説明

離隔層を備えた電気機械デバイス

固定反射体と電極との間に配置された離隔層を備えた干渉型変調器デバイスが提供される。離隔層が、可動反射体と電極との間の短絡を防ぎ、フィルタリングキャビティを提供し、彩度が改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電気機械システム(MEMS)は、機械素子、アクチュエータおよび電子機器を含む。
【背景技術】
【0002】
機械素子は、堆積、エッチング、及び/又は、基板及び/又は堆積された材料層の部分をエッチング除去するか、又は電気デバイスおよび電気機械デバイスを形成するために層を追加する他の機械加工プロセスを使用して作られてもよい。一種のMEMSデバイスは、干渉型変調器と呼ばれる。本明細書で使用されるように、干渉型変調器または干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して、光を選択的に吸収する及び/又は反射するデバイスを指す。ある実施形態では、干渉型変調器は、一対の導電性板を備えてもよく、導電性板の一方または両方は、全体的にまたは部分的に透過型及び/又は反射型であり、適切な電気信号の印加によって相対運動が可能であってよい。特定の実施形態では、一方の板は、基板上に堆積された固定層を備えてもよく、他の板は、空隙によって固定層から分離された金属膜を備えてもよい。本明細書でより詳細に述べるように、一方の板の別の板に対する位置は、干渉型変調器に入射する光の光学干渉を変化させることが出来る。こうしたデバイスは、広い範囲の用途を有し、また、既存の製品を改良し、未だ開発されていない新しい製品を作るときにそれらの特徴が活用され得るように、これらのタイプのデバイスの特性を利用し及び/又は修正することが、当技術分野で有利となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ある実施形態では、デバイスが、電極、固定反射体、導電性材料を含む可動反射体を備え、干渉型変調キャビティが、可動反射体と固定反射体との間に画定され、可動反射体が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動することが可能である。また、このデバイスが、固定反射体と電極との間に位置した離隔層を備え、この離隔層が、フィルタリングキャビティを提供する。
【0004】
ある実施形態では、デバイスが、電極、固定反射体、導電性材料を含む可動反射体を備え、干渉型変調キャビティが、可動反射体と固定反射体との間に画定され、可動反射体が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動することが可能である。また、このデバイスが、固定反射体と電極との間に位置した離隔層を備え、この離隔層が、デバイスの断面図において、160nm以上の厚さを有する。
【0005】
ある実施形態では、デバイスが、電極、光を反射するための第一固定手段、光を反射するための第二可動手段を備える。第二反射手段が、導電性材料を含み、干渉型変調キャビティが、第一反射手段と第二反射手段との間に画定される。第二反射手段が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動することが可能である。また、このデバイスが、第一反射手段と電極との離隔手段を備え、この離隔手段が、フィルタリングキャビティを提供する。
【0006】
ある実施形態では、光変調デバイスを製造する方法が、電極を形成するステップと、離隔層を形成するステップと、固定反射体を形成するステップと、導電性材料を含む可動反射体を形成するステップとを含む。干渉型変調キャビティが、可動反射体と固定反射体との間に画定される。可動反射体が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動することが可能である。離隔層が、フィルタリングキャビティを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1干渉型変調器の可動反射層が緩和位置にあり、第2干渉型変調器の可動反射層が作動位置にある、干渉型変調器ディスプレイの一実施形態の一部分を示す等角図である。
【図2】3×3干渉型変調器ディスプレイを組込む電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉型変調器の1つの例示的な実施形態についての、可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉型変調器ディスプレイを駆動するのに使用されてもよい行電圧および列電圧の組の図である。
【図5A】図2の3×3干渉型変調器ディスプレイ内の表示データの1つの例示的なフレームを示す。
【図5B】図5Aのフレームを書込むのに使用されてもよい行信号および列信号についての、1つの例示的なタイミング図を示す。
【図6A】複数の干渉型変調器を備える視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉型変調器を備える視覚ディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】干渉型変調器の代替の実施形態の断面図である。
【図7C】干渉型変調器の別の代替の実施形態の断面図である。
【図7D】干渉型変調器のさらに別の代替の実施形態の断面図である。
【図7E】干渉型変調器のさらなる代替の実施形態の断面図である。
【図8】多状態(multi−state)干渉型変調器の概略的な側断面図である。
【図9】離隔層を備えた多状態干渉型変調器の概略的な側断面図である。
【図10】異なる離隔層を備えた、赤、緑及び青の3状態(tri−state)干渉型変調器の概略的な側断面図である。
【図11】赤の3状態変調器に対する反射スペクトルの例を示す。
【図12】異なる離隔層を備えた、赤、緑及び青の3状態変調器に対する結合されたモデル化反射スペクトルの例を示す。
【図13】CTE1976図における図12において知覚される赤、緑及び青色の位置を示す。
【図14】3−ビット設計のディスプレイに対する結合された反射スペクトルの例を示す。
【図15】CTE1976図における図14において知覚される赤、緑及び青色の位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態を対象とする。しかしながら、本発明は、複数の異なる方法で具現化されることが可能である。本説明では、同じ部品が全体を通して同じ参照符号で指定される図面を参照する。以下の説明から明らかになるように、実施形態は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、また、テキストであろうと、図であろうと、画像を表示するよう構成されている任意のデバイスにおいて実施されてもよい。より詳細には、実施形態は、限定はしないが、移動体電話、無線デバイス、携帯情報端末(PDAs)、手持ち式またはポータブルコンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、クロック、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(たとえば、車両のリアビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたはサイン、投影器、建築構造、パッケージングおよび美的構造(たとえば、1個の宝石上への画像の表示)などの種々の電子デバイス内で、または、それに関連して実施されてもよいことが意図される。本明細書で述べる構造と類似の構造のMEMSデバイスはまた、電子スイッチングデバイスなどの非ディスプレイ用途で使用されることも可能である。
【0009】
一実施形態は、高コントラスト比(CR)及び広い色域(gamut)を有する3状態干渉型変調デバイスを適応するディスプレイを含む。このような3状態干渉型変調デバイスにおいて、離隔層が、可動反射体と電極との間の短絡に対する優れた保護を提供する。一実施形態において、離隔層が、光周波数の範囲にわたって強い(saturated)光を提供すると考えられている第二干渉型変調キャビティを画定する。結果として、ディスプレイの色域が強化される。
【0010】
干渉型MEMSディスプレイ素子を備える1つの干渉型変調器ディスプレイの実施形態が、図1に示される。これらのデバイスでは、ピクセルは、明るい状態かまたは暗い状態にある。明るい(「オン」または「オープン」)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗い(「オフ」または「クローズ」)状態にあるとき、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に応じて、「オン」状態および「オフ」状態の光反射特性が逆になってもよい。MEMSピクセルは、選択されたカラーにおいて主として反射するよう構成することができ、白黒ディスプレイに加えてカラーディスプレイを可能にする。
