面積階調画像形成方法
【課題】 印刷物の作成に用いる面積階調画像を、プルーフの作成でも共通に用い、1の画像と同様の網点構造とベタ濃度を有し、かつ画質も再現できる他の画像が作成可能な画像形成方法を提供する。
【解決手段】 ドットごとの1ビットデータの集合体である面積階調画像を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、面積階調画像を用い、1の出力手段と出力方式が異なる他の出力手段から他の画像を出力する第2の工程とを有し、第2の工程は、面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップと、網点を構成するドットの色が調整される色調調整ステップとを含み、他の画像が1の画像に近似化される画像形成方法。
【解決手段】 ドットごとの1ビットデータの集合体である面積階調画像を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、面積階調画像を用い、1の出力手段と出力方式が異なる他の出力手段から他の画像を出力する第2の工程とを有し、第2の工程は、面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップと、網点を構成するドットの色が調整される色調調整ステップとを含み、他の画像が1の画像に近似化される画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の色校正としての面積階調画像を形成するための画像形成方法に関する。より具体的には、RIP(Raster Image Processor)により分版とドットごとの2値化がなされた本印刷機用の2値画像に基づいて、印刷物に近似した色校正が得られる画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷原稿がコンピュータ上でデジタルデータとして作成され、RIPを通して印刷用の面積階調画像を形成することが普通に行われるようになってきた。通常のカラー印刷では、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、墨(K)の4版の印刷用の面積階調画像が、印刷原稿からRIPを通して作成され、印刷に使用される。
【0003】
この面積階調画像は、ドット(画素)の集合体として構成され、画像の階調は網点面積の大小により表現される。各ドットには、対応する印刷物においてインキが置かれる網点部のドットであるか、インキのないヌケ部のドットであるかのいずれかを意味する1ビット(2値)のデータが貼り付けられている。
【0004】
ところで、印刷版を作成・試し刷りした後に修正を施すのは無駄が多い。そのため、印刷版の作成前に、印刷物と同じ面積階調画像を出力し、あらかじめ印刷物の文字や色調の仕上がりをチェックするプルーフが作成されるのが通常である。
【0005】
プルーフの作成は、本印刷機とは異なる出力方式のプルーファと呼ばれる画像形成装置を用いて行われる。その際、作成に用いられる面積階調画像は、印刷用とは異なるプルーフ用の調整がなされた別のRIPを通したものが用いられる。これは、本印刷機では網点が太るドットゲインが生じる一方、出力方式が異なる画像形成装置では必ずしも同じドットゲインは生じないこと、また、色材の違いにより両者の発色特性が異なる等の理由による。そのため、コンピュータで作成された印刷原稿は、印刷用RIPとプルーフ用RIPの両方に送られ、それぞれで面積階調画像が生成される。
【0006】
しかし、その結果、画像形成装置から得られるプルーフと印刷物との全体的な画質をほぼ合致させた場合には、細部の網点形状や大きさが異なることがあった。また、プルーフの網100%のベタ部の色調(ベタ色)をあわせると、網%が50%程度の部分の色調がずれたりするため、ベタ部の色調をずらせてバランスをとるようなことも行われていた。さらに、RIPが違うことにより、指定するフォントの設定の誤り、網点形状の設定の誤りなどの人為的なミスが生じることもあった。
【0007】
ここで、印刷機と同じ面積階調画像を用いて、印刷におけるドットゲインを他の出力装置で表現できる画像校正方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、中間調ビットマップ画像を提供するステップと、ドット網%を推定するステップと、所定の色校正関数によって目標となるドット網%を計算するステップと、修正された画像を形成するためにon状態、off状態に変換するドット数Nを計算するステップとN個のドットをon、off状態を変換するステップを備える中間調ビットマップ画像の校正方法が開示されている。この方法によれば、色校正関数を適切に設定することにより、印刷物の網%にー致するプルーフ画像を得ることが可能となる。
【0008】
しかし、この方法では、単に網点の大きさを調整しているだけであり、色材の違いによるベタ色のずれには対処できない。例えば、色材としてハロゲン化銀感光材料を用いた場合、この方法により網点の機械的な大きさと、濃度から測定した網%とを印刷物に合わせると、プルーフのベタ部の濃度が低くなってしまい、コントラストの低い画質のプルーフしか得られない。
【0009】
また、RIPに関する記載はないが、色材としてハロゲン化銀感光材料を用いた場合に、濃度とドットゲインとを露光によって各々独立に制御して面積階調画像を形成する面積階調画像の形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−40781号公報
