説明

電子機器ならびにその初期化方法

【課題】 電子機器に装着された交換ユニットが新品であるか否かを判断するために使い捨ての機械的手段が設けられることなく、新品の交換ユニットが装着されたときのみに当該交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行して交換ユニットおよび電子機器の破損を防止することができる電子機器を提供する。
【解決手段】 交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器において、入力された交換ユニット毎に付与される固有記号が新品の交換ユニットに対応する固有記号であると判断された場合(S105およびS107でYES,S111およびS113でYES)に、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行する(S108,S114)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器ならびにその初期化方法に関する。詳しくは、交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器ならびに当該電子機器に当該交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行させるための初期化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器において、新品の交換ユニットが装着されたときには、通常、交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理が電子機器において実行される。この交換ユニットの使用履歴に関するデータは交換ユニットの交換時期を認識するためにカウントされるデータであるため、前記初期化処理は新品の交換ユニットが電子機器に装着されたときに実行されなければならない。例えば、寿命の来た交換ユニットが装着された状態で初期化処理が実行された場合には、交換ユニットの交換時期が来ているにもかかわらず当該データは交換ユニットの交換時期が来たことを示さないため、寿命の来た交換ユニットが使い続けられ、交換ユニットの破損さらには電子機器の破損が生じ得る。これにより、初期化処理が実行されるにあたって、装着された交換ユニットが新品であるか否かが判断される必要がある。
【0003】
従来より、接続点の電位を検出することによって装着された交換ユニットが新品であるか否かを判断可能なヒューズを設け、装着された交換ユニットが新品であると判断された場合に、初期化処理を行なう画像形成装置がある(特許文献1)。
【0004】
また、装着された交換ユニットが新品であるか否かを判断するために、交換ユニットに不揮発性メモリを設け、電子機器に装着された交換ユニットの不揮発性メモリへ当該交換ユニットの使用履歴に関するデータを制御しながら書き込む印刷装置がある(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、上記の従来技術において、上述したヒューズや不揮発性メモリは、交換ユニットが交換されるたびに使い捨てられるために、コストが上昇するとともに、環境に対して悪影響である。
【特許文献1】特開平6−51585号公報
【特許文献2】特開2001−166649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、電子機器に装着された交換ユニットが新品であるか否かを判断するために使い捨ての機械的手段が設けられることなく、新品の交換ユニットが装着されたときのみ当該交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行して、交換ユニットおよび電子機器の破損を防止することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0008】
(1)交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器であって、交換ユニット毎に付与される固有記号の入力を受け付ける入力手段と、入力された固有記号が、新品の交換ユニットに対応する固有記号であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が入力された固有記号が新品の交換ユニットに対応する固有記号であると判断された場合、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行する実行手段とを有することを特徴とする電子機器。
【0009】
(2)前記判断手段は、入力された固有記号が入力履歴のない固有記号であり、かつ入力された固有記号に含まれる情報が所定の数式に適合するか否かによって、入力された固有記号が新品の交換ユニットに付与される固有記号であるか否かを判断することを特徴とする(1)に記載の電子機器。
【0010】
(3)交換ユニット毎に付与される固有記号は、固有番号と、当該固有番号が前記所定の数式に代入されることによって算出されるキー番号とを含み、前記判断手段は、入力された固有番号が入力履歴のない固有番号であり、かつ入力された固有番号およびキー番号が前記所定の数式に適合するか否かによって、入力された固有記号が新品の交換ユニットに付与される固有記号であるか否かを判断することを特徴とする(2)に記載の電子機器。
【0011】
(4)入力された固有記号を記憶する記憶手段をさらに有し、前記判断手段は、入力された固有記号と前記記憶手段に記憶された固有記号とが一致するか否かによって、入力された固有記号が入力履歴のない固有記号であるか否かを判断することを特徴とする(2)に記載の電子機器。
【0012】
