障害修復支援システム、機器およびプログラム
【課題】
障害に対して早急に対応できるようにするとともに信頼性の高い認証を行えるようにした障害修復支援システム、機器およびプログラムを提供する。
【解決手段】
複合機100によって発生した障害を検知すると、その障害に対する障害特定情報を生成し、これらの情報をログ情報として蓄積する。この障害特定情報と障害が発生した日時情報とを障害管理センターの障害情報管理装置200に送信する。そして、障害情報管理装置200からカード情報書込装置300へと転送し、担当者の持つICカード301にそれらの情報を記録する。そのICカードの情報を複合機100で読み取り、読み取った障害特定情報が蓄積した障害特定情報と同一であるかによって担当者を認証する。
障害に対して早急に対応できるようにするとともに信頼性の高い認証を行えるようにした障害修復支援システム、機器およびプログラムを提供する。
【解決手段】
複合機100によって発生した障害を検知すると、その障害に対する障害特定情報を生成し、これらの情報をログ情報として蓄積する。この障害特定情報と障害が発生した日時情報とを障害管理センターの障害情報管理装置200に送信する。そして、障害情報管理装置200からカード情報書込装置300へと転送し、担当者の持つICカード301にそれらの情報を記録する。そのICカードの情報を複合機100で読み取り、読み取った障害特定情報が蓄積した障害特定情報と同一であるかによって担当者を認証する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害修復支援システム、機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
技術発展と高機能化に伴い、購入した機器で発生した障害に顧客が対応できない場合が増加しており、この場合、販売元のサポートセンターなどから派遣されてきた担当者(通常、「カスタマーエンジニア」や「サポートパーソン」と呼ばれる)が当該障害からの修復処理を行なうことがある。
【0003】
ところで、機器に障害が発生すると、顧客は、電話や電子メールなどを用いてサポートセンターに問い合わせ、サポートセンターでは、その障害の状況や程度、地域などの要因を鑑み、適当な担当者の派遣を決定する。
【0004】
特許文献1に開示された従来技術は、サービスパーソンの訪問によって複合機や融合機の情報処理機器の保守を行なう際に、当該サービスパーソンによる情報の漏洩や不正利用を防止できるようにしている。
【0005】
この特許文献1に開示された従来技術では、サービスパーソンの認証方法に応じて、当該サービスパーソンによる保守作業における実行可能な操作を限定することも可能にしている。
【0006】
また、特許文献2では、訪問介護における介護者が実行した介護サービスの内容と所要時間を正確に介護センタに記録できるようにすることで効率的で利便性に優れた介護者訪問を可能にしている。
【特許文献1】特開2005−332299
【特許文献2】特開2000−040192
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、障害に対して早急に対応できるようにするとともに信頼性の高い認証を行なえるようにした障害修復支援システム、機器およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、顧客側に配設される機器は、障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段とを具備し、前記情報管理装置は、前記送信手段により送信された前記障害特定情報を前記担当者の保有する情報端末に配信する配信手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記機器は、前記障害特定情報に対応する障害が対応済みかを記憶し、前記判定処理手段は、前記情報端末に記憶された障害特定情報に対応する障害が未対応である場合に、前記該担当者が正規であると判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記機器は、前記障害特定情報に対応して該障害特定情報を送信してからの経過時間を計時し、前記判定処理手段は、前記情報端末に記憶された障害特定情報の前記経過時間が予め設定した時間内である場合に、前記該担当者が正規であると判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記判定処理処理手段は、前記担当者が正規であると判定した場合に、前記記憶媒体に記憶された前記障害特定情報を消去する消去手段を具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成するステップと、前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信するステップと、前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積するステップと、前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合するステップと、前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定するステップとを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、障害が発生した機器の修復を正規な担当者によって行なうことが保証でき、これにより信頼性の高い修復が可能となるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、担当者による重複した修復を防止できるとともに不正な修復処理を未然に防止できるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、一定時間経過した障害特定情報の利用を排除できるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、重複した障害修復処理を確実に排除できるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項5の発明によれば、正規の担当者による障害修復を行なうことができ、信頼性の高い修復が可能となるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項6の発明によれば、正規の担当者による障害修復を行なうことができ、信頼性の高い修復が可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係わる障害修復支援システム、機器およびプログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明に係わる障害修復支援システムの実施例1を示すシステム構成図である。
【0022】
図1に示す障害修復支援システムは、機器で発生した障害の修復を支援するシステムであって、機器が設置された顧客側施設(社内やホールなど)に担当者が派遣されることで正しい障害回復操作を行えるようにしたシステムである。
【0023】
機器の一例として、以下に示す実施例では複合機100を示すが、これに限定されることなく印刷装置やクライアントコンピュータなどの装置であってもよい。
【0024】
図1に示す複合機100は、印刷物の複製や印刷出力やファクシミリ通信などを実現する画像形成機能を有し、担当者による点検、保守の対象となる装置である。また、この複合機100は派遣された担当者から提示された障害特定情報を認証する認証機能を有し、例えば、担当者がもつ情報端末300に記憶された情報によって担当者を認証する。
【0025】
複合機100は、複合機100で発生した障害を通信回線で接続された障害管理センターの障害情報管理装置200に通知し、担当者による点検、保守の障害修復操作を可能とする。
【0026】
このときの障害の発生は、発生元の複合機100を識別する装置番号と障害の種別を示すエラーコードによって構成される障害特定情報を障害情報管理装置200に転送することによって通知し、障害情報管理装置200では、その障害特定情報を受信することで送信元の複合機100に障害が発生したことを認識する。
【0027】
障害情報管理装置200は、障害特定情報を受信することによって複合機100に障害が発生していることを認識すると、その障害に対応する担当者の設定処理を行ない、受信した障害特定情報および障害が発生した日時の情報(以下、「障害発生日時情報」)を担当者が持つ情報端末300に転送する。このときの障害情報管理装置200と情報端末300は、通信回線若しくは無線によって接続されており、相互通信が可能な状態にある。
【0028】
なお、転送先の担当者を設定する設定処理は、複数の担当者の転送時のスケジュールや顧客先施設に近い場所にいるか等の情報を基づいて行なわれる。
【0029】
この情報端末300は、クライアントPC、ICカードへの読み書きが可能なカード情報書込装置、携帯電話などの装置を示しており、障害情報管理装置200から受信した障害特定情報および障害発生日時情報を記憶する。ちなみに、カード情報書込装置の場合にはこれらの情報をICカード301などの記憶媒体に記憶する。
【0030】
