説明

電気光学装置の製造方法および電気光学装置

【課題】端縁に傾斜端面が形成されている電気光学装置用基板を用いた場合でも、電気光学装置用基板の所定領域に感光性樹脂層を確実に形成することのできる電気光学装置の製造方法、および当該方法により製造された電気光学装置を提供すること。
【課題手段】液晶装置において、電気光学装置用基板10sの一方面10g側の所定領域に感光性樹脂層80を形成する際、遮光膜形成工程において、電気光学装置用基板10sの一方面10g側の端縁に形成された第1傾斜端面10iに遮光膜85を形成しておく。そして、感光性樹脂層形成工程において電気光学装置用基板10sの一方面10g側にポジタイプの感光性樹脂層80を塗布し、その後、露光現像工程において感光性樹脂層80を露光、現像する。露光を行った際、第1傾斜端面10iに向かう光は、遮光膜85で遮られるので、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透光性の電気光学装置用基板に塗布された感光性樹脂層を露光、現像する工程を有する電気光学装置の製造方法、および当該方法により製造された電気光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置や有機エレクトロルミエッセンス装置等の電気光学装置の製造工程において、ガラス基板や石英基板等の透光性の電気光学装置用基板上の所定領域に樹脂層やレジストマスクを形成するには、電気光学装置用基板に塗布された感光性樹脂層を露光、現像する工程が行われる。
【0003】
例えば、図9(a)に示す透光膜8をパターニングするためのレジストマスクを形成する場合には、まず、電気光学装置用基板10sの一方面10g側にポジタイプの感光性樹脂層80を塗布した後、図9(c)、(d)に示すように、露光マスク88を介して感光性樹脂層80を露光、現像する露光現像工程が行われる。ここで、電気光学装置用基板10sは、面取り加工によって、一方面10g側の端縁および他方面10h側の端縁に第1傾斜端面10iおよび第2傾斜端面10jが形成されている場合があり、このような場合、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80が厚い。このため、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80については、図9(c)に示す1回の露光で確実に露光するのが困難であるので、図9(b)に示すように、遮光部材87等を介して第1傾斜端面10i上に形成された感光性樹脂層80を予め、露光する端面露光を行うこともある。
【0004】
しかしながら、図9(b)、(c)に示す露光の際、図9(b)に示すように、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1が第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射して、矢印L3で示すように、第2傾斜端面10jで反射すると、感光性樹脂層80において露光する予定でない余計な部分80sまで露光させてしまう。その結果、図9(d)に示すように、現像後、感光性樹脂層80からなるレジストマスク81に欠落部分81tが発生してしまい、図8(e)に示すように、パターニング後の透光膜8aには、レジストマスク81の欠落部分81tと重なる位置に透光膜8aの欠落部分8tが発生するという問題点がある。
【0005】
なお、図10(a)に示すように、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80を有機溶剤で拭き取ることもあるが、かかる方法を採用した場合、第1傾斜端面10iに隣接する領域10rでは、第1傾斜端面10iから感光性樹脂層80が押し退けられるので、第1傾斜端面10iに隣接する領域10rで感光性樹脂層80wが分厚くなってしまう。その結果、図9(c)、(d)に示す露光現像工程を行った後、第1傾斜端面10iに隣接する領域10rに余計な感光性樹脂層80uが残るという問題点がある。かかる余計な感光性樹脂層80uは、電気光学装置用基板10sの表面を研磨する際の異物となる他、電気光学装置用基板10sが液晶装置用基板で表面にラビング処理を行う際、ラビングむらが発生する原因となる。また、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80を有機溶剤で拭き取っても、図9(b)、(c)に示す露光を行うと、感光性樹脂層80において余計な部分80sが露光されてしまうという問題を解消することはできない。
【0006】
そこで、第1傾斜端面10iを光散乱面とし、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1が第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射する際、散乱させることが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−38984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の構成を採用した場合でも、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1が第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sに入射する以上、反射が起こり、感光性樹脂層80において余計な部分が露光されてしまうことを確実に防止することはできないという問題点がある。
【0009】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、端縁に傾斜端面が形成されている電気光学装置用基板を用いた場合でも、電気光学装置用基板の所定領域に感光性樹脂層を確実に形成することのできる電気光学装置の製造方法、および当該方法により製造された電気光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、透光性の電気光学装置用基板の一方面側の端縁に形成された第1傾斜端面および他方面側の端縁に形成された第2傾斜端面のうち、前記第1傾斜端面に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、前記一方面側にポジタイプの感光性樹脂層を塗布する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を露光、現像して、当該感光性樹脂層をパターニングする露光現像工程と、を有していることを特徴とする。
【0011】
本発明では、電気光学装置用基板の一方面側の所定領域に感光性樹脂層を形成するにあたって、遮光膜形成工程において、電気光学装置用基板の一方面側の端縁に形成された第1傾斜端面に遮光膜を形成しておく。そして、感光性樹脂層形成工程において電気光学装置用基板の一方面側にポジタイプの感光性樹脂層を塗布し、その後、露光現像工程において感光性樹脂層を露光、現像する。従って、露光を行った際、第1傾斜端面に向かう光は、遮光膜で遮られるので、第1傾斜端面から電気光学装置用基板の内部に入射することがない。それ故、第1傾斜端面から電気光学装置用基板に入射した光が第2傾斜端面で反射して感光性樹脂層の余計な部分を露光することを防止することができる。それ故、端縁に傾斜端面が形成されている電気光学装置用基板を用いた場合でも、電気光学装置用基板上の所定領域に感光性樹脂層を確実に形成することができる。
【0012】
本発明において、前記遮光膜は光反射膜であることが好ましい。遮光膜が光反射膜であれば、第1傾斜端面に向かう光は、遮光膜で反射するので、電気光学装置用基板の内部に入射しない。また、遮光膜が光反射膜であれば、第1傾斜端面に向かう光は、遮光膜で反射して再び、第1傾斜端面上の感光性樹脂層を露光する。それ故、第1傾斜端面上の感光性樹脂層が厚くても、第1傾斜端面上の感光性樹脂層を確実に露光でき、現像後、第1傾斜端面上から感光性樹脂層を確実に除去することができる。
