説明

電子写真用ローラとその製造方法

【課題】生産性を向上させ塗工欠陥を防止した電子写真用ローラの製造方法とこの方法で製造された電子写真用ローラを提供する。
【解決手段】導電性支持体101と導電性支持体の両端部を除く外周面上に設けられた弾性層102とを有するローラを用意する工程、ローラの導電性支持体が露出した部分にマスキングキャップを装着する工程、ローラの長手方向を鉛直にした状態でマスキングキャップを装着した端部からローラを塗料中へ浸漬する浸漬工程、及びローラを塗料から引き上げる引き上げ工程を有する弾性層上に被覆層103を有する電子写真用ローラ100の製造方法において、塗料の最大泡圧法による測定温度25℃ライフタイム1秒における動的表面張力が25〜50mN/mであって、引き上げ工程でマスキングキャップが液面から引きあがる時の引上げ速度が3.5〜7mm/秒以下である。この方法で製造された電子写真用ローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタや複写機等の電子写真装置に使用される、現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、定着ローラ、除電ローラ等の電子写真用ローラに関する。また、浸漬塗工を行う工程がある電子写真用ローラの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機等の電子写真装置では、次のような種々の電子写真用ローラが用いられている。すなわち、感光体ドラム表面を帯電させる帯電ローラ、感光体ドラム表面へトナーを供給し静電潜像の現像を行う現像ローラ、感光体ドラム上のトナーを記録紙に転写する転写ローラ、記録紙に転写されたトナーを定着する定着ローラ等である。
【0003】
近年、電子写真のカラー化及び高画質化のニーズが高まり、電子写真用ローラ表面の塗工欠陥(ムラやスジ等)の撲滅が厳しく要求されている。例えば、感光体表面に対し接触式現像ローラや接触式帯電ローラは、ローラ表面に塗工欠陥が存在すると、トナー搬送ムラや不均一帯電となり、これも画像欠陥が発生する結果となることがある。また、被覆層形成の塗工欠陥を減少させる目的で、塗布方法の改善も要求されている。
【0004】
一般に、電子写真装置に使用される電子写真用ローラでは、円柱状又は中空円筒状の導電性支持体の外周上に、弾性や導電を有するソリッド層又はそれらの発泡層から成る弾性層が形成される。そして、この弾性層の外周面上に表面性あるいは機能性を付与するために、各種の樹脂塗料を塗布した被覆層が設けられる。電子写真用ローラとしては、この被覆層が、最外層であったり中間層であったりする。
【0005】
被覆層を作製する方法としては塗工(コーティング)が用いられる。具体的には浸漬(ディップ)塗工やロールコート、スプレー塗工等の方法が用いられ数μm〜数百μmの樹脂製の被覆層が形成される。中でも均一な被覆層を形成することに優れている浸漬塗工方法が用いられることが多い。また、弾性層表面への塗料の塗工性を向上させるために、あるいは、被覆層との接着性を向上させるために、弾性層表面は、塗工前に表面処理が行われる。
【0006】
浸漬塗工方法による電子写真用ローラの製造方法は次のような工程を有する。導電性支持体と、その両端部を除く外周上に設けられた弾性層からなるローラの導電性支持体の露出部分にマスキングキャップを装着する工程。このローラを、その長手方向を鉛直にした状態で、マスキングキャップを装着した端部から塗料槽内の塗料中へ浸漬工程する浸漬工程。浸漬工程に続けて行う、ローラを塗料から引き上げる引き上げ工程。このようにして、弾性層上に被覆層が形成される。マスキングキャップの装着は、導電性支持体への塗料付着防止のためになされる。
【0007】
ここで、塗料中からローラを引き上げる最終段階、つまり、マスキングキャップと塗料との液切れ時において、塗料によっては液切れが十分に行われず、余分な塗料がマスキングキャップに付着することがあった。これにより、液切れ後の引上げ時にマスキングキャップに付着した余分な塗料が、塗料槽の塗料表面にぼた落ちすることがあった。その結果、塗料槽の塗料表面に気泡が生成し、次に浸漬塗工するローラ表面にその気泡が付着し、塗工欠陥を発生させることがあった。
【0008】
これを解決する手段として、例えば、液切れ時の直前に引き上げを一旦停止し、その停止した状態で一定時間保持した後、それまでの引き上げ速度よりも遅い速度で塗工液から導電性基体を引き上げることが報告されている(特許文献1)。この方法では、塗料槽の塗料表面への塗料のぼた落ちを防止している。しかしながら、この方法では、塗料のぼた落ちが制御できても、液切れ時の直前に引上げを一旦停止するために、製造タクトが長くなる。
【特許文献1】特開平10−039523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、塗工欠陥を防止することのできる電子写真用ローラの製造方法、ならびに、この製造方法により製造された電子写真用ローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明により、導電性支持体と、該導電性支持体の両端部を除く外周面上に設けられた弾性層とを有するローラを用意する工程、
該ローラの導電性支持体が露出した部分にマスキングキャップを装着する工程、
該ローラの長手方向を鉛直にした状態で、該マスキングキャップを装着した端部から該ローラを塗料中へ浸漬する浸漬工程、および
該ローラを該塗料から引き上げる引き上げ工程を有する、
弾性層上に被覆層を有する電子写真用ローラの製造方法において、
該塗料の、最大泡圧法による測定温度25℃、ライフタイム1秒における動的表面張力が25mN/m以上、50mN/m以下であって、
該引き上げ工程で該マスキングキャップが液面から引きあがる時の引上げ速度が3.5mm/秒以上、7mm/秒以下である
ことを特徴とする電子写真用ローラの製造方法が提供される。
【0011】
また上記電子写真用ローラの製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真用ローラが提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、塗工欠陥を防止することのできる電子写真用ローラの製造方法、ならびに、この製造方法により製造された電子写真用ローラが提供される。
【0013】
前記弾性層の主成分がシリコーンゴムであり、前記浸漬工程より前に前記弾性層表面にエキシマ光を照射する工程を有し、該塗料がシリコーンオイルを含有し、該マスキングキャップの先端が円錐形状であることが、生産性、塗工欠陥防止の観点から好ましい。
【0014】
また、前記塗料のシリコーンオイルの含有量が、前記塗料のベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下であることで、少量添加で塗工欠陥を防止した塗料となり、生産性の高い電子写真用ローラの製造方法を提供することが可能となった。
【0015】
