説明

集積フィルタを備えた増幅器

【課題】良好な雑音性能を有しかつ大きい干渉信号に対処できる増幅器を提供する。
【解決手段】集積フィルタを備えた増幅器320b(例えば,LNA)は利得ステージ330、フィルタ・ステージ340およびバッファ・ステージ350を含んでいてもよい。利得ステージは、入力信号に対して信号増幅を提供する。フィルタ・ステージは、入力信号に対してフィルタリングを提供する。バッファ・ステージは、フィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファする。増幅器は、第2のフィルタ・ステージ360及び第2のバッファ・ステージ370をさらに含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には回路に関し、さらの具体的には増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
増幅器は、信号増幅を提供するために種々のエレクトロニクス・デバイスで一般に使用される。異なる用途に対して異なるタイプの増幅器が利用可能である。例えば、携帯電話のような無線デバイスは、双方向通信のための送信機および受信機を含んでいてもよい。送信機は、電力増幅器(PA)を利用してもよく、受信機は、低雑音増幅器(LNA)を利用してもよく、そして、送信機および受信機は、可変利得増幅器(VGA)を利用してもよい。
【0003】
LNAは、通信チャンネルによって受信された低振幅信号を増幅するために、受信機で一般に使用される。LNAは、受信信号が遭遇する最初の能動回路であることが多く、従っていくつかの重要な領域において受信機の性能に対して大きな影響を及ぼす。第1に、LNAの雑音が受信信号に直接注入され、かつ後続ステージの雑音がLNAの利得によって有効に低減されるので、LNAは、雑音性能に対して大きな影響を有する。第2に、LNAは、外部のおよび/または内部ソースから来るであろう大きな干渉信号(またはジャマー)を処理できなければならない。これらの干渉信号は、所望の信号帯域幅内に入りかつ受信機性能を低下させうる相互変調歪み(intermodulation distortion)を惹起することがある。
【0004】
従って、良好な雑音性能を有しかつ大きい干渉信号に対処できる増幅器に対する技術的必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
集積フィルタを備え、良好な雑音性能を有しかつ大きい干渉信号に対処できる増幅器がここに記述される。1つのデザインでは、集積フィルタを備えた増幅器(例えば、LNA)は、利得ステージおよびフィルタ・ステージを含んでいてもよい。利得ステージは、入力信号に対して信号増幅を提供してもよい。フィルタ・ステージは、利得ステージに結合されてもよく、そして、干渉信号を減衰させるために入力信号に対するフィルタリング(filtering)を提供する。増幅器は、フィルタ・ステージに結合されかつフィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファするために使用されてもよいバッファ・ステージをさらに含む。利得ステージ、フィルタ・ステージおよびバッファ・ステージは、スタック(stacked)されかつ電源電圧と回路接地の間に結合されてもよい。
【0006】
増幅器は、第2のフィルタ・ステージおよび第2のバッファ・ステージをさらに含んでもよい。第2のフィルタ・ステージは、バッファ・ステージに結合されてもよく、かつ、干渉信号をさらに減衰させるために入力信号に対する追加のフィルタリング(filtering)を提供してもよい。第2のバッファ・ステージは、第2のフィルタ・ステージに結合され、かつ、第2のフィルタ・ステージからの第2のフィルタされた信号をバッファするために使用されてもよい。これらのステージのすべては、電源電圧と回路接地の間に結合されかつスタックされてもよい。
【0007】
フィルタ・ステージは、楕円ローパスフィルタまたはある他のタイプのフィルタをインプリメントしてもよい。各フィルタ・ステージは、共振器タンクを形成するために並列に結合されるインダクタおよびコンデンサを含んでいてもよい。このタンクは、所望の信号を通過させ、かつ、干渉信号を減衰させてもよい。各フィルタ・ステージは、高い周波数で低いインピーダンス経路を形成するためにインダクタの1つの端(または各端)に結合された分路コンデンサをさらに含んでもよい。
【0008】
集積フィルタを備えた増幅器は、シングルエンド・デザインまたは差動デザインでインプリメントされてもよい。本開示の種々の態様および特徴が、下記にさらに詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ブロードキャスト受信機のブロック図を示す。
【図2】図2は、受信機の帯域外信号減衰基準のプロットを示す。
【図3A】図3Aは、1つの集積フィルタ・ステージを備えたLNAのブロック図を示す。
【図3B】図3Bは、2つの集積フィルタ・ステージを備えたLNAのブロック図を示す。
【図4A】図4Aは、1つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNAを示す。
【図4B】図4Bは、1つの集積フィルタ・ステージを備えた他のシングルエンドLNAを示す。
【図4C】図4Cは、図4BにおけるLNAの小信号モデルを示す。
【図5】図5は、2つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNAを示す。
【図6】図6は、1つの集積フィルタ・ステージを備えた差動LNAを示す。
【図7】図7は、2つの集積フィルタ・ステージを備えた差動LNAを示す。
【図8A】図8は、図7のLNAにおける4つのインダクタのデザインを示す。
【図8B】図8は、図7のLNAにおける4つのインダクタのデザインを示す。
【図9】図9は、マルチプル利得モードを備えた3つのLNAのブロック図を示す。
【図10】図10は、集積フィルタおよびマルチプル利得モードを備えた差動LNAを示す。
【図11】図11は、2つのフィルタ・ステージ2の周波数レスポンスのプロットを示す。
【詳細な説明】
【0010】
ここに記述される集積フィルタを備えた増幅器は、ブロードキャスト受信機、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ハンドヘルド装置、無線モデム、ラップトップ・コンピュータ、コードレスホン、家電デバイスなどのような種々のエレクトロニクス・デバイスに使用されてもよい。増幅器はまた、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交FDMA(OFDMA)システム、単一のキャリアのFDMA(SC−FDMA)システム、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、ブロードキャスト・システム、衛星測位システム、等のような種々の通信システムに使用されてもよい。
【0011】
明確にするために、ブロードキャスト受信機における集積フィルタを備えた増幅器の使用が下記に記述される。ブロードキャスト受信機は、MediaFLOTM、ハンドヘルドのためのデジタル・ビデオ・ブロードキャステイング(DVB−H)、地上波テレビジョン放送のための総合サービス・デジタル・ブロードキャスト(ISDB−T)および/または、他の地上波ブロードキャス・トシステムをサポートしてもよい。MediaFLO(登録商標)システムは、698〜746MHzの周波数範囲内の6メガヘルツ(MHz)帯域幅で動作してもよい。DVB−Hシステムは、470〜860MHzの周波数範囲内の5、6、7あるいは8MHzの帯域幅で動作してもよい。ISDB−Tシステムは、470〜770MHzの周波数範囲内の6MHzの帯域幅で動作してもよい。MediaFLO(登録商標)は、2006年8月付けの「地上波モバイル・マルチメデイア・マルチキャストのためのフォワード・リンク・オンリー・エアインターフェース仕様(Forward Link Only Air Interface Specification for Terrestrial Mobile Multimedia Multicast)というタイトルの文書TIA−1099に記載されている。DVB−Hは、2004年11月付けの「ディジタル・ビデオ・ブロードキャステイング(DVB);デジタル地上波テレビのためのフレーミング構造、チャネル符号化、および変調」というタイトルの文書ETSI EN 300 744に記載されている。ISDB−Tは、2003年7月付けの「デジタル地上波テレビ放送用の伝送システム」とタイトルの文書ARIB STD−B31に記載されている。これらの文書は、公的に入手可能である。
【0012】