なお、以下の説明では、情報端末300の一例としてカード情報書込装置を用い、このカード情報書込装置がICカード301に障害特定情報および障害発生日時情報を書き込む場合の例を示す。すなわち、以降の説明では情報端末300をカード情報書込装置300と表記する。
【0031】
カード情報書込装置300によって情報が記憶されたICカード301を点検、保守の際に担当者が持参することでそのICカード301に記憶された障害特定情報および障害発生日時情報を用いて担当者の認証を行なう。
【0032】
障害特定情報および障害発生日時情報が記憶されたICカード301を持つ担当者が、障害の発生した複合機100が設けられた施設の装置管理者にICカード301を提示することで、ICカード301に記憶された情報を複合機100に設けられたカードリーダ101で読み取る。もちろん、担当者が直接、複合機100に設けられたカードリーダ101によってICカードを読み込ませるようにしてもよい。ちなみに、装置管理者がICカード301に記憶された情報をカードリーダ101で読み込ませることで、担当者による不正操作を防止することができる。
【0033】
そして、カードリーダ101では、ICカード301から読み取った障害特定情報が生成した障害特定情報と同一であるかを比較することによって点検、保守を行なう担当者を認証する。また、障害特定情報と同時に読み取った障害発生日時情報を用い、障害特定情報を生成してから一定時間内にその障害特定情報の認証が行なわれたかをチェックすることも可能である。
【0034】
このような構成によって、複合機100の点検、保守を行なう担当者をICカードに記憶された障害特定情報によって認証することができ、障害修復を支援することができる。
【0035】
図2は、図1に示す複合機100の詳細な構成を示すブロック図である。
【0036】
図2に示す複合機100は、カード読取部101、制御部102、出力部103、障害検知部104、ログ生成部105、ログ蓄積部106、障害特定情報生成部107、U/I部108、I/F部109、印字媒体読取部110を具備して構成される。
【0037】
この複合機100は、印刷物の複製や印刷出力、ファクシミリ通信などを実現する画像形成機能と、その画像形成機能で発生した障害を点検、保守する担当者の認証を行なう認証機能とが搭載された装置であって、認証機能は、画像形成機能に障害が発生した後にその障害に対応する担当者が正規の担当者であるかを認証する機能である。
【0038】
複合機100が持つ画像形成機能は、CCD(Charge Coupled Devices)などによって構成される印字媒体読取部110で読み取ったデータや、複合機100が設けられたネットワーク内のノードからI/F部109を介して受信したデータなどを制御部102で制御して出力部103からそのデータを印字した印字媒体を出力する機能である。
【0039】
この印字媒体読取部110は、ADF(Auto Document Feeder:自動用紙搬送装置)などによって搬送されてきた印字媒体に記載された情報を光学的に読み取る読取装置である。また、I/F部109は、複合機100が設けられたネットワーク内のノードのほか、障害管理センターの障害情報管理装置200と相互通信を実現する通信インターフェースである。
【0040】
また、制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されており、印字媒体読取部110で読み取ったデータの複写処理やディジタル処理を制御するほか、I/F部109を介して接続されたノードからの処理要求に基づく印刷出力処理やファクシミリ通信処理を制御する。
【0041】
そして、制御したデータの出力指示を出力部103に行ない、プリントエンジンなどによって構成される出力部103がそのデータを印字して印字媒体を出力する。
【0042】
このような構成からなる画像形成機能によって障害が発生すると、その障害を障害検知部104で検知する。
【0043】
障害検知部104が障害を検知すると、障害を検知したことを制御部102、ログ生成部105にその旨をそれぞれ通知し、また、ログ生成部105には検知した障害の内容を示す「エラーコード」も同時に通知する。
【0044】
このログ生成部105では、障害検知部104からの障害検知の通知を受けて、発生した障害の状態を記録した履歴情報(以下、「ログ情報」ともいう)を生成する。このログ情報の生成に際し、障害が発生した障害発生日時情報を取得し、さらに、障害特定情報生成部107に障害特定情報の生成指示を行なう。
【0045】
指示を受けた障害特定情報生成部107では、障害の発生元である複合機100を識別する装置番号と、障害の種別を示すエラーコードとから構成される障害特定情報を生成する。
【0046】
この障害特定情報を構成する装置番号は、複合機100の生成時に付与される製造番号やMACアドレスなどによって障害発生元である複合機100を識別する番号であり、障害の種別を示すエラーコードは、障害検知部104で検知した障害の内容を示す識別情報である。障害特定情報生成部107によって生成された障害特定情報により、障害が発生した複合機100を特定し、その複合機100の障害に対応する担当者が正規であるかを認証できる。
【0047】
ログ生成部105からの指示に基づいて生成したこの障害特定情報をログ生成部105へ転送すると、ログ生成部105では、その障害特定情報および取得した障害発生日時情報ログ蓄積部106に蓄積する。
【0048】
このログ蓄積部106は、記憶装置であって、ログ生成部105で生成したログ情報を蓄積する。このログ蓄積部106によって管理したログ情報の一例を図3に示す。
【0049】
図3に示すログ情報は、テーブル構成で管理した例であって、[管理番号]カラム31、[障害特定情報]カラム32、 [障害発生日時]カラム33、[エラー対応状況フラグ]カラム34から構成される。
【0050】
[障害特定情報]カラム32は、障害特定情報生成部107で生成した障害特定情報を示すカラムであって、 [障害発生日時]カラム33は障害が発生した日時の情報であって、[エラー対応状況フラグ]カラム34は発生した障害の対応状況を示すフラグ情報である。さらに、[管理番号]カラム31は、蓄積したログ情報を識別する番号である。
【0051】
例えば、[管理番号]カラム31が「0101」であるレコードのログ情報は、「06/06/12 16:50」に発生した障害を「mf3cc001err」の障害特定情報が記憶されたICカードを持つ担当者によって「対応済」であることを示している。
【0052】
なお、[障害特定情報]カラム32に示された障害特定情報は、障害発生元を識別する装置番号と障害の種別を示すエラーコードから構成されており、上記例の「mf3cc001err」では、「mf3cc」が装置番号を構成し、「001err」がエラーコードを構成している。
【0053】
このような装置構成でログ情報を蓄積することによって、障害特定情報生成部107で生成した障害特定情報に基づいて発生した障害の内容をも特定できるようになる。
【0054】
そして、ログ生成部105で生成したログ情報をログ蓄積部106に蓄積すると、ログ生成部105は、制御部102に対してログ蓄積部106に蓄積した障害特定情報および障害発生日時情報を含む障害発生通知を送信する。ログ生成部105から障害発生通知を受信した制御部102は、I/F部109を介して障害管理センターの障害情報管理装置200にその障害発生通知を転送する。
【0055】
障害発生通知を受けた障害情報管理装置は、担当者を設定する設定処理を行ない、担当者の保有するカード情報書込装置300に障害発生通知を転送する。カード情報書込装置300が障害発生通知を受信すると、ICカード301その障害発生通知が示す障害特定情報および障害発生日時情報を記憶する。
【0056】
そして、図1に示すように、障害特定情報および障害発生日時情報を記憶したICカード301を保持する担当者が派遣されてきた際に、複合機100の装置管理者がICカード301に記憶された情報をカード読取部101で読み取らせる。
【0057】
カード読取装置101は、ICカードから情報を読み取ることができるカードリーダであって、読み取った障害特定情報および障害発生日時情報を制御部102へと送信する。制御部102では、その障害特定情報がログ蓄積部106に発生した障害内容として蓄積されているかの確認処理を行なう。
【0058】
この確認処理の結果をU/I部108に表示することで装置管理者にICカードを持つ担当者が認証できたかを通知する。
【0059】
このU/I部108は、表示ディスプレイやキーボードによって構成されるユーザインターフェースであって、複合機100に対して操作指示を行なうことができる。
【0060】
このU/I部108を構成する表示ディスプレイに表示された確認結果を装置管理者が参照し、カード読取部101で読み取った障害特定情報と同一の障害特定情報がログ蓄積部106に蓄積されていることによってICカードを持つ担当者を認証した場合には、その担当者に複合機100の点検、保守を許可する。
【0061】
それに対して、障害特定情報が発生した障害内容としてログ蓄積部106に蓄積されていない場合には、ICカードを持つ担当者を認証できないためその担当者による点検、保守を拒否する。
【0062】
よって、障害が発生した複合機で作成した障害特定情報を持つ担当者のみが点検、保守できる。
【0063】
図4は、本願発明の障害修復支援システムおよび機器で行なわれる詳細な処理の流れを示す図である。
【0064】
