説明

電動車両用のインホイールモータ駆動装置

【課題】軸方向長さのコンパクト化を図る状態でパーキングブレーキ機能を付加することができるようにした小型コンパクトな電動車両用のインホイールモータ駆動装置を提供することである。
【解決手段】車輪駆動用のハブ輪26を回転駆動する電動モータ10のモータケース11内にドラム式ブレーキ装置40を設け、駐車時、そのブレーキ装置40により電動モータ10のロータ13に制動力を付与して停止状態を保持する。ブレーキ装置40のブレーキドラム部42を電動モータ10のロータ13の側部に設けて、パーキングブレーキ機能の付加によってもモータ駆動装置の軸方向長さが長くなるのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の車輪を駆動するインホイール式電動車両用のモータ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、インホイール式電動車両の概略を示す。この電動車両においては、駆動車輪としての左右一対の後輪1のそれぞれ内側に電動モータを駆動源とするモータ駆動装置Aを収容し、そのモータ駆動装置Aによって一対の後輪1のそれぞれを単独に駆動するようにしている。
【0003】
上記のようなインホイール式電動車両に採用されるモータ駆動装置Aとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。その特許文献1に記載されたモータ駆動装置においては、電動モータのロータ軸から出力される回転を減速機構により減速してハブ輪に出力し、そのハブ輪の回転を車輪に伝達するようにしている。
【0004】
ここで、特許文献1に記載されたモータ駆動装置においては、車輪のホイールと反対側の端部に制動機構を配置するようにしているため、電動モータを車輪のホイールに近接する配置とすることができ、電動モータに対する支持構造を簡素化し得るという特徴を有している。
【0005】
また、制動機構が、減速された出力側ではなく、トルクの小さい駆動側のロータ軸を制動するようにしているため、制動機構として小型のものを採用することができ、モータ駆動装置の小型化を図ることができるという特徴も有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−52788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載されたインホイールモータ駆動装置においては、制動機構を有するものの、その制動機構が車両の走行時に制動力を付与する運転用のサービスブレーキであり、駐車用のパーキングブレーキについては何も記載されていない。
【0008】
ここで、インホイールモータ駆動装置においては、車輪に取り付けることから小型化が要求され、駐車用のパーキングブレーキ機能を付加することによって大型化が懸念され、パーキングブレーキ機能付きの小型コンパクトなインホイールモータ駆動装置が要求されている。
【0009】
この発明の課題は、軸方向長さのコンパクト化を図る状態でパーキングブレーキ機能を付加することができるようにした小型コンパクトな電動車両用のインホイールモータ駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、この発明においては、モータケース内に組み込まれた固定配置のステータおよびそのステータのコイルに対する通電によってステータ内で回転するロータを有する電動モータと、その電動モータにより回転駆動されて、その回転を駆動車輪に伝達する車輪駆動用のハブ輪を備えてなる電動車両用モータ駆動装置において、前記モータケース内にパーキング用のドラム式ブレーキ装置を設け、そのブレーキ装置のブレーキドラム部を前記ロータの側部に設けて、そのロータを制動するようにした構成を採用したのである。
【0011】
上記の構成からなる電動車両用インホイールモータ駆動装置においては、電動車両の駐車時、パーキング用ブレーキ装置を作動してロータを制動する。このとき、ブレーキ装置はトルクの小さい駆動側のロータを制動するため、ブレーキ装置として小型のものを採用することができる。
【0012】
