説明

防災同報無線システム、地図情報表示装置、地図情報表示方法及び地図情報表示プログラム

【課題】災害時などに避難者に対して避難場所へ通じる最適な道順を提示する防災同報無線システムを提供する。
【解決手段】親局(親局設備10)により、入力された避難場所情報及び被災場所情報が無線伝送路(60MHz帯)を介して放送される。戸別受信子局(子局設備20)により、無線伝送路を経て上記避難場所情報及び被災場所情報が受信される。地図情報表示装置23により、子局設備20の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置が検出されて現在地情報が生成されると共に、道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報が受信され、避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順が求められて地図画面に表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防災同報無線システム、該システムに用いられる地図情報表示装置、地図情報表示方法及び地図情報表示プログラムに係り、特に、災害時などに、避難者に対して避難場所へ通じる道順を提示する場合に用いて好適な防災同報無線システム、該システムに用いられる地図情報表示装置、地図情報表示方法及び地図情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
防災同報無線システムでは、自治体などに設置された親局から、60MHz帯の無線伝送路を通じて住民に対して情報が伝達される。この場合、屋外拡声方式では、自治体内の各所に設置された屋外子局としての屋外拡声装置からスピーカにより音声を広域に拡声放送することにより情報が伝達される。また、戸別受信方式では、各家庭に設置された戸別受信子局としての戸別受信機により各戸単位で、文字またはファクシミリなどの情報が伝達される。ところが、災害発生時では、避難者は、屋外拡声装置又は戸別受信機から避難情報を受信した際、近隣の避難場所を知ることはできるが、避難場所へ通じる道順を知ることができないという問題点がある。また、避難者が道順を把握していても、道順の途中に被災場所があり、迂回しなければならない場合に、避難場所への道順が分からないという課題がある。このため、避難者に対して避難場所へ通じる最適な道順を提示する防災同報無線システムが要求されている。
【0003】
この種の関連技術としては、たとえば、特許文献1に記載された市町村防災行政無線同報系システムがある。
このシステムでは、市町村の役所に親局設備が設置され、防災弱者(聴覚障害者)宅に子局設備が設置され、これらが公衆通信網を介して無線接続されている。さらに、子局設備には、親局設備から送信された防災情報を受信するPHS(Personal Handyphone System)電話機を備えた情報端末装置が備えられ、文字だけでなく、地図、絵、写真などの画像も併せた防災情報信号の受信、及び子局設備から親局設備への情報送信が可能となる。
【0004】
また、特許文献2に記載されたナビゲーション装置では、記憶装置に、地図上の道路を構成するリンクの災害時の安全ランクを特定する情報が記憶されている。そして、避難場所への複数の避難経路が探索された後、安全ランクを特定する情報を用いて、探索した避難経路について安全ランクが求められ、安全ランクが最大の経路が推奨避難経路として設定される。避難場所やリンクの安全ランクは、交通情報配信サーバから受信することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−126930号公報
【特許文献2】特開2006−292402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記関連技術では、次のような課題があった。
すなわち、特許文献1に記載されたシステムでは、文字だけでなく、地図、絵、写真などの画像も併せた詳細な防災情報が提供されるが、災害時に、避難者に対して避難場所へ通じる最適な道順を提示するものではない。
【0007】
特許文献2に記載されたナビゲーション装置では、地震などの災害時において、避難場所へのより安全な経路が提示されるが、この発明とは構成や処理方法が異なる。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、災害時などに避難者に対して避難場所へ通じる最適な道順を提示する防災同報無線システム、該システムに用いられる地図情報表示装置、地図情報表示方法及び地図情報表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムに係り、前記各戸別受信子局は、当該戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する地図情報表示装置が設けられていることを特徴としている。
【0010】
この発明の第2の構成は、地図情報表示装置に係り、入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムに設けられ、前記戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する構成とされている
ことを特徴としている。
【0011】
この発明の第3の構成は、入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムに用いられる地図情報表示方法に係り、前記各戸別受信子局に地図情報表示装置を設けておき、該地図情報表示装置が、当該戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
この発明の構成によれば、災害時などに避難者に対して避難場所へ通じる最適な道順を提示する防災同報無線システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施形態である防災同報無線システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1中の地図情報表示装置23の構成を示すブロック図である。
