説明

難燃性のコーティングを有する断熱及び/又は防音用の絶縁成分

本発明は、断熱及び/又は防音を備える、特に自動車類用の絶縁成分であって、少なくとも部分的に難燃性のコーティング(3)を備える絶縁成分に関する。難燃性のコーティング(3)は、高い耐火特性、良好な絶縁効果を得る為に、そして経済的な生産コストを達成する為に、絶縁成分として備えられる。前記コーティングは、少なくとも次の成分を含んでなり、その成分は、40〜90重量%のセラミック系接着剤、5〜50重量%の0.1〜3.0mmの範囲にある粒径を有するセラミックのマイクロ中空球体類、及び0.1〜10重量%の温かい条件で膨張し得る噴射剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に難燃性のコーティングを備える、断熱及び/又は防音用の、特に自動車類用の絶縁成分(insulation component)に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車類用の防音且つ断熱エレメントを、即ち、特に、自動車事故の場合には不必要な火災伝播が結果として火災を発生させる事を防止する為、難燃剤類を有する、フォームから製造されるエレメントを装備する事は、既知である。従って、例えば、自動車のエンジン室とパッセンジャーコンパートメントとの間に位置されるべき吸音性のダッシュボードライニングは、即ち、エンジン室に向かってフェルト又はポリウレタンフォームで作られた多孔質層を有しているダッシュボードライニングは、独国特許出願公開第199 18 269号明細書に記述されている。そして、その明細書では、エンジン室関連での防火機能を有させる為に、多孔質層に対し、難燃性のコーティングを、特にフッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロペンで作られたコポリマーを有する難燃性のコーティングを適用する事が、提案されている。
【0003】
難燃性の添加剤を備えるファイバー類又は同様の物質類で作られたコア層を含んでなる、絶縁する建築物類、自動車類、導管類、及びその様な物用の防音且つ断熱剤は、独国特許出願公開第199 05 226号明細書から既知であり、そして、コア層は、少なくとも一つの外面に、不燃性又は低可燃性でありそして所定の温度で発泡する、再活性化可能の物質で塗布される。難燃性の添加剤は、窒素又はホウ砂である。独国特許出願公開第199 05 226号明細書は、低可燃性の発泡剤の組成物に関して、更なる詳細を提供していない。
【0004】
独国特許出願公開第197 25 761号明細書は、金属及び鉱物基材類に対し、難燃性の防火コーティング素材(mass)を製造する方法を記述している。コーティング素材は、本質的には、水ガラス溶液、チキソトロピック剤(例えば、ベントナイト)、マイカ、ケイ酸マグネシウム、カオリン、ウォラストナイト、水、及び、ガラス及び/又は中空のガラス球体類から作られた微多孔を穿孔した(fine-pored)丸い顆粒類から成っており、そして、丸い顆粒類及び中空ガラスの球体類は、0.2〜4.0mmの粒径を有している。
【0005】
更には、防火及び防音目的用のコーティング組成物と同様に、一種以上の界面活性剤、増粘剤、強度増加剤、抑制剤、及び抗菌剤の選択的使用は、独国特許出願公開第199 22 247号明細書から既知である。尚、その組成物は、本質的には、25〜60重量%の軽量骨材、20〜60重量%のバインダー、50重量%未満の吸着剤、5〜30重量%のエキスパンダー、及び2〜20重量%の炭化吸音性のファイバーを含んでなる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来の絶縁成分類と比べて好ましい製造コストと同様に高い耐火性及び良好な絶縁効果を有する、最初に述べたタイプでの絶縁成分を、提供すると言う目的に基づいている。
【0007】
本目的は、本発明に準じて、クレーム1の特徴を有する絶縁成分により達成される。本発明の好ましい且つ好都合な実施例は、サブクレームで明確に述べられる。
【0008】
本発明に準じた絶縁成分は、この様に、少なくとも次の成分から構成される難燃性のコーティングを少なくとも部分的に備えるものである。尚、これらの成分は、
40〜90重量%のセラミック系接着剤、
5〜50重量%の0.1〜3.0mmの範囲の粒径を有するセラミックのマイクロ中空球体類、
及び0.1〜10重量%の加熱の影響により膨張する噴射剤(propellant)
である。
【0009】
本発明に準じた絶縁成分は、高い断熱且つ防音効果を有する特に高い耐熱性により識別される。これらの特性は、比較的好ましい製造コストで、実現される可能性がある。
【0010】