(5)前記交換ユニットの使用履歴に関するデータは、前記交換ユニットの累積使用時間を示すデータであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の電子機器。
【0013】
(6)前記電子機器は複写機であって、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータは、印刷用紙の累積使用枚数を示すデータであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の電子機器。
【0014】
(7)交換ユニット毎に付与される固有記号は、当該交換ユニットに記述されることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の電子機器。
(8)交換ユニット毎に付与される固有記号は、当該交換ユニットに付属する部品に記述されることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の電子機器。
【0015】
(9)画像読み取り手段をさらに有し、交換ユニット毎に付与される固有記号は、前記画像読み取り手段によって読み取られることによって、入力されることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の電子機器。
【0016】
(10)前記固有番号は、当該交換ユニットあるいは当該交換ユニットに付属する部品に記述され、前記キー番号は、当該固有番号が入力されたWeb上の所定のサーバにおいて発行されることを特徴とする(3)に記載の電子機器。
【0017】
(11)交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器に、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行させるための電子機器の初期化方法であって、各交換ユニットに付与される固有記号の入力を受け付ける入力段階と、入力された固有記号が、新品の交換ユニットに付与される固有記号であるか否かを判断する判断段階と、前記判断段階において入力された固有記号が新品の交換ユニットに付与される固有記号であると判断された場合、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行する実行段階とを有することを特徴とする電子機器の初期化方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器において、入力された交換ユニット毎に付与される固有記号が新品の交換ユニットに対応する固有記号であると判断された場合に、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行する。これにより、電子機器に装着された交換ユニットが新品であるか否かを判断するために使い捨ての機械的手段が設けられることなく、新品の交換ユニットが装着されたときのみ前記初期化処理を実行して、交換ユニットおよび電子機器の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1および図2は第1の実施形態における電子機器としての複写機1の構成を示すブロック図および概略断面図であり、図3は複写機1に設けられる交換ユニットを説明するための概略断面図であり、図4は複写機1の液晶表示モニタ41に表示される初期画面を説明するための図である。
【0021】
複写機1は、タンデム型カラーデジタル複写機であり、制御部10、メモリ20、画像読み取り部30、パネル部40、およびプリンタ部50を備え、これらは信号をやり取りするためのバス100を介して相互に接続されている。
【0022】
制御部10は、プログラムにしたがって上記各部の制御や各種の演算処理を行う。
【0023】
メモリ20は、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含み、不揮発性メモリは、複写機1の基本動作を制御するプログラムなどの各種プログラムやデータを格納する。この不揮発性メモリとして例えばフラッシュメモリがある。揮発性メモリは、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。 画像読み取り部30は、原稿が載置される図示しない原稿ガラスと、図示しない原稿ガラス上に載置された原稿から読み取られる原稿画像を赤(以下、R)、緑(以下、G)、青(以下、B)の三色に色分解して電気信号に変換しR、G、Bの画像データを得ることが可能な図示しないCCDイメージセンサとを備える。
【0024】
パネル部40は、液晶表示モニタ41を備える。液晶表示モニタ41は、複写機1へ各種情報の入力が行うことが可能なタッチパネルであり、初期画面として、コピー枚数等を設定するテンキー410と、各種設定条件を初期化するためのリセットキーである各種設定ボタン411と、動作の開始を指示するスタートボタン412と、動作の停止を指示するストップボタン413とが表示され、また、プリンタ部50にJAM(紙詰まり)が生じたことを示す警告メッセージ、プリンタ部50を構成する装置の寿命情報なども表示され得る。
【0025】
プリンタ部50は、電子写真方式により画像を形成するものであって、給紙部51と、給紙部51が搬送する記録シートSにトナー像を転写する中間転写ユニット52と、中間転写ユニット52を図に示す横方向に移動可能に支持する中間転写ユニットレール53と、イエロー(以下、Y)、マゼンダ(以下、M)、シアン(以下、C)、ブラック(以下、K)の作像部54Y〜54Kと、クリーニング部55と、トナー像を記録シートSに溶融付着させて定着する公知の定着ユニット56と、定着ユニット56を図に示す横方向に移動可能に支持する定着ユニットレール57と、排紙トレイ58とを備える。