また、本発明は、前記ベース樹脂がウレタン樹脂であり、前記シリコーンオイルが、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることで、塗工欠陥を防止した塗料となり、生産性の高い電子写真用ローラの製造方法を提供することが可能となった。
【0016】
また、画像欠陥のない現像ローラを提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明による電子写真用ローラの製造方法、およびその製造方法により製造された電子写真用ローラについて詳細に説明する。
【0018】
本発明に係る電子写真用ローラの製造方法は次の工程を有し、弾性層上に被覆層を有する電子写真用ローラを製造するものである。
・導電性支持体と、該導電性支持体の両端部を除く外周面上に設けられた弾性層とを有するローラを用意する工程。
・上の工程で用意したローラの導電性支持体露出部分にマスキングキャップを装着する工程。
・上の工程でマスキングキャップを装着したローラの長手方向を鉛直にした状態で、マスキングキャップを装着した端部から、このローラを被覆層形成用塗料中へ浸漬する浸漬工程。
・上の工程で塗料中に浸漬したローラを塗料から引き上げる引き上げ工程。
【0019】
そして、被覆層形成用の塗料の最大泡圧法による動的表面張力(測定温度25℃、ライフタイム1秒における)が25mN/m以上、50mN/m以下である。
【0020】
また、引き上げ工程において、マスキングキャップが液面から引きあがる時の引上げ速度が3.5mm/秒以上、7mm/秒以下である。
【0021】
図1、2に本発明により製造される電子写真用ローラの一例の模式図を示す。図1は本発明により製造される電子写真用ローラの一例の斜視図である。図2は、図1に示す電子写真用ローラの概略断面図である。
【0022】
本発明の電子写真用ローラ100は、図1、2に示すように円柱状又は中空円筒状の導電性支持体101の外周面(ただし導電性支持体の両端部を除く)に、ゴムもしくはプラスチックのソリッド層又はそれらの発泡層から成る弾性層102が形成される。この弾性層102の外周面に塗工液を塗布して成る被覆層103が積層される。なお、必要に応じて、更に別の一層以上、例えば、被覆層103の外側に、被覆層103とは組成の異なる被覆層を設けてもよい。
【0023】
〔導電性支持体〕
導電性支持体101は、電子写真用ローラの電極及び支持部材として機能するものである。導電性支持体101は、例えばアルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金、クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄、合成樹脂等の材質で構成される。形状は、円柱形や中心部を空洞化した円筒形が好ましい。導電性支持体の外径は適宜決めることができるが、通常4mm以上20mm以下の範囲にする。
【0024】
〔弾性層〕
弾性層102は、例えば電子写真用ローラが適切なニップ幅ないしニップ圧でもって感光体表面に押圧して感光体表面にトナーを均一に搬送できるよう、あるいは均一帯電できるよう、適切な硬度及び電気抵抗値を有することが好ましい。
【0025】
この弾性層102は、ゴムもしくはプラスチックを主成分とし、成型体により形成される。一般に弾性が要求されため、ゴムが使用される。弾性層102に用いるゴムとしては、従来、電子写真用ローラに用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム等を用いることができる。このようなゴムは、単独で用いてよく、また二種以上を混合して用いてもよい。中でも、弾性層には、十分な弾性を持たせることが重要であるため、シリコーンゴム、ウレタンゴムを用いることが好ましい。特に加工性が良好で寸法精度の安定性が高く、硬化反応時に反応副生成物が発生しないなどの生産性に優れる理由から、付加反応架橋型液状シリコーンゴムを用いることが、より好ましい。
【0026】
付加反応架橋型液状シリコーンゴムは、例えばオルガノポリシロキサン(A液)およびオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B液)を含み、さらに触媒や他の添加物を適宜含む組成物である。オルガノポリシロキサンはシリコーンゴムのベースポリマーであり、その分子量は特に限定されないが重量平均分子量1万以上100万以下が好ましく、重量平均分子量5万以上70万以下がより好ましい。
【0027】
上記オルガノポリシロキサンのアルケニル基は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの活性水素と反応して架橋点を形成する部位である。その種類は特に限定されないが、活性水素との反応が高い等の理由から、ビニル基、アリル基の少なくとも一方であることが好ましく、ビニル基がより好ましい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、付加反応の架橋剤の働きをするもので、一分子中のケイ素原子結合水素原子の数は2個以上であり、硬化反応を良好に行わせるために、3個以上のポリマーが好ましい。
【0028】
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの重量平均分子量は特に制限がなく、好ましい重量平均分子量は1000から10000程度である。硬化反応を適切に行わせるためには、比較的低分子量である重量平均分子量1000以上5000以下のポリマーが好ましい。
【0029】
付加反応架橋型液状シリコーンゴムは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの架橋触媒として、例えば、塩化白金酸六水和物を含むことができる。また、架橋触媒として、ヒドロシリル化反応において触媒作用を示す遷移金属化合物も使用できる。このようにして、シリコーンゴムを主成分とした弾性層となる。なお、シリコーンゴムが主成分であるとは、シリコーンゴムに各種添加剤を配合した際に、シリコーンゴムの割合が50質量%以上であることを意味する。
【0030】
弾性層には、所望の性能が得られる範囲内になるように、非導電性充填材、可塑剤などの各種添加剤が適宜配合されていてもよい。非導電性充填剤としては、例えば、珪藻土、石英粉末、乾式シリカ、湿式シリカ、アルミノケイ酸、炭酸カルシウムなどが挙げられる。可塑剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサンオイル、ジフェニルシランジオール、トリメチルシラノール、フタル酸誘導体、アジピン酸誘導体などが挙げられる。これらシリコーンゴム中にカーボンブラック、グラファイト及び導電性金属酸化物等の電子伝導機構を有する導電剤及びアルカリ金属塩や四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電剤を適宣添加し所望の抵抗に調整するのが一般的である。
【0031】
弾性層102の層厚は通常0.5mm以上10.0mm以下の範囲とすることが好ましい。より好ましくは、2.0mm以上6.0mm以下である。0.5mm以上であると、良好な弾性を得ることが容易である。10.0mmより厚くても弾性の向上につながらないので、またゴム材の材料コストの観点から10.0mm以下が好ましい。