また、ブレーキ装置はドラム式であり、そのブレーキドラム部をロータの側面に設けるようにしているため、モータケース内に対するブレーキ装置の組付けによってモータ駆動装置の軸方向長さが大幅に長くなるというようなことがなく、軸方向長さのコンパクトなパーキングブレーキ装置付きのインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
【0013】
ここで、電動車両用のインホイールモータ駆動装置は、電動モータのロータの回転をハブ輪に直接伝達するようにしたものであってもよく、あるいは、電動モータのロータとハブ輪との間に減速機構を設けて、ロータの回転を減速してハブ輪に伝達するようにしたものであってもよい。
【0014】
減速機構として、遊星歯車式のものを採用し、その遊星歯車式減速機構をロータの内側に配置するようにすると、軸方向長さのコンパクトな電動車両用のインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
【0015】
ブレーキ装置として、モータケースのカバー内面に突設されたガイドピンと、そのガイドピンを中心にして揺動可能とされ、外方向への揺動によりブレーキドラム部の内径面に接触して、そのブレーキドラム部に制動力を付与する一対の円弧状のブレーキシューと、その一対のブレーキシューのそれぞれを内向きに付勢するリターンスプリングと、モータケースのカバーを貫通し、一対のブレーキシューの揺動側端部間に配置されるカム部を内端部に有し、そのカム部の回転により一対のブレーキシューのそれぞれを外方向に向けて揺動させる回転可能なカムシャフトと、そのカムシャフトの上記カバーを貫通して外部に位置する外端部に一端部が連結されたレバーと、そのレバーの揺動側端部に一端部が連結されたレバー操作用のワイヤを有し、そのワイヤの引き込みによりカムシャフトを回転させ、カム部により一対のブレーキシューのそれぞれを外方向に向けて揺動させてブレーキドラム部の内周に押し付けるようにしたものを採用することができる。
【0016】
ワイヤの引き込みは、手動操作によるものであってもよく、あるいは、アクチュエータの作動によるものであってもよい。
【0017】
この発明に係る電動車両用のインホイールモータ駆動装置において、ロータの回転をハブ輪に直接伝達する場合において、ロータの側面に円筒状凹部を設け、その凹部の外周壁をブレーキドラム部とすることにより、ロータがブレーキドラム部としての役目をするため、部品点数の低減を図ることができる。また、ロータの内側にブレーキシューが収容されることになるため、軸方向長さのコンパクトなインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
【0018】
ここで、ロータが、サイドプレートを有する場合、そのサイドプレートの側面に円筒状のブレーキドラム部を設けるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る電動車両用のインホイールモータ駆動装置においては、モータケース内にパーキング用のドラム式ブレーキ装置を設け、そのブレーキ装置のブレーキドラム部をロータの側部に設けて、そのロータを制動するようにしたので、軸方向長さを大幅に長くさせることのない状態でパーキングブレーキ機能を付加することができ、小型コンパクトなパーキングブレーキ付きモータ駆動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電動車両の概略図
【図2】この発明に係る電動車両用のインホイールモータ駆動装置の実施の形態を示す正面図
【図3】図2に示すインホイールモータ駆動装置の縦断面図
【図4】図3の一部を拡大して示す断面図
【図5】図4のV−V線に沿った断面図
【図6】図3に示すレバーの揺動駆動装置の概略図
【図7】この発明に係る電動車両用のインホイールモータ駆動装置の他の実施の形態を示す正面図
【図8】図7に示すインホイールモータ駆動装置の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2乃至図5は、この発明に係る電動車両用インホイールモータ駆動装置の実施の形態を示す。図2に示すように、駆動車輪1におけるホイール2の内側にはインホイールモータ駆動装置Aが設けられている。
【0022】
インホイールモータ駆動装置Aは、電動モータ10と、その電動モータ10の一側部に設けられた車輪軸受20とを有している。
【0023】