【0026】
中間転写ユニット52は、中間転写ベルト520と、中間転写ベルト520を張架する転写ローラ521Y〜521Kと、これらのローラを駆動するための図示しない第1の駆動モータと、中間転写ベルトクリーナ522と、中間転写ベルトクリーナ522の内部において回転可能に保持されるスクリュー523とを備える。
【0027】
クリーニング部55は、廃トナーボックス550と、上述した中間転写ベルトクリーナ522と廃トナーボックス550とを連結するジョイント551とを備える。
【0028】
給紙部51は、記録シートSを収納する給紙カセット510と、記録シートSを給紙カセット510から繰り出すために設けられる給紙ローラ511と、給紙ローラ511によって繰り出される記録シートSの先端を検出するために設けられるシート検出センサ512と、記録シートSを中間転写ベルト520側へ繰り出すタイミングをとるために設けられるレジストローラ513と、搬送ユニット514とを備える。
【0029】
搬送ユニット514は、記録シートSにトナー像を転写するために設けられる2次転写部514aと、レジストローラ513から2次転写部514aまで記録シートSを搬送するために設けられる図示しない搬送ガイドとを備える。また、搬送ユニット514は、支点部514bを支点にしてA方向へ開くことが可能に形成されている。
【0030】
各作像部54Y〜54Kは、クリーニング部55側から搬送ユニット514側に向かって互いに所定の間隔を開けて、中間転写ベルト520に対向するように、配置され、各作像部54Y〜54Kは、それぞれ露光走査部540Y〜540Kと、画像プロセス部541Y〜541Kとから構成される。
【0031】
露光走査部540Y〜540Kは、制御部30から出力される駆動信号を受けてLED光を発する発光ダイオード(LED)540aY〜540aKを備える。
【0032】
画像プロセス部541Y〜541Kは、感光体ドラム541aY〜541aKと、感光体ドラム541aY〜541aKの周囲に配置される帯電チャージャ541bY〜541bK、現像器541cY〜541cK、およびクリーナ541dY〜541dK、図示しないイレーサランプとを備える。
【0033】
定着ユニット56は、内部に熱源を有する定着ローラ560と、定着ローラ560の表面を押圧することが可能な加圧ローラ561と、これらのローラを駆動させるための図示しない第2の駆動モータとを備える。
【0034】
本実施形態における交換ユニットは、上述した中間転写ユニット52と定着ユニット56であり、上述した図示しない第1および第2の駆動モータが駆動する駆動累積時間(以下、寿命カウント時間)は、制御部10によりカウントされ、メモリ20の不揮発性メモリに格納される。
【0035】
定着ユニット56は、ユーザが複写機1に装着されている定着ユニット56をB方向と反対の方向へ引っ張り出した後に、新品の定着ユニット56を定着ユニットレール57に沿わせてB方向へスライドさせて複写機1内に挿入することによって交換される。
【0036】
また、中間転写ユニット52は、ユーザが搬送ユニット514を、支点部514bを支点にしてA方向に開いて、複写機1に装着されている中間転写ユニット52をC方向と反対の方向へ引っ張り出した後に、新品の中間転写ユニット52を中間転写ユニットレール53に沿わせてC方向へスライドさせて複写機1内に挿入することによって交換される。
【0037】
図5は、一つの中間転写ユニット52に設定されたシリアルナンバーおよびキーナンバーが印字された用紙を示す図である。
【0038】
本実施形態における複写機1の交換ユニットである中間転写ユニット52および定着ユニット56には、それぞれ固有記号が付与され、当該固有記号には、製造された通し番号により設定されるシリアルナンバー(固有番号)と、当該シリアルナンバーを所定の数式に代入することによって算出されるキーナンバー(キー番号)とが含まれる。このシリアルナンバーとキーナンバーとは、後述する交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理において用いられる数値であって、図に示すように、用紙に印刷され、印刷された用紙は印字されたナンバーに対応する中間転写ユニット52又は定着ユニット56に付属する。
【0039】
表1に、中間転写ユニット52又は定着ユニット56に設定されるシリアルナンバーとキーナンバーとの関係を示す。
【0040】
【表1】

【0041】
本実施形態において、シリアルナンバーは6桁に設定される。また、表において、一つの中間転写ユニット52と一つの定着ユニット56とが同一のシリアルナンバーを共有するように示されているが、中間転写ユニット52と定着ユニット56とは製造段階においてそれぞれ独立して製造され、製造されるユニットごとに個別のシリアルナンバーが設定されるものである。この設定方法において、2つの中間転写ユニット52あるいは2つの定着ユニット56が同一のシリアルナンバーを共有することはないが、1つの中間転写ユニット52と1つの定着ユニット56とが同一のシリアルナンバーを共有することが生じ得る。表はこのような状況を想定して示している。本実施形態において、同一のシリアルナンバーを共有する中間転写ユニット52と定着ユニット56とを判別できるように、両ユニットに対して値が異なるキーナンバーを当該シリアルナンバーに基づいて算出して設定した。
【0042】
以下に、シリアルナンバーとキーナンバーとの関係を説明する。
【0043】
表において、Aの列に中間転写ユニット52および定着ユニット56に設定されたシリアルナンバーの下4〜6桁の数値(以下、Aの数値)を示し、Bの列に当該シリアルナンバーの下1〜3桁の数値(以下、Bの数値)を示している。
【0044】
まず、中間転写ユニット52に設定されるシリアルナンバーとキーナンバーとの関係について説明する。
