説明

電子部品実装システムおよび電子部品実装方法

【課題】設備占有スペースや設備コストを低減すると共に、高い接続信頼性を確保することができる電子部品実装システムおよび電子部品実装方法を提供する。
【解決手段】半田印刷装置M1、塗布・検査装置M2、部品搭載装置M3、接合材供給・基板搭載装置M4およびリフロー装置M5を含み、主基板4に電子部品を実装するとともにモジュール基板5を接続する電子部品実装システム1において、主基板4にクリーム半田を印刷して電子部品を搭載し、主基板4の第1の接続部位に半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給し、この接合材料を介してモジュール基板5の第2の接続部位を第1の接続部位に着地させ、その後主基板4をリフロー装置M5に搬入し同一のリフロー工程において加熱して、電子部品を主基板4に半田接合するとともに、モジュール基板5の第2の接続部位と主基板4の第1の接続部位とを接合材料によって接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、第1の基板と予め電子部品が実装された第2の基板とを接続する電子部品実装システムおよびこの電子部品実装システムによる電子部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話など小型・高機能が求められる電子機器には、CCDカメラや表示パネルのなど個々の機能モジュールを、フィルム状のフレキシブル基板を介してリジッド基板に設けられた主電子回路モジュールに接続する構成が一般に用いられる。このフレキシブル基板に設けられた端子をリジッド基板の回路電極に接続する方法として、熱硬化性樹脂に導電粒子を含有させた異方性導電接着剤を用いて端子と回路電極とを導通させる方法(例えば特許文献1参照)が従来より用いられている。この特許文献例では、導電粒子として半田粒子を用い、フレキシブル基板とリジッド基板とを熱硬化性樹脂によって接着するとともに、フレキシブル基板の端子をリジッド基板の回路基板に半田接合して、電気的に導通させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−140718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献例を含め、従来技術においては工程構成に起因して、以下に述べるような課題があった。すなわち従来技術においては、リジッド基板に電子部品を実装する部品実装工程と、部品実装が完了したリジッド基板にフレキシブル基板を接続する基板接続工程とは、全く別工程としてそれぞれ個別に実行されていた。このため、複数の実装ラインおよび中間製品としての部品実装後のリジッド基板をストックし基板接続用の実装ラインに搬送するための設備をさらに設ける必要があり、設備占有スペースや設備コストの上昇を招いていた。また、部品実装工程においてリフローが終了した後のリジッド基板は基板接続工程に送られるまでにストックされることとなり、このストック時間の間にリジッド基板の吸湿が生じる。このため、リジッド基板とフレキシブル基板との基板接続工程において、水分が気化して接続部にボイドを生じやすく、接続信頼性を低下させる結果となっていた。
【0005】
そこで本発明は、設備占有スペースや設備コストを低減すると共に、高い接続信頼性を確保することができる電子部品実装システムおよび電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子部品実装システムは、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムであって、前記複数の電子部品実装用装置は、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷装置と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載装置と、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給装置と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の
接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載装置と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー装置とを含む。
【0007】
また本発明の電子部品実装システムは、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムであって、前記複数の電子部品実装用装置は、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷装置と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板において、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給装置と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載装置と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記半田接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載装置と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー装置とを含む。
【0008】
さらに本発明の電子部品実装システムは、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムであって、前記複数の電子部品実装用装置は、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷装置と、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給装置と、前記ペーストが印刷され前記接合材料が供給された前記第1の基板に前記電子部品を搭載するとともに、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載してこの第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる搭載装置と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー装置とを含む。
【0009】
本発明の電子部品実装方法は、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法であって、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷工程と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載工程と、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給工程と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載工程と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー工程とを含む。
