電池配線モジュール及び電池モジュール温度調整システム
【課題】単電池との間に熱がこもるのを防ぐ。
【解決手段】電池配線モジュール20は、正極及び負極の電極部(電極端子)12,13を有する複数の単電池11の隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー(接続部材)21と、複数のバスバー21を保持するものであって、複数の単電池11に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタ30と、単電池11と対向状をなす第1の面36と、単電池11と対向状をなすとともに第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37とを備える。
【解決手段】電池配線モジュール20は、正極及び負極の電極部(電極端子)12,13を有する複数の単電池11の隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー(接続部材)21と、複数のバスバー21を保持するものであって、複数の単電池11に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタ30と、単電池11と対向状をなす第1の面36と、単電池11と対向状をなすとともに第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池配線モジュール及び電池モジュール温度調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、正極および負極の電極端子を有する複数の単電池が並んで配置されている。このような電池モジュールにおいては、正極の電極端子(正極端子)および負極の電極端子(負極端子)とがバスバーで接続されることにより複数の単電池が電気的に接続されるようになっている。
複数の単電池を電気的に接続するために、例えば、特許文献1に記載されているような電池配線モジュールが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−8955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の電池配線モジュールは、バスバー、電圧検知線などの部材と、これらの部材を保持・収容するための合成樹脂製のプロテクタと、を備えており、全体として単電池における電極端子側の面に被せられるような形で組み付けられている。ここで、電極端子間を接続するバスバーには、通電時に大電流が流されるため、バスバーから生じる発熱量も大きなものとなる。このとき、単電池と電池配線モジュールとの間に熱がこもって高温になると、例えばプロテクタが熱によって軟化して変形が生じたり、また単電池の電池性能に悪影響が及ぶ、などの問題が生じるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、単電池との間に熱がこもるのを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池配線モジュールは、正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材と、複数の前記接続部材を保持するものであって、複数の前記単電池に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタと、前記単電池と対向状をなす第1の面と、前記単電池と対向状をなすとともに前記第1の面よりも前記単電池との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ前記単電池との間に通気空間を保有する第2の面とを備える。
【0007】
このようにすれば、複数の単電池の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材には、通電に伴って大きな電流が流れるため、生じる発熱量も大きなものとなる。その場合でも、第1の面よりも単電池との間の距離が相対的に大きな第2の面と単電池との間には、通気空間が保有されているから、この通気空間によって接続部材からの熱を放散させることができる。このように接続部材の放熱性が高められることで、単電池との間に熱がこもるのを防ぐことができ、例えばプロテクタが熱によって変形したり、単電池の電池性能に悪影響が及ぶ、などといった事態を防ぐことができる。
【0008】
本発明の電池配線モジュールの実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記接続部材に重ねられ電線の端末部に接続された検知端子が備えられ、前記プロテクタには、前記接続部材を保持する接続部材保持部と、前記検知端子に接続された前記電線が通される電線通し部とが設けられており、前記第1の面は、前記電線通し部に形成されるのに対し、前記第2の面は、前記接続部材保持部に形成されている。このようにすれば、検知端子に接続された電線には、検知用の信号が伝送されるので、流される電流の電流値が接続部材に比べてごく小さなものとなっている。従って、上記電線からの発熱量も小さいことから、プロテクタのうち電線が通される電線通し部に第1の面を形成するのが好ましい。これに対して、プロテクタのうち接続部材を保持する接続部材保持部には、単電池との間に通気空間を保有する第2の面を形成することで、接続部材から生じる大きな発熱量の熱を効率的に放散させることができる。
【0009】
(2)前記電線通し部における前記第1の面と前記接続部材保持部における前記第2の面とに連なるとともに、前記第1の面及び前記第2の面から前記単電池側に向けて突出する補強部が設けられており、前記補強部は、前記第2の面に連なる部分が、前記第1の面に連なる部分よりも、前記単電池との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されている。このようにすれば、補強部により第1の面を有する電線通し部と第2の面を有する接続部材保持部とからなるプロテクタの補強を図ることができる。補強部は、第1の面及び第2の面から単電池側に向けて突出するものの、第2の面に連なる部分が第1の面に連なる部分よりも単電池との間の距離が相対的に大きくなっているから、通気空間を確保する上で好適となり、十分な放熱性能を得ることができる。
【0010】
(3)前記補強部は、前記電線通し部から前記接続部材保持部に近づく方向に向けて前記単電池との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されている。このようにすれば、通気空間が接続部材保持部に近づくほど広くなるから、放熱性能をより向上させることができる。
【0011】
(4)少なくとも前記第2の面よりも前記単電池側に突出するとともに前記電線通し部との間で前記通気空間を挟み込む整流板が備えられている。このようにすれば、電線通し部との間で通気空間を挟み込む整流板によって通気空間内において流動する空気に整流作用を付与することができる。これにより、より高い放熱性能を得ることができる。
【0012】
(5)前記整流板は、複数の前記接続部材の並び方向に沿って延在する形態とされている。このようにすれば、通気空間内に存在する空気は、整流板によって複数の接続部材の並び方向に沿って流動されることになるから、複数の接続部材をより効率的に放熱させることができる。
【0013】
(6)前記整流板は、前記第1の面よりも前記単電池側に突出する形態とされる。このようにすれば、整流板によって通気空間内に存在する空気に付与される整流作用がより高いものとなるから、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0014】
(7)前記整流板は、前記プロテクタに一体形成されている。このようにすれば、仮に整流板をプロテクタとは別部品とした場合に比べると、第2の面に対する整流板の位置関係に位置ずれが生じることがないので、安定した整流性能を得ることができる。
【0015】
(8)前記プロテクタには、前記単電池側とは反対側から取り付けられることで、前記接続部材、前記検知端子及び前記電線を覆う蓋体が備えられており、前記整流板は、前記蓋体に一体形成されている。このようにすれば、プロテクタとして既存の構造のものを流用することができるから、低コスト化を図るのに好適となる。
【0016】
(9)前記プロテクタには、前記接続部材を保持するものであって、前記単電池側とは反対側に向けて立ち上がる側壁部を有する接続部材保持部が複数、間に前記通気空間に連通する連通空間を保有する形で並んで配されており、前記側壁部には、前記連通空間に開口する通気開口部が設けられている。このようにすれば、側壁部に設けた通気開口部及び連通空間を通して接続部材からの熱が通気空間へと効率的に放散されるから、放熱性能を一層向上させることができる。
【0017】
(10)前記プロテクタには、前記通気空間に連通されることで、送風装置からの送風を前記通気空間に導入可能な送風導入口が形成されている。このようにすれば、送風導入口を通して送風装置から通気空間に送風することで、通気空間に係る温度を適切に調整することができる。
【0018】
次に、上記課題を解決するために、本発明の電池モジュール温度調整システムは、上記記載の電池配線モジュールと、複数の単電池と、前記通気空間に送風可能な送風装置とを備える。
【0019】
このような電池モジュール温度調整システムによると、送風装置によって通気空間に送風することで、単電池及び電池配線モジュールに係る温度を適切に調整することができる。
【0020】
本発明の電池モジュール温度調整システムの実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記送風装置は、少なくとも冷気を送風可能とされる。このようにすれば、送風装置によって通気空間に冷気を送風することで、高い放熱性能が得られる。
【0021】
(2)前記送風装置は、冷気と暖気とを選択的に送風可能とされる。このようにすれば、接続部材の発熱を抑制する場合には、送風装置から通気空間に冷気を送風することで放熱を図るようにし、低温環境下において単電池が不活性化した場合には、送風装置から通気空間に暖気を送風することで単電池の活性化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、単電池との間に熱がこもるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1に係る電池モジュールの平面図
【図2】電池配線モジュールを組み付けた状態の平面図
【図3】バスバーの平面図
【図4】複数の単電池を並列配置した状態の平面図
【図5】プロテクタを構成する連結ユニットの平面図
【図6】プロテクタを構成する連結ユニットの底面図
【図7】単電池に電池配線モジュールを組み付ける前の状態を示す図2のvii-vii線断面図
【図8】単電池に電池配線モジュールを組み付けた後の状態を示す図2のvii-vii線断面図
【図9】単電池に電池配線モジュールを組み付ける前の状態を示す図2のix-ix線断面図
【図10】単電池に電池配線モジュールを組み付けた後の状態を示す図2のix-ix線断面図
【図11】単電池に電池配線モジュールを組み付ける前の状態を示す側面図
【図12】単電池に電池配線モジュールを組み付けた後の状態を示す側面図
【図13】本発明の実施形態2に係る電池モジュールの平面図
【図14】プロテクタにおける図13のxiv-xiv線断面図
【図15】プロテクタにおける図13のxv-xv線断面図
【図16】本発明の実施形態3に係る電池モジュールの側面図
【図17】本発明の実施形態4に係る電池モジュール温度調整システムの平面図
【図18】電池モジュール温度調整システムの側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図12によって説明する。本実施形態の電池配線モジュール20は、図1に示すように、単電池11が複数個並べられた単電池群に取り付けられて電池モジュール10を構成するものであって、この電池モジュール10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の駆動源として使用される。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下の記載は、図7から図12を基準とする。
【0025】
(電池モジュール)
電池モジュール10は、図1に示すように、例えば横並びに配列された複数個の単電池11(単電池群)と、複数個の単電池11に取り付けられる電池配線モジュール20とを備えて構成されている。
【0026】
(単電池)
単電池11は、図4に示すように、内部に図示しない発電要素が収容された直方体状の本体部11aと、本体部11aの所定の面(上面)から突出するとともにY軸方向に沿って前後に並んで配される正極または負極の電極部12,13と、同じく本体部上であって両電極部12,13の略中間位置に突出して設けられた電圧検知用の電極部14とを備えている。各電極部12,13,14は、角筒状のナット(四角ナット)からなり、中心にネジ孔が貫通形成され、その上下を除いた周縁は合成樹脂製の絶縁部材によって覆われた電極保持部12a,13a,14aとされている。
【0027】
複数個の単電池11は、隣り合う単電池11の前後方向(Y軸方向)の向きが互いに逆向きとなるようにX軸方向に沿って横並びに配置されることで、X軸方向について隣り合う電極部12,13の極性が異なる(正極と負極が単電池11の並び方向(X軸方向)について交互となる)構成とされている。これら複数個の単電池11は、図示しない保持板によって固定されている。
【0028】
(電池配線モジュール)
電池配線モジュール20は、図1及び図2に示すように、X軸方向について左右に隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー21(接続部材に相当する)と、各バスバー21に重ねられ単電池11の電圧を検知するための複数の電圧検知端子25と、電圧検知用の電極部14に重ねられ単電池11の電圧を検知するための複数の中間電圧検知端子26と、バスバー21及び各電圧検知端子25,26を収容する合成樹脂製のプロテクタ30とを備えている。
【0029】
(バスバー)
バスバー21は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなり、図3に示すように、隣り合う電極部12,13間の寸法に応じた長さの板状をなし、電極部12,13のネジ孔に連通する通し孔22が一対貫通形成されている。この通し孔22の形状は、接続方向(X軸方向、図3の左右方向)を長手方向とする長円形状をなしている。そして、バスバー21の接続方向に沿う側縁であって、通し孔22の前後両側となる位置には、被係合凹部23が切り欠き形成されている。
【0030】
(電圧検知端子)
各電圧検知端子25,26は、図1に示すように、一対の電圧検知端子25、または電圧検知端子25と中間電圧検知端子26により、それぞれ対応する電極部12,13,14に電気的に接続されることで、各単電池11における所望の電圧を検出する。まず、バスバー21上に重ね合わされる電圧検知端子25について説明すると、長方形状の平板部と、平板部から突出して設けられた圧着部を備え、圧着部には電圧検知用電線W1が圧着されている。平板部の中心部には、電極部12のネジ孔、及び通し孔22に連通する長円形状の挿通孔が貫通形成されている。
【0031】