【0045】
本実施形態において、中間転写ユニット52のシリアルナンバーにおけるA、Bの数値を下記の数式1に代入することによって算出されるCの数値を中間転写ユニット52のキーナンバーと設定した。
【0046】
【数1】

【0047】
次に、定着ユニット56に設定されるシリアルナンバーとキーナンバーとの関係について説明する。
【0048】
定着ユニット56のシリアルナンバーにおけるA,Bの数値を下記の数式2に代入することによって算出されるDの数値を定着ユニット56のキーナンバーと設定した。数式2の右辺は、数式1の右辺からさらに7の値を加えるものとなっている。このように中間転写ユニット52のキーナンバーと定着ユニット56のキーナンバーとを算出する数式を異なるものとすることによって、同一のシリアルナンバーが一つの中間転写ユニット52と一つの定着ユニット56との両方に設定されたとしても、算出される中間転写ユニット52のキーナンバー(Cの数値)と定着ユニット56のキーナンバー(Dの数値)とは必ず異なる値に算出される。これにより、同一のシリアルナンバーが設定された中間転写ユニット52と定着ユニット56とを、それらに設定されたキーナンバーにより判別することができる。また、上記から明らかなように、数式2に示す7の値は、1でも2でもよく、任意の値に設定され得る。
【0049】
【数2】

【0050】
なお、上記の数式1および数式2は、メモリ20の不揮発性メモリに記憶される。
【0051】
次に、複写機1における印刷工程について説明する。
【0052】
画像読み取り部30の図示しないCCDイメージセンサが、スキャンにより読み取られた原稿画像からR、G、Bの画像データを得ると、制御部10は、R、G、Bの画像データに対して各種のデータ処理を行い、Y、M、C、Kの各再現色の画像データに変換する。
【0053】
さらに、制御部10は、Y、M、C、Kの画像データを、メモリ20の不揮発性メモリに格納して、位置ずれ補正のために必要な画像補正を行なった後、記録シートSの供給に同期して1走査ラインごとに各画像データを読み出して、発光ダイオード540aY〜540aKの駆動信号に変換する。
【0054】
一方、クリーナ541dY〜541dKは前回の印刷により感光体ドラム541aY〜541aKの表面に残留する残留トナーを除去し、図示しないイレーサランプは残留トナーが除去された感光体ドラム541aY〜541aKの表面を除電し、さらに帯電チャージャ541bY〜541bKは除電された感光体ドラム541aY〜541aKの表面を一様に帯電する。
【0055】
一様に帯電された感光体ドラム541aY〜541aKの表面に、発光ダイオード540aY〜540aKは、上記制御部10から前記駆動信号を受けてLED光を露光する。この露光により、感光体ドラム541aY〜541aKの表面に静電潜像が形成される。
【0056】
続いて、各現像器541cY〜541cKが各感光体ドラム541aY〜541aKの表面に形成された静電潜像にトナーを付着して現像することによって、感光体ドラム541aY〜541aKの表面にはY、M、C、Kのトナー像がそれぞれ形成される。さらに、各転写ローラ521Y〜521Kが各感光体ドラム541aY〜541aKに電圧を印加することによって、感光体ドラム541aY〜541aKの表面に形成されたトナー像は中間転写ベルト520上に順次転写されていく。この際には、各感光体ドラム541aY〜541aKから転写されるトナー像が中間転写ベルト520の同じ位置に重ねて転写されるように、各感光体ドラム541aY〜541aKから中間転写ベルト520へのトナー像の転写は、順次、タイミングをずらして実行される。中間転写ベルト520に転写されたトナー像は、中間転写ベルト520が転写ローラ521Y〜521Kの駆動により回転させられることによって、2次転写部514aまで搬送される。
【0057】
また、給紙カセット510に収容された記録シートSは、画像の読み込みと同時に、給紙ローラ511により繰り出され、記録シートSの先端がレジストローラ513に到達すると、シート検出センサ512は記録シートSを検出して検出信号を制御部10へ送信する。制御部10は、この検出信号を受信してタイミングを取りながら、レジストローラ513の図示しない駆動部に先端レジストローラ信号を送信してレジストローラ513に給紙を開始させ、記録シートSを2次転写部514aへ搬送する。この2次転写部514aに搬送される記録シートSに、2次転写部514aに搬送された中間転写ベルト520に転写されたトナー像が2次転写される。
【0058】
続いて、トナー像が2次転写された記録シートSが、定着ユニット56まで搬送され、定着ローラ560と加圧ローラ561とによって加熱および加圧されることによって、記録シートS表面のトナー粒子が記録シートSの表面に溶融付着して定着する。この後、記録シートSは、排紙トレイ58に排出される。
【0059】
また、2次転写部514aにおいて記録シートSにトナー像が転写された後、中間転写ベルト520上に残留した残留トナーは、中間転写ベルトクリーナ522により除去され、中間転写ベルトクリーナ522の内部においてスクリュー523によりジョイント551側へ搬送された後、ジョイント551を流下して廃トナーボックス550の内部に保管される。
【0060】
次に、本実施形態において、交換ユニットの交換時期の計測方法および交換時期をユーザに通知するための方法について説明する。
【0061】
本実施形態において、制御部10によってカウントされる寿命カウント時間が100万秒を超えたときに、液晶表示モニタ41に、交換ユニットの交換時期であることを示す警告メッセージが表示される。なお、本実施形態において、100万秒を超えてもすぐには複写機1の使用を停止させないが、寿命が来た中間転写ユニット52又は定着ユニット56が装着された状態で複写機1が使用し続けられた場合には、中間転写ベルト520又は定着ローラ560の破損が生じ得る。このため、110万秒になった時点で複写機1の使用を停止させる。