【図3】図2中のGPS受信部32の原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記地図情報表示装置が、測位衛星の信号電波を受信して上記現在地情報を生成する測位手段(GPS受信部)と、上記道路交通情報通信システムから上記道路情報を受信する道路情報受信手段(VICS受信部)と、上記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、上記避難場所へ通じる道順情報を生成する道順情報生成手段(制御部)と、道順情報生成手段(制御部)により生成された上記道順情報を地図画面に表示する表示手段(表示部)とを備えている防災同報無線システムを実現する。
【0015】
また、上記道順情報生成手段(制御部)は、上記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて上記道順情報を生成する構成とされている。また、上記測位手段(GPS受信部)は、上記信号電波を受けて上記現在地情報を取得するGPS受信部を有する。また、上記地図情報表示装置は、上記各戸別受信子局と共に各避難者が携行可能に構成され、かつ携行時に動作可能な構成とされている。
【実施形態】
【0016】
図1は、この発明の一実施形態である防災同報無線システムの要部の電気的構成を示すブロック図である。
この形態の防災同報無線システムは、同図に示すように、親局設備10と、子局設備20とから構成され、また、子局設備20と同様の図示しない子局設備を有している。親局設備10は、自治体などに設置され、無線送受信装置11と、操作卓12とから構成されている。操作卓12は、災害時などに、担当者の操作により、避難場所情報及び被災場所情報を入力するためのものである。無線送受信装置11は、操作卓12から入力された避難場所情報及び被災場所情報を、アンテナ11aから所定の無線伝送路(たとえば、60MHz帯)を介して無線信号wにより放送する。
【0017】
子局設備20は、各家庭などに設置され、屋外拡声装置21と、戸別受信機22と、地図情報表示装置23とを備えている。屋外拡声装置21は、スピーカにより音声を広域に拡声放送することにより情報を伝達する。戸別受信機22は、同報無線受信部22aと、アンテナ22bと、制御部22cと、地図情報表示装置インタフェース部22dとから構成されている。同報無線受信部22aは、親局設備10から上記無線伝送路を経て放送された無線信号wをアンテナ22bを介して受信し、上記避難場所情報及び被災場所情報を取得する。制御部22cは、上記避難場所情報及び被災場所情報を蓄積し、地図情報表示装置インタフェース部22dを経由して地図情報表示装置23に送出する。
【0018】
地図情報表示装置23は、戸別受信機22と接続され、同戸別受信機22の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システム(たとえば、VICS;Vehicle Information & Communication System)から道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、上記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する。
【0019】
図2は、図1中の地図情報表示装置23の構成を示すブロック図である。
この地図情報表示装置23は、図2に示すように、戸別受信機インタフェース部31と、GPS(Global Positioning System ;全地球測位システム)受信部32と、VICS受信部33と、制御部34と、表示部35とから構成されている。戸別受信機インタフェース部31は、戸別受信機22と接続されている。GPS受信部32は、GPSアンテナ32aを有し、宇宙空間に位置する3機以上の図示しない測位衛星から発射された各信号電波WA,WB,WCを同GPSアンテナ32aを介して受信し、上記現在地情報を生成する。VICS受信部33は、上記道路交通情報通信システム(VICS)から、道路情報を所定の無線通信回線(たとえば、2.4GHz帯)を経て受信する。
【0020】
制御部34は、地図情報表示プログラムに基づいて動作するコンピュータで構成され、戸別受信機22の制御部22cに蓄積されている上記避難場所情報及び被災場所情報を、地図情報表示装置インタフェース部22dから戸別受信機インタフェース部31を経て取得し、上記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、上記避難場所へ通じる最適な道順を求めて道順情報を生成する。特に、この実施形態では、制御部34は、上記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて、たとえば最短距離かつ被災場所の影響のない道順に対応した道順情報を生成する。表示部35は、たとえば液晶表示装置などで構成され、制御部34により生成された道順情報に対応した道順を地図画面に表示する。
【0021】
図3(a),(b)は、図2中のGPS受信部32の原理を説明する図である。
図3(a)に示すように、測位衛星A,B,Cから地球上に向けて信号電波WA,WB,WCがそれぞれ発射されている。これらの信号電波WA,WB,WCがGPS受信部32で受信され、それぞれの信号電波WA,WB,WCの遅れ時間が計測されることにより、衛星A,B,CからGPS受信部32までの距離が求められる。測位衛星AからGPS受信部32までの距離rAがわかれば、GPS受信部32の現在位置は半径rAの円周a上のどこかにあることになる。
【0022】
同様に、測位衛星Bから発射された信号電波WBによって半径rBの円周bが得られる。GPS受信部32の現在位置は、図3(b)に示すように、円周aと円周bとが重なる点P又は点Qになる。更に、測位衛星CからGPS受信部32までの距離rCによる円周cの交差を加えると、3つの円周上の3つ重なる点Pが同GPS受信部32の現在位置となる。このようにして3つの衛星A,B,CからGPS受信部32までの距離を精密に計測することによって地球上の点Pが測位される。また、3つの測位衛星A,B,Cに、さらに1つの衛星を加えることにより、より高精度の測位が行われることもある。また、4つ以上の測位衛星から発射された信号電波が得られれば、GPS受信部32の高度も含む3次元の測位が行われる。
【0023】
次に、この形態の防災同報無線システムに用いられる地図情報表示方法の処理内容について説明する。
