説明

静電アクチュエータおよびその制御方法

【課題】変位量が温度変動に影響されない静電アクチュエータを提供する。
【解決手段】静電アクチュエータ130は基本駆動素子111a1を備えている。基本駆動素子111a1は、櫛歯電極105aと、櫛歯電極106aと、櫛歯電極105aを保持している電極ポスト107aと、櫛歯電極106aを保持している電極ポスト108aと、電極ポスト107aを保持しているたわみばね102,104と、電極ポスト108aを保持しているたわみばね103から構成されている。櫛歯電極105aと櫛歯電極106aは、それらの櫛歯部が互いに対向するように配置されている。櫛歯電極105aは電極ポスト107aを介してたわみばね102,104と電気的に接続され、櫛歯電極106aは電極ポスト108aを介してたわみばね103と電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
静電アクチュエータは、静電力によって駆動されるアクチュエータであり、MEMS(Micro Electro Mechanical System)の動力源として広く利用されている。特開2002−236263は、その一つとして、変位量を格段に向上することが可能な静電アクチュエータを開示している。
【0003】
この静電アクチュエータを図20に示す。図20に示すように、静電アクチュエータは、直列的に接続された複数個の単位駆動素子310から構成されている。単位駆動素子310については数種類が記載されている。図21は、そのうちの一つの単位駆動素子の斜視図である。この単位駆動素子310は、図21に示すように、第1の電極支持部312と、第2の電極支持部314と、第1の電極支持部312と第2の電極支持部314の間に介在するたわみばね316と、第1の電極支持部312に固定された接地電極322a,322bと、第2の電極支持部314に固定された駆動電極324a,324bから構成されている。たわみばね316の両端には第1の電極支持部312と第2の電極支持部314が接続されている。このように静電型櫛歯アクチュエータを直列に結合した素子を、ここでは直列櫛歯型アクチュエータと呼ぶ。
【0004】
接地電極322a,322bと駆動電極324a,324bは、いずれも複数の歯を有する櫛歯電極である。接地電極322aと駆動電極324aは、一方の櫛歯が他方の櫛歯の間に入り込むように対向して配置されている。接地電極322bと駆動電極324bも同様である。接地電極322a,322bと駆動電極324a,324bは互いに電気的に絶縁されており、各々に異なる電圧を印加できる。
【0005】
図22は、図21の単位駆動素子の破断斜視図である。第1の電極支持部312とたわみばね316と第2の電極支持部314にわたってそれらの内部に配線溝318が形成され、図示していないが、その内部には二酸化シリコン膜等の絶縁膜を挟んで複数の配線が形成されている。これらの配線は、接地電極322a,322bや駆動電極324a,324bに接続されている
図23は、この静電アクチュエータの作用を説明する図である。例えば、接地電極322a,322bと駆動電極324bを接地した状態で、駆動電極324aに接地電位と異なる電圧を印加すると、駆動電極324aと接地電極322aの間に静電引力が発生してこれらの電極が互いに引き合うことにより、たわみばね316が変形する。その結果、静電アクチュエータ全体が反り、右側の端が図のように紙面の上方に変位する。
【0006】
図23においては、説明の都合上、各々の電極に外部から直接電位を与えているように描かれているが、実際は図22中の配線溝318の内部に形成される配線を通して電圧を印加する。
【0007】
櫛歯電極を使用したアクチュエータは、単体でも他の方式に比較して格段に大きい駆動力が得られるため、大変位を必要とする用途に有望であるが、この従来例では、更に複数個のアクチュエータを連結することにより、変位量を複数倍に増大できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−236263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図23において、駆動電極324aと他の電極には互いに異なる電圧を印加する必要があるが、これらの電圧印加はたわみばね316を通しておこなわれるため、たわみばね316の内部には異なる電圧を供給するために少なくとも2本の配線や、これらの配線同士および配線とたわみばね316を互いに絶縁するための絶縁膜を形成する必要がある。従って、たわみばね316が複数の材料から構成されることになり、温度が変動する環境下で使用する場合、各々の材料の熱膨張係数の違いによって、たわみばね316が想定外に変形してしまい、その結果、アクチュエータの変位量が温度によって変動してしまうという事態が生じることがある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、変位量が温度変動に影響されない静電アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による静電アクチュエータは、第1の櫛歯電極と、第2の櫛歯電極と、前記第1の櫛歯電極を保持している第1の電極ポストと、前記第2の櫛歯電極を保持している第2の電極ポストと、前記第1の電極ポストを保持している第1の弾性体と、前記第2の電極ポストを保持している第2の弾性体を備えている。