図1は、ブロードキャスト受信機100のデザインのブロック図を示す。このデザインでは、ブロードキャスト受信機100は、多周波数帯および多モードに使用されてもよい3つのLNA120a、120bおよび120cを含んでいる。1つのデザインでは、LNA120aは、DVB−Hおよび/またはISDB−Tをサポートし、LNA120bは、719から746MHzまでの高バンドMediaFLO(登録商標)をサポートし、そして、NA120cは、698から719MHzまで低バンドMediaFLO(登録商標)をサポートする。一般に、受信機は、任意の数の周波数バンド及び任意の数のモードに対する任意の数のLNAを含んでもよい。各LNAは、1つまたは複数のモードおよび1つ又は複数の周波数バンドをサポートしてもよい。
【0013】
受信機は、スーパーヘテロダイン・アーキテクチャまたは直接変換アーキテクチャでインプリメントされてもよい。スーパーヘテロダイン・アーキテクチャでは、受信信号は、多ステージで無線周波数(RF)からベースバンドへ、例えば、1つのステージでRFから中間周波数(IF)へ、そして他のステージでIFからベースバンドへダウンコンバートされる。ゼロIFアーキテクチャとも呼ばれる直接変換アーキテクチャでは、受信信号は、1つのステージでRFからベースバンドへダウンコンバートされる。スーパーヘテロダインおよび直接変換アーキテクチャは、異なる回路ブロックを使用してもよくおよび/または異なる要件を有していてもよい。下記の説明は、ブロードキャスト受信機100が直接変換アーキテクチャをインプリメントすると仮定する。
【0014】
ブロードキャスト受信機100では、アンテナ110は放送局からブロードキャスト信号を受け取り、アンテナ・インタフェース・ユニット112に受信信号を供給する。ユニット112は1つまたは複数のスイッチ、フィルタ、バラン(baluns)、等を含んでもよい。各フィルタは、指定周波数範囲内の信号コンポーネントを通過させてもよく、また、表面弾性波(SAW)フィルタ、セラミック・フィルタあるいはある他のタイプのフィルタでインプリメントされてもよい。複数のフィルタがユニット112内に存在する場合には、それらのフィルタのうちの1つが使用に選ばれてもよく、また、スイッチが、その選択されたフィルタにアンテナ110を結合してもよい。シングルエンドー差動変換、インピーダンス変換、フィルタリング、等ために、バランが使用されてもよい。
【0015】
図1に示されているデザインでは、LNA120aは差動増幅器であり、他方、LNA120bおよび120cはシングルエンド増幅器である。一般に、各LNAのシングルエンドまたは差動デザインの選択は、システム要件および/またはデザインの複雑性、電力消費、コスト、等のような他の考慮事項に基づいてなされてもよい。DVB−HまたはISDB−Tモードが選択されたときには、ユニット112は、受信信号を処理し、そして、ラインVinpおよびVinm上に差動LNA入力信号を供給してもよい。LNA120aは、差動LNA入力信号を増幅し、そして、ラインVoutpおよびVoutm上に差動LNA出力信号を供給してもよい。高帯域MediaFLO(登録商標)モードが選択されたときには、ユニット112は、受信信号を処理し、そして、ラインVinp上にシングルエンドLNA入力信号をラインで供給してもよい。LNA120bは、LNA入力信号を増幅し、そして、ラインVoutp上にLNA出力信号を提供してもよい。低帯域MediaFLO(登録商標)モードが選択された場合には、ユニット112は、受信信号を処理し、そして、ラインVinm上にシングルエンドLNA入力信号を供給してもよい。LNA120cはLNA入力信号を増幅し、そして、ラインVoutm上にLNA出力信号を供給してもよい。
【0016】
出力ステージ130はラインVoutpおよび/またはラインVoutm上でLNA出力信号を受け取ってもよく、また、ミキサ140aおよび140bに差動調整信号を供給してもよい。出力ステージ130は、シングルエンドー差動変換のためのバランおよび1つまたは複数のプログラム可能な減衰器、バッファ、増幅器、等を含んでもよい。ミキサ140aは、調整信号を、LO生成器144からの同相の(I)局部発振器(LO)信号でダウンコンバートし、そして、Iダウンコンバード信号を供給してもよい。ローパスフィルタ142aは、Iダウンコンバート信号をフィルタし、そして、Iベースバンド信号(Ibb)をデータ・プロセッサ150へ供給する。同様に、ミキサ140bは、出力ステージ130からの調整信号をLO生成器144からの直交(Q)LO信号でダウンコンバートし、そして、Qダウンコンバート信号を供給してもよい。ローパスフィルタ142bは、Qダウンコンバート信号をフィルタし、そして、Qベースバンド信号(Qbb)をデータ・プロセッサ150に供給してもよい。
【0017】
LO生成器144は、ミキサ140aおよび140bに対してそれぞれのIおよびQのLO信号を生成してもよい。LO生成器144は、1つまたは複数の電圧制御発振器(VCO)、位相ロック・ループ(PLL)、基準発信器、等を含んでいてもよい。
【0018】
図1は実施例の受信機デザインを示す。一般に、受信機における信号の調整(conditioning)は、1つまたは複数の増幅器、フィルタ、ミキサ、等によって行なわれてもよい。これらの回路ブロックは、図1に示される構成とは異なって配列されてもよい。さらに、図1に示されていない他の回路ブロックは、受信機で信号を調整するために使用されてもよい。この受信機の全てまたは一部は、1つまたは複数のRF集積回路(RFIC)、混合信号IC、等上でインプリメントされてもよい。例えば、ブロードキャスト受信機100におけるLNA120a、120bおよび120c、ならびに後続のアナログ回路は、ユニバーサル・ブロードキャスト・モデム(UBM)チップでインプリメントされてもよい。
【0019】
データ・プロセッサ150は、データ受信および他の機能のための種々の処理装置を含んでいてもよい。例えば、データ・プロセッサ150は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セット型コンピュータ(RISC)プロセッサ、中央処理装置(CPU)、等を含んでいてもよい。コントローラ/プロセッサ160は、ブロードキャスト受信機100における動作を制御してもよい。メモリ162は、ブロードキャスト受信機100のためのプログラム・コードおよびデータを格納してもよい。データ・プロセッサ150、コントローラ/プロセッサ160、および/またはメモリ162は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または他のIC上でインプリメントされてもよい。
【0020】
アンテナ110からの受信信号は、所望の信号ならびにグローバル・システム・フォア・グローバル・システム(GSM(登録商標))、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)、WLAN、等のような他の通信システムからのものであってもよい干渉信号を含んでもよい。LNA120a、120bまたは120cは、受信信号を増幅し、そして、その増幅信号を、出力ステージ130を通じてミキサ140aおよび140bに供給してもよい。ミキサ140aおよび140bは、その増幅信号を、所望の信号の中心周波数であってもよいfLOの基本周波数を有するLO信号でダウンコンバートしてもよい。その後、所望の信号は、LO信号の基本周波数によってベースバンドにダウンコンバートされてもよい。しかしながら、LO信号(あるいは3fLO)の第3高調波およびLO信号(あるいは5fLO)の第5高調波の近くにある干渉信号もダウンコンバートされ、かつ、所望の信号帯域内にあってもよい。LO信号の調波のレシプロカル・ミキシング(reciprocal mixing)による帯域内歪み成分が受信機性能を低下させることがありうる。
【0021】
多目的無線装置の場合のように受信機100と同一場所に配置された送信機から干渉信号が来る場合には、干渉信号は所望の信号よりもはるかに大きく、かつ、特に強くなることがある所望の信号帯域幅にダウンコンバートされる大きい干渉信号は、所望の信号を「スワンプ・アウト」(swamp out)することがある。相互変調歪みによって惹起される所望信号のこの減感化(desensitization)は、一般に「ブロッキング」(blocking)として知られている。
【0022】
大きい干渉信号による潜在的な逆効果は、いくつかの方法で対処できる。第1に、受信信号は、LNAに渡される前にフィルタされてもよい。しかしながら、この前置LNAフィルタリングは、所望の信号を減衰させ、ノイズ性能を低下させることがある。さらに、前置LNAフィルタリングは、大きな干渉信号の十分な減衰を提供できないことがある。第2に、LO調波のレシプロカル・ミキシング(reciprocal mixing)による歪み成分の大きさを減少させるために、ミキサは高い直線性をもってデザインされることがある。しかしながら、高直線性要件は、ミキサのデザインを複雑にし、より高い電力消費量を生ずることになる。
【0023】