図3に示すように、電動モータ10は、モータケース11と、その内側に組み込まれたステータ12と、そのステータ12の内側に組み込まれたロータ13とからなる。
【0024】
モータケース11は、筒状のケース本体14と、そのケース本体14の一端の開口を閉塞するカバー15とからなり、上記カバー15にはケース本体14の開口端部内に嵌合される円筒部16を有し、その円筒部16とケース本体14の嵌合面間はシールリング17の組込みによってシールされている。
【0025】
図4に示すように、ロータ13は、円板部13aの外周に円筒部13bを設け、その円筒部13bの外周一端部に設けられたフランジ部13cと、上記円筒部13bの他端部に取付けられたサイドプレート13dとで円筒部13bの外周に設けられた永久磁石13eを両側から挟持しており、図3に示すステータ12のコイル12aに対する通電によって、そのステータ12内で回転するようになっている。
【0026】
図3および図4に示すように、ロータ13における円板部13aの中央にはボス部13fが形成され、そのボス部13f内にロータ軸18が挿通されている。ロータ軸18はキー19によりロータ13に回り止めされてロータ13と共に回転し、そのロータ軸18は車輪軸受20によって回転自在に支持されている。
【0027】
図3に示すように、車輪軸受20は、軸受外輪21と、その軸受外輪21内に挿入された内方部材22と、その内方部材22と軸受外輪21とを相対的に回転自在に支持する複列の転動体23とからなる。
【0028】
軸受外輪21の外周には車体取付フランジ24が設けられ、その車体取付フランジ24がケース本体14の他端部に設けられた内向きフランジ14aの外側面に衝合され、その内向きフランジ14aにねじ込まれるボルト25の締め付けによりケース本体14に取付けられている。
【0029】
内方部材22は、ハブ輪26と、そのハブ輪26のインナ側端部上に設けられた軸受内輪27とからなり、軸受内輪27はハブ輪26のインナ側端部に形成された小径軸部26aに嵌合されている。ハブ輪26および軸受内輪27のそれぞれは軸受外輪21との間に組み込まれた上記転動体23によってそれぞれ回転自在に支持され、その転動体23のそれぞれ外側方に組み込まれたシール部材28は、軸受外輪21と内方部材22の対向端部に形成された軸受空間の両端開口を閉塞している。
【0030】
ハブ輪26は、ロータ軸18に嵌合され、セレーション29による係合によってロータ軸18とハブ輪26は相対的に回り止めされている。このため、ロータ軸18は、ハブ輪26と共に軸受外輪21によって回転自在に支持される。
【0031】
ハブ輪26には、軸受外輪21のアウタ側端面から外側に位置する端部外周に車輪取付フランジ30が設けられ、その車輪取付フランジ30に設けられた複数のボルト31のそれぞれにナット32がねじ係合され、そのナット32の締付けにより、車輪取付フランジ30に、サービスブレーキを形成するブレーキロータ33と、駆動車輪1のホイール2が取付けられている。
【0032】
モータケース11内には、パーキング用のドラム式ブレーキ装置40が設けられている。図4および図5に示すように、ブレーキ装置40は、ロータ13を形成する円板部13aをその外周に設けられた円筒部13bの軸方向中央部に位置させて、その円板部13aのカバー15と対向する一側部に円筒状凹部41を形成し、その凹部41の外周壁、つまり、円筒部13bの一部をブレーキドラム部42としている。
【0033】
そして、そのブレーキドラム部42内の対向位置に一対の円弧状ブレーキシュー43を組み込み、その一対のブレーキシュー43の対向する一端部をカバー15の内側面に突設されたガイドピン44で支持して、そのガイドピン44を中心に揺動自在とし、その一対のブレーキシュー43間に張設されたリターンスプリング45で一対のブレーキシュー43のそれぞれを内向きに付勢し、上記カバー15を貫通し、その貫通部に設けられた軸受46で回転自在に支持されたカムシャフト47の内端部にカム部48を設け、そのカム部48を一対のブレーキシュー43の揺動側端部間に配置し、上記カムシャフト47のカバー15を貫通して外部に位置する端部にレバー49の一端部を連結し、そのレバー49の他端部にワイヤ50を連結し、そのワイヤ50を引くことによりカムシャフト47を回転させ、カム部48の回転により一対のブレーキシュー43のそれぞれを外方向に向けて揺動させてブレーキドラム部42の内周に押し付けるようにしている。