前記第1および第2の櫛歯電極の各々は、1つの櫛歯支持部と、前記櫛歯支持部から延出している複数個の櫛歯部から構成されている。前記第1の櫛歯電極と前記第2の櫛歯電極は、それらの櫛歯部が互いに対向するように配置されている。前記第1の櫛歯電極は前記第1の電極ポストを介して前記第1の弾性体と電気的に接続され、前記第2の櫛歯電極は前記第2の電極ポストを介して前記第2の弾性体と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、変位量が温度変動に影響されない静電アクチュエータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態に係る静電アクチュエータの斜視図である。
【図2】図1から一部の構成要素を除去して示した図である。
【図3】図1から一部の構成要素を除去して示した図である。
【図4】櫛歯電極の構成を示している。
【図5】図1に示された静電アクチュエータの作用を説明する図である。
【図6】図5から一部の構成要素を除去して示した図である。
【図7】図5から一部の構成要素を除去して示した図である。
【図8】図1のたわみばねが屈曲形状のばねに置き換えた構成を示している。
【図9】図1のたわみばねが分割されたばねに置き換えた構成を示している。
【図10】櫛歯電極の図1の配置に代えて適用可能な別の配置を示している。
【図11】第2の実施の形態に係る偏向ミラー素子の斜視図である。
【図12】図11中のAと記された部分の拡大図である。
【図13】図12から一部の構成要素を除去した示した図である。
【図14】図11中のBと記された部分の拡大図である。
【図15】図14から一部の構成要素を除去した示した図である。
【図16】図11に示された偏向ミラー素子の作用を説明する図であり、ある直線を軸にしてミラープレートが偏向された様子を示している。
【図17】図11に示された偏向ミラー素子の作用を説明する図であり、ミラープレートが図16に示された状態からさらに別の直線を軸にして偏向された様子を示している。
【図18】ミラープレートの片側だけに主軸アクチュエータを設けた構成を示している。
【図19】図11に示された偏向ミラー素子を複数並べて配置した構成を示している。
【図20】従来例に係る静電アクチュエータの斜視図である。
【図21】図20に示された静電アクチュエータ中の一つの単位駆動素子の斜視図である。
【図22】図21の単位駆動素子の部分破断斜視図である。
【図23】図20に示された静電アクチュエータの作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら実施の形態について説明する。
【0015】
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る静電アクチュエータ130を示す斜視図である。図1に示すように、静電アクチュエータ130は、直列櫛歯型アクチュエータであり、直列に結合された2つの単位駆動素子111a,111bを備えている。単位駆動素子111a,111bは、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103を共通に含んでいる。たわみばね102,103,104はいずれもその一端が固定基板101に固定されている。
【0016】
図2は、図1の細部を確認できるよう、図1からたわみばね103とそれに接続された構成要素を除去した図である。また図3は、図1の細部を確認できるよう、図1からたわみばね102,104とそれらに接続された構成要素を除去した図である。図2と図3を組み合わせて示したものが図1である。
【0017】
図1〜図3に示すように、単位駆動素子111aは、第1の櫛歯電極としての櫛歯電極105a,105bと、第2の櫛歯電極としての櫛歯電極106aと、第1の電極ポストとしての電極ポスト107a,107bと、第2の電極ポストとしての電極ポスト108a、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103から構成されている。単位駆動素子111bは、第1の櫛歯電極としての櫛歯電極105b,105cと、第2の櫛歯電極としての櫛歯電極106bと、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103と、第1の電極ポストとしての電極ポスト107b,107cと、第2の電極ポストとしての電極ポスト108bから構成されている。
【0018】