【0013】
本発明において、前記遮光膜が光吸収膜である構成を採用してもよい。遮光膜が光吸収膜であれば、第1傾斜端面に向かう光は、遮光膜で吸収されるので、電気光学装置用基板の内部に入射しない。
【0014】
本発明において、前記露光現像工程では、前記感光性樹脂層のうち、前記第1傾斜端面に形成された感光性樹脂層を露光させる端面露光と、所定の透光パターンをもった露光マスクを用いて前記感光性樹脂層を露光させるパターニング用露光と、を行うことが好ましい。かかる構成によれば、第1傾斜端面上の感光性樹脂層が厚くても、第1傾斜端面上の感光性樹脂層を確実に露光することができる。従って、現像後、第1傾斜端面上から感光性樹脂層を確実に除去することができる。
【0015】
本発明において、前記遮光膜形成工程では、前記第1傾斜端面に加えて、前記一方面側で当該第1傾斜端面に角部分を介して隣り合う面上まで前記遮光膜を形成することが好ましい。かかる構成によれば、第1傾斜端面上の感光性樹脂層、および第1傾斜端面近傍の感光性樹脂層が厚くても、第1傾斜端面上の感光性樹脂層、および第1傾斜端面近傍の感光性樹脂層を確実に露光することができる。従って、現像後、第1傾斜端面上および第1傾斜端面近傍から感光性樹脂層を確実に除去することができる。
【0016】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、液晶装置の製造方法や有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法等、各種電気光学装置の製造方法に適用することができる。これらの電気光学装置のうち、液晶装置の製造方法に本発明を適用する場合、前記電気光学装置用基板を、液晶装置において液晶層を介して対向する一対の液晶装置用基板の少なくとも一方として用いる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を適用した液晶装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る液晶装置に用いた液晶パネルの説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の画素の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の製造工程を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の製造に用いられる電気光学装置用基板の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る液晶装置の製造方法において、電気光学装置用基板上の所定領域に感光性樹脂層を形成する工程を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る液晶装置の製造方法において、電気光学装置用基板上の所定領域に感光性樹脂層を形成する工程を示す説明図である。
【図8】本発明を適用した液晶装置を用いた投射型表示装置の概略構成図である。
【図9】従来の液晶装置の製造方法において、電気光学装置用基板上の所定領域に感光性樹脂層を形成する工程を示す説明図である。
【図10】従来の液晶装置の製造方法において、感光性樹脂層を拭き取る工程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、各種の電気光学装置のうち、液晶装置およびその製造方法に本発明を適用した場合を中心に説明する。また、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明で参照する図面においては、図9および図10を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
【0019】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明を適用した液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図1において、液晶装置100は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードの液晶パネル100pを有しており、液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域10a(画像表示領域)を備えている。液晶パネル100pにおいて、後述する第1基板10(図2等を参照)では、画素領域10aの内側で複数本のデータ線6aおよび複数本の走査線3aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、電界効果型トランジスターからなる画素トランジスター30、および後述する画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0020】
第1基板10において、画素領域10aより外周側には走査線駆動回路104やデータ線駆動回路101が設けられている。データ線駆動回路101は各データ線6aに電気的に接続しており、画像処理回路から供給される画像信号を各データ線6aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線3aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線3aに順次供給する。
【0021】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、後述する第2基板20(図2等を参照)に形成された共通電極と液晶層を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55が付加されている。本形態では、保持容量55を構成するために、複数の画素100aに跨って走査線3aと並行して延びた容量線5bが形成されている。本形態において、容量線5bは、共通電位Vcomが印加された共通電位線5cに導通している。
【0022】
(液晶パネル100pの構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100に用いた液晶パネル100pの説明図であり、図2(a)、(b)は各々、本発明を適用した液晶装置100の液晶パネル100pを各構成要素と共に第2基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0023】
図2(a)、(b)に示すように、液晶パネル100pでは、第1基板10と第2基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は第2基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。
【0024】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、第1基板10および第2基板20はいずれも四角形であり、液晶パネル100pの略中央には、図1を参照して説明した画素領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられ、シール材107の内周縁と画素領域10aの外周縁との間には、略四角形の周辺領域10bが額縁状に設けられている。第1基板10において、画素領域10aの外側では、第1基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、第1基板10には、フレキシブル配線基板を介して各種電位や各種信号が入力される。
【0025】