【0062】
ユーザは、上述した警告メッセージが液晶表示モニタ41に表示されていることを確認した場合、寿命が来た交換ユニットを複写機1から取り出して新品の交換ユニットを複写機に装着するとともに、新品の交換ユニットに付属する用紙に印字されたシリアルナンバーおよびキーナンバーを複写機1に入力して、複写機1に当該交換ユニットの寿命カウント時間の初期化処理を実行させる。この初期化処理について以下に説明する。
【0063】
図6は、第1の実施形態における交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を説明するためのフロチャートである。図6のフロチャートにより示されるアルゴリズムは、メモリ20の不揮発性メモリに記憶され、制御部10によって実行される。
【0064】
はじめに、液晶表示モニタ41には図4に示す初期画面が表示される(S101)。この初期画面において各種設定ボタン411がユーザにより押されると、寿命カウント時間のリセット処理の選択が受け付けられる(S102)。具体的には、図示しない設定モード選択画面が液晶表示モニタ41に表示され、この図示しない設定モード選択画面は、複写機1において実行可能な各設定モードの処理を選択するための図示しない選択ボタンを有する。この選択ボタンの一つとして、中間転写ユニット52および定着ユニット56の寿命カウント時間をリセットする(0に戻す)処理を選択するための図示しないカウンターリセットボタンがある。
【0065】
ユーザが図示しないカウンターリセットボタンを押すことによって、交換ユニットの寿命カウント時間をリセットする処理が選択されると、寿命カウント時間をリセットされる交換ユニットは中間転写ユニット52であるか定着ユニット56であるか選択が受け付けられる(S103)。具体的には、図示しないユニット選択画面が液晶表示モニタ41に表示され、この図示しないユニット選択画面は、中間転写ユニット52の寿命カウント時間をリセットする処理を選択するための選択ボタン(以下、中間転写ユニット52のリセット選択ボタン)と、定着ユニット56の寿命カウント時間をリセットする処理を選択するための選択ボタン(以下、定着ユニット56のリセット選択ボタン)とを有する。
【0066】
ユーザがユニット選択画面において図示しない中間転写ユニット52のリセット選択ボタンを押して、ステップS103において中間転写ユニット52の寿命カウント時間をリセットする処理が選択された場合、複写機1に装着された中間転写ユニット52のシリアルナンバーの入力が受け付けられる(S104)。具体的には、図示しない中間転写ユニット52のシリアルナンバー入力画面が液晶表示モニタ41に表示され、この図示しない中間転写ユニット52のシリアルナンバー入力画面は、シリアルナンバーが入力されるための図示しない入力ボックスを有する。
【0067】
続いて、ユーザが、図示しない中間転写ユニット52のシリアルナンバー入力画面において、複写機1に装着された中間転写ユニット52に付属する用紙に印字されたシリアルナンバーを入力すると、入力されたシリアルナンバーが入力履歴のあるシリアルナンバーであるか否かが判断される(S105)。この判断は、入力されたシリアルナンバーが不揮発性メモリに格納されたシリアルナンバーであるか否かによって判断される。不揮発性メモリに格納されているシリアルナンバーであれば、入力履歴のあるシリアルナンバーであると判断され、不揮発性メモリに格納されていないシリアルナンバーであれば入力履歴の無いシリアルナンバーであると判断される。
【0068】
入力履歴のあるシリアルナンバーであると判断された場合(S105でNO)、再び図示しない中間転写ユニット52のシリアルナンバー入力画面に戻る(S104)。
【0069】
入力履歴の無いシリアルナンバーであると判断された場合(S105でYES)、中間転写ユニット52のキーナンバーの入力が受け付けられる(S106)。具体的には、図示しない中間転写ユニット52のキーナンバー入力画面が液晶表示モニタ41に表示され、この図示しない中間転写ユニット52のキーナンバー入力画面は、キーナンバーが入力されるための図示しない入力ボックスを有する。
【0070】
続いて、図示しない中間転写ユニットキーナンバー入力画面において、ユーザが複写機1に装着した中間転写ユニット52に付属する用紙に印字されたキーナンバーを入力すると、入力されたシリアルナンバーおよびキーナンバーが不揮発性メモリに記憶されている数式1に適合するか否かが判断される(S107)。
【0071】
数式1に適合すると判断された場合(S107でYES)、中間転写ユニット52の寿命カウント時間がリセットされ(S108)、入力されたシリアルナンバーが不揮発性メモリに格納される(S109)。以上で、第1の実施形態における中間転写ユニット52の寿命カウント時間の初期化処理が終了する。
【0072】
また、ステップS103において定着ユニット56の寿命カウント時間をリセットする処理が選択された場合において、それ以降に実行されるステップS110〜ステップS115までの処理は、上述したステップS104〜ステップS109までの処理について、入力の受け付けられるデータが中間転写ユニット52に関するデータから定着ユニット56に関するデータに変更され、また入力されるデータが適合するか否かが判断される式が数式1から数式2に変更されただけの処理である。このため、ステップS110〜ステップS115までの処理の説明は省略する。
【0073】