【0011】
図1は、各ピクセルがMEMS干渉型変調器を備える視覚ディスプレイの一連のピクセル内の2つの隣接ピクセルを示す等角図である。いくつかの実施形態では、干渉型変調器ディスプレイは、これらの干渉型変調器の行/列アレイを備える。各干渉型変調器は、少なくとも1つの可変寸法を有する共振光ギャップを形成するために、互いから可変でかつ制御可能な距離に配置された一対の反射層を含む。一実施形態では、反射層の一方は、2つの位置の間で移動してもよい。本明細書で緩和位置と呼ばれる第1位置では、可動反射層は、固定された部分反射層から比較的遠い距離に配置される。本明細書で作動位置と呼ばれる第2位置では、可動反射層は、部分反射層にさらに密接に隣接して配置される。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて建設的にまたは破壊的に干渉し、各ピクセルについて全体的な反射状態または非反射状態を生成する。
【0012】
図1のピクセルアレイの示す部分は、2つの隣接する干渉型変調器12aおよび12bを含む(まとめて干渉型変調器12と呼ばれる)。左の干渉型変調器12aでは、可動反射層14aは、部分反射層を含む光学積層体16aから所定距離の緩和位置に示される。右の干渉型変調器12bでは、可動反射層14bは、光学積層体16bに隣接する作動位置に示される。
【0013】
本明細書で参照される、光学積層体16aおよび16b(あわせて光学積層体16と呼ばれる)は、通常、いくつかの融合層を備え、融合層は、酸化インジウム錫(ITO)などの電極層、クロムなどの部分反射層および透明誘電体を含むことが出来る。そのため、光学積層体16は、導電性があり、部分的に透明であり、部分的に反射型であり、たとえば上記層の1つまたは複数を透明基板20上に堆積することによって作製されてもよい。部分反射層は、種々の金属、半導体および誘電体などの部分的に反射型である種々の材料から形成されることが出来る。部分反射層は、1つまたは複数の材料層で形成され、層はそれぞれ、単一材料または材料の組合せで形成されることが出来る。
【0014】
いくつかの実施形態では、光学積層体16の層は、平行ストリップにパターニングされ、以下でさらに述べるように、ディスプレイデバイス内に行電極を形成してもよい。可動反射層14a、14bは、ポスト18の上部およびポスト18間に堆積される介在する犠牲材料上に堆積される(16a、16bの行電極に垂直な)1つまたは複数の堆積金属層の一連の平行ストリップとして形成されてもよい。犠牲材料がエッチング除去されると、可動反射層14a、14bは、画定されたギャップ19によって光学積層体16a、16bから分離される。アルミニウムなどの導電性が高くかつ反射性が大きい材料が、反射層14のために使用され、これらのストリップは、ディスプレイデバイスの列電極を形成してもよい。
【0015】
電圧が印加されない場合、ギャップ19は、可動反射層14aと光学積層体16aとの間に留まり、そのとき、可動反射層14aは、図1のピクセル12aで示すように、機械的に緩和状態にある。しかし、選択された行および列に電位差が印加されると、対応するピクセルの行電極と列電極の交差部に形成されたキャパシタが充電され、静電力が電極を引寄せあう。電圧が十分に高い場合、可動反射層14は、変形し、光学積層体16に押しつけられる。光学積層体16内の誘電性層(この図では示さず)は、短絡を防止し、図1の右のピクセル12bで示すように、層14と16との間の分離距離を制御してもよい。挙動は、印加される電位差の極性によらず同じである。こうして、反射ピクセル状態対非反射ピクセル状態を制御することが出来る行/列作動は、従来のLCDおよび他のディスプレイ技術で使用される行/列作動と多くの点で類似する。
【0016】
図2〜5Bは、ディスプレイ用途において干渉型変調器のアレイを使用する1つの例示的なプロセスおよびシステムを示す。
【0017】
図2は、本発明の態様を組込みうる電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。例示的な実施形態では、電子デバイスは、プロセッサ21を含み、プロセッサ21は、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium Pro(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)若しくはALPHA(登録商標)などの任意の汎用シングルチップ若しくはマルチチップマイクロプロセッサ、又は、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ若しくはプログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサであってよい。当技術分野で慣例であるように、プロセッサ21は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するよう構成されてもよい。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、emailプログラムまたは任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するよう構成されてもよい。
【0018】
一実施形態では、プロセッサ21はまた、アレイドライバ22と通信するよう構成される。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイまたはパネル30に信号を供給する行駆動回路24および列駆動回路26を含む。図1に示すアレイの断面は、図2のライン1−1によって示される。MEMS干渉型変調器の場合、行/列作動プロトコルは、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用してもよい。これは、可動層が緩和状態から作動状態に変形するようにさせるために、たとえば10ボルト電位差を必要としうる。しかし、電圧がその値から減少すると、電圧が10ボルト未満に戻るため、可動層はその状態を維持する。図3の例示的な実施形態では、可動層は、電圧が2ボルト未満に低下するまで、完全には緩和しない。そのため、図3に示す実施例では、デバイスが、その中で緩和状態または作動状態で安定である、印加電圧のウィンドウ、約3〜7Vが存在する。これは、本明細書では、「ヒステリシスウィンドウ(hysteresis window)」または「安定性ウィンドウ(stability window)」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合、行/列作動プロトコルは、行ストローブ中に、作動されるはずのストローブされた行のピクセルが、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるはずのピクセルが、ゼロボルトに近い電圧差にさらされるように設計され得る。ストローブ後、行ストローブがピクセルをどの状態に置こうともその状態にピクセルが留まるように、ピクセルは、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされる。書込まれた後、各ピクセルは、この実施例では、3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を受ける。この特徴は、前もって存在する作動または緩和の状態における同じ印加電圧条件下で、図1に示すピクセルデザインを安定にさせる。干渉型変調器の各ピクセルが、作動状態であれ、緩和状態であれ、本質的に固定反射層と移動反射層によって形成されるキャパシタであるため、この安定状態は、電力消費がほとんど全くない状態で、ヒステリシスウィンドウ内の電圧に保持されることが出来る。本質的に、印加電位が一定である場合、電流はピクセル内に流れない。
【0019】
通常の用途では、ディスプレイフレームは、第1行内の作動ピクセルの所望の組に従って列電極の組をアサートすることによって作られてもよい。行パルスが、次に、行1電極に印加され、アサートされた列線に相当するピクセルを作動する。列電極のアサートされたセットは、次に、第2行内の作動ピクセルの所望の組に対応するように変更される。パルスは、次に、行2電極に印加され、アサートされた列電極に従って行2の適切なピクセルを作動する。行1のピクセルは、行2パルスによって影響を受けず、行1パルス中にセットされた状態のまま留まる。これは、フレームを生成するために、逐次方式で行の全シリーズについて繰返されてもよい。一般に、フレームは、1秒当たりある所望のフレーム数でこのプロセスを連続して繰返すことによって、リフレッシュされ及び/又は新しいディスプレイデータで更新される。ディスプレイフレームを生成するための、ピクセルアレイの行および列電極を駆動するいろいろなプロトコルが、同様によく知られており、また、本発明と関連して使用されてもよい。