【0010】
また本発明の電子部品実装方法は、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法であって、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷工程と、前記ペーストが印刷された後に、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給工程と、前記接合材料が供給された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載工程と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記半田接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載工程と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第
2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー工程とを含む。
【0011】
さらに本発明の電子部品実装方法は、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法であって、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷工程と、前記ペーストが印刷された後に、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給工程と、前記半田接合用のペーストが印刷され前記接合材料が供給された前記第1の基板に前記電子部品を搭載するとともに、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる搭載工程と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー工程とを含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の基板に電子部品を実装するとともに、第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法において、第1の基板に半田接合用のペーストを印刷して電子部品を搭載し、第1の基板に設けられた第1の接続部位に半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給して第2の基板に設けられた第2の接続部位を接合材料を介して第1の基板に設けられた第1の接続部位に着地させ、その後電子部品および第2の基板が搭載された第1の基板を同一のリフロー工程において加熱して、電子部品を第1の基板に半田接合するとともに第2の接続部位と第1の接続部位とを接合材料によって接合することにより、設備占有スペースや設備コストを低減することが可能となるとともに、電子部品が実装された後の第1の基板をストックすることなく直ちに第2の基板と接続することができ、高い接続信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムの構成を示す平面図
【図2】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムの実装対象となる基板の説明図
【図3】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する半田印刷装置の部分断面図
【図4】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する塗布・検査装置の部分断面図
【図5】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する部品搭載装置の部分断面図
【図6】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する接合材料供給・基板搭載装置の部分断面図
【図7】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図8】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図9】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図10】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図11】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図12】本発明の実施の形態1の電子部品実装システムにおけるリフロー過程の加熱プロファイルを示す図
【図13】本発明の実施の形態1の電子部品実装方法における基板支持方法の説明図
【図14】本発明の実施の形態2の電子部品実装システムの構成を示す平面図
【図15】本発明の実施の形態2の電子部品実装システムを構成する接着剤塗布・接合材料供給装置の部分断面図
【図16】本発明の実施の形態2の電子部品実装システムを構成する検査・基板搭載装置の部分断面図
【図17】本発明の実施の形態2の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図18】本発明の実施の形態2の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【図19】本発明の実施の形態2の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムの構成を示す平面図、図2は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムの実装対象となる基板の説明図、図3は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する半田印刷装置の部分断面図、図4は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する塗布・検査装置の部分断面図、図5は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する部品搭載装置の部分断面図、図6は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムを構成する接合材料供給・基板搭載装置の部分断面図、図7、図8、図9、図10、図11は本発明の実施の形態1の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図、図12は本発明の実施の形態1の電子部品実装方法におけるリフロー過程の加熱プロファイルを示す図、図13は本発明の実施の形態1の電子部品実装方法における基板支持方法の説明図である。
【0015】