一方、電圧検知用の電極部14に重ね合わされる中間電圧検知端子26は、図1及び図2に示すように、上述した電圧検知端子25の平板部よりもやや小さい矩形状の平板部と、平板部から突出して設けられた圧着部を備え、圧着部には電圧検知用電線W2が圧着されている。平板部の中心部には、電圧検知用の電極部14のネジ孔に連通する長円形状の挿通孔が貫通形成されている。
【0032】
これら各電圧検知端子25,26に接続された各電圧検知用電線W1,W2は、後述する電線通し部34内に集められて、図1のX軸方向についての右方となる位置に設けられた電池ECU(図示せず)に接続される。電池ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等を検出して、各単電池11の監視制御等を行うための機能を備えた周知の構成をなしている。
【0033】
(プロテクタ)
プロテクタ30は、図1に示すように、合成樹脂製とされる複数の連結ユニット31を相互に連結してなり、全体として単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って細長い、長手状をなしている。プロテクタ30には、単電池11に接続されるバスバー21及び各電圧検知端子25,26に加えて電線W1,W2が保持されるようになっている。詳しくは、プロテクタ30を構成する各連結ユニット31には、バスバー21を保持するバスバー保持部32と、中間電圧検知端子26を保持する中間保持部33と、電線W1,W2を保持する電線通し部34とが設けられている。バスバー保持部32には、バスバー21に重なる形で配される電圧検知端子25がバスバー21と共に保持される。
【0034】
(バスバー保持部32)
バスバー保持部32は、図1に示すように、プロテクタ30において単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って複数が並んで設けられていて1つの列をなしている。プロテクタ30には、このバスバー保持部32の列が一対、Y軸方向における外端位置にそれぞれ備えられている。言い換えると、プロテクタ30は、一対のバスバー保持部32の列の間に、中間保持部33及び電線通し部34がY軸方向について挟み込まれる配置構成となっている。X軸方向について隣り合うバスバー保持部32の間には、所定の連通空間S1が保有されており、この連通空間S1を横切る形で配される連結壁35によって隣り合うバスバー保持部32同士が連結されている。連結壁35は、隣り合うバスバー保持部32における側壁部32b同士を連結しており、Y軸方向について外端付近(電線通し部34側とは反対側の端部付近)に配されている。なお、上記連通空間S1は、X軸方向について隣り合うバスバー21間を絶縁する絶縁層として機能し得るものとされる。
【0035】
バスバー保持部32は、図1及び図7に示すように、収容されるバスバー21を受ける底壁部32aと、バスバー21を包囲する角筒状をなす側壁部32bとを有している。バスバー21は、バスバー保持部32に対してZ軸方向に沿って単電池11側とは反対側から収容されるようになっている。側壁部32bは、バスバー21と同様に長辺方向がX軸方向と、短辺方向がY軸方向とそれぞれ一致した、横長な長手状をなしており、その壁面がZ軸方向に並行している。底壁部32aは、前後方向(Y軸方向)に沿って延びる帯状をなしており、その両延出端部が側壁部32bにおける両長辺部分(X軸方向に沿って延びる部分)の略中央部に対して連結されている。つまり、底壁部32aは、横長なバスバー保持部32を中央位置にて仕切っており、仕切られた両側方の一対の空間がZ軸方向に沿って開口していてここが単電池11の正極または負極の電極部12,13が通される電極挿通口32cとなっている。また、側壁部32bには、電圧検知端子25の角部を嵌め入れるための端子保持凹部32dと、電圧検知端子25のバレル部を保持するとともにX軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に延出するバレル保持部32eとが形成されている。電圧検知端子25は、その軸線をバスバー21に対して傾けた姿勢でバスバー保持部32に保持されている。また、バレル保持部32eは、隣り合うバスバー保持部32の側壁部32bに連結されるとともに連結壁35と連通空間S1を挟んで対向状に配されている。
【0036】
プロテクタ30を構成する各連結ユニット31には、図5に示すように、上記した構成のバスバー保持部32と、分割バスバー保持部32Sとが設けられている。詳しくは、各連結ユニット31には、その長さ方向(X軸方向)の中央部にバスバー保持部32が1つ設けられるのに対し、長さ方向の両端部に2つの分割バスバー保持部32Sがそれぞれ設けられている。分割バスバー保持部32Sは、連結ユニット31において中央側に隣り合うバスバー保持部32側とは反対側の端部に配される分割底壁部32aSと、分割底壁部32aS側の端部が開放された角筒状をなす分割側壁部32bSとからなり、分割底壁部32aS及び分割側壁部32bSにより囲まれた空間が1つの電極挿通口32cとなっている。分割バスバー保持部32Sは、複数の連結ユニット31同士を組み付けたときに、隣り合う連結ユニット31が有する分割バスバー保持部32Sと協働して1つのバスバー保持部32を構成している。つまり、2つの分割バスバー保持部32SがX軸方向に隣り合いつつ並列配置されると、2つの分割底壁部32aSが1つの底壁部32aを、2つの分割側壁部32bSが1つの側壁部32bをそれぞれ構成する。そして、2つの分割バスバー保持部32Sに跨って収容されるバスバー21が、それら分割バスバー保持部32Sを有する2つの連結ユニット31間の連結構造を構成することとなる。なお、所定の分割バスバー保持部32S(図5に示す右側の分割バスバー保持部32S)における分割側壁部32bSには、既述した端子保持凹部32d及びバレル保持部32eが設けられている。
【0037】
(中間保持部33)
中間保持部33は、図1に示すように、プロテクタ30において単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って複数が並んで設けられていて1つの列をなしている。プロテクタ30には、この中間保持部33の列が1つ、Y軸方向における中央位置に備えられている。中間保持部33は、図5に示すように、各連結ユニット31において4つずつがX軸方向に沿って並んで配されている。中間保持部33は、中間電圧検知端子26の本体部を上方から嵌め込むことが可能な矩形状の開口を有する端子保持部33aと、圧着部を収容すると共にそれに圧着された電圧検知用電線W2を電線通し部34内に導出可能な電線通し溝33bとから構成されている。連結ユニット31が有する中間保持部33のうち、図5に示す右端のものからは、一対の嵌合凸部33cがX軸方向に沿って同図右方へ向けて突出して設けられている。これに対して、連結ユニット31が有する中間保持部33のうち、図5に示す左端のものにおける端子保持部33aを挟んだ前後に、嵌合凸部33cを嵌合可能な一対の嵌合凹部33dが同図左側に向けて開口して形成されている。複数の連結ユニット31を組み付ける際には、嵌合凸部33cが隣り合う連結ユニット31が有する嵌合凹部33dに嵌合されることで、Y軸方向についての位置決めなどが図られるものとされる。また、中間保持部33には、図6,図7及び図9に示すように、単電池11に対する電池配線モジュール20の組み付け方向(Z軸方向)に沿って単電池11側に向けて突出するとともに、電圧検知用の電極部14を上記組み付け方向と交差する方向(X軸方向及びY軸方向)について位置決め可能な位置決め部33eが設けられている。
【0038】
(電線通し部34)
電線通し部34は、図1に示すように、プロテクタ30において単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って延在する溝形をなしており、その延在方向に沿って電線W1,W2を配索することが可能とされる。プロテクタ30には、この電線通し部34が一対、Y軸方向について中央側の中間保持部33の列と、両端側のバスバー保持部32の各列との間に挟み込まれる形でそれぞれ配されている。電線通し部34は、図5及び図7に示すように、電線W1,W2を受けるとともにX軸方向に沿って延在する底壁部34aと、底壁部34aにおけるY軸方向の両端部から立ち上がるとともにX軸方向に沿って延在する一対の側壁部34bとからなり、全体としてZ軸方向について単電池11側とは反対側に向けて開放される断面略チャンネル型をなしている。電線通し部34を構成する一対の側壁部34bのうち、バスバー保持部32寄り(外寄り)の側壁部34bは、その一部がバスバー保持部32(分割バスバー保持部32S)における電線通し部34寄りの側壁部32b(分割側壁部32bS)を兼用している。この電線通し部34における各側壁部34bには、バスバー保持部32のバレル保持部32eと中間保持部33の電線通し溝33bとがそれぞれ連なる形で形成されており、これらバレル保持部32e及び電線通し溝33bを通された各電線W1,W2が、電線通し部34内に収容されるようになっている。また、電線通し部34を構成する両側壁部34bにおける立ち上がり先端部からは、X軸方向について部分的に電線W1,W2を保持するための電線保持突部34cがY軸方向に沿って突出して形成されている。電線保持突部34cは、X軸方向について間欠的に配されており、その配列間隔が中間保持部33(端子保持部33a)の配列間隔とほぼ一致している。
【0039】
さて、本実施形態に係る電線配線モジュール20は、図7及び図8に示すように、単電池11と対向状をなす第1の面36と、単電池11と対向状をなすとともに第1の面36よりも単電池11との間の距離(間隔、隙間)が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37とを備えている。詳しくは、プロテクタ30における電線通し部34は、単電池11に対する電線配線モジュール20の組み付け方向(Z軸方向)について、バスバー保持部32よりも単電池11に相対的に近い位置に配されており、逆に言うとバスバー保持部32は、電線通し部34よりも単電池11から相対的に遠い位置に配されている。つまり、プロテクタ30は、電線通し部34がバスバー保持部32よりも一段低い位置に突き出して配される(バスバー保持部32が電線通し部34よりも一段高い位置に引っ込んで配される)、段付き構造となっている。従って、電線通し部34を構成する底壁部34aにおける外面(単電池11との対向面)が、相対的に単電池11の近くに配される第1の面36となっているのに対して、バスバー保持部32を構成する底壁部32aにおける外面(単電池11との対向面)が、相対的に単電池11から遠くに配される第2の面37となっている。別言すると、電線通し部34の側壁部34bは、バスバー保持部32の底壁部32aよりも単電池11側に突出する構成とされており、それによりバスバー保持部32の底壁部32aが第1の面36を有するとともに電線通し部34側壁部34bに連なる底壁部34aが第2の面37を有している。
【0040】
なお、電線通し部34は、その高さ寸法(Z軸方向についての寸法)がバスバー保持部32よりも相対的に大きくなっており、その差によって第1の面36と第2の面37との位置関係のギャップが生じている。電線通し部34の方がバスバー保持部32よりも高さ寸法が大きくなる理由は、電線通し部34の内部に多数本の電線W1,W2が収容されるためであり、収容される電線W1,W2の本数、つまり単電池11の並列数が多くなるほど上記した高さ寸法の差が大きくなる傾向にある。
【0041】
バスバー保持部32が有する第2の面37と単電池11との間に保有される通気空間S2は、X軸方向について隣り合うバスバー保持部32間を跨ぐとともにプロテクタ30を全長にわたってX軸方向に沿って貫通していて外部に連通している。この通気空間S2内を空気が流動されることで、バスバー保持部32によって保持されたバスバー21が通電に伴って発する熱を、効率的に放散させることができるものとされる。通気空間S2は、バスバー保持部32の配置に対応して、プロテクタ30におけるY軸方向の両端位置付近に一対配されている。なお、この通気空間S2には、X軸方向について隣り合うバスバー保持部32間に保有される連通空間S1が連通されており、この連通空間S1と通気空間S2との間でも空気が流通(行き来)されるようになっている。
【0042】
プロテクタ30を構成する各連結ユニット31における単電池11との対向面(第1の面36及び第2の面37を含む)には、図6及び図7に示すように、補強リブ38が単電池11側に向けて突出して設けられている。補強リブ38は、Y軸方向に関して連結ユニット31の両端部を除いた全域、つまり中間保持部34及び両電線通し部33の全域と、両バスバー保持部32の一部とにわたる範囲に形成されている。従って、補強リブ38は、電線通し部33の第1の面36と、バスバー保持部32の第2の面37とにそれぞれ連なる形で配されている。補強リブ38は、各保持部32,33及び電線通し部34が有する各側壁部32b〜34bと同等の厚みを有する壁状をなしている。補強リブ38は、Y軸方向に沿って延在するとともに各電線通し部34と隣り合う各バスバー保持部32とに跨って配される部分が、X軸方向及びY軸方向に沿ってそれぞれ延在するとともに中間保持部34に配される部分に連結されることで、上記した段差構造とされるために応力集中が懸念される連結ユニット31の補強を図ることができるものとされる。
【0043】
そして、上記した補強リブ38における各電線通し部34と隣り合う各バスバー保持部32とに跨って配される部分のうち、バスバー保持部32の第2の面37に連なる部分が、図7に示すように、電線通し部34の第1の面36に連なる部分よりも突出高さが低くなっており、それにより単電池11との間の距離が相対的に大きくなっている。すなわち、バスバー保持部32の第2の面37と単電池11との間に保有される通気空間S2は、第2の面37から突出する補強リブ38によってその高さが局所的に狭められているものの、補強リブ38の突出高さを上記のように低く保つことによって狭窄が必要最小限に留められて十分な高さが確保されている、と言える。しかも、補強リブ38は、その突出高さが、Y軸方向について電線通し部34(第1の面36)からバスバー保持部32(第2の面37)に近づく方向に向けて次第に低くなるようテーパ状(傾斜状)に形成されており、テーパ面(傾斜面)38aを有している。これにより、バスバー保持部32の第2の面37と単電池11との間の距離、つまり通気空間S2の高さ寸法は、電線通し部34からバスバー保持部32に近づく方向に向けて連続的に漸次大きく(広く)なっている。また、各バスバー保持部32にそれぞれ連なる各補強リブ38には、テーパ面38aが1つのみ設けられるものと2つ設けられるものとが存在しており、そのY軸方向についての配置も異なるものとされている。また、補強リブ38のうち中間保持部33に連なる部分は、電線通し部34に連なる部分とほぼ同じ突出高さとされている。なお、中間保持部33の底壁部33aの外面は、バスバー保持部32の底壁部32aにおける第2の面37よりも、単電池11との間の距離が相対的に僅かに大きいものの、上記した補強リブ38によって狭められているため、通気空間S2のようなX軸方向に沿ってプロテクタ30を貫通するような空間とはなっていない。
【0044】
