説明

電動車両の車体後部構造

【課題】後突による衝撃荷重入力時、サイドメンバに衝撃荷重が集中することを抑制し、サイドメンバの変形を防止できる電動車両の車体後部構造を提供すること。
【解決手段】車両前後方向に延びるサイドメンバ11と、このサイドメンバ11に支持するバッテリーケース21と、このサイドメンバ11に支持するリヤサスペンションアーム31と、このサイドメンバ11に設けられた共通ブラケット40と、を備える。そして、共通ブラケット40は、バッテリーケース21を支持するバッテリーマウント部42と、リヤサスペンションアーム31を支持するサスペンションマウント部43と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体床下にバッテリーケースを搭載した電動車両の車体後部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車体の床下にバッテリーパックを収納したバッテリーケース配置し、このバッテリーケースを、バッテリーブラケットを介して左右一対のサイドメンバに固定すると共に、各サイドメンバにそれぞれ設けたサスペンションブラケットに、リヤサスペンションのリヤサスペンションアームを取り付けた電気自動車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-83597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の電気自動車では、バッテリーケースとリヤサスペンションアームがそれぞれ異なるブラケットを介してサイドメンバに固定されている。このため、車両への後突発生時、まずサイドメンバの後端部から衝撃荷重が入力する。そして、この衝撃荷重によって車体後部が変形してリヤタイヤにも衝撃荷重の一部が入力すると、この衝撃荷重の一部は、リヤサスペンションアームからサスペンションブラケットを介してサイドメンバに伝達される。
【0005】
すなわち、後突発生時にサイドメンバに衝撃荷重が集中して伝達されることになり、サイドメンバの負担が大きくなって、サイドメンバが変形に至りやすいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、後突による衝撃荷重入力時、サイドメンバに衝撃荷重が集中することを抑えることで、サイドメンバの変形を防止できる電動車両の車体後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の車体後部構造では、車両前後方向に延びるサイドメンバと、このサイドメンバに支持するバッテリーケースと、サイドメンバに支持する一対のリヤサスペンションアームと、サイドメンバに設けられた共通ブラケットと、を備える。そして、共通ブラケットは、バッテリーケースを支持するバッテリーマウント部と、リヤサスペンションアームを支持するサスペンションマウント部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の電動車両の車体後部構造にあっては、車両への後突発生時、衝撃荷重によって車体後部が変形することでリヤサスペンションアームから伝達された衝撃荷重は、サスペンションマウント部を有する共通ブラケットに入力する。そして、この共通ブラケットに入力した衝撃荷重は、共通ブラケットからサイドメンバに伝達されると同時に、共通ブラケットのバッテリーマウント部を介してバッテリーケースへと伝達される。
このように、後突による衝撃荷重入力時、リヤサスペンションアームから伝達される荷重は、共通ブラケットを介してサイドメンバとバッテリーケースのそれぞれに分散して伝達されることになる。この結果、共通ブラケットより前側のサイドメンバに衝撃荷重が集中することを抑制し、サイドメンバの変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車の車体構造要部を示す斜視図である。
【図2】実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車の車体構造要部を示す底面図である。
【図3】実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車の車体構造要部を示す側面図である。
【図4】図2のA部拡大図である。
【図5】共通ブラケットを示す斜視図である。
【図6】比較例の電気自動車の構成を模式的に示した説明図である。
【図7】比較例の電気自動車への後突時の荷重伝達経路を示した説明図である。
