説明

電動コンプレッサの制御装置

【課題】 脱調しづらく安定な起動を実現できる電動コンプレッサの制御装置を提供する。
【解決手段】 電動コンプレッサ2を駆動する同期電動モータ16と、このモータ16の目標速度ω1*を設定する目標速度設定部11と、目標速度ω1*に応じてモータ16を制御するモータ制御部15と、を有する電動コンプレッサの制御装置において、モータ16の起動時、目標速度ω1*を増加補正する目標速度補正部13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動コンプレッサの制御装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータ起動時のトルクを大きくして確実にモータを駆動させるために、モータの速度に応じて起動・低速運転時と高速運転時の2つの制御を切り替える技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−147430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、通常運転時に用いられる、PWM制御・正弦波駆動ベクトル制御方式に加えて、起動時・低速運転時には制御の劣る簡易な制御方式を用意してそれぞれ切り替え運転しなくてはならない。このとき、モータ速度のみに応じて切り替え判断を行っているため、起動時・低速時には常に簡易な制御方式で運転することになり、脱調(制御パルスに対応した回転の同期が失われること)しやすいという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、脱調しづらく安定な起動を実現できる電動コンプレッサの制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上位目的を達成するため、本発明では、同期電動モータの起動時、目標速度を増加補正する目標速度補正手段を備える。
【発明の効果】
【0006】
よって、本発明にあっては、モータ起動時に目標速度を増加補正するため、脱調しづらく安定な起動を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の電動コンプレッサの制御装置を実施するための最良の形態を、各実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の電動コンプレッサの制御装置を用いた空調システムの概略説明図である。
実施例1における空調システムは、コントローラ1、電動コンプレッサ2、リキッドタンク3、ファン4、コンデンサ5、エバポレータ6、電磁弁7、温度センサ8およびエアコンスイッチ9を主要な構成としている。
コントローラ1は、車室内の温度が目標温度に保たれるように、電動コンプレッサ2や電磁弁7を制御する。電動コンプレッサ2の制御については、後述する。
【0009】
電動コンプレッサ2は、エバポレータ6からの冷媒を圧縮して高圧冷媒をコンデンサ5へ送る。
リキッドタンク3は、一時的に液化した冷媒を貯留して水分やゴミを除去し、液化冷媒を電磁弁7へ送る。
ファン4は、車室内を空調する冷却風を発生させ、車室内へ送る。
コンデンサ5は、電動コンプレッサ2からの高圧冷媒を放熱冷却させ液化させる。
エバポレータ6は、冷媒を蒸発させてファン4が車室内に送る空気を冷却する。
【0010】
電磁弁7は、コントローラ1からの指令により冷媒量を制御する。なお、エキスパンションバルブとしての機能を備えるようにしてもよく、別に設けるようにしてもよい。
温度センサ8は、エバポレータ通過直後の空気温を検出する。
エアコンスイッチ9は、車室内に設けられ、乗員の操作により空調システムのオンオフを入力する操作スイッチである。
【0011】
図2は、実施例1の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図である。この制御は、コントローラ1に組み込まれている。
コントローラに組み込まれた電動コンプレッサの制御装置は、目標速度設定部(目標速度設定部)11と、タイマ12と、目標速度補正部(目標速度補正手段)13と、加算器14と、モータ制御部(モータ制御手段)15とを有している。
【0012】
目標速度設定部11は、日射量、車室内温度、エアコンの目標設定温度などの情報を用いて設定されたエバポレータ通過直後の空気の目標温度と、温度センサ8により検出された実際の温度との偏差に基づいて、電動コンプレッサ2のモータ16の目標速度ω1*を設定し、加算器14へ出力する。実施例1では、モータ16として、三相交流により駆動する同期モータを用いている。
【0013】
タイマ12は、モータ16の起動時間が所定時間tとなるまでの時間を計測する。