詳しくは後述するが、第1基板10の一方側の基板面において、画素領域10aには、図1を参照して説明した画素トランジスター30、および画素トランジスター30に電気的に接続する画素電極9aがマトリクス状に形成されており、かかる画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0026】
また、第1基板10の一方面側において、周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9b(図2(b)参照)が形成されている。ダミー画素電極9bについては、ダミーの画素トランジスターと電気的に接続された構成、ダミーの画素トランジスターが設けられずに配線に直接、電気的に接続された構成、あるいは電位が印加されていないフロート状態にある構成が採用される。かかるダミー画素電極9bは、第1基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画素領域10aと周辺領域10bとの高さ位置を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。また、ダミー画素電極9bを所定の電位に設定すれば、画素領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止することができる。
【0027】
第2基板20において第1基板10と対向する一方面側には共通電極21が形成されており、共通電極21の上層には配向膜26が形成されている。共通電極21は、第2基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。また、第2基板20において第1基板10と対向する一方面側には、共通電極21の下層側に遮光層108が形成されている。本形態において、遮光層108は、画素領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状に形成されており、見切りとして機能する。ここで、遮光層108の外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にあり、遮光層108とシール材107とは重なっていない。なお、第2基板20において、遮光層108は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた領域と重なる領域等にも形成されることがある。
【0028】
このように構成した液晶パネル100pにおいて、第1基板10には、シール材107より外側において第2基板20の角部分と重なる領域に、第1基板10と第2基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。かかる基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、第2基板20の共通電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、第1基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、第1基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。
【0029】
シール材107は、略同一の幅寸法をもって第2基板20の外周縁に沿って設けられている。このため、シール材107は、略四角形である。但し、シール材107は、第2基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極109を避けて内側を通るように設けられており、シール材107の角部分は略円弧状である。
【0030】
かかる構成の液晶装置100において、画素電極9aおよび共通電極21を透光性導電膜により形成すると、透過型の液晶装置を構成することができる。これに対して、共通電極21を透光性導電膜により形成し、画素電極9aを反射性導電膜により形成すると、反射型の液晶装置を構成することができる。液晶装置100が反射型である場合、第2基板20の側から入射した光が第1基板10の側の基板で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。液晶装置100が透過型である場合、第1基板10および第2基板20のうち、一方側の基板から入射した光が他方側の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0031】
液晶装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、第2基板20には、カラーフィルター(図示せず)や保護膜が形成される。また、液晶装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、液晶装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各液晶装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0032】
本形態において、液晶装置100が、後述する投射型表示装置においてRGB用のライトバルブとして用いられる透過型の液晶装置であって、第2基板20から入射した光が第1基板10を透過して出射される場合を中心に説明する。また、本形態において、液晶装置100は、液晶層50として、誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を用いたVAモードの液晶パネル100pを備えている場合を中心に説明する。
【0033】
(画素の具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の画素の説明図であり、図3(a)、(b)は各々、本発明を適用した液晶装置100に用いた第1基板10において隣り合う画素の平面図、および図3(a)のF−F′線に相当する位置で液晶装置100を切断したときの断面図である。なお、図3(a)では、半導体層1aは細くて短い点線で示し、走査線3aは太い実線で示し、データ線6aおよびそれと同時形成された薄膜は一点鎖線で示し、容量線5bは二点鎖線で示し、画素電極9aは太くて長い破線で示し、下電極層4aは細い実線で示してある。
【0034】
図3(a)に示すように、第1基板10上には、複数の画素100aの各々に矩形状の画素電極9aが形成されており、各画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。データ線6aおよび走査線3aは各々、直線的に延びており、データ線6aと走査線3aとが交差する領域に画素トランジスター30が形成されている。第1基板10上には、走査線3aと重なるように容量線5bが形成されている。本形態において、容量線5bは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0035】
図3(a)、(b)に示すように、第1基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の表面(一方面側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されており、第2基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(第1基板10と対向する一方面側)に形成された共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0036】