また、単位駆動素子111aは、2つの基本駆動素子111a1,111a2から構成されている。基本駆動素子111a1は、第1の櫛歯電極としての櫛歯電極105aと、第2の櫛歯電極としての櫛歯電極106a1と、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103と、第1の電極ポストとしての電極ポスト107aと、第2の電極ポストとしての電極ポスト108aから構成されている。基本駆動素子111a2は、第1の櫛歯電極としての櫛歯電極105b1と、第2の櫛歯電極としての櫛歯電極106a2と、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103と、第1の電極ポストとしての電極ポスト107bと、第2の電極ポストとしての電極ポスト108aから構成されている。同様に、単位駆動素子111bは、2つの基本駆動素子111b1,111b2から構成されている。基本駆動素子111b1は、第1の櫛歯電極としての櫛歯電極105b2と、第2の櫛歯電極としての櫛歯電極106b1と、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103と、第1の電極ポストとしての電極ポスト107bと、第2の電極ポストとしての電極ポスト108bから構成されている。基本駆動素子111b2は、第1の櫛歯電極としての櫛歯電極105cと、第2の櫛歯電極としての櫛歯電極106b2と、第1の弾性体としてのたわみばね102,104と、第2の弾性体としてのたわみばね103と、第1の電極ポストとしての電極ポスト107cと、第2の電極ポストとしての電極ポスト108bから構成されている。
【0019】
櫛歯電極105a,105b1,105b2,105c,106a1,106a2,106b1,106b2の各々は、図4に示すように、櫛歯支持部115と、この櫛歯支持部115から延出している櫛歯部116から構成されている。2つの櫛歯電極105b1,105b2は、それらの櫛歯部が互いに反対方向に延出し、それらの櫛歯支持部が一体化され、櫛歯電極105bを構成している。同様に、2つの櫛歯電極106a1,106a2は、それらの櫛歯部が互いに反対方向に延出し、それらの櫛歯支持部が一体化され、櫛歯電極106aを構成している。また、2つの櫛歯電極106b1,106b2は、それらの櫛歯部が互いに反対方向に延出し、それらの櫛歯支持部が一体化され、櫛歯電極106bを構成している。
【0020】
たわみばね102,104は電極ポスト107a,107b,107cを保持しており、電極ポスト107a,107b,107cはそれぞれ櫛歯電極105a,105b,105c保持している。ここで、櫛歯電極105bを保持している電極ポスト107bは、櫛歯電極105b1を支持する部分と櫛歯電極105b2を支持する部分が一体化されて構成されているといえる。たわみばね103は電極ポスト108a,108bを保持しており、電極ポスト108a,108bはそれぞれ櫛歯電極106a,106bを保持している。ここで、櫛歯電極106aを保持している電極ポスト108aは、櫛歯電極106a1を支持する部分と櫛歯電極106a2を支持する部分が一体化されて構成されているといえる。また、櫛歯電極106aを保持している電極ポスト108bは、櫛歯電極106b1を支持する部分と櫛歯電極106b2を支持する部分が一体化されて構成されているといえる。
【0021】
たわみばね102〜104の一端は、図1の左方側に示すように、固定基板101の表面に固定されている。ここで図示していないが、固定基板101とたわみばね102〜104が接する面には介在する形で絶縁膜が形成されており、たわみばね102〜104と固定基板101は互いに電気的に絶縁されている。
【0022】
櫛歯電極105cの櫛歯支持部には、駆動対象109が接続されている。駆動対象109は静電アクチュエータ130を使用して変位させる対象物であり、ミラープレートやマイクロステージ、遮光板等、静電アクチュエータの駆動力で変位可能なもの全てが該当する。
【0023】
図2に示すように、櫛歯電極105a,105b,105cは、それぞれ、各々を構成する櫛歯支持部の一方の端付近が電極ポスト107a,107b,107cを介してたわみばね102に接続され、もう一方の端付近が電極ポスト107a,107b,107cを介してたわみばね104の表面に接続されている。
【0024】
図3に示すように、櫛歯電極106a,106bを構成する櫛歯支持部の中央付近が、電極ポスト108a,108bを介してたわみばね103の表面に接続されている。
【0025】
図1において、櫛歯電極105a,105b,105c、106a,106bの各々は、隣接した位置に配置された櫛歯電極とは異なるたわみばねに接続されている。また各々の櫛歯電極とたわみばねの間は電気的にも接続されており、たわみばねと、それに固定された櫛歯電極は常に同じ電位になる。
【0026】
櫛歯電極105aと106a1、櫛歯電極106a2と105b1、櫛歯電極105b2と106b1、櫛歯電極106b2と105cは、それぞれ、各々を構成する櫛歯部同士が互いに対向しており、さらに一方の櫛歯部の先端が他方の櫛歯部の隙間に入り込むように配置されている。
【0027】
たわみばね102〜104、櫛歯電極105a〜105c、106a,106b、電極ポスト107a〜107c,108a,108b、固定基板101は、好適には単結晶シリコンから構成され、固定基板101とたわみばね102〜104が接する面に形成されている絶縁膜(図示せず)は二酸化シリコン膜で構成されている。
【0028】
図5は、第1の実施形態に係る静電アクチュエータ130の作用を説明する図である。
【0029】
たわみばね102と104の少なくともいずれかを接地すると、これらのたわみばねに接続されている櫛歯電極105a〜105cが同時に接地される。
【0030】
この状態でたわみばね103に直流電源120を接続して接地電位と異なる電圧を印加すると、このたわみばねに接続されている櫛歯電極106a,106bにも直流電源120の出力する電圧が印加される。この電圧を駆動電圧と呼ぶことにする。
