説明

電力変換装置

【課題】基板を小型化でき、スイッチング素子の配置や作動への影響を抑制できる電力変換装置を提供することである。
【解決手段】コンデンサと、複数のスイッチング素子と、複数の通常時駆動回路と、通常時駆動用電源とを備える電力変換装置において、コンデンサに蓄積された電荷を放電する際にスイッチング素子を駆動する一以上の放電時駆動回路M2b,M5bと、放電時駆動回路M2b,M5bの作動に必要な電力を出力する放電時駆動用電源50と、スイッチング素子に接続するための複数の接続部J2,J5を配置する基板100とを有し、一以上の放電時駆動回路M2b,M5bが複数の接続部の中から選択される接続部J2,J5を含む特定領域に配置され、特定領域の近傍に放電時駆動用電源50が配置される。放電時駆動回路M2b,M5bと放電時駆動用電源50の接続に必要な配線距離が短くなるので小型化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサ,スイッチング素子,駆動回路,駆動用電源などを少なくとも備える電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置では、平滑用のコンデンサに蓄積された電荷を放電するにあたって、全てのスイッチング素子をオン状態にし、スイッチング素子に流れる電流が過電流となる前に、一以上のスイッチング素子をオフにする技術が開示されている(例えば特許文献1を参照)。また、主電源からの直流電圧の出力オフ時に、電流制限手段によってスイッチング素子の制御電圧を制御する技術が開示されている(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−232620号公報
【特許文献2】特開平9−201065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の電力変換装置では、スイッチング素子の駆動制御を行うことで平滑用のコンデンサに蓄積された電荷の放電を行えるが、当該駆動制御を行う駆動回路に対する電力の供給が絶たれるとスイッチング素子を駆動できずに放電も行えないという問題がある。この問題を解決する方策としては、通常時(すなわち電力変換を行う時期)に作動する駆動回路とは別個に、放電時(すなわちコンデンサに蓄積された電荷の放電を行う時期)に作動する駆動回路を設けるとともに、当該二つの駆動回路には個別の電源から電力を供給する構成が考えられる。
【0005】
しかし、個別の電源のうち少なくとも一方の電源は、高電圧電源から供給される電力を受け、所要の電圧に昇圧/降圧して出力する。そのため、電源や駆動回路等(FMVSS回路)は、高圧電源と同じ領域に配置する必要がある。また、低電圧領域に配置された制御手段(例えばCPUやコントローラ等)から信号を受ける場合、絶縁領域が必要になるため、駆動回路等の配置によっては基板が大きくなり、スイッチング素子の配置や作動に影響を及ぼす。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、基板を小型化でき、スイッチング素子の配置や作動への影響を抑制できる電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電力供給源の出力側両端に接続して平滑するコンデンサと、前記電力供給源から供給される電力を変換して出力する複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子ごとに対応して設けられ前記電力を変換する際に対応する前記スイッチング素子を駆動する複数の通常時駆動回路と、前記複数の通常時駆動回路の作動に必要な電力を出力する通常時駆動用電源とを備える電力変換装置において、前記複数のスイッチング素子のうち一以上のスイッチング素子ごとに対応して設けられ、前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する際に前記対応する前記スイッチング素子を駆動する一以上の放電時駆動回路と、前記通常時駆動用電源とは別個に設けられ、前記放電時駆動回路の作動に必要な電力を出力する放電時駆動用電源と、前記スイッチング素子ごとに対応して設けられ、前記スイッチング素子に接続するための複数の接続部を配置する基板と、を有し、前記一以上の放電時駆動回路が前記複数の接続部の中から選択される接続部を含む一以上の特定領域に配置され、前記特定領域の近傍には前記放電時駆動用電源が配置されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、一以上の放電時駆動回路が接続部を含む領域(以下「特定領域」と呼ぶ。)に配置され、特定領域の近傍には放電時駆動用電源が配置される。この特定領域には接続部(すなわち放電時に駆動されるスイッチング素子に接続する接続部)を含み、近傍に配置された放電時駆動回路との接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板を小型化することができ、スイッチング素子の配置や作動への影響を抑制することができる。特に複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分け、上アーム用領域と下アーム用領域との間に他の領域(例えば後述する異電位領域)を配置しない場合には、基板をより小型化することができる。
【0009】
なお、「通常時」は通常の電力変換を行う時期や期間を意味し、「放電時」は電力変換を行わずにコンデンサに蓄積された電荷の放電を行う時期や期間を意味する。よって、通常時と放電時とが同時期になることはない。「スイッチング素子」にはスイッチング機能を有する任意の半導体素子を用いることができ、例えばIGBTやパワートランジスタ等が該当する。「コンデンサ」には平滑機能を実現するために電荷の蓄積と放電(放出)が可能な任意の回路素子を用いることができ、キャパシタ等の蓄放電手段を含む。「通常時駆動回路」はスイッチング素子ごとに対応して備える必要があるが、「放電時駆動回路」は放電時に駆動される一以上のスイッチング素子ごとに対応して備えればよい。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記複数の通常時駆動回路に対して伝達する駆動信号を生成する駆動信号生成回路をさらに有し、前記一以上の放電時駆動回路は、前記駆動信号生成回路が配置される領域の近傍に位置する接続部を含む領域に配置されることを特徴とする。この構成によれば、一以上の放電時駆動回路と駆動信号生成回路との接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板をより小型化することができ、スイッチング素子の配置や作動への影響をより抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記スイッチング素子の両面側から冷却する両面型冷却装置を有することを特徴とする。この構成によれば、両面型冷却装置を用いることでスイッチング素子を効率良く冷却することができる。特に上アーム用領域と下アーム用領域との間に他の領域(例えば後述する異電位領域)を配置しない場合には、基板上のレイアウトを効率よく行える。
【0012】
