。また、前記基端側リンク部材L2に収容された前記モータM3の出力を前記第一の伝動機構T1及び前記基端側リンク部材L2に隣接するリンク部材L3に収容した伝達シャフトSを介して小径のベベルギアG4とそれに噛合する大径のベベルギアG5により、前記基端側のウェーブジェネレータ6に隣接するウェーブジェネレータ6に伝達する第二の伝動機構T2が構成されている。
【0038】
前記第三関節J3及び前記第四関節J4を回転させるモータM3に対する減速比については、図4(c)に示すように、前記第一の伝動機構T1では、モータM3の回転数は前記小径のベベルギアG1からそれに噛合する前記大径のベベルギアG2を介して前記第三関節部材J3に収容された前記ハーモニックドライブH3へ出力として伝わり、回転速度は1/275倍に減速され、前記第三関節部材L3に接続されたリンク部材L3はP3軸を中心として回転する。
【0039】
同様に前記第二の伝動機構T2では、前記モータM3の回転数は前記小径のベベルギアG1から前記大径のベベルギアG2及び前記小径のベベルギアG3を介して伝導シャフトSに伝えられ、さらに、前記小径のベベルギアG4からそれに噛合する前記大径のベベルギアG5を介して前記関節部材J4に収容された前記ハーモニックドライブH4へと出力として伝わるとともに、回転速度は1/275−1/27500倍に減速され、リンク部材L4はP4軸を中心として回転する。前記ハーモニックドライブを介することにより、ガタをなくすことが可能となり、制度の良い制御が可能となる。
【0040】
図5(a)に示すように、力覚センサS10として、前記サーキュラスプライン8の薄肉部8aの前面に歪検出素子F1,F2、背面に歪検出素子F2,F4が対向する位置に設置され、各リンク部材L1,L2,L3,L4に作用する力覚が検出可能に構成されている。図5(b)に示すように、歪検出素子F1,F2,F3,F4で構成されたブリッジにブリッジ電源電圧eiを印加することで、指体を構成する各リンク部材L1,L2,L3,L4に作用する力のうち、各関節部 材J1,J2,J3,J4の軸心P1,P2,P3,P4周りに作用する関節トルクに比例した歪のみを分解、抽出し、ブリッジ出力電圧Δeが測定でき、指体にかかる歪を検出することができる。前記歪検出素子Fとして、ストレインゲージ式圧力センサが使用されるが、これに限るものではなく、圧電素子等の任意の歪検出素子を用いることができる。尚、上述の構成では4枚の歪検出素子Fを用いて、各リンク部材Lの歪を検出したが、歪検出素子Fの位置、枚数は適宜設定することが可能であり、特に制限されるものではない。
【0041】
また、図5(c)に示すように、前記リンク部材L2,L3,L4の腹部には触覚センサAが貼付固定されている。前記触覚センサAは、図7(a)に示すように、押圧により抵抗値が変化するシート状の感圧導電性部材11と、両側面に配置された電極シート12a,12bと、前記感圧導電性部材11の側面に前記電極シート12aを介して接着された柔軟性のあるエラストマーでなる被加圧層13を備えて構成される。
【0042】
前記電極シート12a,12bは複層のフレキシブル基板で構成され、前記感圧導電性部材11のインピーダンスを検出する電圧印加電極と電圧検出電極でなる電極セルの複数がマトリクス状に配列され、行方向または列方向に配列された複数の電圧印加電極が行または列毎に相互に接続され、外部からの電圧を同時に印加する複数のリードパターンと、列方向または行方向に配列された複数の電圧検出電極が列または行毎に相互に接続され、外部に検出電圧を出力する複数のリードパターンの何れかが前記電極セルの配列された層とは異なる層に形成されている。
【0043】
前記感圧導電性部材11は、シリコーン樹脂等の絶縁性のゴム材料中に金属や炭素等の導電性粒子を均等に分散させてシート状に成形したもので、無加圧時には導電性粒子は互いに接触せず、体積抵抗、表面抵抗ともに107Ω以上の高い電気抵抗値を示すが、加圧時には導電性粒子が次第に接触し始めて電気抵抗値が滑らかに変化する。即ち、ゴムの弾性を生かして圧力変化によるゴムの歪みに伴って電気抵抗値が変化することから、加圧時にはその圧力に対応する低電気抵抗値を示すが無加圧時には元に戻り高電気抵抗値を示す。
【0044】