【図8】実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車への後突時の荷重伝達経路を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の電動車両の車体後部構造を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車の車体構造要部を示す斜視図である。図2は、実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車の車体構造要部を示す底面図である。図3は、実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車の車体構造要部を示す側面図である。図4は、図2のA部拡大図である。図5は、共通ブラケットを示す斜視図である。
【0012】
実施例1の車体後部構造が適用された電気自動車(電動車両)1は、図1に示すように、車体フレーム10と、バッテリーユニット20と、リヤサスペンション30と、共通ブラケット40と、を備えている。
【0013】
前記車体フレーム10は、電気自動車1の骨格をなす剛体部材であり、車両の左右に配置されて車両前後方向に延びる一対のサイドメンバ11,11と、車両幅方向に延びる複数のクロスメンバ12,…と、を有している。各サイドメンバ11,11及び各クロスメンバ12,…は、フロアパネル13と共に一体化されている。
【0014】
前記バッテリーユニット20は、電気自動車1に搭載する図示しない走行用電動モータの電源であり、複数のバッテリーパックを内蔵したバッテリーケース21を有している。このバッテリーケース21は、一対のサイドメンバ11,11間に配置されている。また、バッテリーケース21は、強化プラスチックの内部に補強用金属プレートをインサートした樹脂成形品によって形成された筐体であり、下面21a等に多数の凹凸が形成されている。これにより、バッテリーケース21は、車体フレーム10とほぼ同等の強度を有する高剛性の剛体部材とみなすことができる。また、このバッテリーケース21の両側部21b,21bには、複数の取付部21c,…が形成され、取付用ネジNによりサイドメンバ11,11に固定されている。
【0015】
前記リヤサスペンション30は、左右後輪RT,LTをそれぞれ車体フレーム10に支持するものであり、ここではトレーリングアーム式リヤサスペンションである。このリヤサスペンション30は、左右一対のリヤサスペンションアーム31,31と、車両幅方向に延びるクロスビーム32と、左右一対の懸架ばね33,33と、スタビライザー34と、左右一対のショックアブソーバ35,35と、を有している。各リヤサスペンションアーム31は、車両前後方向に延び、中間部31bが車両内側に向かって湾曲している。クロスビーム32及びスタビライザー34は、この車両内側に湾曲した中間部31bに取り付けられている。そして、前端部に形成された軸受部31aは、内部にゴムブッシュを内蔵した円筒形状を呈しており、軸方向L1が、車両前後方向に対して、車両外側が後方に傾くように傾斜している(図5参照)。
【0016】
前記共通ブラケット40は、サイドメンバ11の後部に固定され、バッテリーユニット20のバッテリーケース21と、リヤサスペンション30のリヤサスペンションアーム31を車体フレーム10に支持するものである。この共通ブラケット40は、サイドメンバ11に固定する複数のフランジ部41,…と、バッテリーケース21を支持するバッテリーマウント部42と、リヤサスペンションアーム31を支持するサスペンションマウント部43と、を有している。
【0017】
前記フランジ部41は、共通ブラケット40の周縁部から突出し、サイドメンバ11の側面に沿って湾曲している。このフランジ部41は、溶接によってサイドメンバ11に固着されている。
【0018】
前記バッテリーマウント部42は、サイドメンバ11の下方位置であって、バッテリーケース21の側方に配置されている。そして、このバッテリーマウント部42にバッテリーケース21の最後部の取付部21c´が重合し、取付用ネジNによって固定される。さらにここでは、接続片42aを介してバッテリーマウント部42にバッテリーケース21が連結されている。
【0019】
前記サスペンションマウント部43は、リヤサスペンションアーム31の軸受部31aを貫通し、この軸受部31aを揺動可能に支持する支持軸(図示せず)を挟み込む一対の軸支持壁43a,43aを有している。この軸支持壁43a,43aの軸方向L2は、軸受部31aの軸方向L1に合わせて傾斜している。
そして、このサスペンションマウント部43は、バッテリーマウント部42よりも車両後方位置に配置されると共に、バッテリーマウント部42よりも車両内側に入り込むように屈曲している。これにより、このサスペンションマウント部43は、バッテリーケース21の車両左右方向の側面21b,21bよりも車両内側位置に配置され、車幅方向においてバッテリーケース21と重複する位置関係となる(図2参照)。