図4において、複合機の画像形成機能によって障害が発生すると処理が開始され、発生した障害を検知する(401)。障害として、例えば、プリントエンジンにおける機構部品の破損などがあり、プリントエンジンの正常動作が不能になったことを検知する。
【0065】
続いて、検知した障害の内容を識別し(402)、例えば上記例であれば、プリントエンジンにおける部品の破損であると識別する。もちろん、障害の内容が特定できない場合もあり、この場合には障害内容が不明であると識別する。
【0066】
次に、発生した障害に対応する担当者を認証する障害特定情報を生成し(403)、その障害特定情報に障害発生日時情報に対応付けた図3に示すようなログ情報を生成して(404)蓄積する(405)。
【0067】
そして、生成した障害特定情報および障害発生日時情報を障害管理センターの障害情報管理装置200に通知する(406)。
【0068】
続いて、障害の発生に対応する担当者が派遣されてくると、その担当者が保持するICカードに記憶された情報を読み取る(407)。読み取った情報に障害特定情報が含まれるか判断し(408)、含まれる場合(408でYES)にはその障害特定情報の判定処理を行なう(409)。この判定処理の詳細な処理の流れを図5〜図8のフローチャートに示す。
【0069】
そして、判定処理の結果を表示ディスプレイに表示する(410)。読み取った情報に障害特定情報が含まれない場合(408でNO)には、担当者を認証できない旨を表示する(410)。
【0070】
以下に、次に、図5〜図8に示すフローチャートについて説明する。この図5〜図8に示すフローチャートは、図4に示す判定処理の詳細な処理の流れを示したフローチャートである。
【0071】
まず、図5に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較して(501)、双方の障害特定情報が同一であるかを判断する(502)。
【0072】
同一である場合(502でYES)には、読み取った障害特定情報が蓄積されているため、その障害特定情報が蓄積されたICカードをもつ担当者を認証する(503)。それに対して、障害特定情報が同一でない場合(502でNO)には、不正な障害特定情報若しくは破損した障害特定情報であるとして担当者を認証しない(504)。
【0073】
次に、図6に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較する(601)。両者の値が同一であるかを判断し(602)、同一でない場合(602でNO)には、ICカードを持つ担当者を認証しない(603)。
【0074】
それに対して、障害特定情報が同一である場合(602でYES)には、障害発生からの経過時間を計時する(604)。これは、ICカードに記憶された情報として読み取った障害発生日時情報を元に現在の日時までに経過した時間を計時する。
【0075】
計時した経過時間が予め定めた一定時間内であるかを判断し(605)、一定時間内である場合(605でYES)にそのICカードを持つ担当者を認証する(606)。
【0076】
また、予め定めた一定時間内でない場合(605でNO)には、障害特定情報が同一であるが担当者が派遣されてくるまでに多くの時間を要することとなったことからその旨を設定して(607)、装置管理者による別途、担当者の確認処理を行なう。
【0077】
続いて、図7に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較する(701)。両者の値が同一であるかを判断し(702)、同一でない場合(702でNO)には、ICカードを持つ担当者を認証しない(703)。
【0078】
それに対して、障害特定情報が同一である場合(702でYES)には、障害対応状況の対応済みフラグを確認して(704)、障害特定情報に対する障害が対応済みであるか否かを判断する(705)。
【0079】
障害に対して未対応である場合(705でYES)には、その障害特定情報が記憶されたICカードを持つ担当者を正規の担当者であると認証する(706)。また、対応済みである場合(705でNO)には、対応済みであることを設定し(707)、装置管理者による別途、担当者の確認処理を行なう。
【0080】
そして、図8に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較する(801)。両者の値が同一であるかを判断し(802)、同一でない場合(802でNO)には、ICカードを持つ担当者を認証しない(803)。
【0081】
それに対して、障害特定情報が同一である場合(802でYES)には、ICカードに記憶された障害特定情報の記録日時情報と現在日時とから経過時間を計時する(804)。この記録日時情報は、図1に示すカード情報書込装置300でICカードに障害特定情報を書き込んだ日時を示す情報である。
【0082】
計時した経過時間が予め定めた一定時間内であるかを判断し(805)、一定時間内である場合(805でYES)には、その障害特定情報を記憶するICカードをもつ担当者を正規の担当者であると認証する(806)。また、一定時間を経過している場合(805でNO)には、一定時間を経過していると設定して(807)処理を終了する。
【実施例2】
【0083】
以下に示す実施例2は、担当者が持つICカードに記憶された障害特定情報を認証した後に行なわれる処理を示した例である。
【0084】
図9は、本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例2を示すシステム構成図である。
【0085】
図9は、図1に示す構成図と類似しているため、異なる点を中心に説明する。
【0086】
複合機100で発生した障害の点検、保守を行なう担当者の派遣に際し、その担当者が持つICカードに記憶された情報の確認を行なうことでその担当者を認証する処理において、カード読取部101で読み取ったその情報を元に制御部102がログ蓄積部106で蓄積したログ情報と比較してそのICカードを持つ担当者を認証する。
【0087】
制御部102で担当者を認証すると、書換部901にその認証に用いたログ情報の書換処理を依頼する。
【0088】
この書換部901は、制御部102からの書換依頼に基づいて、ログ蓄積部106に蓄積したログ情報の書き換えを行なう。例えば、図3に示すログ情報の[障害対応状況]カラム34の状況を「未対応」から「対応済」へと書き換える。
【0089】
そして、この制御部102では、カード読取部101に対してICカードに記憶された情報の更新処理要求を行ない、カード読取部101がICカードに記憶された情報を更新する。更新処理として、例えば、ICカードに記憶された障害特定情報や障害発生日時情報を消去する処理を行ない、障害特定情報の再利用を防止する。
【0090】
図10は、図9に示す複合機における処理の流れを示すフローチャートである。
【0091】
図10に示すフローチャートは、実施例1で図4を用いて説明したフローチャートの処理の流れと類似しており、複合機で障害が発生したことを障害情報管理装置に通知する処理の流れまでは、図4に示したフローチャートと同一である。そのため、図10に示した障害の発生を障害管理センターの障害情報管理装置に通知するまでの処理の流れを示したフローチャートは、図4に示すフローチャートの番号と等しい番号を使用して説明する。
【0092】
図10において、複合機の画像形成機能によって障害が発生すると処理が開始され、発生した障害を検知し(401)、検知した障害の内容を識別する。(402)、続いて、発生した障害に対応する担当者を認証する障害特定情報を生成する(403)。
【0093】
さらに、その障害特定情報に障害発生日時情報に対応付けた図3に示すようなログ情報を生成して(404)蓄積する(405)。生成した障害特定情報および障害発生日時情報を障害管理センターの障害情報管理装置200に通知する(406)。
【0094】
そして、発生した障害の点検、保守を行なう担当者が持つICカードから記憶された情報を読み取り(1001)、読み取った情報に含まれる障害特定情報と障害発生時に蓄積したログ情報に含まれる障害特定情報とを比較する(1002)。
【0095】
比較した結果、両者が同一であるかを判断し(1003)、同一でない場合(1003でNO)にはその障害特定情報を記憶したICカードを持つ担当者を認証できない旨を表示して(1004)処理を終了する。
【0096】
それに対して、両者の障害特定情報が同一である場合(1003でYES)には、ICカードから読み取った情報に含まれる障害発生日時情報と現在の日時の情報とから経過時間を計時し(1005)、計時した経過時間が一定時間内であるかを判断する(1006)。計時した経過時間が一定時間を超えている場合(1006でNO)には、その旨を表示して(1009)処理を終了する。
【0097】
また、計時した経過時間が一定時間内である場合(1006でYES)には、発生した障害の点検、保守を許可し、担当者の認証に用いたICカード内の情報を消去する(1007)。そして、そのICカードを保持する担当者を正規の担当者であると認証したことを表示する(1008)。
【0098】
図11は、図9に示す複合機における処理の流れを示す他のフローチャートである。
【0099】