【0032】
弾性層102は、ソリッド体であっても発泡体であっても良い。
【0033】
導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に設けられた弾性層を有するローラは、公知の方法で製造できる。例えば、適当な層厚に押し出し成形した円筒形状のチューブに導電性支持体を圧入し、その後所望の形状に研磨することで、得られる。また、円筒状の成形金型内に導電性支持体を配し、その後金型内に材料を注入し、加熱することにより硬化させて、円筒層を得るインジェクション成形法が挙げられる。
【0034】
弾性層102の全長は、電子写真装置の用紙サイズに対応して、200mm〜400mmであるのが一般的である。外径寸法は、全長に亘ってほぼ均一であることが好ましい。
【0035】
必要に応じて弾性層を研磨してもよい。弾性層の外径差(外径の最大値と最小値の差)は、30μm以下が好ましい。30μm以下であると、感光体とローラ間のニップ幅やニップ力に変動が生じ画像ムラ等の画像欠陥が発生することを防止することが容易である。
【0036】
弾性層を有するローラを、塗工前に適宜、表面処理することができる。塗工液を、シリコーンゴムを主成分とする弾性層に塗布する場合、塗工液に対しその表面の濡れ性が良好であることが望まれる。すなわち、濡れ性が良好であると、形成される被覆層と弾性層の界面接着力が良好で、被覆層が剥がれることを防止することが容易である。したがって、弾性層の濡れ性を改善する目的で、表面処理を行なうことができる。特に塗料に含まれる溶剤にアルコールやケトンを使用する場合、弾性層を親水性にし、その接着力を増加させることが好ましい。シリコーンゴムを主成分とする弾性層の表面を親水性にする方法は種々あるが、エキシマ光(中心波長172nm、半値幅20nm以下)を弾性層に照射する方法を用いることが好ましい。エキシマ光を発光するエキシマランプは、低コスト、メンテナンス性、長寿命、少エネルギー、小型装置等の利点を持っているからである。エキシマ光を照射することによって、シリコーンゴムを主成分とする導電性弾性体層の表面の分子結合を切断し、側鎖にカルボキシル基や水酸基等の親水基を結合させることによって、表面を親水化することができる。
【0037】
エキシマ光は、導電性軸芯体の外周面に弾性層が形成されたローラを回転させながら照射するのが好ましい。回転させながら照射することで、一様に均一にエキシマ光照射処理できるからである。回転速度は、弾性層が均一にエキシマ光照射処理される速度であれば、特に限定されないが、通常10〜50rpmとするのが好ましい。エキシマランプと弾性層を有するローラ表面の間隔(照射距離と表すことがある)は、1mm〜5mmとするのが好ましく、2mm〜3mmとするのがより好ましい。照射距離を1mm以上とすると装置的に制御するのが容易となり、5mm以下とするとエキシマ光の大気中での減衰を抑えることができ、これによりエキシマ光照射処理時間を短縮することができる。
【0038】
本発明における、エキシマ光(中心波長172nm、半値幅20nm以下)による照射処理は、50〜300mJ/cm2の積算光量の範囲で行うことが好ましい。積算光量は、照射光強度と照射時間の積であり、照射光強度を測定し、適宜照射時間を設定することで、決定する。照射光強度および照射時間は、積算光量を上記の範囲とするものであれば、特に限定されないが、通常、照射時間を2〜180秒とするのが好ましく、10〜60秒とするのがより好ましい。また、照射光強度は、通常2〜6mW/cm2とするのが好ましく、3〜5mW/cm2とするのがより好ましい。
【0039】
積算光量を50mJ/cm2以上とすると、弾性層の表面が充分に親水化され塗工液に対する濡れ性が改善され、弾性層と樹脂層との密着力が大きくなり被覆層が剥がれることを防止することが容易である。また積算光量を、300mJ/cm2以下とすることにより、弾性層の表面に発生するラジカルによるシリコーンゴムを主成分とする弾性体の高分子化、高架橋化に起因する弾性層の高抵抗化を抑えることができる。
【0040】
〔被覆層〕
本発明で使用される被覆層を形成する塗料は、熱硬化性樹脂溶液であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。特に限定されるものではないが、自己膜補強性、耐磨耗性、弾性が得られやすい点から、ウレタン樹脂を用いることが特に好ましい。
【0041】
これらの熱可塑性樹脂には必要に応じて各種添加剤が添加される。また、塗布層に導電性を持たせるためには、各種導電剤(導電性カーボン、グラファイト、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄粉及び金属酸化物である導電性酸化錫や導電性チタン等)が用いることができる。
【0042】
更に、耐磨耗性やトナー搬送や均一帯電を得るために絶縁性粒子を用いることができる。この絶縁性粒子はスチレン、ウレタン、ポリアミド、アクリル、シリコーン等の材質によって構成される。絶縁性粒子は耐磨耗性やトナー搬送や均一帯電を発現するために、使用する溶剤により膨潤や溶解が起こらないことが要求される。絶縁性粒子の形状としては、球形であることが好ましい。これら、絶縁性粒子の平均粒径(体積平均径)は、3μm〜30μmの範囲のいずれかに存在することが好ましい。特には、5μm〜20μmの範囲のいずれかに平均粒径が存在することが好ましい。絶縁性粒子の平均粒径が3μm以上であると、表面層形成後の電子写真用ローラの表面粗度が小さくなることを防止し、良好なトナー搬送性や帯電安定化を得ることが容易である。平均粒径が30μm以下であると、表面層形成後の電子写真用ローラの表面粗度が大きくなることを防止し、過剰なトナー搬送量や不均一帯電になってしまうことを防止することが容易である。
【0043】
これらの材料を塗料として塗工できる状態とするため、各種有機溶剤や水等で希釈し、分散を行い、塗工に適した液粘度・液温度に調整・管理することができる。熱可塑性樹脂溶液を調整するための溶剤は、上記樹脂を溶解することができるものであればいずれのものでもよく、例えばメタノール,エタノール,イソプロパノールなどの低級アルコール、メチルエチルケトンなどのケトン類、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが好ましく用いられる。
【0044】
これらの被覆層を構成する材料は、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、ボールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して、分散させることができる。
【0045】
本発明の電子写真用ローラの製造方法に好適に用いられる塗料は、最大泡圧法による測定温度25℃、ライフタイム1秒における動的表面張力が25〜50mN/mである。
【0046】