【0031】
このように電圧を印加することによって、互いに対向する位置に配置されている櫛歯電極105aと106a1、櫛歯電極106a2と105b1、櫛歯電極105b2と106b1、櫛歯電極106b2と105cの間に電位差が生じ、これらの櫛歯部同士の重なり合う部分の面積が大きくなる方向、すなわち櫛歯部同士が引き合う方向に静電力が発生する。各々の櫛歯電極は静電力の作用点(=櫛歯部の周囲)から離れた位置がたわみばねによって拘束されているため、図5のようにたわみばね102〜104が静電力によって曲げられ、これらのたわみばねの弾性反発力が静電力に釣り合う位置で静止する。
【0032】
以上の動作は以下のように2つの部分に分けて考えると理解しやすい。図5において、たわみばね103とその表面に接続されている櫛歯電極106a,106bに注目すると、これらの櫛歯電極は、図6に示すように、静電力121によって櫛歯電極105bに向かって引き寄せられ、たわみばね103のうち電極ポスト108a,108bに挟まれた部分が湾曲する。
【0033】
一方、図5において、たわみばね102,104とその表面に接続されている櫛歯電極105a,105bに注目すると、これらの櫛歯電極は、図7に示すように、静電力122によって櫛歯電極106aに向かって引き寄せられ、たわみばね102,104のうち電極ポスト107a,107bに挟まれた部分が湾曲する。
【0034】
図6と図7を重ね合わせたものが図5であり、静電力121,122によって、たわみばね102〜104のうち電極ポスト107a,107b,107c,108a,108bに挟まれた部分が各々曲げられることによりアクチュエータ全体が湾曲して、アクチュエータの先端に固定された櫛歯電極105cとそれに接続された駆動対象109が固定基板101の主面に対して垂直な方向に変位する。
【0035】
たわみばね102〜104の電極ポスト107a,107b,107c,108a,108bに挟まれた部分のばね定数は、同じたわみばね内においてはほぼ同一の値であり、異なるたわみばね間においては、たわみばね103の電極ポスト108a,108bに挟まれた部分のばね定数が、たわみばね102の電極ポスト107a,107b,107cに挟まれた部分のばね定数とたわみばね104の電極ポスト107a,107b,107cに挟まれた部分のばね定数とを合成した値とほぼ同じ値になるように、更にはたわみばね102と104のばね定数が等しい様に設計することが望ましい。この場合、全てのたわみばねの電極ポスト107a,107b,107c,108a,108bに挟まれた部分がほぼ同一な形状に湾曲する。
【0036】
櫛歯電極間に発生する静電力の大きさは駆動電圧とともに増大するので、駆動対象109の変位量は、直流電源120の出力電圧を変えることにより制御できる。
【0037】
この実施の形態においては、櫛歯電極から構成されるアクチュエータを複数個連結することにより格段に大きい変位量が得られるという従来例の効果に加え、可動するばね部分が単一種類の材料、例えば単結晶シリコンだけで構成されるため、温度が変動する環境下で使用する場合においても、安定した駆動特性を得ることができる。
【0038】
この実施の形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。
【0039】
まず、静電アクチュエータ130が2つの単位駆動素子111a,111bによって構成される例を示したが、3個以上の複数の単位駆動素子によって構成されてもよい。
【0040】
また、単位駆動素子(例えば111a)が2つの基本駆動素子(例えば111a1,111a2)によって構成される例を示したが、単位駆動素子は1つの基本駆動素子によって構成されてもよい。つまり、静電アクチュエータ130は、複数の基本駆動素子を直列に結合して構成されてもよい。
【0041】
また、静電アクチュエータ130の端に位置する櫛歯電極(図1では105a,105c)のどちらか一方または両方を省略してもよい。ここで櫛歯電極105cを省略する場合、駆動対象109は櫛歯電極106bに接続される。
【0042】
また、静電アクチュエータ130が3本のたわみばねを含む例を示したが、たわみばね102と104のいずれかと、そのたわみばねに接続される電極ポストを省略してもよい。また静電アクチュエータ130が4本以上のたわみばねを含んでもよい。例えば5本のたわみばねを含む場合は、櫛歯電極107a,107b,107cが各々3個の電極ポストを介して3本のたわみばねに接続され、櫛歯電極108a、108bが各々2個の電極ポストを介して残り2本のたわみばねに接続されるように構成すればよい。
【0043】
また、各々のたわみばねに対して電極ポストが等間隔に配置される例を示したが、部分的に間隔が異なってもよい。
【0044】
また、たわみばね102〜104として、長方形の断面形状を有する直線状のばねを採用する例を示したが、たわみばねの形状はこれに限定されず、あらゆる形状のばねが使用可能である。例えば、たわみばねの断面形状に、正方形またはそれに近い形状や、他の多角形および円、楕円、および多角形と曲面を組み合わせた形状を採用してもよい。また、たわみばね102〜104として、図8のような屈曲形状のばね150を使用してもよい。
【0045】