請求項4に記載の発明は、電力供給源の出力側両端に接続して平滑するコンデンサと、前記電力供給源から供給される電力を変換して出力する複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子ごとに対応して設けられ前記電力を変換する際に対応する前記スイッチング素子を駆動する複数の通常時駆動回路と、前記複数の通常時駆動回路の作動に必要な電力を出力する通常時駆動用電源とを備える電力変換装置において、前記複数のスイッチング素子のうち一以上のスイッチング素子ごとに対応して設けられ、前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する際に前記対応する前記スイッチング素子を駆動する一以上の放電時駆動回路と、前記通常時駆動用電源とは別個に設けられ、前記放電時駆動回路の作動に必要な電力を出力する放電時駆動用電源と、前記複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分けて配置するとともに、前記上アーム用領域と前記下アーム用領域との間にこれらの領域の電位と異なる異電位領域を介在させて配置する基板とを有し、前記一以上の放電時駆動回路は、それぞれが列状に配置される前記上アーム用領域および前記下アーム用領域の双方における端側の領域またはその近傍に位置することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、一以上の放電時駆動回路は、上アーム用領域と下アーム用領域との間に介在する異電位領域(例えば低電圧領域)を避けて、双方のアーム用領域における端側の領域またはその近傍に位置する。逆に言えば、放電時駆動回路が配置される端側の領域等にまで異電位領域を広げることができる。したがって、基板上のレイアウトを効率よく行えるので、基板をより小型化することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、前記一以上の放電時駆動回路を配置する領域は、前記複数のスイッチング素子のうち前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する際に駆動するスイッチング素子に接続する接続部を含むことを特徴とする。この構成によれば、放電時に駆動さえるスイッチング素子と放電時駆動回路との接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板をより小型化することができ、スイッチング素子の配置や作動への影響をより抑制することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、前記基板は、所定電圧が印加される所定電圧領域と、基底電位と前記所定電圧との電位差を検出する電位差検出回路とを含み、前記放電時駆動用電源は、前記電位差検出回路に接続し、前記電位差検出回路から供給される電力を受けて前記放電時駆動回路の作動に必要な電力を出力することを特徴とする。この構成によれば、放電時駆動用電源から電力を出力するために必要な電力を電位差検出回路から確保するので、別個の電力源や新たな端子等が不要になる。したがって、基板上のレイアウトを効率よく行えるとともに、コストを低減できる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、前記一以上の放電時駆動回路は、前記電位差検出回路が配置された領域の近傍に位置することを特徴とする。この構成によれば、放電時駆動回路と電位差検出回路との接続に必要な配線距離が短くなり、効率よくレイアウトができる。配線距離が短くなれば基板をより小型化することができ、スイッチング素子の配置や作動への影響をより抑制することができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、前記複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分けて配置し、前記放電時駆動用電源は、前記上アーム用領域のスイッチング素子に接続し、前記スイッチング素子に供給される電力を受けて作動することを特徴とする。この構成によれば、上アーム用領域のスイッチング素子(特にコレクタ端子等の入力端子)には高電圧(例えば200[V]や650[V]等)が印加されることが多く、当該スイッチング素子に接続することで放電時駆動用電源の作動に必要な電力を確保する。したがって、別個の電力源や新たな端子等が不要になるとともに、基板上のレイアウトを効率よく行え、コストを低減できる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分けて配置し、前記一以上の放電時駆動回路は、対応する前記下アーム用領域のスイッチング素子に接続し、対応する前記下アーム用領域のスイッチング素子の基底電位を基準とすることを特徴とする。「対応するスイッチング素子」とは、放電時に放電時駆動回路が駆動用信号を伝達して駆動させるスイッチング素子を意味する。この構成によれば、放電時駆動回路は対応する下アーム用領域のスイッチング素子の基底電位(特にエミッタ端子等の出力端子)を基準とするので、同じ下アーム用領域でも他のスイッチング素子の基底電位を基準とする場合に比べて効率よくレイアウトを行うことができる。また、放電時駆動回路に供給される電力(電圧)精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】電力変換装置の第1構成例を示す回路図である。
【図2】基板の第1配置例を示す平面図である。
【図3】基板の第2配置例を示す平面図である。
【図4】基板の第3配置例を示す平面図である。
【図5】基板の第4配置例を示す平面図である。
【図6】両面型冷却装置の構成例を示す図である。
【図7】電力変換装置の第2構成例を示す回路図である。
【図8】基板の第5配置例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。また、連続符号は記号「〜」を用いて簡略化する。例えば「スイッチング素子Q1〜Q6」は「スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6」を意味する。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。出力機器には車両用の発電電動機(エンジン始動および発電の双方が行える機器)を適用した例を説明する。
【0021】
〔実施の形態1〕
本実施の形態は、一以上の発電電動機に対して電力を出力する電力変換装置に適用した例である。まず図1には、電力変換装置の第1構成例を回路図で示す。図1に示す電力変換装置20は、直流電源E1(電力供給源)からコンバータ回路10(昇圧手段)を介して供給される直流電力(電圧VH;例えば650[V])を三相交流電力に変換し、一以上の発電電動機(図面には「MG」と記載する)31,32,…に出力する機能を担う。電圧VHは「所定電圧」に相当する。なお、図1では図示を簡単にするために一部の素子や回路等を省略する。
【0022】
コンバータ回路10は「電力供給源」に相当し、直流電源E1から供給される電力(電圧VL;例えば200[V])を昇圧して出力する機能を担う。電圧VLは「所定電圧」に相当する。直流電源E1の出力端子側には平滑用のコンデンサC1(あるいはキャパシタ等の蓄放電手段)が接続される。コンデンサC1には電位差検出回路20aが並列接続される。電位差検出回路20aは、直流電源E1から供給される直流電力(電圧VL)を検出する。より具体的には、基底電位Nと電圧VL(電位)との電位差を検出する。なお、コンバータ回路10を介することなく直流電源E1から直接的に電力の供給を受ける場合には、直流電源E1が「電力供給源」に相当する。また、電圧VHと電圧VLの関係は、必ずしもVH>VLとは限らず、VH≦VLとなる場合もある。
【0023】
