説明

電気光学装置及び電子機器

【課題】液晶装置等の電気光学装置において、高品質な画像を表示する。
【解決手段】電気光学装置は、画素領域(10a)に、データ線(6a)と、データ線と交差する走査線(11)と、画素領域の周囲に位置する周辺領域に、データ線に電気的に接続されたスイッチング素子(77)と、スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線(170)と、スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線(150)と、制御信号配線と画像信号配線との間に、定電位が供給される定電位配線(200)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた、例えば液晶プロジェクター等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置として、例えば基板上に、走査線を駆動する走査線駆動回路、データ線を駆動するデータ線駆動回路、及び画像信号をサンプリングするためのサンプリング回路等の各種駆動回路を備えるものがある。
【0003】
サンプリング回路には、例えば複数のデータ線に対応する画像信号が一の画像信号配線を介してまとめて供給される。そして、サンプリング回路に供給された画像信号は、供給されるべきデータ線に応じたタイミングでサンプリングスイッチのオンオフが切替えられることで、各データ線へと振り分けられる。
【0004】
上述したようなサンプリング回路では、サンプリングスイッチ間に発生する寄生容量に起因して、表示上の不具合が発生する場合がある。このため、例えば特許文献1では、互いに隣り合うサンプリングスイッチ間に電磁シールドを設けるという技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−77484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、サンプリング回路においては、上述したサンプリングスイッチ間だけではなく、サンプリングスイッチに画像信号を供給する画像信号配線と、制御信号を供給する制御信号配線間にも寄生容量が発生する。このため、仮にサンプリングスイッチ間に電磁シールドを設けたとしても、サンプリング回路の他の部位で発生した寄生容量に起因して、表示上の不具合が発生してしまうおそれがある。
【0007】
また、制御信号配線が複数配列される場合、両端に配置された制御信号配線と、その他の制御信号配線とでは、発生する寄生容量の大きさが異なる。即ち、同様に機能する配線であっても、その位置によって寄生容量にばらつきが生じる。従って、複数の配線に対して同様に電磁シールドを設けたとしても、寄生容量のばらつきに起因して、表示上の不具合が発生してしまうおそれがある。
【0008】
以上のように、特許文献1に係る技術には、サンプリング回路内に発生した寄生容量に起因する不具合を、十分なまでに低減させることができないという技術的問題点がある。
【0009】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、寄生容量に起因する不具合を低減し、高品質な画像を表示することが可能な電気光学装置及び電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電気光学装置は上記課題を解決するために、画素領域に、データ線と、前記データ線と交差する走査線と、前記画素領域の周囲に位置する周辺領域に、前記データ線に電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線と、前記スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、前記制御信号配線と前記画像信号配線との間に、定電位が供給される定電位配線とを備える。
【0011】
本発明の電気光学装置によれば、例えば基板上に、走査線及びデータ線等の配線や、画素スイッチング用のTFT等が、絶縁膜を介して相互に絶縁されつつ必要に応じて積層されることで画素電極を駆動するための回路が構成され、その上層側に複数の画素電極が設けられている。走査線及びデータ線は、互いに交わるように設けられている。TFTや画素電極は、走査線及びデータ線の交わりに対応するように画素毎に設けられる。
【0012】
本発明の電気光学装置の動作時には、例えば、走査線を通じて、画素電極に電気的に接続された画素スイッチング用のTFTのスイッチング動作が制御されると共に、データ線を通じて画像信号が供給されることで、該TFTを介して、画素電極に対し画像信号に応じた電圧が印加される。これにより、複数の画素電極が配列された画素領域における画像表示が可能となる。
【0013】
本発明の電気光学装置では更に、画素領域の周囲に位置する周辺領域に、データ線に電気的に接続するように設けられたスイッチング素子と、スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線とが設けられている。このような構成によれば、制御信号配線を介して供給される制御信号に応じてスイッチング素子のスイッチング動作が制御されると共に、画像信号配線を介して画像信号が供給されることで、データ線に対し画像信号が供給される。