1つの態様では、集積フィルタを備えたLNAは、良好なノイズ性能を達成し、かつ受信機の性能を低下させることになる干渉信号を減衰させるために使用されうる。受信信号は、LNAに直接渡されてもよいし、あるいはLNAに渡される前にフィルタにかけられてもよい。LNAは、受信機に対して所望のノイズ性能を提供するようにデザインされてもよい。集積フィルタは、干渉信号の所望の減衰を提供するようにデザインされてもよい。下記に述べられるように、集積フィルタを備えたLNAは、種々のデザインでインプリメントされてもよい。
【0024】
図2は、DVB−H信号を受信する場合の受信機100に対する帯域外信号減衰基準のプロットを示す。所望のDVB−H信号は、750MHzの近くにあってもよい。GSM(登録商標)850帯域(約880MHz)、DCSまたはGSM(登録商標)1800帯域(約1.8GHz)、PCSまたはUMTS帯域(約2GHz)、WLANに使用されるISM帯域(約2.4GHz)、GSM(登録商標)850帯域(約2.7GHz)の第3高調波、等に干渉信号が存在してもよい。
【0025】
図2は、1つのデザインによる各周波数帯における干渉信号の要求減衰量を示す。このデザインでは、GSM(登録商標)850帯域における干渉信号は、6デシベル(dB)だけ減衰されてもよく、GSM(登録商標)1800帯域における干渉信号は、71dBだけ減衰されてよい、等である。ミキサ140aおよび140bがGSM(登録商標)1800帯域で25dBの除去を提供することができる高調波除去ミキサでインプリメントされる場合には、GSM(登録商標)1800帯域中の干渉信号は、71dBではなくて46dBだけ減衰されてもよい。各周波数帯の減衰量が、高調波除去ミキサがある場合とない場合で、図2に与えられる。
【0026】
一般に、各周波数帯における減衰量は、所望の信号電力、干渉信号電力、ユニット112による損失量、所望の信号と干渉信号との間のアンテナ離間の大きさ、基本周波数と高調波とにおけるミキサの変換利得の差、所望の信号の所要信号対ノイズ比(SNR)、所望のマージン、等のような種々の要因に依存してもよい。いかなる場合でも、集積フィルタを備えたLNAは、帯域外信号減衰基準、例えば、図2に示されている基準を満たすために使用されてもよい。
【0027】
図3Aは、1つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNA320aのデザインのブロック図を示す。LNA320aは、図1のLNA120bまたは120cに使用されてもよい。LNA320aは、利得ステージ330、フィルタ・ステージ340およびバッファ・ステージ350を含んでいる。利得ステージ330は、ラインVinpまたはVinmからLNA入力信号Vinを受け取り、固定または可変利得をもってLNA入力信号を増幅し、そして、増幅された信号を提供する。フィルタ・ステージ340は、フィルタ・レスポンスで増幅信号をフィルタし、そして、フィルタされた信号を提供する。バッファ・ステージ350はそのフィルタされた信号をバッファし、そして、ラインVoutpまたはVoutm上にLNA出力信号Voutを供給する。
【0028】
図3Bは、2つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNA320bのデザインのブロック図を示す。LNA320bも図1のLNA120bまたは120cに使用されてもよい。LNA320bは、図3Aに示された利得ステージ330、第1のフィルタ・ステージ340および第1のバッファ・ステージ350を含んでいる。LNA320bは、第2のフィルタ・ステージ360と第2のバッファ・ステージ370を含んでいる。利得ステージ330は、LNA入力信号Vinを増幅し、そして、その増幅された信号を供給する。フィルタ・ステージ340は、増幅された信号を第1のフィルタ・レスポンスでフィルタし、そして、第1のフィルタされた信号を供給する。バッファ・ステージ350は、第1のフィルタされた信号をバッファし、バッファされた信号を供給する。フィルタ・ステージ360は、バッファされた信号を第2のフィルタ・レスポンスでフィルタして、第2のフィルタされた信号を供給する。バッファ・ステージ370は、第2のフィルタされた信号をバッファして、LNA出力信号Voutを供給する。
【0029】
一般に、LNAは、任意の数の利得ステージ、任意の数のフィルタ・ステージ、任意の数のバッファ・ステージ、および/または、他のステージを含んでもよい。利得ステージとフィルタ・ステージの数は、システム要件および/またはデザイン複雑性、シリコン領域、電力消費、等のような他の考慮事項に依存してもよい。各利得ステージは、固定利得または可変利得を提供してもよい。各フィルタ・ステージは、適切なフィルタ・レスポンスを有していてもよい。複数のフィルタ・ステージが存在する場合には、これらのフィルタ・ステージの周波数レスポンスは、(i)所望の全フィルタ・レスポンスを共同して達成するようにまたは(ii)他のステージに関係なく各ステージに独立して決定されてもよい。全体的なフィルタ・レスポンスは、楕円フィルタ・レスポンス、チェビシェフ・フィルタ・レスポンス、等であってもよい。バッファ・ステージは、最後のフィルタ・ステージ、等の後で、フィルタ・ステージの間に挿入されてもよい。
【0030】
集積フィルタを備えた差動LNAは、集積フィルタを備えたシングルエンドLNAと同様の態様でインプリメントされてもよい。差動回路は、シングルエンド回路の代わりに差動LNAに使用されてもよい。例えば、1つの集積フィルタ・ステージを備えた差動LNAは、差動利得ステージ、差動フィルタ・ステージおよび差動バッファ・ステージでインプリメントされてもよい。2つの集積フィルタ・ステージを備えた差動LNAは、差動利得ステージ、第1の差動フィルタ・ステージ、第1の差動バッファ・ステージ、第2の差動フィルタ・ステージ、および第2の差動バッファ・ステージでインプリメントされてもよい。
【0031】
図4Aは、1つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNA420aの概略図を示している。LNA420aは、図3AにおけるLNA320aの1つのデザインであり、図1におけるLNA120bまたは120cに使用されてもよい。LNA420aは、利得ステージ430、フィルタ・ステージ440、バッファ・ステージ450および負荷回路480を含んでいる。
【0032】
利得ステージ430は、回路接地に結合されたソース、LNA入力信号Vinを受け取るゲート、および増幅された信号を供給するドレインを有するN−チャネル電界効果トランジスタ(N−FET)432を含んでいる。フィルタ・ステージ440は、インダクタ442とコンデンサ444および446を含んでいる。インダクタ442は、一端をN−FET432のドレインに結合され、他端をバッファ・ステージ450におけるN−FET452のソースに結合されている。コンデンサ444は、インダクタ442と並列に結合されている。コンデンサ446は、一端をN−FET432のドレインに結合され、他端を回路接地に結合されている。バッファ・ステージ450は、バイアス電圧Vb1を受け取るゲート、およびLNA出力信号Voutを提供するドレインを有するN−FET452を含んでいる。負荷回路480は、N−FET452のドレインと電源電圧VDDの間に結合されている。
【0033】
N−FET432は、入力信号Vinに対して信号増幅を提供する。N−FET452は、N−FET432に対して負荷絶縁を提供し、そして、負荷回路480を駆動する。負荷回路480は、N−FET452に対して負荷を提供し、また、出力インピーダンス整合のような他の機能を行なうことができる。負荷回路480は、1つまたは複数の抵抗器、インダクタ、コンデンサ、トランジスタ、等を含んでいてもよい。
【0034】
フィルタ・ステージ440は、LNA420aに対して所望の周波数レスポンスを提供する。インダクタ442およびコンデンサ444は、共振器タンクを形成している。このタンクの共振周波数は、最も多い減衰が所望される周波数に、例えば、図2にしめされたデザインでは約1.8GHzに設定されてもよい。共振器タンクは、共振周波数で高いインピーダンスを、そして所望の信号周波数および他の周波数で低いインピーダンスを提供する。コンデンサ446は、所望の信号周波数で高いインピーダンスを、そして所望の信号周波数以上の高い周波数で低いインピーダンスを提供する。インダクタ442とコンデンサ444および446は、所望の信号に対する所望のローパス特性、ならびに干渉信号に対する所望のストップバンド特性を得るように設計されてもよい。
【0035】