電力変換装置20は、コンデンサC2、電位差検出回路20b、発電電動機ごとに対応して設けられる一以上の電力変換部21,22,…などを有する。電力変換部21,22,…は同等の構成であるので、以下では電力変換部21を代表して説明する。
【0024】
平滑用のコンデンサC2(あるいはキャパシタ等の蓄放電手段)は、コンバータ回路10の出力端子側に接続される。コンデンサC2には電位差検出回路20bが並列接続される。電位差検出回路20bは、コンバータ回路10から供給される直流電力(電圧VH)を検出する。より具体的には、基底電位Nと電圧VH(電位)との電位差を検出する。
【0025】
電力変換部21は、給電機能および送電機能のうち一方または双方の機能を実現可能に構成される。給電機能は、直流電源E1からコンバータ回路10を介して供給される直流電力(電圧VH)を三相交流電力に変換して発電電動機31に供給する機能である。送電機能は、発電電動機31が発電した三相交流電力を整流し、コンバータ回路10を介して直流電源E1に還流する機能である。
【0026】
電力変換部21は、通常時駆動回路M1a〜M6a、放電時駆動回路M1b〜M6b、回り込み防止手段B1〜B6、スイッチング素子Q1〜Q6、ダイオードD1〜D6、抵抗器R1〜R6などを有する。これらのうち、通常時駆動回路M1a〜M3a、放電時駆動回路M1b〜M3b、回り込み防止手段B1〜B3、スイッチング素子Q1〜Q3、ダイオードD1〜D3、抵抗器R1〜R3などは上アーム側に配置される。通常時駆動回路M4a〜M6a、放電時駆動回路M4b〜M6b、回り込み防止手段B4〜B6、スイッチング素子Q4〜Q6、ダイオードD4〜D6、抵抗器R4〜R6などは下アーム側に配置される。
【0027】
通常時駆動回路M1a〜M3aは、対応するスイッチング素子Q1〜Q3の出力端子(エミッタ端子)を基準電位として通常時駆動用電源40から供給される電力(電圧Va)を受けて作動する。通常時駆動回路M4a〜M6aは、対応するスイッチング素子Q4〜Q6の出力端子(エミッタ端子)を基準電位として通常時駆動用電源40から供給される電力(電圧Vc)を受けて作動する。これらの通常時駆動回路M1a〜M6aは、通常時(通常の電力変換を行う時期や期間)において、それぞれコントローラ60から個別に信号入力端子P1a〜P6aに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子(ゲート端子)に駆動用信号を出力する。
【0028】
放電時駆動回路M1b〜M3bは、スイッチング素子Q1〜Q3の出力端子(エミッタ端子)を基準電位として放電時駆動用電源50から供給される電力(電圧Vb)を受けて作動する。放電時駆動回路M4b〜M6bは、スイッチング素子Q4〜Q6の出力端子(エミッタ端子)を基準電位として放電時駆動用電源50から供給される電力(電圧Vd)を受けて作動する。これらの放電時駆動回路M1b〜M6bは、放電時(通常時以外の時期であってコンデンサC2に蓄積された電荷の放電を行う時期)において、それぞれコントローラ60から個別に信号入力端子P1b〜P6bに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子(ゲート端子)に駆動用信号を出力する。
【0029】
通常時駆動用電源40は一つ備える形態でもよく(図1を参照)、通常時駆動回路M1a〜M6aごとに対応して複数備える形態でもよい。放電時駆動用電源50についても同様であり、一つ備える形態でもよく(図1を参照)、放電時駆動回路M1b〜M6bごとに対応して複数備える形態でもよい。上述した電圧Va,Vb,Vc,Vdは、同じ電圧となる場合に限らず、基準電位の相違によって異なる電圧となる場合もある。
【0030】
回り込み防止手段B1〜B6は、放電時駆動回路M1b〜M6bに対応して設けられる。言い換えれば、放電時駆動回路を設けない相やアームには回り込み防止手段も不要である。この回り込み防止手段B1〜B6は、通常時駆動回路および放電時駆動回路のうち、一方の駆動回路から他方の駆動回路に向かって回り込もうとする駆動用信号を阻止する機能を担う。この回り込み防止手段B1〜B6は、通常時駆動回路とスイッチング素子との間、および、放電時駆動回路とスイッチング素子との間の双方に介在して接続される。各回り込み防止手段B1〜B6は、スイッチ(接点の有無を問わない),整流素子,スイッチング素子,トランジスタ(MOSトランジスタやFETを含む),ダイオード,バリスタ,サイリスタなどを用いて構成され、放電時駆動回路に対応して設けるのが望ましい。なお、上述のように通常時駆動回路および放電時駆動回路とは別個に構成してもよく、通常時駆動回路および放電時駆動回路にそれぞれ内在させる構成としてもよい。
【0031】
スイッチSwは、直流電源E1から供給される電力について受電(オン)/非受電(オフ)を切り換える機能を担う。このスイッチSwは、直流電源E1とコンデンサC1との間に接続され、コントローラ60等からオン/オフの切り換え制御が行える素子を用いるのが望ましい。放電時にはコンデンサC2に蓄積された電荷の放電を行うが、電力供給源Esから電力が供給され続けるとコンデンサC2の放電自体を行えない。よって、放電時にスイッチSwを非受電(オフ)に切り換えて、コンデンサC2に蓄積された電荷を放電可能な環境にする。
【0032】
なお、上述した放電時駆動回路M1b〜M6bおよび回り込み防止手段B1〜B6は、それぞれ電力変換部21に一以上を備えていればよい。本形態では図1に示すように、放電時駆動回路M2b,M5bおよび回り込み防止手段B2,B5を備えた例を示す。後述する実施の形態2,3では、放電時駆動回路M3b,M6bおよび回り込み防止手段B3,B6を備えた例を示す。さらに後述する実施の形態4では、放電時駆動回路M1b,M4bおよび回り込み防止手段B1,B4を備えた例を示す。このように放電時駆動回路および回り込み防止手段は、U相のみ、V相のみ、W相のみ、いずれか選択する二相(例えばU相とV相)、三相全部のうち、いずれかの形態で備えればよい。
【0033】
スイッチング素子Q1〜Q6には、例えばセンス電流を出力するセンス端子Ps1〜Ps6を備えたIGBTを用いる。センス端子Ps4〜Ps6と基底電位Nとの間は、それぞれ抵抗器R4〜R6を接続する。抵抗器R1〜R3はそれぞれ対応するスイッチング素子Q1〜Q3の各出力端子(エミッタ端子)と接続される。基底電位Nは電力変換装置20内で共通する電位(同電位グランド)であり、接地された場合には0[V]になる。
【0034】
電力変換部21内の回路素子は、三相(本形態ではU相,V相,W相)に分けられ、コントローラ60によって相ごとに作動が制御される。U相は高圧系領域111,114が該当し、通常時駆動回路M1a,M4a、放電時駆動回路M1b,M4b、スイッチング素子Q1,Q4、ダイオードD1,D4、抵抗器R1,R4などで構成される。V相は高圧系領域112,115が該当し、通常時駆動回路M2a,M5a、放電時駆動回路M2b,M5b、スイッチング素子Q2,Q5、ダイオードD2,D5、抵抗器R2,R5などで構成される。W相は高圧系領域113,116が該当し、通常時駆動回路M3a,M6a、放電時駆動回路M3b,M6b、スイッチング素子Q3,Q6、ダイオードD3,D6、抵抗器R3,R6などで構成される。U相のスイッチング素子Q1,Q4は、直列接続されてハーフブリッジを構成する。V相のスイッチング素子Q2,Q5と、W相のスイッチング素子Q3,Q6とについても同様に、直列接続されてハーフブリッジを構成する。ハーフブリッジの各接続点と発電電動機31の三相端子とは、線路Ku,Kv,Kwによって相ごとに接続される。線路KuにはU相電流Iuが流れ、線路KvにはV相電流Ivが流れ、線路KwにはW相電流Iwが流れる。