【0020】
図4、5A、および5Bは、図2の3×3アレイ上にディスプレイフレームを作るための1つの可能な作動プロトコルを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルについて使用されてもよい列および行電圧レベルの可能な組を示す。図4の実施形態では、ピクセルを作動させることは、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を+ΔVにセットすることを含み、両者は、それぞれ、−5ボルトおよび+5ボルトに相当してもよい。ピクセルを緩和させることは、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を同じ+ΔVにセットすることによって達成され、ピクセルにわたるゼロボルト電位差を生成する。行電圧がゼロボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vバイアスであるか、または、−Vバイアスであるかによらず、ピクセルは、ピクセルが元々どの状態にあってもその状態で安定である。図4に同様に示すように、上述した電圧と逆極性の電圧が使用されることが出来、たとえば、ピクセルを作動させることが、適切な列を+Vバイアスに、適切な行を−ΔVにセットすることを含むことが可能であることが理解されるであろう。この実施形態では、ピクセルをリリースすることは、適切な列を−Vバイアスに、適切な行を同じ−ΔVにセットし、ピクセルにわたってゼロボルト電位差を生成することによって達成される。
【0021】
図5Bは、作動ピクセルが非反射型である図5Aに示すディスプレイ配置をもたらすことになる図2の3×3アレイに印加される一連の行および列信号を示すタイミング図である。図5Aに示すフレームを書込む前に、ピクセルは、任意の状態であることが可能であり、この実施例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧によって、全てのピクセルが、既存の作動状態または緩和状態で安定である。
【0022】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)および(3,3)が作動される。これを達成するために、行1用の「ラインタイム(line time)」中に、列1および2が−5Vにセットされ、列3が+5ボルトにセットされる。これは、全てのピクセルが3〜7ボルト安定性ウィンドウ内に留まるため、いずれのピクセルの状態も変更しない。行1は、次に、0ボルトから5ボルトまで上がり、再びゼロに戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)および(1,2)ピクセルを作動し、(1,3)ピクセルを緩和させる。アレイ内の他のピクセルは影響を受けない。行2を所望の状態にセットするために、列2が−5Vにセットされ、列1および3が+5ボルトにセットされる。次に、行2に印加される同じストローブが、ピクセル(2,2)を作動し、ピクセル(2,1)およびピクセル(2,3)を緩和させることになる。やはり、アレイの他のピクセルは影響を受けない。行3は、列2および3を−5Vにセットし、列1を+5ボルトにセットすることによって同様にセットされる。行3ストローブは、図5Aに示すように行3のピクセルをセットする。フレームに書込んだ後、行電位はゼロであり、列電位は+5ボルトまたは−5ボルトに留まることができ、ディスプレイは、そのため、図5Aの配置において安定である。同じ手順が、何十または何百もの行および列のアレイについて使用され得ることが理解されるであろう。行および列作動を実施するのに使用されるタイミング、シーケンスおよび電圧レベルは、先に概説した一般的な原理内で幅広く変わることができ、上記例は例示に過ぎず、本明細書で述べるシステムおよび方法に関して任意の作動電圧法が使用されることが可能であることも理解されるであろう。
【0023】
図6Aおよび6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、携帯電話または移動体電話であることが可能である。しかし、ディスプレイデバイス40の同じコンポーネントまたはそのわずかの変形体もまた、テレビおよび可搬型メディアプレーヤなどの種々のタイプのディスプレイデバイスの実例となる。
【0024】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力装置48およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、一般に、射出成形および真空成形を含む、当業者によく知られている種々の製造プロセスの任意のプロセスから形成される。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミックまたはその組合せを含む種々の材料の任意の材料から作られてもよい。一実施形態では、ハウジング41は、異なるカラーの他の取外し可能部分と交換されてもよい、または、異なるロゴ、絵またはシンボルを含む取外し可能部分(図示せず)を含む。
【0025】
例示的なディスプレイデバイス40のディプレイ30は、本明細書で述べるように、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイの任意のディスプレイであってよい。他の実施形態では、ディプレイ30は、上述したように、プラズマ、EL、OLED、STN LCD若しくはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、又は、当業者によく知られているように、CRT若しくは他の真空管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を説明する目的で、ディプレイ30は、本明細書で述べるように、干渉型変調器ディスプレイを含む。
【0026】
例示的なディスプレイデバイス40の一実施形態のコンポーネントは、図6Bに概略的に示される。図示された例示的なディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、また、ハウジング41内に少なくとも部分的に閉囲されるさらなるコンポーネントを含むことが可能である。たとえば、一実施形態では、例示的なディスプレイデバイス40は、送受信機47に結合されるアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含む。送受信機47は、調整用ハードウェア52に接続されるプロセッサ21に接続される。調整用ハードウェア52は、信号を調節する(たとえば、信号をフィルタリングする)ように構成されてもよい。調整用ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21はまた、入力装置48およびドライバコントローラ29に接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合され、順に、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合される。電力供給装置50は、特定の例示的なディスプレイデバイス40の設計による要求に応じて全てのコンポーネントに電力を供給する。
【0027】
ネットワークインタフェース27は、アンテナ43および送受信機47を含むため、例示的なディスプレイデバイス40は、ネットワークを通じて1つまたは複数のデバイスと通信することが出来る。一実施形態では、ネットワークインタフェース27はまた、プロセッサ21の要求を軽減するためのある程度の処理能力を有してもよい。アンテナ43は、信号を送受信するための当業者に知られている任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)または(g)を含むIEEE 802.11規格に従ってRF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合、アンテナは、CDMA信号、GSM信号、AMPS信号、または無線携帯電話ネットワーク内で通信するのに使用される他の周知の信号を受信するよう設計される。送受信機47は、アンテナ43から受信される信号が、プロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作されるように、信号を前処理する。送受信機47はまた、プロセッサ21から受信される信号が、アンテナ43を介して例示的なディスプレイデバイス40から送信されうるように、信号を処理する。
【0028】