【0014】
より具体的には、画像信号配線は、例えばデータ線の総数に対して少ない本数とされており、複数のデータ線に供給すべき画像信号を、一の画像信号配線によってまとめて供給できるように構成されている。スイッチング素子はデータ線毎に設けられており、各データ線に応じたタイミングでオンオフが切替えられる。これにより、まとめて供給された画像信号は、供給すべきデータ線の各々へと振り分けられる。
【0015】
本発明では特に、上述した制御信号配線と画像信号配線との間に、定電位が供給される定電位配線が設けられている。この定電位配線は、制御信号配線と画像信号配線との間に発生する寄生容量を低減させるシールドとして機能する。即ち、制御信号配線及び画像信号配線間に定電位配線が介在することによって、寄生容量の発生が抑制される。
【0016】
配線間の寄生容量は、例えば表示画像におけるゴースト等、表示上の不具合の原因となるおそれがある。本発明では、制御信号配線と画像信号配線との間に定電位配線を設けることにより、このような表示上の不具合を好適に防止することができる。尚、定電位配線は、制御信号配線及び画像信号配線間に発生する寄生容量の発生を多少なりとも低減できるような位置に配置されればよく、制御信号配線と画像信号配線との間のスペースに、部分的に設けられるようなものであってもよい。特に、制御信号配線と画像信号配線との距離が近くなる部分に定電位配線を設ければ、効率的に寄生容量の発生を低減することができる。
【0017】
以上説明したように、本発明の電気光学装置によれば、配線間の寄生容量を低減することができるため、高品質な画像を表示することが可能である。
【0018】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記定電位配線に前記定電位を供給する定電位供給線を備え、前記定電位配線は、前記定電位供給線と複数箇所で互いに電気的に接続される。
【0019】
この態様によれば、定電位配線には、定電位供給線から定電位が供給される。定電位供給線は、典型的には定電位配線より太い配線として設けられる。そして特に、定電位配線と定電位供給線とは、複数箇所で電気的に接続されている。よって、定電位配線の電位が、配線抵抗等によって局所的に変化してしまうことを防止することができる。即ち、定電位配線における電位を、より確実に定電位に保つことができる。従って、定電位配線のシールドとしての機能を、確実に発揮させることが可能となる。
【0020】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記定電位配線は、前記定電位として、前記走査線を駆動する走査線駆動回路に供給される電源電位が供給される。
【0021】
この態様によれば、画素領域に設けられた走査線は、周辺領域に設けられた走査線駆動回路によって駆動されており、この走査線駆動回路には、走査線の駆動を行うための電源電位が供給されている。そして特に、定電位配線には、定電位として走査線駆動回路に供給される電源電位が供給される。
【0022】
上述した構成によれば、定電位配線に定電位を供給する手段を別途設ける必要がない。よって、装置構成や製造工程の複雑化や製造コストの増大を防止することが可能である。
【0023】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記制御信号配線は、複数並んで設けられており、前記定電位配線は、複数の前記制御信号配線のうち、端に位置する前記制御信号配線に沿うように設けられている。
【0024】
この態様によれば、制御信号配線は複数並んで設けられており、例えば複数のスイッチング素子に対して互いに異なる制御信号を供給する。このように複数の制御信号配線が設けられる場合、互いに隣り合う制御信号配線間には、少なからず寄生容量が発生してしまう。
【0025】
ここで特に、複数の制御信号配線が並んで設けられる場合には、両端の制御信号配線と、両端以外の制御信号配線とで、発生する寄生容量が互いに異なる値となる。より具体的には、片側にしか制御信号配線が存在しない配線(即ち、両端の制御信号配線)では寄生容量が比較的小さくなり、両側に制御信号配線が存在する配線(即ち、両端以外の制御信号配線)では寄生容量が比較的大きくなる。即ち、各制御信号配線で、発生する寄生容量にばらつきが生じてしまうおそれがある。
【0026】
しかるに本態様では、複数の前記制御信号配線のうち、端に位置する制御信号配線に沿うように、定電位配線が設けられている。よって、両端に位置する制御信号配線は、一方に制御信号配線、他方に定電位配線が存在する状態となる。即ち、両端の制御信号配線及び両端以外の制御信号配線の周囲の配線状況が互いに近付けられる。従って、寄生容量のばらつきを小さくすることができる。
【0027】
寄生容量のばらつきは、例えば系列スジ等の表示上の不具合の原因となる。これに対し本態様では、上述したように、定電位配線を制御信号配線に沿って設けることで、寄生容量のばらつきを小さくすることができる。従って、より高品質な画像を表示することが可能である。
【0028】
上述した複数の制御配線を備える態様では、前記定電位配線は、前記端に位置する前記制御信号配線との距離が、互いに隣り合う前記制御信号配線間の距離と同じになるように設けられているように構成してもよい。