【0035】
コントローラ60は「駆動信号生成回路」に相当し、コンバータ回路10や電力変換装置20等の作動を全体的に司る。すなわち入力される信号情報に基づいて、コンバータ回路10内に備えるスイッチング素子や、電力変換装置20内に備えるスイッチング素子などを個別にオン/オフの制御を行う指令信号を出力する。信号情報には、外部ECU(これに相当する外部制御装置を含む)から伝達される信号(例えばトルク指令等)や、状態検知情報(例えばセンス電圧,温度,ゲート電圧,端子間電圧など)、発電電動機31に備えられた検知器(例えば電圧計,電流計,レゾルバなど)から伝達される検知信号などが該当する。また、上記外部ECUに対して信号情報を出力したり、検知器に対して作動用の信号を出力する。
【0036】
上述した各機能を果たす限りにおいて、コントローラ60は任意に構成してよい。例えば、CPU(マイコンを含む)によってソフトウェア制御を行う構成としてもよく、IC(LSIやゲートアレイ等を含む)やトランジスタ等の電子部品を用いてハードウェア制御を行う構成としてもよい。
【0037】
上述のように構成された電力変換部21は、次のように作動する。通常時には、コントローラ60から信号入力端子P1a〜P6aに個別に入力される指令信号に基づいて通常時駆動回路M1a〜M6aから駆動用信号がスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子(ゲート端子)に駆動用信号が伝達され、コンバータ回路10から供給される電力を変換して発電電動機31に出力する。また放電時には、コントローラ60から信号入力端子P1b〜P6bに個別に入力される指令信号に基づいて放電時駆動回路M2b,M5bから駆動用信号がスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子(ゲート端子)に駆動用信号が伝達され、コンデンサC2に蓄積された電荷を放電する。回り込み防止手段B2,B5が介在するので、通常時駆動回路M2a,M5aおよび放電時駆動回路M2b,M5bのうち一方の駆動回路から他方の駆動回路に駆動用信号が回り込むのを阻止することができる。
【0038】
上述した電力変換装置20の構成要素を基板上に配置する例について、図2を参照しながら説明する。図2には、基板の第1配置例を平面図で示すが、図1に示す全ての要素は図示できないので説明に必要な要素のみを図示する(後述する図3〜図5でも同様)。
【0039】
図2に示す基板100は、放電時駆動用電源50、高圧系領域111〜116、低圧系領域120、接続部J1〜J6などを有する。低圧系領域120は例えば「コ」字状に形成され、外部ECU(制御装置)との接続を行うコネクタ130を備える。この低圧系領域120には、接地電位(GND)を基準として低電圧(例えば12[V]等)が印加される。
【0040】
高圧系領域111〜116はそれぞれが「所定電圧領域」に相当する。高圧系領域111には、後述するモジュール141(図6を参照)に接続する接続部J1が配置される。同様にして高圧系領域112〜116には、順番にそれぞれ後述するモジュール142〜146(図6を参照)に接続する接続部J2〜J6が配置される。高圧系領域112には放電時駆動回路M2bが配置され、高圧系領域115には放電時駆動回路M5bが配置される。高圧系領域112と高圧系領域115との間には、絶縁素子Zaが配置される。絶縁素子Zaには、絶縁を確保しながらも電力や信号等が伝達可能な素子が用いられ、例えばトランスやフォトカプラ等が該当する。放電時駆動用電源50は、高圧系領域112と高圧系領域113との間に配置されるとともに、高圧系領域115に接続される。なお、放電時駆動用電源50および放電時駆動回路M2b,M5b等はFMVSS回路に相当する。
【0041】
上述した配置の基板100において、放電時駆動用電源50から供給される電力は、太実線で示すように、放電時駆動回路M5b→絶縁素子Za→放電時駆動回路M2bに伝達される。コントローラ60は低圧系領域120および高圧系領域111〜116のいずれに配置してもよく、基板100以外の基板や機器等に配置した上でコネクタ130を通じて接続してもよい。
【0042】
上述した実施の形態1によれば、請求項1に対応する効果を得る。すなわち基板100は、放電時駆動回路M2b,M5bをそれぞれ接続部J2,J5を含む高圧系領域112,115(特定領域)に配置するとともに、特定領域の近傍に放電時駆動用電源50を配置する構成とした(図2を参照)。この構成によれば、放電時駆動回路M2b,M5bと放電時駆動用電源50との接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板100を小型化することができ、スイッチング素子Q1〜Q6の配置や作動への影響を抑制することができる。また、図1に示すように上アーム用領域のスイッチング素子Q1〜Q3と、下アーム用領域のスイッチング素子Q4〜Q6とに分け、上アーム用領域と下アーム用領域との間に何も配置しない場合には、基板100をより小型化できる。
【0043】
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、実施の形態1とは別個に配置した基板で構成する例である。当該実施の形態2は図3を参照しながら説明する。図3には、基板の第2配置例を平面図で示す。なお、電力変換装置20等の回路構成例は、実施の形態1に示す図1と同様である。実施の形態2では、図示および説明を簡単にするために実施の形態1と異なる点を説明し、図1,図2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0044】
図3に示す基板100は、図2に示す基板100に代わる配置例であって、次の5点で相違する。第1点は、高圧系領域113には放電時駆動回路M3bが配置され、高圧系領域116には放電時駆動回路M6bが配置される。第2点は、高圧系領域113と高圧系領域116との間に絶縁素子Zbが配置され、高圧系領域116と低圧系領域120との間に絶縁素子Zcが配置される。絶縁素子Zb,Zcには、絶縁を確保しながらも電力や信号等が伝達可能な素子が用いられ、それぞれ図2に示す絶縁素子Zaと同等の素子を用いる。第3点は、放電時駆動用電源50が高圧系領域113,高圧系領域116および低圧系領域120で囲まれるように配置され、このうち高圧系領域116の一部を占める。第4点は、電位差検出回路20bおよび電位差検出回路20aの一方または双方(以下では単に「電位差検出回路20b等」と呼ぶ。)が高圧系領域113に近い低圧系領域120内に配置される。第5点は、電位差検出回路20b等は放電時駆動用電源50に接続され、当該放電時駆動用電源50が電力を出力するのに必要な供給源とする。なお、放電時駆動用電源50および放電時駆動回路M3b,M6b等はFMVSS回路に相当する。
【0045】
上述した配置の基板100において、電位差検出回路20b等から供給される電力は、太実線で示すように、放電時駆動用電源50→放電時駆動回路M6b→絶縁素子Zb→放電時駆動回路M3bに伝達される。また、コントローラ60から出力される駆動用信号は、太破線で示すように、絶縁素子Zc→放電時駆動回路M6b→接続部J6を経てモジュール146(スイッチング素子Q6)に伝達され、並行して絶縁素子Zc→放電時駆動回路M6b→絶縁素子Zb→放電時駆動回路M3b→接続部J3を経てモジュール143(スイッチング素子Q3)に伝達される。
【0046】