また、このサスペンションマウント部43は、バッテリーケース21の下面21aよりも上方位置に配置される(図3参照)。これにより、このサスペンションマウント部43は、車両上下方向においてバッテリーケース21と重複する位置関係となる。
さらに、このサスペンションマウント部43は、バッテリーケース21の後面21dよりも車両前側位置に配置されている(図2参照)。これにより、このサスペンションマウント部43は、車両前後方向においてバッテリーケース21と重複する位置関係となる。
【0020】
次に、作用を説明する。
まず、「比較例の電気自動車の車体後部構造とその課題」の説明を行い、続いて、実施例1の電動車両の車体後部構造における作用を「衝撃荷重分散作用」、「リヤサスペンションアーム座屈作用」に分けて説明する。
【0021】
[比較例の電気自動車の車体後部構造とその課題]
図6は、比較例の電気自動車の構成を模式的に示した説明図である。図7は、比較例の電気自動車への後突時の荷重伝達経路を示した説明図である。
【0022】
図6に示す比較例の電気自動車Aは、車両前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ100と、バッテリーケース101と、リヤサスペンションアーム102と、バッテリーブラケット103と、サスペンションブラケット104と、を備えている。そして、この比較例の電気自動車Aでは、左右一対のサイドメンバ100の間であって、車体の床下にバッテリーパックを収納したバッテリーケース101を配置する。そして、このバッテリーケース101を、バッテリーブラケット103を介してサイドメンバ100に固定する。さらに、バッテリーブラケット103の後方位置であって、サイドメンバ100の後部に設けたサスペンションブラケット104に、リヤサスペンションアーム102を取り付ける。このリヤサスペンションアーム102は、後輪Tを支持している。
【0023】
このような比較例の電気自動車Aにおいて、車両後方(図7では右側)からの後突発生時、衝撃荷重Fは、まずバンパー(図示せず)からサイドメンバ100の後端部に入力し、そのままサイドメンバ100によって支持される第1伝達経路F1を通る。
【0024】
さらに、衝撃荷重Fによって車体後部が変形すると、衝撃荷重Fの一部が後輪Tからリヤサスペンションに入力する。このとき、この衝撃荷重Fの一部は、リヤサスペンションのリヤサスペンションアーム102に入力し、さらにサスペンションブラケット104を介してサイドメンバ100に伝達される第2伝達経路F2を通る。
【0025】
このように、比較例の電気自動車Aでは、第1伝達経路F1を通って入力した荷重、及び、第2伝達経路F2を通って入力した荷重は、いずれにしてもサイドメンバ100に伝達されることになる。つまり、サイドメンバ100に衝撃荷重Fが集中してしまい、サイドメンバ100の負担が増大して、サイドメンバ100が変形しやすくなっていた。
【0026】
[入力荷重分散作用]
図8は、実施例1の車体後部構造が適用された電動車両への後突時の荷重伝達経路を示した説明図である。
【0027】
実施例1の電気自動車1において、車両後方(図8では右側)からの後突発生時、衝撃荷重Fは、まずバンパー(図示せず)からサイドメンバ11の後端部に入力し、そのままサイドメンバ11の前端部に伝達される第1伝達経路(ここでは図示せず)を通る。
【0028】
さらに、衝撃荷重Fによって車体後部が変形し、衝撃荷重Fの一部が後輪RT,LTからリヤサスペンション30に入力すると、この衝撃荷重Fの一部は、それぞれリヤサスペンションアーム31を通り、サイドメンバ11に支持された共通ブラケット40に入力する第3伝達経路F3を通る。ここで、共通ブラケット40は、サイドメンバ11に固定されると共に、バッテリーマウント部42及びサスペンションマウント部43を有している。これにより、第3伝達経路F3は、サスペンションマウント部43から、第4伝達経路F4と、第5伝達経路F5とに分岐する。すなわち、第4伝達経路F4は、共通ブラケット40のフランジ部41を介して、サイドメンバ11に荷重を伝達する経路である。また、第5伝達経路F5は、共通ブラケット40のバッテリーマウント部42を介して、バッテリーケース21に荷重を伝達する経路である。
【0029】
これにより、後輪RT,LTから入力した衝撃荷重Fの一部のうち、第4伝達経路F4を通った衝撃荷重はサイドメンバ11に伝達され、第5伝達経路F5を通った衝撃荷重はバッテリーケース21に伝達される。このように、衝撃荷重Fの一部が共通ブラケット40から先において、サイドメンバ11とバッテリーケース21に分岐して伝達されることで、衝撃荷重Fが分散してサイドメンバ11に衝撃荷重Fが集中しない。この結果、共通ブラケット40よりも前側におけるサイドメンバ11の変形を防止できる。