代替の実施形態では、送受信機47は受信機で置換されることが可能である。なお別の代替の実施形態では、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に送出される画像データを格納するかまたは生成することが可能である画像源で置換されることが可能である。たとえば、画像源は、画像データを収容するデジタルビデオディスク(DVD)若しくはハードディスクドライブ又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることが可能である。
【0029】
プロセッサ21は、一般に、例示的なディスプレイデバイス40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインタフェース27または画像源から圧縮画像データなどのデータを受信し、データを処理して、未処理画像データに、または、未処理画像データになるように容易に処理されるフォーマットにする。プロセッサ21は、次に、処理済みデータを、ドライバコントローラ29にまたは格納のためにフレームバッファ28に送出する。未処理データは、通常、画像内の各位置において画像特性を識別する情報を指す。たとえば、こうした画像特性は、カラー、彩度およびグレースケールレベルを含むことが可能である。
【0030】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的なディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロコントローラ、CPUまたは論理ユニットを含む。調整用ハードウェア52は、一般に、スピーカ45に信号を送信し、マイクロフォン46から信号を受信するためのフィルタ及び増幅器を含む。調整用ハードウェア52は、例示的なディスプレイデバイス40内の個別のコンポーネントであってよく、または、プロセッサ21または他のコンポーネント内に組込まれてもよい。
【0031】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された未処理画像データを、プロセッサ21から直接的に、または、フレームバッファ28から取得し(take)、未処理画像データを、アレイドライバ22への高速伝送のために適切にリフォーマットする。具体的には、これが、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに適した時間順序を有するように、ドライバコントローラ29は、未処理画像データをラスタ様のフォーマットを有するデータフローにリフォーマットする。次に、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送出する。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンド−アローン型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に連結されるが、こうしたコントローラは、多くの方法で実施されてもよい。コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋めこまれてもよく、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋めこまれてもよく、または、ハードウェアでアレイドライバ22と完全に一体化されてもよい。
【0032】
通常、アレイドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信し、ビデオデータをリフォーマットして、ディスプレイのピクセルのx−yマトリクスから出てくる何百もの、時として何千ものリードに対して、1秒当たり多数回印加される波形の並列な組にする。
【0033】
一実施形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22およびディスプレイアレイ30は、本明細書で述べる任意のタイプのディスプレイに対して適切である。たとえば、一実施形態では、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、干渉型変調器コントローラ)である。別の実施形態では、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、干渉型変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化される。こうした実施形態は、携帯電話、腕時計および他の小面積ディスプレイなどの高集積化システムにおいて一般的である。さらに別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、通常のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、干渉型変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0034】
入力装置48は、ユーザが例示的なディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にする。一実施形態では、入力装置48は、QWERTYキーボード若しくは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチ感応スクリーン又は感圧膜若しくは感熱膜を含む。一実施形態では、マイクロフォン46は、例示的なディスプレイデバイス40用の入力装置である。マイクロフォン46が、デバイスにデータを入力するために使用される場合、例示的なディスプレイデバイス40の動作を制御するための音声コマンドが、ユーザによって提供されてもよい。
【0035】
電力供給装置50は、当技術分野でよく知られているように、種々のエネルギー貯蔵デバイスを含むことが可能である。たとえば、一実施形態では、電力供給装置50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の実施形態では、電力供給装置50は、再生可能なエネルギー源、キャパシタ、または、プラスチック太陽電池を含む太陽電池、および太陽電池ペイントである。別の実施形態では、電力供給装置50は、壁コンセントから電力を受取るよう構成される。
【0036】
いくつかの実施形態では、制御のプログラム可能性は、上述したように、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に位置することが可能であるドライバコントローラ内に存在する。いくつかの実施形態では、制御のプログラム可能性はアレイドライバ22内に存在する。上述した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントにおいて、また、種々の構成で実施されてもよいことを当業者が認識するであろう。
【0037】
上述した原理に従って動作する干渉型変調器の構造の詳細は幅広く変わってもよい。たとえば、図7A〜7Eは、可動反射層14およびその支持構造の5つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の断面であり、金属材料のストリップ14が、垂直に延在する支持体18上に堆積される。図7Bでは、可動反射層14は、テザー32上で、角だけで支持体に取り付けられる。図7Cでは、可動反射層14は、柔軟性金属を含みうる変形可能層34から懸架される。変形可能層34は、変形可能層34の外周の周りで直接的にまたは間接的に基板20に接続される。これらの接続は、本明細書で支持ポストと呼ばれる。図7Dに示す実施形態は、変形可能層34がその上に載置される支持ポストプラグ42を有する。可動反射層14は、図7A〜7Cのように、ギャップ上に懸架されたままであるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学積層体16との間の穴を充填することによる支持ポストを形成しない。むしろ、支持ポストは、支持ポストプラグ42を形成するのに使用される平坦化材料で形成される。図7Eに示す実施形態は、図7Dに示す実施形態に基づくが、図7A〜7Cに示す実施形態のうちの任意の実施形態及び図示されないさらなる実施形態と適合されてもよい。図7Eに示す実施形態では、金属または他の導電性材料の追加の層が、バス構造44を形成するのに使用された。これは、干渉型変調器の背面に沿う信号のルーティングを可能にし、別の方法では基板20上に形成されなければならないいくつかの電極を無くすことを可能にする。
【0038】