上述した実施の形態2によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項2に対応し、放電時駆動回路M3b,M6bがコントローラ60が配置される領域の近傍に位置する接続部J3,J6を含む高圧系領域113,116に配置される構成とした(図3を参照)。この構成によれば、コントローラ60と放電時駆動回路M3b,M6bとの接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板100をより小型化することができ、スイッチング素子Q3,Q6の配置や作動への影響をより抑制することができる。
【0047】
請求項6に対応し、基板100は、電圧VHが印加される高圧系領域111〜116と、電圧VHを検出する電位差検出回路20b等とを含み、放電時駆動用電源50は、電位差検出回路20b等に接続し、電位差検出回路20b等から供給される電力を受けて放電時駆動回路M1b〜M6bの作動に必要な電力を出力することを特徴とする。この構成によれば、放電時駆動用電源50から電力を出力するために必要な電力を電位差検出回路20b等から確保するので、別個の電力源や新たな端子等が不要になる。したがって、基板100上のレイアウトを効率よく行えるとともに、コストを低減できる。
【0048】
請求項7に対応し、放電時駆動回路M2b,M5bは、電位差検出回路20b等が配置された領域の近傍に位置する構成とした(図3を参照)。この構成によれば、放電時駆動回路M2b,M5bと電位差検出回路20b等との接続に必要な配線距離が短くなり、効率よくレイアウトができる。配線距離が短くなれば基板100をより小型化することができ、スイッチング素子Q1〜Q6の配置や作動への影響をより抑制することができる。
【0049】
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、実施の形態1とは別個に配置した基板で構成する例である。当該実施の形態3は図4を参照しながら説明する。図4には、基板の第3配置例を平面図で示す。なお、電力変換装置20等の回路構成例は、実施の形態1に示す図1と同様である。実施の形態3では、図示および説明を簡単にするために実施の形態2と異なる点を説明し、図1〜図3で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
図4に示す基板100は、図3に示す基板100に代わる配置例である。放電時駆動用電源50が高圧系領域113,高圧系領域116および低圧系領域120で囲まれるように配置される点は図3と同じであるが、放電時駆動用電源50が電力を出力するのに必要な供給源を接続部J3とする点で相違する。この接続部J3には後述するモジュール143が接続され(図5を参照)、当該モジュール143の特定端子(特にスイッチング素子Q3のコレクタ端子等)にはコンバータ回路10から供給される電力と同等の電力(図1に示す電圧VH)が印加される。そこで、接続部J3のうち上記特定端子と接続される部位に接続する。
【0051】
上述した配置の基板100において、モジュール143の特定端子に接続される接続部J3から供給される電力は、太実線で示すように、放電時駆動用電源50→放電時駆動回路M6b→絶縁素子Zb→放電時駆動回路M3bに伝達される。また太破線で示すように、放電時駆動回路M3bから出力される駆動用信号はモジュール143(スイッチング素子Q3)に伝達され、放電時駆動回路M6bから出力される駆動用信号はモジュール146(スイッチング素子Q6)に伝達される。
【0052】
上述した実施の形態3によれば、請求項8に対応し、スイッチング素子Q1〜Q3を上アーム用の高圧系領域111〜113に配置し、スイッチング素子Q4〜Q6を下アーム用の高圧系領域114〜116に配置する構成とした(図2を参照)。また、放電時駆動用電源50は、高圧系領域113の接続部J3を介してスイッチング素子Q3に接続し、当該スイッチング素子Q3に供給される電力を受けて作動する構成とした(図4を参照)。この構成によれば、スイッチング素子Q3に接続することで放電時駆動用電源50の作動に必要な電力を確保する。したがって、別個の電力源や新たな端子等が不要になるとともに、基板100上のレイアウトを効率よく行え、コストを低減できる。
【0053】
〔実施の形態4〕
実施の形態4は、実施の形態1とは別個に配置した基板で構成する例である。当該実施の形態4は図5を参照しながら説明する。図5には、基板の第3配置例を平面図で示す。なお、電力変換装置20等の回路構成例は、実施の形態1に示す図1と同様である。実施の形態4では、図示および説明を簡単にするために実施の形態1と異なる点を説明し、図1,図2で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
図5に示す基板100は、図2に示す基板100に代わる配置例であって、次の5点で相違する。第1点は、低圧系領域120を「T」字を右に90度回転させた形状に形成する。この形成に伴って第2点は、高圧系領域111〜113と高圧系領域114〜116とを上下方向に分け、この間に低圧系領域120を介在させる。第3点は、高圧系領域111と高圧系領域112との間に絶縁素子Zdが配置される。絶縁素子Zdには、絶縁を確保しながらも電力や信号等が伝達可能な素子が用いられ、図2に示す絶縁素子Zaと同等の素子を用いる。第4点は、放電時駆動用電源50が高圧系領域111,高圧系領域112および低圧系領域120の先端部で囲まれるように配置され、このうち高圧系領域112の一部を占める。第5点は、放電時駆動回路M1bが高圧系領域111に配置され、放電時駆動回路M4bが高圧系領域114に配置される。なお、放電時駆動用電源50および放電時駆動回路M1b,M4b等はFMVSS回路に相当する。
【0055】
上述した配置の基板100において、放電時駆動用電源50から供給される電力は、太実線で示すように、放電時駆動回路M4b→絶縁素子Zd→放電時駆動回路M1bに伝達され、放電時駆動用電源50に接続された高圧系領域114を経て放電時駆動回路M4bに伝達される。
【0056】
上述した実施の形態4によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項4に対応し、基板100は、高圧系領域111〜113と高圧系領域114〜116とを分け、この間に低圧系領域120を介在させる構成とした(図5を参照)。さらに、放電時駆動回路M1b,M4bをそれぞれ接続部J1,J4を含む高圧系領域111,114(特定領域)に配置するとともに、特定領域の近傍に放電時駆動用電源50を配置する構成とした(図5を参照)。この構成によれば、放電時駆動回路M1b,M4bが配置される左端側の領域等にまで低圧系領域120(異電位領域)を広げることができる。したがって、基板100上のレイアウトを効率よく行えるので、基板100をより小型化することができる。
【0057】
請求項5に対応し、放電時駆動回路M1b,M4bを配置する高圧系領域111,114は、スイッチング素子Q1,Q4に接続する接続部J1,J4を含む構成とした(図5を参照)。この構成によれば、放電時に駆動さえるスイッチング素子Q1〜Q6と放電時駆動回路M1b〜M6bとの接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板100をより小型化することができ、スイッチング素子Q1〜Q6の配置や作動への影響をより抑制することができる。
【0058】
