説明

電動レーシングカート

【課題】温度上昇を有効に抑止する電動機を備えた電動レーシングカートを提供する。
【解決手段】本発明の電動レーシングカートは、外気を排出する複数の第1通気孔と、外気を取入れる複数の第2通気孔とを有する本体部を備えた電動機100が車体フレーム2に取り付けられており、連通する取入口と排出口を有し、取入口と排出口の開口面が互いに略直交しており、排出口の開口面積が複数の第2通気孔を内包する大きさ以上の外気取入手段400を、排出口にて複数の第2通気孔を内包しつつ電動機100に取付け、取入口は走行方向を向いている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷却用の空気吸入口を有する電動機を用いた電動レーシングカートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーシングカートの原動機としてエンジンが用いられるのが一般的であり、走行中に生じるエンジンの発熱によりエンジンの焼き付きや燃焼効率の低下が生じる。それらの現象を防止するため、エンジンの温度上昇をいかに抑制するかが重要な問題とされている。その問題の解決のためレーシングカートの走行中に生じる走行風を有効に活用してエンジンの冷却を行なっているものもある。例えば、エンジンに走行風が導かれ易くなるようにフロントバンパーに凹部又は開口部を形成し、この凹部又は開口部により導かれた空気にエンジンを冷却させるものがある(特許文献1参照)。このように、レーシングカートの原動機としてはエンジンが一般的であるが、近年、レーシングカートの原動機として直流モータ等の電動機が用いられているものもあり(例えば、特許文献2参照)、このような電動レーシングカートにおいても原動機である電動機の温度上昇を抑止する必要がある。
【特許文献1】特開平9−95190号公報
【特許文献2】特開2001−218308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように電動レーシングカートの電動機においてもその温度上昇を抑止する必要があるのは以下の理由による。直流モータ等の電動機には、絶縁皮膜したコイルが一般に用いられているが、このコイルの温度が上昇するとコイルの抵抗値が増加してしまい、電動機の出力および入出力効率の低下等の問題が生じる。そこで、エンジンと同じように電動機を冷却し、その温度上昇を抑止する必要がある。また、サーキットを走行する電動レーシングカートは加減速を頻繁に繰り返えし、特に、低速から高速に加速する加速時において電動機のコイルに大量の電流が流れるため、走行中に電動機は高温になる。そこで、電動レーシングカートの走行風を有効に活用して電動機を冷却することが望まれる。
【0004】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、電動レーシングカートが走行中に受ける走行風を有効に活用して適切に冷却できる電動機を用いた電動レーシングカートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の電動レーシングカートは、右サイドフレームと左サイドフレームを備え略方形の車体フレームと、前記車体フレームの中央部に取り付けられたシートと、前記シートの前方にて前記車体フレームの前部に取り付けられたハンドルと、前記車体フレームの前部に回転自在に取り付けられた2つの前輪と、前記車体フレームの後部に回転自在に取り付けられたリア車軸と、前記リア車軸の両端部に取り付けられた2つの後輪と、前記後輪の一方に近接して前記リア車軸に取り付けられたドリブンスプロケットと、前記ドリブンスプロケットの近傍にて前記車体フレームの後部に取り付けられ、外部に突出する突設部を有する駆動シャフトを有する電動機と、前記駆動シャフトの突設部に固定され、前記ドリブンスプロケットに連結されたドライブスプロケットとからなり、前記車体フレームの後方部に取り付けられ、前記電動機に駆動制御された電力を供給するドライバ装置と、前記車両フレームの中央部にて右サイドフレーム及び左サイドフレームに取り付けられ、前記ドライバ装置に電力を供給する複数のバッテリーとを備えた電動レーシングカートにおいて、前記電動機は、外気を排出する複数の第1通気孔と、外気を取入れる複数の第2通気孔とを有する本体部を備え、前記電動機には、互いに連通し、それぞれの開口面が互いに略直交して配置された取入口と排出口を有し、前記排出口が前記複数の第2通気孔を内包し、前記取入口が前記後輪から前記前輪に向かう方向に向けて配置された外気取入手段が取り付けられている。
【0006】
これにより、電動レーシングカートが走行中に受ける走行風を有効に活用して、走行速度の上昇ともに多くの外気を電動機の内部に取入れることができ、電動機の作動時に生じるコイルの温度上昇を有効に抑止することができる。
【0007】