図7に示すような実施形態では、干渉型変調器は、直視デバイスとして機能し、直視デバイスでは、画像が、透明基板20の前側から観察され、その対向側には、変調器が配置される。これらの実施形態では、反射層14は、変形可能層34を含む、基板20と反対の反射層の側で干渉型変調器の部分を光学的に遮蔽する。これは、遮蔽される領域が、画質に悪い影響を与えることなく、構成され、動作することを可能にする。こうした遮蔽は、図7Eのバス構造44を可能にし、アドレス指定およびアドレス指定から生じる運動などの変調器の電気機械特性から変調器の光学特性を分離する能力を提供する。この分離可能な変調器アーキテクチャは、変調器の電気機械的態様および光学的態様のために使用される構造設計および材料が、互いに独立に選択され機能することを可能にする。さらに、図7C〜7Eに示す実施形態は、変形可能層34によって実施される、反射層14の機械特性からの反射層14の光学特性の分離により得られるさらなる利益を有する。これは、反射層14のために使用される構造設計および材料が光学特性に関して最適化され、変形可能層34のために使用される構造設計および材料が所望の機械特性に関して最適化されることを可能にする。
【0039】
自己発光型又は非−自己発光型のいずれかにかかわらず、全てのカラーディスプレイに対して共通する課題は、限られた原色のセットからのフル−カラー画像の合成である。カラー合成に対するいくつかの試みが、伝統的に、電子ディスプレイに対して用いられてきた。これらの中で最も成功した試みは、追加的な混色の原理に従うものであり、光学的重ね合わせ、空間的色合成、及び時間的(temporal)色合成を含む。
【0040】
3つの原色画像の直接的な光学的重ね合わせが、効果的であり、投写型ディスプレイシステムにおいて一般的に使用される方法であるが、多くの直視型カラーディスプレイ技術に容易に適応しない。空間的色合成は、最も成功している色合成方法を含み、いまだ、陰極線管(CRT)及び液晶ディスプレイ(LCD)のようなデバイスにおける最新のカラーディスプレイ技術の基礎となっている。空間的色合成は、ごく接近した、3つ又はそれ以上の原色(通常、赤(R)、緑(G)及び青(B))のサブ−ピクセルを混合し、フル・スペクトルを生成する。
【0041】
例示的なカラーディスプレイは、赤、緑及び青色ディスプレイ素子を備える。他の色は、赤、緑及び青色素子によって生成された光の相対強度を変化させることにより、このようなディスプレイにおいて生成される。赤、緑及び青のような原色のこのような混合物は、人間の目には他の色に見える。このようなカラーシステムにおける、赤、緑及び青の相対的な値は、人間の目の赤、緑及び青の光に反応する部分の刺激に関連した三刺激値と呼ばれうる。特定のディスプレイによって生成されることが可能な色の範囲が、ディスプレイの色域と呼ばれうる。一般的に、原色の彩度を増加させることで、ディスプレイによって生成されることが可能な色の範囲、又は色域が増加する。赤、緑及び青をベースとした例示的なカラーシステムが本願明細書において開示される一方で、他の実施形態では、ディスプレイが、赤、緑及び青以外の原色のセットに関して、他のカラーシステムを定義する色のセットを有する変調器12(図8参照)を含みうる。
【0042】
ディスプレイの一実施形態において、各ピクセルが、一つ又はそれ以上の色変調器12を有し、例えば、この変調器は、赤、緑及び青色光を反射するように構成された変調器、及び、白色光を反射するように構成された一つ又はそれ以上の“白色”変調器12である。このような実施形態では、反射状態において赤、緑及び/又は青色変調器12から生じる光が、有色の光を出力するように合成される。白色変調器12からの光が、白色光を出力するために使用されることが可能である。色と組み合わせた白色の使用が、ピクセルの強度又は輝度を増加させうる。
【0043】
図8は、例示的な多状態干渉型変調器12の側断面図である。可動反射層(又は反射体)を、複数の選択された位置81−85の一つに位置合わせすることにより、多状態干渉型変調器12が、特定のスペクトル特性を有する光を反射する。上記のように、行及び列電極間の電位差により、可動反射層14が撓む。例示的な変調器が、列電極として機能するインジウム錫酸化物(ITO)の導電層102を備える。例示的な変調器では、反射層14が、行導電体を形成する電子導電性材料を備える。
【0044】
一実施形態では、二酸化ケイ素(SiO)のような材料の誘電体層104が、光学積層体(又は固定反射体)16の反射表面を形成するモリブデン−クロム(MoCr)の層上に配置される。図1を参照して上に議論したように、可動反射体14が撓んだ場合において、誘電体層104が、短絡を防ぎ、可動反射体14と固定反射体16との間の分離距離を制御する。従って、可動反射体14と固定反射体16との間に形成された光学キャビティが、誘電体層104を含む。図8の要素の相対的な大きさが、変調器12を都合よく図示する目的で、選択されている。従って、このような距離は、正確な縮尺ではなく、変調器12のいずれの特定の実施形態を代表することを意図するものではない。
【0045】
上記のように、変調器12が、可動反射体14と固定反射体16との間に形成された干渉型変調キャビティを備える。光学キャビティの有効光路長L又は特性距離が、光学キャビティの、結果として、干渉型変調器12の共振波長、λを決定する。通常、干渉型変調器12の共振波長λが、変調器12によって反射された光の知覚色と対応する。数学的には、距離L=1/2Nλであり、ここでNは整数である。従って、所定の共振波長λが、1/2λ(N=1),λ(N=2),3/2λ(N=3)等の距離Lを有する干渉型変調器12によって反射される。整数Nが、反射光の干渉オーダーと呼ばれうる。本願明細書において使用されうように、また、可動反射体14が、少なくとも一つの位置にある場合に、変調器12のオーダーが、変調器12によって反射された光のオーダーNを参照する。例えば、第一オーダーである赤色干渉型変調器12が、約650nmの波長λに対応する約325nmの距離Lを有しうる。従って、第二オーダーである赤色干渉型変調器12が、約650nmの距離Lを有しうる。
【0046】
干渉型変調器ディスプレイに使用されるいくつかの一般的な色に対する波長範囲の例のリストが、以下の表に示される。
【0047】
【表1】

【0048】
キャビティ19が、約1の屈折率を有する流体(例えば、空気)を備える場合、有効光路長Lが、実質的に、可動反射体14と固定反射体16との間の距離と等しい。キャビティ19が、1よりも大きな屈折率を有する流体を備える場合、有効光路長Lが、可動反射体14と固定反射体16との間の距離とは異なりうる。
【0049】
1よりも大きな屈折率を有する誘電体層104を含む実施形態では、可動反射体14と固定反射体16との間の距離を選択し、並びに、誘電体層104の又は可動反射体14と固定反射体16との間のいずれの他の層の屈折率及び厚さを選択することにより、干渉型変調キャビティが、所望の光路長を有するように形成される。
【0050】
一実施形態では、可動反射体14が、位置範囲内における一つ又はそれ以上の位置にまで撓み、対応する色の範囲の光を出力する。例えば、行及び列電極間の電位差が、可動反射体14を、固定反射体16に関して複数の選択された位置の一つの位置にまで撓ませるように調節されてよい。
【0051】
可動反射体14の位置81−85の特定群の各々が、固定反射体16から位置81−85を示す矢印点までのびる線によって図8に示されている。従って、距離81−85は、誘電体層104の屈折率及び厚さを考慮するように選択される。可動反射体14が、固定反射体16からの異なる距離Lと各々が対応する位置81−85の各々にまで撓む場合、変調器が、光を基板20側の視覚位置に反射し、変調器12によって反射された入射光の異なる色と対応する異なるスペクトル応答を備える。
【0052】
さらに、位置81では、可動反射体14が、固定反射体16と十分に近く、干渉の効果が、ごくわずかであり、変調器12が、例えば白色光などの入射可視光の実質的に全ての色を実質的に等しく反射するミラーとして機能する。小さな距離Lが、可視帯における光学共振に対して小さすぎるため、広帯域ミラー効果が生じる。従って、反射層14が、単に、可視光に関して反射表面として機能する。
【0053】
位置82では、距離Lは、キャビティが干渉的に動作するが、共振波長が可視範囲外であるために可視波長の光を実質的に反射しないような距離である。
【0054】
距離Lがさらに増加するにつれて、変調器12のピークスペクトル応答が、可視波長内に移動する。従って、可動反射体14が位置83にある場合、変調器12が青色光を反射する。可動反射体14が位置84にある場合、変調器12が緑色光を反射する。可動反射体14が非−撓み位置85にある場合、変調器12が赤色光を反射する。
【0055】
上記のように、変調器140内において白色光を出力するための分離状態を有することで、白色出力の輝度に影響を及ぼす特性から、彩度を制御する変調器の特性の選択を切り離す。従って、変調器12の距離及び他の特徴が、第一状態において生成された白色光に影響を及ぼすことなく高い彩度を提供するように選択されてよい。例えば、例示的なカラーディスプレイにて、赤、緑、及び青色変調器12の一つ又はそれ以上が、高いオーダーの干渉に対応する光路長Lを備えて形成されてよい。
【0056】