まず図1を参照して、電子部品実装システム1の構成を説明する。電子部品実装システム1は、複数の電子部品実装用装置である半田印刷装置M1、塗布・検査装置M2、部品搭載装置M3、接合材料供給・基板搭載装置M4、リフロー装置M5を直列に連結して構成されている。各装置は、いずれも基台2の中央部にX方向(基板搬送方向)に配設された基板搬送機構3を備えており、各装置の基板搬送機構3は隣接装置の基板搬送機構3と直列に連結されて電子部品実装システム1を縦通する基板搬送経路を構成している。電子部品の実装対象となる主基板4は、上流側(図1において左側・・矢印a参照)から半田印刷装置M1の基板搬送機構3に搬入され、電子部品実装システム1内をX方向に順次搬送される。
【0016】
次に図2を参照して、電子部品実装システム1の作業対象となる主基板4およびモジュール基板5について説明する。図2(a)は、電子部品が実装される主基板4(第1の基板)を示しており、主基板4には図2(b)に示すモジュール基板5(第2の基板)が接続される。主基板4、モジュール基板5は携帯電話などの小型端末機器の電子回路を構成するものであり、モジュール基板5を主基板4に接続した状態で筐体内に装着される。
【0017】
主基板4はガラスエポキシ樹脂などを材質としており、図2(a)に示すように、主基板4の実装面4aには、一方側の縁部に位置してモジュール基板5を接続するための複数の接続端子4b(第1の接続部位)が形成されている。実装面4aの中央部には、電子部品の端子が接続される電極4c,4d,4eが形成されている。電極4c,4d,4eには、チップ型部品8の端部に形成された端子8a、バンプ付き部品9A,9Bの下面に形成されたバンプ9aがそれぞれ半田接合される(図8、図9参照)。また図2(b)はモジュール基板5を示しており、モジュール基板5は、予めドライバ用の電子部品5bが実
装されたサブ基板5aにフレキシブル基板5cを予め接続した構成となっている。フレキシブル基板5cの接続端部5dの下面側には、主基板4の接続端子4bと接続されるフレキシブル端子5e(第2の接続部位)が形成されている。
【0018】
次に各装置の構造および機能を説明する。まず図1および図3を参照して、半田印刷装置M1について説明する。半田印刷装置M1は主基板4に半田接合用のペーストであるクリーム半田を印刷する機能を有するものである。図3に示すように、基板搬送機構3には基板下受け部18が昇降自在に設けられており、基板搬送機構3の上方にはマスク枠15に展張されたマスクプレート16が配設されている。基板搬送機構3によって上流側から搬送された主基板4は基板下受け部18によって下面側を下受けされ、さらにクランプ部材17によって両側からクランプされた状態で、マスクプレート16の下面側に当接する。
【0019】
基台2のX方向の端部にはY軸テーブル11がY方向に配設されており、Y軸テーブル11を駆動することによりY軸テーブル11に装着されたX軸ビーム12はY方向に往復動する。X軸ビーム12には下端部にスキージ部材14を備えたスキージユニット13が装着されており、スキージユニット13を駆動することによりスキージ部材14は昇降し、下降状態においてその下端部がマスクプレート16の上面に当接する。マスクプレート16上にクリーム半田6を供給し、さらにスキージ部材14を下降させた状態で、Y軸テーブル11を駆動してスキージユニット13をY方向に移動させる(矢印b)ことにより、主基板4に設けられた電極4c,4d,4eには、マスクプレート16において電極4c,4d,4eに対応して設けられたパターン孔(図示省略)を介してクリーム半田6が印刷される(図7参照)。
【0020】
次に図1および図4を参照して、塗布・検査装置M2について説明する。塗布・検査装置M2は半田印刷装置M1によって主基板4に印刷されたクリーム半田6の印刷状態を検査するとともに、主基板4に部品仮固定用の接着剤7を塗布する機能を有するものである。図4に示すように、基板搬送機構3には基板下受けピン19が昇降自在に設けられており、基板搬送機構3によって上流側から搬送された主基板4は基板下受けピン19によって下面側を下受けされる。基板搬送機構3の上方には、接着剤塗布ユニット20が第1X軸テーブル12AによってX方向に移動自在に、また検査ユニット22が第2X軸テーブル12BによってX方向に移動自在に設けられている。
【0021】
接着剤塗布ユニット20には下端部に塗布ノズル21aを備えたディスペンサ21が昇降自在に装着されている。ディスペンサ21を下降させて塗布ノズル21aを主基板4の上面に近接させた状態で、ディスペンサ21に内蔵された吐出機構を作動させることにより、塗布ノズル21aから接着剤7が吐出されて主基板4に塗布される。また検査ユニット22は下方に位置する主基板4を撮像する機能を有しており、この撮像結果を認識処理部(図示省略)によって認識処理することにより、主基板4に印刷されたクリーム半田6の印刷状態や接着剤7の塗布状態の検査が行われる。
【0022】
基台2のX方向の端部にはY軸テーブル11がY方向に配設されており、Y軸テーブル11には第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BがそれぞれY方向の移動が自在に個別に装着されている。Y軸テーブル11を駆動することにより、第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BはY方向に個別に往復動する。このY方向の移動と第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BによるX方向の移動を組み合わせることにより、接着剤塗布ユニット20、検査ユニット22はそれぞれ下方に位置決めされた主基板4に対してX方向、Y方向に移動する。これにより、接着剤塗布ユニット20は主基板4の任意の点に接着剤7を塗布し、また接着剤塗布ユニット20は主基板4の任意位置に印刷されたクリーム半田6の印刷状態を検査することができる。換言すれば、塗布・検査
装置M2は、主基板4に接着剤7を塗布する塗布装置M2Aと、主基板4に印刷されたクリーム半田6の印刷状態や接着剤7の塗布状態を検査する検査装置M2Bとを単一の装置内に組み込んだ構成となっている。
【0023】
次に図1および図5を参照して、部品搭載装置M3について説明する。部品搭載装置M3はクリーム半田6が印刷された後の主基板4に電子部品を搭載する機能を有している。図5に示すように、基板搬送機構3には基板下受けピン19が昇降自在に設けられており、基板搬送機構3によって上流側から搬送された主基板4は基板下受けピン19によって下面側を下受けされる。基板搬送機構3の両側方には、それぞれ第1部品供給部25A、第2部品供給部25Bが配設されている。
【0024】
第1部品供給部25Aには複数のテープフィーダ26が並設されている。テープフィーダ26は、チップ型部品8などの比較的小型の電子部品を収納したキャリアテープを、内蔵したテープ送り機構によってピッチ送りすることにより、以下に説明する第1搭載ヘッド23Aによる部品取り出し位置にこれらの電子部品を供給する。第2部品供給部25Bには、下面にバンプが形成されたバンプ付き部品9A,9Bなど、比較的大型の部品を所定の規則配列で収納する部品トレイ27が配置されている。以下に説明する第2搭載ヘッド23Bが部品トレイ27の部品収納位置にアクセスすることにより、これらの電子部品が部品トレイ27から取り出される。
【0025】