この防災同報無線システムでは、親局(親局設備10)により、入力された避難場所情報及び被災場所情報が無線伝送路(60MHz帯)を介して放送される。戸別受信子局(子局設備20)により、無線伝送路を経て上記避難場所情報及び被災場所情報が受信される。地図情報表示装置23により、子局設備20の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置が検出されて現在地情報が生成されると共に、道路交通情報提供システム(VICS)から道路の現在の状況を表す道路情報が受信され、避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順が求められて地図画面に表示される。
【0024】
この場合、地図情報表示装置23では、GPS受信部32により、測位衛星の電波が受信されて現在地情報が生成される(現在地情報生成処理)。VICS受信部33により、道路交通情報通信システム(VICS)から道路情報が受信される(道路情報受信処理)。制御部34により、上記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報が組み合わされ、避難場所へ通じる最適な道順が求められて道順情報が生成される(道順情報生成処理)。この道順情報生成処理では、制御部34により、避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて道順情報が生成される。表示部35により、制御部34により生成された上記道順情報に対応した道順が地図画面に表示される(表示処理)。
【0025】
以上のように、この実施形態では、災害発生時において、親局設備10から子局設備20に向けて、避難場所情報及び被災場所情報が無線送信されることにより、避難者は、戸別受信機22に接続された地図情報表示装置23により、現在地から避難場所への最適な道順を知ることができる。このとき、被災場所を避け、避難道路を案内して安全に避難場所に導くことにより、混乱を生むことなく避難者を避難させることができる。
【0026】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、地図情報表示装置23を、戸別受信機22と共に避難者が携行可能に構成され、かつ、バッテリを電源として携行時に動作可能な構成とすることにより、避難者は、避難中に最新情報を取得しながら、避難場所へ通じる最適な道順を把握することができる(請求項5、10に対応)。また、上記実施形態では、親局設備10と子局設備20とは、60MHz帯の無線伝送路を介して接続されているが、インターネットを介して接続される構成としても、上記実施形態に準じた作用、効果が得られる。また、測位衛星A,B,Cは、GPS衛星に限定されず、たとえば、ヨーロッパで計画されている「Galileo」や、日本で計画されている「準天頂衛星」が実用化されたとき、これらを用いても良い。
【0027】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
【0028】
(付記1)入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムであって、前記各戸別受信子局は、当該戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する地図情報表示装置が設けられている防災同報無線システム。
【0029】
(付記2)前記地図情報表示装置は、測位衛星の信号電波を受信して前記現在地情報を生成する測位手段と、前記道路交通情報通信システムから前記道路情報を受信する道路情報受信手段と、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、前記避難場所へ通じる道順情報を生成する道順情報生成手段と、該道順情報生成手段により生成された前記道順情報を地図画面に表示する表示手段とを備えてなる付記1記載の防災同報無線システム。
【0030】
(付記3)前記道順情報生成手段は、前記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて前記道順情報を生成する構成とされている付記2記載の防災同報無線システム。
【0031】
(付記4)前記測位手段は、前記信号電波を受けて前記現在地情報を取得するGPS(Global Positioning System ;全地球測位システム)受信部を有する付記2又は3記載の防災同報無線システム。
【0032】
(付記5)前記地図情報表示装置は、前記各戸別受信子局と共に各避難者が携行可能に構成され、かつ携行時に動作可能な構成とされている付記1、2、3又は4記載の防災同報無線システム。
【0033】
(付記6)入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムに設けられ、前記戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する構成とされている地図情報表示装置。
【0034】
(付記7)測位衛星の信号電波を受信して前記現在地情報を生成する測位手段と、前記道路交通情報通信システムから前記道路情報を受信する道路情報受信手段と、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、前記避難場所へ通じる道順情報を生成する道順情報生成手段と、該道順情報生成手段により生成された前記道順情報を地図画面に表示する表示手段とを備えてなる付記6記載の地図情報表示装置。
【0035】
(付記8)前記道順情報生成手段は、前記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて前記道順情報を生成する構成とされている付記7記載の地図情報表示装置。
【0036】
(付記9)前記測位手段は、信号電波を受けて前記現在地情報を取得するGPS(Global Positioning System ;全地球測位システム)受信部を有する付記7又は8記載の地図情報表示装置。
【0037】
(付記10)前記各戸別受信子局と共に各避難者が携行可能に構成され、かつ携行時に動作可能な構成とされている付記6、7、8又は9記載の地図情報表示装置。
【0038】