目標速度補正部13は、モータ16の起動直後から所定時間tが経過するまでの間、目標速度設定部11から出力された目標速度ω1*を増加補正するための補正値Δω1*を加算器14へ出力する。実施例1では、補正値Δω1*を所定値としている。
加算器14は、目標速度ω1*と補正値Δω1*とを加算した補正後目標速度ω2*をモータ制御部15へ出力する。
【0014】
モータ制御部15は、モータ16の実際の回転速度が補正後目標速度ω2*と一致するようにモータ16を駆動する。ただし、停止指令中は、目標速度にかかわらず、モータ16を停止する。
ここで、モータ16は、エンコーダ等を使用しないセンサレス方式で駆動しており、モータ16の位置や回転速度は、電圧・電流値等から演算により推定している。
【0015】
作用を説明する。
例えば、エンコーダ等を使用しないセンサレス方式でモータを駆動する場合、位置・速度は電圧・電流値等から演算により推定される。このため、起動時、低速運転時等は電圧・電流値が微小で、位置・速度の推定が困難となり、脱調(制御パルスに対応した回転の同期が失われること)の可能性がある。さらに、コンプレッサと組み合わせてモータを駆動する場合には、コンプレッサ側の差圧(吐出圧力と吸入圧力との差圧)の影響により、負荷変動が大きく、モータの起動はより困難となる。
【0016】
これに対し、実施例1では、目標速度設定部11により生成された目標速度ω1*を、起動開始から所定時間tが経過するまでの間、目標速度補正部13の補正値Δω1*によって増加補正している。モータ16は、目標速度ω1*に補正値Δω1*を加算した補正後目標速度ω2*を目標値として制御されるため、図3に示すように、起動時の実際の回転速度(モータ速度)は、目標速度ω1*に対して補正値Δω1*分だけオーバーシュートする。
【0017】
よって、起動時の回転速度を、コンプレッサ側の差圧に打ち勝つ速度まで高めることができるため、センサレスの構成としつつ、脱調しづらく安定な起動を実現できる。
【0018】
次に、効果を説明する。
実施例1の電動コンプレッサの制御装置にあっては、電動コンプレッサ2を駆動する同期電動モータ16と、このモータ16の目標速度ω1*を設定する目標速度設定部11と、目標速度ω1*に応じてモータ16を制御するモータ制御部15と、を有する電動コンプレッサの制御装置において、モータ16の起動時、目標速度ω1*を増加補正する目標速度補正部13を備える。これにより、センサレスの構成としつつ、脱調しづらく安定な起動を実現できる。
【実施例2】
【0019】
図4は、実施例2の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図であり、実施例2では、目標速度ω1*に基づいて、当該目標速度ω1*を増加補正するか否かを判断する補正判断部(補正判断手段)17を備えている。
【0020】
補正判断部17では、目標速度ω1*と設定速度とを比較し、ω1*≦設定速度の場合には1を出力し、ω1*>設定速度の場合には0を出力する。設定速度は、脱調のおそれのない十分に高いモータ速度であり、あらかじめ実験等により求めた値である。
【0021】
乗算器18は、目標速度補正部13から出力された補正値Δω1*と、補正判断部17から出力された値(1または0)とを乗算し、加算器14へ出力する。
なお、他の構成については実施例1と同様であるため、説明を省略する。
【0022】
次に、作用を説明する。
実施例1では、目標速度ω1*にかかわらず目標速度ω1*を増加補正していたため、モータ速度は常に目標速度ω1*に対してオーバーシュートする。すなわち、目標速度ω1*が十分に高く脱調のおそれがない場合には、目標速度ω1*の増加補正は不要であり、過度にモータ速度を高めるのは静粛性や耐久性の観点から好ましくない。
【0023】
これに対し、実施例2では、図5に示すように、起動時の目標速度ω1*が設定速度以下、すなわち、起動が困難で脱調のおそれがある場合には、目標速度ω1*を増加補正することで、安定した起動を実現できる。
一方、図6に示すように、起動時の目標速度ω1*が設定速度よりも高く、脱調のおそれのない場合には、目標速度ω1*を増加補正せず、通常の起動動作を行うことで、モータ速度の過度な上昇を防止できる。
【0024】
次に、効果を説明する。
実施例2の電動コンプレッサの制御装置にあっては、目標速度ω1*に基づいて、目標速度ω1*を増加補正するか否かを判断する補正判断部17を備え、目標速度補正部13は、補正判断部17の判断結果に基づいて、目標速度ω1*を増加補正する。これにより、静粛性および耐久性の向上と、安定な起動との両立を実現できる。
【実施例3】
【0025】