請求項9に対応し、スイッチング素子Q1〜Q3を高圧系領域111〜113(上アーム用領域)に配置し、スイッチング素子Q4〜Q6を高圧系領域114〜116(下アーム用領域)に配置する構成とした(図5を参照)。さらに、放電時駆動回路M4bは対応する下アームのスイッチング素子Q4に接続し、対応する下アームのスイッチング素子Q4の出力端子(エミッタ端子)である基底電位Nを基準とする構成とした(図1を参照)。この構成によれば、放電時駆動回路M4bは対応する下アーム用領域のスイッチング素子Q4の基底電位Nを基準とするので、同じ下アーム用領域でも他のスイッチング素子Q5,Q6の基底電位Nを基準とする場合に比べて効率よくレイアウトを行うことができる。また、放電時駆動回路M4bに供給される電力(電圧)精度も向上する。
【0059】
〔実施の形態5〕
実施の形態5は、上述した実施の形態1〜4のいずれにも適用され、さらに両面型冷却装置を備える例である。当該実施の形態5は図6を参照しながら説明する。図5(A)には基板の側方から見た側面図を示し、基板の上方から見た平面図を示す。実施の形態5では、図示および説明を簡単にするために実施の形態1〜4と異なる点を説明し、図1〜図5で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図5に示す冷却装置200は、「両面型冷却装置」に相当する。この冷却装置200は、モジュール141〜146を介してスイッチング素子Q1〜Q6の各両面側から冷却する構造をなす。各モジュールは、一のスイッチング素子と、当該一のスイッチング素子を作動させる回路素子(すなわちダイオード,駆動回路,抵抗器などで一以上の素子)とをパッケージ化したものである。二点鎖線で図示するモジュール151〜156は、図1に二点鎖線で図示する電力変換部22を備えた場合、対応するスイッチング素子Q1〜Q6に相当する。モジュール140,150はコンバータ回路10に用いられるスイッチング素子に相当する。以下では、これら全てのモジュールを「モジュール141〜146等」と表記する。
【0061】
冷却装置200は、一の上流管201、複数(本形態では5または8)の連結管202、一の下流管203などを有する。連結管202は上流管201と下流管203とを連結するとともに、連結管202の相互間はモジュール141〜146等が入る間隔を空ける。上流管201、複数の連結管202および下流管203は、冷却用流体(例えば水,空気,油等)が内部を流れるように形成される。図示しない循環用ポンプによって送り出された冷却用流体は、連結管202に向かう方向(矢印D1方向)に上流管201を流れ、分岐して下流管203に向かう方向(矢印D2方向)に各連結管202を流れ、循環用ポンプに向かう方向(矢印D3方向)に下流管203を流れる。
【0062】
上流管201および下流管203は、任意の素材を用い、任意の外形で形成してよい。一方、複数の連結管202は冷却機能を果たすため、熱伝導率の高い素材(例えば金属)を用い、モジュール141〜146等と接触するように外形を形成する。接触面積が多くなるほど冷却効率が高まる点と、形成コストを低く抑える点とを考慮すると、連結管およびモジュールの各接触面は平面で形成するのが望ましい。なお図示するように、上アームのスイッチング素子を有するモジュール(例えばモジュール141〜143等)は、下アームのスイッチング素子を有するモジュールよりも多く熱を発生し易いので、上流管201側に配置するのが望ましい。
【0063】
上述した実施の形態5によれば、請求項3に対応する効果を得る。すなわち、スイッチング素子Q1〜Q6の両面側から冷却する冷却装置200(両面型冷却装置)を備える構成とした(図6を参照)。この構成によれば、冷却装置200を用いることでスイッチング素子Q1〜Q6を効率良く冷却することができる。特に実施の形態1〜3のように高圧系領域111〜113と高圧系領域114〜116との間に低圧系領域120を介在させない場合には、基板100上のレイアウトを効率よく行える。
【0064】
〔実施の形態6〕
実施の形態6は、実施の形態1とは別の回路に適用する例である。当該実施の形態6は図7,図8を参照しながら説明する。図7には、電力変換装置の第2構成例を回路図で示す。図8には、基板の第5配置例を平面図で示す。なお、図1に示す要素と同一の要素については、同一の符号を用いることで機能作用の説明を省略する。
【0065】
図7に示す電力変換装置70は、直流電源E1から供給される電力(電圧VL)を昇圧して出力する昇圧機能を実現するため、通常時駆動回路Mua,Mda、放電時駆動回路Mub,Mdb、回り込み防止手段Bu,Bd、スイッチング素子Qu,Qd、ダイオードDu,Dd、インダクタL10などを有する。直流電源E1は「電力供給源」に相当する。なお、電力変換装置70は図1に示すコンバータ回路10として適用可能である。
【0066】
通常時駆動回路Muaは、スイッチング素子Quの出力端子(エミッタ端子)を基準電位として通常時駆動用電源40から供給される電力(電圧Va)を受けて作動する。通常時駆動回路Mdaは、スイッチング素子Qdの出力端子(エミッタ端子)を基準電位として通常時駆動用電源40から供給される電力(電圧Vc)を受けて作動する。これらの通常時駆動回路Mua,Mdaは、それぞれコントローラ60から個別に信号入力端子Pua,Pdaに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Qu,Qdの制御端子(ゲート端子)に駆動用信号を出力する。
【0067】
放電時駆動回路Mub、スイッチング素子Quの出力端子(エミッタ端子)を基準電位として放電時駆動用電源50から供給される電力(電圧Vb)を受けて作動する。放電時駆動回路Mdbは、スイッチング素子Qdの出力端子(エミッタ端子)を基準電位として放電時駆動用電源50から供給される電力(電圧Vd)を受けて作動する。これらの放電時駆動回路Mub,Mdbは、それぞれコントローラ60から個別に信号入力端子Pub,Pdbに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Qu,Qdの制御端子(ゲート端子)に駆動用信号を出力する。上述した電圧Va,Vb,Vc,Vdは、同じ電圧となる場合に限らず、基準電位の相違によって異なる電圧となる場合もある。
【0068】
回り込み防止手段Buは、実施の形態1に示す回り込み防止手段B1〜B3と同様の構成および作用効果を奏する。回り込み防止手段Bdは、実施の形態1に示す回り込み防止手段B4〜B6と同様の構成および作用効果を奏する。これらの回り込み防止手段Bu,Bdは放電時駆動回路に対応して設ける。
【0069】
スイッチング素子Qu,Qdは、直列接続されてハーフブリッジを構成している。このスイッチング素子Qu,Qdには、例えばセンス電流を出力するセンス端子Psu,Psdを備えたIGBTを用いる。センス端子Psdと基底電位Nとの間には、抵抗器Rdを接続する。抵抗器Ruは、センス端子Psuと、スイッチング素子Qdの入力端子(ソース端子またはコレクタ端子等)との中間接続点との間に接続される。この中間接続点は、さらにインダクタL10を介して直流電源E1のプラス電極に接続する。このインダクタL10には、例えばチョークコイルを用いる。スイッチング素子Qu,Qdに並列接続されるダイオードDu,Ddは、それぞれフリーホイールダイオードとして機能する。スイッチング素子Qdの出力端子(エミッタ端子)は、直流電源E1のマイナス電極(すなわち基底電位N)に接続する。
【0070】