さらには、プロテクタ30を構成する各連結ユニット31には、図6及び図7に示すように、第2の面37よりもZ軸方向に沿って単電池11側に突出するとともに電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込む整流板39が一体形成されている。整流板39は、各連結ユニット31のうち、バスバー保持部32の側壁部32bにおける外端側の長辺部分と連結壁35とに連なるとともに、各連結ユニット31の全長にわたって設けられている。各連結ユニット31を組み付けた状態では、各整流板39がX軸方向についてほぼ切れ目無く当接されるようになっている。従って、整流板39は、プロテクタ30における長さ方向(X軸方向)の全長にわたって通気空間S2を電線通し部34との間で挟み込んでいることになる。この整流板39によって通気空間S2内に存在する空気には、X軸方向、つまりバスバー21及び単電池11の並び方向に沿って流動するような整流作用が付与されるようになっている。整流板39は、電線通し部34の第1の面36よりもさらに単電池11側に突出しており、その突出先端部が単電池11に近接した位置に達している。これにより、通気空間S2内の空気がプロテクタ30におけるY軸方向の外側に漏れ出し難くなるので、一層高い整流作用が得られる。
【0045】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。所定の手順でもって組み付けられた電池配線モジュール20は、X軸方向に沿って並列配置された単電池11群に対して組み付けられる。その組み付けに際しては、図7,図9及び図11に示すように、電池配線モジュール20における第1の面36及び第2の面37を単電池11群に対して対向させつつ、電池配線モジュール20を単電池11群に接近するようZ軸方向に沿って押し込む。この過程では、各中間保持部33に設けられた各位置決め部33eによって電圧検知用の各電極部14が誘い込まれることで、X軸方向及びY軸方向について、各電極部12〜14に対してバスバー21(電圧検知端子25)及び中間電圧検知端子26が位置決めされる。
【0046】
単電池11群に対して電池配線モジュール20が所定の高さ位置まで押し込まれると、図8,図10及び図12に示すように、正極または負極の電極部12,13がバスバー保持部32における電極挿通口32c内に通されるとともにバスバー21に対して接触され、また電圧検知用の電極部14が中間電圧検知端子26に対して接触される。この状態では、正極または負極の電極部12,13のネジ孔がバスバー21の通し孔22及び電圧検知端子25の挿通孔に連通されるとともに、電圧検知用の電極部14のネジ孔が中間電圧検知端子26の挿通孔に連通されているので、それぞれのネジ孔にボルトを締め付けるようにする。これにより、正極及び負極の電極部12,13がバスバー21に電気的に接続されるのに加え、バスバー21を通じて対応する電極部12,13と電圧検知端子25とが電気的に接続され、さらには電圧検知用の電極部14と中間電圧検知端子26とが電気的に接続される。以上のようにして、電池配線モジュール20を単電池11群へと組み付けることで、電池モジュール10の組み付けが完了する。
【0047】
上記のようにして組み付けられた電池モジュール10が通電されると、バスバー21には、車両に搭載された各種電装品などに電力供給するための大電流が流されるため、検知用の信号が伝送される各検知端子25,26及び電線W1,W2に比べると、発生する熱の熱量が大きくなっている。仮に、バスバー21から発せられる熱が電池配線モジュール20と単電池11との間にこもって高温状態に至ると、例えば合成樹脂製のプロテクタ30に変形が生じたり、単電池11の電池性能が劣化する、などの問題が生じるおそれがある。その点、本実施形態では、図8及び図12に示すように、電池配線モジュール20を構成するプロテクタ30が第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37を有していることから、この通気空間S2内に存在する空気が流動することで、バスバー21から発せられる熱を放散させることができる。これにより、バスバー21の放熱性が高められることで、電池配線モジュール20と単電池11との間に熱がこもり難くなるので、プロテクタ30が熱によって変形したり、単電池11の電池性能が劣化する、などといった問題が生じるのを防ぐことができる。
【0048】
しかも、プロテクタ30に設けられた補強リブ38のうち第2の面37に連なる部分が、第1の面36に連なる部分よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されているから、補強リブ38によってプロテクタ30の補強を図りつつも、補強リブ38による通気空間S2の狭窄を最小限に抑えて通気空間S2の広さを十分に確保することができ、もって通気空間S2における空気の流動性を十分に担保することができる。さらには、第1の面36を有する電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込むとともに、単電池11及びバスバー21の並び方向(X軸方向)に沿って延在する整流板39を設けるようにしたから、整流板39と電線通し部34との間で挟み込まれる形の通気空間S2内に存在する空気がX軸方向に沿って概ね真っ直ぐに流動するよう整流作用を得ることができる。これにより、単電池11及びバスバー21をより効率的に放熱させることができる。
【0049】
以上説明したように本実施形態の電池配線モジュール20は、正極及び負極の電極部(電極端子)12,13を有する複数の単電池11の隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー(接続部材)21と、複数のバスバー21を保持するものであって、複数の単電池11に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタ30と、単電池11と対向状をなす第1の面36と、単電池11と対向状をなすとともに第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37とを備える。
【0050】
このようにすれば、複数の単電池11の隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー21には、通電に伴って大きな電流が流れるため、生じる発熱量も大きなものとなる。その場合でも、第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きな第2の面37と単電池11との間には、通気空間S2が保有されているから、この通気空間S2によってバスバー21からの熱を放散させることができる。このようにバスバー21の放熱性が高められることで、単電池11との間に熱がこもるのを防ぐことができ、例えばプロテクタ30が熱によって変形したり、単電池11の電池性能に悪影響が及ぶ、などといった事態を防ぐことができる。
【0051】
また、バスバー21に重ねられ電線W1の端末部に接続された電圧検知端子(検知端子)25が備えられ、プロテクタ30には、バスバー21を保持するバスバー保持部32と、電圧検知端子25に接続された電線W1が通される電線通し部34とが設けられており、第1の面36は、電線通し部34に形成されるのに対し、第2の面37は、バスバー保持部32に形成されている。このようにすれば、電圧検知端子25に接続された電線W1には、検知用の信号が伝送されるので、流される電流の電流値がバスバー21に比べてごく小さなものとなっている。従って、上記電線W1からの発熱量も小さいことから、プロテクタ30のうち電線W1が通される電線通し部34に第1の面36を形成するのが好ましい。これに対して、プロテクタ30のうちバスバー21を保持するバスバー保持部32には、単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37を形成することで、バスバー21から生じる大きな発熱量の熱を効率的に放散させることができる。
【0052】
また、電線通し部34における第1の面36とバスバー保持部32における第2の面37とに連なるとともに、第1の面36及び第2の面37から単電池11側に向けて突出する補強リブ(補強部)38が設けられており、補強リブ38は、第2の面37に連なる部分が、第1の面36に連なる部分よりも、単電池11との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されている。このようにすれば、補強リブ38により第1の面36を有する電線通し部34と第2の面37を有するバスバー保持部32とからなるプロテクタ30の補強を図ることができる。補強リブ38は、第1の面36及び第2の面37から単電池11側に向けて突出するものの、第2の面37に連なる部分が第1の面36に連なる部分よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっているから、通気空間S2を確保する上で好適となり、十分な放熱性能を得ることができる。
【0053】
また、補強リブ38は、電線通し部34からバスバー保持部32に近づく方向に向けて単電池11との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されている。このようにすれば、通気空間S2がバスバー保持部32に近づくほど広くなるから、放熱性能をより向上させることができる。
【0054】
また、少なくとも第2の面37よりも単電池11側に突出するとともに電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込む整流板39が備えられている。このようにすれば、電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込む整流板39によって通気空間S2内において流動する空気に整流作用を付与することができる。これにより、より高い放熱性能を得ることができる。
【0055】
また、整流板39は、複数のバスバー21の並び方向に沿って延在する形態とされている。このようにすれば、通気空間S2内に存在する空気は、整流板39によって複数のバスバー21の並び方向に沿って流動されることになるから、複数のバスバー21をより効率的に放熱させることができる。
【0056】
また、整流板39は、第1の面36よりも単電池11側に突出する形態とされる。このようにすれば、整流板39によって通気空間S2内に存在する空気に付与される整流作用がより高いものとなるから、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0057】
また、整流板39は、プロテクタ30に一体形成されている。このようにすれば、仮に整流板39をプロテクタ30とは別部品とした場合に比べると、第2の面37に対する整流板39の位置関係に位置ずれが生じることがないので、安定した整流性能を得ることができる。
【0058】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図13から図15によって説明する。この実施形態2では、バスバー保持部132の側壁部132bに通気開口部40を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0059】
本実施形態に係るバスバー保持部132の側壁部132bには、図13から図15に示すように、隣り合うバスバー保持部132間に介在する連通空間S1に開口する通気開口部40が設けられている。通気開口部40は、横長な角筒状をなす側壁部132bのうちY軸方向に沿って延びる短辺部分に設けられている。通気開口部40は、側壁部132bの短辺部分を貫通することで、バスバー保持部132内の空間と連通空間S1とを連通させている。そして、連通空間S1は、通気空間S2に連通されていることから、通気空間S2に存在する空気は、通気開口部40及び連通空間S1を通してバスバー保持部132内の空間にまで流動することが可能とされている。このバスバー保持部132内の空間には、バスバー121から発せられる熱がこもり易くなっているので、通気開口部40及び連通空間S2を通して通気空間S1に流動される空気を利用して上記した熱を効率的に放散させることができる。
【0060】
また、通気開口部40は、単電池11側とは反対側に開放されており、これにより連結ユニット131を樹脂成形する際の型抜きを容易なものとしている。また、連通空間S1を挟んで対向する側壁部132bの短辺部分にそれぞれ設けられた各通気開口部40は、互いにY軸方向についてオフセットした配置とされている。詳しくは、側壁部132bにおける一対の短辺部分のうち、端子保持凹部132d及びバレル保持部132eが設けられた短辺部分に設けられている通気開口部40は、Y軸方向について相対的に外寄り(電線通し部134側とは反対側)に偏心して配されている。これに対し、端子保持凹部132d及びバレル保持部132eが設けられた短辺部分と通気空間S1を挟んで対向する側壁部132bの短辺部分に設けられている通気開口部40は、Y軸方向について相対的に内寄り(電線通し部134側)に偏心して配されている。つまり、同じ通気空間S1に開口する一対の通気開口部40は、Y軸方向について内寄りの位置と外寄りの位置とに位置ずれしている、と言える。
【0061】
以上説明したように本実施形態によれば、プロテクタ130には、バスバー21を保持するものであって、単電池11側とは反対側に向けて立ち上がる側壁部132bを有するバスバー保持部132が複数、間に通気空間S2に連通する連通空間S1を保有する形で並んで配されており、側壁部132bには、連通空間S1に開口する通気開口部40が設けられている。このようにすれば、側壁部132bに設けた通気開口部40及び連通空間S1を通してバスバー21からの熱が通気空間S2へと効率的に放散されるから、放熱性能を一層向上させることができる。
【0062】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図16によって説明する。この実施形態3では、電池配線モジュール220の構成部品として蓋体41を追加し、その蓋体41に整流板239を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0063】
本実施形態に係る電池配線モジュール220は、図16に示すように、プロテクタ230に対して単電池11側とは反対側から取り付けられる蓋体41を備えている。蓋体41は、プロテクタ230をほぼ全域にわたって単電池11側とは反対側から覆う大きさを有する蓋体本体41aと、蓋体本体41における長辺側の両外側縁からZ軸方向に沿って単電池11側に向けて突出するロック片41bとを有している。蓋体本体41aは、プロテクタ230内に収容されたバスバー21、電圧検知端子25、中間電圧検知端子26及び電線W1,W2などの部材を一括して覆うことが可能とされる。ロック片41bは、プロテクタ230における外側面に設けられたロック突部42に係止されることで、蓋体41をプロテクタ230に対して取付状態に保持することが可能とされる。そして、この蓋体41には、プロテクタ230の第2の面37よりも単電池11側に突出するとともに、電線通し部234との間で通気空間S2を挟み込む整流板239が一体形成されている。整流板239は、蓋体本体41aにおける長辺側の両外側縁からZ軸方向に沿って単電池11側に向けて突出する板状をなしており、蓋体本体41a及びプロテクタ230における長辺方向について全長にわたって延在する形態とされる。整流板239は、プロテクタ230における第1の面36よりもさらに単電池11側に突出する形態とされている。なお、整流板239による作用及び効果は、上記した実施形態1と同様であるから、重複する説明は割愛する。
【0064】