図4Bは、1つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNA420bの概略図を示す。LNA420bは、図3AにおけるLNA320aの他のデザインであり、図1におけるLNA120bまたは120cに使用されてもよい。LNA420bは、図4AのLNA420aにおける回路部品のすべてを含んでいる。LNA420bは、一端をフィルタ・ステージ440の出力に結合され、かつ他端を回路接地に結合されたコンデンサ448をさらに含んでいる。コンデンサ448は、高い周波数において他の低インピーダンス経路を提供し、かつ干渉信号の減衰を改善する。
【0036】
図4Cは、図4BにおけるLNA420bの小信号モデル422の概略図を示す。利得ステージ430では、N−FET432は、並列にかつ利得ステージ出力と回路接地の間に結合された電流源434および抵抗器436でモデル化される。抵抗器436は、N−FET432の出力抵抗であるRoの値を有する。フィルタ・ステージ440では、インダクタ442は、理想的なインダクタと並列に結合された抵抗器443でモデル化される。抵抗器443は、インダクタ442の抵抗性損失をモデル化し、かつインダクタの直列抵抗および線質係数(Q)に依存するRpの値を有する。インダクタ442は、Lの値を有しており、コンデンサ446は、C1の値を有しており、そして、コンデンサ448は、C2の値を有している。バッファ・ステージ450では、N−FET452は、フィルタ・ステージ出力と回路接地の間に結合された抵抗器454でモデル化される。抵抗器454は、R=1/gm2の値を有し、ここでgm2はN−FET452のトランスコンダクタンスである。
【0037】
フィルタ・ステージ440の伝達関数H(s)は次のように表わされうる:
【数1】

【0038】
ここで、gRo=1/RはN−FET432の出力抵抗のトランスコンダクタンスである、
(s)は共振器タンクのインピーダンスである、
in(s)はフィルタ・ステージ440への入力電流である、
out(s)はフィルタ・ステージ440からの出力電流である。
【0039】
共振器タンクのインピーダンスは次のように表わされうる:
【数2】

【0040】
フィルタ・ステージ440の3dB帯域幅fbwは次のように表わされうる:
【数3】

【0041】
図11は、1つのデザインによるフィルタ・ステージ440の周波数レスポンスのプロット1112を示す。このデザインでは、フィルタ・ステージ440は、ICプロセス変化による帯域内利得降下の量を減少させるために最も高いDVB−H周波数より100MHzだけ高い約960MHzの帯域幅を有する。フィルタ・ステージ440は、共振器タンクの共振周波数にノッチ(notch)を有する。このノッチは、この周波数で干渉信号の高い減衰を達成するために、図2に示されたデザインでは1.8GHzに位置してもよい。
【0042】
図4Cを参照すると、共振器タンクのインダクタンスLおよびキャパシタンスCは、1.8GHzであってもよい所望の共振周波数に基づいて選択されてもよい。キャパシタンスCおよびCは、ローパスフィルタ特性を提供する。キャパシタンスC1は、N−FET432の出力インピーダンスRに基づいて選択されてもよい。キャパシタンスC2は、カスコード(cascode)N−FET452のソース・インピーダンスに基づいて選択されてもよい。
【0043】
図5は、2つの集積フィルタ・ステージを備えたシングルエンドLNA520の概略図を示す。LNA520は、図3BにおけるLNA320bの1つのデザインであり、図1のLNA120bまたは120cに使用されてもよい。LNA520は、利得ステージ530、第1のフィルタ・ステージ540、第1のバッファ・ステージ550、第2のフィルタ・ステージ560、第2のバッファ・ステージ570および負荷回路580を含んでいる。
【0044】
利得ステージ530は、N−FET532を含んでおり、フィルタ・ステージ540は、インダクタ542、コンデンサ544、546および548を含んでおり、そしてバッファ・ステージ550は、N−FET552を含んでおり、それらのすべてが図4BのLNA420bに対して上述されたように結合される。フィルタ・ステージ560は、インダクタ562とコンデンサ564、566および568を含んでいる。インダクタ562は、一端をN−FET552のドレインに結合され、そして他端をバッファ・ステージ570におけるN−FET572のソースに結合されている。コンデンサ564は、インダクタ562と並列に結合されている。コンデンサ566は、一端をN−FET552のドレインに結合され、そして他端を回路接地に結合されている。コンデンサ568は、一端をN−FET572のソースに結合され、そして他端を回路接地に結合されている。バッファ・ステージ570は、バイアス電圧Vb2を受け取るゲート、およびLNA出力信号Voutを提供するソースを有するFET572を含んでいる。負荷回路580は、N−FET572のドレインと供給電圧VDDの間にっ結合されている。
【0045】
N−FET532は、LNA入力信号Vinに信号増幅を提供する。N−FET552はバッファリングを提供する。N−FET572は、負荷絶縁を提供し、かつ負荷回路580を駆動する。
【0046】
フィルタ・ステージ540および560は、LNA520に所望の全フィルタ・レスポンスを供給するようにデザインされてもよい。インダクタ542およびコンデンサ544は、第1の共振器タンクを形成しており、また、インダクタ562およびコンデンサ564は、第2の共振器タンクを形成している。これらの2つのタンクの共振周波数は、この周波数における減衰を改善するために同じ周波数(例えば1.8GHz)に設定されてもよい。あるいは、2つのタンクの共振周波数は、両方の周波数に対して良好な減衰を達成するために、異なる周波数(例えば1.8GHzと2.0GHz)に設定されてもよい。所望の全フィルタ・レスポンスは、フィルタ・ステージ540および560におけるインダクタおよびコンデンサに対する適切な値を選択することにより得られてもよい。
【0047】
図11は、1つのデザインによるフィルタ・ステージ540および560の周波数レスポンスのプロットを示す。このデザインでは、フィルタ・レスポンス540は、プロット1112によって示された周波数レスポンスを有しており、また、フィルタ・ステージ560は、プロット1114によって示された周波数レスポンスを有している。フィルタ・ステージ540および560に対する全周波数レスポンスは、プロット1116によって示されている。図11に示されているように、帯域外減衰は、複数のフィルタ・ステージをカスケード結合することによって改善されうる。
【0048】
各フィルタ・ステージは、共振器タンクによるノッチを有する。ノッチの深さは、ノッチ周波数における減衰の量を決定する。ノッチ深さはインダクタのQに依存する。一般に、より深いノッチおよびより鋭いロール・オフは、インダクタのより高いQで達成されうる。
【0049】
図6は、図1のLNA120bに使用されてもよい1つの集積フィルタ・ステージを備えた差動LNA620の概略図を示す。LNA620は、利得ステージ630、フィルタ・ステージ640、バッファ・ステージ650および負荷ステージ680を含んでいる。
【0050】
利得ステージ630は、N−FET632aおよび632bと、電流源634を含んでいる。N−FET632aおよび632bは、それらのソースを電流源634の一端に結合され、かつそれらのゲートをラインVinpおよびVinmにそれぞれ結合されている。電流源634の他の端は、回路接地に結合されている。N−FET632aおよび632bのソースも回路接地に直接結合されてもよく、また、電流源634は省略されてもよい。
【0051】
フィルタ・ステージ640は、インダクタ642aおよび642bと、コンデンサ644a、644b、646および648を含む。インダクタ642aとコンデンサ644aは、並列に結合され、そして、N−FET632aのドレインとバッファ・ステージ650におけるN−FET652aのソースとの間に結合された第1の共振器タンクを形成する。インダクタ642bとコンデンサ644bは、並列に結合され、そして、N−FET632bのドレインとバッファ・ステージ650におけるN−FET652bのソースとの間に結合された第2の共振器タンクを形成する。コンデンサ646は、N−FET632aおよび632bのドレイン間に結合される。コンデンサ648は、N−FET652aおよび652bのソース間に結合される。
【0052】
バッファ・ステージ650は、バイアス電圧Vbiを受け取るゲートおよびラインVoutpおよびVoutmにそれぞれ結合されたドレインを有するN−FET652aおよび652bを含んでいる。負荷回路680aおよび680bは、それぞれN−FET652aおよび652bのドレインと供給電圧VDDの間に結合される。
【0053】
利得ステージ630、フィルタ・ステージ640、およびバッファ・ステージ650は、それぞれ図4Bにおける利得ステージ430、フィルタ・ステージ440、およびバッファ・ステージ450と同様の態様で動作する。図6の差動LNAデザインは、より大きい信号スイング(それは大規模な干渉信号を扱うためには望ましいかもしれない)、コモン・モード・ノイズ(common mode noise)に対するより良好な免疫性、改善された直線性、接地結合に使用された寄生接合ワイヤーの軽減された影響、等のようなある利点を提供しうる。