また、本発明の電動レーシングカートの前記外気取入手段は、前記取入口から前記排出口に連なる連通部を有し、前記連通部の下端に下面部を備え、前記下面部は前記取入口に向けて、下り勾配となっている。これにより、雨天に電動レーシングカートを走行させた場合に取入口から浸入する雨水を適切に排出し、電動機の内部に雨水が入り込むのを有効に防止することができる。
【0008】
さらに、本発明の電動レーシングカートの電動機は、内側に突出した複数の突極を有する略円環形状のステータと、前記ステータの一端に配設され、複数の第1通気孔を有するフロントブラケットと、前記ステータの他端に配設され、複数の第2通気孔を有するエンドブラケットと、前記フロントブラケットとエンドブラケットとに回転自在に支持される駆動シャフトと、前記駆動シャフトに固定され、外側に突出した複数の突極を有し、前記ステータの内側に内設されるロータと、前記電動機の内部において、前記ロータの軸端部の近傍にて、前記駆動シャフトに取り付けられた少なくとも一つのファンと、前記ステータの複数の突極に巻装されたコイルを備え、前記フロントブラケットには前記駆動シャフトが挿通する挿通孔が設けられており、前記駆動シャフトの突設部が前記フロントブラケットから外部に挿設される。
【0009】
このように、電動レーシングカートの駆動時に回転する駆動シャフトにファンが取り付けられていることで、電動機の内部には強制的な外気の軸流が生じ、前記外気取入手段の取入口からの外気の流入を増加させるとともに、電動機からの排出を増加でき、効果的に電動機を冷却することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にあっては、エンドブラケットに外気を取入れる外気取入手段を取り付けた構造としたことで、走行風を有効に活用してコイルの発熱の抑止を図ることができる電動機を備える電動レーシングカートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の電動レーシングカートについて、図1および図2に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態の電動レーシングカートの平面図である。図2は、図1の電動機等を示す部分(P)を拡大した斜視図である。
【0012】
電動レーシングカート1は、車体フレーム2と、車体フレーム2の中央部に取り付けられたシート3と、シート3の前方にて車体フレーム2の前部に取り付けられたバンドル4と、車体フレーム2の前部に設けられたブレーキペダル5と、車体フレーム2の前部に設けられたアクセルペダル6と、車体フレーム2の前部に回転自在に取り付けられた右前輪7と左前輪8、車体フレーム2の後部に回転自在に取り付けられたリア車軸9と、リア車軸9の両端部に取り付けられた右後輪10と左後輪11からなる。
【0013】
車体フレーム2は、鉄製のパイプで形成されており、右サイドフレーム2aと左サイドフレーム2bと、右サイドフレーム2aと左サイドフレーム2bを渡る複数のクロスメンバー2cにて略方形に形成されている。
【0014】
また、右後輪10に近接してリア車軸9に取り付けられたドリブンスプロケット12と、ドリブンスプロケット12の近傍にて車体フレーム2の後部に取り付けられた電動機100と、前記電動機100の一端から突設する突設部104aを有する駆動シャフト104と、駆動シャフト104の突設部104aに固定されたドライブスプロケット13と、ドライブスプロケット13と前記ドリブンスプロケット12に係着されるチェーン14とが、電動レーシングカート1に備え付けられている。また、車体フレーム2の後部にドライバ装置200が取り付けられており、電動機100と配線200aにて電気的に接続されている。さらに、前記車体フレーム2の中央部にて右サイドフレーム2a及び左サイドフレーム2bに複数のバッテリー300が取り付けられており、ドライバ装置200と配線(図示せず)にて電気的に接続されている。
【0015】
ここで、L字形状の取付プレート15のフレーム取付部15bには第1フランジ16が固定され、第1フランジ16と第2フランジ17で2本の右サイドフレーム2aを挟み込むことで、取付プレート15は、車体フレーム2に固定される。電動機100は、車体フレーム2に固定された取付プレート15の電動機取付部15aとフロントブラケット15が接合されることにより、車体フレーム2に固定される。
【0016】
バッテリー300は鉛バッテリーであり、右サイドフレーム2a及び左サイドフレーム2bにそれぞれ3個ずつ合計6個取り付けられており、一つのバッテリー300の電圧は12Vであり、合計72Vの電圧の電力がバッテリー300から配線(図示せず)によりドライバ装置200に供給される。また、ドライバ装置200からは電動機100の回転制御のために駆動制御した電力が電動機100に供給される。
【0017】
ドライバ装置200からの駆動制御された電力が電動機100に入力されると電動機100の駆動シャフト104が回転し、その動力は駆動シャフト104の突設部104aに取り付けたドライブスプロケット13からチェーン14を通じドリブンスプロケット12へと伝わり、ドリブンスプロケット12は回転する。ドリブンスプロケット12はリア車軸9に固定されており、リア車軸9の両端部に固定されている右後輪10及び左後輪11が回転する。ここで、ドリブンスプロケット12の歯数はドライブスプロケット13の歯数の10倍程度に設定されており、駆動シャフト104の回転の回転数が、10分の1程度に減速されて、右後輪10及び左後輪11を回転させることになる。