第1基板10において、複数の画素100aの各々には、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。半導体層1aは、走査線3aの一部からなるゲート電極3cに対して透光性のゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gと、ソース領域1bと、ドレイン領域1cとを備えており、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、低濃度領域および高濃度領域を備えている。半導体層1aは、例えば、基板本体10w上に、シリコン酸化膜等からなる透光性の下地絶縁膜12上に形成された多結晶シリコン膜等によって構成され、ゲート絶縁層2は、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなる。また、ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化してなるシリコン酸化膜と、CVD法等により形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜との2層構造を有する場合もある。走査線3aには、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜が用いられる。
【0037】
走査線3aの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の第1層間絶縁膜41が形成されており、第1層間絶縁膜41の上層には下電極層4aが形成されている。下電極層4aは、走査線3aとデータ線6aとの交差する位置を基点として走査線3aおよびデータ線6aに沿って延出する略L字型に形成されている。下電極層4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜等からなり、コンタクトホール7cを介してドレイン領域1cに電気的に接続されている。
【0038】
下電極層4aの上層側には、シリコン窒化膜等からなる透光性の誘電体層42が形成されている。誘電体層42の上層側には、誘電体層42を介して下電極層4aと対向するように容量線5b(上電極層)が形成され、かかる容量線5b、誘電体層42および下電極層4aによって、保持容量55が形成されている。容量線5bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜等からなる。ここで、下電極層4a、誘電体層42および容量線5b(上電極層)は、画素トランジスター30の上層側に形成され、画素トランジスター30に対して平面視で重なっている。このため、保持容量55は、画素トランジスター30の上層側に形成され、少なくとも画素トランジスター30に対して平面視で重なっている。
【0039】
容量線5bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の第2層間絶縁膜43が形成され、第2層間絶縁膜43の上層にはデータ線6aおよびドレイン電極6bが形成されている。データ線6aはコンタクトホール7aを介してソース領域1bに電気的に接続している。ドレイン電極6bはコンタクトホール7bを介して下電極層4aに電気的に接続し、下電極層4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。データ線6aおよびドレイン電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、あるいは金属膜等からなる。
【0040】
データ線6aおよびドレイン電極6bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の第3層間絶縁膜44が形成されている。第3層間絶縁膜44には、ドレイン電極6bへ通じるコンタクトホール7dが形成されている。第3層間絶縁膜44の上層には、金属酸化物層としてのITO(Indium Tin Oxide)膜等の透光性導電膜からなる画素電極9aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール7dを介してドレイン電極6bに電気的に接続されている。本形態において、第3層間絶縁膜44の表面は平坦面になっている。
【0041】
ここで、第3層間絶縁膜44の表面には、図2(b)を参照して説明したダミー画素電極9b(図3には図示せず)が形成されており、かかるダミー画素電極9bは、画素電極9aと同時形成された透光性導電膜からなる。
【0042】
画素電極9aの表面には配向膜16が形成されている。配向膜16は、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)であり、配向膜16と画素電極9aとの層間にはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の透光性の保護膜17が形成されている。保護膜17は、表面が平坦面になっており、画素電極9aの間に形成された凹部を埋めている。従って、配向膜16は、保護膜17の平坦な表面に形成されている。
【0043】
第2基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20wの液晶層50側の表面(第1基板10に対向する側の面)に、ITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように配向膜26が形成されている。配向膜26は、配向膜16と同様、ポリイミド等の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の斜方蒸着膜からなる。本形態において、配向膜26は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜(垂直配向膜)であり、配向膜26と共通電極21との層間にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等の保護膜27が形成されている。保護膜27は、表面が平坦面になっており、かかる平坦面上に配向膜26が形成されている。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。
【0044】
なお、図1および図2を参照して説明したデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104には、Nチャネル型の駆動用トランジスターとPチャネル型の駆動用トランジスターとを備えた相補型トランジスター回路等が構成されている。ここで、駆動用トランジスターは、画素トランジスター30の製造工程の一部を利用して形成されたものである。このため、第1基板10においてデータ線駆動回路101および走査線駆動回路104が形成されている領域も、図3(b)に示す断面構成と略同様な断面構成を有している。
【0045】
(液晶装置100の製造方法)
図4は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造工程を示す説明図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造に用いられる電気光学装置用基板の説明図であり、図5(a)、(b)、(c)は、単品サイズの電気光学装置用基板の説明図、半導体ウェーハ状の大型の電気光学装置用基板の説明図、および四角形の大型の電気光学装置用基板の説明図である。
【0046】
本形態の液晶装置100を製造するには、図2および図4に示すように、第1基板10に対して画素電極9a等の形成工程S1を行った後、印刷法やスピンコート等により配向膜16を形成する配向膜形成工程S2を行う。次に、配向膜16がポリイミド膜からなる場合には、第1基板10の配向膜16に対するラビング工程S3を行う。次に、シール材107を塗布するシール印刷工程S4を行う。かかるシール材107の塗布は、ノズルからシール材を突出しながら、ノズルと第1基板10とを相対移動させて、シール材107を矩形枠状に描画する。
【0047】
一方、第2基板20に対しては、共通電極21等の形成工程S11を行った後、印刷法やスピンコート等により配向膜26を形成する配向膜形成工程S12を行う。次に、配向膜26がポリイミド膜からなる場合には、第2基板20の配向膜26に対するラビング工程S13を行う。