(付記11)入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムに用いられる地図情報表示方法であって、前記各戸別受信子局に地図情報表示装置を設けておき、該地図情報表示装置が、当該戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する地図情報表示方法。
【0039】
(付記12)前記地図情報表示装置を、測位手段と、道路情報受信手段と、道順情報生成手段と、表示手段とから構成しておき、前記測位手段が、測位衛星の信号電波を受信して前記現在地情報を生成する現在地情報生成処理と、前記道路情報受信手段が、前記道路交通情報通信システムから前記道路情報を受信する道路情報受信処理と、前記道順情報生成手段が、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、前記避難場所へ通じる道順情報を生成する道順情報生成処理と、前記表示手段が、前記道順情報生成手段により生成された前記道順情報を地図画面に表示する表示処理とを行う付記11記載の地図情報表示方法。
【0040】
(付記13)前記道順情報生成処理では、前記道順情報生成手段が、前記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて前記道順情報を生成する付記12記載の地図情報表示方法。
【0041】
(付記14)コンピュータを、付記6乃至10のいずれか一に記載の地図情報表示装置として機能させる地図情報表示プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明は、災害時などに避難者に対して避難場所へ通じる道順を提示する防災同報無線システム全般に適用できる。
【符号の説明】
【0043】
10 親局設備(親局)
20 子局設備(戸別受信子局)
23 地図情報表示装置
31 戸別受信機インタフェース部(地図情報表示装置の一部)
32 GPS(Global Positioning System ;全地球測位システム)受信部(測位手段)
33 VICS受信部(道路情報受信手段)
34 制御部(道順情報生成手段)
35 表示部(表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、
前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムであって、
前記各戸別受信子局は、
当該戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する地図情報表示装置が設けられていることを特徴とする防災同報無線システム。
【請求項2】
前記地図情報表示装置は、
測位衛星の信号電波を受信して前記現在地情報を生成する測位手段と、
前記道路交通情報通信システムから前記道路情報を受信する道路情報受信手段と、
前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、前記避難場所へ通じる道順情報を生成する道順情報生成手段と、
該道順情報生成手段により生成された前記道順情報を地図画面に表示する表示手段とを備えてなることを特徴とする請求項1記載の防災同報無線システム。
【請求項3】
前記道順情報生成手段は、
前記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて前記道順情報を生成する構成とされていることを特徴とする請求項2記載の防災同報無線システム。
【請求項4】
前記測位手段は、
前記信号電波を受けて前記現在地情報を取得するGPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信部を有することを特徴とする請求項2又は3記載の防災同報無線システム。
【請求項5】
前記地図情報表示装置は、
前記各戸別受信子局と共に各避難者が携行可能に構成され、かつ携行時に動作可能な構成とされていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の防災同報無線システム。
【請求項6】
入力された避難場所情報及び被災場所情報を所定の無線伝送路を介して放送する親局と、
前記無線伝送路を経て前記避難場所情報及び被災場所情報を受信する所定数の戸別受信子局とを有する防災同報無線システムに設けられ、
前記戸別受信子局の少なくとも緯度及び経度を含む現在位置を検出して現在地情報を生成すると共に、所定の道路交通情報提供システムから道路の現在の状況を表す道路情報を受信し、前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、避難場所へ通じる最適な道順を求めて地図画面に表示する構成とされていることを特徴とする地図情報表示装置。
【請求項7】
測位衛星の信号電波を受信して前記現在地情報を生成する測位手段と、
前記道路交通情報通信システムから前記道路情報を受信する道路情報受信手段と、
前記避難場所情報、被災場所情報、現在地情報及び道路情報を組み合わせて、前記避難場所へ通じる道順情報を生成する道順情報生成手段と、
該道順情報生成手段により生成された前記道順情報を地図画面に表示する表示手段とを備えてなることを特徴とする請求項6記載の地図情報表示装置。
【請求項8】
前記道順情報生成手段は、
前記避難場所へ通じる道順を求める際に被災場所及び近傍を避けて前記道順情報を生成する構成とされていることを特徴とする請求項7記載の地図情報表示装置。
【請求項9】
前記測位手段は、
信号電波を受けて前記現在地情報を取得するGPS(Global Positioning System;全地球測位システム)受信部を有することを特徴とする請求項7又は8記載の地図情報表示装置。
【請求項10】
前記各戸別受信子局と共に各避難者が携行可能に構成され、かつ携行時に動作可能な構成とされていることを特徴とする請求項6、7、8又は9記載の地図情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−227687(P2011−227687A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96547(P2010−96547)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】