前記被加圧層13は、超軟質のウレタンゲルシートで構成され、前記被加圧層13の上面から加えられた圧力が周囲に伝播して前記感圧導電性部材11を歪ませ、その抵抗値分布を算出することにより図7(b)に示すような圧力分布が得られるのである。図7(b)では、触覚センサAを構成する各電極セルに対応して分割された区画毎に検出される圧力を濃度パターンで示した圧力分布であり、濃度が濃いほど圧力が高いことが示される。
【0045】
上述のように、前記リンク部材L2,L3,L4の腹部に触覚センサA、前記関節部材J2,J3,J4の薄肉部8aに力覚センサS10が配置されることにより、挟持する際、挟持物体の形状がどのような形においても、指体の姿勢制御及び圧力制御が可能となる。
【0046】
上述のユニバーサルロボットハンド20に対する制御機構を説明する。図8に示すように、上述のユニバーサルロボットハンド20に設けられた各触覚センサAの出力が計測制御装置C1に入力されるとともに、各エンコーダの出力及び各力覚センサS10の出力が行動制御装置C2に入力され、前記行動制御装置C2から各関節部材J1,J2,J3,J4を駆動するためのモータ駆動信号が出力されるように構成されている。
【0047】
前記計測制御装置C1及び行動制御装置C2はネットワークNを介して統合制御装置C3に接続され、前記統合制御装置C3は前記計測制御装置C1により解析された各フィンガーユニットの腹部に付与される対象物からの圧力情報、及び前記行動制御装置C2により解析された各関節の姿勢情報と各リンク部材に掛かる力覚情報に基づいて前記行動制御装置C2に各モータに対する駆動情報を出力するように構成されている。
【0048】
前記計測制御装置C1は、複数の触覚センサAからの出力値に基づいて各指体の各腹部に加わる圧力分布を高速に演算処理して前記統合制御装置C3に出力する。
【0049】
前記行動制御装置C2は、各力覚センサS10からの出力及びエンコーダ出力に基づいて、現在の各リンク部材の姿勢とそれに掛かる力を演算導出して前記統合制御装置C3に出力する。
【0050】
前記統合制御装置C3は、前記行動制御装置C2から入力された現在の各リンク部材の姿勢とそれに掛かる力と、前記計測制御装置C1から入力された各腹部に加わる圧力分布に基づいて把持対象物の形状や硬度等の特性を把握し、目的とする動作が遂行されるように前記行動制御装置C2に対して各モータM1,M2,M3に対する駆動情報を出力する。
【0051】
つまり、情報量が多くその処理に多くの時間を要する触覚情報と高速なサーボ制御に必要な角度並びに力の情報を、それぞれ専用の計測制御装置と行動制御装置によって分散制御することにより、全体の処理速度を向上させることができる。また、これらの専用制御装置を統合制御装置の元に階層化してネットワークを構築することより、触覚、力覚、角度など複数のセンサ情報を融合して個別のセンサからは抽出できない情報を推定することも可能になる。さらに、制御装置を分散しネットワークを介して階層化することによって、制御装置をコンパクト化することが可能になるとともに遠隔地からロボットハンドを操作することも可能となる。
【0052】
以下に本発明による関節装置及び関節装置を用いたフィンガーユニット及びユニバーサルハンドの別の実施の形態を説明する。
【0053】
上述の実施形態では、図9(a)に示すような、前記小径のベベルギアG1とそれに噛合する大径のベベルギアG2により基端側リンク部材L2に収容したモータM3の出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構P1が構成され、前記小径のベベルギアG3、G4と前記伝達シャフトSと前記大径のベベルギアG5により前記モータMの出力を前記第一の伝動機構P1及び前記基端側リンク部材L2に隣接するリンク部材L3に収容した伝達シャフトSを介して前記基端側のウェーブジェネレータ6に隣接する関節部材に組み込んだハーモニックドライブ減速機のウェーブジェネレータ6に伝達する第二の伝動機構P2が構成されるものを説明したが、図9(b)に示すように、前記小径のベベルギアG10に小径のベベルギアG30が噛合される。前記小径のベベルギアG30は平歯車W10、アイドル平歯車W20、平歯車W10を介してモータMの出力を基端側のウェーブジェネレータ6に伝達する第一の伝動機構T1が構成をするものであってもよい。上述の構成を採用することによって、関節部材Jの径を小さく構成することが可能となる。