以上説明したように本実施形態によれば、プロテクタ230には、単電池11側とは反対側から取り付けられることで、バスバー21、電圧検知端子25、中間電圧検知端子26及び電線W1,W2を覆う蓋体41が備えられており、整流板39は、蓋体41に一体形成されている。このようにすれば、プロテクタ30として既存の構造のものを流用することができるから、低コスト化を図るのに好適となる。
【0065】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図17または図18によって説明する。この実施形態4では、車両に搭載されたエアコンを利用した電池モジュール温度調整システムBMASについて示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0066】
本実施形態に係る電池モジュール温度調整システムBMASは、図17及び図18に示すように、複数の単電池311及び電池配線モジュール320からなる電池モジュール310の温度を調整するためのものであり、電池モジュール310と、電池配線モジュール320の通気空間S2に向けて送風可能な送風装置43とからなる。この送風装置43は、車両に搭載された図示しないエアコン(エアーコンディショナ)の送風システムを利用したものであり、具体的にはエアコンにおいて生成された冷気または暖気を車内の吹出口へと導くエアコンダクト(送風システム)から分岐された送風ダクト43aを備えている。送風ダクト43aは、電池配線モジュール320における一対の通気空間S2と対向状をなすよう、一対がY軸方向について並ぶ形で設けられており、その吹出口が通気空間S2に向けて開口している。電池配線モジュール320を構成するプロテクタ330には、通気空間S2に連通するとともに送風ダクト43aの吹出口から吹き出される空気を受け入れる送風導入口44が設けられている。送風導入口44は、プロテクタ330のうち最も送風ダクト43aに近い補強リブ338における第2の面37に連なる部分に形成されている。
【0067】
上記のような構成によれば、例えば、車両の室温や外気温が高い高温環境下においてエアコンを冷房運転している場合には、エアコンにおいて生成された冷気がエアコンダクトから車内の吹出口へと送風されるのだが、このときエアコンダクトから分岐された送風装置43の送風ダクト43aにも冷気が送風される。送風ダクト43aの吹出口から吹き出された冷気は、送風導入口44を通して電池配線モジュール320の第2の面37と単電池311との間に保有される通気空間S2へと送風される。これにより、バスバー321及び単電池311からの発熱を、エアコンにて生成された冷気を利用して一層効率的に抑制することができる。一方、車両の室温や外気温が低い低温環境下においてエアコンを暖房運転している場合には、エアコンにおいて生成された暖気がエアコンダクトから車内の吹出口へと送風されるのだが、このときエアコンダクトから分岐された送風装置43の送風ダクト43aにも暖気が送風される。送風ダクト43aの吹出口から吹き出された暖気は、送風導入口44を通して電池配線モジュール320の第2の面37と単電池311との間に保有される通気空間S2へと送風される。これにより、例えばエンジンを始動させた初期段階において、低温環境下にあっても単電池311をエアコンにて生成された暖気を利用して活性化することができる。
【0068】
以上説明したように本実施形態に係る電池配線モジュール320によれば、プロテクタ330には、通気空間S2に連通されることで、送風装置43からの送風を通気空間S2に導入可能な送風導入口が形成されている。このようにすれば、送風導入口を通して送風装置から通気空間S2に送風することで、通気空間S2に係る温度を適切に調整することができる。
【0069】
さらには、本実施形態に係る電池モジュール温度調整システムBMASによれば、上記した電池配線モジュール320と、複数の単電池311と、通気空間S2に送風可能な送風装置43とを備える。このようにすれば、送風装置43によって通気空間S2に送風することで、単電池311及び電池配線モジュール320に係る温度を適切に調整することができる。
【0070】
また、送風装置43は、少なくとも冷気を送風可能とされる。このようにすれば、送風装置43によって通気空間S2に冷気を送風することで、高い放熱性能が得られる。
【0071】
また、送風装置43は、冷気と暖気とを選択的に送風可能とされる。このようにすれば、バスバー321の発熱を抑制する場合には、送風装置43から通気空間S2に冷気を送風することで放熱を図るようにし、低温環境下において単電池311が不活性化した場合には、送風装置43から通気空間S2に暖気を送風することで単電池311の活性化を図ることができる。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態では、電池配線モジュールにおいて、バスバーが単電池との間にプロテクタにおけるバスバー保持部の底壁部を介在させて配される構成のものを示したが、単電池とバスバー保持部の底壁部との間にバスバーが介在する配置(バスバーがバスバー保持部の底壁部における単電池側の面に配される配置)とすることも可能である。その場合は、バスバーにおける単電池との対向面が、電池配線モジュールにおける「第2の面」を構成することになる。
【0073】
(2)上記した各実施形態では、電池配線モジュールにおいて、電線が単電池との間にプロテクタにおける電線通し部の底壁部を介在させて配される構成のものを示したが、単電池と電線通し部の底壁部との間に電線が介在する配置(電線が電線通し部の底壁部における単電池側の面に配される配置)とすることも可能である。その場合は、電線における単電池との対向面が、電池配線モジュールにおける「第1の面」を構成することになる。
【0074】
(3)上記した各実施形態では、電池配線モジュールにおいて、中間電圧検知端子が単電池との間にプロテクタにおける中間保持部の底壁部を介在させて配される構成のものを示したが、単電池と中間保持部の底壁部との間に中間電圧検知端子が介在する配置(中間電圧検知端子が中間保持部の底壁部における単電池側の面に配される配置)とすることも可能である。
【0075】
(4)上記した各実施形態では、プロテクタのうちバスバー保持部と単電池との間に通気空間が保有される構成のものを示したが、例えば補強リブの形状として中間保持部に連結される部分を、バスバー保持部に連結される部分と同等の高さに設定することができるのであれば、中間保持部における単電池との対向面が第2の面となるとともにその中間保持部が有する第2の面と単電池との間にX軸方向に沿って連続する通気空間を確保することができる。
【0076】
(5)上記した各実施形態では、プロテクタにおけるバスバー保持部が底壁部を有する構成のものを示したが、例えばバスバー保持部の側壁部にバスバーを横挿しするための差し込み溝を形成しておくなどするのであれば、バスバー保持部から底壁部を省略することも可能である。この構成は、検知端子保持部にも同様に適用可能である。
【0077】
(6)上記した各実施形態では、補強リブが電線通し部からバスバー保持部に近づく方向に向けて単電池との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されたものを示したが、例えば補強リブを階段状に形成することで、単電池との間の距離を段階的に逐次変化させるようにしても構わない。
【0078】
(7)上記した(6)以外にも、補強リブが第1の面に連なる部分と第2の面に連なる部分とで、各面からの突出高さが2種類のみとされた構成とすることも可能である。
【0079】
(8)上記した各実施形態では、整流板がプロテクタまたは蓋体に一体形成されたものを示したが、整流板をプロテクタ及び蓋体とは別体としてこれらのいずれか一方に対して組み付けるようにしたものも本発明に含まれる。
【0080】
(9)上記した各実施形態では、整流板がプロテクタまたは蓋体のいずれかにのみ一体形成されたものを示したが、整流板をプロテクタと蓋体との双方に設けるようにしても構わない。
【0081】
(10)上記した各実施形態では、整流板がプロテクタにおける全長にわたって切れ目なく延在する形態とされたものを示したが、整流板がプロテクタの長さ方向において部分的に設けられる構成とされるものも本発明に含まれる。その場合、整流板をプロテクタの長さ方向について複数間欠的に並列して配することも可能である。
【0082】
(11)上記した各実施形態では、整流板が第1の面よりも単電池側に突出する形態のものを示したが、整流板の突出先端部が第1の面と面一状をなす構成としたり、或いは整流板の突出先端部が第1の面に達しない構成(第1の面よりも単電池側とは反対側に引っ込んで配される構成)とすることも可能である。
【0083】
(12)上記した実施形態2に記載した通気開口部の具体的な配置・設置数・形状などは適宜に変更可能である。
【0084】
(13)上記した実施形態4の変形例として、プロテクタに送風ダクトを保持するダクト保持部を設けるようにしても構わない。このようにすれば、送風ダクトから送風される空気を、より確実に通気空間に導入することができる。
【0085】
(14)上記した実施形態4の変形例として、電池配線モジュールのうち送風ダクトの設置側端部とは反対側の端部と対向する位置に、通気空間を通された空気を排気するための排気ダクトを設置することも可能である。このようにすれば、通気空間内の空気の流動性を一層向上させることができる。
【0086】
(15)上記した実施形態4の変形例として、通気空間内に温度センサを設置しておき、検出した温度に応じて送風ダクトから送風する空気の温度を調整するようにしてもよい。このようにすれば、通気空間内の温度をより適切なものとすることができる。
【0087】
(16)上記した実施形態4では、送風装置の送風ダクトがエアコンダクトから分岐された構成のものを例示したが、エアコンダクトとは独立した送風ダクトを設けるようにしても構わない。
【0088】
(17)上記した実施形態4では、送風装置がエアコンの送風システムを利用したものを例示したが、例えば車両には室内に外気を導入するための外気導入ダクトや七内の空気を循環させるための内気循環ダクトが備えられていることから、これら外気導入ダクトまたは内気循環ダクトから分岐する形で送風装置の送風ダクトを設けるようにしても構わない。
【0089】
(18)上記した各実施形態に記載した電池モジュール及び電池配線モジュールは、車両における設置姿勢として、各図面に示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれか1つを鉛直方向または水平方向と一致させた姿勢とすることができる。また、各図面に示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれか1つが鉛直方向または水平方向に対して傾いた姿勢で電池モジュール及び電池配線モジュールを車両に設置することも可能である。
【0090】
(19)上記した実施形態では、複数の単電池を直列に接続する場合について説明したが、これに限られず、複数の単電池を並列に接続する場合について適用してもよい。
【0091】
(20)上記した実施形態では、電池モジュールを構成する単電池の数については、上記実施形態の数に限られない。また、単電池の数に応じて電池配線モジュールの形状も任意に設定することができる。
【0092】
(21)上記した実施形態では、接続部材としてバスバーを例示したが、これに限られず、電気的に接続可能な部材であればよく、例えば電線や、フレキシブルプリント基板(FPC)等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0093】
11,311…単電池、12,13…電極部(電極端子)、20,220,320…電池配線モジュール、21,321…バスバー(接続部材)、25…電圧検知端子(検知端子)、26…中間電圧検知端子(検知端子)、30,130,230,330…プロテクタ、32,132…バスバー保持部(接続部材保持部)、34,134,234…電線通し部、36…第1の面、37…第2の面、38,338…補強リブ(補強部)、39,239…整流板、40…通気開口部、41…蓋体、43…送風装置、44…送風導入口、132b…側壁部、BMAS…電池モジュール温度調整システム、S1…連通空間、S2…通気空間、W1,W2…電線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池配線モジュール及び電池モジュール温度調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールにおいては、正極および負極の電極端子を有する複数の単電池が並んで配置されている。このような電池モジュールにおいては、正極の電極端子(正極端子)および負極の電極端子(負極端子)とがバスバーで接続されることにより複数の単電池が電気的に接続されるようになっている。
複数の単電池を電気的に接続するために、例えば、特許文献1に記載されているような電池配線モジュールが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−8955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の電池配線モジュールは、バスバー、電圧検知線などの部材と、これらの部材を保持・収容するための合成樹脂製のプロテクタと、を備えており、全体として単電池における電極端子側の面に被せられるような形で組み付けられている。ここで、電極端子間を接続するバスバーには、通電時に大電流が流されるため、バスバーから生じる発熱量も大きなものとなる。このとき、単電池と電池配線モジュールとの間に熱がこもって高温になると、例えばプロテクタが熱によって軟化して変形が生じたり、また単電池の電池性能に悪影響が及ぶ、などの問題が生じるおそれがあった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、単電池との間に熱がこもるのを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電池配線モジュールは、正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材と、複数の前記接続部材を保持するものであって、複数の前記単電池に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタと、前記単電池と対向状をなす第1の面と、前記単電池と対向状をなすとともに前記第1の面よりも前記単電池との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ前記単電池との間に通気空間を保有する第2の面とを備える。
【0007】
このようにすれば、複数の単電池の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材には、通電に伴って大きな電流が流れるため、生じる発熱量も大きなものとなる。その場合でも、第1の面よりも単電池との間の距離が相対的に大きな第2の面と単電池との間には、通気空間が保有されているから、この通気空間によって接続部材からの熱を放散させることができる。このように接続部材の放熱性が高められることで、単電池との間に熱がこもるのを防ぐことができ、例えばプロテクタが熱によって変形したり、単電池の電池性能に悪影響が及ぶ、などといった事態を防ぐことができる。
【0008】