【0054】
図7は、図1のLNA120bにも使用されてもよい2つの集積フィルタ・ステージを備えた差動LNA720の概略図を示す。LNA720は、利得ステージ730、第1のフィルタ・ステージ740、第1のバッファ・ステージ750、第2のフィルタ・ステージ760、第2のバッファ・ステージ770および負荷ステージ780を含んでいる。
【0055】
利得ステージ730は、N−FET732aおよび732b、および電流源734を含んでいる。フィルタ・ステージ740は、インダクタ742aおよび742bおよびコンデンサ744a、744b、746及び748を含んでいる。バッファ・ステージ750は、N−FET752aおよび752bを含んでいる。これらの回路部品は、図6のLNA620に対して上述されたように結合される。フィルタ・ステージ760は、フィルタ・ステージ740における対応するインダクタおよびコンデンサと同様の態様で結合されるインダクタ762aおよび762bおよびコンデンサ764a、764b、766および768を含んでいる。バッファ・ステージ770は、バイアス電圧Vb2を受け取るゲート、およびそれぞれラインVoutpおよびVoutmにそれぞれ結合されたドレインを有するN−FET772aおよび772bを含んでいる。負荷回路780aおよび780bは、それぞれN−FET772aおよび772bのドレインと供給電圧VDDの間に結合される。
【0056】
利得ステージ730、フィルタ・740、バッファ・ステージ750、フィルタ・ステージ760、バッファ・ステージ770は、図5の対応する利得、フィルタおよびバッファ・ステージと同様の態様で動作する。図7の差動LNAデザインは、図6の差動LNAデザインに対して上述された利点を提供することができる。
【0057】
1つのLNAにおける1つまたはフィルタ・ステージに対して複数のインダクタが使用される場合には、これらのインダクタの間に磁気的結合が存在してもよい。その磁気的結合は、インダクタがRFIC上に作製される場合には、さらに厳しくなることがある。さらに、オンチップインダクタ間に基板結合が存在することがある。インダクタ間の結合は、例えば、共振周波数をシフトさせる、ノッチ深さを低下させる、等のように性能を低下させることがある。
【0058】
図8Aは、LNA720における4つのインダクタ間の結合を示す。インダクタ742aおよび742bはKp1の結合係数を有し、インダクタ762aおよび762bはKp2の結合係数を有し、インダクタ742aおよび762aはKs1の結合係数を有し、インダクタ742bおよび762bはKs2の結合係数を有し、インダクタ742aおよび762bはKx1の結合係数を有し、そして、インダクタ742bおよび762aはKx2の結合係数を有する。差動回路のレイアウトは接近しているべきであるので、結合係数Kp1およびKp2が強くなることがある。
【0059】
2つのインダクタが構造的に連結され、インダクタの同じ端部にそれらのドットを配置さてもよい(図7には示されていない)。2つのインダクタは破壊的に連結され、それらの2つのインダクタの反対端にそれらのドットを配置されてもよい(インダクタ742aおよび742b、およびまたインダクタ762aおよび762bに対して図7に示されたように)。並列インダクタに対する構造的結合(constructive coupling)は、Qを改善し、ノッチ深さを拡張し、拒否を改善することができる。しかしながら、構造的結合は、他のインダクタの磁界を強化し、それが、外部結合に対するより大きい感度を生ずることになることがある。破壊的結合(destructive coupling)は、外部磁界を打ち消し、それが、他のインダクタの結合に対するより少ない感度を生ずることになることがある。図7および8Aに示されている1つのデザインでは、破壊的結合は、外部結合に対する感度を減少させるために各フィルタ・ステージの並列インダクタに使用される。異なるフィルタ・ステージにおけるインダクタ間の結合は、これらのインダクタを十分に遠く離間させることによって減少されうる。
【0060】
図8Bは、図7におけるLNA720内のインダクタ742a、742b、762aおよび762bのデザインを示す。このデザインでは、フィルタ・ステージ740に対するインダクタ742aおよび742bは、スパイラル・インダクタ842aおよび842bでインプリメントされ、この場合、インダクタ842aは時計方向にスパイラルしており、インダクタ842bは反時計方向にスパイラルしている。破壊的結合は、1つのインダクタを1つの方向に回転させかつ他のインダクタを他の方向に回転させることによって達成される。同様に、フィルタ・ステージ760に対するインダクタ762aおよび762bは、スパイラル・インダクタ862aおよび862bでインプリメントされ、この場合、インダクタ862aは時計方向にスパイラルしており、そして、インダクタ862bは反時計方向にスパイラルしている。
【0061】
インダクタ842aおよび842bは、Dの距離だけ離間され、また、インダクタ862aおよび862bも、Dの距離だけ離間されている。インダクタ842aおよび842bは、インダクタ862aおよび862bからのDの距離だけ分離されている。1つのデザインでは、Dは約40マイクロメートル(μm)であり、そして、Dは約200マイクロメートルである。インダクタ間に所望の程度の隔離を達成するためには、他の離間距離も使用されてもよい。隔離を改善するために各インダクタのまわりガード・リングが形成されてもよい。
【0062】
インダクタ842aおよび842bは、それぞれインダクタ742aおよび742bの所望のインダクタンスおよびQを得るように設計されうる。インダクタ862aおよび862bは、それぞれインダクタ762aおよび762bに対する所望のインダクタンスおよびQを得るように設計されてもよい。図2に示されたデザイン基準では、この周波数範囲内で干渉信号の良好な減衰を達成するためには、Qは1.5から2.4GHzまで最大化されてもよい。
【0063】
図8Bには示されていないが、コンデンサ744a、744b、764aおよび764bは、それぞれインダクタ842a、842b、862aおよび862bの内側に形成されてもよい。これらのコンデンサの各々は、オンチップ・コンデンサのICプロセス変化を打ち消す(account for)ために調整されうる可変コンデンサでインプリメントされてもよい。各共振器タンクにおいて、インダクタの内部のコンデンサを配置することは、コンデンサとインダクタの間の距離を短縮でき、それが、寄生インダクタンスおよび抵抗を減少することができる。そのコンデンサは、金属・絶縁体・金属(MiM)デザインでインプリメントされてもよい。循環電流は、インダクタの内側のコンデンサのための金属板上に存在することがあり、そして、インダクタンスを低下することがある。この金属板は、循環電流を減少させるために、より小さな相互に連結されたプレートに分割されてもよい。
【0064】
図1におけるLNA120a、120bおよび/または120cは、所望の信号と潜在的に大きい干渉信号の広範囲の受信電力を扱うために、比較的広い利得範囲(例えば、約50〜60dBの利得範囲)を有してもよい。広い利得範囲をサポートするために、複数の利得モードが使用されてもよく、その場合、各利得モードが全利得範囲の一部をカバーする。例えば、60dBの利得範囲をサポートするために、6つの利得モードが使用されてもよく、その場合、各利得モードは約10dBをカバーする。連続した利得カバレージを提供するために、隣接した利得モードはオーバーラップしてもよい。
【0065】
図9は、複数の利得モードを備えたLNA920a、920bおよび920cのデザインのブロック図を示す。LNA920a、920bおよび920cは、図1のLNA120a、120bおよび120cにそれぞれ使用されてもよい。このデザインでは、LNA920aは、2つの集積フィルタ・ステージを含んでいるが、LNA920bおよび920cは、集積フィルタを含んでいない。一般に、各LNAは、システム要件および/または他の考慮事項に応じて、集積フィルタを含むかもしれないし、含まないかもしれない。
【0066】
図9に示されたデザインでは、LNA920aは、高利得ステージ930a、第1のフィルタ・ステージ940a、第1のバッファ・ステージ950a、第2のフィルタ・ステージ960a、第2のバッファ・ステージ970a、入力プログラム可能減衰器922a、低利得ステージ932aおよびバッファ・ステージ952aを含んでいる。ステージ930a、940aおよび950aは、高利得経路向けである。ステージ922a、932aおよび952aは、低利得経路向けである。ステージ960aおよび970aは、高利得および低利得経路に共通である。
【0067】