電力変換装置70以外では、スイッチSw、コンデンサC1,C2、電位差検出回路20a,20bなどがある。スイッチSwは、直流電源E1から供給される電力について受電(オン)/非受電(オフ)を切り換える機能を担う。このスイッチSwは、直流電源E1とコンデンサC1との間に接続され、コントローラ60等からオン/オフの切り換え制御が行える素子を用いるのが望ましい。なお、二点鎖線で示すように電力変換装置70の出力端子側とコンデンサC2との間に接続してもよく、双方で接続してもよい。平滑用のコンデンサC1は、直流電源E1の両端(プラス電極とマイナス電極の間)に接続される。平滑用のコンデンサC2は、電力変換装置70の出力側両端に接続される。電位差検出回路20aはコンデンサC1と並列接続され、電位差検出回路20bはコンデンサC2と並列接続される。スイッチSwおよびコンデンサC1のうち一方または双方は、電力変換装置70に内在させてもよい。
【0071】
上述した電力変換装置70の構成要素を基板上に配置する例について、図8を参照しながら説明する。図8には、基板の第5配置例を平面図で示すが、図7や図1に示す全ての要素は図示できないので説明に必要な要素のみを図示する。
【0072】
図8に示す基板100は、図2に示す基板100に代わる配置例である。図8に示す基板100は、放電時駆動用電源50、高圧系領域111〜118、低圧系領域120、接続部J1〜J6,Ju,Jdなどを有する。これらの要素のうち、放電時駆動用電源50、高圧系領域111〜118、低圧系領域120および接続部J1〜J6はインバータ回路(実施の形態1に示す電力変換装置20)の構成要素であり、実施の形態1と同様である。そのため、以下では電力変換装置70に関連する要素について説明する。
【0073】
高圧系領域117,118はそれぞれが「所定電圧領域」に相当する。高圧系領域117には、放電時駆動回路Mubや、モジュール140(図6を参照)に接続する接続部Juなどが配置される。同じく高圧系領域118には、放電時駆動回路Mdbや、モジュール150(図6を参照)に接続する接続部Jdなどが配置される。放電時駆動用電源50は、高圧系領域117と高圧系領域118との間に配置されるとともに、高圧系領域118に接続される。なお、放電時駆動用電源50および放電時駆動回路Mub,Mdb等はFMVSS回路に相当する。
【0074】
上述した配置の基板100において、放電時駆動用電源50から供給される電力は、太実線で示すように、放電時駆動回路Mdb→絶縁素子Za→放電時駆動回路Mubに伝達される。コントローラ60は低圧系領域120および高圧系領域111〜118のいずれに配置してもよく、基板100以外の基板や機器等に配置した上でコネクタ130を通じて接続してもよい。
【0075】
上述した実施の形態6によれば、請求項1に対応し、放電時駆動回路Mub,Mdbをそれぞれ接続部Ju,Jdを含む高圧系領域117,118(特定領域)に配置するとともに、特定領域の近傍に放電時駆動用電源50を配置する構成とした(図8を参照)。この構成によれば、放電時駆動回路Mub,Mdbと放電時駆動用電源50との接続に必要な配線距離が短くなる。配線距離が短くなれば基板100を小型化することができ、スイッチング素子Qu,Qdの配置や作動への影響を抑制することができる。また、図8に示すように上アーム用領域のスイッチング素子Q1〜Q3,Quと、下アーム用領域のスイッチング素子Q4〜Q6,Qdとに分け、上アーム用領域と下アーム用領域との間に何も配置しない場合には、基板100をより小型化できる。
【0076】
図8では、実施の形態1の対応領域(すなわち図2に示す高圧系領域112,115に相当する領域)に高圧系領域117,118を配置した。この形態に代えて、実施の形態2〜4の対応領域に高圧系領域117,118を配置してもよい。具体的には、実施の形態2,3の対応領域(すなわち図3,図4に示す高圧系領域113,116に相当する領域)に高圧系領域117,118を配置したり、実施の形態4の対応領域(すなわち図5に示す高圧系領域111,114に相当する領域)に高圧系領域117,118を配置したりする。これらの配置をした基板100では、対応する実施の形態で得られる作用効果と同様の作用効果(すなわち請求項2〜9に対応する作用効果)を得ることができる。
【0077】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜6に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0078】
上述した実施の形態1〜6では、出力機器として三相の発電電動機31,32,…を適用した(図1を参照)。この形態に代えて、三相以外の発電電動機や、相数にかかわらず電力変換装置20(具体的には電力変換部21,22,…)から出力する電力を受けて作動可能な他の出力機器を適用してもよい。他の出力機器としては、例えば回転機(すなわち発電機や電動機等)、電力系統、負荷等のうちで一以上が該当する。三相以外の発電電動機や他の出力機器であっても、電力変換装置20によって作動させることができるので、上述した実施の形態1〜6と同様の作用効果を得ることができる。
【0079】
上述した実施の形態1〜6では、スイッチング素子Q1〜Q6等としてセンス端子を有するIGBTを適用した(図1〜図11を参照)。この形態に代えて、スイッチング機能を備えた他の半導体素子を適用してもよい。他の半導体素子としては、センス端子を有しないIGBTや、パワーMOSFET等が該当する。単にスイッチング素子の種類が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態1〜6と同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
上述した実施の形態1に示す基板100は、放電時駆動回路M2b,M5bをそれぞれ接続部J2,J5を含む高圧系領域112,115(特定領域)に配置するとともに、特定領域の近傍に放電時駆動用電源50を配置する構成とした(図2を参照)。この形態に代えて、他の領域の近傍または接続して配置してもよい。当該他の領域は、高圧系領域111,114や、高圧系領域113,116等が該当する。また、上アームと下アームとを入れ換えて配置してもよく、U相,V相,W相を入れ換えて配置してもよい。いずれの配置にせよ、上述した実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
上述した実施の形態2に示す基板100は、放電時駆動回路M3b,M6bがコントローラ60が配置される領域に近い接続部J3,J6を含む高圧系領域113,116に配置される構成とした(図3を参照)。この形態に代えて、放電時駆動用電源50は、他の領域の近傍に配置してもよい。当該他の領域は、高圧系領域111,114や、高圧系領域112,115等が該当する。また、上アームと下アームとを入れ換えて配置してもよく、U相,V相,W相を入れ換えて配置してもよい。いずれの配置にせよ、上述した実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
【0082】
上述した実施の形態3に示す基板100は、放電時駆動用電源50は高圧系領域113の接続部J3を介してスイッチング素子Q3に接続し、当該スイッチング素子Q3に供給される電力を受けて作動する構成とした(図4を参照)。この形態に代えて、放電時駆動用電源50は、他の領域の近傍に配置してもよい。当該他の領域は、高圧系領域111,114や、高圧系領域112,115等が該当する。また、上アームと下アームとを入れ換えて配置してもよく、U相,V相,W相を入れ換えて配置してもよい。いずれの配置にせよ、上述した実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
【0083】
