説明

電気錠システム

【課題】共用施設の管理を円滑に行うことができる集合住宅管理システムを提供する。
【解決手段】
各住戸及び集合住宅内の各共用施設において、出入扉の施解錠を行う電気錠4と、住人及び訪問者から提示された個別情報を読み取り認証することで電気錠を解錠する個別情報読取装置1とをそれぞれ備えた集合住宅管理システムであって、個別情報読取装置1と接続しており、外部からのアクセスを受けることで共用施設の予約管理を行う管理サーバSを更に備えており、管理サーバSは、個別情報を受けることで個別情報に対応した共用施設の予約を受け付けるものであり、共用施設に備えられた個別情報読取装置1は、管理サーバSで予約された個別情報を読み取った場合には、電気錠4を解錠するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、集合住宅に導入される集合住宅管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特開2007−133646号公報(特許文献1)に示されるように、集合住宅内の共用施設の予約管理を行う集合住宅管理システムは知られている。このシステムは、集会場、フィットネス施設等の共用施設を利用するにあたり、居住者が予約した時間帯が制御機の記憶手段に記憶され、この記憶手段に記憶された予約時間帯において、共用施設に設けられた防犯センサの監視状態を解除できるものである。
【特許文献1】特開2007−133646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来例のような共用施設の予約管理を行うシステムにおいては、共用施設の鍵の管理が必要となる。通常、鍵の管理の方法としては、管理人が共用施設の鍵を所持して、予約した居住者が管理人室を訪れた際に鍵の受け渡しをするという方法があるが、この場合は、使用前後には必ず管理人との鍵の受け渡しが必要となり、予約が多い時になると、管理人は常に管理人室にいなければならなくなり不便な方法である。鍵の管理を居住者に託す方法もあるが、この場合は、居住者同士のもめ事の原因となる可能性があり、更には、鍵の紛失の可能性も高くなるため好ましい方法ではない。
【0004】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、共用施設の管理を円滑に行うことができる集合住宅管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、各住戸及び集合住宅内の各共用施設において、出入扉の施解錠を行う電気錠と、住人及び訪問者から提示された個別情報を読み取り認証することで電気錠を解錠する個別情報読取装置とをそれぞれ備えた集合住宅管理システムであって、個別情報読取装置と接続しており、外部からのアクセスを受けることで共用施設の予約管理を行う管理サーバを更に備えており、管理サーバは、個別情報を受けることで個別情報に対応した共用施設の予約を受け付けるものであり、共用施設に備えられた個別情報読取装置は、管理サーバで予約された個別情報を読み取った場合には、電気錠を解錠するようにしたことを特徴としている。
【0006】
また、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の集合住宅管理システムにおいて、各住戸及び共用施設にはインターホン親機を備え、各々のインターホン親機は信号線を介してロビーインターホンに接続されており、インターホン親機とロビーインターホンとの間で通話を行えるようにした集合住宅管理システムであって、各住戸及び共用施設において個別情報読取装置はインターホン親機に接続しており、管理サーバは、前記信号線を介し複数のインターホン親機を通じて個別情報読取装置に接続していることを特徴としている。
【0007】
また、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の集合住宅管理システムにおいて、管理サーバは、時間帯を指定して共用施設の予約を受け付けることができ、共用施設に設けられた個別情報読取装置は、時間帯を指定して予約された個別情報を読み取った場合は、指定された時間帯にのみ電気錠を解錠するようにしたことを特徴としている。
【0008】
また、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1〜3いずれか一項に記載の集合住宅管理システムにおいて、管理サーバは、解錠回数を指定して共用施設の予約を受け付けることができ、共用施設に設けられた個別情報読取装置は、解錠回数を指定して予約された個別情報を読み取った場合は、指定された解錠回数に限定して電気錠を解錠するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本願請求項1記載の集合住宅管理システムにおいては、個別情報に対応して共用施設の予約をすることで、各住戸扉の解錠に用いられている個別情報をそのまま共用施設の解錠に用いることができるため、共用施設の利用者は共用施設専用の鍵を所持する必要がなく、煩わしい鍵の管理が必要のない便利なシステムとなる。