本実施形態によれば、上述したように、交換ユニットの使用履歴に関するデータである寿命カウント時間の初期化処理が実行されるにあたって、入力履歴のないシリアルナンバーのみが受け付けられて、入力されたシリアルナンバーとキーナンバーとが所定の数式に適合するか否かが判断された後、入力された2つのナンバーが数式に適合する場合のみ当該交換ユニットに対応する寿命カウント時間がリセットされる。
【0074】
すなわち、本実施形態において、複写機1に入力されるシリアルナンバーおよびキーナンバーに基づいて前記初期化処理を実行するか否かが判断され、過去に使用された交換ユニットに付属する用紙に印字されたシリアルナンバーが入力された場合には、入力履歴のあるシリアルナンバーが入力されたと判断されて、前記初期化処理は実行されない。さらに、シリアルナンバーおよびキーナンバーとして設定されていないでたらめな数値が入力され、入力履歴のないシリアルナンバーが入力されたと判断された場合でも、入力されたシリアルナンバーとキーナンバーとが上述した数式に適合するか否かがさらに判断される。この結果、入力された2つのナンバーが数式に適合しないと判断されて、前記初期化処理は実行されない。
【0075】
以上のことから、本実施形態において、使い捨ての機械的手段を必要とせずに、新品の交換ユニットが装着されたときのみに当該交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理が実行され、複写機に装着された中間転写ユニット又は定着ユニット、および複写機の破損を防止することができる
また、本実施形態において、複写機に設けられるメモリに、あらかじめシリアルナンバーおよびキーナンバーを格納しておく必要がないため、大きなメモリ容量を必要としない。
【0076】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0077】
第2の実施形態における複写機の構成は、図1に示す第1の実施形態における複写機1の構成と同一であり、交換ユニットも、第1の実施形態と同様に中間転写ユニットおよび定着ユニットである。このため、第2の実施形態における複写機の構成の説明を省略し、以下の説明において用いる符号は第1の実施形態と同一にして示す。また、第2の実施形態においても、シリアルナンバーとキーナンバーとの関係も第1の実施形態における関係と同様であり、2つのナンバーは用紙に印刷され、印刷された用紙は印字されたナンバーが対応する中間転写ユニット又は定着ユニットに付属する。
【0078】
図7は、第2の実施形態における交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を説明するためのフロチャートである。
【0079】
ステップS201からステップS203までの処理は、図6に示すステップS101からステップS103までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
ステップS203において中間転写ユニット52の寿命カウント時間をリセットする処理が選択されると、スキャンによる中間転写ユニット52のシリアルナンバーおよびキーナンバーの入力が受け付けられる(S204)。具体的には、複写機1に装着された中間転写ユニット52に付属する用紙を画像読み取り部30に置くことをユーザに促す図示しないメッセージと、スキャンを開始するための図示しないスタートボタンとが液晶表示モニタ41に表示される。
【0081】
続いて、用紙に印字されたシリアルナンバーとキーナンバーとがスキャンにより読み取られて入力されると、入力されたシリアルナンバーが、入力履歴のあるシリアルナンバーであるか否かが判断される(S205)。この判断も、ステップS105と同様に、入力されたシリアルナンバーが不揮発性メモリに格納されたシリアルナンバーであるか否かによって判断される。
【0082】
入力履歴のあるシリアルナンバーであると判断された場合(S205でNO)、ステップS204の処理に戻る。
【0083】
入力履歴の無いシリアルナンバーであると判断された場合(S205でYES)、入力されたシリアルナンバーとキーナンバーとが上述した数式1に適合するか否かが判断される(S206)。
【0084】
数式1に適合しないと判断された場合(S206でNO)、ステップS204の処理に戻る。
【0085】
数式1に適合すると判断された場合(S206でYES)、中間転写ユニット52の寿命カウント時間がリセットされ(S207)、入力されたシリアルナンバーがメモリ20の不揮発性メモリに格納される(S208)。以上で、第2の実施形態における中間転写ユニット60の寿命カウント時間の初期化処理は終了する。
【0086】
また、ステップS203において定着ユニット56の寿命カウント時間をリセットする処理が選択された場合、それ以降に実行されるステップS209〜ステップS213までの処理は、上述したステップS204〜ステップS208までの処理について、シリアルナンバーおよびキーナンバーの入力のために画像読み取り部10に置かれるべき用紙が中間転写ユニット52に付属する用紙から定着ユニット56に付属する用紙へ変更され、また入力されたデータが適合するか否かが判断される式を数式1から数式2に変更されるだけの処理である。このため、ステップS209〜ステップS213までの処理の説明は省略する。
【0087】
本実施形態によれば、上記の第1の実施形態と同様の効果を発揮するとともに、シリアルナンバーおよびキーナンバーを液晶表示モニタ41から複写機に入力する煩わしさをユーザに与えない。
【0088】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0089】
例えば、シリアルナンバーおよびキーナンバーは、例えば交換ユニット又は交換ユニットに付属する部品に印字刻印されるなど、交換ユニット又は交換ユニットに付属する部品に記述されてもよい。
【0090】