図11に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートと同様、実施例1で図4を用いて説明したフローチャートの処理の流れと類似しており、複合機で障害が発生したことを障害情報管理装置に通知する処理の流れまでは、図4に示したフローチャートと同一である。そのため、図11に示した障害の発生を障害情報管理装置に通知するまでの処理の流れを示したフローチャートは、図4に示すフローチャートの番号と等しい番号を使用して説明する。
【0100】
図11において、複合機の画像形成機能によって障害が発生すると処理が開始され、発生した障害を検知し(401)、検知した障害の内容を識別する(402)。続いて、発生した障害に対応する担当者を認証する障害特定情報を生成する(403)。
【0101】
さらに、その障害特定情報に障害発生日時情報に対応付けた図3に示すようなログ情報を生成して(404)蓄積する(405)。生成した障害特定情報および障害発生日時情報を障害管理センターの障害情報管理装置200に通知する(406)。
【0102】
そして、発生した障害の点検、保守を行なう担当者が持つICカードから記憶された情報を読み取り(1101)、読み取った情報に含まれる障害特定情報と障害発生時に蓄積したログ情報に含まれる障害特定情報とを比較する(1102)。
【0103】
比較した結果、両者が同一であるかを判断し(1103)、同一でない場合(1103でNO)にはその障害特定情報を記憶したICカードを持つ担当者を認証できない旨を表示して(1104)処理を終了する。
【0104】
それに対して、両者の障害特定情報が同一である場合(1103でYES)には、ICカードから読み取った情報に含まれる障害発生日時情報と現在の日時の情報とから経過時間を計時し(1105)、計時した経過時間が一定時間内であるかを判断する(1106)。計時した経過時間が一定時間を超えている場合(1106でNO)には、その旨を表示して(1109)処理を終了する。
【0105】
また、計時した経過時間が一定時間内である場合(1106でYES)には、ログ情報として蓄積した障害の対応状況を示す対応状況フラグを「未対応」から「対応済」へと更新する(1107)。そして、そのICカードを保持する担当者を正規の担当者と認証したことを表示する(1108)。
【実施例3】
【0106】
図12は、本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例3を示すシステム構成図である。
【0107】
図12に示す認証システムの構成は、図1に示した構成と類似しており、図4では、複合機100にクライアントPC400が通信回線を介して接続されており、このクライアントPC400にカードリーダ401が設置されている。
【0108】
複合機100を管理する操作管理者がこのカードリーダ401を用いてICカードに記憶された情報の読み取り操作を行なうことで、読み取った情報が通信回線を介して複合機100に転送される。図4では、複合機100とクライアントPC400とが通信回線を介して接続された例を示しているが、これに限定されず無線で接続してもよい。
【0109】
この構成では、クライアントPC400のカードリーダ401でICカードの情報を読み取り、読み取ったその情報を複合機100へと転送し、その情報を元に複合機100が行った担当者の認証結果をクライアントPC400に表示する。
【0110】
複合機100に障害が発生し、その障害の点検、保守を行なう担当者をクライアントPC400と複合機400との通信により認証する処理遷移を図13に示す。
【0111】
図13は、障害発生後の担当者を認証する処理の遷移を示すシーケンスであって、装置管理者によるICカードの情報の読み取り操作によってクライアントPC400に設置されたカードリーダ401でその情報を読み取る(1301)と、その読み取った情報を含む担当者の認証要求を複合機100に転送する(1302)。
【0112】
受信した複合機100では、受信した情報を解析し、担当者の認証要求であることおよびその情報の種類を識別する(1303)。そして、解析した情報に障害特定情報が含まれるかを判断し(1304)、障害特定情報が含まれていることが確認すると、障害特定情報がログ情報として含まれるかを判定する(1305)。
【0113】
判定した結果を情報の転送元であるクライアントPC400に転送し(1306)、その判定結果を受信したクライアントPCは表示ディスプレイにその判定結果を表示する(1307)。
【0114】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0115】
なお、この発明は、通信機能を備えた情報処理装置に上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行するシステムの情報処理装置を構成することも可能である。
【0116】
また、情報処理装置にプログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように、一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、発生した障害に対応する担当者を認証することで障害修復を簡単にかつ正確に行なうのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係わる障害修復支援システムの実施例1を示すシステム構成図。
【図2】図1に示す複合機の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】ログ情報の一例。
【図4】本願発明の障害修復支援システムおよび機器で行なわれる詳細な処理の流れを示す図。
【図5】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図6】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図7】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図8】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図9】本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例2を示すシステム構成図。
【図10】図9に示す構成の複合機における処理の流れを示す図。
【図11】図9に示す構成の複合機における処理の流れを示す他の図。
【図12】本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例3を示すシステム構成図。
【図13】障害発生後の担当者を認証する処理の遷移を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0119】
100 複合機
101 カード読取部(カードリーダ)
102 制御部
103 出力部
104 障害検知部
105 ログ生成部
106 ログ蓄積部
107 障害特定情報生成部
108 U/I
109 I/F
110 印字媒体読取部
200 障害情報管理装置
300 情報端末(カード情報書込装置)
301 ICカード
400 クライアントPC
401 カードリーダ
901 書換部
【技術分野】
【0001】
本発明は、障害修復支援システム、機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
技術発展と高機能化に伴い、購入した機器で発生した障害に顧客が対応できない場合が増加しており、この場合、販売元のサポートセンターなどから派遣されてきた担当者(通常、「カスタマーエンジニア」や「サポートパーソン」と呼ばれる)が当該障害からの修復処理を行なうことがある。
【0003】
ところで、機器に障害が発生すると、顧客は、電話や電子メールなどを用いてサポートセンターに問い合わせ、サポートセンターでは、その障害の状況や程度、地域などの要因を鑑み、適当な担当者の派遣を決定する。
【0004】
特許文献1に開示された従来技術は、サービスパーソンの訪問によって複合機や融合機の情報処理機器の保守を行なう際に、当該サービスパーソンによる情報の漏洩や不正利用を防止できるようにしている。
【0005】
この特許文献1に開示された従来技術では、サービスパーソンの認証方法に応じて、当該サービスパーソンによる保守作業における実行可能な操作を限定することも可能にしている。
【0006】
また、特許文献2では、訪問介護における介護者が実行した介護サービスの内容と所要時間を正確に介護センタに記録できるようにすることで効率的で利便性に優れた介護者訪問を可能にしている。
【特許文献1】特開2005−332299
【特許文献2】特開2000−040192