【0029】
このように構成すれば、両端の制御信号配線及び両端以外の制御信号配線の周囲の配線状況をより近付けることができる。よって、寄生容量のばらつきを更に小さくすることが可能である。
【0030】
尚、本態様における「同じ」とは、完全に同一の値である場合のみを指すものではなく、定電位配線と端に位置する制御信号配線との距離が、制御信号配線同士の距離に近付けられれば、相応に効果が得られる。
【0031】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記定電位配線は、前記制御信号配線に前記制御信号が供給される一端とは反対側の他端側に位置する端部から、前記定電位が供給される。
【0032】
この態様によれば、制御信号配線には、一端から他端側に制御信号が流れるように供給されている。一方で、定電位配線には、制御信号配線の他端側に位置する端部から定電位が供給されている。即ち、制御信号配線と定電位配線とでは、互いに異なる方向から電位が供給されている。
【0033】
上述した構成によれば、制御信号配線における制御信号の電位が比較的変動し易い他端側において、定電位配線は定電位を保持し易くなる。従って、定電位配線のシールドとしての機能をより効率的に発揮させることが可能となる。
【0034】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
【0035】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、高品質な表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサー、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明の電子機器として、例えば電子ペーパーなどの電気泳動装置等も実現することも可能である。
【0036】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のH−H´線断面図である。
【図3】実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域に設けられる各種素子、配線等の等価回路図である。
【図4】画素部の具体的な構成を透過的に示す平面図である。
【図5】図4のA−A´線断面図である。
【図6】実施形態に係る電気光学装置の周辺領域の構成を示す平面図である。
【図7】制御信号配線及び定電位配線の具体的な構成を示す部分拡大図である。
【図8】比較例に係る電気光学装置において発生する寄生容量を配線毎に示すグラフである。
【図9】実施形態に係る電気光学装置において発生する寄生容量を配線毎に示すグラフである。
【図10】電気光学装置を適用した電子機器の一例たるプロジェクターの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0039】
<電気光学装置>
本実施形態に係る電気光学装置について図1から図9を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例として駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を挙げて説明する。
【0040】
先ず、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1のH−H´線断面図である。
【0041】
図1及び図2において、本実施形態に係る電気光学装置では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板や、シリコン基板等である。対向基板20は、例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が封入されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、一対の配向膜間で所定の配向状態をとる。
【0042】
TFTアレイ基板10と対向基板20とは、複数の画素電極が設けられた画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52により、相互に接着されている。
【0043】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。尚、ギャップ材を、シール材52に混入されるものに加えて若しくは代えて、画像表示領域10a又は画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域に、配置するようにしてもよい。
【0044】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。尚、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0045】