【0018】
次に、本発明の実施形態の電動機について、図3から図5に基づいて説明する。図3は、本発明の実施形態の電動機の正面図である。図4は、図3にて指示した断面A−Aの断面図である。図5は、図3にて指示した断面B‐Bの断面図である。
【0019】
電動機100は、内側に突出した複数の突極101bを有する略円環形状のステータ101と、ステータ101の一端101cに配設され、複数の第1通気孔102aを有するフロントブラケット102と、ステータ101の他端101dに配設され、複数の第2通気孔103aを有するエンドブラケット103と、フロントブラケット102とエンドブラケット103とに回転自在に支持される駆動シャフト104と、駆動シャフト104に固定され、外側に突出した複数の突極105bを有し、ステータ101の内側に内設されるロータ105と、電動機100の内部において、ロータ105に近接して、駆動シャフトに取り付けられたフロントファン106およびエンドファン107と、前記ステータ101の複数の突極101bそれぞれに巻装されたコイル108からなり、エンドブラケット103には、外気取入手段400が取り付けられている。
【0020】
ロータ105は、磁性材料の薄板状のコア105aを積層して形成されており、4個の突極105bが外側に突出しており、その中心部にて駆動シャフト104が外嵌固定されている。ロータ105の一端105cの外側にフロントファン106が、他端105dの外側にエンドファン107が、駆動シャフト104に固定されている。
【0021】
また、駆動シャフト104の第1段付部104b及び第2段付部104cには、それぞれ第1軸受109及び第2軸受110が内輪圧入にて固定されている。なお、駆動シャフト104の突設部104aに固定されたドライブスプロケット13には、電動レーシングカート1の駆動時にラジアル方向の大きな力が加わるため、突設部104aに近接する第1軸受109の外径は、第2軸受110の外径に比べて、径の大きいものを使用している。
【0022】
ステータ101は、磁性材料の薄板状のコア101aを積層して形成されており、6個の突極101bが内側に突出しており、この突極101bのそれぞれにコイル108が巻装されている。また、ステータ101は円環形状のステータケース111の内側に挿入される。ステータ101の内側に、駆動シャフト104、第1軸受109および第2軸受110が組付けられたロータ105が配置され、フロントブラケット102の挿通孔102bから駆動シャフト104の突設部104aを挿通させ、ステータ101の一端101cには6個の第1通気孔102aが形成されたフロントブラケット102が配設されるとともに、ステータ101の他端101dには6個の第2通気孔103aが形成されたエンドブラケット103が配設され、セットボルト(図示せず)によりフロントブラケット102及びエンドブラケット103はステータ101に固定される。第1軸受109及び第2軸受110は、それぞれフロントブラケット102及びエンドブラケット103にて外輪を挿入し固定され、ロータ105はステータ101の内側にて回転自在に支持される。
【0023】
フロントファン106およびエンドファン107は、同一形状であり、それぞれ4枚の翼106a(107a)を備えている。フロントファン106およびエンドファン107の4枚の翼107a(106a)は、ロータ105の4個の突極105bの間に位置するように配置される。この配置によりロータ105の突極105bの間を円滑に外気の軸流が流れる。また、フロントブラケット102からエンドブラケット103の方向に駆動シャフト104を見て駆動シャフト104が時計回り方向R1に回転したときに、エンドブラケット103からフロントブラケット102に向けて外気の軸流を生じさせる向きとなるようにフロントファン106およびエンドファン107の翼106a(107a)は配置されている。
【0024】
エンドブラケット103のレゾルバ保持部103bにおいてレゾルバステータ112が圧入固定され、駆動シャフト104の第三段付部104dにおいてレゾルバステータ112の内側に位置するようにレゾルバロータ113が駆動シャフト104に固定される。また、レゾルバロータ113及びレゾルバステータ112を粉塵等から保護するため、エンドブラケット103のカバー保持部103cにレゾルバカバー115が固定される。このレゾルバステータ112からの回転信号が、配線200aを通じてドライバ装置200に入力され、この回転信号に基づき駆動制御された電力がドライバ装置200から配線200aを通じて電動機100に出力される。
【0025】
次に、本実施形態の発明の外気取入手段及びその電動機への取り付けについて、主に図6及ぶ図7に基づいて説明する。図6は、外気取入手段の斜視図であり、図7は、外気取入手段の電動機への取り付けを示す斜視図である。