【0048】
次に、重ね合わせ工程S21においては、シール材107を間に挟んで第1基板10と第2基板20とを重ね合わせる。次に、シール硬化工程S22においてシール材107を硬化させる。かかるシール硬化工程では、第2基板20側からUV光等を照射してシール材107を硬化させる。
【0049】
次に、液晶封入工程S23では、シール材107の途切れ部分からシール材107の内側に液晶を注入した後、途切れ部分を封止材105で封止する。なお、第1基板10にシール材107を形成した後、シール材107の内側に液晶を滴下し、その後、シール材107を間に挟んで第1基板10と第2基板20とを重ね合わせた後、シール材107を硬化させることもある。かかる方法の場合、シール材107に対しては、途切れ部分や封止材105を設ける必要がない。
【0050】
かかる方法により、液晶装置100を製造する場合、図5(a)に示すように、第1基板10および第2基板20の一方あるいは双方として、単品サイズの電気光学装置用基板10s(液晶装置用基板)を用い、かかる単品サイズの電気光学装置用基板10sの状態で上記の工程を行って液晶パネル100pを形成する場合がある。また、図5(b)、(c)に示すように、第1基板10および第2基板20の一方あるいは双方として、それらを多数取りできる大型の電気光学装置用基板10sの状態で上記の工程を行って大型のパネル構造体を形成した後、大型のパネル構造体から単品サイズの液晶パネル100pを複数、切り出すこともある。この場合、大型の電気光学装置用基板10sのうち、第1基板10または第2基板20が切り出される領域(図5(b)、(c)に一点鎖線で示す領域)が有効領域10yであり、その周りの部分は、電気光学装置用基板10sを切断される際に除去される除材領域10zである。なお、図5(b)に示す大型の電気光学装置用基板10sは、半導体ウェーハと同様、円盤状の基板にオリエンテーションフラットが形成された形状を有し、図5(c)に示す大型の電気光学装置用基板10sは、四角形状を有している。以下の説明では、サイズや、得られる基板が第1基板10であるか第2基板20であるかにかかわらず、電気光学装置用基板10sとして説明する。
【0051】
(工程S1、S11の詳細説明)
図6は、本発明の実施の形態1に係る液晶装置100の製造方法において、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層を形成する工程を示す説明図である。なお、図6には、透光膜より下層側について図示を省略してある。また、図6では、感光性樹脂層において露光されている部分には右上がりの斜線を付してある。
【0052】
以下に説明する工程は、第1基板10において透光性の層間絶縁膜(透光膜)にコンタクトホールを形成する工程、第1基板10において透光性の画素電極9a(透光膜)を形成する工程、第2基板20において透光性の共通電極21(透光膜)を形成する工程等において、透光膜の表面に感光性樹脂層からなるレジストマスクを形成するのに利用される。より具体的には、以下に説明する工程は、本形態の液晶装置100を製造する際、図5に示す各工程のうち、画素電極9a等の形成工程S1や共通電極21等の形成工程S11において、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層を形成した後、かかる感光性樹脂層を露光、現像する工程として利用される。
【0053】
ここで、電気光学装置用基板10sは、図6(a)に示すように、端縁に面取り加工が施されており、一方面10g側の端縁に第1傾斜端面10iを備え、他方面10h側の端縁に第2傾斜端面10jを備えている。このため、電気光学装置用基板10sの端部は、第1傾斜端面10iと、第2傾斜端面10jと、第1傾斜端面10iと第2傾斜端面10jとの間において一方面10gおよび他方面10hに直交する外周端面10kとを備えている。
【0054】
かかる構成の電気光学装置用基板10s上に、例えば、透光膜8をパターニングするためのレジストマスクを製造するにあたって、本形態では、予め、電気光学装置用基板10sの第1傾斜端面10iに遮光膜85を形成する遮光膜形成工程を行う。本形態において、遮光膜85は、アルミニウム膜等の光反射膜85aからなる。かかる遮光膜85を形成するには、第1傾斜端面10iを含む一方面10gの全体に、アルミニウム膜等の光反射膜85aからなる遮光膜85を形成した後、遮光膜85の表面にレジストマスクを形成し、この状態で遮光膜85にエッチングを行って、第1傾斜端面10iに遮光膜85を選択的に形成する。本形態において、遮光膜85は、一方面10g側において、第1傾斜端面10iに形成されているとともに、第1傾斜端面10iに角部分10fを介して連接する面において第1傾斜端面10iに隣接する領域10rにも形成されている。次に、電気光学装置用基板10sの一方面10gの全面にスパッタ法、蒸着法、CVD法等により、透光膜8を形成する。
【0055】
次に、感光性樹脂層形成工程では、スピンコート法等により、電気光学装置用基板10sの一方面10gに硬化前の感光性樹脂層80を塗布する。その結果、電気光学装置用基板10sの端部では、第1傾斜端面10iに起因する凹部や液溜まり等の影響で、第1傾斜端面10iでは、感光性樹脂層80が分厚く形成される。
【0056】
次に、図6(b)、(c)、(d)に示すように、感光性樹脂層80を露光、現像して、感光性樹脂層80をパターニングする露光現像工程を行う。かかる露光現像工程として、本形態では、まず、図6(b)に示すように、遮光部材87等を介して第1傾斜端面10i上に形成された感光性樹脂層80を予め、露光する端面露光を行う。次に、図6(c)に示すように、所定のマスクパターンを備えた露光マスク88を介して、感光性樹脂層80のうち、除去したい部分に対して選択的に露光するパターニング用露光を行う。なお、端面露光とパターニング用露光とについては、その順序を入れ換えて、パターニング用露光の後、端面露光を行ってもよい。次に、感光性樹脂層80を現像すると、図6(d)に示すように、残った感光性樹脂層80によってレジストマスク81が形成されることになる。
【0057】
従って、透光膜8上にレジストマスク81を形成した状態でエッチングを行うと、図6(e)に示すように、レジストマスク81の開口部に重なる透光膜8が除去され、レジストマスク81と重なる領域のみに透光膜8aが残ることになる。
【0058】
このような液晶装置100の製造方法において、本形態では、露光現像工程を行う前の遮光膜形成工程において、第1傾斜端面10iおよび第1傾斜端面10iに隣接する部分10rに光反射膜85aからなる遮光膜85が形成されている。このため、図6(b)、(c)に示す露光の際、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1は、遮光膜85で遮られるため、電気光学装置用基板10sの内部に入射しない。また、本形態において、遮光膜85は光反射膜からなるため、第1傾斜端面10iに向かう光L1は、矢印L2で示すように、遮光膜85で反射して再び、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80を露光する。
【0059】
なお、遮光膜85については、透光膜8をエッチングした際、同時に除去される構成、透光膜8をエッチングする工程とは別の工程で除去される構成、および第1傾斜端面10iに遮光膜85が残ったままとされる構成のいずれであってもよい。また、今回の透光膜8をエッチングした後も、第1傾斜端面10iに遮光膜85が残っている場合、かかる遮光膜85については、後工程で再度、感光性樹脂層を形成した後、露光現像する場合にそのまま利用してもよい。
