説明

電子部品装置

【課題】 高周波回路用プリント配線板に表面実装する電子部品の線路インピーダンスの整合性を保ち、良好な高周波特性を維持するとともに表面実装型チップ部品の実装工程におけるチップ立ちやチップ回転ズレ等が発生しない電子部品装置を得る。
【解決手段】 第1ストリップ線路に接続された第1ランドパターンと、対応する第1対向ランドパターンと、第1ランドパターンと連続して接続された第2ランドパターンと、対応する第2対向ランドパターンと、この第2対向ランドパターンに連続して接続された第3ランドパターンと、対応する第3対向ランドパターンと、第3ランドパターンに接続された第2ストリップ線路を有し、第1ランドパターンと第2ランドパターンとの加算面積が、第2対向ランドパターンと第3ランドパターンとの加算面積に等しくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は高周波回路用配線板に表面実装する電子部品をはんだ接続する電子部品装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表面実装型チップ部品を赤外線リフローによりはんだ接続するプリント配線板などでは、表面実装するチップ部品の電極に対応するランド形状やランドに塗布するクリームはんだペーストの塗布量により、リフロー後にチップ立ちやチップずれが発生しないように対策が講じられている。例えば、特開2004−297093号公報図4(特許文献1参照)には、電子部品1の電極2以外の表面と基板4とを熱硬化型接着剤6で接着することにより高い強度で部品保持できる電子部品及びその実装方法が開示されている。
【0003】
また、特開2003−243814号公報図4及び段落[0018](特許文献2参照)には、複数の大きさの部品を搭載できるようにした凸状の実装用ランド5Aの第2部分5A2と、表面実装型チップ部品2Bの電極3Bとの幅の差7Cを小さくすることにより位置ズレやマンハッタン現象の発生を抑制するチップ部品の実装用ランドが開示されている。
【0004】
また、特開平5−55013号公報図1(特許文献3参照)には、蒸着された複数の抵抗体2の一端が共通の端子用電極3Aで接続された浮遊容量インダクタンスの少ないパイ形タイプのチップ型抵抗減衰器が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−297093号公報(第4図)
【0006】
【特許文献2】特開2003−243814号公報(第4図 段落0018)
【0007】
【特許文献3】特開平5−55013号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載のものは、電極用ランド間に接着剤などを塗布するため、不要な浮遊容量やインダクタンスの発生を考慮せねばならないという問題点があった。また、特許文献2に記載のものでは、1個の電子部品を接続するために表面実装型チップ部品と別の表面実装型チップ部品を接続するためのランド形状が大型化することによる実装面積が大きくなるという問題点があった。また、特許文献3に記載のものでは、抵抗体は蒸着して形成しているので、多種の抵抗体を基板に実装するためには異なるそれぞれの抵抗値に対応した電極ランド間寸法及びランド幅を設定する必要があった。
【0009】
この発明は、高周波回路用プリント配線板や絶縁性基板に表面実装する電子部品の線路インピーダンスの整合性を保ち、良好な高周波特性を維持するとともに表面実装型チップ部品の実装工程におけるチップ立ちやチップ回転ズレ等が発生しない電子部品装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る電子部品装置は、内層面又は裏面に地導体を有する絶縁性基板と、この絶縁性基板の表面にパターン形成した前記地導体と電磁結合する第1ストリップ線路と、この第1ストリップ線路に接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第1チップランドパターンと、この第1チップランドパターンと隔離され、前記第1チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第1対向チップランドパターンと、前記第1チップランドパターンと連続して接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第2チップランドパターンと、この第2チップランドパターンと隔離され、前記第2チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第2対向チップランドパターンと、この第2対向チップランドパターンに連続して接続され、前記第1ストリップ線路の幅より大きい第3チップランドパターンと、この第3チップランドパターンと隔離され、前記第3チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第3対向チップランドパターンと、前記第3チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の前記地導体と電磁結合する第2ストリップ線路と、前記第1対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の第1引出しパターンと、前記第3対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の第2引出しパターンと、前記第1チップランドパターンと前記第1対向チップランドパターン、前記第2チップランドパターンと前記第2対向チップランドパターン、前記第3チップランドパターンと前記第3対向チップランドパターンのそれぞれに熱溶融接着手段を介して搭載した2極端子の電子部品とを備え、前記第1チップランドパターンと前記第2チップランドパターンとの加算面積が、前記第2対向チップランドパターンと前記第3チップランドパターンとの加算面積に略等しいものである。