基台2のX方向の端部にはY軸テーブル11がY方向に配設されており、Y軸テーブル11には第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BがそれぞれY方向の移動が自在に個別に装着されている。第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12Bには、それぞれ下端部に第1吸着ノズル24A、第2吸着ノズル24Bを備えた第1搭載ヘッド23A、第2搭載ヘッド23Bが装着されている。第1搭載ヘッド23Aは第1吸着ノズル24Aによってチップ型部品8を吸着保持し、第2搭載ヘッド23Bは第2吸着ノズル24Bによってバンプ付き部品9Aやバンプ付き部品9Bを吸着保持する。
【0026】
Y軸テーブル11を駆動することにより、第1X軸テーブル12Aおよび第2X軸テーブル12Bは、Y方向に個別に往復動する。このY方向の移動と第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BによるX方向の移動を組み合わせることにより、第1搭載ヘッド23Aおよび第2搭載ヘッド23Bは、それぞれ第1部品供給部25A、第2部品供給部25Bと基板搬送機構3に位置決めされた主基板4との間を自在に移動する。これにより、第1搭載ヘッド23Aは第1部品供給部25Aのテープフィーダ26から取り出したチップ型部品8を主基板4の任意の実装位置に搭載し(矢印c)、また第2吸着ノズル24Bは第2部品供給部25Bの部品トレイ27から取り出したバンプ付き部品9A,9Bを主基板4の任意の実装位置に搭載する(矢印d)。
【0027】
次に図1および図6を参照して、接合材料供給・基板搭載装置M4について説明する。接合材料供給・基板搭載装置M4は主基板4にモジュール基板5を接続するために、主基板4に設けられた複数の接続端子4b上の所定範囲に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料10を供給する機能と、主基板4にモジュール基板5を搭載してモジュール基板5の接続端部5dを接合材料10を介して接続端子4bに着地させる機能とを有している。換言すれば、接合材料供給・基板搭載装置M4は、主基板4に接合材料10を供給する接合材料供給装置M4Aと、主基板4にモジュール基板5を搭載する基板搭載装置M4Bとを単一の装置内に組み込んだ構成となっている。
【0028】
基台2のX方向の端部にはY軸テーブル11がY方向に配設されており、Y軸テーブル11には第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BがそれぞれY方向に移動自在に個別に装着されている。図6に示すように、基板搬送機構3の上方には、接合材塗布ユ
ニット30が第1X軸テーブル12AによってX方向に移動自在に、また搭載ヘッド32が第2X軸テーブル12BによってX方向に移動自在に設けられている。接合材塗布ユニット30には、下端部に塗布ノズル31aを備えたディスペンサ31が昇降自在に装着されている。
【0029】
ディスペンサ31を下降させて、塗布ノズル31aを主基板4の上面に近接させた状態で、ディスペンサ31に内蔵された吐出機構を作動させることにより、塗布ノズル31aから接合材料10が吐出されて、主基板4に塗布される。接合材料10は、エポキシ樹脂などの熱硬化性の樹脂に半田粒子を含有させ、さらに半田粒子や接合対象の接続端子4bなどの表面に生成した酸化膜を除去する作用を有する活性成分を配合した組成となっている。
【0030】
搭載ヘッド32は下端部に特殊形状の吸着ツール33を備えており、吸着ツール33は図2(b)に示すモジュール基板5を2つの吸着部33a、33bによって吸着保持が可能な構成となっている(図10(b)参照)。基板搬送機構3の側方には、モジュール基板5を規則配列で収納する基板収納トレイ35が配置された基板供給部34が設けられている。搭載ヘッド32が基板供給部34にアクセスすることにより、吸着ツール33によってモジュール基板5を取り出すことができる。なお図6においては、図示の便宜のため、吸着ツール33によってモジュール基板5を保持する姿勢を、実際の保持姿勢から垂直軸廻りに90度回転させた状態で図示している。
【0031】
Y軸テーブル11を駆動することにより第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BはY方向に個別に往復動する。このY方向の移動と第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BによるX方向の移動を組み合わせることにより、接合材塗布ユニット30および搭載ヘッド32は、それぞれ下方に位置決めされた主基板4に対してX方向、Y方向に移動する。これにより、接合材塗布ユニット30は、主基板4の縁部に形成された実装面4a上に接合材料10を塗布により供給する。
【0032】
また搭載ヘッド32は、基板供給部34の基板収納トレイ35から取り出したモジュール基板5の接続端部5dを、主基板4の接続端子4b上に接合材料10を介して着地させることができる(矢印e)。なお図6に示す例においては、接合材料10を接続端子4b上に供給する方法として、接合材塗布ユニット30によって接合材料10を塗布する方式を用いているが、予め接合材料10をシート状に成形したものを接続端子4b上に貼着する方式を採用してもよい。
【0033】
次に図1を参照して、リフロー装置M5について説明する。リフロー装置M5は、チップ型部品8、バンプ付き部品9A,9Bなどの電子部品が搭載され、さらにモジュール基板5が搭載された主基板4を加熱することにより、これらの電子部品を主基板4に半田接合するとともに、モジュール基板5のフレキシブル端子5eと主基板4の接続端子4bとを接合材料10によって接合する機能を有している。主基板4上には、ヒータを備えた加熱炉28が配設されており、加熱炉28の内部には、基板搬送機構3がX方向に縦通して設けられている。加熱炉28は温度調節機構を備えており、加熱炉28内に搬入された部品搭載後の主基板4は、基板搬送機構3によって下流側へ搬送される過程において、所定の温度プロファイルにしたがって加熱される。
【0034】
これにより、主基板4の電極4c,4d,4eに供給されたクリーム半田6が溶融固化し、チップ型部品8の端子8aやバンプ付き部品9A,9Bのバンプ9aは、それぞれ電極4c,4d,4eに半田接合される。これとともに、接合材料10が加熱されることにより、接合材料10中の半田成分によってモジュール基板5のフレキシブル端子5eと主基板4の接続端子4bとが電気的に導通し、さらに接合材料10を構成する熱硬化性の樹
脂が熱硬化して、接続端部5dが主基板4の実装面4aに固着される。
【0035】
上記構成の電子部品実装システム1は、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板である主基板4に電子部品を実装するとともに、主基板4と第2の基板であるモジュール基板5とを接続する電子部品実装システム1である。そして電子部品実装システム1を構成する複数の電子部品実装用装置には、主基板4に半田接合用のクリーム半田6を印刷する半田印刷装置M1と、クリーム半田6が印刷された後の主基板4に電子部品を搭載する部品搭載装置M3と、主基板4に設けられた第1の接続部位である接続端子4bに、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料10を供給する接合材料供給装置M4Aと、主基板4にモジュール基板5を搭載してモジュール基板5に設けられた第2の接続部位であるフレキシブル端子5eを接合材料10を介して接続端子4bに着地させる基板搭載装置M4Bと、電子部品およびモジュール基板5が搭載された主基板4を加熱することにより、電子部品を主基板4に半田接合するとともに、フレキシブル端子5eと接続端子4bとを接合材料10によって接合するリフロー装置M5とを含む構成となっている。