図7は、実施例3の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図であり、実施例3では、モータ16に作用する負荷を推定するモータ負荷推定部(モータ負荷推定手段)19と、モータ16に作用する負荷に基づいて、目標速度ω1*を増加補正するか否かを判断する補正判断部(補正判断手段)20とを備えている。
【0026】
モータ負荷推定部19は、モータ16の起動時、コンプレッサの差圧等の影響によってモータ16に作用する負荷(モータ負荷)を推定する。
補正判断部20では、モータ負荷推定部19により推定されたモータ負荷と設定負荷とを比較し、モータ負荷≧設定負荷の場合には1を出力し、モータ負荷<設定負荷の場合には0を出力する。設定負荷は、脱調のおそれのないモータ負荷であり、あらかじめ実験等により求めた値である。
なお、他の構成については実施例2と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
次に、作用を説明する。
実施例2で述べたように、実施例1では、モータ速度は常に目標速度ω1*に対してオーバーシュートするため、静粛性や耐久性の観点から好ましくない。
【0028】
これに対して、実施例3では、図8に示すように、起動時のモータ負荷が設定負荷以上、すなわち、起動が困難で脱調のおそれがある場合には、目標速度ω1*を増加補正することで、モータ速度をコンプレッサ側の差圧に打ち勝つ速度まで上昇させることができる。
【0029】
一方、図9に示すように、コンプレッサ側の差圧が小さく確実に起動できる場合には、目標速度ω1*を増加補正せず、通常の起動動作を行うことで、モータ速度の過度な上昇を防止できる。
【0030】
次に、効果を説明する。
実施例3の電動コンプレッサの制御装置にあっては、モータ負荷を推定するモータ負荷推定部19と、モータ負荷に基づいて、目標速度ω1*を増加補正するか否かを判断する補正判断部20と、を備え、目標速度補正部13は、補正判断部20の判断結果に基づいて、目標速度ω1*を増加補正する。これにより、静粛性および耐久性の向上と、安定な起動との両立を実現できる。
【実施例4】
【0031】
図10は、実施例4の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図であり、実施例4では、目標速度ω1*とモータ負荷とに基づいて、目標速度ω1*を増加補正するか否かを判断する補正判断部(補正判断手段)21を備えている。
【0032】
補正判断部21は、実施例2の補正判断部17と実施例3の補正判断部20とを組み合わせて構成されている。補正判断部17は、目標速度ω1*と設定速度とを比較して乗算器18に1または0を出力し、補正判断部20は、モータ負荷推定部19により推定されたモータ負荷と設定負荷とを比較して乗算器18に1または0を出力する。
なお、他の構成については実施例3と同様であるため、説明を省略する。
【0033】
次に、作用を説明する。
実施例4では、目標速度ω1*に応じた目標速度ω1*の増加補正判断と、モータ負荷に応じた目標速度ω1*の増加補正判断とを組み合わせた構成としているため、目標速度ω1*の補正領域は、図11に示す範囲となる。よって、目標速度ω1*のみ、またはモータ負荷のみに応じて補正判断を行う場合と比較して、補正領域をより小さく抑えることができ、静粛性および耐久性をより高めることができる。
【0034】
次に、効果を説明する。
実施例4の電動コンプレッサの制御装置にあっては、モータ負荷を推定するモータ負荷推定部19と、目標速度ω1*とモータ負荷とに基づいて、目標速度ω1*を増加補正するか否かを判断する補正判断部21と、を備え、目標速度補正部13は、補正判断部21の判断結果に基づいて、目標速度ω1*を増加補正する。これにより、静粛性および耐久性の向上と、安定な起動との両立を実現できる。さらに、実施例2および3と比較して、静粛性および耐久性をより高めることができる。
【実施例5】
【0035】
図12は、実施例5の電動コンプレッサの制御装置の要部を示す制御ブロックであり、実施例5では、吐出圧力検出部23により検出された電動コンプレッサ2の吐出圧力と、吸入圧力検出部24により検出された電動コンプレッサ2の吸入圧力との差圧に基づいて、モータ負荷を推定するモータ負荷推定部22を備える。
なお、他の構成については実施例3と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
【0036】
次に、作用を説明する。
図13は、コンプレッサの吐出圧力と吸入圧力との差圧と、モータ負荷との関係図であり、モータ負荷は差圧に比例しているのがわかる。よって、差圧からモータ負荷を求めることで、モータ負荷の推定精度を高めることができる。