また、図9に示すように、複数本のたわみばねが1個の電極ポストを保持してもよい。この図においては、2本のたわみばね102a,102bが1個の電極ポスト107bや107cを保持しているが、3本以上のたわみばねが1個の電極ポストを保持するようにしてもよい。
【0046】
また、駆動電圧が印加されていない状態において、対向する櫛歯電極の一方の櫛歯部の先端が他方の櫛歯部の隙間に入り込むように配置される例を示したが、図10に示すように、互いに近い位置に離して配置してもよい。この場合においても駆動電圧が増大すると、一方の櫛歯部の先端が他方の櫛歯部の隙間に入り込むように動作する。
【0047】
また、各構成要素を単結晶シリコンで構成する例を示したが、金属や導電性樹脂等、他の導電材料で構成してもよい。
【0048】
また、たわみばね102〜104と固定基板101の接触する部分に形成される絶縁膜を二酸化シリコン膜で構成する例を示したが、窒化シリコン膜や絶縁性樹脂材料等、他の絶縁材料を使用してもよい。
【0049】
また、駆動の際に、たわみばね102または104を接地する例を示したが、たわみばね103を接地してたわみばね102と104の少なくともいずれかに駆動電圧を印加しても良い。
【0050】
また、静電アクチュエータ130を直流電源120によって駆動する例を示したが、用途によっては交流電源を使用してもよい。
【0051】
また、たわみばね103とたわみばね102または104の間の静電容量値は静電アクチュエータ130の変位量を反映するが、この値が所望の値に近づくように駆動電圧の値を制御してもよい。具体的には、たわみばね103とたわみばね102または104の間に容量検出装置160を接続しておき、容量検出装置160から出力される容量値と所望の変位量に相当する容量値の差が0に近づくように駆動電圧を制御すればよい。この制御方法を採用することにより、静電アクチュエータ130の変位量をより高い精度で制御することが可能となる。
【0052】
<第2の実施の形態>
図11は、第2の実施の形態に係る偏向ミラー素子230を示す斜視図である。図11に示すように、偏向ミラー素子230は、反射面210を備えたミラープレート202と、ミラープレート202の両側に接続された第3の弾性体としての屈曲ばね203a,203bと、屈曲ばね203aに接続された第1の主軸アクチュエータ204と、屈曲ばね203bに接続された第2の主軸アクチュエータ205と、第1の主軸アクチュエータ204を支持する支柱206と、第2の主軸アクチュエータ205を支持する支柱207と、支柱206,207が固定された支持基板201と、支持基板201上に設けられた第1の平板電極208と第2の平板電極209から構成されている。
【0053】
第1および第2の主軸アクチュエータ204,205は、第1実施の形態で説明した直列櫛歯型アクチュエータで構成され、この図ではそれぞれ3個の単位駆動素子218a〜218cおよび219a〜219cで構成されている。これらの単位駆動素子の構成は第1の実施の形態に詳述したとおりである。従って、主軸アクチュエータ204,205の構成要素であるたわみばねとそれらの表面に接続される櫛歯電極の関係は第1の実施の形態と同一であり、隣接した位置に配置された櫛歯電極は互いに異なるたわみばねに接続されている。
【0054】
第1の主軸アクチュエータ204には配線225が接続され、第2の主軸アクチュエータ205には配線217,220が接続されている。
【0055】
ミラープレート202の両端には屈曲ばね203a,203bの一端が接続され、屈曲ばね203a,203bの他端には単位駆動素子218c,219cがそれぞれ接続されている。また単位駆動素子218a,219aの一端は、それぞれ、支柱206,207によって支持基板201から離れた位置に支持されている。これによりミラープレート202が支持基板201から離れた位置に配置される。
【0056】
支持基板201の表面には、第1および第2の平板電極208,209がミラープレート202に対して対向する位置に形成されている。第1および第2の平板電極208,209はさらに、屈曲ばね203a,203bを結ぶ直線を含み支持基板201の主面に垂直な平面に対して互いに対称な位置に各々配置されている。これらの平板電極同士や各々の平板電極と支持基板201の間は互いに絶縁され、図示されていないが支持基板201の表面には第1および第2の平板電極208,209を駆動回路や電源に接続するための配線が形成される。
【0057】
さらにミラープレート202には、平板電極208とは逆側の表面に反射面210が形成されている。
【0058】
偏向ミラー素子230は、配線220を除く全ての構成要素の形状、寸法、および配置がミラープレート202に対して対称である。
【0059】
図12は、図11中のAと記された部分の拡大図であり、屈曲ばね203bの周囲の配置が詳細に示されている。ミラープレート202は、図12に示すように、屈曲ばね203bによって、第2の主軸アクチュエータ205を構成する櫛歯電極のうちミラープレート202に最も近い位置にある櫛歯電極212gに接続されている。また図13は、図12の細部を確認できるよう、図12から一部の構成要素を除去した図である。図13に示すように、第2の主軸アクチュエータ205を構成する3本のたわみばね214〜216のうちたわみばね214,216が櫛歯電極212gに接続されている。これらの互いに接続された構成要素同士は電気的にも接続されており、ミラープレート202は常にたわみばね214,216や櫛歯電極212gと同じ電位になる。