【0036】
次に、図7〜図11を参照して、上述構成の電子部品実装システム1によって、第1の基板である主基板4に電子部品を実装するとともに、主基板4と第2の基板であるモジュール基板5とを接続する電子部品実装方法について説明する。まず図7(a)は、半田印刷装置M1の基板搬送機構3に搬入された主基板4を示している。すなわち主基板4の実装面4aには、一方側の縁部に位置してモジュール基板5を接続するための複数の接続端子4bが形成されており、実装面4aの中央部には、電子部品の端子が接続される電極4c,4d,4eが形成されている。次いで主基板4は半田印刷装置M1に搬入され、ここで主基板4に半田接合用のクリーム半田6を印刷する(半田印刷工程)。これにより、図7(b)に示すように、電極4c,4d,4eの上面には、クリーム半田6が所定厚みで供給される。
【0037】
次いで半田印刷後の主基板4は塗布・検査装置M2に搬入され、ここで接着剤塗布ユニット20による接着剤7の塗布が行われる。すなわち図8(a)に示すように、ディスペンサ21を主基板4に対して下降させて、部品実装位置毎に予め設定された複数の塗布点に部品仮固定用の接着剤7を塗布ノズル21aによって順次塗布する。これとともに、塗布・検査装置M2においては、検査ユニット22によって主基板4を撮像することにより、半田印刷状態の検査が行われる。
【0038】
この後、主基板4は部品搭載装置M3に搬入され、ここでクリーム半田6が印刷された後の主基板4に、第1搭載ヘッド23A、第2搭載ヘッド23Bによって電子部品を搭載する部品搭載作業が実行される(部品搭載工程)。すなわち、図8(b)に示すように、チップ型部品8の端子8aを電極4cに対して下降させて着地させ(矢印f)、バンプ付き部品9Aのバンプ9aを電極4dに対して下降させて着地させ(矢印g)、さらにバンプ付き部品9Bのバンプ9aを電極4eに対して下降させて着地させる(矢印h)。
【0039】
この後、部品搭載後の主基板4は接合材料供給・基板搭載装置M4に搬入され、まず接合材料供給装置M4Aによって主基板4におけるモジュール基板5との第1の接続部位である接続端子4bに、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料10を供給する(接合材料供給工程)。すなわち図9に示すように、搬入された主基板4の接続端子4b上の所定範囲に、接合材料10が塗布される。ここでは、ディスペンサ31を接続端子4bの上方に下降させ、塗布ノズル31aから接合材料10を吐出させながらディスペンサ31をY方向に移動させることにより、接合材料10を接続端子4b上に塗布する。
【0040】
次いで基板搭載装置M4Bによって、主基板4にモジュール基板5を搭載して、モジュ
ール基板5に設けられたフレキシブル端子5eを接合材料10を介して接続端子4bに着地させる(基板搭載工程)。ここでは、図10(a)に示すように、まずモジュール基板5のサブ基板5aを下方から支持するための保持治具38を、基板搬送機構3において主基板4と隣接する位置に載置する。次いで、吸着ツール33によってモジュール基板5を基板供給部34から取り出し、図10(b)に示すように、主基板4と接続するための位置合わせを行う。
【0041】
吸着ツール33は分岐した2つの吸着部33a,33bを備えた構成となっており、サブ基板5aに実装された電子部品5bを吸着部33aによって吸着保持し、サブ基板5aから延出したフレキシブル基板5cの接続端部5dを吸着部33bによって吸着保持する。これにより、複雑な形状で通常の方法では安定した保持が困難なモジュール基板5を、正しい姿勢で保持することが可能となっている。
【0042】
主基板4とモジュール基板5の位置合わせにおいては、吸着部33aに吸着保持されたサブ基板5aを保持治具38上に載置するとともに、吸着部33bに吸着保持された接続端部5dを接合材料10を介して接続端子4b上に着地させる。これにより、接続端部5dの下面に形成されたフレキシブル端子5e(図2)が接続端子4bの表面に近接した状態となる。このとき、吸着ツール33を主基板4に対して押圧して、接続端部5dを接続端子4bに対して押し付けることが望ましい。さらに吸着ツール33として加熱機能を備えたものを用いることにより、接合材料10中の半田成分を加熱して、接続端子4bやフレキシブル端子5eに対する濡れ性を向上させることができる。
【0043】
この後、電子部品およびモジュール基板5が搭載された後の主基板4は、リフロー装置M5に搬入される。そして図11に示すように、チップ型部品8、バンプ付き部品9A,9Bなどの電子部品およびモジュール基板5が搭載された主基板4を加熱することにより、これらの電子部品を主基板4に半田接合するとともに、モジュール基板5のフレキシブル端子5eと主基板4の接続端子4bとを接合材料10によって接合する(リフロー工程)。これにより、チップ型部品8の端子8aは電極4cに半田接合され、バンプ付き部品9A,9Bのバンプ9aは、それぞれ電極4d,4eに半田接合される。
【0044】
これとともに、接合材料10が加熱されることにより、接合材料10中に含有された半田成分が溶融して接続端子4bとフレキシブル端子5eとを導通させるとともに、接合材料10を構成する熱硬化性樹脂が熱硬化して、接続端部5dを主基板4の実装面4aに固着させる。これにより、フレキシブル端子5eと接続端子4bとは接合材料10によって接合される。このとき、接合材料10に配合された活性成分の作用によって、半田粒子や接合対象の接続端子4bなどの表面に生成した酸化膜が除去され、良好な半田接合性が確保される。
【0045】
図12は、リフロー工程における望ましい温度プロファイルの例を示している。ここでは、まず主基板4およびモジュール基板5が加熱炉28内の予備加熱ゾーンを移動する間の予備加熱時間t1においては、主基板4およびモジュール基板5の温度は予め設定された予備加熱温度T1(120℃〜160℃)に保持される。この予備加熱により、主基板4の脱湿が行われ接続品質に有害な影響を与える水分が除去されるとともに、接合材料10中に配合された活性成分の活性作用が発現し、半田粒子や接合対象の接続端子4bなどの表面の酸化膜の除去が促進される。
【0046】
次いで、主基板4が加熱炉28内をさらに移動して本加熱ゾーンに到達することにより、主基板4およびモジュール基板5の温度は予め設定された本加熱温度T2(230℃〜260℃)に保持される。この本加熱により、クリーム半田6や接合材料10中の半田成分が溶融し、電子部品を主基板4の各電極に接合する半田接合や、接続端子4bとフレキ
シブル端子5eとを導通させるための半田接合が行われる。さらに、接合材料10中の熱硬化性の樹脂の熱硬化反応が進行し、接続端部5dの主基板4への固着が完了する。
【0047】