【0060】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の液晶装置100においては、電気光学装置用基板10sの一方面10g側の所定領域に感光性樹脂層80を形成するにあたって、遮光膜形成工程において、電気光学装置用基板10sの一方面10g側の端縁に形成された第1傾斜端面10iに遮光膜85を形成しておく。そして、感光性樹脂層形成工程において電気光学装置用基板10sの一方面10g側にポジタイプの感光性樹脂層80を塗布し、その後、露光現像工程において感光性樹脂層80を露光、現像する。従って、露光を行った際、第1傾斜端面10iに向かう光は、遮光膜85で遮られるので、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射することがない。それ故、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sに入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光することを防止することができる。よって、端縁に第1傾斜端面10iおよび第2傾斜端面10jが形成されている電気光学装置用基板10sを用いた場合でも、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層80(レジストマスク81)を確実に形成することができる。
【0061】
また、本形態において、遮光膜85は光反射膜85aからなる。このため、第1傾斜端面10iに向かう光は、遮光膜85で反射して再び、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80を露光する。それ故、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80が厚くても、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80を確実に露光でき、現像後、第1傾斜端面10i上から感光性樹脂層80を確実に除去することができる。
【0062】
また、本形態において、遮光膜85は、一方面10g側において、第1傾斜端面10iに形成されているとともに、第1傾斜端面10iに角部分10fを介して連接する面において第1傾斜端面10iに隣接する領域10rにも形成されている。このため、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80、および第1傾斜端面10i近傍の感光性樹脂層80が厚くても、第1傾斜端面10i上の感光性樹脂層80、および第1傾斜端面10i近傍の感光性樹脂層80を確実に露光することができる。従って、現像後、第1傾斜端面10i上および第1傾斜端面10i近傍から感光性樹脂層80を確実に除去することができる。
【0063】
[実施の形態1の変形例1]
本発明によれば、露光現像工程において、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光するという問題点が発生しないため、パターニング用露光の際の露光量を増やしてもよい。それ故、上記実施の形態1では、端面露光とパターニング用露光とを行ったが、端面露光を行わずにパターニング用露光の際に、第1傾斜端面10iに形成された厚い感光性樹脂層80を露光し、現像によって除去してもよい。
【0064】
[実施の形態1の変形例2]
上記実施の形態1では、第1傾斜端面10iに形成された厚い感光性樹脂層80を有機溶剤で除去するという工程を行わなかったが、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を有機溶剤で除去する工程を行ってもよい。すなわち、本発明によれば、露光現像工程において、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光するという問題点が発生しないため、パターニング用露光の際の露光量を増やしてもよい。それ故、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を有機溶剤で除去する工程を行っても、パターニング用露光によって、図10(a)を参照して説明した第1傾斜端面10iに隣接する領域10rの厚い感光性樹脂層80wを確実に露光でき、現像によって除去することができる。
【0065】
また、実施の形態1では、遮光膜85は、一方面10g側において、第1傾斜端面10iに形成されているとともに、第1傾斜端面10iに隣接する領域10rにも形成されている。このため、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を有機溶剤で除去する工程を行った際、第1傾斜端面10iに隣接する領域10rの感光性樹脂層80w(図10(a)参照)が厚くなっても、かかる厚い感光性樹脂層80を遮光膜85(光反射膜85a)での反射により露光することができる。それ故、パターニング用露光の際の露光量を大幅に増やさなくても、第1傾斜端面10iに隣接する領域10rの厚い感光性樹脂層80を確実に露光でき、現像によって除去することができる。
【0066】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る液晶装置100の製造方法において、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層を形成する工程を示す説明図である。なお、図7には、透光膜より下層側について図示を省略してある。また、図7では、感光性樹脂層において露光されている部分には右上がりの斜線を付してある。また、本形態の基本的な構成は実施の形態1と略同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0067】
本形態でも、実施の形態1と同様、以下に説明する工程は、第1基板10において透光性の層間絶縁膜(透光膜)にコンタクトホールを形成する工程、第1基板10において透光性の画素電極9a(透光膜)形成する工程、第2基板20において透光性の共通電極21(透光膜)を形成する工程等において、透光膜8の表面に感光性樹脂層80からなるレジストマスク81を形成するのに利用される。より具体的には、以下に説明する工程は、本形態の液晶装置100を製造する際、図4に示す各工程のうち、画素電極9a等の形成工程S1や共通電極21等の形成工程S11において、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層を形成した後、かかる感光性樹脂層を露光、現像する工程として利用される。
【0068】
また、本形態でも、実施の形態1と同様、電気光学装置用基板10sは、図7(a)に示すように、端縁に面取り加工が施されており、一方面10g側の端縁に第1傾斜端面10iを備え、他方面10h側の端縁に第2傾斜端面10jを備えている。このため、電気光学装置用基板10sの端部は、第1傾斜端面10iと、第2傾斜端面10jと、第1傾斜端面10iと第2傾斜端面10jとの間において一方面10gおよび他方面10hに直交する外周端面10kとを備えている。
【0069】
かかる構成の電気光学装置用基板10s上に、例えば、透光膜8をパターニングするためのレジストマスク81を製造するにあたって、本形態でも、実施の形態1と同様、予め、電気光学装置用基板10sの第1傾斜端面10iに遮光膜85を形成する遮光膜形成工程を行う。本形態において、遮光膜85は、窒化チタン膜等の光吸収膜85bからなる。かかる遮光膜85を形成するには、第1傾斜端面10iを含む一方面10gの全体に、窒化チタン膜等の光吸収膜85bからなる遮光膜85を形成した後、遮光膜85の表面にレジストマスクを形成し、この状態で遮光膜85にエッチングを行って、第1傾斜端面10iに遮光膜85を選択的に形成する。本形態において、遮光膜85は、一方面10g側において、第1傾斜端面10iに形成されているとともに、第1傾斜端面10iに角部分10fを介して連接する面において第1傾斜端面10iに隣接する領域10rにも形成されている。次に、電気光学装置用基板10sの一方面10gの全面にスパッタ法、蒸着法、CVD法等により、透光膜8を形成する。
【0070】