また、シリアルナンバーのみが、上記と同様に交換ユニット又は交換ユニットに付属する部品に記述され、キーナンバーのみが交換ユニットに付属する用紙に印字されてもよい。
【0091】
また、交換ユニットの使用履歴に関するデータは、複写機において印刷される印刷用紙の累積使用枚数を示すデータであってもよい。
【0092】
また、キーナンバーは、数式1又は数式2で算出される下1〜3桁としたが、任意の桁数に設定することができる。
【0093】
また、シリアルナンバーとキーナンバーとを関係付ける数式は、上記の数式1や数式2に限られない。各交換ユニットに設定されるシリアルナンバーとキーナンバーとを一対一で対応付けるあらゆる数式が適用され得る。また、上述したように、電子機器に複数の交換ユニットが設けられる場合には、各交換ユニットに設定される数式はそれぞれ異なることが好ましい。
【0094】
また、シリアルナンバーおよびキーナンバーは、文字、標章、符号等でもかまわない。この場合、上記の数式に代えて、一つの交換ユニットに付与されるシリアルナンバーとキーナンバーとを対応付ける規則が規定され、当該規則はメモリの不揮発性メモリに格納され、入力されるシリアルナンバーおよびキーナンバーが当該規則に適合するか否かが判断される。
【0095】
また、シリアルナンバーは、交換ユニットあるいは当該交換ユニットに付属する部品に記述され、キーナンバーは当該シリアルナンバーが入力されたWeb上の所定のサーバにおいて発行されることとしてもよい。
【0096】
上記のキーナンバーが所定のサーバにおいて発行される一態様として、前記サーバと、ユーザがシリアルナンバーを入力するためのコンピュータとがネットワークを介して接続される。コンピュータはユーザにより入力されたシリアルナンバーをサーバに送信し、サーバは受信したシリアルナンバーを所定の数式に代入することによってキーナンバーを算出して発行し、発行したキーナンバーをコンピュータへ返送する。そして、ユーザは、コンピュータがサーバから受信したキーナンバーをコンピュータの画面上で確認した後、当該キーナンバーを前記のシリアルナンバーとともに複写機に入力し、複写機は入力されたナンバーに基づいて初期化処理を実行する。
【0097】
また、上記のキーナンバーが所定のサーバにおいて発行される他の態様として、前記サーバと、ユーザがシリアルナンバーを入力するためのコンピュータと、複写機とがネットワークを介して接続される。コンピュータはユーザにより入力されたシリアルナンバーをサーバとともに複写機に送信し、サーバは上記と同様に受信したシリアルナンバーに基づいてキーナンバーを発行して複写機に送信し、複写機は受信したシリアルナンバーおよびキーナンバーに基づいて初期化処理を実行する。なお、本態様において、サーバから複写機に送信されるキーナンバーは暗号化されてもよい。
【0098】
また、本発明が適用可能な電子機器は上述した複写機に限定されない。モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、FAXやこれらの複合機や、電子写真方式、インクジェット方式、トナージェット方式、又はステンシル印字方式などの画像形成装置や、2次電源・外部記憶手段を備えた電子機器など、交換ユニットが交換可能に設けられるあらゆる電子機器に適用され得る。
【0099】
また、本発明が適用可能な交換ユニットは上述した中間転写ユニットおよび定着ユニットに限定されない。例えば、複写機であれば、転写、現像、感光体、トナー、インク、定着、廃トナー容器などを備えた交換ユニットやイメージングユニット、他の電子機器であれば、交換可能な2次電源(バッテリー)や外部記憶手段など、上述した本発明が適用可能な電子機器に交換可能に設けられるあらゆる交換ユニットに適用され得る。
【0100】
また、電子機器に設けられる交換ユニットの数も上記に限られない。あらゆる数の交換ユニットが設けられた電子機器に適用され得る。
【0101】
また、本発明が適用可能な電子機器における処理は、上述した初期化処理に限定されない。例えば、上述した本発明が適用可能な電子機器の初期設定およびプロセス条件設定など、交換ユニットの交換時に必要となるパラメータ等の設定処理に適用され得る。
【0102】
また、本発明は、第2の実施形態で述べたように、用紙に印字されたシリアルナンバーおよびキーナンバーがスキャナにより読み取られて電子機器に入力される場合には、以下に示す態様に改変し得る。
【0103】
例えば、用紙に印字されるシリアルナンバーおよびキーナンバーは、ローマ数字や、バーコード等の記号情報で印字されても良い。
【0104】
また、交換ユニットが交換可能に設けられた電子機器とスキャナとがネットワークを介して接続され、スキャナが用紙に印字されたシリアルナンバーおよびキーナンバーを読み取って電子機器に送信し、電子機器は受信したシリアルナンバーとキーナンバーとに基づいて初期化処理を実行することとしてもよい。
【0105】
また、シリアルナンバーおよびキーナンバーを、消色性着色剤として公知であるIR820Bのインキにより用紙に印字して、スキャナ光源に波長825mm成分を含ませることとしてもよい。これにより、スキャニングと同時に用紙に印字されたシリアルナンバーおよびキーナンバーは消えるために、一度読み込まれたシリアルナンバーとキーナンバーとが再び電子機器に読み込まれることがない。これにより、寿命が来た交換ユニットが使用され続けることが確実に不可能となり、交換ユニットおよび電子機器の破損をさらに防止することができる。
【0106】
また、シリアルナンバーおよびキーナンバーは、例えばカメラ付の携帯電話が読み取り可能なQRコードなど、画像入手機能を備えた携帯端末が読み取り可能なコードで用紙に印字され、前記携帯端末は用紙に印字されたコードからシリアルナンバーおよびキーナンバーを読み取って電子機器に送信し、電子機器は受信したシリアルナンバーおよびキーナンバーに基づいて初期化処理を実行することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1の実施形態における電子機器としての複写機の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態における電子機器としての複写機の構成を示す概略断面図である。