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、障害に対して早急に対応できるようにするとともに信頼性の高い認証を行なえるようにした障害修復支援システム、機器およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、顧客側に配設される機器は、障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段とを具備し、前記情報管理装置は、前記送信手段により送信された前記障害特定情報を前記担当者の保有する情報端末に配信する配信手段を具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記機器は、前記障害特定情報に対応する障害が対応済みかを記憶し、前記判定処理手段は、前記情報端末に記憶された障害特定情報に対応する障害が未対応である場合に、前記該担当者が正規であると判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記機器は、前記障害特定情報に対応して該障害特定情報を送信してからの経過時間を計時し、前記判定処理手段は、前記情報端末に記憶された障害特定情報の前記経過時間が予め設定した時間内である場合に、前記該担当者が正規であると判定することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記判定処理処理手段は、前記担当者が正規であると判定した場合に、前記記憶媒体に記憶された前記障害特定情報を消去する消去手段を具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成するステップと、前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信するステップと、前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積するステップと、前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合するステップと、前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定するステップとを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、障害が発生した機器の修復を正規な担当者によって行なうことが保証でき、これにより信頼性の高い修復が可能となるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、担当者による重複した修復を防止できるとともに不正な修復処理を未然に防止できるという効果を奏する。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、一定時間経過した障害特定情報の利用を排除できるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、重複した障害修復処理を確実に排除できるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項5の発明によれば、正規の担当者による障害修復を行なうことができ、信頼性の高い修復が可能となるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項6の発明によれば、正規の担当者による障害修復を行なうことができ、信頼性の高い修復が可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係わる障害修復支援システム、機器およびプログラムの一実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明に係わる障害修復支援システムの実施例1を示すシステム構成図である。
【0022】
図1に示す障害修復支援システムは、機器で発生した障害の修復を支援するシステムであって、機器が設置された顧客側施設(社内やホールなど)に担当者が派遣されることで正しい障害回復操作を行えるようにしたシステムである。
【0023】
機器の一例として、以下に示す実施例では複合機100を示すが、これに限定されることなく印刷装置やクライアントコンピュータなどの装置であってもよい。
【0024】
図1に示す複合機100は、印刷物の複製や印刷出力やファクシミリ通信などを実現する画像形成機能を有し、担当者による点検、保守の対象となる装置である。また、この複合機100は派遣された担当者から提示された障害特定情報を認証する認証機能を有し、例えば、担当者がもつ情報端末300に記憶された情報によって担当者を認証する。
【0025】
複合機100は、複合機100で発生した障害を通信回線で接続された障害管理センターの障害情報管理装置200に通知し、担当者による点検、保守の障害修復操作を可能とする。
【0026】
このときの障害の発生は、発生元の複合機100を識別する装置番号と障害の種別を示すエラーコードによって構成される障害特定情報を障害情報管理装置200に転送することによって通知し、障害情報管理装置200では、その障害特定情報を受信することで送信元の複合機100に障害が発生したことを認識する。
【0027】
障害情報管理装置200は、障害特定情報を受信することによって複合機100に障害が発生していることを認識すると、その障害に対応する担当者の設定処理を行ない、受信した障害特定情報および障害が発生した日時の情報(以下、「障害発生日時情報」)を担当者が持つ情報端末300に転送する。このときの障害情報管理装置200と情報端末300は、通信回線若しくは無線によって接続されており、相互通信が可能な状態にある。
【0028】
なお、転送先の担当者を設定する設定処理は、複数の担当者の転送時のスケジュールや顧客先施設に近い場所にいるか等の情報を基づいて行なわれる。
【0029】
この情報端末300は、クライアントPC、ICカードへの読み書きが可能なカード情報書込装置、携帯電話などの装置を示しており、障害情報管理装置200から受信した障害特定情報および障害発生日時情報を記憶する。ちなみに、カード情報書込装置の場合にはこれらの情報をICカード301などの記憶媒体に記憶する。
【0030】
なお、以下の説明では、情報端末300の一例としてカード情報書込装置を用い、このカード情報書込装置がICカード301に障害特定情報および障害発生日時情報を書き込む場合の例を示す。すなわち、以降の説明では情報端末300をカード情報書込装置300と表記する。
【0031】
カード情報書込装置300によって情報が記憶されたICカード301を点検、保守の際に担当者が持参することでそのICカード301に記憶された障害特定情報および障害発生日時情報を用いて担当者の認証を行なう。
【0032】
障害特定情報および障害発生日時情報が記憶されたICカード301を持つ担当者が、障害の発生した複合機100が設けられた施設の装置管理者にICカード301を提示することで、ICカード301に記憶された情報を複合機100に設けられたカードリーダ101で読み取る。もちろん、担当者が直接、複合機100に設けられたカードリーダ101によってICカードを読み込ませるようにしてもよい。ちなみに、装置管理者がICカード301に記憶された情報をカードリーダ101で読み込ませることで、担当者による不正操作を防止することができる。
【0033】
そして、カードリーダ101では、ICカード301から読み取った障害特定情報が生成した障害特定情報と同一であるかを比較することによって点検、保守を行なう担当者を認証する。また、障害特定情報と同時に読み取った障害発生日時情報を用い、障害特定情報を生成してから一定時間内にその障害特定情報の認証が行なわれたかをチェックすることも可能である。
【0034】
このような構成によって、複合機100の点検、保守を行なう担当者をICカードに記憶された障害特定情報によって認証することができ、障害修復を支援することができる。
【0035】
図2は、図1に示す複合機100の詳細な構成を示すブロック図である。
【0036】
図2に示す複合機100は、カード読取部101、制御部102、出力部103、障害検知部104、ログ生成部105、ログ蓄積部106、障害特定情報生成部107、U/I部108、I/F部109、印字媒体読取部110を具備して構成される。
【0037】
この複合機100は、印刷物の複製や印刷出力、ファクシミリ通信などを実現する画像形成機能と、その画像形成機能で発生した障害を点検、保守する担当者の認証を行なう認証機能とが搭載された装置であって、認証機能は、画像形成機能に障害が発生した後にその障害に対応する担当者が正規の担当者であるかを認証する機能である。
【0038】
複合機100が持つ画像形成機能は、CCD(Charge Coupled Devices)などによって構成される印字媒体読取部110で読み取ったデータや、複合機100が設けられたネットワーク内のノードからI/F部109を介して受信したデータなどを制御部102で制御して出力部103からそのデータを印字した印字媒体を出力する機能である。
【0039】
この印字媒体読取部110は、ADF(Auto Document Feeder:自動用紙搬送装置)などによって搬送されてきた印字媒体に記載された情報を光学的に読み取る読取装置である。また、I/F部109は、複合機100が設けられたネットワーク内のノードのほか、障害管理センターの障害情報管理装置200と相互通信を実現する通信インターフェースである。
【0040】
また、制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成されており、印字媒体読取部110で読み取ったデータの複写処理やディジタル処理を制御するほか、I/F部109を介して接続されたノードからの処理要求に基づく印刷出力処理やファクシミリ通信処理を制御する。
【0041】
そして、制御したデータの出力指示を出力部103に行ない、プリントエンジンなどによって構成される出力部103がそのデータを印字して印字媒体を出力する。
【0042】
このような構成からなる画像形成機能によって障害が発生すると、その障害を障害検知部104で検知する。