【0037】
次に、効果を説明する。
実施例5の電動コンプレッサの制御装置にあっては、モータ負荷推定部22は、電動コンプレッサ2の吐出圧力と吸入圧力との差圧に基づいてモータ負荷を推定するため、モータ負荷を精度良く推定できる。
【実施例6】
【0038】
図14は、実施例6の電動コンプレッサの制御装置の要部を示す制御ブロックであり、実施例6では、三相電流検出部(三相電流検出手段)25と、モータ角度検出部(モータ角度検出手段)26と、モータトルク演算部(モータトルク演算手段)27と、経過時間計測部(経過時間計測手段)28と、モータ負荷推定部(モータ負荷推定手段)29とを備えている。
【0039】
三相電流検出部25は、シャント抵抗等を用いて、モータ16に流れる三相交流電流を検出する。
モータ角度検出部26は、モータ16の電圧・電流値等からモータ16の回転角度を推定する。なお、エンコーダを用いて回転角度を検出してもよい。
【0040】
モータトルク演算部27は、三相交流電流と回転角度とに基づいて、モータトルクを演算する。三相交流モータを制御する際に一般的なベクトル制御法を用いて、三相交流電流を、回転角度を基に2つの直流電流(id,iq)に変換し、下記の式(1)を用いて停止直前のモータトルクを演算する。
T = P{Ψaiq + (Ld - lq)idiq} …(1)
T:モータトルク
P:極体数
Ψa:永久磁石による鎖交磁束
Ld:d軸インダクタンス
Lq:q軸インダクタンス
id:d軸電流
iq:q軸電流
【0041】
経過時間計測部28は、モータ停止から次に起動するまでの経過時間を計測する。
モータ負荷推定部29は、停止直前のモータトルクと停止から起動までの経過時間とに基づいて、モータ負荷を推定する。
なお、他の構成については、実施例3と同様であるため、図示ならびに説明を省略する。
【0042】
次に、作用を説明する。
図15に示すように、差圧とモータトルク(モータ負荷)とは比例関係にあり(図13参照)、差圧はモータ停止直後から一定の勾配で徐々に小さくなるため、停止直前のモータトルクと、停止から次に起動するまでの経過時間がわかれば、起動時の差圧の大きさを求めることができる。そして、実施例5に示したように、起動時の差圧がわかれば、モータ負荷を推定できる。
【0043】
図15において、停止直前(t1)のモータトルクが大きく、経過時間(t2-t1)が短い場合、起動時には大きな負荷がモータ16に加えられ、これがある設定負荷以上であるとき、目標速度ω1*を増加補正する。逆に、停止直前(t3)のモータトルクが小さい、または経過時間(t4-t3)が長い場合は、起動時の負荷は小さくなるため、目標速度ω1*の増加補正は行わない。
【0044】
次に、効果を説明する。
実施例6の電動コンプレッサの制御装置にあっては、モータ16は、三相交流同期モータであり、モータ16の三相交流電流を検出する三相電流検出部25と、モータ16の回転角度を検出するモータ角度検出部26と、三相の電流とモータ16の回転角度とに基づいて、モータトルクを演算するモータトルク演算部27と、モータの停止から次に起動するまでの経過時間を計測する経過時間計測部28と、を備え、モータ負荷推定部29は、停止直前のモータトルクと停止から起動までの経過時間とに基づいて、モータ負荷を推定する。これにより、電動コンプレッサ2の圧力を計測することなくモータ負荷を推定できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1の電動コンプレッサの制御装置を用いた空調システムの概略説明図である。
【図2】実施例1の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図である。
【図3】実施例1の目標速度の増加補正作用を示すタイムチャートである。
【図4】実施例2の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図である。
【図5】実施例2の目標速度に応じた目標速度の増加補正作用を示すタイムチャートである。
【図6】実施例2の目標速度に応じた目標速度の増加補正作用を示すタイムチャートである。
【図7】実施例3の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図である。
【図8】実施例3のモータ負荷に応じた目標速度の増加補正作用を示すタイムチャートである。
【図9】実施例3のモータ負荷に応じた目標速度の増加補正作用を示すタイムチャートである。
【図10】実施例4の電動コンプレッサの制御装置の制御ブロック図である。
【図11】実施例4の設定速度と設定負荷とに応じた目標速度の補正領域を示す図である。