この動的表面張力が25mN/m未満であると、塗料中からの引上げ時に、ローラに十分な塗料が保持されず、目的とする被覆層の層厚が得られにくい。動的表面張力が50mN/mを超えると、引上げの後述する最終速度を遅くしても、マスキングキャップと塗料との液切れ時が十分に出来ず、余分な塗料がマスキングキャップ上に保持され、塗料槽の塗料表面にぼた落ちする。この動的表面張力は、添加剤である導電性カーボンや絶縁粒子の配合量や種類によってもある程度、調整できるが、塗料に配合されるシリコーンオイルで適宜調整することができる。したがって、塗料は、好ましくはシリコーンオイルを含有する。
【0047】
塗料に配合されるシリコーンオイルの含有量は、塗料のベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下であることが、好ましい。0.5質量部以上であると、塗料の動的表面張力を低下させる効果が容易に得られる。また、5.0質量部より多くても、シリコーンオイル自身の動的表面張力により、塗料としての動的表面張力をそれ以上低下させる効果が期待できない。よって生産性の観点から5.0質量部以下が好ましい。
【0048】
また、このシリコーンオイルは、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることが好ましい。ポリエーテル変性シリコーンオイルであると、塗料のベース樹脂がウレタン樹脂である場合にウレタン樹脂との相溶性がよく、動的表面張力を低下させる効果を発揮しやすい。
【0049】
なお、動的表面張力は、一般に振動ジェット法、メニスカス法、最大泡圧法等によって測定されることは知られているが、本発明で規定する動的表面張力の値は、最大泡圧法(バブルプレッシャー法)によるものである。
【0050】
最大泡圧法による動的表面張力測定では、気体供給源から気体をプローブに送り、インクに浸したプローブ先端から気泡を発生させる。この際の気体流量を変化させることで、気体発生速度を変え、それに伴い変化する塗料からその気泡にかかる圧力により表面張力を測定する。気泡の半径がプローブ先端部分の半径に等しくなるとき、最大圧力(最大泡圧)を示す。このときのインクの動的表面張力σは、
【0051】
【数1】

【0052】
(式中、rはプローブ先端部分の半径、ΔPは気泡にかかる圧力の最大値と最小値との差である。)
で表される。
【0053】
また、ライフタイムとは、最大泡圧後に気泡がプローブから離れて、新しい表面が形成されてから次の最大泡圧に達するまでの時間をいう。
【0054】
本発明の電子写真用ローラの製造方法に好適に用いることができる浸漬塗布装置の概略断面図を図3に示す。昇降装置201に取付けられたアーム202によって、導電性支持体101と、その両端部を除く外周面上に設けられた弾性層102からなるローラ104は把持される。昇降装置の駆動によりローラ104を下降させ、塗料106が満たされた塗工槽203に浸漬し、次いで昇降装置の駆動によりローラ104を引上げ、被覆層103を形成する。塗料は、液送りポンプ204により循環しており、塗工槽に所定量が満たされ、塗工槽からオーバーフローする。オーバーフローした塗料は、塗料受け皿部205から戻りパイプ206により攪拌槽207に戻る。攪拌槽には粘度計208が付属している。粘度計から得られた信号により、希釈液制御装置209を介して、希釈タンク300から溶剤が添加され、塗料は適宜粘度調節される。塗料液温は、チラー装置により浸漬塗工装置全体を温調することで、適宜液温調される(不図示)。浸漬塗工装置には必要に応じて、フィルター、エアーチャンバー等の装置が具備される(不図示)。
【0055】
浸漬塗工により被覆層を形成するにあたり、導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップ105を装着する。上述したように、ローラの長手方向を鉛直にした状態で、ローラ104を、マスキングキャップを装着した端部から塗料中へ浸漬する。マスキングキャップにより、導電性支持体の露出部分への塗料の付着を防止する。このマスキングキャップは、導電性支持体の端部を覆う被覆部と、導電性支持体の端部を把持する把持部とを有して構成されている。
【0056】
さらに、このマスキングキャップの先端(塗料浸漬方向に対して)円錐形状である。これにより、導電性支持体の露出部分に塗料が付着するのを防止するだけでなく、浸漬開始時、つまりマスキングキャップが塗料中に浸漬するにあたり、スムーズに塗料中に浸漬が可能となり、マスキングキャップと塗料との干渉で発生する気泡を防止する。これにより、形成された被覆層に塗工欠陥が生じることを抑制できる。
【0057】
また、マスキングキャップの材質は、導電性支持体の露出部分に装着可能で、塗料を汚染しないもの、塗料によって膨潤や溶解が起こらなければ何でもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリフロロアルコキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリエステル等のプラスチックス、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0058】
特に好ましくは、塗液に侵されない性質に加えて、撥水、撥油性の大きい性質を有することが望ましい。それは1回使用したキャップを再び使用するために洗浄する場合に濯いで乾燥するのが容易なためである。これら特に好ましい材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテトラフルオロエチレンやポリフロロアルコキシ樹脂等のフッ素樹脂が挙げられる。
【0059】
続けて引き上げ工程を行なうことにより、弾性層上に被覆層を形成する。引上げの速度(マスキングキャップを液面から引き上げる際の引き上げ速度を除く)は、適宜決定すれば良い。また、引上げ最中は、被覆層の層厚を一定にするために、適宜引上げ速度を調整できる。
【0060】
マスキングキャップを液面から引き上げる際の引き上げ速度は3.5mm/秒以上、7mm/秒以下とする。引上げ速度が、7mm/秒より速いと、前述した動的表面張力の範囲において、マスキングキャップと塗料との液切れ時に、液切れが十分に行われず、余分な塗料がマスキングキャップに付着する。これにより、液切れ後の引上げ時にマスキングキャップに付着した余分な塗料が、塗料槽の塗料表面にぼた落ちする。これにより、塗料槽の塗料表面に気泡が生成し、次に浸漬塗工するローラ表面に気泡が付着し、塗工欠陥を発生させる。3.5mm/秒より遅いと、製造タクトが長くなり生産性が低下するだけでなく、コスト的にも不利である。
【0061】
なお、被覆層は一層であってもよいし、二層以上の多層構造であってもよい。被覆層を二層以上構築する場合、その少なくとも一層、また全ての層の形成をこの発明に係る方法に従って行えるのは、もちろんのことである。
【0062】
〔電子写真用ローラ〕
本発明の電子写真用ローラは上記の製造方法により製造される。この製造方法により製造された電子写真用ローラは、生産性が高く、塗工欠陥を防止したものである。
【0063】
本発明の電子写真用ローラは、電子写真用である限りその用途については特に制限はなく、例えば帯電ローラ,現像ローラ,転写ローラ,トナー供給ローラ,クリーニングローラなどとして用いることができる。中でも、特に帯電ローラまたは現像ローラとして、好適である。