上記のように、可動反射体14が撓む場合に、誘電体層104が短絡を防ぎ、可動反射体14と固定反射体16との間の分離距離を制御するが、変調器12が白色光を反射する場合には、可動反射体14が、例えば位置81にて固定反射体16と極めて近くなるように、誘電体層104の厚さが、十分に小さいものであるべきである。しかしながら、薄い誘電体層104の使用だけでは、可動反射体14と導電層102との間の短絡に対する適当な保護は提供されない。
【0057】
変調器12が、変調器12を参照する上記のように、当業界において周知のリソグラフィ技術を使用して形成されてよい。例えば、導電層102が、基板20上のITOのように、透明導電体の一つ又はそれ以上の層を堆積することによって形成されてよい。基板20が、ガラス又はプラスチックのようないずれの透明な材料を備えてよい。その後に形成される層の効果的な形成を容易にするために、基板20が、予め、例えば、洗浄といった準備ステップを経てもよい。導電層102が、平行なストリップにパターン化され、電極の列を形成してよい。基板20及び/又は実質的に透明な基板20上にMoCrの一つ又はそれ以上の層を堆積することにより、固定反射体16が、形成されてよい。可動反射体14が、堆積された金属層(列電極102に直交する)の一連の平行なストリップとして形成されてよく、この金属層は、ポスト18の上部上及びポスト18間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積される。上記の一つ又は複数の層を介したバイアスが提供されてよく、二フッ化キセノンのようなエッチャントガスが、犠牲層に達することが可能である。犠牲材料が、エッチング除去された場合、変形可能金属層が、空隙により、固定層から分離される。アルミニウムのような高導電性及び反射性材料が、変形可能層に使用されてよく、これらのストリップが、ディスプレイ装置における行電極を形成してよい。
【0058】
図9は、離隔層103を備えた例示的な多状態干渉型変調器12の側断面図である。多状態干渉型変調器12では、二酸化ケイ素(SiO)のような材料の離隔層103が、固定反射体16と導電層102との間に配置される。離隔層103が、可動反射体14と導電層102との間を増加させ、従って、可動反射体14と導電層102との間のキャパシタンスを減少させ、可動反射体14と導電層102との間の短絡に対する適切な保護を提供する。
【0059】
それに加えて、離隔層103が、固定反射体16と導電層102との間の第二干渉型変調キャビティを画定する。離隔層103の厚さ及び組成(屈折率)が、第二干渉型変調キャビティの有効光路長を変化させるように調整されることが可能であり、所望のカラーフィルタを形成する。例えば、第二干渉型変調キャビティが、所望の、赤、緑又は青色帯域通過フィルタとして機能するように、離隔層103が、調節されてよく、従って、多状態干渉型変調器12が、彩度を有する(saturated)赤、緑又は青色光を反射する。
【0060】
導電層102と固定反射体16との反射率は低いが、第一干渉型変調キャビティと第二干渉型変調キャビティとによって示される組み合わされたキャビティの効果が、反射光の彩度を増加させるために十分である。
【0061】
彩度は、出力された光の波長の範囲の狭さを示す。高い彩度の色は、鮮明で、強い色を有し、一方、低い彩度の色は、より落ち着いたグレーに見える。例えば、極めて狭い範囲の波長を形成するレーザーは、高い彩度の光を形成する。反対に、典型的な白熱電球は、彩度の低い(desaturated)赤又は青色を有しうる白色光を形成する。
【0062】
一実施形態のディスプレイでは、各ピクセルが、図9に示されたような構造又は同様な構造を有する一つ又はそれ以上の3状態変調器12を含む。これらの3状態変調器は、少なくとも青色変調器、緑色変調器及び赤色変調器を含む。図10は、各々が離隔層を有する3つの3状態干渉型変調器を含むピクセルの概略的な側断面図である。図10において、先の図面と同様な部分には、同様な参照符号が付されている。
【0063】
青色変調器が、3つの状態を有する。第一状態では、可動反射体14が、例えば位置81である第一位置にあり、青色変調器が、実質的に白色光を反射する。第二状態では、可動反射体14が、例えば位置82である第二位置にあり、青色変調器が、実質的に光を反射しない。第三状態では、可動反射体14が、例えば位置83である第三位置にあり、青色変調器が、実質的に青色光を反射する。
【0064】
緑色変調器が、3つの状態を有する。第一状態では、可動反射体14が、例えば位置81である第一位置にあり、緑色変調器が、実質的に白色光を反射する。第二状態では、可動反射体14が、例えば位置82である第二位置にあり、緑色変調器が、実質的に光を反射しない。第三状態では、可動反射体14が、例えば位置84である第三位置にあり、緑色変調器が、実質的に緑色光を反射する。
【0065】
赤色変調器が、3つの状態を有する。第一状態では、可動反射体14が、例えば位置81である第一位置にあり、赤色変調器が、実質的に白色光を反射する。第二状態では、可動反射体14が、例えば位置82である第二位置にあり、赤色変調器が、実質的に光を反射しない。第三状態では、可動反射体14が、例えば位置85である第三位置にあり、赤色変調器が、実質的に赤色光を反射する。
【0066】
このような実施形態では、。それらの第三状態における赤、緑及び/又は青色変調器12からの光が、有色の光を出力するように結合される。それらの第一及び第二状態における赤、緑及び/又は青色変調器12からの光が、白又は黒色光を出力するために使用されることが可能である。色と組み合わせた白の使用が、ピクセルの強度及び輝度を増加させうる。
【0067】
赤、緑及び青色変調器からの光の彩度を増加させるために、離隔層103の屈折率及び厚さが、各々、赤、緑及び青色変調器に対して選択され、赤、緑及び青色変調器における第二干渉型変調キャビティが、対応する所望の光路長を有する。
【0068】
上記のように、離隔層103が、任意の材料及び任意の厚さで構成されることが可能である。例えば、離隔層103が、材料SiOにより構成されている場合、赤色変調器に対する離隔層103の厚さが、少なくとも140nmである。一実施形態では、赤色変調器に対する離隔層103の厚さが、170nmである場合、赤色変調器からの赤色光の彩度が高い。
【0069】
一実施形態では、離隔層103が、材料SiOにより構成されている場合、青色変調器に対する離隔層103の厚さが、少なくとも210nmである。青色変調器に対する離隔層103の厚さが、230nmである場合、青色変調器からの青色光の彩度が高い。
【0070】
一実施形態では、離隔層103が、材料SiOにより構成されている場合、緑色変調器に対する離隔層103の厚さが、少なくとも190nmである。緑色変調器に対する離隔層103の厚さが、220nmである場合、緑色変調器からの緑色光の彩度が高い。
【0071】
導電層102と固定反射体16との間に離隔層103を組み込んだ干渉型変調器デバイスを形成するためには、離隔層103を有さない干渉型変調器デバイスの形成と比較して、少しの追加的な処理ステップのみが要求される。図9に示された実施例において、離隔層103を組込むためには、離隔層103を堆積する追加的なステップのみが要求される。離隔層103が、誘電体層104と同じ材料を含む場合、及び/又は導電層102が、固定反射体16と同じ材料により形成される場合には、追加的な処理要求が、さらに、減らされ又は最小化されることが可能である。
【0072】
図11は、2つの赤色3状態変調器に対するモデル化された反射スペクトルの実施例を示す。線111は、100nmの厚さのSiOの離隔層103を有する赤色3状態変調器12のモデル化されたスペクトル反射を表す。線112は、線111と対比するための、170nmの厚さのSiOの離隔層103を有する他の赤色3状態変調器12のモデル化されたスペクトル反射を表す。図11に示されるように、170nmの厚さのSiOの離隔層103を有する赤色3状態変調器12が、赤の周波数にわたって、すなわち、625nmから740nmの間にわたって、100nmの厚さのSiOの離隔層103を有する赤色3状態変調器12よりも高い彩度を提供する。
【0073】
図12は、異なる離隔層を有する赤、緑及び青色3状態変調器に対する、結合され、モデル化された反射スペクトルの実施例を示す。線121は、230nmの厚さのSiOの離隔層103を有する青色3状態変調器12のモデル化されたスペクトル反射を表す。線122は、220nmの厚さのSiOの離隔層103を有する緑色3状態変調器12のモデル化されたスペクトル反射を表す。線123は、170nmの厚さのSiOの離隔層103を有する赤色3状態変調器12のモデル化されたスペクトル反射を表す。線124は、赤、緑及び青色3状態変調器12が白色状態にある場合の、モデル化されたスペクトル反射を表す。線125は、赤、緑及び青色3状態変調器12が黒色状態にある場合の、モデル化されたスペクトル反射を表す。