【図12】実施例5の電動コンプレッサの制御装置の要部を示す制御ブロックである。
【図13】コンプレッサの吐出圧力と吸入圧力との差圧と、モータ負荷との関係図である。
【図14】実施例6の電動コンプレッサの制御装置の要部を示す制御ブロックである。
【図15】実施例6のモータ負荷推定方法を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1 コントローラ
2 電動コンプレッサ
3 リキッドタンク
4 ファン
5 コンデンサ
6 エバポレータ
7 電磁弁
8 温度センサ
9 エアコンスイッチ
11 目標速度設定部(目標速度設定手段)
12 タイマ
13 目標速度補正部(目標速度補正手段)
14 加算器
15 モータ制御部
16 電動モータ(同期電動モータ)
17 補正判断部(補正判断手段)
18 乗算器
19 モータ負荷推定部(モータ負荷推定部)
20 補正判断部(補正判断手段)
21 補正判断部(補正判断手段)
22 モータ負荷推定部(モータ負荷推定手段)
23 吐出圧力検出部
24 吸入圧力検出部
25 三相電流検出部(三相電流検出手段)
26 モータ角度検出部(モータ角度検出手段)
27 モータトルク演算部(モータトルク演算手段)
28 経過時間計測部(経過時間計測手段)
29 モータ負荷推定部(モータ負荷推定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンプレッサを駆動する同期電動モータと、
このモータの目標速度を設定する目標速度設定手段と、
前記目標速度に応じて前記モータを制御するモータ制御手段と、
を有する電動コンプレッサの制御装置において、
前記モータの起動時、前記目標速度を増加補正する目標速度補正手段を備えることを特徴とする電動コンプレッサの制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動コンプレッサの制御装置において、
前記目標速度に基づいて、前記目標速度を増加補正するか否かを判断する補正判断手段を備え、
前記目標速度補正手段は、前記補正判断手段の判断結果に基づいて、前記目標速度を増加補正することを特徴とする電動コンプレッサの制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電動コンプレッサの制御装置において、
前記モータに作用する負荷を推定するモータ負荷推定手段と、
前記モータに作用する負荷に基づいて、前記目標速度を増加補正するか否かを判断する補正判断手段と、
を備え、
前記目標速度補正手段は、前記補正判断手段の判断結果に基づいて、前記目標速度を増加補正することを特徴とする電動コンプレッサの制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電動コンプレッサの制御装置において、
前記モータに作用する負荷を推定するモータ負荷推定手段と、
前記目標速度と前記モータに作用する負荷とに基づいて、前記目標速度を増加補正するか否かを判断する補正判断手段と、
を備え、
前記目標速度補正手段は、前記補正判断手段の判断結果に基づいて、前記目標速度を増加補正することを特徴とする電動コンプレッサの制御装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の電動コンプレッサの制御装置において、
前記モータ負荷推定手段は、前記コンプレッサの吐出圧力と吸入圧力との差圧に基づいて前記モータに作用する負荷を推定することを特徴とする電動コンプレッサの制御装置。
【請求項6】
請求項3または請求項4に記載の電動コンプレッサの制御装置において、
前記モータは、三相交流同期モータであり、
前記モータの三相交流電流を検出する三相電流検出手段と、
前記モータの回転角度を検出するモータ角度検出手段と、
前記三相交流電流とモータの回転角度とに基づいて、モータトルクを演算するモータトルク演算手段と、
前記モータの停止から次に起動するまでの経過時間を計測する経過時間計測手段と、
を備え、
前記モータ負荷推定手段は、停止直前のモータトルクと停止から起動までの経過時間とに基づいて、前記モータに作用する負荷を推定することを特徴とする電動コンプレッサの制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−225510(P2009−225510A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−65026(P2008−65026)
【出願日】平成20年3月14日(2008.3.14)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】