LNA920aが有効(enabled)にされると、LNA920aに対する所望の利得に応じて、利得ステージ930aあるいは932aのいずれかが使用されるように選択されてもよい。有効にされると、高利得ステージ930aは、ラインVinpおよびVinmの上の差動LNA入力信号を一定の高い利得で増幅して、第1の増幅された信号を供給する。この増幅された信号は、フィルタ・ステージ940aによってフィルタされ、バッファ・ステージ950aによってバッファされ、そしてフィルタ・ステージ960aに供給される。減衰器922aは、差動LNA入力信号を減衰させ、そしてその減衰された信号を利得ステージ932aに供給する。有効とされると、低い利得ステージ932aは、減衰された信号を一定の低い利得で増幅し、そして、第2の増幅された信号をフィルタ・ステージ960aに供給する。フィルタ・ステージ960aは、それの入力信号をフィルタし、そして、フィルタされた信号を供給する。バッファ・ステージ970aは、フィルタされた信号をバッファし、そして、ラインVoutpおよびVoutm上に差動LNA出力信号を供給する。
【0068】
LNA920bは、入力プログラム可能減衰器922b、低利得ステージ932b、高利得ステージ930b、およびバッファ・ステージ950bおよび952bを含んでいる。LNA920bが有効にされると、LNA920bに対する所望の利得に応じて、利得ステージ930bあるいは932bのいずれかが使用のために選択されてもよい。有効にされると、高利得ステージ930bは、ラインVinp上のLNA入力信号を一定の高い利得で増幅する。バッファ・ステージ950bは、高利得ステージ930bからの増幅された信号をバッファし、そしてラインVoutp上にLNA出力信号を供給する。減衰器922bは、LNA入力信号を減衰させ、そして、減衰された信号を低利得ステージ932bに供給する。有効にされると、低利得ステージ932bは、減衰された信号を一定の低い利得で増幅する。バッファ・ステージ952bは、低い利得ステージ932bからの増幅された信号をバッファし、そしてラインVoutp上にLNA出力信号を供給する。
【0069】
LNA920cは、LNA920bにおける減衰器922b、利得ステージ930ぼよび932b、およびバッファ950bおよび952bと同様の態様で結合されかつ動作される入力プログラム可能減衰器922c、低利得ステージ932c、高利得ステージ930c、またバッファ・ステージ、950cおよび952cを含んでいる。
【0070】
図9はまた、図1における出力ステージ130のデザインを示す。このデザインでは、出力ステージ130は、バラン980および出力プログラム可能減衰器990を含んでいる。バラン990は、ラインVoutpおよびVoutmに結合された2つの入力、および減衰器990に結合された2つの出力を有する。バラン980は、LNA920bおよび920cからの出力信号のシングルエンドー差動変換を行い、そしてまた、バンドパス・フィルタリング(bandpass filtering)を行なってもよい。減衰器990は、バラン980からの信号を減衰させ、そして、出力ステージ130に対して差動出力信号を供給する。出力ステージ130はまた、1つまたは複数の増幅器、バッファ、フィルタ、等を含んでいてもよい。出力ステージ130は、LNA920a、920bおよび920cと共通のLNA部分と見なされてもよい。
【0071】
1つのデザインでは、LNA920a、6つの利得モードおよび約60dBの全利得範囲を有する。高利得ステージ930aおよび出力プログラム可能減衰器990は、約+24〜−6dBの利得範囲をカバーしうる3つの最高利得モードに使用されてもよい。低利得ステージ932aおよび入力プログラム可能減衰器922aは、約−6〜−36dBの利得範囲をカバーしてもよい3つの最低利得モードに使用されてもよい。一般に、LNA 920a、920bおよび920cのそれぞれは、任意の数の利得モードおよび任意の全利得範囲を有してもよい。それら3つのLNAは、同じまたは異なる数の利得モード、および、同じまたは異なる全利得範囲を有してもよい。各LNAでは、電力消費量を低減するために、低利得ステージは、高利得ステージよりも小さい電流でバイアスされてもよい。
【0072】
図9に示されたデザインでは、減衰器922は、大きい干渉信号に対処するために各LNA920の前方で使用されてもよい。各減衰器922は、抵抗ラダー、分圧器回路網、等でインプリメントされてもよい。減衰器922および990および利得ステージ930および932の使用は、各LNA920が広い利得範囲を達成することを可能にする。
【0073】
図9は、複数の利得モードおよび集積フィルタを備えたLNA920aの実例デザインを示す。一般に、LNAは、任意の数の利得ステージ、フィルタ・ステージ、バッファ・ステージ、減衰器、等を含んでもよく、それらは、図9に示された構成とは異なって配列されてもよい。例えば、複数の利得ステージがカスケード結合されてもよく、また、各利得ステージは、選択されない場合には、バイパスされてもよい。LNAはまた、他の回路ブロックを含んでいてもよい。
【0074】
図10は、図9におけるLNA920aのデザインの概略図を示す。LNA920a内では、高利得ステージ930aは、ソースを回路接地に結合され、ゲートをラインVinmおよびVinpに結合され、そしてドレインをフィルタ・ステージ940aの差動入力に結合されたN−FET1032aおよび1032bを含んでいる。アイソレーション・スイッチ1034aおよび1034bは、それぞれ1つの端をN−FET1032aおよび1032bのドレインに結合され、そして他の端を回路接地に結合されている。バッファ・ステージ950aは、ソースをフィルタ・ステージ940aの差動出力に結合され、ゲートでバイアス電圧Vb1を受け取り、そしてドレインをフィルタ・ステージ960aの差動入力に結合されたN−FET1052aおよび1052bを含んでいる。バッファ・ステージ970aは、ソースがフィルタ・ステージ960aの差動出力に結合され、ゲートがバイアス電圧Vb2を受け取り、ドレインがラインVoutpおよびVoutmにそれぞれ結合されるN−FET1072aおよび1072bを含んでいる。
【0075】
低利得ステージ932aは、ソースが回路接地に結合されておりかつゲートが減衰器922aから減衰された信号を受け取るN−FET1036aおよび1036bを含んでいる。アイソレーション・スイッチ1038aおよび1038bは、1つの端がN−FET1036aおよび1036bのドレインにそれぞれ結合され、かつ他の端が回路接地に結合されている。バッファ・ステージ952aは、それらのソースがN−FET1036aおよび1036bのドレインにそれぞれ結合されており、それらのゲートがバイアス電圧Vb3を受け取り、そしてそれらのドレインがフィルタ・ステージ960aの差動入力に結合されているN−FET1054aおよび1054bを含んでいる。
【0076】
フィルタ・ステージ940aおよび960aは、例えば、図6または7に示されているように、共振器タンクおよび2つの分路コンデンサのうちの1つでそれぞれインプリメントされてもよい。コンデンサ1074aおよび1074bは、それぞれラインVoutpおよびVoutmと回路接地の間で連結される。1074aおよび1074bおよびバランの980は、DVB−Hにたいしてフィルタリング(filtering)を提供してもよい。
【0077】
低利得モードがLNA920aに対して選択されると、低利得ステージ932aにおけるN−FET1036aおよび1036bおよびバッファ・ステージ952aにおけるN−FET1054aおよび1054bがオンされる。アイソレーション・スイッチ1038aおよび1038bは、低利得ステージ932aを動作させるために開かれてもよい。高利得ステージ930aにおけるN−FET1032aおよび1032bおよびバッファ・ステージ950aにおけるN−FET1052aおよび1052bはオフされてもよい。しかし、N−FET1032aおよび1032bの寄生ゲート・ドレイン間キャパシタンスCgdおよびN−FET1052aおよび1052bの寄生ソース・ドレイン間キャパシタンスCdsを通じての漏洩経路が存在するかもしれない。アイソレーション・スイッチ1034aおよび1034bは、回路接地への漏洩信号を遮断(short out)し、そして高利得ステージ930aからの良好なアイソレーションを提供するために閉じられてもよい。
【0078】
高利得モードが選択されると、高利得ステージ930aおよびバッファ・ステージ950aにおけるN−FETsはオンされてもよく、また、低利得ステージ932aおよびバッファ・ステージ952aにおけるN−FETsはオフされてもよい。低利得ステージ932aからの良好なアイソレーションを提供するために、アイソレーション・スイッチ1034aお9よび1034bは開かれてもよく、そして、アイソレーション・スイッチ1038aおよび1038bは閉じられてもよい。低利得ステージ932aおよびバッファ・ステージ952aにおけるN−FETsをオフさせることが高い利得モードにおいて十分なアイソレーションを提供できるならば、アイソレーション・スイッチ1038aおよび1038bは省略されてもよい。