【0010】
また、本願請求項2記載の集合住宅管理システムにおいては、インターホン親機とロビーインターホンとを信号線で接続した既存のシステムを利用して、管理サーバにアクセスすることが可能なため、新たな配線がほとんど必要なく低コストにシステムを構成することができる。
【0011】
また、本願請求項3記載の集合住宅管理システムにおいては、時間帯を指定して共用施設の予約をすることが可能であり、指定された時間帯にのみ共用施設の電気錠を解錠するため、指定時間を過ぎると予約に用いた個別情報での共用施設の解錠が自動的に不能となり、予約に用いた個別情報がいつまでも共用施設の解錠に利用できるという事態を確実に防止することができる。
【0012】
また、本願請求項4記載の集合住宅管理システムにおいては、請求項3記載の効果と同様に、指定解錠回数を超えると、予約に用いた個別情報での共用施設の解錠が自動的に不能となり、予約に用いた個別情報がいつまでも共用施設の解錠に利用できるという事態を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施形態である集合住宅管理システムの概略構成の一例を示している。この集合住宅管理システムは、各住戸の玄関先に設置されたドアホン子器3が接続されたインターホン親機2と、管理室等に設置された警報監視盤5と、共同玄関等に設置されたロビーインターホン6とを備えて構成されている。また、この集合住宅には、住人が共用で利用できるゲストルーム、パーティールーム、会議室、シアタールーム等の共用施設を備えており、共用施設にもインターホン親機2が備えられている。
【0014】
集合住宅の適所には警報監視盤5に繋がる伝送線Lが設けられており、伝送線L上に設けられた分岐器7から分岐して各住戸及び共用施設のインターホン親機2が接続されている。この伝送線Lは、制御線、通話線、映像線で構成されており、後述する個別情報等の伝送を行っている。
【0015】
また、警報監視盤5は、ルータやゲートウェイ等の外部ネットワーク接続部Gを介してインターネット等の外部ネットワークNに接続しており、付与されているIPアドレスに基づいて後述する管理サーバSと接続している。ここで、本実施形態において、管理サーバSは外部ネットワークN上に存在することで、複数の集合住宅の管理を行うものであるが、各集合住宅の警報監視盤5に直接接続しており、一の集合住宅のみを管理するものであってもよい。
【0016】
この集合住宅管理システムは、マンションや社宅等の集合住宅用として用いられる他、オフィスビルにも適用可能であるが、本実施例では主にマンションに用いられる場合を想定して説明する。また集合住宅管理システムの構成は、図に示すものに限定されず、例えばインターホン親機2をガス漏れ報知機能等を備えた住宅情報盤としてもよく、またインターホン親機2に副親機(不図示)を備えたものやドアホン子器3とインターホン親機2とはカメラ部、モニタ部を備えていないものも適用可能である。更にドアホン子器3とインターホン親機2とはハンズフリー通話できる構成としてもよい。
【0017】
各住戸及び共用施設内に設置されたインターホン親機2は、分岐器7を介して、伝送線Lを通じて警報監視盤5及びロビーインターホン6と接続されており、インターホン親機2は、ロビーインターホン6及び警報監視盤5と、相互に通話可能としている。また、インターホン親機2は、警報監視盤5を通じて外部ネットワークNに接続する外部ネットワーク接続手段を有しており、外部ネットワークNに接続することで、管理サーバSにアクセスすることができる。そして、管理サーバSにアクセスすることで後述する共用施設の予約を行うことができる。またインターホン親機2は、ドアホン子器3と、制御線、通話線、映像線で成された伝送線Lで接続され、相互に通話可能としている。
【0018】
そして、各住戸及び共用施設の玄関先には、上記ドアホン子器3が設置されるとともに、個別情報読取装置1が設けられ、インターホン親機2と接続されている。この個別情報読取装置1は、玄関扉D(出入扉)に設けられた電気錠4を制御するものであり、住人及び訪問者から提示された個別情報を読み取り認証することで、電気錠4を施錠或いは解錠する制御をおこなっている。
【0019】
ここで、個別情報としては、非接触型或いは接触型のカードキーに格納されたIDコードや、指紋情報、静脈情報、虹彩情報等の生体情報等の種々の情報を用いることができるが、本実施形態では、カードキーに収納される非接触型のICチップに格納されたIDコードを用いることとする。このカードキーは、各住戸の住人が自住戸の電気錠4を解錠させるために少なくとも一つずつ所持しており、カードキー毎に異なるIDコードが格納されている。本発明は、このような住戸の電気錠4解錠に用いられているカードキーを共用施設の解錠にも利用できるようにしたことに特徴がある。
【0020】