好都合な実施例によれば、本発明に準じた絶縁成分での難燃性のコーティングは、追加成分として、0.1〜5重量%の50μm以下の粒径を有するアルミニウムパウダー、及び/又は、0.1〜20重量%の水酸化アルミニウムを有していてよい。難燃性のコーティングは、アルミ化により好ましい反射率を得る。従って、コーティング表面で、熱輻射での被入射がより高い割合で反射される。その理由により、絶縁成分の熱歪みは、それ相応に低減される。水酸化アルミニウムは、消火機能を有しており、その結果、添加剤としてそれを添加する事も好都合である。
【0011】
本発明に準じた絶縁成分でのもう一つの好都合な実施例に於いて、難燃性のコーティングは、追加成分として、5〜30重量%の熱可塑性のパウダー接着剤を有している。この目的に対し、コポリエチレンテレフタレート(CO-PET)、コポリアミド(CO-PA)、又はTPOから作られた熱可塑性のファインパウダ−接着剤類は、特に、考慮される。熱処理での接着性能力に加えて、難燃性のコーティングは、熱可塑性のパウダー接着剤により、より柔軟性にもなる。
【0012】
もし、好ましくは1000℃を超える耐温度性を有する、水ガラス溶液系の耐火性のセラミック系接着剤が、難燃性のコーティングでセラミック系接着剤として用いられるならば、特に高い耐火性が達せられる可能性がある。
【0013】
フィラーとして用いられるセラミックのマイクロ中空球体類は、難燃性のコーティングの密度、それ故に重量を大幅に低減させる。併せて、セラミックのマイクロ中空球体類は、それらの気体の巻き込み(inclusion)により、本発明に準じた絶縁成分の断熱及び防音の双方の効果を改善する。更に、セラミックのマイクロ中空球体類は、セラミック系接着剤に対する要求を低減し、耐摩耗性の様な、絶縁成分の機械的特性を改善し、可燃性ではなく、化学的に無害であり、そして高い耐温度性を有している。セラミックのマイクロ中空球体類は、好ましくは、55〜68重量%のSiO2、25〜36重量%のAl23、及び0〜6重量%のFe23を含んでよい。このタイプのマイクロ中空球体類は、1000℃を超える耐温度性を有しており、そして、それらは、特に、1200℃までの耐温度性を有している可能性がある。
【0014】
絶縁成分での難燃性のコーティングで用いられる噴射剤は、好ましくは、中空のポリマープラスチック粒子類で作られている。尚、これらの粒子は、水に不溶である気密の(gas-tight)カバーリングを有しており、そして、そこには液体及び/又は気体の炭化水素が封入されている。ポリマープラスチック粒子類は、好ましくは、2〜50μmの範囲の粒径を有している。気密なカバーリングを有するポリマープラスチック及びその中に封入された炭化水素は、好ましくは、中空のポリマープラスチック粒子類が100℃を越える温度から加熱の影響により膨張し始め、そして130℃を超える温度から破裂し、その結果、封入された炭化水素は噴射ガスとして放出される様に、選び出される。
【0015】
以下に於いて、本発明は、多数の典型的な実施例を図解する図に基づいて、極めてより詳細に説明されるだろう。
【0016】
図1は、自動車に於ける断熱且つ防音に対する絶縁成分の断面を示す。絶縁成分は、フォーム層1及び重質層(heavy layer)2から構成される。フォーム層1及び重質層2は、吸音性のスプリング−マス系(spring-mass system)を形成する。例えば、重質層2は、リア(rear)射出成形を通して、フォーム層1の後ろに適用されてよい。フォーム層は、好ましくは、開気孔に富んだ(open-pored)メラミン樹脂フォームから成る。例えば、重質層は、添加物類を含むそして多孔質のフォーム層1より密度のより高い、熱可塑性の物質を含んでよい。特に、重質層2は、高い分子量を有する無機のフィラー類の割合が高い人工樹脂、又は、ポリオレフィン類又はポリマーEPDMの混合物を、含んでよい。
【0017】
フォーム層1は、膨張性の、セラミック系接着システムに相当する、難燃性のコーティング3を備える。炎又は相当する熱的影響に暴露される場合には、難燃性のコーティング3は、膨張し、そして火災の源類及び/又は温度浸透類の伝播を阻止する。例えば、網目状のファイバーガラススクリム(scrim)形状での、ガラス及び/又は鉱物ファイバー類は、難燃性のコーティング3に、その機械的強度を増す為に埋め込まれてよい。
【0018】
図2に示される典型的な実施例は、主として、不織材料で作られた追加の層4がフォーム層1の上に位置付けられると言う点に於いて、図1での典型的な実施例とは異なる。例えば、不織材料は、ファイバーガラス及び/又は鉱物ファイバー類を含んでよい。不織材料の層4は、外側に、本質的には図1に示される絶縁成分の難燃性のコーティングに相当する、難燃性のコーティング5を備える。図2の典型的な実施例の更なる差異は、重質層2、フォーム層1、及び不織材料の層4が、難燃性のコーティング物質で成る中間のコーティング5、6により、お互いに接着されている事、である。
【0019】