【0074】
図13は、CIE1976図における、図12で知覚される赤、緑、青及び白色の位置を示す。図12において線121の知覚色である青色が、図13において点131として表される。図12において線122の知覚色である緑色が、図13において点132として表される。図12において線123の知覚色である赤色が、図13において点133として表される。図12において線124の知覚色である白色が、図13において点134として表される。図13に示されるように、点131,132及び133は、sRGB第一(primary)座標に極めて近く、点134は、D65に極めて近い。ここで、sRGBは、モニター、プリンター及びインターネット用のHP(登録商標)及びMicrosoft(登録商標)によって共同的に形成されたスタンダードRGB色空間である。D65は、日光のスタンダード白色点であり、6,500°Kの温度での国際照明委員会(International Commission on Illumination(CIE))によって公表されている。D65は、おおよそ、西部/北部ヨーロッパにおける真昼の日光に対応する。
【0075】
図14は、3ビット設計のディスプレイに対する結合された反射スペクトルの実施例を示す。この実施形態では、ディスプレイが、複数の赤、緑及び青色の3状態変調器を有する。各ピクセルが、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、及び青色サブピクセルを有する。赤色、緑色、及び青色サブピクセルの各々が、3つのビットで表される。各サブピクセルに対し、1つの3状態干渉型変調器が、第一ビットと関連する。2つの3状態干渉型変調器が、第二ビットと関連する。4つの3状態干渉型変調器が、第三ビットと関連する。従って、7つの3状態干渉型変調器が、各サブピクセルと関連し、21の3状態干渉型変調器が、各ピクセルと関連する。この実施形態は、一つの実施例にすぎない。当業者は、数多くのバリエーションが可能であることを理解しうる。
【0076】
線141は、青色サブピクセルに対する青色3状態変調器のスペクトル反射を表す。線142は、緑色サブピクセルに対する緑色3状態変調器のスペクトル反射を表す。線143は、赤色サブピクセルに対する赤色3状態変調器のスペクトル反射を表す。線144は、赤、緑及び青色3状態変調器が白色状態にある場合の、スペクトル反射を表す。線145は、赤、緑及び青色3状態変調器が黒色状態にある場合の、スペクトル反射を表す。
【0077】
3ビット設計ディスプレイを用いた実験が、以下の表に示されるような効果を示した。
【0078】
【表2】

【0079】
上に示されるように、3ビット設計ディスプレイが、38%EBU(European Broadcast Union)のモデル化された色域を示した。コントラスト比(CR)が、18:1となるようにモデル化された。輝度(Y)が、33%となるようにモデル化された。
【0080】
図15は、CIE1976図における、図14で知覚される赤、緑及び青色の位置を示す。図14において線141の知覚色である青色が、図15において点151として表される。図14において線142の知覚色である緑色が、図15において点152として表される。図14において線143の知覚色である赤色が、図15において点153として表される。図14において線144の知覚色である白色が、図15において点154として表される。図15に示されるように、点151,152及び153は、sRGB第一(primary)座標に極めて近く、点154は、D65に極めて近い。
【0081】
上記のように、3状態干渉型変調器において、離隔層が、固定反射体と電極との間に設けらてよい。離隔層が、可動デバイスと電極との間の短絡に対する適切な保護を提供してよい。光周波数の範囲にわたって、彩度を有する(saturated)光を提供するように、離隔層が、第二干渉型変調キャビティを画定してもよい。従って、このような3状態干渉型変調器を採用したディスプレイは、長寿命、高コントラスト比、及び大きな色域を有しうる。
【0082】
本発明が、ある実施形態及び実施例との関連で開示されたが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超え、他の代替の実施形態及び/又は本発明の使用及び明らかな変更及びそれと同等なものにまで拡大されることを当業者は理解するだろう。さらに、本発明のいくつかのバリエーションが示され、詳細に説明されたが、本開示の範囲内である他の変更が、本開示に基づいて当業者には容易に明らかとなるだろう。実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組合せ又は副次的組合せが行われてよく、いまだ、本発明の範囲内に収まることも意図される。開示された発明の変更したやり方をなすように、開示された実施形態の様々な特徴及び態様が、互いに、組み合わされ、又は置換されることが可能であることが理解されるべきである。従って、本明細書に開示された本発明の範囲が、上記の特定の開示された実施形態に制限されるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ決定されるべきであることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
12a、12b 干渉型変調器
14a、14b 可動反射層
16a、16b 光学積層体
18 ポスト
19 ギャップ
20 基板
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行駆動回路
26 列駆動回路
27 ネットワークインタフェース
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイアレイ
32 テザー
34 変形可能層
40 ディスプレイデバイス
41 ハウジング
42 支持ポストプラグ
43 アンテナ
44 バス構造
45 スピーカ
46 マイクロフォン
47 送受信機
48 入力装置
50 電力供給装置
52 調整用ハードウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と、
固定反射体と、
導電性材料を含む可動反射体と、
前記可動反射体と対向する前記固定反射体の一側上に配置された離隔層と、
を備え、
干渉型キャビティが、前記可動反射体と前記固定反射体との間に画定され、
前記可動反射体が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動可能であり、
前記離隔層が、前記干渉型キャビティによって反射された光の彩度を改善するように構成されたフィルタリングキャビティを備えることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記離隔層が、前記固定反射体と基板との間にあることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記離隔層の厚さが、少なくとも160nmであることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項4】
前記可動反射体が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、赤色光を反射し、
前記離隔層が、SiOを含み、
前記離隔層の厚さが、少なくとも140nmであることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項5】
前記可動反射体が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、青色光を反射し、
前記離隔層が、SiOを含み、
前記離隔層の厚さが、少なくとも210nmであることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項6】
前記可動反射体が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、緑色光を反射し、
前記離隔層が、SiOを含み、
前記離隔層の厚さが、少なくとも190nmであることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項7】
前記可動反射体が、前記第一位置にある場合に、前記デバイスが、白色光を反射し、
前記可動反射体が、前記第二位置にある場合に、前記デバイスが、光を反射しないことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項8】
前記フィルタリングキャビティが、前記可動反射体と対向する前記固定反射体の一側上に画定された他の干渉型キャビティを備えることを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項9】