なお上記実施の形態1においては、一体に接続された後の主基板4およびモジュール基板5を基板搬送機構3によって搬送するための支持方法として、図11に示すように、モジュール基板5のサブ基板5aを、主基板4と個別に下方から保持するための保持治具38を用いた例を示しているが、主基板4およびモジュール基板5を一体で支持する構成としては、各種の方法を用いることができる。
【0048】
例えば、図13(a)に示す例では、主基板4とモジュール基板5を一体的に収容して保持する基板キャリア39を用いる例を示している。すなわち、略矩形ブロック形状の基板キャリア39には、主基板4、モジュール基板5がそれぞれ上面側から嵌合する形状の凹部39a,39bが設けられている。主基板4、モジュール基板5をそれぞれ凹部39a,39bに嵌合させた状態では、モジュール基板5の接続端部5dが主基板4の接続端子4b上に正しく位置するようになっている。接合材料供給・基板搭載装置M4においてモジュール基板5が搭載された後は、主基板4およびモジュール基板5は、基板キャリア39とともに搬送され、リフロー装置M5における加熱もこの状態で行われる。
【0049】
また図13(b)に示す例は、主基板4の上面にモジュール基板5を重ねた状態で基板搬送機構3によって主基板4を搬送する例を示している。すなわち、主基板4に実装されたバンプ付き部品9Aやチップ型部品8の上面を覆う形で主基板4に載置可能な、略門型断面の載置治具40をモジュール基板5を保持するための治具として用いる。モジュール基板5は、主基板4の上面にこれらの電子部品を覆って載置された載置治具40の上面にサブ基板5aが位置する状態で、主基板4に搭載される。載置治具40は、接続端子4bと接続端部5dとの接続が終了した後に除去される。
【0050】
(実施の形態2)
図14は本発明の実施の形態2の電子部品実装システムの構成を示す平面図、図15は本発明の実施の形態2の電子部品実装システムを構成する接着剤塗布・接合材料供給装置の部分断面図、図16は本発明の実施の形態2の電子部品実装システムを構成する検査・基板搭載装置の部分断面図、図17、図18、図19は本発明の実施の形態2の電子部品実装システムによる電子部品実装方法の工程説明図である。
【0051】
本実施の形態2は、実施の形態1においては電子部品の主基板4への搭載後に行われていた接合材料10の供給を、電子部品の搭載前に実行するように工程順序を設定したものである。図14において、電子部品実装システム1Aは、複数の電子部品実装用装置である半田印刷装置M1、接着剤塗布・接合材料供給装置M21、部品搭載装置M3、検査・基板搭載装置M41、リフロー装置M5を直列に連結して構成されている。各装置は、いずれも基台2の中央部にX方向(基板搬送方向)に配設された基板搬送機構3を備えており、各装置の基板搬送機構3は隣接装置の基板搬送機構3と直列に連結されて電子部品実装システム1Aを縦通する基板搬送経路を構成している。電子部品の実装対象となる主基板4は、上流側(図1において左側・・矢印a参照)から半田印刷装置M1の基板搬送機構3に搬入され、電子部品実装システム1A内をX方向に順次搬送される。
【0052】
上記構成において、半田印刷装置M1、部品搭載装置M3、リフロー装置M5は、実施の形態1にて示す電子部品実装システム1と同様である。接着剤塗布・接合材料供給装置M21は、電子部品実装システム1における接着剤塗布装置M21A、接合材料供給装置M4Aと同様の機能を有する接着剤塗布装置M21A、接合材料供給装置M21Bとを単一の装置内に組み込んだ構成となっている。
【0053】
図14及び図15を参照して接着剤塗布・接合材料供給装置M21について説明する。基台2のX方向の端部にはY軸テーブル11がY方向に配設されており、Y軸テーブル11には第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BがそれぞれY方向に移動自在に個別に装着されている。基板搬送機構3の上方には、接着剤塗布ユニット20が第1X軸テーブル12AによってX方向に移動自在に、また接合材料塗布ユニット30が第2X軸テーブル12BによってX方向に移動自在に設けられている。接着剤塗布ユニット20には、下端部に塗布ノズル21aを備えたディスペンサ21が昇降自在に装着されている。また接合材塗布ユニット30には、下端部に塗布ノズル31aを備えたディスペンサ31が昇降自在に装着されている。
【0054】
ディスペンサ21を下降させて塗布ノズル21aを主基板4の上面に近接させた状態で、ディスペンサ21に内蔵された吐出機構を作動させることにより、塗布ノズル21aから部品仮固定用の接着剤7が吐出されて、主基板4に塗布される。ディスペンサ31を下降させて、塗布ノズル31aを主基板4の上面に近接させた状態で、ディスペンサ31に内蔵された吐出機構を作動させることにより、塗布ノズル31aから接合材料10が吐出されて、主基板4に塗布される。
【0055】
次に図14及び図16を参照して、検査・基板搭載装置M41について説明する。検査・基板搭載装置M41は、部品実装後の主基板4を検査する検査装置M41Aと、主基板4にモジュール基板5を搭載する基板搭載装置M41Bとを単一の装置内に組み込んだ構成となっている。基板搭載装置M41Bは、実施の形態1に示す電子部品実装システム1の接合材料供給・基板搭載装置M4における基板搭載装置M4Bと同様の構成である。
【0056】
基台2のX方向の端部にはY軸テーブル11がY方向に配設されており、Y軸テーブル11には第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12BがそれぞれY方向に移動自在に個別に装着されている。第1X軸テーブル12A、第2X軸テーブル12Bには、検査ユニット41,搭載ヘッド32がそれぞれX方向の移動自在に装着されている。検査ユニット41は下方に位置する主基板4を撮像する機能を有しており、この撮像結果を認識処理部(図示省略)によって認識処理することにより、主基板4に実装された電子部品の実装状態の検査が行われる。
【0057】
基板搭載装置M41Bは、実施の形態1における基板搭載装置M4Bと同様の搭載ヘッド32を備えており、搭載ヘッド32が基板供給部34にアクセスすることにより、吸着ツール33によってモジュール基板5を取り出すことができる。なお図16においても図6と同様に、図示の便宜のため、吸着ツール33によってモジュール基板5を保持する姿勢を、実際の保持姿勢から垂直軸廻りに90度回転させた状態で図示している。
【0058】
上記構成の上記構成の電子部品実装システム1Aは、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板である主基板4に電子部品を実装するとともに、主基板4と第2の基板であるモジュール基板5とを接続する電子部品実装システムである。そして電子部品実装システム1Aを構成する複数の電子部品実装用装置には、主基板4に半田接合用のクリーム半田6を印刷する半田印刷装置M1と、クリーム半田6が印刷された後の主基板4において、主基板4に設けられた第1の接続部位である接続端子4bに、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料10を供給する接合材料供給装置M21Bと、クリーム半田6が印刷された後の主基板4に電子部品を搭載する部品搭載装置M3と、主基板4にモジュール基板5を搭載して、モジュール基板5に設けられた第2の接続部位であるフレキシブル端子5eを、接合材料10を介して接続端子4bに着地させる基板搭載装置M41Bと、電子部品およびモジュール基板5が搭載された主基板4を加熱することにより、電子部品を主基板4に半田接合するとともに、フレキシブル端子5eと接続端子4bとを接合材料10によって接合するリフロー装置M5とを含む構成となっている。