本発明の電池配線モジュールの実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記接続部材に重ねられ電線の端末部に接続された検知端子が備えられ、前記プロテクタには、前記接続部材を保持する接続部材保持部と、前記検知端子に接続された前記電線が通される電線通し部とが設けられており、前記第1の面は、前記電線通し部に形成されるのに対し、前記第2の面は、前記接続部材保持部に形成されている。このようにすれば、検知端子に接続された電線には、検知用の信号が伝送されるので、流される電流の電流値が接続部材に比べてごく小さなものとなっている。従って、上記電線からの発熱量も小さいことから、プロテクタのうち電線が通される電線通し部に第1の面を形成するのが好ましい。これに対して、プロテクタのうち接続部材を保持する接続部材保持部には、単電池との間に通気空間を保有する第2の面を形成することで、接続部材から生じる大きな発熱量の熱を効率的に放散させることができる。
【0009】
(2)前記電線通し部における前記第1の面と前記接続部材保持部における前記第2の面とに連なるとともに、前記第1の面及び前記第2の面から前記単電池側に向けて突出する補強部が設けられており、前記補強部は、前記第2の面に連なる部分が、前記第1の面に連なる部分よりも、前記単電池との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されている。このようにすれば、補強部により第1の面を有する電線通し部と第2の面を有する接続部材保持部とからなるプロテクタの補強を図ることができる。補強部は、第1の面及び第2の面から単電池側に向けて突出するものの、第2の面に連なる部分が第1の面に連なる部分よりも単電池との間の距離が相対的に大きくなっているから、通気空間を確保する上で好適となり、十分な放熱性能を得ることができる。
【0010】
(3)前記補強部は、前記電線通し部から前記接続部材保持部に近づく方向に向けて前記単電池との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されている。このようにすれば、通気空間が接続部材保持部に近づくほど広くなるから、放熱性能をより向上させることができる。
【0011】
(4)少なくとも前記第2の面よりも前記単電池側に突出するとともに前記電線通し部との間で前記通気空間を挟み込む整流板が備えられている。このようにすれば、電線通し部との間で通気空間を挟み込む整流板によって通気空間内において流動する空気に整流作用を付与することができる。これにより、より高い放熱性能を得ることができる。
【0012】
(5)前記整流板は、複数の前記接続部材の並び方向に沿って延在する形態とされている。このようにすれば、通気空間内に存在する空気は、整流板によって複数の接続部材の並び方向に沿って流動されることになるから、複数の接続部材をより効率的に放熱させることができる。
【0013】
(6)前記整流板は、前記第1の面よりも前記単電池側に突出する形態とされる。このようにすれば、整流板によって通気空間内に存在する空気に付与される整流作用がより高いものとなるから、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0014】
(7)前記整流板は、前記プロテクタに一体形成されている。このようにすれば、仮に整流板をプロテクタとは別部品とした場合に比べると、第2の面に対する整流板の位置関係に位置ずれが生じることがないので、安定した整流性能を得ることができる。
【0015】
(8)前記プロテクタには、前記単電池側とは反対側から取り付けられることで、前記接続部材、前記検知端子及び前記電線を覆う蓋体が備えられており、前記整流板は、前記蓋体に一体形成されている。このようにすれば、プロテクタとして既存の構造のものを流用することができるから、低コスト化を図るのに好適となる。
【0016】
(9)前記プロテクタには、前記接続部材を保持するものであって、前記単電池側とは反対側に向けて立ち上がる側壁部を有する接続部材保持部が複数、間に前記通気空間に連通する連通空間を保有する形で並んで配されており、前記側壁部には、前記連通空間に開口する通気開口部が設けられている。このようにすれば、側壁部に設けた通気開口部及び連通空間を通して接続部材からの熱が通気空間へと効率的に放散されるから、放熱性能を一層向上させることができる。
【0017】
(10)前記プロテクタには、前記通気空間に連通されることで、送風装置からの送風を前記通気空間に導入可能な送風導入口が形成されている。このようにすれば、送風導入口を通して送風装置から通気空間に送風することで、通気空間に係る温度を適切に調整することができる。
【0018】
次に、上記課題を解決するために、本発明の電池モジュール温度調整システムは、上記記載の電池配線モジュールと、複数の単電池と、前記通気空間に送風可能な送風装置とを備える。
【0019】
このような電池モジュール温度調整システムによると、送風装置によって通気空間に送風することで、単電池及び電池配線モジュールに係る温度を適切に調整することができる。
【0020】
本発明の電池モジュール温度調整システムの実施態様として、次の構成が好ましい。
(1)前記送風装置は、少なくとも冷気を送風可能とされる。このようにすれば、送風装置によって通気空間に冷気を送風することで、高い放熱性能が得られる。
【0021】
(2)前記送風装置は、冷気と暖気とを選択的に送風可能とされる。このようにすれば、接続部材の発熱を抑制する場合には、送風装置から通気空間に冷気を送風することで放熱を図るようにし、低温環境下において単電池が不活性化した場合には、送風装置から通気空間に暖気を送風することで単電池の活性化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、単電池との間に熱がこもるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態1に係る電池モジュールの平面図
【図2】電池配線モジュールを組み付けた状態の平面図
【図3】バスバーの平面図
【図4】複数の単電池を並列配置した状態の平面図
【図5】プロテクタを構成する連結ユニットの平面図
【図6】プロテクタを構成する連結ユニットの底面図
【図7】単電池に電池配線モジュールを組み付ける前の状態を示す図2のvii-vii線断面図
【図8】単電池に電池配線モジュールを組み付けた後の状態を示す図2のvii-vii線断面図
【図9】単電池に電池配線モジュールを組み付ける前の状態を示す図2のix-ix線断面図
【図10】単電池に電池配線モジュールを組み付けた後の状態を示す図2のix-ix線断面図
【図11】単電池に電池配線モジュールを組み付ける前の状態を示す側面図
【図12】単電池に電池配線モジュールを組み付けた後の状態を示す側面図
【図13】本発明の実施形態2に係る電池モジュールの平面図
【図14】プロテクタにおける図13のxiv-xiv線断面図
【図15】プロテクタにおける図13のxv-xv線断面図
【図16】本発明の実施形態3に係る電池モジュールの側面図
【図17】本発明の実施形態4に係る電池モジュール温度調整システムの平面図
【図18】電池モジュール温度調整システムの側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図12によって説明する。本実施形態の電池配線モジュール20は、図1に示すように、単電池11が複数個並べられた単電池群に取り付けられて電池モジュール10を構成するものであって、この電池モジュール10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の駆動源として使用される。なお、各図面の一部にはX軸、Y軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。また、上下の記載は、図7から図12を基準とする。
【0025】
(電池モジュール)
電池モジュール10は、図1に示すように、例えば横並びに配列された複数個の単電池11(単電池群)と、複数個の単電池11に取り付けられる電池配線モジュール20とを備えて構成されている。
【0026】
(単電池)
単電池11は、図4に示すように、内部に図示しない発電要素が収容された直方体状の本体部11aと、本体部11aの所定の面(上面)から突出するとともにY軸方向に沿って前後に並んで配される正極または負極の電極部12,13と、同じく本体部上であって両電極部12,13の略中間位置に突出して設けられた電圧検知用の電極部14とを備えている。各電極部12,13,14は、角筒状のナット(四角ナット)からなり、中心にネジ孔が貫通形成され、その上下を除いた周縁は合成樹脂製の絶縁部材によって覆われた電極保持部12a,13a,14aとされている。
【0027】
複数個の単電池11は、隣り合う単電池11の前後方向(Y軸方向)の向きが互いに逆向きとなるようにX軸方向に沿って横並びに配置されることで、X軸方向について隣り合う電極部12,13の極性が異なる(正極と負極が単電池11の並び方向(X軸方向)について交互となる)構成とされている。これら複数個の単電池11は、図示しない保持板によって固定されている。
【0028】
(電池配線モジュール)
電池配線モジュール20は、図1及び図2に示すように、X軸方向について左右に隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー21(接続部材に相当する)と、各バスバー21に重ねられ単電池11の電圧を検知するための複数の電圧検知端子25と、電圧検知用の電極部14に重ねられ単電池11の電圧を検知するための複数の中間電圧検知端子26と、バスバー21及び各電圧検知端子25,26を収容する合成樹脂製のプロテクタ30とを備えている。
【0029】
(バスバー)
バスバー21は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなり、図3に示すように、隣り合う電極部12,13間の寸法に応じた長さの板状をなし、電極部12,13のネジ孔に連通する通し孔22が一対貫通形成されている。この通し孔22の形状は、接続方向(X軸方向、図3の左右方向)を長手方向とする長円形状をなしている。そして、バスバー21の接続方向に沿う側縁であって、通し孔22の前後両側となる位置には、被係合凹部23が切り欠き形成されている。
【0030】
(電圧検知端子)
各電圧検知端子25,26は、図1に示すように、一対の電圧検知端子25、または電圧検知端子25と中間電圧検知端子26により、それぞれ対応する電極部12,13,14に電気的に接続されることで、各単電池11における所望の電圧を検出する。まず、バスバー21上に重ね合わされる電圧検知端子25について説明すると、長方形状の平板部と、平板部から突出して設けられた圧着部を備え、圧着部には電圧検知用電線W1が圧着されている。平板部の中心部には、電極部12のネジ孔、及び通し孔22に連通する長円形状の挿通孔が貫通形成されている。
【0031】
一方、電圧検知用の電極部14に重ね合わされる中間電圧検知端子26は、図1及び図2に示すように、上述した電圧検知端子25の平板部よりもやや小さい矩形状の平板部と、平板部から突出して設けられた圧着部を備え、圧着部には電圧検知用電線W2が圧着されている。平板部の中心部には、電圧検知用の電極部14のネジ孔に連通する長円形状の挿通孔が貫通形成されている。
【0032】
これら各電圧検知端子25,26に接続された各電圧検知用電線W1,W2は、後述する電線通し部34内に集められて、図1のX軸方向についての右方となる位置に設けられた電池ECU(図示せず)に接続される。電池ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等を検出して、各単電池11の監視制御等を行うための機能を備えた周知の構成をなしている。
【0033】
(プロテクタ)
プロテクタ30は、図1に示すように、合成樹脂製とされる複数の連結ユニット31を相互に連結してなり、全体として単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って細長い、長手状をなしている。プロテクタ30には、単電池11に接続されるバスバー21及び各電圧検知端子25,26に加えて電線W1,W2が保持されるようになっている。詳しくは、プロテクタ30を構成する各連結ユニット31には、バスバー21を保持するバスバー保持部32と、中間電圧検知端子26を保持する中間保持部33と、電線W1,W2を保持する電線通し部34とが設けられている。バスバー保持部32には、バスバー21に重なる形で配される電圧検知端子25がバスバー21と共に保持される。
【0034】
(バスバー保持部32)
バスバー保持部32は、図1に示すように、プロテクタ30において単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って複数が並んで設けられていて1つの列をなしている。プロテクタ30には、このバスバー保持部32の列が一対、Y軸方向における外端位置にそれぞれ備えられている。言い換えると、プロテクタ30は、一対のバスバー保持部32の列の間に、中間保持部33及び電線通し部34がY軸方向について挟み込まれる配置構成となっている。X軸方向について隣り合うバスバー保持部32の間には、所定の連通空間S1が保有されており、この連通空間S1を横切る形で配される連結壁35によって隣り合うバスバー保持部32同士が連結されている。連結壁35は、隣り合うバスバー保持部32における側壁部32b同士を連結しており、Y軸方向について外端付近(電線通し部34側とは反対側の端部付近)に配されている。なお、上記連通空間S1は、X軸方向について隣り合うバスバー21間を絶縁する絶縁層として機能し得るものとされる。
【0035】
バスバー保持部32は、図1及び図7に示すように、収容されるバスバー21を受ける底壁部32aと、バスバー21を包囲する角筒状をなす側壁部32bとを有している。バスバー21は、バスバー保持部32に対してZ軸方向に沿って単電池11側とは反対側から収容されるようになっている。側壁部32bは、バスバー21と同様に長辺方向がX軸方向と、短辺方向がY軸方向とそれぞれ一致した、横長な長手状をなしており、その壁面がZ軸方向に並行している。底壁部32aは、前後方向(Y軸方向)に沿って延びる帯状をなしており、その両延出端部が側壁部32bにおける両長辺部分(X軸方向に沿って延びる部分)の略中央部に対して連結されている。つまり、底壁部32aは、横長なバスバー保持部32を中央位置にて仕切っており、仕切られた両側方の一対の空間がZ軸方向に沿って開口していてここが単電池11の正極または負極の電極部12,13が通される電極挿通口32cとなっている。また、側壁部32bには、電圧検知端子25の角部を嵌め入れるための端子保持凹部32dと、電圧検知端子25のバレル部を保持するとともにX軸方向及びY軸方向に対して斜め方向に延出するバレル保持部32eとが形成されている。電圧検知端子25は、その軸線をバスバー21に対して傾けた姿勢でバスバー保持部32に保持されている。また、バレル保持部32eは、隣り合うバスバー保持部32の側壁部32bに連結されるとともに連結壁35と連通空間S1を挟んで対向状に配されている。
【0036】