【0043】
障害検知部104が障害を検知すると、障害を検知したことを制御部102、ログ生成部105にその旨をそれぞれ通知し、また、ログ生成部105には検知した障害の内容を示す「エラーコード」も同時に通知する。
【0044】
このログ生成部105では、障害検知部104からの障害検知の通知を受けて、発生した障害の状態を記録した履歴情報(以下、「ログ情報」ともいう)を生成する。このログ情報の生成に際し、障害が発生した障害発生日時情報を取得し、さらに、障害特定情報生成部107に障害特定情報の生成指示を行なう。
【0045】
指示を受けた障害特定情報生成部107では、障害の発生元である複合機100を識別する装置番号と、障害の種別を示すエラーコードとから構成される障害特定情報を生成する。
【0046】
この障害特定情報を構成する装置番号は、複合機100の生成時に付与される製造番号やMACアドレスなどによって障害発生元である複合機100を識別する番号であり、障害の種別を示すエラーコードは、障害検知部104で検知した障害の内容を示す識別情報である。障害特定情報生成部107によって生成された障害特定情報により、障害が発生した複合機100を特定し、その複合機100の障害に対応する担当者が正規であるかを認証できる。
【0047】
ログ生成部105からの指示に基づいて生成したこの障害特定情報をログ生成部105へ転送すると、ログ生成部105では、その障害特定情報および取得した障害発生日時情報ログ蓄積部106に蓄積する。
【0048】
このログ蓄積部106は、記憶装置であって、ログ生成部105で生成したログ情報を蓄積する。このログ蓄積部106によって管理したログ情報の一例を図3に示す。
【0049】
図3に示すログ情報は、テーブル構成で管理した例であって、[管理番号]カラム31、[障害特定情報]カラム32、 [障害発生日時]カラム33、[エラー対応状況フラグ]カラム34から構成される。
【0050】
[障害特定情報]カラム32は、障害特定情報生成部107で生成した障害特定情報を示すカラムであって、 [障害発生日時]カラム33は障害が発生した日時の情報であって、[エラー対応状況フラグ]カラム34は発生した障害の対応状況を示すフラグ情報である。さらに、[管理番号]カラム31は、蓄積したログ情報を識別する番号である。
【0051】
例えば、[管理番号]カラム31が「0101」であるレコードのログ情報は、「06/06/12 16:50」に発生した障害を「mf3cc001err」の障害特定情報が記憶されたICカードを持つ担当者によって「対応済」であることを示している。
【0052】
なお、[障害特定情報]カラム32に示された障害特定情報は、障害発生元を識別する装置番号と障害の種別を示すエラーコードから構成されており、上記例の「mf3cc001err」では、「mf3cc」が装置番号を構成し、「001err」がエラーコードを構成している。
【0053】
このような装置構成でログ情報を蓄積することによって、障害特定情報生成部107で生成した障害特定情報に基づいて発生した障害の内容をも特定できるようになる。
【0054】
そして、ログ生成部105で生成したログ情報をログ蓄積部106に蓄積すると、ログ生成部105は、制御部102に対してログ蓄積部106に蓄積した障害特定情報および障害発生日時情報を含む障害発生通知を送信する。ログ生成部105から障害発生通知を受信した制御部102は、I/F部109を介して障害管理センターの障害情報管理装置200にその障害発生通知を転送する。
【0055】
障害発生通知を受けた障害情報管理装置は、担当者を設定する設定処理を行ない、担当者の保有するカード情報書込装置300に障害発生通知を転送する。カード情報書込装置300が障害発生通知を受信すると、ICカード301その障害発生通知が示す障害特定情報および障害発生日時情報を記憶する。
【0056】
そして、図1に示すように、障害特定情報および障害発生日時情報を記憶したICカード301を保持する担当者が派遣されてきた際に、複合機100の装置管理者がICカード301に記憶された情報をカード読取部101で読み取らせる。
【0057】
カード読取装置101は、ICカードから情報を読み取ることができるカードリーダであって、読み取った障害特定情報および障害発生日時情報を制御部102へと送信する。制御部102では、その障害特定情報がログ蓄積部106に発生した障害内容として蓄積されているかの確認処理を行なう。
【0058】
この確認処理の結果をU/I部108に表示することで装置管理者にICカードを持つ担当者が認証できたかを通知する。
【0059】
このU/I部108は、表示ディスプレイやキーボードによって構成されるユーザインターフェースであって、複合機100に対して操作指示を行なうことができる。
【0060】
このU/I部108を構成する表示ディスプレイに表示された確認結果を装置管理者が参照し、カード読取部101で読み取った障害特定情報と同一の障害特定情報がログ蓄積部106に蓄積されていることによってICカードを持つ担当者を認証した場合には、その担当者に複合機100の点検、保守を許可する。
【0061】
それに対して、障害特定情報が発生した障害内容としてログ蓄積部106に蓄積されていない場合には、ICカードを持つ担当者を認証できないためその担当者による点検、保守を拒否する。
【0062】
よって、障害が発生した複合機で作成した障害特定情報を持つ担当者のみが点検、保守できる。
【0063】
図4は、本願発明の障害修復支援システムおよび機器で行なわれる詳細な処理の流れを示す図である。
【0064】
図4において、複合機の画像形成機能によって障害が発生すると処理が開始され、発生した障害を検知する(401)。障害として、例えば、プリントエンジンにおける機構部品の破損などがあり、プリントエンジンの正常動作が不能になったことを検知する。
【0065】
続いて、検知した障害の内容を識別し(402)、例えば上記例であれば、プリントエンジンにおける部品の破損であると識別する。もちろん、障害の内容が特定できない場合もあり、この場合には障害内容が不明であると識別する。
【0066】
次に、発生した障害に対応する担当者を認証する障害特定情報を生成し(403)、その障害特定情報に障害発生日時情報に対応付けた図3に示すようなログ情報を生成して(404)蓄積する(405)。
【0067】
そして、生成した障害特定情報および障害発生日時情報を障害管理センターの障害情報管理装置200に通知する(406)。
【0068】
続いて、障害の発生に対応する担当者が派遣されてくると、その担当者が保持するICカードに記憶された情報を読み取る(407)。読み取った情報に障害特定情報が含まれるか判断し(408)、含まれる場合(408でYES)にはその障害特定情報の判定処理を行なう(409)。この判定処理の詳細な処理の流れを図5〜図8のフローチャートに示す。
【0069】
そして、判定処理の結果を表示ディスプレイに表示する(410)。読み取った情報に障害特定情報が含まれない場合(408でNO)には、担当者を認証できない旨を表示する(410)。
【0070】
以下に、次に、図5〜図8に示すフローチャートについて説明する。この図5〜図8に示すフローチャートは、図4に示す判定処理の詳細な処理の流れを示したフローチャートである。
【0071】
まず、図5に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較して(501)、双方の障害特定情報が同一であるかを判断する(502)。
【0072】
同一である場合(502でYES)には、読み取った障害特定情報が蓄積されているため、その障害特定情報が蓄積されたICカードをもつ担当者を認証する(503)。それに対して、障害特定情報が同一でない場合(502でNO)には、不正な障害特定情報若しくは破損した障害特定情報であるとして担当者を認証しない(504)。
【0073】
次に、図6に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較する(601)。両者の値が同一であるかを判断し(602)、同一でない場合(602でNO)には、ICカードを持つ担当者を認証しない(603)。
【0074】
それに対して、障害特定情報が同一である場合(602でYES)には、障害発生からの経過時間を計時する(604)。これは、ICカードに記憶された情報として読み取った障害発生日時情報を元に現在の日時までに経過した時間を計時する。
【0075】
計時した経過時間が予め定めた一定時間内であるかを判断し(605)、一定時間内である場合(605でYES)にそのICカードを持つ担当者を認証する(606)。
【0076】
また、予め定めた一定時間内でない場合(605でNO)には、障害特定情報が同一であるが担当者が派遣されてくるまでに多くの時間を要することとなったことからその旨を設定して(607)、装置管理者による別途、担当者の確認処理を行なう。
【0077】
続いて、図7に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較する(701)。両者の値が同一であるかを判断し(702)、同一でない場合(702でNO)には、ICカードを持つ担当者を認証しない(703)。
【0078】
それに対して、障害特定情報が同一である場合(702でYES)には、障害対応状況の対応済みフラグを確認して(704)、障害特定情報に対する障害が対応済みであるか否かを判断する(705)。