更には、絶縁成分は、その外側に、アルミニウムのフィルム7を備えてよい。尚、アルミニウムのフィルム7は、露出状態で位置付けられており、そして、難燃性のコーティング5により、不織材料又はフォームで作られた層4に、例えば、下に位置する層4に接着されている。
【0020】
以下にて、難燃性のコーティング3、5、及び/又は6の組成物例は、明確に述べられるだろう。
【実施例】
【0021】
実施例1
40〜90重量% セラミック系接着剤
5〜50重量% 0.1〜3mmの範囲の粒径を有するセラミックのマイ
クロ中空球体類
0.1〜10重量% 加熱の影響により膨張し得る噴射剤
【0022】
実施例2
40〜90重量% セラミック系接着剤
5〜50重量% 0.1〜3mmの範囲の粒径を有するセラミックのマイ クロ中空球体類
0.1〜10重量% 加熱の影響により膨張し得る噴射剤
0.1〜5重量% 50μmm以下の粒径を有するファインのアルミニウ ムパウダー
0.1〜20重量% 水酸化アルミニウム(Al23xH2O)
【0023】
実施例3
40〜90重量% セラミック系接着剤
5〜50重量% 0.1〜3mmの範囲の粒径を有するセラミックのマイ クロ中空球体類
0.1〜10重量% 加熱の影響により膨張し得る噴射剤
5〜30重量% ファインの熱可塑性パウダー
【0024】
セラミック系接着剤は、水ガラス溶液(懸濁液)系の耐火性の接着剤である。それは、難燃性のコーティング3、5、及び/又は6でのベーシックマトリックス(basic matrix)を形成し、そして1000℃を超える、例えば、1050℃の耐温度性を有している。
【0025】
セラミック系接着剤は、通常は、次の化学組成を有している。
34〜35重量% SiO2
0.01〜0.04重量% MgO
6〜7重量% Na2
8〜9重量% Al23
0.01〜0.04重量% CaO
48〜51重量% H2
0.1〜0.4重量% Fe23
0.1〜0.4重量% K2
【0026】
セラミックのマイクロ中空球体類は、軽量のフィラーに相当する。それらは、セラミック系接着剤に対しての要求を低減し、そして、非可燃性で、化学的に無害で、及び略1100〜1200℃の温度範囲までの耐温度性を有している。それらは、難燃性のコーティング3、5、6の密度を低減し、そしてコーティングの断熱及び防音効果を高める。それらは、略0.09Wm-1-1の熱伝導率を有している。それらの堆積重量(piled weight)は、200〜600g/lの範囲にある。併せて、それらは、絶縁成分の機械的特性、特にその耐摩耗性と同様に、その寸法安定性を改善する。
【0027】
難燃性のコーティング3、5、6に含まれている噴射剤は、好ましくは、小さい、中空のプラスチック粒子類からなる。尚、これらの粒子は、水に不溶な、混合ポリマーから作られた、気密なカバーリングを有しており、そして、そこには液体及び/又は気体の炭化水素が封入されている。中空のプラスチック粒子類は、略2〜50μmの範囲の、好ましくは、略10〜20μmの範囲の粒子直径を有している。もし、中空のプラスチック粒子類が、熱及び/又は火災の影響により加熱されると、液体の炭化水素は、気相になる。気体の炭化水素の圧力は、温度の上昇と共に増加する。気密なカバーリングは、同時に軟化し、その結果、中空のプラスチック粒子類のボリュームは、何倍にも増加する。例えば、ボリュームの増加は、オリジナルボリュームの30〜50倍になる可能性がある。気密なカバーリングを構成する物質及びそこに同封された炭化水素は、ボリュームの増加(膨張)が、熱的影響の場合には、特定の温度範囲から引き起こされる様に、選び出される。トリガー温度は、好ましくは、100℃を超える温度である。
【0028】
特定の温度範囲に於いて、カバーリングは、極めて軟らかくなるので、更なる温度増加の場合には、それは、最終的には破裂し、そして噴射ガスとして封入された炭化水素を放出する。噴射ガスが放出される温度範囲は、略130℃を超えている。
【0029】
難燃性のコーティング3、5、6に任意に含まれているアルミニウムパウダーにより、露出したコーティング表面での熱輻射の反射が生じる。併せて、アルミニウムパウダーは、それによりそれ自身がはっきりと目に見える様になると言う点に於いて、視覚的に、難燃性のコーティング3、5、6の範囲を定める為に用いられる可能性がある。用いられるアルミニウムパウダーは、50μm以下の、好ましくは、20μm以下の粒径を有している。
【0030】
アルミニウムパウダーは、添加物として水酸化アルミニウム(Al23xH2O)を含んでいてよい。水酸化アルミニウムは、消火効果を有している。
【0031】
更に、難燃性のコーティング3、5、6は、ファインの熱可塑性パウダーの形状で、加熱により活性化可能な、熱可塑性の接着剤を含んでいてよい。例えば、熱可塑性の接着剤は、コポリエチレンテレフタレート(CO-PET)、コポリアミド(CO-PA)、及び/又はTPOを含んでよい。熱可塑性の接着剤は、難燃性のコーティング3、5、6をより柔軟にし、そしてコーティング3、5、6に熱処理での接着特性を与える。この様に、難燃性のコーティング3、5、6は、特に、フォーム層類及び繊維材料類に良く接着する可能性がある。