【0011】
請求項2に係る電子部品装置は、内層面又は裏面に地導体を有する絶縁性基板と、この絶縁性基板の表面にパターン形成した前記地導体と電磁結合する第1ストリップ線路と、この第1ストリップ線路に接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第1チップランドパターンと、この第1チップランドパターンと隔離され、前記第1チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第1対向チップランドパターンと、この第1対向チップランドパターンと連続して接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第2チップランドパターンと、この第2チップランドパターンと隔離され、前記第2チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第2対向チップランドパターンと、この第2対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の前記地導体と電磁結合する第2ストリップ線路と、前記第1対向チップランドパターンと前記第2チップランドパターンとに連続して接続され、前記第1ストリップ線路の幅より大きい第3チップランドパターンと、この第3チップランドパターンと隔離され、前記第3チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第3対向チップランドパターンと、前記第3対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の引出しパターンと、前記第1チップランドパターンと前記第1対向チップランドパターン、前記第2チップランドパターンと前記第2対向チップランドパターン、前記第3チップランドパターンと前記第3対向チップランドパターンのそれぞれに熱溶融接着手段を介して搭載した2極端子の電子部品とを備え、前記第1チップ対向ランドパターンと前記第2チップランドパターンと前記第3チップランドパターンとの加算面積が、前記第1チップランドパターンと前記第2対向チップランドパターンと前記第3対向チップランドパターンとの加算面積に略等しいものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る電子部品装置によれば、ストリップ線路の導体幅より大きな電子部品接続用のチップランドを設け、複数のチップランドを一体化させることにより電子部品の集積化が可能であり、一体化したチップランドに対応する個々の対向チップランド同士の加算面積を一体化させたチップランドの面積に合わせることにより、熱溶融による電子部品と絶縁性基板との電気接続時に生じる電子部品のチップ立ちやチップ回転ズレ等を防止することが可能であるとともに、ストリップ線路の線路インピーダンスの整合性を保ち、且つ良好な高周波特性を維持できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る電子部品装置について図を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る電子部品装置の平面図である。図1において、1は絶縁性基板、2はマイクロ波周波数帯域の高周波信号が流れるストリップ線路であり、2aは入力線路パターン、2bは出力線路パターンを示す。3はチップランドパターンと一部の引出しパターンであり、3aは第1チップランドパターン、3bは第1チップランドパターン3aに対向する第1対向チップランドパターン、3cは第2チップランドパターン、3dは第2チップランドパターン3cに対向する第2対向チップランドパターン、3eは第3チップランドパターン、3fは第3チップランドパターン3eに対向する第3対向チップランドパターン、3gは第1対向チップランドパターン3bから延在した細幅の第1引出しパターン、3hは第3対向チップランドパターン3fから延在した細幅の第2引出しパターンである。
【0014】
4は絶縁性基板1の内層又は裏面に貫通するスルーホール部、5はクリームはんだ材などを用いた熱溶融接着手段であり、各チップランド毎に設けられる。6は表面実装型のチップ形電子部品であり、6aは第1電子部品、6bは第2電子部品、6cは第3電子部品である。
【0015】
図2は、図1に示す電子部品装置の断面図であり、図2(a)は、図1のA−A断面部分の側面図である。図2(b)は、図1のB−B断面部分の側面図である。図2(a)、(b)において7はストリップ線路などと電磁結合する内層面に設けられた幅広の地導体パターン、hはストリップ線路2と地導体7との距離を示す。図1及び図2中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0016】
次に電子部品装置のパターン形成について説明する。図3は、絶縁基板1の表面に搭載する電子部品の電極と電気接続する導体パターンの平面図である。所定のパターン幅を有するストリップ線路2aと接続する第1電子部品6aの電極の一端側と接続するチップランドパターン3aは、ストリップ線路2aより幅広とし、幅広としたチップランドパターン3aと同一サイズのパターンを離間させて第1電子部品6aの電極の他端側と接続するチップランドパターンを設け、対向チップランドパターン3bとする。
【0017】