【0060】
説明は省略するが、屈曲ばね203aの周囲もこれと同様の構成である。
【0061】
図14は、図11中のBと記された部分の拡大図であり、単位駆動素子219aの周囲の配置が詳細に示されている。図14に示すように、第2の主軸アクチュエータ205を構成する櫛歯電極のうちミラープレート202から最も離れた位置にある櫛歯電極212aは、支持部213a,213cに接続され固定されている。ここで図15は、図14の細部を確認できるよう、図14から櫛歯電極212aを除去した図である。同図に示すように、第2の主軸アクチュエータ205を構成する3本のたわみばね214〜216は、それぞれ、支持部213a〜213cに接続されている。さらに支持部213b,213cには配線217,220がそれぞれ接続されている。配線217とたわみばね215は支持部213bによって電気的にも接続され、配線220とたわみばね216は支持部213cによって電気的にも接続されている。さらにたわみばね216は図12中の櫛歯電極212gや屈曲ばね203bを介してミラープレート202に電気的に接続されている。このため、配線217とたわみばね215は常に同じ電位になり、また配線220とたわみばね216とミラープレート202も常に同じ電位になる。
【0062】
さらに支持部213a〜213cは、支持基板201の表面に形成された支柱207の上面に固定されている。
【0063】
説明は省略するが、単位駆動素子218aの周囲も配線220に相当する構成要素が省かれていることを除き、これと同様の構成である。図11において単位駆動素子218aの近くに配置されている配線225が図14中の配線217に相当する。また図11の支柱206が図14中の支柱207に相当する。
【0064】
ミラープレート202、屈曲ばね203a,203b、第1および第2の主軸アクチュエータ204、205、配線217,220,225、支柱206,207は、単結晶シリコンから構成され、支持基板201はガラスから構成され、反射面210は金やアルミ等の反射率の高い材料の薄膜から構成され、平板電極208,209は金やシリコン薄膜等の導電性材料から構成される。
【0065】
次に、第2の実施の形態に係る偏向ミラー素子の作用について説明する。
【0066】
まず、図14および図15に示される配線220を接地する。この配線220はたわみばね216によって第2の主軸アクチュエータ205を構成する櫛歯電極の一部に電気的に接続され、さらにこれらの櫛歯電極の一つである櫛歯電極212gは、屈曲ばね203bによってミラープレート202に電気的に接続され、さらにミラープレート202は屈曲ばね203aによって第1の主軸アクチュエータ204にも電気的に接続されているので、配線220を接地することにより、ミラープレート202と第1および第2の主軸アクチュエータ204,205を構成する櫛歯電極の一部が同時に接地される。
【0067】
この状態で、図16に示すように配線217に直流電源221を接続して駆動電圧を印加すると、配線217に接続されたたわみばね215や、たわみばね215に接続された櫛歯電極に駆動電圧が印加され、第1の実施の形態と同様に、互いに対向する位置に配置された櫛歯電極間に静電力が発生することにより、主軸アクチュエータ205の可動端が支持基板201から離れる方向に変位する。主軸アクチュエータ205の可動端は、屈曲ばね203bによってミラープレート202の一端に接続されているため、この動作によりミラープレート202は、屈曲ばね203aを通り支持基板201に平行かつ2つの屈曲ばね203a,203bを結ぶ線に垂直な直線223を軸にして紙面の反時計方向(図中の矢印226の示す方向)に偏向する。
【0068】
第1の主軸アクチュエータ205の変位量は、第1の実施の形態と同様に、電源221の出力電圧を変えることにより制御できるので、ミラープレート202の偏向角も電源221の出力電圧を変えることにより制御できる。
【0069】
ミラープレート202を屈曲ばね203bを支点にして紙面の時計方向に偏向させたい場合は、配線220の接地を維持したまま主軸アクチュエータ205を非駆動状態にした上で、配線225に駆動電圧を印加して主軸アクチュエータ204を駆動すればよい。
【0070】
さらに図16の状態において、図17に示すように、平板電極209を接地して、平板電極208に直流電源222を接続して駆動電圧を印加すると、既に接地されているミラープレート202と平板電極208の間に静電引力が発生することにより、ミラープレート202のうち平板電極208に近い部分が支持基板201に向かって引き寄せられ、ミラープレート202が2つの屈曲ばね203a,203bを結ぶ直線224を軸にして紙面の反時計方向(図中の矢印227の示す方向)に偏向する。
【0071】
ミラープレート202と平板電極208の間に発生する静電力の大きさは、電源222の出力電圧とともに増大するので、直線224に対する偏向角は直流電源222の出力電圧を変えることにより制御できる。
【0072】
ミラープレート202を直線224に対して紙面の時計方向に偏向させたい場合は、平板電極208を接地して、平板電極209に駆動電圧を印加すればよい。
【0073】