プロテクタ30を構成する各連結ユニット31には、図5に示すように、上記した構成のバスバー保持部32と、分割バスバー保持部32Sとが設けられている。詳しくは、各連結ユニット31には、その長さ方向(X軸方向)の中央部にバスバー保持部32が1つ設けられるのに対し、長さ方向の両端部に2つの分割バスバー保持部32Sがそれぞれ設けられている。分割バスバー保持部32Sは、連結ユニット31において中央側に隣り合うバスバー保持部32側とは反対側の端部に配される分割底壁部32aSと、分割底壁部32aS側の端部が開放された角筒状をなす分割側壁部32bSとからなり、分割底壁部32aS及び分割側壁部32bSにより囲まれた空間が1つの電極挿通口32cとなっている。分割バスバー保持部32Sは、複数の連結ユニット31同士を組み付けたときに、隣り合う連結ユニット31が有する分割バスバー保持部32Sと協働して1つのバスバー保持部32を構成している。つまり、2つの分割バスバー保持部32SがX軸方向に隣り合いつつ並列配置されると、2つの分割底壁部32aSが1つの底壁部32aを、2つの分割側壁部32bSが1つの側壁部32bをそれぞれ構成する。そして、2つの分割バスバー保持部32Sに跨って収容されるバスバー21が、それら分割バスバー保持部32Sを有する2つの連結ユニット31間の連結構造を構成することとなる。なお、所定の分割バスバー保持部32S(図5に示す右側の分割バスバー保持部32S)における分割側壁部32bSには、既述した端子保持凹部32d及びバレル保持部32eが設けられている。
【0037】
(中間保持部33)
中間保持部33は、図1に示すように、プロテクタ30において単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って複数が並んで設けられていて1つの列をなしている。プロテクタ30には、この中間保持部33の列が1つ、Y軸方向における中央位置に備えられている。中間保持部33は、図5に示すように、各連結ユニット31において4つずつがX軸方向に沿って並んで配されている。中間保持部33は、中間電圧検知端子26の本体部を上方から嵌め込むことが可能な矩形状の開口を有する端子保持部33aと、圧着部を収容すると共にそれに圧着された電圧検知用電線W2を電線通し部34内に導出可能な電線通し溝33bとから構成されている。連結ユニット31が有する中間保持部33のうち、図5に示す右端のものからは、一対の嵌合凸部33cがX軸方向に沿って同図右方へ向けて突出して設けられている。これに対して、連結ユニット31が有する中間保持部33のうち、図5に示す左端のものにおける端子保持部33aを挟んだ前後に、嵌合凸部33cを嵌合可能な一対の嵌合凹部33dが同図左側に向けて開口して形成されている。複数の連結ユニット31を組み付ける際には、嵌合凸部33cが隣り合う連結ユニット31が有する嵌合凹部33dに嵌合されることで、Y軸方向についての位置決めなどが図られるものとされる。また、中間保持部33には、図6,図7及び図9に示すように、単電池11に対する電池配線モジュール20の組み付け方向(Z軸方向)に沿って単電池11側に向けて突出するとともに、電圧検知用の電極部14を上記組み付け方向と交差する方向(X軸方向及びY軸方向)について位置決め可能な位置決め部33eが設けられている。
【0038】
(電線通し部34)
電線通し部34は、図1に示すように、プロテクタ30において単電池11の並び方向(X軸方向)に沿って延在する溝形をなしており、その延在方向に沿って電線W1,W2を配索することが可能とされる。プロテクタ30には、この電線通し部34が一対、Y軸方向について中央側の中間保持部33の列と、両端側のバスバー保持部32の各列との間に挟み込まれる形でそれぞれ配されている。電線通し部34は、図5及び図7に示すように、電線W1,W2を受けるとともにX軸方向に沿って延在する底壁部34aと、底壁部34aにおけるY軸方向の両端部から立ち上がるとともにX軸方向に沿って延在する一対の側壁部34bとからなり、全体としてZ軸方向について単電池11側とは反対側に向けて開放される断面略チャンネル型をなしている。電線通し部34を構成する一対の側壁部34bのうち、バスバー保持部32寄り(外寄り)の側壁部34bは、その一部がバスバー保持部32(分割バスバー保持部32S)における電線通し部34寄りの側壁部32b(分割側壁部32bS)を兼用している。この電線通し部34における各側壁部34bには、バスバー保持部32のバレル保持部32eと中間保持部33の電線通し溝33bとがそれぞれ連なる形で形成されており、これらバレル保持部32e及び電線通し溝33bを通された各電線W1,W2が、電線通し部34内に収容されるようになっている。また、電線通し部34を構成する両側壁部34bにおける立ち上がり先端部からは、X軸方向について部分的に電線W1,W2を保持するための電線保持突部34cがY軸方向に沿って突出して形成されている。電線保持突部34cは、X軸方向について間欠的に配されており、その配列間隔が中間保持部33(端子保持部33a)の配列間隔とほぼ一致している。
【0039】
さて、本実施形態に係る電線配線モジュール20は、図7及び図8に示すように、単電池11と対向状をなす第1の面36と、単電池11と対向状をなすとともに第1の面36よりも単電池11との間の距離(間隔、隙間)が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37とを備えている。詳しくは、プロテクタ30における電線通し部34は、単電池11に対する電線配線モジュール20の組み付け方向(Z軸方向)について、バスバー保持部32よりも単電池11に相対的に近い位置に配されており、逆に言うとバスバー保持部32は、電線通し部34よりも単電池11から相対的に遠い位置に配されている。つまり、プロテクタ30は、電線通し部34がバスバー保持部32よりも一段低い位置に突き出して配される(バスバー保持部32が電線通し部34よりも一段高い位置に引っ込んで配される)、段付き構造となっている。従って、電線通し部34を構成する底壁部34aにおける外面(単電池11との対向面)が、相対的に単電池11の近くに配される第1の面36となっているのに対して、バスバー保持部32を構成する底壁部32aにおける外面(単電池11との対向面)が、相対的に単電池11から遠くに配される第2の面37となっている。別言すると、電線通し部34の側壁部34bは、バスバー保持部32の底壁部32aよりも単電池11側に突出する構成とされており、それによりバスバー保持部32の底壁部32aが第1の面36を有するとともに電線通し部34側壁部34bに連なる底壁部34aが第2の面37を有している。
【0040】
なお、電線通し部34は、その高さ寸法(Z軸方向についての寸法)がバスバー保持部32よりも相対的に大きくなっており、その差によって第1の面36と第2の面37との位置関係のギャップが生じている。電線通し部34の方がバスバー保持部32よりも高さ寸法が大きくなる理由は、電線通し部34の内部に多数本の電線W1,W2が収容されるためであり、収容される電線W1,W2の本数、つまり単電池11の並列数が多くなるほど上記した高さ寸法の差が大きくなる傾向にある。
【0041】
バスバー保持部32が有する第2の面37と単電池11との間に保有される通気空間S2は、X軸方向について隣り合うバスバー保持部32間を跨ぐとともにプロテクタ30を全長にわたってX軸方向に沿って貫通していて外部に連通している。この通気空間S2内を空気が流動されることで、バスバー保持部32によって保持されたバスバー21が通電に伴って発する熱を、効率的に放散させることができるものとされる。通気空間S2は、バスバー保持部32の配置に対応して、プロテクタ30におけるY軸方向の両端位置付近に一対配されている。なお、この通気空間S2には、X軸方向について隣り合うバスバー保持部32間に保有される連通空間S1が連通されており、この連通空間S1と通気空間S2との間でも空気が流通(行き来)されるようになっている。
【0042】
プロテクタ30を構成する各連結ユニット31における単電池11との対向面(第1の面36及び第2の面37を含む)には、図6及び図7に示すように、補強リブ38が単電池11側に向けて突出して設けられている。補強リブ38は、Y軸方向に関して連結ユニット31の両端部を除いた全域、つまり中間保持部34及び両電線通し部33の全域と、両バスバー保持部32の一部とにわたる範囲に形成されている。従って、補強リブ38は、電線通し部33の第1の面36と、バスバー保持部32の第2の面37とにそれぞれ連なる形で配されている。補強リブ38は、各保持部32,33及び電線通し部34が有する各側壁部32b〜34bと同等の厚みを有する壁状をなしている。補強リブ38は、Y軸方向に沿って延在するとともに各電線通し部34と隣り合う各バスバー保持部32とに跨って配される部分が、X軸方向及びY軸方向に沿ってそれぞれ延在するとともに中間保持部34に配される部分に連結されることで、上記した段差構造とされるために応力集中が懸念される連結ユニット31の補強を図ることができるものとされる。
【0043】
そして、上記した補強リブ38における各電線通し部34と隣り合う各バスバー保持部32とに跨って配される部分のうち、バスバー保持部32の第2の面37に連なる部分が、図7に示すように、電線通し部34の第1の面36に連なる部分よりも突出高さが低くなっており、それにより単電池11との間の距離が相対的に大きくなっている。すなわち、バスバー保持部32の第2の面37と単電池11との間に保有される通気空間S2は、第2の面37から突出する補強リブ38によってその高さが局所的に狭められているものの、補強リブ38の突出高さを上記のように低く保つことによって狭窄が必要最小限に留められて十分な高さが確保されている、と言える。しかも、補強リブ38は、その突出高さが、Y軸方向について電線通し部34(第1の面36)からバスバー保持部32(第2の面37)に近づく方向に向けて次第に低くなるようテーパ状(傾斜状)に形成されており、テーパ面(傾斜面)38aを有している。これにより、バスバー保持部32の第2の面37と単電池11との間の距離、つまり通気空間S2の高さ寸法は、電線通し部34からバスバー保持部32に近づく方向に向けて連続的に漸次大きく(広く)なっている。また、各バスバー保持部32にそれぞれ連なる各補強リブ38には、テーパ面38aが1つのみ設けられるものと2つ設けられるものとが存在しており、そのY軸方向についての配置も異なるものとされている。また、補強リブ38のうち中間保持部33に連なる部分は、電線通し部34に連なる部分とほぼ同じ突出高さとされている。なお、中間保持部33の底壁部33aの外面は、バスバー保持部32の底壁部32aにおける第2の面37よりも、単電池11との間の距離が相対的に僅かに大きいものの、上記した補強リブ38によって狭められているため、通気空間S2のようなX軸方向に沿ってプロテクタ30を貫通するような空間とはなっていない。
【0044】
さらには、プロテクタ30を構成する各連結ユニット31には、図6及び図7に示すように、第2の面37よりもZ軸方向に沿って単電池11側に突出するとともに電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込む整流板39が一体形成されている。整流板39は、各連結ユニット31のうち、バスバー保持部32の側壁部32bにおける外端側の長辺部分と連結壁35とに連なるとともに、各連結ユニット31の全長にわたって設けられている。各連結ユニット31を組み付けた状態では、各整流板39がX軸方向についてほぼ切れ目無く当接されるようになっている。従って、整流板39は、プロテクタ30における長さ方向(X軸方向)の全長にわたって通気空間S2を電線通し部34との間で挟み込んでいることになる。この整流板39によって通気空間S2内に存在する空気には、X軸方向、つまりバスバー21及び単電池11の並び方向に沿って流動するような整流作用が付与されるようになっている。整流板39は、電線通し部34の第1の面36よりもさらに単電池11側に突出しており、その突出先端部が単電池11に近接した位置に達している。これにより、通気空間S2内の空気がプロテクタ30におけるY軸方向の外側に漏れ出し難くなるので、一層高い整流作用が得られる。
【0045】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用を説明する。所定の手順でもって組み付けられた電池配線モジュール20は、X軸方向に沿って並列配置された単電池11群に対して組み付けられる。その組み付けに際しては、図7,図9及び図11に示すように、電池配線モジュール20における第1の面36及び第2の面37を単電池11群に対して対向させつつ、電池配線モジュール20を単電池11群に接近するようZ軸方向に沿って押し込む。この過程では、各中間保持部33に設けられた各位置決め部33eによって電圧検知用の各電極部14が誘い込まれることで、X軸方向及びY軸方向について、各電極部12〜14に対してバスバー21(電圧検知端子25)及び中間電圧検知端子26が位置決めされる。
【0046】
単電池11群に対して電池配線モジュール20が所定の高さ位置まで押し込まれると、図8,図10及び図12に示すように、正極または負極の電極部12,13がバスバー保持部32における電極挿通口32c内に通されるとともにバスバー21に対して接触され、また電圧検知用の電極部14が中間電圧検知端子26に対して接触される。この状態では、正極または負極の電極部12,13のネジ孔がバスバー21の通し孔22及び電圧検知端子25の挿通孔に連通されるとともに、電圧検知用の電極部14のネジ孔が中間電圧検知端子26の挿通孔に連通されているので、それぞれのネジ孔にボルトを締め付けるようにする。これにより、正極及び負極の電極部12,13がバスバー21に電気的に接続されるのに加え、バスバー21を通じて対応する電極部12,13と電圧検知端子25とが電気的に接続され、さらには電圧検知用の電極部14と中間電圧検知端子26とが電気的に接続される。以上のようにして、電池配線モジュール20を単電池11群へと組み付けることで、電池モジュール10の組み付けが完了する。
【0047】
上記のようにして組み付けられた電池モジュール10が通電されると、バスバー21には、車両に搭載された各種電装品などに電力供給するための大電流が流されるため、検知用の信号が伝送される各検知端子25,26及び電線W1,W2に比べると、発生する熱の熱量が大きくなっている。仮に、バスバー21から発せられる熱が電池配線モジュール20と単電池11との間にこもって高温状態に至ると、例えば合成樹脂製のプロテクタ30に変形が生じたり、単電池11の電池性能が劣化する、などの問題が生じるおそれがある。その点、本実施形態では、図8及び図12に示すように、電池配線モジュール20を構成するプロテクタ30が第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37を有していることから、この通気空間S2内に存在する空気が流動することで、バスバー21から発せられる熱を放散させることができる。これにより、バスバー21の放熱性が高められることで、電池配線モジュール20と単電池11との間に熱がこもり難くなるので、プロテクタ30が熱によって変形したり、単電池11の電池性能が劣化する、などといった問題が生じるのを防ぐことができる。
【0048】
しかも、プロテクタ30に設けられた補強リブ38のうち第2の面37に連なる部分が、第1の面36に連なる部分よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されているから、補強リブ38によってプロテクタ30の補強を図りつつも、補強リブ38による通気空間S2の狭窄を最小限に抑えて通気空間S2の広さを十分に確保することができ、もって通気空間S2における空気の流動性を十分に担保することができる。さらには、第1の面36を有する電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込むとともに、単電池11及びバスバー21の並び方向(X軸方向)に沿って延在する整流板39を設けるようにしたから、整流板39と電線通し部34との間で挟み込まれる形の通気空間S2内に存在する空気がX軸方向に沿って概ね真っ直ぐに流動するよう整流作用を得ることができる。これにより、単電池11及びバスバー21をより効率的に放熱させることができる。