周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、サンプリング回路7及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。更に、このように画像表示領域10aの両側に設けられた二つの走査線駆動回路104間をつなぐため、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿い、且つ、額縁遮光膜53に覆われるようにして複数の配線105が設けられている。
【0046】
TFTアレイ基板10上における対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域には、両基板間を上下導通材で接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0047】
図2において、TFTアレイ基板10上には、駆動素子である画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が作り込まれた積層構造が形成される。この積層構造の詳細な構成については図2では図示を省略してあるが、この積層構造の上に、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9aが、画素毎に所定のパターンで島状に形成されている。尚、画素電極9aをアルミニウム等の反射性を有する材料から構成すれば、反射型の電気光学装置を実現することもできる。
【0048】
画素電極9aは、対向電極21に対向するように、TFTアレイ基板10上の画像表示領域10aに形成されている。TFTアレイ基板10における液晶層50の面する側の表面、即ち画素電極9a上には、配向膜16が画素電極9aを覆うように形成されている。
【0049】
対向基板20におけるTFTアレイ基板10との対向面上には、遮光膜23が形成されている。遮光膜23は、例えば対向基板20における対向面上に平面的に見て、格子状に形成されている。対向基板20において、遮光膜23によって非開口領域が規定され、遮光膜23によって区切られた領域が、例えばプロジェクター用のランプや直視用のバックライトから出射された光を透過させる開口領域となる。尚、遮光膜23をストライプ状に形成し、該遮光膜23と、TFTアレイ基板10側に設けられたデータ線等の各種構成要素とによって、非開口領域を規定するようにしてもよい。
【0050】
遮光膜23上には、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9aと対向するように形成されている。また遮光膜23上には、画像表示領域10aにおいてカラー表示を行うために、開口領域及び非開口領域の一部を含む領域に、図2には図示しないカラーフィルターが形成されるようにしてもよい。対向基板20の対向面上における、対向電極21上には、配向膜22が形成されている。
【0051】
尚、図1及び図2に示したTFTアレイ基板10上には、上述したサンプリング回路7や走査線駆動回路104等の駆動回路に加えて、複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。
【0052】
次に、本実施形態に係る電気光学装置の画素部の電気的な構成について、図3を参照して説明する。ここに図3は、本実施形態に係る電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。
【0053】
図3において、画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素の各々には、画素電極9a及びTFT30が形成されている。TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、本実施形態に係る電気光学装置の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給されるデータ線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0054】
TFT30のゲートには、走査線11が電気的に接続されており、本実施形態に係る電気光学装置は、所定のタイミングで、走査線11にパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して電気光学物質の一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0055】
液晶層50(図2参照)を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。
【0056】
ここで保持された画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21(図2参照)との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。蓄積容量70によれば、画素電極9aにおける電位保持特性が向上し、コントラスト向上やフリッカーの低減といった表示特性の向上が可能となる。
【0057】
次に、上述の動作を実現する画素部の具体的な構成について、図4及び図5を参照して説明する。ここに図4は、画素部の具体的な構成を透過的に示す平面図である。また図5は、図4のA−A’線断面図である。尚、図4及び図5では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。また図4では、説明の便宜上、半導体層より下層側及びデータ線より上層側の各層についての図示を省略している。