【0034】
ここで、ワイヤ50は、手動による操作レバーの揺動操作によって引くようにしてもよく、あるいは、アクチュエータを用いてワイヤ50を引くようにしてもよい。アクチュエータとして、電動式直動アクチュエータや図6に示す電動アクチュエータ51を採用することができる。
【0035】
図6では、その電動アクチュエータ51の具体的な構成を図示省略しているが、モータ52によりギヤケース53内に組み込まれたウォームを駆動してこれに噛合するウォームホイールを回転し、そのウォームホイールと同軸上にワイヤ巻取ドラムを設け、そのワイヤ巻取ドラムの回転によりワイヤを巻き取るようにしている。
【0036】
上記ブレーキ装置40においては、その制動効果を高めるため、ブレーキシュー43の外周にライニング54を設けている。ここで、電動モータ10は、モータケース11内に収容されたオイルによって冷却する場合がある。その場合、ライニング54として、湿式多板クラッチに採用されているようなライニングを用いるのが好ましい。
【0037】
実施の形態で示す電動車両用のインホイールモータ駆動装置は上記の構造からなり、車両の走行に際しては、電動モータ10を形成するステータ12のコイル12aに通電してロータ13を回転させ、そのロータ13と共に回転するロータ軸18の回転をハブ輪26からホイール2に伝達して駆動車輪1を回転させる。
【0038】
車両の駐車に際しては、図6に示されるワイヤ50を引くようにする。そのワイヤ50の引き寄せによりレバー49が揺動してカムシャフト47が回転し、そのカムシャフト47に形成されたカム部48の回転により、一対のブレーキシュー43が外方向に揺動して、ブレーキドラム部42の内周に押し付けられ、ロータ13に制動力が付与される。
【0039】
このように、ブレーキ装置40を作動させることによってロータ13を停止状態に保持することができるため、駐車の際、サービスブレーキのブレーキペダルを踏み込んで、その踏み込み状態を維持する必要がない。また、ドライバが降車しても停車状態を維持できるため、車両の安全性を高めることができる。
【0040】
安全性をさらに高めるため、ブレーキ装置40の作動状態で、電動モータ10を制御する制御部から電動モータに制御信号が出力されないようにし、あるいは、モータ駆動回路に組み込まれたスイッチが開放されるようにして、電動モータ10のステータ12に通電されず、発進できないようにするのがよい。
【0041】
実施の形態においては、ロータ13の側面に円筒状凹部41を設け、その凹部41の外周壁をブレーキドラム部42として、ロータ13をブレーキドラム部としての役目を持たせるようにしているため、部品点数の低減を図ることができる。また、ロータ13の内側にブレーキシュー43が収容されることになるため、軸方向長さのコンパクトな電動車両用のインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
【0042】
図7および図8は、この発明に係る電動車両用のインホイールモータ駆動装置の他の実施の形態を示す。この実施の形態では、ロータ軸18と同軸上に駆動車軸60を設け、その駆動車軸60とハブ輪26とをセレーション29により結合し、上記ロータ軸18と駆動車軸60の間に、ロータ軸18の回転を減速して駆動車軸60に伝達する減速機構70を設けている。
【0043】
また、モータケース11に端板61を形成し、その端板61の中央部にロータ13内に入り込む円筒状の膨出部62を設け、その膨出部62の開口を軸受外輪21に形成された車体取付フランジ24で閉塞し、膨出部62の内側に形成された減速機構収容空間63内に上記減速機構70を組込み、その減速機構収容空間63内に収容されたオイルによって減速機構70を潤滑している。
【0044】
さらに、ロータ13のサイドプレート13dにドラム式ブレーキ装置40のブレーキドラム部64を設け、そのブレーキドラム部64内に一対のブレーキシュー43を組込むようにしている。
【0045】
ここで、減速機構70は、ロータ軸18の軸端部に設けられた太陽歯車71と、膨出部62の内径面に嵌合固定された内歯歯車72と、その内歯歯車72の内周の内歯と太陽歯車71の外周の外歯のそれぞれに噛合する遊星歯車73とで構成される遊星歯車式のものからなっている。
【0046】