【0026】
外気取入手段400は、樹脂製の薄肉の略箱型構造であり、第1側面部401、第2側面部402、上面部403、下面部404と円弧壁部405とからなり、取入口406と排出口407を備える。ここで、第1側面部401、第2側面部402、上面部403、下面部404と円弧壁部405とからなる中空の連通部410が形成される。第1側面部401と第2側面部402は、それぞれ薄板の平板形状の略同一形状をしており、第1側面部401および第2側面部402は、それぞれ円弧401a(402a)と、円弧401aから連なる上辺401b(402b)と下辺401c(402c)、並びに上辺401b(402b)と下辺401c(402c)をつなぐ開口辺401d(402d)を有する。第1側面部401と第2側面部402は略平行にて配置されており、第1側面部401と第2側面部402のそれぞれの円弧401a(402a)は円弧壁部405で、第1側面部401と第2側面部402のそれぞれの上辺401b(402b)は上面部403で、それぞれの下辺401c(402c)は下面部404で接合され、第1側面部401、第2側面部402、上面部403、下面部404と円弧壁部405は、一体的に形成されている。
【0027】
第1側面部401と第2側面部402の開口辺401d(402d)と、それに連なる上面部403と下面部404の開口辺403a(404a)とで略方形の取入口406が形成され、第2側面部402の円弧402aの内側に略円形の排出口407が形成される。取入口406と排出口407の開口面の角度θは略直角であり、それぞれの開口面は略直交している。
【0028】
薄肉の箱型構造の外気取入手段400において、開口部は取入口406と排出口407のみであり、取入口406と排出口407は外気の流路として連通する。排出口407の内径D1は、エンドブラケット403の側面部103dの外径D2と略同一に設定されており、排出口407は、エンドブラケット103の6個の第2通気孔103aをすべて内包できる。排出口407の開口側面部407aをエンドブラケット103の側面部103dに勘合し、外気取入手段400はエンドブラケット103の6個の第2通気孔103aをすべて内包しつつ電動機100に固定される。
【0029】
上面部403と下面部404は平行に配置されておらず、上面部403と下面部404の距離Lは、取入口406に近づくにつれて大きくなっている。このため、上面部403を大地と略平行とした場合、取入口406に近づくにつれ、連通部410の下端に備わる下面部404は大地に向かい近づくように傾斜する下り勾配を形成し、外気取入手段400に雨水が入ってしまった場合に、適切に雨水を外部に排出できる。
【0030】
電動機が回転し電動レーシングカートが走行しているときの外気の流れについて、図8及び図8に基づいて説明する。図8は、本実施形態の発明の電動レーシングカートが走行しているときの走行風の流れを示す斜視図である。図9は、走行風の電動機の内部の流れを示す平面図である。外気取入手段400の取入口406は、電動レーシングカート1の進行方向Sである後輪10(11)から前輪7(8)に向かう方向に向けて配置されている。また、上面部403は大地に略平行に設定されており、下面部404は取入口406に近づくにつれ大地に近づくように傾斜している。
【0031】
電動レーシングカート1を進行方向Sに駆動させるためには、電動レーシングカート1の右後輪10から左後輪11の方向に見て、後輪10(11)を時計方向R2に回転させる必要があるが、そのためには、フロントブラケット102からエンドブラケット103の方向に見て、駆動シャフト104を時計方向R1に回転させる必要がある。駆動シャフト104が時計方向R1に回転すると、駆動シャフト104に固定されたフロントファン106およびエンドファン107が回転し、上述のように、電動機100の内部にてエンドブラケット103からフロントブラケット102の方向に強制的に外気の軸流が生じる。
【0032】
上述のように、取入口406が進行方向Sに向けて配置されるので、電動レーシングカート1が走行するときに、大量の走行風Wを取入口406に取入れることができ、排出口407に内包される6個の第2通気孔103aに大量の走行風Wを流入させることができる。また、フロントファン106およびエンドファン107の回転による走行風Wの吸引(排出)により、走行速度と同等以上の速度で走行風Wを流入させることとなり、コイル108を効果的に冷却することができ、コイル108の温度上昇を有効に抑止することが可能となる。
【0033】
さらに、フロントブラケット102から走行風Wを排出するため、駆動中に生じるドライブスプロケット13とチェーン14の磨耗粉等の粉塵が電動機100の内部に侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態の電動レーシングカートの平面図である。
【図2】図1の電動機等を示す部分(P)を拡大した斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の電動機の正面図である。