【0079】
障害に対して未対応である場合(705でYES)には、その障害特定情報が記憶されたICカードを持つ担当者を正規の担当者であると認証する(706)。また、対応済みである場合(705でNO)には、対応済みであることを設定し(707)、装置管理者による別途、担当者の確認処理を行なう。
【0080】
そして、図8に示すフローチャートは、ICカードに記憶された障害特定情報が読み取られると処理が開始され、読み取った障害特定情報とログ情報として蓄積された障害特定情報とを比較する(801)。両者の値が同一であるかを判断し(802)、同一でない場合(802でNO)には、ICカードを持つ担当者を認証しない(803)。
【0081】
それに対して、障害特定情報が同一である場合(802でYES)には、ICカードに記憶された障害特定情報の記録日時情報と現在日時とから経過時間を計時する(804)。この記録日時情報は、図1に示すカード情報書込装置300でICカードに障害特定情報を書き込んだ日時を示す情報である。
【0082】
計時した経過時間が予め定めた一定時間内であるかを判断し(805)、一定時間内である場合(805でYES)には、その障害特定情報を記憶するICカードをもつ担当者を正規の担当者であると認証する(806)。また、一定時間を経過している場合(805でNO)には、一定時間を経過していると設定して(807)処理を終了する。
【実施例2】
【0083】
以下に示す実施例2は、担当者が持つICカードに記憶された障害特定情報を認証した後に行なわれる処理を示した例である。
【0084】
図9は、本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例2を示すシステム構成図である。
【0085】
図9は、図1に示す構成図と類似しているため、異なる点を中心に説明する。
【0086】
複合機100で発生した障害の点検、保守を行なう担当者の派遣に際し、その担当者が持つICカードに記憶された情報の確認を行なうことでその担当者を認証する処理において、カード読取部101で読み取ったその情報を元に制御部102がログ蓄積部106で蓄積したログ情報と比較してそのICカードを持つ担当者を認証する。
【0087】
制御部102で担当者を認証すると、書換部901にその認証に用いたログ情報の書換処理を依頼する。
【0088】
この書換部901は、制御部102からの書換依頼に基づいて、ログ蓄積部106に蓄積したログ情報の書き換えを行なう。例えば、図3に示すログ情報の[障害対応状況]カラム34の状況を「未対応」から「対応済」へと書き換える。
【0089】
そして、この制御部102では、カード読取部101に対してICカードに記憶された情報の更新処理要求を行ない、カード読取部101がICカードに記憶された情報を更新する。更新処理として、例えば、ICカードに記憶された障害特定情報や障害発生日時情報を消去する処理を行ない、障害特定情報の再利用を防止する。
【0090】
図10は、図9に示す複合機における処理の流れを示すフローチャートである。
【0091】
図10に示すフローチャートは、実施例1で図4を用いて説明したフローチャートの処理の流れと類似しており、複合機で障害が発生したことを障害情報管理装置に通知する処理の流れまでは、図4に示したフローチャートと同一である。そのため、図10に示した障害の発生を障害管理センターの障害情報管理装置に通知するまでの処理の流れを示したフローチャートは、図4に示すフローチャートの番号と等しい番号を使用して説明する。
【0092】
図10において、複合機の画像形成機能によって障害が発生すると処理が開始され、発生した障害を検知し(401)、検知した障害の内容を識別する。(402)、続いて、発生した障害に対応する担当者を認証する障害特定情報を生成する(403)。
【0093】
さらに、その障害特定情報に障害発生日時情報に対応付けた図3に示すようなログ情報を生成して(404)蓄積する(405)。生成した障害特定情報および障害発生日時情報を障害管理センターの障害情報管理装置200に通知する(406)。
【0094】
そして、発生した障害の点検、保守を行なう担当者が持つICカードから記憶された情報を読み取り(1001)、読み取った情報に含まれる障害特定情報と障害発生時に蓄積したログ情報に含まれる障害特定情報とを比較する(1002)。
【0095】
比較した結果、両者が同一であるかを判断し(1003)、同一でない場合(1003でNO)にはその障害特定情報を記憶したICカードを持つ担当者を認証できない旨を表示して(1004)処理を終了する。
【0096】
それに対して、両者の障害特定情報が同一である場合(1003でYES)には、ICカードから読み取った情報に含まれる障害発生日時情報と現在の日時の情報とから経過時間を計時し(1005)、計時した経過時間が一定時間内であるかを判断する(1006)。計時した経過時間が一定時間を超えている場合(1006でNO)には、その旨を表示して(1009)処理を終了する。
【0097】
また、計時した経過時間が一定時間内である場合(1006でYES)には、発生した障害の点検、保守を許可し、担当者の認証に用いたICカード内の情報を消去する(1007)。そして、そのICカードを保持する担当者を正規の担当者であると認証したことを表示する(1008)。
【0098】
図11は、図9に示す複合機における処理の流れを示す他のフローチャートである。
【0099】
図11に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートと同様、実施例1で図4を用いて説明したフローチャートの処理の流れと類似しており、複合機で障害が発生したことを障害情報管理装置に通知する処理の流れまでは、図4に示したフローチャートと同一である。そのため、図11に示した障害の発生を障害情報管理装置に通知するまでの処理の流れを示したフローチャートは、図4に示すフローチャートの番号と等しい番号を使用して説明する。
【0100】
図11において、複合機の画像形成機能によって障害が発生すると処理が開始され、発生した障害を検知し(401)、検知した障害の内容を識別する(402)。続いて、発生した障害に対応する担当者を認証する障害特定情報を生成する(403)。
【0101】
さらに、その障害特定情報に障害発生日時情報に対応付けた図3に示すようなログ情報を生成して(404)蓄積する(405)。生成した障害特定情報および障害発生日時情報を障害管理センターの障害情報管理装置200に通知する(406)。
【0102】
そして、発生した障害の点検、保守を行なう担当者が持つICカードから記憶された情報を読み取り(1101)、読み取った情報に含まれる障害特定情報と障害発生時に蓄積したログ情報に含まれる障害特定情報とを比較する(1102)。
【0103】
比較した結果、両者が同一であるかを判断し(1103)、同一でない場合(1103でNO)にはその障害特定情報を記憶したICカードを持つ担当者を認証できない旨を表示して(1104)処理を終了する。
【0104】
それに対して、両者の障害特定情報が同一である場合(1103でYES)には、ICカードから読み取った情報に含まれる障害発生日時情報と現在の日時の情報とから経過時間を計時し(1105)、計時した経過時間が一定時間内であるかを判断する(1106)。計時した経過時間が一定時間を超えている場合(1106でNO)には、その旨を表示して(1109)処理を終了する。
【0105】
また、計時した経過時間が一定時間内である場合(1106でYES)には、ログ情報として蓄積した障害の対応状況を示す対応状況フラグを「未対応」から「対応済」へと更新する(1107)。そして、そのICカードを保持する担当者を正規の担当者と認証したことを表示する(1108)。
【実施例3】
【0106】
図12は、本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例3を示すシステム構成図である。
【0107】
図12に示す認証システムの構成は、図1に示した構成と類似しており、図4では、複合機100にクライアントPC400が通信回線を介して接続されており、このクライアントPC400にカードリーダ401が設置されている。
【0108】
複合機100を管理する操作管理者がこのカードリーダ401を用いてICカードに記憶された情報の読み取り操作を行なうことで、読み取った情報が通信回線を介して複合機100に転送される。図4では、複合機100とクライアントPC400とが通信回線を介して接続された例を示しているが、これに限定されず無線で接続してもよい。
【0109】
この構成では、クライアントPC400のカードリーダ401でICカードの情報を読み取り、読み取ったその情報を複合機100へと転送し、その情報を元に複合機100が行った担当者の認証結果をクライアントPC400に表示する。
【0110】
複合機100に障害が発生し、その障害の点検、保守を行なう担当者をクライアントPC400と複合機400との通信により認証する処理遷移を図13に示す。
【0111】
図13は、障害発生後の担当者を認証する処理の遷移を示すシーケンスであって、装置管理者によるICカードの情報の読み取り操作によってクライアントPC400に設置されたカードリーダ401でその情報を読み取る(1301)と、その読み取った情報を含む担当者の認証要求を複合機100に転送する(1302)。
【0112】