【0049】
以上説明したように本実施形態の電池配線モジュール20は、正極及び負極の電極部(電極端子)12,13を有する複数の単電池11の隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー(接続部材)21と、複数のバスバー21を保持するものであって、複数の単電池11に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタ30と、単電池11と対向状をなす第1の面36と、単電池11と対向状をなすとともに第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37とを備える。
【0050】
このようにすれば、複数の単電池11の隣り合う電極部12,13間を接続する複数のバスバー21には、通電に伴って大きな電流が流れるため、生じる発熱量も大きなものとなる。その場合でも、第1の面36よりも単電池11との間の距離が相対的に大きな第2の面37と単電池11との間には、通気空間S2が保有されているから、この通気空間S2によってバスバー21からの熱を放散させることができる。このようにバスバー21の放熱性が高められることで、単電池11との間に熱がこもるのを防ぐことができ、例えばプロテクタ30が熱によって変形したり、単電池11の電池性能に悪影響が及ぶ、などといった事態を防ぐことができる。
【0051】
また、バスバー21に重ねられ電線W1の端末部に接続された電圧検知端子(検知端子)25が備えられ、プロテクタ30には、バスバー21を保持するバスバー保持部32と、電圧検知端子25に接続された電線W1が通される電線通し部34とが設けられており、第1の面36は、電線通し部34に形成されるのに対し、第2の面37は、バスバー保持部32に形成されている。このようにすれば、電圧検知端子25に接続された電線W1には、検知用の信号が伝送されるので、流される電流の電流値がバスバー21に比べてごく小さなものとなっている。従って、上記電線W1からの発熱量も小さいことから、プロテクタ30のうち電線W1が通される電線通し部34に第1の面36を形成するのが好ましい。これに対して、プロテクタ30のうちバスバー21を保持するバスバー保持部32には、単電池11との間に通気空間S2を保有する第2の面37を形成することで、バスバー21から生じる大きな発熱量の熱を効率的に放散させることができる。
【0052】
また、電線通し部34における第1の面36とバスバー保持部32における第2の面37とに連なるとともに、第1の面36及び第2の面37から単電池11側に向けて突出する補強リブ(補強部)38が設けられており、補強リブ38は、第2の面37に連なる部分が、第1の面36に連なる部分よりも、単電池11との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されている。このようにすれば、補強リブ38により第1の面36を有する電線通し部34と第2の面37を有するバスバー保持部32とからなるプロテクタ30の補強を図ることができる。補強リブ38は、第1の面36及び第2の面37から単電池11側に向けて突出するものの、第2の面37に連なる部分が第1の面36に連なる部分よりも単電池11との間の距離が相対的に大きくなっているから、通気空間S2を確保する上で好適となり、十分な放熱性能を得ることができる。
【0053】
また、補強リブ38は、電線通し部34からバスバー保持部32に近づく方向に向けて単電池11との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されている。このようにすれば、通気空間S2がバスバー保持部32に近づくほど広くなるから、放熱性能をより向上させることができる。
【0054】
また、少なくとも第2の面37よりも単電池11側に突出するとともに電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込む整流板39が備えられている。このようにすれば、電線通し部34との間で通気空間S2を挟み込む整流板39によって通気空間S2内において流動する空気に整流作用を付与することができる。これにより、より高い放熱性能を得ることができる。
【0055】
また、整流板39は、複数のバスバー21の並び方向に沿って延在する形態とされている。このようにすれば、通気空間S2内に存在する空気は、整流板39によって複数のバスバー21の並び方向に沿って流動されることになるから、複数のバスバー21をより効率的に放熱させることができる。
【0056】
また、整流板39は、第1の面36よりも単電池11側に突出する形態とされる。このようにすれば、整流板39によって通気空間S2内に存在する空気に付与される整流作用がより高いものとなるから、放熱性能をさらに向上させることができる。
【0057】
また、整流板39は、プロテクタ30に一体形成されている。このようにすれば、仮に整流板39をプロテクタ30とは別部品とした場合に比べると、第2の面37に対する整流板39の位置関係に位置ずれが生じることがないので、安定した整流性能を得ることができる。
【0058】
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図13から図15によって説明する。この実施形態2では、バスバー保持部132の側壁部132bに通気開口部40を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0059】
本実施形態に係るバスバー保持部132の側壁部132bには、図13から図15に示すように、隣り合うバスバー保持部132間に介在する連通空間S1に開口する通気開口部40が設けられている。通気開口部40は、横長な角筒状をなす側壁部132bのうちY軸方向に沿って延びる短辺部分に設けられている。通気開口部40は、側壁部132bの短辺部分を貫通することで、バスバー保持部132内の空間と連通空間S1とを連通させている。そして、連通空間S1は、通気空間S2に連通されていることから、通気空間S2に存在する空気は、通気開口部40及び連通空間S1を通してバスバー保持部132内の空間にまで流動することが可能とされている。このバスバー保持部132内の空間には、バスバー121から発せられる熱がこもり易くなっているので、通気開口部40及び連通空間S2を通して通気空間S1に流動される空気を利用して上記した熱を効率的に放散させることができる。
【0060】
また、通気開口部40は、単電池11側とは反対側に開放されており、これにより連結ユニット131を樹脂成形する際の型抜きを容易なものとしている。また、連通空間S1を挟んで対向する側壁部132bの短辺部分にそれぞれ設けられた各通気開口部40は、互いにY軸方向についてオフセットした配置とされている。詳しくは、側壁部132bにおける一対の短辺部分のうち、端子保持凹部132d及びバレル保持部132eが設けられた短辺部分に設けられている通気開口部40は、Y軸方向について相対的に外寄り(電線通し部134側とは反対側)に偏心して配されている。これに対し、端子保持凹部132d及びバレル保持部132eが設けられた短辺部分と通気空間S1を挟んで対向する側壁部132bの短辺部分に設けられている通気開口部40は、Y軸方向について相対的に内寄り(電線通し部134側)に偏心して配されている。つまり、同じ通気空間S1に開口する一対の通気開口部40は、Y軸方向について内寄りの位置と外寄りの位置とに位置ずれしている、と言える。
【0061】
以上説明したように本実施形態によれば、プロテクタ130には、バスバー21を保持するものであって、単電池11側とは反対側に向けて立ち上がる側壁部132bを有するバスバー保持部132が複数、間に通気空間S2に連通する連通空間S1を保有する形で並んで配されており、側壁部132bには、連通空間S1に開口する通気開口部40が設けられている。このようにすれば、側壁部132bに設けた通気開口部40及び連通空間S1を通してバスバー21からの熱が通気空間S2へと効率的に放散されるから、放熱性能を一層向上させることができる。
【0062】
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図16によって説明する。この実施形態3では、電池配線モジュール220の構成部品として蓋体41を追加し、その蓋体41に整流板239を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0063】
本実施形態に係る電池配線モジュール220は、図16に示すように、プロテクタ230に対して単電池11側とは反対側から取り付けられる蓋体41を備えている。蓋体41は、プロテクタ230をほぼ全域にわたって単電池11側とは反対側から覆う大きさを有する蓋体本体41aと、蓋体本体41における長辺側の両外側縁からZ軸方向に沿って単電池11側に向けて突出するロック片41bとを有している。蓋体本体41aは、プロテクタ230内に収容されたバスバー21、電圧検知端子25、中間電圧検知端子26及び電線W1,W2などの部材を一括して覆うことが可能とされる。ロック片41bは、プロテクタ230における外側面に設けられたロック突部42に係止されることで、蓋体41をプロテクタ230に対して取付状態に保持することが可能とされる。そして、この蓋体41には、プロテクタ230の第2の面37よりも単電池11側に突出するとともに、電線通し部234との間で通気空間S2を挟み込む整流板239が一体形成されている。整流板239は、蓋体本体41aにおける長辺側の両外側縁からZ軸方向に沿って単電池11側に向けて突出する板状をなしており、蓋体本体41a及びプロテクタ230における長辺方向について全長にわたって延在する形態とされる。整流板239は、プロテクタ230における第1の面36よりもさらに単電池11側に突出する形態とされている。なお、整流板239による作用及び効果は、上記した実施形態1と同様であるから、重複する説明は割愛する。
【0064】
以上説明したように本実施形態によれば、プロテクタ230には、単電池11側とは反対側から取り付けられることで、バスバー21、電圧検知端子25、中間電圧検知端子26及び電線W1,W2を覆う蓋体41が備えられており、整流板39は、蓋体41に一体形成されている。このようにすれば、プロテクタ30として既存の構造のものを流用することができるから、低コスト化を図るのに好適となる。
【0065】
<実施形態4>
本発明の実施形態4を図17または図18によって説明する。この実施形態4では、車両に搭載されたエアコンを利用した電池モジュール温度調整システムBMASについて示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。
【0066】
本実施形態に係る電池モジュール温度調整システムBMASは、図17及び図18に示すように、複数の単電池311及び電池配線モジュール320からなる電池モジュール310の温度を調整するためのものであり、電池モジュール310と、電池配線モジュール320の通気空間S2に向けて送風可能な送風装置43とからなる。この送風装置43は、車両に搭載された図示しないエアコン(エアーコンディショナ)の送風システムを利用したものであり、具体的にはエアコンにおいて生成された冷気または暖気を車内の吹出口へと導くエアコンダクト(送風システム)から分岐された送風ダクト43aを備えている。送風ダクト43aは、電池配線モジュール320における一対の通気空間S2と対向状をなすよう、一対がY軸方向について並ぶ形で設けられており、その吹出口が通気空間S2に向けて開口している。電池配線モジュール320を構成するプロテクタ330には、通気空間S2に連通するとともに送風ダクト43aの吹出口から吹き出される空気を受け入れる送風導入口44が設けられている。送風導入口44は、プロテクタ330のうち最も送風ダクト43aに近い補強リブ338における第2の面37に連なる部分に形成されている。
【0067】
上記のような構成によれば、例えば、車両の室温や外気温が高い高温環境下においてエアコンを冷房運転している場合には、エアコンにおいて生成された冷気がエアコンダクトから車内の吹出口へと送風されるのだが、このときエアコンダクトから分岐された送風装置43の送風ダクト43aにも冷気が送風される。送風ダクト43aの吹出口から吹き出された冷気は、送風導入口44を通して電池配線モジュール320の第2の面37と単電池311との間に保有される通気空間S2へと送風される。これにより、バスバー321及び単電池311からの発熱を、エアコンにて生成された冷気を利用して一層効率的に抑制することができる。一方、車両の室温や外気温が低い低温環境下においてエアコンを暖房運転している場合には、エアコンにおいて生成された暖気がエアコンダクトから車内の吹出口へと送風されるのだが、このときエアコンダクトから分岐された送風装置43の送風ダクト43aにも暖気が送風される。送風ダクト43aの吹出口から吹き出された暖気は、送風導入口44を通して電池配線モジュール320の第2の面37と単電池311との間に保有される通気空間S2へと送風される。これにより、例えばエンジンを始動させた初期段階において、低温環境下にあっても単電池311をエアコンにて生成された暖気を利用して活性化することができる。
【0068】
以上説明したように本実施形態に係る電池配線モジュール320によれば、プロテクタ330には、通気空間S2に連通されることで、送風装置43からの送風を通気空間S2に導入可能な送風導入口が形成されている。このようにすれば、送風導入口を通して送風装置から通気空間S2に送風することで、通気空間S2に係る温度を適切に調整することができる。
【0069】
さらには、本実施形態に係る電池モジュール温度調整システムBMASによれば、上記した電池配線モジュール320と、複数の単電池311と、通気空間S2に送風可能な送風装置43とを備える。このようにすれば、送風装置43によって通気空間S2に送風することで、単電池311及び電池配線モジュール320に係る温度を適切に調整することができる。
【0070】
また、送風装置43は、少なくとも冷気を送風可能とされる。このようにすれば、送風装置43によって通気空間S2に冷気を送風することで、高い放熱性能が得られる。
【0071】
また、送風装置43は、冷気と暖気とを選択的に送風可能とされる。このようにすれば、バスバー321の発熱を抑制する場合には、送風装置43から通気空間S2に冷気を送風することで放熱を図るようにし、低温環境下において単電池311が不活性化した場合には、送風装置43から通気空間S2に暖気を送風することで単電池311の活性化を図ることができる。
【0072】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記した各実施形態では、電池配線モジュールにおいて、バスバーが単電池との間にプロテクタにおけるバスバー保持部の底壁部を介在させて配される構成のものを示したが、単電池とバスバー保持部の底壁部との間にバスバーが介在する配置(バスバーがバスバー保持部の底壁部における単電池側の面に配される配置)とすることも可能である。その場合は、バスバーにおける単電池との対向面が、電池配線モジュールにおける「第2の面」を構成することになる。
【0073】