上述した実施の形態4に示す基板100は、放電時駆動回路M1b,M4bをそれぞれ接続部J1,J4を含む高圧系領域111,114(特定領域)に配置するとともに、特定領域の近傍に放電時駆動用電源50を配置する構成とした(図5を参照)。この形態に代えて、放電時駆動用電源50は、他の領域の近傍に配置してもよい。すなわち、上記高圧系領域111,114の部位に高圧系領域112,115や、高圧系領域113,116等を配置する例が該当する。また、上アームと下アームとを入れ換えて配置してもよく、U相,V相,W相を入れ換えて配置してもよい。いずれの配置にせよ、上述した実施の形態1,4と同様の作用効果を得ることができる。
【0084】
上述した実施の形態5では、スイッチング素子の両面側から冷却する冷却装置200を適用した(図6を参照)。この形態に代えて、スイッチング素子を冷却する他の冷却装置を適用してもよい。例えば、各スイッチング素子の片面側から冷却する片面型冷却装置や、各スイッチング素子に接触させて冷却する冷却装置(例えばペルティエ素子;Peltier Device)、他のヒートポンプ(例えば気体液化ヒートポンプ)などが該当する。他の冷却装置であっても、各スイッチング素子冷やされて作動を安定化させることができるので、上述した実施の形態1〜6と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0085】
E1 直流電源(電力供給源)
10 コンバータ回路(電力供給源)
20,70 電力変換装置
20a,20b 電位差検出回路
21,22,… 電力変換部
31 発電電動機(出力機器)
40 通常時駆動用電源
50 放電時駆動用電源
60 コントローラ(駆動信号生成回路)
100 基板
111〜118 高圧系領域(所定電圧領域)
120 低圧系領域
200 冷却装置(両面型冷却装置)
B1〜B6,Bu,Bd 回り込み防止手段
C1,C2 コンデンサ(キャパシタ)
D1〜D6 ダイオード(整流素子)
J1〜J6,Ju,Jd 接続部
M1a,M2a,M3a,M4a,M5a,M6a,Mua,Mda 通常時駆動回路
M1b,M2b,M3b,M4b,M5b,M6b,Mda,Mdb 放電時駆動回路
Q1〜Q6,Qu,Qd スイッチング素子
Za,Zb,Zc,Zd 絶縁素子
N 基底電位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力供給源の出力側両端に接続して平滑するコンデンサと、前記電力供給源から供給される電力を変換して出力する複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子ごとに対応して設けられ前記電力を変換する際に対応する前記スイッチング素子を駆動する複数の通常時駆動回路と、前記複数の通常時駆動回路の作動に必要な電力を出力する通常時駆動用電源とを備える電力変換装置において、
前記複数のスイッチング素子のうち一以上のスイッチング素子ごとに対応して設けられ、前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する際に前記対応する前記スイッチング素子を駆動する一以上の放電時駆動回路と、
前記通常時駆動用電源とは別個に設けられ、前記放電時駆動回路の作動に必要な電力を出力する放電時駆動用電源と、
前記スイッチング素子ごとに対応して設けられ、前記スイッチング素子に接続するための複数の接続部を配置する基板と、を有し、
前記一以上の放電時駆動回路が前記複数の接続部の中から選択される接続部を含む一以上の特定領域に配置され、前記特定領域の近傍には前記放電時駆動用電源が配置されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記複数の通常時駆動回路に対して伝達する駆動信号を生成する駆動信号生成回路をさらに有し、
前記一以上の放電時駆動回路は、前記駆動信号生成回路が配置される領域の近傍に位置する接続部を含む領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子の両面側から冷却する両面型冷却装置を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
電力供給源の出力側両端に接続して平滑するコンデンサと、前記電力供給源から供給される電力を変換して出力する複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子ごとに対応して設けられ前記電力を変換する際に対応する前記スイッチング素子を駆動する複数の通常時駆動回路と、前記複数の通常時駆動回路の作動に必要な電力を出力する通常時駆動用電源とを備える電力変換装置において、
前記複数のスイッチング素子のうち一以上のスイッチング素子ごとに対応して設けられ、前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する際に前記対応する前記スイッチング素子を駆動する一以上の放電時駆動回路と、
前記通常時駆動用電源とは別個に設けられ、前記放電時駆動回路の作動に必要な電力を出力する放電時駆動用電源と、
前記複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分けて配置するとともに、前記上アーム用領域と前記下アーム用領域との間にこれらの領域の電位と異なる異電位領域を介在させて配置する基板と、を有し、
前記一以上の放電時駆動回路は、それぞれが列状に配置される前記上アーム用領域および前記下アーム用領域の双方における端側の領域またはその近傍に位置することを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
前記一以上の放電時駆動回路を配置する領域は、前記複数のスイッチング素子のうち前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する際に駆動するスイッチング素子に接続する接続部を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記基板は、所定電圧が印加される所定電圧領域と、基底電位と前記所定電圧との電位差を検出する電位差検出回路と、を含み、
前記放電時駆動用電源は、前記電位差検出回路に接続し、前記電位差検出回路から供給される電力を受けて前記放電時駆動回路の作動に必要な電力を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記一以上の放電時駆動回路は、前記電位差検出回路が配置された領域の近傍に位置することを特徴とする請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分けて配置し、
前記放電時駆動用電源は、前記上アーム用領域のスイッチング素子に接続し、前記スイッチング素子に供給される電力を受けて作動することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記複数のスイッチング素子を上アーム用領域と下アーム用領域とに分けて配置し、
前記一以上の放電時駆動回路は、対応する前記下アーム用領域のスイッチング素子に接続し、対応する前記下アーム用領域のスイッチング素子の基底電位を基準とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−217483(P2011−217483A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82063(P2010−82063)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】