【0058】
図4及び図5において、TFT30は、半導体層1aと、ゲート電極3bとを含んで構成されている。
【0059】
半導体層1aは、例えばポリシリコンからなり、Y方向に沿ったチャネル長を有するチャネル領域1a’、データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1c並びにデータ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eからなる。即ち、TFT30はLDD構造を有している。
【0060】
データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、チャネル領域1a’を基準として、Y方向に沿ってほぼミラー対称に形成されている。データ線側LDD領域1bは、チャネル領域1a’及びデータ線側ソースドレイン領域1d間に形成されている。画素電極側LDD領域1cは、チャネル領域1a’及び画素電極側ソースドレイン領域1e間に形成されている。データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1c、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eは、例えばイオンインプランテーション法等の不純物打ち込みによって半導体層1aに不純物を打ち込んでなる不純物領域である。データ線側LDD領域1b及び画素電極側LDD領域1cはそれぞれ、データ線側ソースドレイン領域1d及び画素電極側ソースドレイン領域1eよりも不純物の少ない低濃度な不純物領域として形成されている。このような不純物領域によれば、TFT30の非動作時において、ソース領域及びドレイン領域間に流れるオフ電流を低減し、且つTFT30の動作時に流れるオン電流の低下を抑制できる。尚、TFT30は、LDD構造を有することが好ましいが、データ線側LDD領域1b、画素電極側LDD領域1cに不純物打ち込みを行わないオフセット構造であってもよいし、ゲート電極をマスクとして不純物を高濃度に打ち込んでデータ線側ソースドレイン領域及び画素電極側ソースドレイン領域を形成する自己整合型であってもよい。
【0061】
ゲート電極3bは、例えば導電性ポリシリコンから形成されており、部分的に半導体層1aのチャネル領域1a’と対向するように形成されている。ゲート電極3b及び半導体層1a間は、ゲート絶縁膜2によって絶縁されている。また、ゲート電極3bと同層には、第1中継層91が形成されている。
【0062】
図5において、TFTアレイ基板10上のTFT30よりも下地絶縁膜12を介して下層側には、走査線11が設けられている。走査線11は、例えば、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等の遮光性材料からなる。走査線11は、TFTアレイ基板10における裏面反射や、複板式のプロジェクター等で他の液晶装置から発せられ合成光学系を突き抜けてくる光などである、TFTアレイ基板10側から装置内に入射する戻り光から、TFT30のチャネル領域1a’及びその周辺を遮光する下側遮光膜としても機能する。
【0063】
図4において、走査線11は、コンタクトホール82a及び82bを介してゲート電極3bと電気的に接続されている。これにより、ゲート電極3bには、走査線11によって伝達されるゲート信号が供給される。
【0064】
図5において下地絶縁膜12は、走査線11からTFT30を層間絶縁する機能の他、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用TFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。
【0065】
TFTアレイ基板10上のTFT30よりも第1層間絶縁膜41を介して上層側には、蓄積容量70が設けられている。蓄積容量70は、下部容量電極71と上部容量電極72が誘電体膜75を介して対向配置されることにより形成されている。
【0066】
上部容量電極72は、後述する容量線300を介して定電位源と電気的に接続され、固定電位に維持された固定電位側容量電極である。上部容量電極72は、例えばAl(アルミニウム)、Ag(銀)等の金属又は合金を含んだ非透明な金属膜から形成されており、TFT30を遮光する上側遮光膜(内蔵遮光膜)としても機能する。尚、上部容量電極72は、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等から構成されていてもよい。この場合には、上部容量電極72の内臓遮光膜としての機能を高めることができる。
【0067】