【0059】
次に、上述構成の電子部品実装システム1Aによって、第1の基板である主基板4に電子部品を実装するとともに、主基板4と第2の基板であるモジュール基板5とを接続する電子部品実装方法について説明する。ここでは、実施の形態1において図7に示す半田印刷工程を主基板4に対して実行した後、図17に示すように、主基板4を接着剤塗布・接合材料供給装置M21に搬入する。そしてここで主基板4に対して、接着剤塗布ユニット20のディスペンサ21による部品仮固定用の接着剤7の塗布と、接合材塗布ユニット30のディスペンサ31による基板接合用の接合材料10の供給とが実行される。
【0060】
この後、部品搭載及び基板搭載が順次実行される。すなわち接着剤7の塗布及び接合材料10の供給が行われた主基板4は部品搭載装置M3に搬入され、主基板4にはチップ型部品8、バンプ付き部品9A,9Bが搭載される(部品搭載工程)。すなわち図18(a)に示すように、チップ型部品8の端子8aを電極4cに対して下降させて着地させ(矢印j)、バンプ付き部品9Aのバンプ9aを電極4dに対して下降させて着地させ(矢印k)、さらにバンプ付き部品9Bのバンプ9aを電極4eに対して下降させて着地させる(矢印l)。次いで主基板4は検査・基板搭載装置M41に搬入され、基板搭載装置M41Bによって、図18(b)に示すように、主基板4にモジュール基板5を搭載する。すなわち、搭載ヘッド32の吸着ツール33によってモジュール基板5を保持し、予め基板搬送機構3に載置された保持治具38上にサブ基板5aを載置して、モジュール基板5に設けられたフレキシブル端子5eを接合材料10を介して接続端子4b上に着地させる(基板搭載工程)。
【0061】
次いでモジュール基板5が接続された主基板4はリフロー装置M5に搬入され、実施の形態1の図11と同様に、チップ型部品8、バンプ付き部品9A,9Bなどの電子部品およびモジュール基板5が搭載された主基板4を加熱することにより、これらの電子部品を主基板4に半田接合するとともに、モジュール基板5のフレキシブル端子5eと主基板4の接続端子4bとを接合材料10によって接合する(リフロー工程)。これにより、チップ型部品8の端子8aは電極4cに半田接合され、バンプ付き部品9A,9Bのバンプ9aは、それぞれ電極4d、4eに半田接合される。
【0062】
これとともに、接合材料10が加熱されることにより、接合材料10中に含有された半田成分が溶融して接続端子4bとフレキシブル端子5eとを導通させるとともに、接合材料10を構成する熱硬化性樹脂が熱硬化して、接続端部5dを主基板4の実装面4aに固着させる。これにより、フレキシブル端子5eと接続端子4bとは接合材料10によって接合される。
【0063】
なお、上記実施例では、電子部品実装システム1Aにおいて部品搭載装置M3、検査・基板搭載装置M41を個別に配置し、まず部品搭載装置M3によって部品搭載工程を実行した後に、検査・基板搭載装置M41に含まれる基板搭載装置M41Bによって基板搭載工程を実行する例を示しているが、設備構成として部品搭載装置M3、基板搭載装置M41Bの機能を単一の装置にまとめるようにしてもよい。例えば、主基板4に実装される電子部品数が少なく、搭載機能に余裕がある場合には、単一の搭載装置によって主基板4への電子部品の搭載とモジュール基板5の搭載とを同一の工程において実行させることができる。すなわちこの場合には、電子部品実装システム1Aは、クリーム半田6が印刷され接合材料10が供給された主基板4に電子部品を搭載するとともに、主基板4にモジュール基板5を搭載してモジュール基板5に設けられたフレキシブル端子5eを接合材料10を介して接続端子4bに着地させる搭載装置を備えた構成となっている。
【0064】
このような設備構成の場合には、図17に示す、主基板4への部品仮固定用の接着剤7の塗布と、基板接合用の接合材料10の供給とが実行された後の主基板4に対して、電子
部品の搭載とモジュール基板5の搭載とが同一の搭載工程にて実行される。すなわち主基板4は部品搭載装置M3と基板搭載装置M41Bの機能が合体した搭載装置に搬入され、図19に示すように、チップ型部品8の端子8aを電極4cに対して下降させて着地させ(矢印n)、バンプ付き部品9Aのバンプ9aを電極4dに対して下降させて着地させ(矢印o)、バンプ付き部品9Bのバンプ9aを電極4eに対して下降させて着地させ(矢印q)、さらに主基板4にモジュール基板5を搭載してモジュール基板5に設けられたフレキシブル端子5eを接合材料10を介して接続端子4bに着地させる(矢印m)(搭載工程)。
【0065】
上記説明したように、実施の形態1および実施の形態2に示す電子部品実装システムでは、第1の基板である主基板4に電子部品を実装するとともに、主基板4と第2の基板であるモジュール基板5とを接続する電子部品実装方法において、まず主基板4にクリーム半田6を印刷して電子部品を搭載し、主基板4に設けられた第1の接続部位である接続端子4bに、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料10を供給して、モジュール基板5に設けられた第2の接続部位であるフレキシブル端子5eを接合材料10を介して接続端子4bに着地させる。そしてその後、電子部品および主基板4が搭載された主基板4を同一のリフロー工程において加熱して、電子部品を主基板4に半田接合するとともにフレキシブル端子5eと接続端子4bとを接合材料10によって接合するようにしたものである。
【0066】
これにより主基板4に電子部品を実装する部品実装ラインと、電子部品が実装された後の主基板4をモジュール基板5と接続する基板接続ラインとが分離して構成された従来構成の生産ラインと比較して、設備占有スペースや設備コストの低減が可能となっている。また電子部品およびモジュール基板5が搭載された主基板4は、同一のリフロー工程において電子部品の半田接合とフレキシブル端子5eと接続端子4bとの接合が完了することから、従来方法において発生していた以下のような不具合が解消している。
【0067】
すなわち部品実装ラインと接続する基板接続ラインとが分離して構成されている場合には、部品実装後の主基板4は基板接続ラインに搬送されるまでの間ストックされることから、ストック時間中に主基板4が吸湿して水分を含むことが避けられない。そしてこの水分が基板接続工程において気化して接続部分にボイドを生じるという不具合が生じていた。これに対し、本実施の形態においては、主基板4とモジュール基板5との接続を電子部品の半田接合と同一のリフロー工程において行うことから、従来方法において発生していた不具合を排除して、高い接続信頼性を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の電子部品実装システムおよび電子部品実装方法は、高い接続信頼性を確保することができるという効果を有し、複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムにおいて有用である。