図2は、本発明の集合住宅管理システムで用いられるインターホン親機2と個別情報読取装置1の基本構成の一例を示す図である。インターホン親機2は、全体の制御を行う制御部21と、伝送線Lが接続されることで制御、映像、音声等の各信号を受信する接続部22と、ドアホン子器3やロビーインターホン6からの映像を映し出し液晶表示器等で構成されたモニタ24Mと、入力された映像信号を制御しモニタ23Mに映像信号を出力して表示させる映像処理部24と、ドアホン子器3やロビーインターホン6、警報監視盤5との相互通話ができるよう制御をする通話処理部23と、通話処理部に接続され音声を入出力するマイク23M及びスピーカ23Sと、各種操作キー等で構成された操作部25と、各種プログラム等が記憶された記憶部26とを備えている。そして、インターホン親機2は、接続部22を介して警報監視盤5や、ドアホン子器3、個別情報読取装置1と伝送線Lで接続されている。
【0021】
ここで、制御部21と、接続部22と、操作部25とで、外部ネットワーク接続手段が構成されており、インターホン親機2の操作部25を操作することで、伝送線Lを介して警報監視盤5を通じて外部ネットワークNに接続することができる。
【0022】
個別情報読取装置1は、全体の制御及びIDコードの照合を行う制御部11と、インターホン親機2及び電気錠4を接続する接続部12と、カードキーをかざすことでカードキーに格納されたIDコードを読み取る個別情報読取部13と、電気錠4の施解錠を許可するIDコードが記憶された個別情報記憶部14とを備えている。個別情報記憶部14には、例えば、その住戸の住人に割り当てられたIDコードや管理人が所有するIDコード等が、電気錠4の施解錠を許可するIDコードとして記憶されている。そして、制御部11は個別情報読取部13で読み取られたIDコードを、個別情報記憶部14に記憶されたIDコードと照合し、施解錠が許可されたIDコードである場合は、電気錠4に制御信号を伝送し施錠或いは解錠を制御する。
【0023】
図3は、警報監視盤5及びロビーインターホン6の基本構成の一例を示す図であり、警報監視盤5は、全体の制御を行う制御部51と、種々の操作を行う操作部56と、伝送線Lが接続され各種信号を伝送するための接続部52と、管理サーバSから受信した予約テーブル等が記憶される記憶部57と、住戸や共用施設における異常発生を報知するための警報音や警報メッセージを生成してスピーカ(不図示)から送出する警報音生成部55と、操作部57で指定された住戸番号等を表示する表示部54と、通話部53とを備えている。
【0024】
ロビーインターホン6は、全体の制御を行う制御部61と、伝送線Lを介して警報監視盤5に接続される接続部62と、住戸番号を指定するための番号キーや呼出釦を有する操作部65と、来客者を撮影するカメラと、カメラでの撮影によって形成された映像信号を制御する映像処理部64と、呼出先のインターホン親機2若しくは警報監視盤5との間でマイクとスピーカを使用したハンズフリー通話をするための通話処理部63と、各種プログラムが記憶される記憶部66と、操作部65で指定された住戸番号等を表示する表示部67とを備えている。
【0025】
このロビーインターホン6は、来客者や集合住宅の住人は、操作部65を操作すると、住戸番号に対応したインターホン親機2を選択したことになり、ロビーインターホン6と伝送線Lで接続された警報監視盤5へ選択された住戸番号が送信され、警報監視盤5から住戸番号に対応する住戸のインターホン親機2に対して、呼出元のロビーインターホン6に割り当てられている固有アドレスが付加された制御信号(呼出コマンド)が送信される構成としている。
【0026】
管理サーバSは、集合住宅内の共用施設の予約を管理するものであり、図4に例示す予約テーブルが記憶されている。この予約テーブルは、予約された集合住宅を識別する集合住宅コード及び共用施設を識別する施設コードと、予約者の所持するIDコード、住戸番号及び氏名と、予約日と、予約時間帯と、許可される解錠回数とが対応付けて記録されており、インターホン親機2及び警報監視盤5からのアクセスを受けて更新されている。そして、更新された予約テーブルは、集合住宅コードに応じて各集合住宅へと送信される。なお、管理サーバSへのアクセスは、パーソナルコンピュータ等の電子機器から直接外部ネットワークNに接続して行うことも可能である。
【0027】
ここで、共用施設の予約方法として、予約時間帯を指定する方法、解錠回数を指定する方法、両者を組み合わせて予約する方法の3通りがある。予約時間帯を指定した場合は、指定した時間帯にのみ共用施設の電気錠4を解錠することができる。解錠回数を指定した場合は、予約時間帯にかかわらず指定した解錠回数だけ電気錠4の解錠が可能となる。通常、集合住宅の住人が共用施設を利用する際の予約としては、時間帯を指定することが考えられる。一方、宅配業者等のように一時的に共用施設を解錠するのみの場合は、解錠回数を1回に指定して、解錠に訪れる目安の時間帯を指定することが望ましい。この場合、共用施設に配達に来た宅配業者は、指定された時間帯で、且つ、1回に限って共用施設の解錠ができることになる。このように、予約方法を複数設けることで、共用施設の様々な用途に対応した予約管理を行うことができる。