他の構成は、図3に示す実施の形態と同一であるため、同一部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
図7および図8に示す実施の形態においても、ブレーキ装置40を作動させることによってロータ13を停止状態に保持することができるため、駐車の際、サービスブレーキのブレーキペダルを踏み込んで、その踏み込み状態を維持する必要がない。また、ドライバが降車しても停車状態を維持できるため、車両の安全性を確保することができる。
【0048】
また、ブレーキ装置40は、減速された出力側ではなく、トルクの小さい駆動側のロータ軸18を制動するため、ブレーキ装置40として小型のものを採用することができる。
【0049】
さらに、減速機構70として、遊星歯車式のものを採用し、その遊星歯車式減速機構70をロータ13の内側に配置するようにすると、軸方向長さのコンパクトな電動車両用のインホイールモータ駆動装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1 駆動車輪
10 電動モータ
11 モータケース
12 ステータ
13 ロータ
15 カバー
26 ハブ輪
40 ドラム式ブレーキ装置
41 円筒状凹部
42 ブレーキドラム部
43 ブレーキシュー
44 ガイドピン
45 リターンスプリング
47 カムシャフト
48 カム部
49 レバー
50 ワイヤ
64 ブレーキドラム部
70 減速機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータケース内に組み込まれた固定配置のステータおよびそのステータのコイルに対する通電によってステータ内で回転するロータを有する電動モータと、その電動モータにより回転駆動されて、その回転を駆動車輪に伝達する車輪駆動用のハブ輪を備えてなる電動車両用のインホイールモータ駆動装置において、
前記モータケース内にパーキング用のドラム式ブレーキ装置を設け、そのブレーキ装置のブレーキドラム部を前記ロータの側部に設けて、そのロータを制動するようにしたことを特徴とする電動車両用のインホイールモータ駆動装置。
【請求項2】
前記電動モータと前記ハブ輪との間に、前記電動モータのロータの回転を減速してハブ輪に伝達する減速機構が設けられた請求項1に記載の電動車両用のインホイールモータ駆動装置。
【請求項3】
前記減速機構が、遊星歯車式からなり、その遊星歯車式減速機構が前記ロータの内側に配置された請求項2に記載の電動車両用のインホイールモータ駆動装置。
【請求項4】
前記ブレーキ装置が、前記モータケースのカバー内面に突設されたガイドピンと、そのガイドピンを中心にして揺動可能とされ、外方向への揺動により前記ブレーキドラム部の内径面に接触して、そのブレーキドラム部に制動力を付与する一対の円弧状のブレーキシューと、その一対のブレーキシューのそれぞれを内向きに付勢するリターンスプリングと、前記カバーを貫通し、前記一対のブレーキシューの揺動側端部間に配置されるカム部を内端部に有し、そのカム部の回転により一対のブレーキシューのそれぞれを外方向に向けて揺動させる回転可能なカムシャフトと、そのカムシャフトの前記カバーを貫通して外部に位置する外端部に一端部が連結されたレバーと、そのレバーの揺動側端部に一端部が連結されたレバー操作用のワイヤを有してなる請求項1乃至3のいずれかの項に記載の電動車両用のインホイールモータ駆動装置。
【請求項5】
前記ロータの側面に円筒状凹部を設け、その凹部の外周壁をブレーキドラム部とした請求項1乃至4のいずれかの項に記載の電動車両用のインホイールモータ駆動装置。
【請求項6】
前記ロータが、サイドプレートを有し、そのサイドプレートの側面に円筒状のブレーキドラム部を設けた請求項1乃至4のいずれかの項に記載の電動車両用のインホイールモータ駆動装置。
【請求項7】
前記ブレーキ装置の作動時に、電動モータに通電しないようにした請求項1乃至5のいずれかの項に記載の電動車両用のインホイールモータ駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−52768(P2013−52768A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192563(P2011−192563)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】