また、共通接続する第2電子部品6bの電極の一端側と接続するチップランドパターン3cは、ストリップ線路2aより幅広とし、幅広としたチップランドパターン3cと同一サイズのパターンを離間させて第2電子部品6bの電極の他端側と接続するチップランドパターンを設け、対向チップランドパターン3dとする。
【0018】
また、共通接続する第3電子部品6cの電極の一端側と接続するチップランドパターン3eは、ストリップ線路2aより幅広とし、所定のパターン幅を有するストリップ線路2bと接続するとともに、幅広としたチップランドパターン3eと同一サイズのパターンを離間させて第3電子部品6cの電極の他端側と接続するチップランドパターンを設け、対向チップランドパターン3fとする。
【0019】
さらに、対向チップランドパターン3bからストリップ線路の導体幅と同一幅の第1引出しパターン3gと、対向チップランドパターン3fからストリップ線路の導体幅と同一幅の第2引出しパターン3hを設け、それぞれの対向チップランドパターン3b及び3fをあらかじめ設けたスルーホール部4を介して絶縁性基板1の内層又は裏面の地導体7と接続する。
【0020】
図4は、絶縁性基板1のランドパターンと電子部品6とを電気接続する、はんだペーストやはんだクリームで構成する熱溶融接着手段5を用いた熱溶融部パターンの平面図である。熱溶融部パターンは、それぞれのランドパターン(3a〜3f)の内側にランドパターンと相似形に塗布される。
【0021】
図5は、ランドパターン(3a〜3f)の熱溶融接着手段5上にリフローなどで電子部品6を接着させた電子部品装置の平面図である。図5において、8は接地パターンであり、表面に露出させた地導体7の一部である。
【0022】
次に、この発明の実施の形態1に係る電子部品装置の製造方法について説明する。まず、所定位置に内層の地導体7と接続する貫通穴を設けた絶縁基板1に対して、図3に示すように絶縁性基板1には、チップランド3aとチップランド3c、チップランド3dとチップランド3eとが連続して接続されたチップランドと、個別のチップランド3b、3fが形成される。これらは、ストリップ線路2a、2b、引出しパターン3g、3hで写真製版により同時形成される。
【0023】
次に、図4に示すように電子部品6を搭載するチップランド3に、はんだペースト5をスクリーン印刷やディスペンサ等により供給する。この場合において、チップランド3には、連続して接続されたチップランド3aと3c、及びチップランド3dと3cもチップランドごとに印刷又は塗布される。
【0024】
次に、図5に示すように表面実装型の電子部品6を各チップランド上に搭載する。その後、赤外線リフロー装置等にて、はんだペースト5を溶融して表面実装型の電子部品6の電極をチップランド3a〜3fに、はんだ付けする。なお、図中、Wは特性インピーダンスが50Ωのストリップ線路の幅を示す。
【0025】
次に動作について説明する。図1、図2において、マイクロ波帯域のストリップ線路の特性インピーダンス(Z)を50Ωとし、絶縁性基板1の内層の地導体7と表面に形成したストリップ線路との距離(h)を0.635mmとする場合、実効誘電率が2.6のフッ素樹脂などを用いた絶縁性基板1ではストリップ線路の幅は、波長短縮率0.68とすると約1.5mmとなる。また、実効誘電率が3.4のBTレジンなどを用いた絶縁性基板1ではストリップ線路2の幅は、波長短縮率0.61とすると約1.28mmとなる。また、セラミック基板など実効誘電率が9.0以上の絶縁性基板1ではストリップ線路2の幅は、さらに1mm以下の細幅となる。
【0026】
図1に示すパイ形回路の場合、電子部品6a、6b、6cがすべてチップ抵抗器の場合にはアッテネータとなり、電子部品6a、6b、6cがすべてチップコンデンサの場合には、直流カットフィルタとなる。これら電子部品6の組は、通常、パラレル接続やカスケード接続されて利用される場合が多く、多数の電子部品を絶縁性基板1に搭載し、リフロー工程を行うとチップランド3の形状により、はんだペースト5の流動及び熱硬化の差異から電子部品6の電極部で接着モーメントと熱応力により、電子部品が流動する。
【0027】
対して、本実施の形態1では、特性インピーダンスが50Ωのマイクロストリップ線路2の幅(W)よりも矩形状のチップランド3の短辺幅を大きくし、大きくしたチップランド3を別のチップランド3と合体させ、チップランドを省スペース化する。そして、はんだペースト5を個々の電子部品6の電極形状に合わせた相似状の溶融接着領域として個々のチップランド3内に設けることでリフロー時の溶融接着領域の熱分布を軽減する。すなわち、ストリップ線路幅(W)を細幅とし、合体させたチップランド同士の面積を合わせることで、はんだペースト5による接続部が個々のチップランドで見た場合、同一の熱容量とし、加熱時の熱分布が均等になるようにする。したがって、ストリップ線路幅(W)は、チップランドの短辺と対比して特性インピーダンスを維持しながら、さらに細幅にすることが好ましい。
【0028】
以上のように、この発明の実施の形態1に係る発明よれば、高周波回路用プリント配線板や絶縁性基板に表面実装する電子部品の線路インピーダンスの整合性を保ち、良好な高周波特性を維持するとともに表面実装型チップ部品の実装工程におけるチップ立ちやチップ回転ズレ等が発生しない電子部品装置を得る効果がある。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1では、パイ形の電子部品構成について説明したが、実施の形態2では、T型の電子部品装置の構成について説明する。
【0030】