【0028】
以下、この集合住宅管理システムにおける共用施設の予約方法について、図5を用いて具体的に説明する。まず、予約者は、インターホン親機2、警報監視盤5、パーソナルコンピュータ等の電子機器を操作することにより、管理サーバSにアクセスし、利用したい集合住宅コードや施設コード、所持するカードキーに記憶されたIDコード、予約日、予約時間帯を入力して管理サーバSに予約申し込みをする。管理サーバSは、IDコードの入力を受けること、予約者の住戸番号、氏名を特定することができる。
【0029】
予約受付をした管理サーバSは、管理サーバSの管理者によりその予約が許可された場合には、予約テーブルを更新する(S11〜S13)。この時に、管理者によって解錠回数を指定するようにしてもよいし、予約者により入力された解錠回数を許可するようにしてもよい。なお、予約許可のプロセスS12については、不要の場合は省くことも可能である。そして、予約された集合住宅コードに対応する集合住宅に対して更新された予約テーブルを送信する(S14)。
【0030】
更新された予約テーブルは集合住宅の警報監視盤5で受信され、受信した集合住宅の管理人等によって更新された予約を許可するか否かがチェックされる(S21、S22)。前述した解錠回数の指定及び許可は、ここで行ってもよい。なお、このプロセスS22についても、不要であれば省くことも可能である。そして、予約が許可された場合は、警報監視盤5の記憶部57に記憶された予約テーブルが更新され、更新された予約テーブルは、対応する共用施設に備えられたインターホン親機2へと送信される(S23、S24)。インターホン親機2は、受信した予約テーブルをそのまま個別情報読取装置1へと送信し(S31、S32)、 最後に、予約テーブルを受信した個別情報読取装置1が個別情報記憶部26に記憶された予約テーブルを更新することで共用施設の予約は完了する(S41、S42)。
【0031】
なお、一連の予約操作は、当然にして、管理人が警報監視盤5或いは、電子機器を操作して行うこともできるため、住人から申し出のあった際に、管理人が代行して予約操作を行うようにしてもよい。また、外部の宅配業者が共用施設に荷物を配達する際には、予め宅配業者に外部業者用のカードキーを所持させて、管理人或いは住人が予約操作を行うか、或いは、宅配業者が外部から直接管理サーバSにアクセスして予約を行い、その予約を管理人が許可するようにしてもよい。
【0032】
次に、予約された共用施設を利用する際の電気錠4の解錠動作について説明する。共用施設の利用予約を行った住人は、共用施設の玄関先に備えられた個別情報読取装置1に予約したIDコードが格納されたカードキーをかざすことで、玄関扉Dに設けられた電気錠4の解錠動作を行う。個別情報読取装置1は、かざされたカードキーからIDコードを読み取り、個別情報記憶部14に記憶された予約テーブルを参照して、IDコードの照合を行う。そして、読み取られたIDコードが予約されたIDコードであり、且つ、予約時間帯であり予約解錠回数内である場合には、電気錠4を解錠する。
【0033】
ここで、個別情報読取装置1は、予約テーブルに対応して累積解錠回数を記録している。したがって、読み取ったIDコードに対応する予約解錠回数と累積解錠回数とを比較して、累積解錠回数が予約解錠回数未満であれば、解錠回数に対する解錠条件を満たすことになる。そして、電気錠4を解錠した後は、個別情報読取装置1は解錠したIDコードに対応する累積解錠回数を1回分増加させて個別情報記憶部14に記憶する。
【0034】
したがって、この実施形態の集合住宅管理システムにおいては、個別情報に対応して共用施設の予約をすることで、各住戸扉の解錠に用いられている個別情報をそのまま共用施設の解錠に用いることができるため、共用施設の利用者は共用施設専用の鍵を所持する必要がなく、煩わしい鍵の管理が必要のない便利なシステムとなる。
【0035】
また、共用施設の予約に際しては、各住戸に設けられたインターホン親機2から管理サーバSへとアクセスすることで、共用施設の予約を行うことができるため便利なシステムとなる。更に、インターホン親機2とロビーインターホン6とを信号線で接続した既存のシステムを利用して、管理サーバSにアクセスすることが可能なため、新たな配線がほとんど必要なく低コストにシステムを構成することができる。
【0036】
また、時間帯を指定して共用施設の予約をすることが可能であり、指定された時間帯にのみ共用施設の電気錠4を解錠するため、指定時間を過ぎると予約に用いた個別情報での共用施設の解錠が自動的に不能となり、予約に用いた個別情報がいつまでも共用施設の解錠に利用できるという事態を確実に防止することができる。更に、解錠回数を指定して予約することも可能であり、指定解錠回数を超えると、予約に用いた個別情報での共用施設の解錠が自動的に不能となり、予約に用いた個別情報がいつまでも共用施設の解錠に利用できるという事態を確実に防止することができる。そして、このように複数の予約方法が用意されているため、荷物の配達等の様々な用途に対応した予約管理を行うことができる。