下部容量電極71は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域1e及び画素電極9aに電気的に接続された画素電位側容量電極である。より具体的には、下部容量電極71は、コンタクトホール83を介して画素電極側ソースドレイン領域1eと電気的に接続されると共に、コンタクトホール84を介して第1中継層91に電気的に接続されている。第1中継層91は、コンタクトホール85を介して第2中継層92に電気的に接続されている。第2中継層92は、コンタクトホール86を介して第3中継層93に電気的に接続されている。第3中継層93は、コンタクトホール87を介して画素電極9aに電気的に接続されている。即ち、下部容量電極71は、第1中継層91、第2中継層92及び第3中継層93と共に、画素電極側ソースドレイン領域1e及び画素電極9a間の電気的な接続を中継する。尚、下部容量電極71は、画素電位側容量電極としての機能の他、上側遮光膜としての上部容量電極71とTFT30との間に配置される、光吸収層或いは遮光膜としての機能も有する。
【0068】
誘電体膜75は、例えばHTO(High Temperature Oxide)膜、LTO(Low Temperature Oxide)膜等の酸化シリコン(SiO2)膜、或いは窒化シリコン(SiN)膜等から構成された単層構造、或いは多層構造を有している。
【0069】
TFTアレイ基板10上の蓄積容量70よりも第2層間絶縁膜42を介して上層側には、データ線6a、第2中継層92が設けられている。
【0070】
データ線6aは、半導体層1aのデータ線側ソースドレイン領域1dに、第1層間絶縁膜41、第2層間絶縁膜42及び第3層間絶縁膜43を貫通するコンタクトホール81を介して電気的に接続されている。データ線6a及びコンタクトホール81内部は、例えば、Al−Si−Cu、Al−Cu等のAl(アルミニウム)含有材料、又はAl単体、若しくはAl層とTiN層等との多層膜からなる。データ線6aは、TFT30を遮光する機能も有している。
【0071】
第2中継層92は、第3層間絶縁膜43上においてデータ線6aと同層に形成されている。データ線6a及び第2中継層92は、例えば金属膜等の導電材料で構成される薄膜を、第3層間絶縁膜43上に薄膜形成法を用いて形成しておき、当該薄膜を部分的に除去、即ちパターニングすることによって相互に離間させた状態で形成される。このように、データ線6a及び第2中継層92を同一工程で形成すれば、装置の製造プロセスを簡便にできる。
【0072】
TFTアレイ基板10上のデータ線6aよりも第3層間絶縁膜43を介して上層側には、容量線300及び第3中継層93が設けられている。
【0073】
容量線300は、例えばアルミニウム等の金属を含んで構成されており、上述したように、上部容量電極に対して固定電位を供給する。一方で、容量線300と同層に形成された第3中継層93は、半導体層1aにおける画素電極側ソースドレイン領域1eと画素電極9aとの電気的導通を中継している。
【0074】
画素電極9aは、容量線300よりも第4層間絶縁膜44を介して上層側に形成されている。画素電極9aは、第3中継層93,第2中継層92,第1中継層、及び下部容量電極71を介して半導体層1aの画素電極側ソースドレイン領域1eに電気的に接続されている。画素電極9aと第3中継層93とを電気的に接続するコンタクトホール87は、第5層間絶縁層45を貫通するように形成された孔部の内壁にITO等の画素電極9aを構成する導電材料が成膜されることによって形成されている。画素電極9aの上側表面には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜が設けられている。
【0075】
上述した画素部の構成は各画素部に共通であり、画像表示領域10a(図1参照)には、かかる画素部が周期的に形成されている。
【0076】
次に、本実施形態に係る電気光学装置の周辺領域(即ち、画像表示領域10aの周囲に位置する領域)の構成について、図6から図9を参照して説明する。ここに図6は、実施形態に係る電気光学装置の周辺領域の構成を示す平面図であり、図7は、制御信号配線及び定電位配線の具体的な構成を示す部分拡大図である。また図8は、比較例に係る電気光学装置において発生する寄生容量を配線毎に示すグラフであり、図9は、本実施形態に係る電気光学装置において発生する寄生容量を配線毎に示すグラフである。
【0077】
図6において、TFTアレイ基板10の一辺には、複数の外部回路接続端子102が配列されており、外部回路から出力された各種信号が入力される。具体的には、図の右から順に、共通電位LCCOM、制御信号SEL1〜SEL8、画像信号VID1〜VID244、電源電位VSS及びVDD、イネーブル信号ENBY1及びENBY2、転送方向制御信号DIRY、クロック信号の反転信号CLYB、クロック信号CLY、スタート信号DY、共通電位LCCOMが夫々供給される。
【0078】
共通電位LCCOMは、容量線300を介して上部容量電極72(図5参照)に供給される。これにより、各画素において蓄積容量70が形成される。
【0079】
制御信号SEL1〜SEL8は、制御信号配線170を介して、サンプリング回路7を構成するサンプリングスイッチ77のゲートへと供給される。サンプリングスイッチ77は、制御信号SEL1〜SEL8に応じてオンオフが切替えられる。
【0080】
画像信号VID1〜VID224は、画像信号配線150を介して、サンプリング回路7を構成するサンプリングスイッチ77のソースへと供給される。画像信号は、サンプリングスイッチ77がオンとされた場合に、サンプリングスイッチのドレイン側からデータ線6bへと出力される。
【0081】