前記他の干渉型キャビティが、前記固定反射体と基板との間に画定されることを特徴とする請求項8記載のデバイス。
【請求項10】
ディスプレイと、
前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと、
をさらに備え、
前記プロセッサが、画像データを処理するように構成されたことを特徴とする請求項1記載のデバイス。
【請求項11】
前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送信するように構成された駆動回路をさらに備えることを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項12】
前記駆動回路に前記画像データの少なくとも一部を送信するように構成されたコントローラをさらに備えることを特徴とする請求項11記載のデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサに前記画像データを送信するように構成された画像源モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項14】
前記画像源モジュールが、受信機、送受信機、及び送信機の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項13記載のデバイス。
【請求項15】
入力データを受信し、前記プロセッサに前記入力データを通信するように構成された入力装置をさらに備えることを特徴とする請求項9記載のデバイス。
【請求項16】
電極と、
固定反射体と、
導電性材料を含む可動反射体と、
前記可動反射体と対向する前記固定反射体の一側上に配置された離隔層と、
を備え、
干渉型キャビティが、前記可動反射体と前記固定反射体との間に画定され、
前記可動反射体が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動可能であり、
前記離隔層が、前記デバイスの断面図において160nm以上の厚さであり、
前記離隔層が、前記干渉型キャビティによって反射された光の彩度を改善するように構成されたフィルタリングキャビティを備えることを特徴とするデバイス。
【請求項17】
前記離隔層が、前記固定反射体と基板との間にあることを特徴とする請求項16記載のデバイス。
【請求項18】
前記フィルタリングキャビティが、前記可動反射体と対向する前記固定反射体の一側上に画定された他の干渉型キャビティを備えることを特徴とする請求項16記載のデバイス。
【請求項19】
前記他の干渉型キャビティが、前記固定反射体と基板との間に画定されることを特徴とする請求項18記載のデバイス。
【請求項20】
電極と、
光を反射する第一反射手段と、
光を反射する第二反射手段と、
前記第二反射手段と対向する前記第一反射手段の一側上に配置された、前記第一反射手段の離隔手段と、
を備え、
前記第一反射手段は、固定されており、
前記第二反射手段は、移動可能であり、かつ導電性材料を含み、
干渉型キャビティが、前記第一反射手段と前記第二反射手段との間に画定され、
前記第二反射手段が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動可能であり、
前記第一反射手段の離隔手段が、前記干渉型キャビティによって反射された光の彩度を改善するように構成されたフィルタリングキャビティを備えることを特徴とするデバイス。
【請求項21】
前記第一反射手段の離隔手段が、前記第一反射手段と基板との間にあることを特徴とする請求項20記載のデバイス。
【請求項22】
前記離隔手段の厚さが、少なくとも160nmであることを特徴とする請求項19記載のデバイス。
【請求項23】
前記第二反射手段が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、赤色光を反射し、
前記離隔手段が、SiOを含み、
前記離隔手段の厚さが、少なくとも140nmであることを特徴とする請求項19記載のデバイス。
【請求項24】
前記第二反射手段が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、青色光を反射し、
前記離隔手段が、SiOを含み、
前記離隔手段の厚さが、少なくとも210nmであることを特徴とする請求項19記載のデバイス。
【請求項25】
前記第二反射手段が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、緑色光を反射し、
前記離隔手段が、SiOを含み、
前記離隔手段の厚さが、少なくとも190nmであることを特徴とする請求項19記載のデバイス。
【請求項26】
前記第二反射手段が、前記第一位置にある場合に、前記デバイスが、白色光を反射し、
前記第二反射手段が、前記第二位置にある場合に、前記デバイスが、光を反射しないことを特徴とする請求項19記載のデバイス。
【請求項27】
前記フィルタリングキャビティが、前記第二反射手段と対向する前記第一反射手段の一側上に画定された他の干渉型キャビティを備えることを特徴とする請求項19記載のデバイス。
【請求項28】
前記他の干渉型キャビティが、前記第一反射手段と基板との間に画定されることを特徴とする請求項27記載のデバイス。
【請求項29】
光を変調するデバイスの製造方法であって、
基板を提供するステップと、
電極を形成するステップと、
離隔層を形成するステップと、
固定反射体を形成するステップと、
導電性材料を含む可動反射体を形成するステップと、
を備え、
干渉型キャビティが、前記可動反射体と前記固定反射体との間に画定され、
前記可動反射体が、少なくとも第一位置と、第二位置と、第三位置との間を移動可能であり、
前記離隔層が、前記干渉型キャビティによって反射された光の彩度を改善するように構成されたフィルタリングキャビティを備えることを特徴とする方法。
【請求項30】
前記離隔層が、前記可動反射体と対向する前記固定反射体の一側上に配置されていることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記離隔層が、前記固定反射体と前記基板との間にあることを特徴とする請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記離隔層の厚さが、少なくとも160nmであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項33】
前記可動反射体が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、赤色光を反射し、
前記離隔層が、SiOを含み、
前記離隔層の厚さが、少なくとも140nmであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項34】
前記可動反射体が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、青色光を反射し、
前記離隔層が、SiOを含み、
前記離隔層の厚さが、少なくとも210nmであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項35】
前記可動反射体が、前記第三位置にある場合に、前記デバイスが、緑色光を反射し、
前記離隔層が、SiOを含み、
前記離隔層の厚さが、少なくとも190nmであることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項36】
前記可動反射体が、前記第一位置にある場合に、前記デバイスが、白色光を反射し、
前記可動反射体が、前記第二位置にある場合に、前記デバイスが、光を反射しないことを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項37】
前記フィルタリングキャビティが、前記可動反射体と対向する前記固定反射体の一側上に画定された他の干渉型キャビティを備えることを特徴とする請求項29記載の方法。
【請求項38】
前記他の干渉型キャビティが、前記固定反射体と前記基板との間に画定されることを特徴とする請求項37記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2011−517491(P2011−517491A)
【公表日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501941(P2011−501941)
【出願日】平成21年3月20日(2009.3.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/037881
【国際公開番号】WO2009/120610
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】