なお、図17には示されていないが、実際は支持基板201の表面に配線が形成され、平板電極208,209はこれらの配線によって電源222等に接続されている。
【0074】
以上の方法で直線223を軸にした動作と直線224を軸にした動作を同時に行うことにより、ミラープレート202を所望の方向に向けることが可能であり、ミラープレート202の表面に形成されている反射面210への入射光を所望の方向に向けて反射させることができる。
【0075】
この実施の形態においては、特に直線223を軸にした偏向動作において格段に大きい偏向角が得られるとことに加え、可動する部分が単結晶シリコンだけで構成されるため、温度が変動する環境下で使用する場合においても安定した特性を得ることができる。また直線223を軸にした動作においてはミラープレートが常に支持基板から遠ざかる方向に変位するため、このような細長い形状のミラープレートにおいても支持基板201や平板電極208,209の存在がミラープレートの動作と干渉しない。
【0076】
この実施の形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、様々な変形が可能である。
【0077】
まず、ミラープレート202の形状として矩形の形状に加工されたものを採用した例を示したが、他の多角形や楕円形等、これと異なる形状のミラープレートを採用してもよい。またミラープレート202の一方の面に反射面210を形成する例を示したが、ミラープレート202の表裏両面に同一の反射面を形成してもよい。この場合、ミラープレート202と反射面210の界面に存在する残留応力の影響が表裏で相殺されることにより、ミラープレート202の反りが軽減される。
【0078】
さらには、部材202はミラープレートに制限されるものではない。
【0079】
また、屈曲ばね203a,203bの形状として図12に示されるような単純な屈曲形状を採用した例を示したが、屈曲ばねの形状はこれに限定されず、他の形状の屈曲ばねを採用してもよいし、屈曲ばね以外のばねを採用してもよい。
【0080】
また、用途によっては、第1の平板電極208と第2の平板電極209のうちどちらか一方あるいは両方を省略してもよい。
【0081】
また、図14と図15に示したように、たわみばね214〜216や配線217,220を支柱207の上面に固定された支持部213a〜213cに接続する例を示したが、支持部を省略して支柱207にたわみばねや配線を直接接続してもよい。
【0082】
また、第1および第2の平板電極として矩形形状の電極を採用する例を示したが、平板電極の形状はこれに限定されず、他の形状の電極を使用してもよい。
【0083】
また、支柱が単結晶シリコンから構成され、支持基板がガラスから構成される例を示したが、支柱をガラスで構成してもよいし、支持基板を単結晶シリコンで構成してもよい。さらに、支持基板と支柱の一方または両方を金属や樹脂等で構成してもよい。ただし、支柱と支持基板の両方を導体で構成する場合、これらの支柱と支持基板の間に二酸化シリコン膜等の絶縁物を配置しなければならない。
【0084】
また、反射面の材料として金やアルミ等を採用する例を示したが、反射率の高い材料であれば誘電体多層膜等、他の材料を使用してもよい。また、これらの反射面とミラープレートの界面にチタンやクロム等の密着性を向上させる材料を形成してもよい。
【0085】
また、平板電極の材料として、金やシリコン薄膜等を採用する例を示したが、導体であればアルミニウムや銅等他の材料を使用してもよい。また、平板電極を構成するこれらの材料と支持基板の間に密着性の向上や材料の基板への拡散防止を目的としてチタンやクロム、チタンタングステン、窒化チタン等の材料を形成してもよい。
【0086】
また、説明を簡略化するために配線220を除く全ての構成要素の形状、寸法、および配置がミラープレート202に対して対称な例を示したが、配線220以外の一部あるいは全ての構成要素の形状、寸法、および配置がミラープレート202に対して非対称であってもよい。
【0087】
また、ミラープレートの両側に主軸アクチュエータを接続する例を示したが、用途によっては図18に示すようにミラープレートの片側だけに主軸アクチュエータを接続してもよい。
【0088】
また、図19に示すように、複数個の偏向ミラー素子230を並べて配置してもよい。このような構成は光回線の切り替えに使用されるWSS(Wavelength Selective Switch)等で使用され、その場合、隣接するミラープレート同士をなるべく接近させた位置に配置することが必要になるが、この実施の形態に係る偏向ミラー素子230は屈曲ばね203a,203bを結ぶ線に対して垂直な方向には構成要素が存在しないため、このような配置を容易に実現できる。
【0089】
また第1および第2の主軸アクチュエータは第1の実施の形態とほぼ同一の構成であり、第1の実施の形態で説明した様々な変形例はこの実施の形態においても適用可能である。
【0090】
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。ここにいう様々な変形や変更は、上述した実施形態を適当に組み合わせた実施も含む。
【符号の説明】
【0091】