【0064】
以下、本発明の電子写真用ローラを、現像ローラとして、画像形成装置に装着した例について説明する。
【0065】
現像ローラは、潜像を担持する潜像担持体としての感光ドラムに対向して、当接または圧接した状態で現像剤(トナー)を担持する。そして、現像ローラは、感光ドラムに現像剤としてのトナーを付与することにより潜像をトナー像として可視化する機能を持つ。
【0066】
本発明の電子写真用ローラを現像ローラとして搭載した電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置の一例を図4に模式図として示した。この図4により以下説明する。
【0067】
本画像形成装置は、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像を形成する画像形成ユニット10a〜10dが合計4個、タンデム方式で設けられている。そして、感光ドラム11、帯電装置12(図では帯電ローラ)、画像露光装置(図では書き込みビーム13を示す)、現像装置14、クリーニング装置15、画像転写装置16(図では転写ローラ)を備える。これ等の仕様が各色トナー特性に応じて少し調整に差異があるものの、基本的構成においてこれら4個の画像形成ユニット10a〜10dは同じである。
【0068】
現像装置14は、一成分トナー5を収容した現像容器6と、現像容器6内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光ドラム11と対向設置された現像ローラ1とを備え、感光ドラム11上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。さらに、現像ローラ1に一成分トナー5を供給すると共に現像に使用されずに現像ローラ1に担持されている一成分トナー5を現像ローラ1から掻き取るトナー供給ローラ7が設けられている。また現像ローラ1上の一成分トナー5の担持量を規制すると共に摩擦帯電する現像ブレード8が設けられている。
【0069】
感光ドラム11の表面が帯電装置12により所定の極性・電位に一様に帯電され、画像情報が画像露光装置からビーム13として、帯電された感光ドラム11の表面に照射され、静電潜像が形成される。次いで、形成された静電潜像上に本発明の電子写真用ローラを現像ローラ1とする現像装置14から一成分トナーが供給され、感光ドラム11表面にトナー像が形成される。このトナー像は感光ドラム11の回転に伴って、画像転写装置16と対向する場所に来たときにその回転と同期して供給されてきた紙等の転写材25に転写される。
【0070】
なお、図4に示す装置では4つの画像形成ユニット10a〜10dが一連に連動して所定の色画像を1つの転写材25上に重ねて形成するようになっている。したがって、転写材25をそれぞれの画像形成ユニットの画像形成と同期させる、つまり、画像形成が転写材25の挿入と同期している。そのために、転写材25を輸送するための転写搬送ベルト17が感光ドラム11と画像転写装置16との間に挟まれるように、転写搬送ベルト17の駆動ローラ18、テンションローラ19及び従動ローラ20に架けまわされる。転写材25は転写搬送ベルト17に吸着ローラ21の働きにより静電的に吸着された形で搬送されている。なお、22は転写材25を供給するための供給ローラである。
【0071】
画像が形成された転写材25は、転写搬送ベルト17から剥離装置23の働きにより剥がされ、定着装置24に送られ、トナー像は転写材25に定着されて、印画が完了する。一方、トナー像の転写材25への転写が終わった感光ドラム11はさらに回転して、クリーニング装置15により表面がクリーニングされ、必要により除電装置(不図示)によって除電される。その後感光ドラム11は次の画像形成に供される。なお、図4において、26、27はそれぞれ画像転写装置16、吸着ローラ21へのバイアス電源を示す。
【0072】
なお、ここでは、タンデム型の転写材上へ直接各色のトナー像を転写する装置で説明したが、他のタイプの電子写真装置にも現像ローラとして本発明の電子写真用ローラを使用することができる。その例として、白黒の単色画像形成装置や、転写ローラや転写ベルトに一旦各色のトナー像を重ねてカラー画像を形成し、それを転写部材へ一括して転写する画像形成装置を挙げることができる。また、各色の現像ユニットがロータ上に配置されたり、感光ドラムに並列して配置されたりした画像形成装置等が挙げられる。
【実施例】
【0073】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。本明細書および図面において、φは直径を表す。
【0074】
(塗料動的表面張力の測定)
塗料の最大泡圧法による動的表面張力を、英弘精機(株)製の動的表面張力計SITA t60/2を用いて、測定温度25℃、ライフタイム0.03〜10秒の範囲で測定し、ライフタイム1秒の動的表面張力の測定値を読み取った。
【0075】
(画像評価)
以下の実施例・比較例で作成した電子写真用ローラを現像ローラとして、電子写真方式の画像形成装置の電子写真プロセスカートリッジ(公称寿命6000枚、A4サイズ、5%印字率、プリントカートリッジ:黒・シアン・マゼンタ・イエロー)に組み込んだ。画像形成装置としてはヒューレット・パッカード社製の電子写真方式の画像形成装置「HP Color LaserJet 3700」(商品名)を用いた。
【0076】
次いで、この電子写真プロセスカートリッジを上記画像成形装置に組み込んで、画像(ベタ画像、ハーフトーン画像、文字画像)を出力し、画像欠陥が発生しているかを目視にて観察し、下記基準で評価した。
A:全画像において良好であった。
B:ベタ・ハーフトーン画像において若干画像欠陥が確認されたが、実用に耐えるレベルである。
C:全画像において画像欠陥が確認された。
【0077】
〔実施例1〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
外径φ6mmの鉄製導電性支持体を内径φ12mmの円筒状金型内に同心となるように設置した。付加反応架橋型液状シリコーンゴム(体積固有抵抗値1×107Ω・cm、東レダウコーニング社製)を注型後、130℃のオーブンに入れ20分間加熱成型し、脱型後、200℃のオーブンで4時間二次加硫を行った。これにより、導電性支持体の外周面上に、層厚3mm、長さ240mmの弾性層(中空円筒状)を備えたローラを得た。
【0078】
このローラを30rpmで回転させながら、室温下、大気中、照射光強度4.2mW/cm2、照射時間47.6秒の条件の下で積算光量が200mJ/cm2になるようエキシマ光を弾性層に照射した。このためにエキシマ光改質装置(ハリソン東芝ライテック社製)を用いた。この時、エキシマランプと弾性層を有するローラ表面の間隔は、2mmである。エキシマ光の中心波長は172nmであり、半値幅は10nmであった。エキシマ光の積算光量の測定には、紫外線積算光量計(本体型式UIT−150、センサー部型式VUV−S172、両者ともウシオ電機株式会社製)を使用した。この紫外線積算光量計は感度波長が150〜400nmである。
【0079】
(塗料の調整)