以下、この発明の実施の形態2に係る電子部品装置について図を用いて説明する。図6は、実施の形態2に係る電子部品装置の平面図である。図6において、1は絶縁性基板、2はマイクロ波周波数帯域の高周波信号が流れるストリップ線路であり、2aは入力線路パターン、2bは出力線路パターンを示す。30はチップランドパターンであり、30aは第1チップランドパターン、30bは第1チップランドパターン30aに対向する第1対向チップランドパターン、30cは第2チップランドパターン、30dは第2チップランドパターン30cに対向する第2対向チップランドパターン、30eは第3チップランドパターン、30fは第3チップランドパターン30eに対向する第3対向チップランドパターン、30gは第1対向チップランドパターンから延在した細幅の引出しパターンである。
【0031】
60は表面実装型のチップ形の電子部品であり、60aは第1電子部品、60bは第2電子部品、60cは第3電子部品である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0032】
次に電子部品装置のパターン形成について説明する。図7は、絶縁基板1の表面に搭載する電子部品60の電極と電気接続する導体パターンの平面図である。所定のパターン幅を有するストリップ線路2aと接続する第1電子部品60aの電極の一端側と接続するチップランドパターン30aは、ストリップ線路2aより幅広とし、幅広としたチップランドパターン30aと同一サイズのパターンを離間させて第1電子部品60aの電極の他端側と接続するチップランドパターンを設け、対向チップランドパターン30bとする。
【0033】
また、対向チップランドパターン30bと共通接続する第2電子部品60bの電極の一端側と接続するチップランドパターン30cは、ストリップ線路2aより幅広とし、幅広としたチップランドパターン30cと同一サイズのパターンを離間させて第2電子部品60bの電極の他端側と接続するチップランドパターンを設け、対向チップランドパターン30dとするとともに、所定のパターン幅を有するストリップ線路2bと接続する。
【0034】
また、第1対向チップランドパターン30b及び第2チップランドパターン30cと共通接続する第3電子部品60cの電極の一端側と接続するチップランドパターン30eは、ストリップ線路2aより幅広とし、幅広としたチップランドパターン30eと同一サイズのパターンを離間させて第3電子部品60cの電極の他端側と接続するチップランドパターンを設け、対向チップランドパターン30fとする。
【0035】
さらに、対向チップランドパターン30fからストリップ線路2aの導体幅と同一幅の引出しパターン30gを設け、対向チップランドパターン30fをあらかじめ設けたスルーホール部4を介して実施の形態1同様に絶縁性基板1の内層又は裏面の地導体7と接続する。
【0036】
図8は、絶縁性基板1のランドパターンと電子部品6とを電気接続する、はんだペーストやはんだクリームで構成する熱溶融接着手段5を用いた熱溶融パターン部の平面図である。熱溶融パターン部は、それぞれのランドパターン(30a〜30f)の内側にランドパターンと相似形に塗布される。
【0037】
次に、この発明の実施の形態2に係る電子部品装置の製造方法について説明する。まず、所定位置に内層の地導体7と接続する貫通穴を設けた絶縁基板1に対して、図6に示すように絶縁性基板1には、チップランド30bとチップランド30cとチップランド30eとが連続して接続されたチップランドと、個別のチップランド30a、30d、30fが形成される。これらは、ストリップ線路2a、2b、引出しパターン30gと同時形成される。
【0038】
次に、図8に示すように電子部品60を搭載するチップランドに、はんだペースト5をスクリーン印刷やディスペンサ等により供給する。この印刷パターンは、それぞれのチップランドパターン(30a〜30f)に対して行われる。
【0039】
次に、図6に示すように表面実装型の電子部品60を各チップランド30上に搭載する。その後、赤外線リフロー装置等にて、はんだペースト5を溶融して表面実装型の電子部品60の電極をチップランド30a〜30fに、はんだ付けする。
【0040】
図6に示すT形回路の場合、電子部品60a、60b、60cがすべてチップ抵抗器の場合にはアッテネータとなる。
【0041】
以上のように、この発明の実施の形態2に係る発明よれば、実施の形態1同様に高周波回路用プリント配線板や絶縁性基板に表面実装する電子部品の線路インピーダンスの整合性を保ち、良好な高周波特性を維持するとともに表面実装型チップ部品の実装工程におけるチップ立ちやチップ回転ズレ等が発生しない電子部品装置を得る効果がある。
【0042】
なお、この発明の実施の形態1及び2において、絶縁性基板1の内層領域に地導体7を設けたが、両面基板などにおいては、地導体7は裏面に設置しても良い。また、地導体7は面全体に形成する必要は無くストリップ線路2より幅広であれば、相応の電磁結合効果を奏する。また、引出しパターン3g、3h、30gは、地導体7と接続したが、引出しパターン3g、3h、30gは、表面に露出させた地導体パターンに沿わせても良く、ストリップ線路として他の回路と接続しても良い。また、チップランドパターン3、30は矩形形状で説明したが、短辺がストリップ線路の所定パターン幅よりも広ければ、多角形状のチップランドパターンとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の実施の形態1による電子部品装置の平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による電子部品装置の側面図であり、図2(a)は図1のA−A断面図、図2(b)は図1のB−B断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による電子部品装置の導体パターン図である。
【図4】この発明の実施の形態1による電子部品装置のはんだペーストパターンを説明する平面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による電子部品装置のスルーホールパターンランドを含む平面図である。