(2)上記した各実施形態では、電池配線モジュールにおいて、電線が単電池との間にプロテクタにおける電線通し部の底壁部を介在させて配される構成のものを示したが、単電池と電線通し部の底壁部との間に電線が介在する配置(電線が電線通し部の底壁部における単電池側の面に配される配置)とすることも可能である。その場合は、電線における単電池との対向面が、電池配線モジュールにおける「第1の面」を構成することになる。
【0074】
(3)上記した各実施形態では、電池配線モジュールにおいて、中間電圧検知端子が単電池との間にプロテクタにおける中間保持部の底壁部を介在させて配される構成のものを示したが、単電池と中間保持部の底壁部との間に中間電圧検知端子が介在する配置(中間電圧検知端子が中間保持部の底壁部における単電池側の面に配される配置)とすることも可能である。
【0075】
(4)上記した各実施形態では、プロテクタのうちバスバー保持部と単電池との間に通気空間が保有される構成のものを示したが、例えば補強リブの形状として中間保持部に連結される部分を、バスバー保持部に連結される部分と同等の高さに設定することができるのであれば、中間保持部における単電池との対向面が第2の面となるとともにその中間保持部が有する第2の面と単電池との間にX軸方向に沿って連続する通気空間を確保することができる。
【0076】
(5)上記した各実施形態では、プロテクタにおけるバスバー保持部が底壁部を有する構成のものを示したが、例えばバスバー保持部の側壁部にバスバーを横挿しするための差し込み溝を形成しておくなどするのであれば、バスバー保持部から底壁部を省略することも可能である。この構成は、検知端子保持部にも同様に適用可能である。
【0077】
(6)上記した各実施形態では、補強リブが電線通し部からバスバー保持部に近づく方向に向けて単電池との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されたものを示したが、例えば補強リブを階段状に形成することで、単電池との間の距離を段階的に逐次変化させるようにしても構わない。
【0078】
(7)上記した(6)以外にも、補強リブが第1の面に連なる部分と第2の面に連なる部分とで、各面からの突出高さが2種類のみとされた構成とすることも可能である。
【0079】
(8)上記した各実施形態では、整流板がプロテクタまたは蓋体に一体形成されたものを示したが、整流板をプロテクタ及び蓋体とは別体としてこれらのいずれか一方に対して組み付けるようにしたものも本発明に含まれる。
【0080】
(9)上記した各実施形態では、整流板がプロテクタまたは蓋体のいずれかにのみ一体形成されたものを示したが、整流板をプロテクタと蓋体との双方に設けるようにしても構わない。
【0081】
(10)上記した各実施形態では、整流板がプロテクタにおける全長にわたって切れ目なく延在する形態とされたものを示したが、整流板がプロテクタの長さ方向において部分的に設けられる構成とされるものも本発明に含まれる。その場合、整流板をプロテクタの長さ方向について複数間欠的に並列して配することも可能である。
【0082】
(11)上記した各実施形態では、整流板が第1の面よりも単電池側に突出する形態のものを示したが、整流板の突出先端部が第1の面と面一状をなす構成としたり、或いは整流板の突出先端部が第1の面に達しない構成(第1の面よりも単電池側とは反対側に引っ込んで配される構成)とすることも可能である。
【0083】
(12)上記した実施形態2に記載した通気開口部の具体的な配置・設置数・形状などは適宜に変更可能である。
【0084】
(13)上記した実施形態4の変形例として、プロテクタに送風ダクトを保持するダクト保持部を設けるようにしても構わない。このようにすれば、送風ダクトから送風される空気を、より確実に通気空間に導入することができる。
【0085】
(14)上記した実施形態4の変形例として、電池配線モジュールのうち送風ダクトの設置側端部とは反対側の端部と対向する位置に、通気空間を通された空気を排気するための排気ダクトを設置することも可能である。このようにすれば、通気空間内の空気の流動性を一層向上させることができる。
【0086】
(15)上記した実施形態4の変形例として、通気空間内に温度センサを設置しておき、検出した温度に応じて送風ダクトから送風する空気の温度を調整するようにしてもよい。このようにすれば、通気空間内の温度をより適切なものとすることができる。
【0087】
(16)上記した実施形態4では、送風装置の送風ダクトがエアコンダクトから分岐された構成のものを例示したが、エアコンダクトとは独立した送風ダクトを設けるようにしても構わない。
【0088】
(17)上記した実施形態4では、送風装置がエアコンの送風システムを利用したものを例示したが、例えば車両には室内に外気を導入するための外気導入ダクトや七内の空気を循環させるための内気循環ダクトが備えられていることから、これら外気導入ダクトまたは内気循環ダクトから分岐する形で送風装置の送風ダクトを設けるようにしても構わない。
【0089】
(18)上記した各実施形態に記載した電池モジュール及び電池配線モジュールは、車両における設置姿勢として、各図面に示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれか1つを鉛直方向または水平方向と一致させた姿勢とすることができる。また、各図面に示すX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のいずれか1つが鉛直方向または水平方向に対して傾いた姿勢で電池モジュール及び電池配線モジュールを車両に設置することも可能である。
【0090】
(19)上記した実施形態では、複数の単電池を直列に接続する場合について説明したが、これに限られず、複数の単電池を並列に接続する場合について適用してもよい。
【0091】
(20)上記した実施形態では、電池モジュールを構成する単電池の数については、上記実施形態の数に限られない。また、単電池の数に応じて電池配線モジュールの形状も任意に設定することができる。
【0092】
(21)上記した実施形態では、接続部材としてバスバーを例示したが、これに限られず、電気的に接続可能な部材であればよく、例えば電線や、フレキシブルプリント基板(FPC)等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0093】
11,311…単電池、12,13…電極部(電極端子)、20,220,320…電池配線モジュール、21,321…バスバー(接続部材)、25…電圧検知端子(検知端子)、26…中間電圧検知端子(検知端子)、30,130,230,330…プロテクタ、32,132…バスバー保持部(接続部材保持部)、34,134,234…電線通し部、36…第1の面、37…第2の面、38,338…補強リブ(補強部)、39,239…整流板、40…通気開口部、41…蓋体、43…送風装置、44…送風導入口、132b…側壁部、BMAS…電池モジュール温度調整システム、S1…連通空間、S2…通気空間、W1,W2…電線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材と、
複数の前記接続部材を保持するものであって、複数の前記単電池に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタと、
前記単電池と対向状をなす第1の面と、
前記単電池と対向状をなすとともに前記第1の面よりも前記単電池との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ前記単電池との間に通気空間を保有する第2の面とを備える電池配線モジュール。
【請求項2】
前記接続部材に重ねられ電線の端末部に接続された検知端子が備えられ、前記プロテクタには、前記接続部材を保持する接続部材保持部と、前記検知端子に接続された前記電線が通される電線通し部とが設けられており、
前記第1の面は、前記電線通し部に形成されるのに対し、前記第2の面は、前記接続部材保持部に形成されている請求項1記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記電線通し部における前記第1の面と前記接続部材保持部における前記第2の面とに連なるとともに、前記第1の面及び前記第2の面から前記単電池側に向けて突出する補強部が設けられており、
前記補強部は、前記第2の面に連なる部分が、前記第1の面に連なる部分よりも、前記単電池との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されている請求項2記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記補強部は、前記電線通し部から前記接続部材保持部に近づく方向に向けて前記単電池との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されている請求項3記載の電池配線モジュール。
【請求項5】
少なくとも前記第2の面よりも前記単電池側に突出するとともに前記電線通し部との間で前記通気空間を挟み込む整流板が備えられている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項6】
前記整流板は、複数の前記接続部材の並び方向に沿って延在する形態とされている請求項5記載の電池配線モジュール。
【請求項7】
前記整流板は、前記第1の面よりも前記単電池側に突出する形態とされる請求項5または請求項6記載の電池配線モジュール。
【請求項8】
前記整流板は、前記プロテクタに一体形成されている請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項9】
前記プロテクタには、前記単電池側とは反対側から取り付けられることで、前記接続部材、前記検知端子及び前記電線を覆う蓋体が備えられており、
前記整流板は、前記蓋体に一体形成されている請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項10】
前記プロテクタには、前記接続部材を保持するものであって、前記単電池側とは反対側に向けて立ち上がる側壁部を有する接続部材保持部が複数、間に前記通気空間に連通する連通空間を保有する形で並んで配されており、
前記側壁部には、前記連通空間に開口する通気開口部が設けられている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項11】
前記プロテクタには、前記通気空間に連通されることで、送風装置からの送風を前記通気空間に導入可能な送風導入口が形成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電池配線モジュールと、
複数の単電池と、
前記通気空間に送風可能な送風装置とを備える電池モジュール温度調整システム。
【請求項13】
前記送風装置は、少なくとも冷気を送風可能とされる請求項12記載の電池モジュール温度調整システム。
【請求項14】
前記送風装置は、冷気と暖気とを選択的に送風可能とされる請求項12または請求項13記載の電池モジュール温度調整システム。
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材と、
複数の前記接続部材を保持するものであって、複数の前記単電池に対して対向状をなす形で組み付けられるプロテクタと、
前記単電池と対向状をなす第1の面と、
前記単電池と対向状をなすとともに前記第1の面よりも前記単電池との間の距離が相対的に大きくなっていて且つ前記単電池との間に通気空間を保有する第2の面とを備える電池配線モジュール。
【請求項2】
前記接続部材に重ねられ電線の端末部に接続された検知端子が備えられ、前記プロテクタには、前記接続部材を保持する接続部材保持部と、前記検知端子に接続された前記電線が通される電線通し部とが設けられており、
前記第1の面は、前記電線通し部に形成されるのに対し、前記第2の面は、前記接続部材保持部に形成されている請求項1記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記電線通し部における前記第1の面と前記接続部材保持部における前記第2の面とに連なるとともに、前記第1の面及び前記第2の面から前記単電池側に向けて突出する補強部が設けられており、
前記補強部は、前記第2の面に連なる部分が、前記第1の面に連なる部分よりも、前記単電池との間の距離が相対的に大きくなるよう形成されている請求項2記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記補強部は、前記電線通し部から前記接続部材保持部に近づく方向に向けて前記単電池との間の距離が大きくなるようテーパ状に形成されている請求項3記載の電池配線モジュール。
【請求項5】
少なくとも前記第2の面よりも前記単電池側に突出するとともに前記電線通し部との間で前記通気空間を挟み込む整流板が備えられている請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項6】
前記整流板は、複数の前記接続部材の並び方向に沿って延在する形態とされている請求項5記載の電池配線モジュール。
【請求項7】
前記整流板は、前記第1の面よりも前記単電池側に突出する形態とされる請求項5または請求項6記載の電池配線モジュール。
【請求項8】
前記整流板は、前記プロテクタに一体形成されている請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項9】
前記プロテクタには、前記単電池側とは反対側から取り付けられることで、前記接続部材、前記検知端子及び前記電線を覆う蓋体が備えられており、
前記整流板は、前記蓋体に一体形成されている請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項10】
前記プロテクタには、前記接続部材を保持するものであって、前記単電池側とは反対側に向けて立ち上がる側壁部を有する接続部材保持部が複数、間に前記通気空間に連通する連通空間を保有する形で並んで配されており、
前記側壁部には、前記連通空間に開口する通気開口部が設けられている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項11】
前記プロテクタには、前記通気空間に連通されることで、送風装置からの送風を前記通気空間に導入可能な送風導入口が形成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電池配線モジュール。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の電池配線モジュールと、
複数の単電池と、
前記通気空間に送風可能な送風装置とを備える電池モジュール温度調整システム。
【請求項13】
前記送風装置は、少なくとも冷気を送風可能とされる請求項12記載の電池モジュール温度調整システム。
【請求項14】
前記送風装置は、冷気と暖気とを選択的に送風可能とされる請求項12または請求項13記載の電池モジュール温度調整システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−54996(P2013−54996A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193931(P2011−193931)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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