次の材料を混合し、それにメチルエチルケトン(MEK)を加え、サンドミルで1時間分散した。
・ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部。
・イソシアネート「コロネート2520」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)77質量部。
・カーボンブラック「Special Black 550」(商品名、デグサジャパン株式会社製)24質量部。
・絶縁性粒子として架橋ポリメタクリル酸ブチル「MB30X−12」(商品名、積水化成品工業株式会社製)20質量部。
・シリコーンオイルとしてポリエーテル変性シリコーンオイル「TFS4445」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)2質量部。
【0080】
動的表面張力が40mN/mの被覆層形成用塗料を得た。
【0081】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、図5(1)に示した、先端が円錐形状のものを使用した。このマスキングキャップの材質はポリアセタールである。
【0082】
その後、このローラを、図3に示す構造を有する浸漬塗工装置の昇降装置に取付けられたアームに把持し、ローラの長手方向を鉛直にした状態で、マスキングキャップを装着した端部からローラを塗料中に浸漬した。なお、アームには20本のローラを吊り下げている。
【0083】
その後、引上げを速度10mm/秒で開始し、順次減速度で引上げた。塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を5mm/秒とした。なお、引上げの変速段数は等間隔の300段である。
【0084】
この条件で、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラに被覆層(塗工層)を形成した。
【0085】
上記工程を50回繰り返し、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0086】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0087】
このとき電子写真用ローラ表面(弾性層上に形成された被覆層)に塗工欠陥はないか、上記1000本のローラに対して目視検査により状況を調べた。なお、塗工欠陥とは、ローラ上端部から中央部の範囲に発生するムラや長手方向のスジ等であり、電子写真装置でこれら電子写真用ローラが使用されたとき、トナー搬送ムラや不均一帯電の原因となり、画像欠陥を発生するものである。結果を表1に示す。
【0088】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0089】
〔実施例2〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0090】
(塗料の調整)
次の材料を混合し、それにメチルエチルケトン(MEK)を加え、サンドミルで1時間分散した。
・ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部。
・イソシアネート「コロネート2520」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)77質量部。
・カーボンブラック「Special Black 550」(商品名、デグサジャパン株式会社製)10質量部。
・絶縁性粒子として架橋ポリメタクリル酸ブチル「MB30X−12」(商品名、積水化成品工業株式会社製)10質量部。
・シリコーンオイルとしてポリエーテル変性シリコーンオイル「TFS4440」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)8質量部。
【0091】
動的表面張力が25mN/mの被覆層形成用塗料を得た。
【0092】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0093】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を7mm/秒とした以外、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0094】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0095】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0096】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0097】
〔実施例3〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0098】
(塗料の調整)
次の材料を混合し、それにメチルエチルケトン(MEK)を加え、サンドミルで1時間分散した。
・ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部。
・イソシアネート「コロネート2520」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)77質量部。
・カーボンブラック「Special Black 350」(商品名、デグサジャパン株式会社製)40質量部。
・絶縁性粒子として架橋ポリメタクリル酸ブチル「MB30X−12」(商品名、積水化成品工業株式会社製)50質量部。
・シリコーンオイルとしてポリエーテル変性シリコーンオイル「TFS4452」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)0.8質量部。
【0099】
動的表面張力が50mN/mの被覆層形成用塗料を得た。
【0100】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0101】
その後、実施例2と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0102】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0103】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0104】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0105】
〔実施例4〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラ作成した。
【0106】
(塗料の調整)
実施例2と同様に被覆層形成用塗料を調整した。
【0107】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、図5(2)に示した先端が円錐形状のものを使用した。その材料は実施例1と同様とした。