【0032】
上述の成分類で作られた組成物は、スプレーイング、引きコーティング、ローリング、又はペインティングにより、水性の懸濁液として、絶縁成分の特有の層に適用されてよい。この様に作り出されたセラミック系、難燃性のコーティングは、優れた接着特性、及び熱歪みや炎への直接暴露に対する並外れたバリア効果を有している。そのコーティングは、柔軟性があり、十分に加工される可能性があり、そしてコスト効率が良く製造される可能性がある。
【0033】
この様に装備される絶縁成分は、自動車類での、防音性ダッシュボードとして、及び吸音性の効果的な加熱保護シールドとして、特に、用いられる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、第一の典型的な実施例による、本発明に準じた絶縁成分の断面での図式の断面説明図を示す。
【0035】
【図2】図2は、第二の典型的な実施例による、本発明に準じた絶縁成分の断面での図式の断面説明図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に難燃性のコーティング(3、5、6)を備える、断熱及び/又は防音用、特に自動車類用の絶縁成分であって、難燃性のコーティング(3、5、6)は少なくとも次の成分:
40〜90重量%のセラミック系接着剤、
5〜50重量%の0.1〜3mmの範囲の粒径を有するセラミックのマイクロ中空球体類、
及び0.1〜10重量%の加熱の影響により膨張する噴射剤
から成るものである事を特徴とする、絶縁成分。
【請求項2】
該難燃性のコーティング(3、5、6)は、追加成分として、
0.1〜5重量%の50μm以下の粒径を有するアルミニウムパウダー、
及び/又は0.1〜20重量%の水酸化アルミニウム
を含んでいる事を特徴とする、請求項1に記載された絶縁成分。
【請求項3】
該難燃性のコーティング(3、5、6)は、追加成分として、5〜30重量%の熱可塑性のパウダー接着剤を含んでいる事を特徴とする、請求項1に記載された絶縁成分。
【請求項4】
該熱可塑性のパウダー接着剤は、コポリエチレンテレフタレート(CO-PET)、コポリアミド(CO-PA)、又はTPOから作られる事を特徴とする、請求項3に記載された絶縁成分。
【請求項5】
該セラミック系接着剤は、水ガラス溶液系の耐火性のセラミック系接着剤である事を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項6】
該セラミック系接着剤は、1000℃を超える耐温度性を有している事を特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項7】
該セラミックのマイクロ中空球体類は、次の組成:
55〜68重量%のSiO2
25〜36重量%のAl23
及び0〜6重量%のFe23
を有したものである事を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項8】
該セラミックのマイクロ中空球体類は、1000℃を超える耐温度性を有している事を特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項9】
該噴射剤は、水に不溶である気密なカバーリングを有し、そしてそれらの粒子に液体及び/又は気体の炭化水素が封入される、中空のポリマープラスチック粒子類から作られる事を特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項10】
該中空のポリマープラスチック粒子類は、100℃を越える温度から加熱の影響で膨張する事を特徴とする、請求項9に記載された絶縁成分。
【請求項11】
該中空のポリマープラスチック粒子類は、130℃を越える温度で加熱の影響で破裂し、該液体及び/又は気体の炭化水素が噴射ガスとして放出される事を特徴とする、請求項9又は10に記載された絶縁成分。
【請求項12】
該中空のポリマープラスチック粒子類は、2〜50μmの範囲の粒径を有している事を特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項13】
該絶縁成分は、不織材料、フォーム、及び/又は重質層物質での多数の層(1、2、4)から作られており、該層(1、2、4)の少なくとも二層は、難燃性のコーティング(3、5、6)によりお互いに接着される事を特徴とする、請求項9〜12のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項14】