【0079】
一般に、集積フィルタを備えた増幅器は、利得ステージおよびフィルタ・ステージを含んでいてもよい。利得ステージは、入力信号に対して信号増幅を提供してもよい。フィルタ・ステージは、利得ステージに結合されてもよく、また、干渉/不所望信号を減衰させるために入力信号に対してフィルタリングを提供してもよい。増幅器は、フィルタ・ステージに結合されたバッファ・ステージをさらに含んでもよい。バッファ・ステージは、フィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファしてもよい。例えば、図4A、4Bおよび6に示されているように、利得ステージ、フィルタ・ステージおよびバッファ・ステージは、電源と回路接地の間に結合されかつスタック(stacked)されてもよい。
【0080】
増幅器は、第2のフィルタ・ステージおよび第2のバッファ・ステージをさらに含んでもよい。第2のフィルタ・ステージは、バッファ・ステージに結合されてもよく、また、干渉信号をさらに減衰させるために入力信号に対して付加的なフィルタリングを提供してもよい。第2のバッファ・ステージは、第2のフィルタ・ステージに結合されてもよく、また、第2のフィルタ・ステージからの第2のフィルタされた信号をバッファしてもよい。例えば、図5および7に示されるように、それらのステージはすべて電源電圧と回路接地の間に結合されかつスタックされてもよい。
【0081】
フィルタ・ステージは、楕円ローパスフィルタ(elliptical lowpass filter)またはある他のタイプのフィルタをインプリメントしてもよい。各フィルタ・ステージは、共振器タンクを形成するために並列に結合されうるインダクタおよびコンデンサを含んでいてもよい。その共振器タンクは、所望の信号を通過させ、そして、共振周波数の近くの干渉信号を減衰させてもよい。増幅器は、特定の周波数(例えば1.8GHz)において最大の信号減衰基準を有していてもよく、また、共振器タンクは、この周波数の近くでノッチを提供してもよい。各フィルタ・ステージは、インダクタの1つの端(または各端)に結合された分路コンデンサをさらに含んでもよい。各分路コンデンサは、高い周波数において低いインピーダンス経路を形成してもよい。
【0082】
差動デザインの場合には、1つの共振器タンクは、利得ステージの反転出力に結合されてもよく、そして、他の共振器タンクは、利得ステージの非反転出力に結合されてもよい。2つの共振器タンクの1つの端(または各端)の間にコンデンサが結合されてもよい。それら2つの共振器タンクにおけるインダクタは、破壊的結合を達成するように形成されてもよい。例えば、1つのインダクタは、時計方向における第1のスパイラル・インダクタでインプリメントされてもよく、そして、他のインダクタは、反時計方向における第2のスパイラル・インダクタでインプリメントされてもよい。
【0083】
集積フィルタを備えた増幅器は、LNAまたはある他のタイプの増幅器であってもよい。入力信号は、DVB−H、ISDB−T、MediaFLO(登録商標)、等に対するブロードキャスト信号であってもよい。入力信号はまた、CDMA2000、UMTS、GSM(登録商標)、等のような無線通信システムに対するものであってもよい。
【0084】
集積フィルタを備えた増幅器(例えば、LNA)はまた、複数の利得経路を有していてもよい。第1の利得パスは、第1の利得ステージ、第1のフィルタ・ステージおよび第1のバッファ・ステージを含んでいてもよい。第1の利得ステージは、入力信号に対して信号増幅(例えば、高利得)を提供してもよく、そして、有効にされると、第1の増幅された信号を出力してもよい。第1のフィルタ・ステージは、第1の利得ステージに結合されてもよく、また、第1の増幅された信号に対してフィルタリングを提供してもよい。第1のバッファ・ステージは、第1のフィルタ・ステージに結合されてもよく、そして、第1のフィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファしてもよい。第1の利得ステージは、第1の利得ステージの内部ノードとAC接地の間に結合されて、無効になったときに、第1の利得ステージを分離させるために使用される1つまたは複数のスイッチを含んでいてもよい。
【0085】
第2の利得パスは、第2の利得ステージおよび第2のバッファ・ステージを含んでいてもよい。
【0086】
第2の利得ステージは、入力信号に対して信号増幅(例えば、低利得)を提供してもよく、また、有効になったときに、第2の増幅された信号を出力してもよい。第2のバッファ・ステージは、第2の利得ステージに結合されてもよく、また、第2の増幅された信号をバッファしてもよい。第2の利得パスは、入力信号を減衰させかつ減衰された信号を第2の利得ステージに提供してもよい減衰器をさらに含んでもよい。
【0087】
増幅器は、第2のフィルタ・ステージおよび第3のバッファ・ステージをさらに含んでもよい。第2のフィルタ・ステージは、第1および第2バッファ・ステージに結合されてもよく、そして、第1のまたは第2増幅された信号に対してフィルタリングを提供してもよい。第3のバッファ・ステージは、第2のフィルタ・ステージに結合されてもよく、そして、第2のフィルタ・ステージからの第2のフィルタされた信号をバッファしてもよい。
【0088】
集積フィルタを備えた増幅器の種々のデザインが上記に記述された。増幅器は、通信、ネットワーキング、計算、家電、等のような種々の用途に使用されてもよい。増幅器は、ブロードキャスト受信機、携帯電話、PDA、ワイヤレス装置、ハンドヘルド装置、無線モデム、ラップトップ・コンピュータ、コードレスホン等のために使用されてもよい。増幅器はまた、CDMA2000システム、広帯域CDMA(W−CDMA)システム、GSM(登録商標)システム、WLAN、ブロードキャスト・システムなどのような種々の通信システムに使用されてもよい。増幅器はまた、ブルートゥース(登録商標)・デバイス、全地球測位システム(GPS)受信機、等に使用されてもよい。
【0089】
ここに記述された集積フィルタを備えた増幅器は、IC、RFIC、混合信号IC、ASIC、プリント基板(PCB)、電子装置、等内でインプリメントされてもよい。増幅器はまた、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、N−チャネルMOS(N−MOS)、P−チャネルMOS(P−MOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、ケイ素ゲルマニウム(SiGe)、ガリウムアルセニド(GaAs)、等のような種々のICプロセス技術で製造されてもよい。
【0090】
ここに記述された集積フィルタを備えた増幅器をインプリメントする装置はスタンド・アロンのデバイスであってもよく、またはより大きい装置の一部であってもよい。装置は、(i)スタンド・アロンのIC、(ii)データおよび/または命令を格納するためのメモリICを含んでもよい1つのセットの1つまたは複数のIC、(iii)RF受信機(RFR)あるいはRF送信機/受信機(RTR)のようなRFIC、(iv)移動局モデム(MSM)のようなASIC、(v)他の装置内に組み込まれてもよいモジュール、(vi)受信機、携帯電話、ワイヤレス装置、送受話器、またはモバイル装置、(vii)等であってもよい。
【0091】
本開示の前記記述は、本開示を当業者が実施または使用でくるようにするために提供された。本開示に対する種々の修正は、当業者に容易に明白になるであろう、また、ここに定義された総括的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなしに、他の変更に適用されてもよい。したがって、本開示は、ここに記述された事例およびデザインに限定されることを意図されておらず、ここに開示された原理および新規な特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきものである。
【0092】
本特許出願は、両方とも本譲受人に譲渡されかつ参照によってここに明示的に組み込まれた2007年2月23日に提出された「広帯域増幅器のための集積インターステージ帯域外干渉拒否フィルタ」(NTEGRATED INTER-STAGE OUT-OF-BAND INTERFERER REJECTION FILTER FOR WIDEBAND AMPLIFIER)というタイトルの仮出願第60/891258号および2007年3月30日に提出された「広帯域増幅器のための集積インターステージ帯域外干渉拒否フィルタ」(NTEGRATED INTER-STAGE OUT-OF-BAND INTERFERER REJECTION FILTER FOR WIDEBAND AMPLIFIER)というタイトルの仮出願第60/909406号に対する優先権を主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を受け取りかつ出力信号を供給するように構成された増幅器を備え、前記増幅器は、