次に、感光性樹脂層形成工程では、スピンコート法等により、電気光学装置用基板10sの一方面10gに硬化前の感光性樹脂層80を塗布する。その結果、電気光学装置用基板10sの端部では、第1傾斜端面10iに起因する凹部や液溜まり等の影響で、第1傾斜端面10iでは、感光性樹脂層80が分厚く形成される。
【0071】
次に、図7(b)、(c)、(d)に示すように、感光性樹脂層80を露光、現像して、感光性樹脂層80をパターニングする露光現像工程を行う。かかる露光現像工程として、本形態でも、実施の形態1と同様、図7(b)に示すように、遮光部材87等を介して第1傾斜端面10i上に形成された感光性樹脂層80を予め、露光する端面露光を行う。次に、図7(c)に示すように、所定のマスクパターンを備えた露光マスク88を介して、感光性樹脂層80のうち、除去したい部分に対して選択的に露光するパターニング用露光を行う。なお、端面露光とパターニング用露光とについては、その順序を入れ換えて、パターニング用露光の後、端面露光を行ってもよい。次に、感光性樹脂層80を現像すると、図7(d)に示すように、残った感光性樹脂層によってレジストマスク81が形成されることになる。
【0072】
従って、透光膜8上にレジストマスク81を形成した状態でエッチングを行うと、図7(e)に示すように、レジストマスク81の開口部に重なる透光膜8が除去され、レジストマスク81と重なる領域のみに透光膜8aが残ることになる。
【0073】
このような液晶装置100の製造方法において、本形態では、露光現像工程を行う前の遮光膜形成工程において、第1傾斜端面10iおよび第1傾斜端面10iに隣接する部分10rに光吸収膜85bからなる遮光膜85が形成されている。このため、図7(b)、(c)に示す露光の際、第1傾斜端面10iに向けて照射された光L1は、遮光膜85で遮られるため、電気光学装置用基板10sの内部に入射しない。従って、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sに入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光することを防止することができる。それ故、端縁に第1傾斜端面10iおよび第2傾斜端面10jが形成されている電気光学装置用基板10sを用いた場合でも、電気光学装置用基板10s上の所定領域に感光性樹脂層80を確実に形成することができる。
【0074】
なお、遮光膜85については、透光膜8をエッチングした際、同時に除去される構成、透光膜8をエッチングする工程とは別の工程で除去される構成、および第1傾斜端面10iに遮光膜85が残ったままとされる構成のいずれであってもよい。また、透光膜8をエッチングした後も、第1傾斜端面10iに遮光膜85が残っている場合、かかる遮光膜85については、後工程で再度、感光性樹脂層を形成した後、露光現像する場合にそのまま利用してもよい。
【0075】
[実施の形態2の変形例1]
本発明によれば、露光現像工程において、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光するという問題点が発生しないため、パターニング用露光の際の露光量を増やしてもよい。それ故、上記実施の形態2では、端面露光とパターニング用露光とを行ったが、端面露光を行わずにパターニング用露光の際に、第1傾斜端面10iに形成された厚い感光性樹脂層80を露光し、現像によって除去してもよい。
【0076】
[実施の形態2の変形例2]
上記実施の形態1では、第1傾斜端面10iに形成された厚い感光性樹脂層80を有機溶剤で除去するという工程を行わなかったが、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を有機溶剤で除去する工程を行ってもよい。すなわち、本発明によれば、露光現像工程において、第1傾斜端面10iから電気光学装置用基板10sの内部に入射した光が第2傾斜端面10jで反射して感光性樹脂層80の余計な部分を露光するという問題点が発生しないため、パターニング用露光の際の露光量を増やしてもよい。それ故、第1傾斜端面10iに形成された感光性樹脂層80を有機溶剤で除去する工程を行っても、パターニング用露光によって、図10(a)を参照して説明した第1傾斜端面10iに隣接する領域10rの厚い感光性樹脂層80wを確実に露光でき、現像によって除去することができる。
【0077】
[他の実施の形態]
上記実施の形態1、2では、感光性樹脂層を露光、現像してレジストマスクを形成する場合を例示したが、電気光学装置用基板10s上に感光性樹脂を層間絶縁膜として形成する場合に本発明を適用してもよい。この場合の工程は、図6および図7から透光膜8を省略した態様として表される。また、上記実施の形態では、透過型の液晶装置100の製造方法を例示したが、反射型の液晶装置100の製造方法に本発明を適用してもよい。
【0078】
[電子機器への搭載例]
上述した実施形態に係る液晶装置100を適用した電子機器について説明する。図8は、本発明を適用した液晶装置100を用いた投射型表示装置の概略構成図であり、図8(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置100を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0079】
(投射型表示装置の第1例)
図8(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117(液晶装置100)と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119と、リレー系120とを備えている。
【0080】
光源112は、赤色光、緑色光及び青色光を含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光を透過させると共に緑色光及び青色光を反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光と緑色光と青色光とに分離する色分離光学系を構成する。
【0081】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121及び偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0082】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、液晶パネル115c及び第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光は、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0083】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル115cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光を変調し、変調した赤色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。
【0084】
なお、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a及び第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0085】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、液晶パネル116c及び第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光は、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、液晶パネル116cは、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光を変調し、変調した緑色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。