【0030】
すなわち、後輪RT,LTから入力する衝撃荷重Fの大きさを例えば10とし、バッテリーケース21に伝達される衝撃荷重の大きさを例えば4とすると、サイドメンバ11に伝達される衝撃荷重の大きさは6になる。これにより、後輪から入力する衝撃荷重Fが第2伝達経路F2を通って全てサイドメンバに伝達していた比較例の電気自動車Aの場合よりも、サイドメンバ11の負担を軽減することができることがわかる。さらに、サイドメンバ11の負担が低いために、車体に入力する衝撃荷重Fの大きさが同じであったとしても、比較例の電気自動車Aの場合よりも、サイドメンバ11の変形抑制効果が高くなる。
【0031】
しかも、実施例1の電気自動車1では、共通ブラケット40を介してサイドメンバ11に固定したバッテリーケース21が高剛性を有する筐体であり、サイドメンバ11等の車体フレーム10と同等の剛体部材とみなすことができる。すなわち、このバッテリーケース21によって、電気自動車1に入力した荷重を十分に支持することが可能である。
【0032】
特に、実施例1の電気自動車1では、共通ブラケット40のバッテリーマウント部42にバッテリーケース21の最後部の取付部21c´が重合し、取付用ネジNによって固定されている。つまり、このバッテリーマウント部42で、バッテリーケース21の後部を支持している。これにより、後突時発生時の衝撃荷重Fの入力位置に近い位置において、衝撃荷重Fをバッテリーケース21へと分散することができ、サイドメンバ11のさらなる変形抑制を図ることができる。
【0033】
[リヤサスペンションアーム座屈作用]
実施例1の電気自動車1において、車両後方(図8では右側)からの後突発生時における衝撃荷重Fが過大であると、後輪RT,LTごとリヤサスペンション30が前方に移動し、共通ブラケット40が前方に押されて移動することがある。ここで、共通ブラケット40のサスペンションマウント部43は、バッテリーケース21の側面21bよりも車両内側位置に配置され、バッテリーケース21の下面21aよりも上方位置に配置されている。すなわち、サスペンションマウント部43は、車両左右方向、車両上下方向の何れの方向においてもバッテリーケース21に重複する位置関係となっている。
【0034】
これにより、衝撃荷重Fによって共通ブラケット40が前方に移動しても、サスペンションマウント部43がバッテリーケース21と干渉し、それ以上の前方移動が抑制される。このため、サスペンションマウント部43に支持されたリヤサスペンションアーム31の軸受部31aの位置が固定され、リヤサスペンションアーム31が確実に座屈して、衝突エネルギーを十分に吸収することができる。
【0035】
特に、実施例1の車体後部構造では、リヤサスペンションアーム31の中間部31bが、車両内側に向かって屈曲しているので、リヤサスペンションアーム31は、この中間部31bを中心に座屈しやすくなっている。これにより、さらに衝突エネルギーの吸収を十分に図ることができる。
【0036】
そして、実施例1の車体後部構造では、共通ブラケット40のサスペンションマウント部43は、バッテリーケース21の後面21dよりも車両前側位置に配置されている。このため、車両前後長の短縮を図ることができ、車体を小型化することができる。また、バッテリーユニット20の容量を確保することができる。
【0037】
次に、効果を説明する。
実施例1の電動車両の車体後部構造にあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
【0038】
(1) 車両前後方向に延びるサイドメンバ11と、前記サイドメンバ11に支持するバッテリーケース21と、前記サイドメンバ11に支持するリヤサスペンションアーム31と、前記サイドメンバ11に設けられ、前記バッテリーケース21を支持するバッテリーマウント部42と、前記リヤサスペンションアーム31を支持するサスペンションマウント部43と、を有する共通ブラケット40と、を備えた構成とした。
このため、後突による衝撃荷重入力時、サイドメンバに衝撃荷重が集中することを抑えることで、サイドメンバの変形を防止できる。
【0039】
(2) 前記共通ブラケット40は、前記サスペンションマウント部43で、前記バッテリーケース21の後部を支持する構成とした。
このため、後突時発生時の衝撃荷重Fの入力位置に近い位置において、衝撃荷重Fをバッテリーケース21へと分散することができ、サイドメンバ11のさらなる変形抑制を図ることができる。