101…固定基板、102,103,104…たわみばね、105a,105b,105b1,105b2,105c,106a,106a1,106a2,106b,106b1,106b2…櫛歯電極、107a,107b,107c,108a,108b…電極ポスト、109…駆動対象、111a,111b…単位駆動素子、111a1,111a2,111b1,111b2…基本駆動素子、115…櫛歯支持部、116…櫛歯部、120…直流電源、121…静電力、122…静電力、130…静電アクチュエータ、150…ばね、160…容量検出装置、201…支持基板、202…ミラープレート、203a,203b…屈曲ばね、204,205…主軸アクチュエータ、206,207…支柱、208,209…平板電極、210…反射面、212a,212g…櫛歯電極、213a,213b,213c…支持部、214,215,216…たわみばね、217,220,225…配線、218a,218b,218c,219a,219b,219c…単位駆動素子、221,222…直流電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の櫛歯電極と、
第2の櫛歯電極と、
前記第1の櫛歯電極を保持している第1の電極ポストと、
前記第2の櫛歯電極を保持している第2の電極ポストと、
前記第1の電極ポストを保持している第1の弾性体と、
前記第2の電極ポストを保持している第2の弾性体を備え、
前記第1および第2の櫛歯電極の各々は、1つの櫛歯支持部と、前記櫛歯支持部から延出している複数の櫛歯部から構成され、
前記第1の櫛歯電極と前記第2の櫛歯電極は、それらの櫛歯部が互いに対向するように配置され、
前記第1の櫛歯電極は前記第1の電極ポストを介して前記第1の弾性体と電気的に接続され、
前記第2の櫛歯電極は前記第2の電極ポストを介して前記第2の弾性体と電気的に接続されている、静電アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1の弾性体と前記第2の弾性体と前記第1の電極ポストと前記第2の電極ポストと前記第1の櫛歯電極と前記第2の櫛歯電極から構成された基本駆動素子を2つ備え、前記第1および第2の弾性体の各々は前記櫛歯部の延出方向に沿って延在し、2つの前記第2の櫛歯支持部は一体化され、2つの前記第2の櫛歯電極の櫛歯部は互いに反対方向に延出しており、2つの前記第2の電極ポストは一体化され、2つの前記第1の弾性体は一体化され、2つの前記第2の弾性体は一体化されている、請求項1に記載の静電アクチュエータ。
【請求項3】
2つの前記基本駆動素子から構成された単位駆動素子を複数備え、複数の前記単位駆動素子は直列に結合され、隣接する2つの前記第1の櫛歯支持部は一体化され、隣接する2つの前記第1の電極ポストは一体化され、隣接する2つの前記第1の弾性体は一体化され、隣接する2つの前記第2の弾性体は一体化されている、請求項2に記載の静電アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1および第2の弾性体の一端が固定された固定基板をさらに備えている、請求項1〜3のいずれかひとつに記載の静電アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1の弾性体のうち前記第1の電極ポストに挟まれた部分のばね定数と、前記第2の弾性体のうち前記第2の電極ポストに挟まれた部分のばね定数が全て同じ値である、請求項3または4に記載の静電アクチュエータ。
【請求項6】
前記第1および第2の弾性体が板状または屈曲形状を有している、請求項1〜5のいずれかひとつに記載の静電アクチュエータ。
【請求項7】
前記第1および第2の櫛歯電極と前記第1および第2の弾性体と前記電極ポストが単結晶シリコンで構成されている、請求項1〜6のいずれかひとつに記載の静電アクチュエータ。
【請求項8】
前記第1の弾性体と前記第2の弾性体の間の静電容量を検出するための容量検出装置をさらに備えている、請求項1〜7のいずれかひとつに記載の静電アクチュエータ。
【請求項9】
前記容量検出装置から出力される静電容量値があらかじめ設定された値に近づくように駆動電圧を変化させる、請求項8に記載の静電アクチュエータの制御方法。
【請求項10】
1つのミラープレートと、
前記ミラープレートの両側に接続された2つの第3の弾性体と、
前記2つの第3の弾性体に接続された2つの主軸アクチュエータと、
前記2つの主軸アクチュエータを支持する複数の支柱と、
前記複数の支柱が固定された支持基板と、
前記ミラープレートに対向して前記支持基板上に設けられた少なくとも1つの平板電極を備え、
各主軸アクチュエータは、請求項1〜7のいずれかひとつに記載の静電アクチュエータで構成されている、光偏向素子。
【請求項11】
前記第1の弾性体と前記第2の弾性体の間の静電容量を検出するための容量検出装置をさらに備えている、請求項10に記載の光偏向素子。
【請求項12】
前記容量検出装置から出力される静電容量値があらかじめ設定された値に近づくように駆動電圧を変化させる、請求項11に記載の光偏向素子の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−9447(P2013−9447A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138340(P2011−138340)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】