尚、本実施形態に係る電気光学装置では、複数のデータ線6aに対応する画像信号が一の画像信号配線150によってまとめて供給される。まとめて供給された画像信号は、サンプリングスイッチ77のオンオフが切替えられることによって、供給されるべきデータ線6bへと振り分けられる。
【0082】
電源電位VSS及びVDD、イネーブル信号ENBY1及びENBY2、転送方向制御信号DIRY、クロック信号の反転信号CLYB、クロック信号CLY、スタート信号DYは、それぞれ走査線駆動回路104へと供給される。
【0083】
ここで本実施形態では特に、制御信号線170に沿うように定電位配線200a及び200bが設けられている。定電位配線200a及び200bには、走査線駆動回路104に供給される電源電位VSSが、定電位供給線201から供給されている。よって、定電位配線200a及び200bは定電位とされている。更に、定電位配線200aには、定電位供給線202からも電源電位VSSが供給されている。このように複数箇所から定電位が供給されるようにすれば、定電位配線200aにおける配線抵抗等による電位変動を抑制することができる。
【0084】
定電位配線200aは、制御信号配線170とサンプリング回路7周辺の画像信号配線150との間に発生する寄生容量を低減させるシールドとして機能する。定電位配線200bは、制御信号配線170と各サンプリングスイッチ77に対して枝分かれする前の画像信号配線150との間に発生する寄生容量を低減させるシールドとして機能する。
【0085】
配線間に発生する寄生容量は、例えば表示画像におけるゴースト等、表示上の不具合の原因となるおそれがある。これに対し本実施形態に係る電気光学装置では、制御信号配線170と画像信号配線150との間に定電位配線200a及び200bが設けられているため、寄生容量に起因する表示上の不具合を好適に防止することができる。
【0086】
また、定電位配線200a及び200bには、制御信号配線170とは逆方向から定電位が供給されている。具体的には、制御信号SEL1〜8が図の右から左に流れるように供給されるのに対し、定電位VSSは、図の左方向から供給される。このようにすれば、制御信号配線170における制御信号SEL1〜8の電位が比較的変動し易い末端側(即ち、図の左側)において、定電位配線200a及び200bは定電位VSSを保持し易くなる。従って、定電位配線200a及び200bのシールドとしての機能をより効率的に発揮させることが可能となる。
【0087】
図7において、定電位配線200aと制御信号SEL1が供給される制御信号配線170との距離L1は、互いに隣り合う制御信号配線170同士の距離L2と同じになるように設けられている。同様に、定電位配線200bと制御信号SEL8が供給される制御信号配線170との距離L3は、距離L2と同じになるように設けられている。
【0088】
複数の制御信号配線170が並んで設けられる場合、互いに隣り合う制御信号配線170間には、少なからず寄生容量が発生してしまう。ここで仮に、上述した定電位配線200a及び200bが設けられていないとすると、両端の制御信号配線(即ち、制御信号SEL1及びSEL8が供給される配線)と、両端以外の制御信号配線(即ち、制御信号SEL2からSEL7が供給される配線)とでは、発生する寄生容量が互いに異なる値となる。よって、各制御信号配線170で、発生する寄生容量にばらつきが生じてしまうおそれがある。
【0089】
具体的には図8に示すように、片側にしか制御信号配線170が存在しない配線(即ち、制御信号SEL1及びSEL8が供給される配線)では寄生容量が比較的小さくなり、両側に制御信号配線が存在する配線(即ち、制御信号SEL2からSEL7が供給される配線)では寄生容量が比較的大きくなる。
【0090】
しかるに本実施形態に係る電気光学装置では、制御信号配線170の両端に定電位配線200a及び200bが設けられている。よって、制御信号SEL1が供給される制御信号配線170は、一方にSEL2が供給される制御信号配線170、他方に定電位配線200aが存在する状態となる。また、制御信号SEL8が供給される制御信号配線170は、一方にSEL7が供給される制御信号配線170、他方に定電位配線200bが存在する状態となる。即ち、両端の制御信号配線170及び両端以外の制御信号配線170の周囲の配線状況が互いに近付けられる。従って、寄生容量のばらつきを小さくすることができる。
【0091】
具体的には図9に示すように、片側にしか制御信号配線170が存在しない配線(即ち、制御信号SEL1及びSEL8が供給される配線)の寄生容量が大きくされ、グラフは直線に近づく。寄生容量のばらつきを小さくすることにより、例えば系列スジ等の表示上の不具合を抑制することができる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態に係る電気光学装置では、配線間に発生する寄生容量が低減されると共にばらつきが小さくされることで、表示上の様々な不具合を抑制することができる。従って、高品質な画像を表示することが可能である。
【0093】
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。ここに図10は、プロジェクターの構成例を示す平面図である。以下では、この液晶装置をライトバルブとして用いたプロジェクターについて説明する。