【0108】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を3.5mm/秒とした以外、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0109】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0110】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0111】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0112】
〔実施例5〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0113】
(塗料の調整)
実施例3と同様に被覆層形成用塗料を調整した。
【0114】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例4と同様のものを使用した。
【0115】
その後、実施例4と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0116】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0117】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0118】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0119】
〔比較例1〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0120】
(塗料の調整)
次の材料を混合し、それにメチルエチルケトン(MEK)を加え、サンドミルで1時間分散した。
・ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部。
・イソシアネート「コロネート2520」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)77質量部。
・カーボンブラック「Special Black 350」(商品名、デグサジャパン株式会社製)50質量部。
・絶縁性粒子として架橋ポリメタクリル酸ブチル「MB30X−12」(商品名、積水化成品工業株式会社製)50質量部。
【0121】
動的表面張力が55mN/mの被覆層形成用塗料を得た。
【0122】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0123】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を8mm/秒とした以外、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0124】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0125】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0126】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0127】
〔比較例2〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0128】
(塗料の調整)
次の材料を混合し、それにメチルエチルケトン(MEK)を加え、サンドミルで1時間分散した。
・ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製)100質量部。
・イソシアネート「コロネート2520」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製)77質量部。
・カーボンブラック「Special Black 550」(商品名、デグサジャパン株式会社製)5質量部。
・絶縁性粒子として架橋ポリメタクリル酸ブチル「MB30X−12」(商品名、積水化成品工業株式会社製)5質量部。
・シリコーンオイルとしてポリエーテル変性シリコーンオイル「TFS4440」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)15質量部。
【0129】
動的表面張力が20mN/mの被覆層形成用塗料を得た。
【0130】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0131】
その後、比較例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0132】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0133】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0134】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0135】
〔比較例3〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0136】
(塗料の調整)
実施例1と同様に塗料を調整した。
【0137】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0138】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を3mm/秒とした以外、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0139】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0140】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0141】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0142】
〔比較例4〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0143】
(塗料の調整)
実施例1と同様に塗料を調整した。
【0144】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0145】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を8mm/秒とした以外、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0146】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0147】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0148】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0149】