【0054】
同様に、図9(c)に示すように、平歯車W10及びアイドル平歯車W20の代わりにタイミングプーリ・ベルトBを用いた場合も関節部材Jを小さくすることが可能となる。
【0055】
何れの場合にも、関節部材Jを小さくすることができるため、ユニバーサルハンド20を一層小型化することができる。
【0056】
上述の実施形態で説明した関節装置の具体的構造は一実施形態に過ぎず、本発明の範囲がこれによって制限されるものではなく、同様の作用効果を奏する範囲において適宜構成を変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】(a)本発明によるユニバーサルハンドの前平面構成図、(b)本発明によるユニバーサルハンドの後平面構成図、(c)本発明によるユニバーサルハンドの横平面構成図
【図2】(a)本発明によるフィンガーユニットの平面構成図、(b),(c)本発明によるフィンガーユニットの断面図
【図3】(a)図2におけるフィンガーユニットのB−B断面図、(b)図2におけるフィンガーユニットのA−A断面図
【図4】(a)本発明によるフィンガーユニットの平面構成図、(b)本発明によるフィンガーユニットの動作説明図、(c)本発明によるフィンガーユニットの減速比説明図、
【図5】(a)本発明によるフィンガーユニットの力覚センサ配置説明図、(b)歪検出素子によるブリッジ構成図、(c)発明によるフィンガーユニットの触覚センサ配置説明図
【図6】本発明によるハーモニックドライブの回転動作説明図
【図7】(a)本発明によるユニバーサルハンドの触覚センサ検知動作説明図、(b)本発明によるユニバーサルハンドの触覚センサの圧力分布図
【図8】本発明によるユニバーサルハンドのシステム構成図
【図9】本発明による第一の伝動機構の別実施形態説明図
【図10】(a)従来技術によるロボットハンドの構成図(b)従来技術によるロボットハンドの動作説明図
【符号の説明】
【0058】
1:指体(第一指)
2:指体(第二指)
3:指体(第三指)
4:指体(第四指)
5:指体(第五指)
6:ウェーブジェネレータ
7:フレクスプライン
8:サーキュラスプライン
8a:薄肉部
10:基体
11:感圧導電性部材
12:電極シート
13:被加圧層
20:ユニバーサルロボットハンド
30:関節装置
A:触覚センサ
B:タイミングプーリ・ベルト
C1:計測制御装置
C2:行動制御装置
C3:統合制御装置
F:歪検出素子
G:ベベルギア
H:ハーモニックドライブ
J:関節部材
L:リンク
M:モータ
N:ネットワーク
P:軸心
S:伝達シャフト
S10:力覚センサ
T:伝達機構
W:平歯車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンク部材をその軸心方向と交差する方向の軸心周りに回転する関節部材を介して連結してなる関節装置であって、
一方のリンク部材に固定したフレクスプラインと、その回転軸心と交差する方向に延出形成した薄肉部を他方のリンク部材に固定したサーキュラスプラインとを備えてなるハーモニックドライブ(登録商標、以下同じ)減速機を前記関節部材に組み込み、
基端側リンク部材に収容したモータの出力を基端側のウェーブジェネレータに伝達する第一の伝動機構と、前記モータの出力を前記第一の伝動機構及び前記基端側リンク部材に隣接するリンク部材に収容した伝達シャフトを介して前記基端側のウェーブジェネレータに隣接する関節部材に組み込んだハーモニックドライブ減速機のウェーブジェネレータに伝達する第二の伝動機構を備えてある関節装置。
【請求項2】
前記第一の伝動機構を前記モータの出力軸に取り付けた小径のべベルギアと前記小径のべベルギアと噛合する大径のべベルギアとで構成し、前記大径のべベルギアの回転軸を前記基端側のウェーブジェネレータに連結してある請求項1記載の関節装置。
【請求項3】
前記薄肉部に力覚センサを設けてある請求項1または2記載の関節装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の関節装置により第三関節及び第四関節を構成してある四関節を備えたフィンガーユニット。
【請求項5】
請求項4記載のフィンガーユニットを備えたユニバーサルロボットハンド。
【請求項1】
複数のリンク部材をその軸心方向と交差する方向の軸心周りに回転する関節部材を介して連結してなる関節装置であって、