前記入力信号に対して信号増幅を提供するように構成された利得ステージと、
前記利得ステージに結合されかつ前記入力信号に対してフィルタリングを提供するように構成されたフィルタ・ステージと、
を備える集積回路。
【請求項2】
前記増幅器は、前記フィルタ・ステージに結合されかつ前記フィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファするように構成されたバッファ・ステージをさらに備える請求項1の集積回路。
【請求項3】
前記利得ステージ、前記フィルタ・ステージ、および前記バッファ・ステージは、電源電圧と回路接地の間に結合されかつスタックされる請求項2の集積回路。
【請求項4】
前記増幅器は、前記バッファ・ステージに結合されかつ前記入力信号に対して追加のフィルタリングを提供するように構成された第2のフィルタ・ステージを備える請求項2の集積回路。
【請求項5】
前記フィルタ・ステージおよび前記第2のフィルタ・ステージは楕円ローパス・フィルタを形成する請求項4の集積回路。
【請求項6】
前記増幅器は、前記第2のフィルタ・ステージに結合されかつ前記第2のフィルタ・ステージからの第2のフィルタされた信号をバッファするように構成された第2のバッファ・ステージをさらに備える請求項4の集積回路。
【請求項7】
前記利得ステージ、前記フィルタ・ステージ、前記バッファ・ステージ、前記第2のフィルタ・ステージ、および前記第2のバッファ・ステージは、電源電圧と回路接地の間に結合されかつスタックされる請求項6の集積回路。
【請求項8】
前記利得ステージは、前記入力信号を増幅しかつ前記フィルタ・ステージを駆動するように構成されたトランジスタを備える請求項1の集積回路。
【請求項9】
前記フィルタ・ステージは、
前記利得ステージの出力に結合されたインタクダと、
前記インダクタと並列に結合された第1のコンデンサとを備え、前記インダクタおよび前記第1のコンデンサは、所望の信号を通過させかつ共振器タンクの共振周波数の近くで干渉信号を減衰させるための共振器タンクを形成する請求項1の集積回路。
【請求項10】
前記フィルタ・ステージは、
前記インダクタの第1の端に結合されかつ高い周波数において低インピーダンス経路を形成する第2のコンデンサをさらに備える請求項9の集積回路。
【請求項11】
前記フィルタ・ステージは、
前記インダクタの第2の端に結合されかつ高い周波数において第2の低インピーダンス経路を形成する請求項10の集積回路。
【請求項12】
前記増幅器は、特定の周波数において最大の信号減衰基準を有し、かつ前記共振器タンクは前記特定の周波数の近くでノッチを提供する請求項9の集積回路。
【請求項13】
前記利得ステージは、反転出力および非反転出力を提供するように構成され、かつ前記フィルタ・ステージは、
並列にかつ前記利得ステージの前記反転出力に結合された第1のインダクタおよび第1のコンデンサと、
並列にかつ前記利得ステージの前記非反転出力に結合された第2のインダクタおよび第2のコンデンサと、
を備える請求項1の集積回路。
【請求項14】
前記フィルタ・ステージは、
前記利得ステージの前記反転および非反転出力の間に結合された第3のコンデンサをさらに備える請求項13の集積回路。
【請求項15】
前記第1および第2のインダクタは、破壊的結合を達成するように形成される請求項13の集積回路。
【請求項16】
前記第1のインダクタは、時計方向の第1のスパイラル・インダクタでインプリメントされ、かつ前記第2のインダクタは、反時計方向の第2のスパイラル・インダクタでインプリメントされる請求項13の集積回路。
【請求項17】
前記利得ステージは、ハンドヘルド用デジタル・ビデオ放送(DVB−H)、地上波テレビ放送用統合サービス・デジタル放送(ISDB−T)、またはMedialFLO(登録商標)のためのブロードキャスト信号を増幅するように構成される請求項1の集積回路。
【請求項18】
入力信号を受け取りかつ出力信号を供給するように構成された増幅器を備え、前記増幅器は、
前記入力信号に対して信号増幅を提供するように構成された利得ステージと、
前記利得ステージに結合されかつ前記入力信号に対してフィルタリングを提供するように構成されたフィルタ・ステージと、
を備える装置。
【請求項19】
前記増幅器は、
前記フィルタ・ステージに結合されかつ前記フィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファするように構成されたバッファ・ステージをさらに備える請求項18の装置。
【請求項20】
前記利得ステージ、前記フィルタ・ステージ、および前記バッファ・ステージは、電源電圧と回路接地との間に結合されかつスタックされる請求項19の装置。
【請求項21】
有効にされたときに入力信号に対して信号増幅を提供しかつ第1の増幅された信号を出力するように構成された利得ステージと、
前記第1の利得ステージに結合されかつ前記第1の増幅された信号に対してフィルタリングを提供するように構成された第1のフィルタ・ステージと、
前記入力信号に対して信号増幅を提供しかつ有効にされたときに第2の増幅された信号を出力するように構成された第2の利得ステージと、
を備える装置。
【請求項22】
前記第1の利得ステージは第1の利得を提供しかつ前記第2の利得ステージは前記第1の利得より小さい第2の利得を提供する請求項21の装置。
【請求項23】
前記第1のフィルタ・ステージに結合されかつ前記第1のフィルタ・ステージからのフィルタされた信号をバッファするように構成された第1のバッファ・ステージと、
前記第2の利得ステージに結合されかつ前記第2の増幅された信号をバッファするように構成された第2のバッファ・ステージと、
をさらに備える請求項21の装置。
【請求項24】
前記第1および第2のバッファ・ステージに結合されかつ前記第1または第2の増幅された信号に対してフィルタリングを提供するように構成された第2のフィルタ・ステージをさらに備える請求項23の装置。
【請求項25】
前記第2のフィルタ・ステージに結合されかつ前記第2のフィルタ・ステージからの第2のフィルタされた信号をバッファするように構成された第3のバッファ・ステージをさらに備える請求項24の装置。
【請求項26】
前記入力信号を受け取りかつ減衰された信号を供給するように構成された減衰器をさらに備え、ここにおいて前記第2の利得ステージは、有効にされたときに前記減衰された信号を増幅しかつ前記第2の増幅された信号を出力するように構成される請求項21の装置。
【請求項27】
前記第1および第2の利得ステージおよび前記第1のフィルタ・ステージは低雑音増幅器(LNA)を形成する請求項21の装置。
【請求項28】
前記第1の利得ステージは、
前記第1の利得ステージの内部ノードと交流(AC)接地との間に結合されかつ無効にされたときに前記第1の利得ステージを隔離するように構成された少なくとも1つのスイッチを備える請求項21の装置。
【請求項29】
前記第1および第2の利得ステージおよび前記第1のフィルタ・ステージは、差動回路でインプリメントされる請求項21の装置。
【請求項30】
増幅された信号を得るために入力信号を利得ステージで増幅すること、
およびフィルタされた信号を得るために前記増幅された信号をフィルタ・ステージでフィルタすることを備え、前記利得ステージおよび前記フィルタ・ステージは集積フィルタを備える増幅器の一部である方法。
【請求項31】
バッファされた信号を得るために前記フィルタされた信号をバッファ・ステージでバッファすることをさらに備え、前記バッファ・ステージは前記集積フィルタを備えた増幅器の一部である請求項30の方法。
【請求項32】
増幅された信号を得るために入力信号を増幅するための手段と、
フィルタされた信号を得るために前記増幅された信号をフィルタするための手段とを備え、前記フィルタするための手段は、集積フィルタを備えた増幅器の一部である装置。
【請求項33】
バッファされた信号を得るために前記フィルタされた信号をバッファするための手段をさらに備え、前記バッファするための手段は前記集積フィルタを備えた増幅器の一部である請求項32の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−151864(P2012−151864A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−43259(P2012−43259)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【分割の表示】特願2009−550993(P2009−550993)の分割
【原出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】