【0040】
(3) 前記共通ブラケット40は、前記サスペンションマウント部43を、前記バッテリーマウント部42よりも車両後方位置に配置すると共に、前記バッテリーケース21の車両左右方向の側面21bよりも車両内側位置に配置した構成とした。
このため、後突による衝撃荷重によって共通ブラケット40が前方移動することを抑制し、リヤサスペンションアーム31の座屈による荷重エネルギーの吸収を図ることができる。
【0041】
(4) 前記共通ブラケット40は、前記サスペンションマウント部43を、前記バッテリーケース21の下面21aよりも上方位置に配置した構成とした。
このため、後突による衝撃荷重によって共通ブラケット40が前方移動することを抑制し、リヤサスペンションアーム31の座屈による荷重エネルギーの吸収を図ることができる。
【0042】
(5) 前記共通ブラケット40は、前記サスペンションマウント部43を、前記バッテリーマウント部42よりも車両後方位置に配置すると共に、前記バッテリーケース21の後面21dよりも車両前側位置に配置した構成とした。
このため、車両前後長を短縮化し、車体の小型化を図ることができる。
【0043】
以上、本発明の電動車両の車体後部構造を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0044】
実施例1では、リヤサスペンション30としてトレーリングアーム式リヤサスペンションとする例を示した。しかし、例えば、ストラット式サスペンション等であってもよい。
【0045】
また、電動車両として走行用電動モータを駆動源とする電気自動車1とする例を示したが、これに限らず、駆動源としてエンジンと走行用電動モータを併用するハイブリッド車両であってもよいし、燃料電池車であってもよい。要するに、車体床下にバッテリーケースを搭載した車両であれば、本発明の車体後部構造を適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 電気自動車(電動車両)
10 車体フレーム
11 サイドメンバ
20 バッテリーユニット
21 バッテリーケース
21a 下面
21b 側面
21d 後面
30 リヤサスペンション
31 リヤサスペンションアーム
31a 軸受部
40 共通ブラケット
41 フランジ部
42 バッテリーマウント部
43 サスペンションマウント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びるサイドメンバと、
前記サイドメンバに支持するバッテリーケースと、
前記サイドメンバに支持するリヤサスペンションアームと、
前記サイドメンバに設けられ、前記バッテリーケースを支持するバッテリーマウント部と、前記リヤサスペンションアームを支持するサスペンションマウント部と、を有する共通ブラケットと、
を備えたことを特徴とする電動車両の車体後部構造。
【請求項2】
請求項1に記載された電動車両の車体後部構造において、
前記共通ブラケットは、前記サスペンションマウント部で、前記バッテリーケースの後部を支持することを特徴とする電動車両の車体後部構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載された電動車両の車体後部構造において、
前記共通ブラケットは、前記サスペンションマウント部を、前記バッテリーマウント部よりも車両後方位置に配置すると共に、前記バッテリーケースの車両左右方向の側面よりも車両内側位置に配置したことを特徴とする電動車両の車体後部構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された電動車両の車体後部構造において、
前記共通ブラケットは、前記サスペンションマウント部を、前記バッテリーケースの下面よりも上方位置に配置したことを特徴とする電動車両の車体後部構造。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された電動車両の車体後部構造において、
前記共通ブラケットは、前記サスペンションマウント部を、前記バッテリーマウント部よりも車両後方位置に配置すると共に、前記バッテリーケースの後面よりも車両前側位置に配置したことを特徴とする電動車両の車体後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−218910(P2011−218910A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−88567(P2010−88567)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】