【図4】図3にて指示した断面A−Aの断面図である。
【図5】図3にて指示した断面B‐Bの断面図である。
【図6】本発明の実施形態の外気取入手段の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態の外気取入手段の電動機への取り付けを示す斜視図である。
【図8】本実施形態の発明の電動レーシングカートが走行しているときの走行風の流れを示す斜視図である。
【図9】本実施形態の発明の電動レーシングカートが走行しているときの走行風の電動機の内部の流れを示す平面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 電動レーシングカート
2 車体フレーム
2a 右サイドフレーム
2b 左サイドフレーム
3 シート
4 ハンドル
7 右前輪
8 左前輪
9 リア車軸
10 右後輪
11 左後輪
12 ドリブンスプロケット
13 ドライブスプロケット
100 電動機
101 ステータ
102 フロントブラケット(本体部)
102a 第1通気孔
102b 挿通孔
103 エンドブラケット(本体部)
103a 第2通気孔
104 駆動シャフト
104a 突設部
105 ロータ
106 フロントファン(ファン)
107 エンドファン(ファン)
108 コイル
400 外気取入手段
401 第1側面部(連通部)
402 第2側面部(連通部)
403 上面部(連通部)
404 下面部(連通部)
405 円弧壁部
406 取入口
407 排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
右サイドフレームと左サイドフレームを備え略方形の車体フレームと、
前記車体フレームの中央部に取り付けられたシートと、
前記シートの前方にて前記車体フレームの前部に取り付けられたハンドルと、
前記車体フレームの前部に回転自在に取り付けられた2つの前輪と、
前記車体フレームの後部に回転自在に取り付けられたリア車軸と、
前記リア車軸の両端部に取り付けられた2つの後輪と、
前記後輪の一方に近接して前記リア車軸に取り付けられたドリブンスプロケットと、
前記ドリブンスプロケットの近傍にて前記車体フレームの後部に取り付けられ、外部に突出する突設部を有する駆動シャフトを有する電動機と、
前記駆動シャフトの突設部に固定され、前記ドリブンスプロケットに連結されたドライブスプロケットとからなり、
前記車体フレームの後方部に取り付けられ、前記電動機に駆動制御された電力を供給するドライバ装置と、
前記車両フレームの中央部にて右サイドフレーム及び左サイドフレームに取り付けられ、前記ドライバ装置に電力を供給する複数のバッテリーとを備えた電動レーシングカートにおいて、
前記電動機は、外気を排出する複数の第1通気孔と、外気を取入れる複数の第2通気孔とを有する本体部を備え、
前記電動機には、互いに連通し、それぞれの開口面が互いに略直交して配置された取入口と排出口を有し、前記排出口が前記複数の第2通気孔を内包し、前記取入口が前記後輪から前記前輪に向かう方向に向けて配置された外気取入手段が取り付けられていることを特徴とする電動レーシングカート。
【請求項2】
請求項1に記載された電動レーシングカートにおいて、
前記外気取入手段は、
前記取入口から前記排出口に連なる中空の連通部を有し、前記連通部の下端に下面部を備え、前記下面部は前記取入口に向けて、下り勾配となっていることを特徴とする電動レーシングカート。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかに記載された電動レーシングカートにおいて、
前記電動機は、
内側に突出した複数の突極を有する略円環形状のステータと、
前記ステータの一端に配設され、複数の第1通気孔を有するフロントブラケットと、
前記ステータの他端に配設され、複数の第2通気孔を有するエンドブラケットと、
前記フロントブラケットとエンドブラケットとに回転自在に支持される駆動シャフトと、
前記駆動シャフトに固定され、外側に突出した複数の突極を有し、前記ステータの内側に内設されるロータと、
前記電動機の内部において、前記ロータの端部の近傍にて、前記駆動シャフトに取り付けられた少なくとも一つのファンと、
前記ステータの複数の突極に巻装されたコイルを備え、
前記フロントブラケットには前記駆動シャフトが挿通する挿通孔が設けられており、前記駆動シャフトの突設部が前記フロントブラケットから外部に挿設される電動機であることを特徴とする電動レーシングカート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−38937(P2009−38937A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−202903(P2007−202903)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】