【図6】この発明の実施の形態2による電子部品装置の平面図である。
【図7】この発明の実施の形態2による電子部品装置の導体パターン図である。
【図8】この発明の実施の形態2による電子部品装置のはんだペーストパターンを説明する平面図である。
【符号の説明】
【0044】
1・・絶縁性基板 2・・ストリップ線路
2a・・入力線路(第1ストリップ線路) 2b・・出力線路(第2ストリップ線路)
3・・チップランドパターン(チップランド)
4・・スルーホール部 5・・はんだペースト(熱溶融接着手段)
6・・電子部品 7・・地導体 8・・表面地導体パターン 30・・チップランドパターン 60・・電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層面又は裏面に地導体を有する絶縁性基板と、この絶縁性基板の表面にパターン形成した前記地導体と電磁結合する第1ストリップ線路と、この第1ストリップ線路に接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第1チップランドパターンと、この第1チップランドパターンと隔離され、前記第1チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第1対向チップランドパターンと、前記第1チップランドパターンと連続して接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第2チップランドパターンと、この第2チップランドパターンと隔離され、前記第2チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第2対向チップランドパターンと、この第2対向チップランドパターンに連続して接続され、前記第1ストリップ線路の幅より大きい第3チップランドパターンと、この第3チップランドパターンと隔離され、前記第3チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第3対向チップランドパターンと、前記第3チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の前記地導体と電磁結合する第2ストリップ線路と、前記第1対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の第1引出しパターンと、前記第3対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の第2引出しパターンと、前記第1チップランドパターンと前記第1対向チップランドパターン、前記第2チップランドパターンと前記第2対向チップランドパターン、前記第3チップランドパターンと前記第3対向チップランドパターンのそれぞれに熱溶融接着手段を介して搭載した2極端子の電子部品とを備え、前記第1チップランドパターンと前記第2チップランドパターンとの加算面積が、前記第2対向チップランドパターンと前記第3チップランドパターンとの加算面積に略等しい電子部品装置。
【請求項2】
内層面又は裏面に地導体を有する絶縁性基板と、この絶縁性基板の表面にパターン形成した前記地導体と電磁結合する第1ストリップ線路と、この第1ストリップ線路に接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第1チップランドパターンと、この第1チップランドパターンと隔離され、前記第1チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第1対向チップランドパターンと、この第1対向チップランドパターンと連続して接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅より大きい第2チップランドパターンと、この第2チップランドパターンと隔離され、前記第2チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第2対向チップランドパターンと、この第2対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の前記地導体と電磁結合する第2ストリップ線路と、前記第1対向チップランドパターンと前記第2チップランドパターンとに連続して接続され、前記第1ストリップ線路の幅より大きい第3チップランドパターンと、この第3チップランドパターンと隔離され、前記第3チップランドパターンと同一形状で対向して設けられた第3対向チップランドパターンと、前記第3対向チップランドパターンに接続され、前記第1ストリップ線路の導体幅と同一幅の引出しパターンと、前記第1チップランドパターンと前記第1対向チップランドパターン、前記第2チップランドパターンと前記第2対向チップランドパターン、前記第3チップランドパターンと前記第3対向チップランドパターンのそれぞれに熱溶融接着手段を介して搭載した2極端子の電子部品とを備え、前記第1チップ対向ランドパターンと前記第2チップランドパターンと前記第3チップランドパターンとの加算面積が、前記第1チップランドパターンと前記第2対向チップランドパターンと前記第3対向チップランドパターンとの加算面積に略等しい電子部品装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−21485(P2009−21485A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−184295(P2007−184295)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】