【0094】
図10に示されるように、プロジェクター1100内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット1102が設けられている。このランプユニット1102から射出された投射光は、ライトガイド1104内に配置された4枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によってRGBの3原色に分離され、各原色に対応するライトバルブとしての液晶パネル1110R、1110B及び1110Gに入射される。
【0095】
液晶パネル1110R、1110B及び1110Gの構成は、上述した液晶装置と同等であり、画像信号処理回路から供給されるR、G、Bの原色信号でそれぞれ駆動されるものである。そして、これらの液晶パネルによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向から入射される。このダイクロイックプリズム1112においては、R及びBの光が90度に屈折する一方、Gの光が直進する。従って、各色の画像が合成される結果、投射レンズ1114を介して、スクリーン等にカラー画像が投写されることとなる。
【0096】
ここで、各液晶パネル1110R、1110B及び1110Gによる表示像について着目すると、液晶パネル1110Gによる表示像は、液晶パネル1110R、1110Bによる表示像に対して左右反転することが必要となる。
【0097】
尚、液晶パネル1110R、1110B及び1110Gには、ダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルターを設ける必要はない。
【0098】
尚、図10を参照して説明した電子機器の他にも、モバイル型のパーソナルコンピュータや、携帯電話、液晶テレビや、ビューファインダー型、モニタ直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器に適用可能なのは言うまでもない。
【0099】
また、本発明は上述の各実施形態で説明した液晶装置以外にも反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
【0100】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、及び該電気光学装置を備えた電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
1a…半導体層、3b…ゲート電極、6a…データ線、7…サンプリング回路、9a…画素電極、10…TFTアレイ基板、10a…画像表示領域、11…走査線、20…対向基板、30…TFT、50…液晶層、70…蓄積容量、77…サンプリングスイッチ、102…外部回路接続端子、104…走査線駆動回路、150…画像信号配線、170…制御信号配線、200a,200b…定電位配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素領域に、
データ線と、
前記データ線と交差する走査線と、
前記画素領域の周囲に位置する周辺領域に、
前記データ線に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記スイッチング素子に制御信号を供給する制御信号配線と、
前記スイッチング素子に画像信号を供給する画像信号配線と、
前記制御信号配線と前記画像信号配線との間に、定電位が供給される定電位配線と
を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記定電位配線に前記定電位を供給する定電位供給線を備え、
前記定電位配線は、前記定電位供給線と複数箇所で互いに電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記定電位配線は、前記定電位として、前記走査線を駆動する走査線駆動回路に供給される電源電位が供給されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記制御信号配線は、複数並んで設けられており、
前記定電位配線は、複数の前記制御信号配線のうち、端に位置する前記制御信号配線に沿うように設けられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記定電位配線は、前記端に位置する前記制御信号配線との距離が、互いに隣り合う前記制御信号配線間の距離と同じになるように設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記定電位配線は、前記制御信号配線に前記制御信号が供給される一端とは反対側の他端側に位置する端部から、前記定電位が供給されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−191476(P2011−191476A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57134(P2010−57134)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】