【0086】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置100である。そして、液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、液晶パネル117c及び第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光は、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0087】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、液晶パネル117cは、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光を変調し、変調した青色光をクロスダイクロイックプリズム119に向けて射出する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a及び第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0088】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光をリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光を液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0089】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光を反射して緑色光を透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光を反射して緑色光を透過する膜である。したがって、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117のそれぞれで変調された赤色光と緑色光と青色光とを合成し、投射光学系118に向けて射出するように構成されている。
【0090】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光及び青色光をs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光をp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0091】
(投射型表示装置の第2例)
図8(b)に示す投射型表示装置1000において、光源部890は、システム光軸Lに沿って光源810、インテグレーターレンズ820および偏光変換素子830が配置された偏光照明装置800を有している。また、光源部890は、システム光軸Lに沿って、偏光照明装置800から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面841により反射させる偏光ビームスプリッター840と、偏光ビームスプリッター840のS偏光光束反射面841から反射された光のうち、青色光(B)の成分を分離するダイクロイックミラー842と、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラー843とを有している。
【0092】
また、投射型表示装置1000は、各色光が入射する3つの反射型の液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)を備えており、光源部890は、3つの液晶装置100(液晶装置100R、100G、100B)に所定の色光を供給する。
【0093】
かかる投射型表示装置1000においては、3つの液晶装置100R、100G、100Bにて変調された光をダイクロイックミラー842、843、および偏光ビームスプリッター840にて合成した後、この合成光を投射光学系850によってスクリーン860等の被投射部材に投射する。
【0094】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0095】
(他の電子機器)
本発明を適用した液晶装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【0096】
[他の電気装置]
上記実施の形態では、電気光学装置として液晶装置を例示したが、透光性を有する基板(電気光学装置用基板)を備えていれば。液晶装置に限らず、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出を用いた装置(Field Emission Display)、DLP(Digital Light Processing)等の電気光学装置の製造方法に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
8・・透光膜、9a・・画素電極、10・・第1基板、10a・・画素領域、10i・・第1傾斜端面、10j・・第2傾斜端面、10s・・電気光学装置用基板、20・・第2基板、21・・共通電極、50・・液晶層、80・・感光性樹脂層、81・・レジストマスク、85・・遮光膜、85a・・光反射膜、85b・・光吸収膜、88・・露光マスク、110、1000・・投射型表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の電気光学装置用基板の一方面側の端縁に形成された第1傾斜端面および他方面側の端縁に形成された第2傾斜端面のうち、前記第1傾斜端面に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、
前記一方面側にポジタイプの感光性樹脂層を塗布する感光性樹脂層形成工程と、
前記感光性樹脂層を露光、現像して、当該感光性樹脂層をパターニングする露光現像工程と、
を有していることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記遮光膜は、光反射膜であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
前記遮光膜は、光吸収膜であることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項4】
前記露光現像工程では、前記感光性樹脂層のうち、前記第1傾斜端面に形成された感光性樹脂層を露光させる端面露光と、所定の透光パターンをもった露光マスクを用いて前記感光性樹脂層を露光させるパターニング用露光と、を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項5】
前記遮光膜形成工程では、前記第1傾斜端面に加えて、前記一方面側で当該第1傾斜端面に角部分を介して隣り合う面上まで前記遮光膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項6】
前記電気光学装置用基板を、液晶装置において液晶層を介して対向する一対の液晶装置用基板の少なくとも一方として用いることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法により製造されたことを特徴とする電気光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−88417(P2012−88417A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233336(P2010−233336)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】