受信した複合機100では、受信した情報を解析し、担当者の認証要求であることおよびその情報の種類を識別する(1303)。そして、解析した情報に障害特定情報が含まれるかを判断し(1304)、障害特定情報が含まれていることが確認すると、障害特定情報がログ情報として含まれるかを判定する(1305)。
【0113】
判定した結果を情報の転送元であるクライアントPC400に転送し(1306)、その判定結果を受信したクライアントPCは表示ディスプレイにその判定結果を表示する(1307)。
【0114】
本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0115】
なお、この発明は、通信機能を備えた情報処理装置に上述の動作を実行させ、あるいは上述の手段を構成させるためのプログラムを格納した情報処理装置が読み取り可能な記録媒体(CD−ROM、DVD−ROM等)から該プログラムをインストールし、これを実行させることにより、上述の処理を実行するシステムの情報処理装置を構成することも可能である。
【0116】
また、情報処理装置にプログラムを供給するための媒体は、通信媒体(通信回線、通信システムのように、一時的または流動的にプログラムを保持する媒体)でもよい。例えば、通信ネットワークの電子掲示板(BBS:Bulletin Board Service)に該プログラムを掲示し、これを通信回線を介して配信するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明は、発生した障害に対応する担当者を認証することで障害修復を簡単にかつ正確に行なうのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係わる障害修復支援システムの実施例1を示すシステム構成図。
【図2】図1に示す複合機の詳細な構成を示すブロック図。
【図3】ログ情報の一例。
【図4】本願発明の障害修復支援システムおよび機器で行なわれる詳細な処理の流れを示す図。
【図5】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図6】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図7】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図8】判定処理の詳細な処理の流れを示す図。
【図9】本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例2を示すシステム構成図。
【図10】図9に示す構成の複合機における処理の流れを示す図。
【図11】図9に示す構成の複合機における処理の流れを示す他の図。
【図12】本発明に係わる障害修復支援システムおよび機器を適用して構成した実施例3を示すシステム構成図。
【図13】障害発生後の担当者を認証する処理の遷移を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0119】
100 複合機
101 カード読取部(カードリーダ)
102 制御部
103 出力部
104 障害検知部
105 ログ生成部
106 ログ蓄積部
107 障害特定情報生成部
108 U/I
109 I/F
110 印字媒体読取部
200 障害情報管理装置
300 情報端末(カード情報書込装置)
301 ICカード
400 クライアントPC
401 カードリーダ
901 書換部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客側に配設される機器は、
障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、
前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合により情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段とを具備し、
前記情報管理装置は、
前記送信手段により送信された前記障害特定情報を前記担当者の保有する情報端末に配信する配信手段
を具備する障害修復支援システム。
【請求項2】
前記機器は、
前記障害特定情報に対応する障害が対応済みかを記憶し、
前記判定処理手段は、
前記情報端末に記憶された障害特定情報に対応する障害が未対応である場合に、前記該担当者が正規であると判定する請求項1記載の障害修復支援システム。
【請求項3】
前記機器は、
前記障害特定情報に対応して該障害特定情報を送信してからの経過時間を計時し、
前記判定処理手段は、
前記情報端末に記憶された障害特定情報の前記経過時間が予め設定した時間内である場合に、前記担当者が正規であると判定する請求項2記載の障害修復支援システム。
【請求項4】
前記判定処理手段は、
前記担当者が正規であると判定した場合に、前記記憶媒体に記憶された前記障害特定情報を消去する消去手段
を具備する請求項1記載の障害修復支援システム。
【請求項5】
障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、
前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合により情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段と
を具備する機器。
【請求項6】
障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成するステップと、
前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信するステップと、
前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積するステップと、
前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合するステップと、
前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定するステップと
をコンピュータに実行させる障害修復支援プログラム。
【請求項1】
顧客側に配設される機器は、
障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、
前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合により情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段とを具備し、
前記情報管理装置は、
前記送信手段により送信された前記障害特定情報を前記担当者の保有する情報端末に配信する配信手段
を具備する障害修復支援システム。
【請求項2】
前記機器は、
前記障害特定情報に対応する障害が対応済みかを記憶し、
前記判定処理手段は、
前記情報端末に記憶された障害特定情報に対応する障害が未対応である場合に、前記該担当者が正規であると判定する請求項1記載の障害修復支援システム。
【請求項3】
前記機器は、
前記障害特定情報に対応して該障害特定情報を送信してからの経過時間を計時し、
前記判定処理手段は、
前記情報端末に記憶された障害特定情報の前記経過時間が予め設定した時間内である場合に、前記担当者が正規であると判定する請求項2記載の障害修復支援システム。
【請求項4】
前記判定処理手段は、
前記担当者が正規であると判定した場合に、前記記憶媒体に記憶された前記障害特定情報を消去する消去手段
を具備する請求項1記載の障害修復支援システム。
【請求項5】
障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信する送信手段と、
前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積する蓄積手段と、
前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合する照合手段と、
前記照合手段による照合により情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定する判定処理手段と
を具備する機器。
【請求項6】
障害の発生に際して該障害を特定する障害特定情報を生成するステップと、
前記生成手段により生成した障害特定情報を担当者の保有する情報端末に配信する機能を有する情報管理装置に送信するステップと、
前記送信手段により送信した前記障害特定情報を蓄積するステップと、
前記情報端末に記憶された障害特定情報を前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と照合するステップと、
前記照合手段による照合により前記情報端末に記憶された障害特定情報が前記蓄積手段に蓄積された障害特定情報と一致した場合に担当者が正規であると判定するステップと
をコンピュータに実行させる障害修復支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−33642(P2008−33642A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206540(P2006−206540)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]