【符号の説明】
【0069】
1,1A 電子部品実装システム
3 基板搬送機構
4 主基板(第1の基板)
4b 接続端子(第1の接続部位)
5 モジュール基板(第2の基板)
5a サブ基板
5c フレキシブル基板
5e フレキシブル端子(第2の接続部位)
6 クリーム半田(ペースト)
8 チップ型部品(電子部品)
9A,9B バンプ付き部品(電子部品)
10 接合材料
30 接合材塗布ユニット
32 搭載ヘッド
M1 半田印刷装置
M2 塗布・検査装置
M2A 接合材料供給装置
M3 部品搭載装置
M4 接合材料供給・基板搭載装置
M4A 接合材料供給装置
M4B 基板搭載装置
M5 リフロー装置
M21 接着剤塗布、接合材料供給装置
M21A 接着剤塗布装置
M21B 接合材料供給装置
M41 検査・基板搭載装置
M41B 基板搭載装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムであって、
前記複数の電子部品実装用装置は、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷装置と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載装置と、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給装置と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載装置と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー装置とを含むことを特徴とする電子部品実装システム。
【請求項2】
複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムであって、
前記複数の電子部品実装用装置は、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷装置と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板において、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給装置と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載装置と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記半田接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載装置と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー装置とを含むことを特徴とする電子部品実装システム。
【請求項3】
複数の電子部品実装用装置を直列に連結して構成され、第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装システムであって、
前記複数の電子部品実装用装置は、前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷装置と、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給装置と、前記ペーストが印刷され前記接合材料が供給された前記第1の基板に前記電子部品を搭載するとともに、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載してこの第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる搭載装置と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー装置とを含むことを特徴とする電子部品実装システム。
【請求項4】
第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法であって、
前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷工程と、前記ペーストが印刷された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載工程と、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給工程と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載工程と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー工程とを含むことを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項5】
第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法であって、
前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷工程と、前記ペーストが印刷された後に、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給工程と、前記接合材料が供給された後の前記第1の基板に前記電子部品を搭載する部品搭載工程と、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記半田接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる基板搭載工程と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー工程とを含むことを特徴とする電子部品実装方法。
【請求項6】
第1の基板に電子部品を実装するとともに、前記第1の基板と第2の基板とを接続する電子部品実装方法であって、
前記第1の基板に半田接合用のペーストを印刷する半田印刷工程と、前記ペーストが印刷された後に、前記第1の基板に設けられた第1の接続部位に、半田粒子を熱硬化性の樹脂に含有させた接合材料を供給する接合材料供給工程と、前記半田接合用のペーストが印刷され前記接合材料が供給された前記第1の基板に前記電子部品を搭載するとともに、前記第1の基板に前記第2の基板を搭載して、この第2の基板に設けられた第2の接続部位を前記接合材料を介して前記第1の接続部位に着地させる搭載工程と、前記電子部品および前記第2の基板が搭載された前記第1の基板を加熱することにより、前記電子部品を前記第1の基板に半田接合するとともに、前記第2の接続部位と前記第1の接続部位とを前記接合材料によって接合するリフロー工程とを含むことを特徴とする電子部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−245309(P2010−245309A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92617(P2009−92617)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】