一方のリンク部材に固定したフレクスプラインと、その回転軸心と交差する方向に延出形成した薄肉部を他方のリンク部材に固定したサーキュラスプラインとを備えてなるハーモニックドライブ(登録商標、以下同じ)減速機を前記関節部材に組み込み、
基端側リンク部材に収容したモータの出力を基端側のウェーブジェネレータに伝達する第一の伝動機構と、前記モータの出力を前記第一の伝動機構及び前記基端側リンク部材に隣接するリンク部材に収容した伝達シャフトを介して前記基端側のウェーブジェネレータに隣接する関節部材に組み込んだハーモニックドライブ減速機のウェーブジェネレータに伝達する第二の伝動機構を備えてある関節装置。
【請求項2】
前記第一の伝動機構を前記モータの出力軸に取り付けた小径のべベルギアと前記小径のべベルギアと噛合する大径のべベルギアとで構成し、前記大径のべベルギアの回転軸を前記基端側のウェーブジェネレータに連結してある請求項1記載の関節装置。
【請求項3】
前記薄肉部に力覚センサを設けてある請求項1または2記載の関節装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の関節装置により第三関節及び第四関節を構成してある四関節を備えたフィンガーユニット。
【請求項5】
請求項4記載のフィンガーユニットを備えたユニバーサルロボットハンド。
【図3】
【図9】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図9】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【公開番号】特開2007−152528(P2007−152528A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354445(P2005−354445)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年(平成17年)6月9日 社団法人日本機械学会発行の「ロボティクス・メカトロニクス講演会2005 講演論文集」に発表
【出願人】(300080869)アリオテクノ株式会社 (5)
【出願人】(000168229)甲南電機株式会社 (4)
【出願人】(505210023)株式会社SYSヨシダ (2)
【出願人】(504141012)株式会社前田精密製作所 (2)
【出願人】(504141023)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【出願人】(505172503)
【出願人】(504150450)国立大学法人神戸大学 (421)
【出願人】(596132721)財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 (18)
【出願人】(505209854)▲高▼丸工業株式会社 (2)
【出願人】(594086428)株式会社セラ (2)
【出願人】(503345879)東洋プレス工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年(平成17年)6月9日 社団法人日本機械学会発行の「ロボティクス・メカトロニクス講演会2005 講演論文集」に発表
【出願人】(300080869)アリオテクノ株式会社 (5)
【出願人】(000168229)甲南電機株式会社 (4)
【出願人】(505210023)株式会社SYSヨシダ (2)
【出願人】(504141012)株式会社前田精密製作所 (2)
【出願人】(504141023)
【出願人】(592216384)兵庫県 (258)
【出願人】(505172503)
【出願人】(504150450)国立大学法人神戸大学 (421)
【出願人】(596132721)財団法人近畿高エネルギー加工技術研究所 (18)
【出願人】(505209854)▲高▼丸工業株式会社 (2)
【出願人】(594086428)株式会社セラ (2)
【出願人】(503345879)東洋プレス工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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