該絶縁成分は、外側に、難燃性のコーティング(5)及びアルミニウムフィルム(7)を備えており、該アルミニウムフィルム(7)は、露出状態で位置付けられており、そして、難燃性のコーティング(5)により、絶縁成分の追加の層(4)に接着される事を特徴とする、請求項9〜13のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に難燃性のコーティング(3、5、6)を備える、断熱及び/又は防音用、特に自動車類用の絶縁成分であって、難燃性のコーティング(3、5、6)は少なくとも次の成分:
40〜90重量%のセラミック系接着剤、
5〜50重量%の0.1〜3mmの範囲の粒径を有するセラミックのマイクロ中空球体類、
5〜30重量%の熱可塑性のパウダー接着剤、
及び、水に不溶である気密なカバーリングを有し、そしてそれらの粒子に液体及び/又は気体の炭化水素が封入される、中空のポリマープラスチック粒子類から作られる、0.1〜10重量%の加熱の影響により膨張する噴射剤
から成るものであり、該熱可塑性のパウダー接着剤は、コポリエチレンテレフタレート(CO-PET)、コポリアミド(CO-PA)、及び/又はオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)から作られる事を特徴とする、絶縁成分。
【請求項2】
該難燃性のコーティング(3、5、6)は、追加成分として、
0.1〜5重量%の50μm以下の粒径を有するアルミニウムパウダー、
及び/又は0.1〜20重量%の水酸化アルミニウム
を含んでいる事を特徴とする、請求項1に記載された絶縁成分。
【請求項3】
該セラミック系接着剤は、水ガラス溶液系の耐火性のセラミック系接着剤である事を特徴とする、請求項1又は2に記載された絶縁成分。
【請求項4】
該セラミック系接着剤は、1000℃を超える耐温度性を有している事を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項5】
該セラミックのマイクロ中空球体類は、次の組成:
55〜68重量%のSiO2
25〜36重量%のAl23
及び0〜6重量%のFe23
を有するものである事を特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項6】
該セラミックのマイクロ中空球体類は、1000℃を超える耐温度性を有している事を特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項7】
該中空のポリマープラスチック粒子類は、100℃を越える温度から加熱の影響で膨張する事を特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項8】
該中空のポリマープラスチック粒子類は、130℃を越える温度で加熱の影響で破裂し、該液体及び/又は気体の炭化水素が噴射ガスとして放出される事を特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項9】
該中空のポリマープラスチック粒子類は、2〜50μmの範囲の粒径を有している事を特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項10】
該絶縁成分は、不織材料、フォーム、及び/又は重質層物質での多数の層(1、2、4)から作られており、該層(1、2、4)の少なくとも二層は、難燃性のコーティング(3、5、6)によりお互いに接着される事を特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載された絶縁成分。
【請求項11】
該絶縁成分は、外側に、難燃性のコーティング(5)及びアルミニウムフィルム(7)を備え、該アルミニウムフィルム(7)は、露出状態で位置付けられており、そして、難燃性のコーティング(5)により、絶縁成分の追加の層(4)に接着される事を特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載された絶縁成分。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−500245(P2006−500245A)
【公表日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536904(P2004−536904)
【出願日】平成15年7月23日(2003.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2003/008030
【国際公開番号】WO2004/026788
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(504210628)カーコースティクス テック センター ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (20)
【Fターム(参考)】