【0037】
また、各住戸のインターホン親機2は警報監視盤5を介して外部ネットワークNに接続するため、警報監視盤5において外部ネットワークNへのアクセスを一括して管理することで、セキリュティの強固なシステムとすることができる。
【0038】
また、管理サーバSは、外部ネットワークN上に備えられているため、複数の共用施設に対応して予約管理を行うことができる。更に、集合住宅内に設置された機器(インターホン親機2、警報監視盤5)だけでなく、パーソナルコンピュータ等の電子機器からもアクセスが可能になるため、集合住宅外からも予約申し込みが可能となる。
【0039】
一方、管理サーバSは、各集合住宅の警報監視盤5に直接接続して、一の集合住宅のみを管理するものであってもよい。この場合は、共用施設の予約に際して、外部ネットワークNに接続する必要がないため、外部ネットワークNを介した情報漏洩等の問題が無いシステムとなる。
【0040】
また、本実施形態においては、予約テーブルを個別情報読取装置1の個別情報記憶部14に記憶する構成となっているため、読み取ったIDコードを素早く照合することが可能である。
【0041】
一方、他の実施形態として、予約テーブルはインターホン親機2の記憶部26に記憶させる構成として、個別情報読取装置1で読み取られたIDコードがインターホン親機2へと伝送され、インターホン親機2にて照合するものとしてもよい。更に別の実施形態にあっては、予約テーブルは警報監視盤5のみに記憶させて、警報監視盤5にてIDコードの照合を行う構成であってもよい。このような構成とすることで、図5の予約ステップのうち、S31〜S42の一部或いは全てを省くことができ、個別情報読取装置1の個別情報記憶部14の容量も削減できるため、安価なシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本願発明の第一の実施形態である集合住宅管理システムを示すシステム構成図。
【図2】同集合住宅管理システムにおけるインターホン親機及び個別情報読取装置を示すブロック図。
【図3】同集合住宅管理システムにおける警報監視盤及びロビーインターホンを示すブロック図。
【図4】同集合住宅管理システムにおける予約テーブルの一例を示す図。
【図5】同集合住宅管理システムにおける予約手順を示すフロー図。
【符号の説明】
【0043】
1 個別情報読取装置
2 インターホン親機
3 ドアホン子器
4 電気錠
5 警報監視盤
6 ロビーインターホン
L 伝送線
D 玄関扉(出入扉)
S 管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各住戸及び集合住宅内の各共用施設において、出入扉の施解錠を行う電気錠と、住人及び訪問者から提示された個別情報を読み取り認証することで電気錠を解錠する個別情報読取装置とをそれぞれ備えた集合住宅管理システムであって、
個別情報読取装置と接続しており、外部からのアクセスを受けることで共用施設の予約管理を行う管理サーバを更に備えており、管理サーバは、個別情報を受けることで個別情報に対応した共用施設の予約を受け付けるものであり、共用施設に備えられた個別情報読取装置は、管理サーバで予約された個別情報を読み取った場合には、電気錠を解錠するようにしたことを特徴とする集合住宅管理システム。
【請求項2】
各住戸及び共用施設にはインターホン親機を備え、各々のインターホン親機は信号線を介してロビーインターホンに接続されており、インターホン親機とロビーインターホンとの間で通話を行えるようにした集合住宅管理システムであって、
各住戸及び共用施設において個別情報読取装置はインターホン親機に接続しており、管理サーバは、前記信号線を介し複数のインターホン親機を通じて個別情報読取装置に接続していることを特徴とする請求項1記載の集合住宅管理システム。
【請求項3】
管理サーバは、時間帯を指定して共用施設の予約を受け付けることができ、共用施設に設けられた個別情報読取装置は、時間帯を指定して予約された個別情報を読み取った場合は、指定された時間帯にのみ電気錠を解錠するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅管理システム。
【請求項4】
管理サーバは、解錠回数を指定して共用施設の予約を受け付けることができ、共用施設に設けられた個別情報読取装置は、解錠回数を指定して予約された個別情報を読み取った場合は、指定された解錠回数に限定して電気錠を解錠するようにしたことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の集合住宅管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−30230(P2009−30230A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192029(P2007−192029)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】