【図3】複写機に設けられる交換ユニットを説明するための概略断面図である。
【図4】複写機の液晶表示モニタに表示される初期画面を説明するための図である。
【図5】一つの中間転写ユニットに設定されたシリアルナンバーおよびキーナンバーが印字された用紙を示す図である。
【図6】第1の実施形態における交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を説明するためのフロチャートである。
【図7】第2の実施形態における交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を説明するためのフロチャートである。
【符号の説明】
【0108】
1 複写機、
10 制御部、
20 メモリ、
30 画像読み取り部、
40 パネル部、
50 プリンタ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器であって、
交換ユニット毎に付与される固有記号の入力を受け付ける入力手段と、
入力された固有記号が、新品の交換ユニットに対応する固有記号であるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が入力された固有記号が新品の交換ユニットに対応する固有記号であると判断された場合、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行する実行手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記判断手段は、入力された固有記号が入力履歴のない固有記号であり、かつ入力された固有記号に含まれる情報が所定の数式に適合するか否かによって、入力された固有記号が新品の交換ユニットに付与される固有記号であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
交換ユニット毎に付与される固有記号は、固有番号と、当該固有番号が前記所定の数式に代入されることによって算出されるキー番号とを含み、
前記判断手段は、入力された固有番号が入力履歴のない固有番号であり、かつ入力された固有番号およびキー番号が前記所定の数式に適合するか否かによって、入力された固有記号が新品の交換ユニットに付与される固有記号であるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
入力された固有記号を記憶する記憶手段をさらに有し、
前記判断手段は、入力された固有記号と前記記憶手段に記憶された固有記号とが一致するか否かによって、入力された固有記号が入力履歴のない固有記号であるか否かを判断することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記交換ユニットの使用履歴に関するデータは、前記交換ユニットの累積使用時間を示すデータであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記電子機器は複写機であって、
前記交換ユニットの使用履歴に関するデータは、印刷用紙の累積使用枚数を示すデータであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項7】
交換ユニット毎に付与される固有記号は、当該交換ユニットに記述されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項8】
交換ユニット毎に付与される固有記号は、当該交換ユニットに付属する部品に記述されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項9】
画像読み取り手段をさらに有し、
交換ユニット毎に付与される固有記号は、前記画像読み取り手段によって読み取られることによって、入力されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の電子機器。
【請求項10】
前記固有番号は、当該交換ユニットあるいは当該交換ユニットに付属する部品に記述され、
前記キー番号は、当該固有番号が入力されたWeb上の所定のサーバにおいて発行されることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項11】
交換ユニットが交換可能に装着され得る電子機器に、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行させるための電子機器の初期化方法であって、
各交換ユニットに付与される固有記号の入力を受け付ける入力段階と、
入力された固有記号が、新品の交換ユニットに付与される固有記号であるか否かを判断する判断段階と、
前記判断段階において入力された固有記号が新品の交換ユニットに付与される固有記号であると判断された場合、前記交換ユニットの使用履歴に関するデータの初期化処理を実行する実行段階と、
を有することを特徴とする電子機器の初期化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−215472(P2006−215472A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−30584(P2005−30584)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】