〔比較例5〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0150】
(塗料の調整)
比較例1と同様に塗料を調整した。
【0151】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0152】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を5mm/秒とし、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0153】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0154】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0155】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0156】
〔比較例6〕
(導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラの作成)
実施例1と同様に導電性支持体の外周上に弾性層を備えたローラを作成した。
【0157】
(塗料の調整)
比較例2と同様に塗料を調整した。
【0158】
(弾性層上に被覆層の形成、浸漬塗工)
上記方法で作成した、導電性支持体と、その両端部を除く外周面上に弾性層を備えたローラの導電性支持体の露出部分の片端にマスキングキャップを装着した。マスキングキャップは、実施例1と同様のものを使用した。
【0159】
その後、塗料とマスキングキャップの液切れ時のローラ引上げ速度を5mm/秒とし、実施例1と同様の条件で浸漬塗工を行い、合計1000本のローラを浸漬塗工した。
【0160】
その後、塗工したローラを風乾、140℃にて60分間加熱処理して被覆層を熱硬化し電子写真用ローラを得た。
【0161】
実施例1と同様に、上記1000本のローラに対して目視検査を行った。結果を表1に示す。
【0162】
(画像評価)
上記方法により作成した電子写真用ローラを現像ローラとして前記電子写真プロセスカートリッジに組み込み、画像出力して、評価した。表1に結果を示す。
【0163】
【表1】

【0164】
表1の結果より、本発明の電子写真ローラの製造方法は、動的表面張力が25mN/m以上、50mN/m以下であって、引き上げ工程でマスキングキャップが液面から引きあがる時の引上げ速度が3.5mm/秒以上、7mm/秒以下であると、塗工欠陥を防止するものであった。また、この製造方法を用いることにより、画像欠陥のない高精度の電子写真用ローラ(現像ローラ)となった。なお、塗料とマスキングキャップの液切れ時の速度が3mm/秒の比較例3においては、塗工欠陥は防止されているが、製造タクトが長くなり、前後工程のタクトタイムが合わなくなり、生産(量産)には不向きであった。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の電子写真用ローラの一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の電子写真用ローラの一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明において使用できる浸漬塗工装置の一例を示す概略断面図である。
【図4】画像形成装置の概略を表す構成図である。
【図5】(1)および(2)は何れも本発明に用いることのできるマスキングキャップを装着したローラの概略断面図である。
【符号の説明】
【0166】
1 現像ローラ
5 非磁性一成分トナー
6 現像容器
7 トナー供給ローラ
8 現像ブレード
10a〜d 画像形成ユニット
11 感光ドラム
12 帯電装置(帯電ローラ)
13 画像露光装置からの書き込みビーム
14 現像装置
15 クリーニング装置
16 画像転写装置(転写ローラ)
17 転写搬送ベルト
18 駆動ローラ
19 テンションローラ
20 従動ローラ
21 吸着ローラ
22 供給ローラ
23 剥離装置
24 定着装置
25 転写材
26 バイアス電源(画像転写装置(転写ローラ)16用)
27 バイアス電源(吸着ローラ21用)
100 電子写真用ローラ
101 導電性支持体
102 弾性層
103 被覆層
104 ローラ
105 マスキングキャップ
106 塗料
201 昇降装置
202 アーム
203 塗工槽
204 液送りポンプ
205 塗料受け皿部
206 戻りパイプ
207 攪拌槽
208 粘度計
209 希釈液制御装置
300 希釈タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体と、該導電性支持体の両端部を除く外周面上に設けられた弾性層とを有するローラを用意する工程、
該ローラの導電性支持体が露出した部分にマスキングキャップを装着する工程、
該ローラの長手方向を鉛直にした状態で、該マスキングキャップを装着した端部から該ローラを塗料中へ浸漬する浸漬工程、および
該ローラを該塗料から引き上げる引き上げ工程を有する、
弾性層上に被覆層を有する電子写真用ローラの製造方法において、
該塗料の、最大泡圧法による測定温度25℃、ライフタイム1秒における動的表面張力が25mN/m以上、50mN/m以下であって、
該引き上げ工程で該マスキングキャップが液面から引きあがる時の引上げ速度が3.5mm/秒以上、7mm/秒以下である
ことを特徴とする電子写真用ローラの製造方法。
【請求項2】
前記弾性層の主成分がシリコーンゴムであり、
前記浸漬工程より前に、前記弾性層表面にエキシマ光を照射する工程を有し、
該塗料が、シリコーンオイルを含有し、
該マスキングキャップの先端が円錐形状である
請求項1記載の電子写真用ローラの製造方法。
【請求項3】
前記塗料のシリコーンオイルの含有量が、前記塗料のベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上、5.0質量部以下であることを特徴とする請求項2記載の電子写真用ローラの製造方法。
【請求項4】
前記ベース樹脂がウレタン樹脂であり、前記シリコーンオイルが、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする請求項2または3記載の電子写真用ローラの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の電子写真用ローラの製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真用ローラ。
【請求項6】
現像ローラであることを特徴とする請求項4に記載の電子写真用ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−162885(P2009−162885A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340408(P2007−340408)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】