【特許文献2】特開2002−341470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、1の画像(例えば、印刷物)の作成に用いる面積階調画像を、他の画像(例えば、プルーフ)の作成でも共通に用い、1の画像と同様の網点構造とベタ色の濃度を有し、かつ画質も再現できる他の画像が作成可能な画像形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、前記1の出力手段と出力方式が異なる他の出力手段から他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップと、前記網点を構成するドットの色が調整される色調調整ステップとを含み、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法である。
【0012】
ここで、前記色調調整ステップにおけるドットの色の調整が、前記1の画像の少なくともいずれか1色に対して、少なくとも2色がドットごとに用いられるものであることは好ましい。また、前記2色のうちの1色が、前記1の画像の少なくともいずれか1色とほぼ同じ色調であることは好ましい。また、前記2色のうちの他の1色のドットが、前記網点の境界近傍に位置することは好ましい。
【0013】
また、前記第2の工程における網%の調整が、当該網%に応じて行われることは好ましい。また、前記第2の工程における他の1色の色調整が、網100%の色に対する掛け率に従って行われることは好ましい。また、前記1の出力手段が、前記1の画像の色材としてインキを用い、他の出力手段が、前記他の画像の色材としてハロゲン化銀感光材料を用いることは好ましい。
【発明の効果】
【0014】
1の画像と同じ1ビットデータの集合体を用い、1の画像とほぼ同じ網点構造が再現され、かつベタ部の色調も視覚的には1の画像とほぼ同じ色調が再現され、さらに、画質も1の画像と同等となる他の画像を得ることが可能となる。つまり、視覚的な画質の最適化と、測色的な画質の最適化を両立することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の画像形成方法を具体化した場合の処理流れの全体を示した図である。なお、図1は、1の出力手段の例として本印刷機30を用い、他の出力手段の例としてプルーファと呼ばれる画像形成装置を用いた例である。また、1の画像の例としては印刷物31を、他の画像の例としてはプルーフ41を用いている。また、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体の例としては、DTPシステム10により作成された印刷原稿がRIP20により分版、2値化されて得られた1ビットデータの集合体21を用いる。また、第1の工程の例は、印刷原稿11から印刷物31を得る工程であり、第2の工程の例は、印刷原稿11からプルーフ41を得る工程に該当する。
【0016】
図1の処理流れでは、まず、コンピュータにより印刷原稿11が作成される。コンピュータとしては、ポストスクリプトなる記述言語を用いたDTP(Desk Top Publishing)システム10が多く使用される。印刷原稿11は、例えば、PDF(Portable Document Format)等のファイルとして作成され、文章の部分に関しては、テキストデータとフォントデータの組み合わせで構成される。これに図形表示のための図形部品のデータと書式データとが組み合わされて、全体が構成されている。
【0017】
RIP20は、図形を構成するベクトルデータを含む印刷原稿を、要素色に色分解すると共に、印刷や表示が可能な1ビットデータの集合であるビットマップデータに展開する。RIPにより得られたビットマップデータは、ドットの集合である網点(またはセル)の大きさにより階調表現を行うため、面積階調画像を構成できる。RIP処理では、膨大な量のデータを処理する必要があるため、RIPは専用のハードウェアで構成されることが多いが、コンピュータ上のソフトウェアで構成されていても良い。なお、同じ印刷原稿を用いても異なるRIPを通した場合には必ずしも同じ結果は得られない。それぞれのRIPに搭載されているフォントが異なっていたり、ソフトウェアのバージョンが違うなどにより、予期せぬエラーを生じることもある。
【0018】
RIP処理20を経て得られた1ビットデータの集合体21は、そのまま本印刷機30と画像形成装置40に送られて、それぞれから印刷物31とプルーフ41が得られる。ここで、RIP20における処理は、印刷機30と画像形成装置40とで共通であるから、両者で網点形状や線数の違い等の基本的な網点構造は同じとなる。しかし、一方で、印刷時に生じるドットゲインや色材の違いによる色調の変化等に対応するため、画像形成装置40では、以下に図2から図16を用いて説明する処理を行う。後述する。
【0019】
本印刷機30は、プロセスカラーであるYMCKの各版と必要により用いられる特色版とを用い、あらかじめ定めた順序で印刷用紙上にそれぞれのインキを刷り重ねていく。インキの刷り重ねにより、種々の色調を表現する。例えば、YMCKの組み合わせでは、それぞれの単独の4色と、複数の版の組み合わせで11色、これに白地を入れた合計16色が表現される。
【0020】
図2は、先のビットマップデータまたは面積階調画像の概念図である。この図は、印刷物においてプロセスカラーであるYMCKの版を用いた場合に、色名の列に示された印刷物上の網%が100%のベタ色が、同じ行の白丸で示された印刷版の刷り重ねで表現されることを意味している。ここで「+」は、色を刷り重ねていることを意味する。以下の説明に使用する版の色の表示は、図2の記載に従うものとする。これに特色版を加えるのは任意である。
【0021】
画像形成装置40の例として、ハロゲン化銀カラー感光材料を用い、図1の色名の列の色を、感光材料の要素色であるY、M、C各発色層の組み合わせで発色させるものを例に挙げて説明する。このような画像形成装置は、例えば、1ビットデータの集合体21からプルーフ形成に適した面積階調画像を生成する変換装置と、変換装置から出力された画像を用いてハロゲン化銀感光材料をLED等で露光する出力装置と、出力装置で露光されたハロゲン化銀感光材料を現像する現像装置とを備えてなる。変換装置は、汎用のコンピュータ上に設けられており、その制御出力に出力装置が接続され、さらに出力装置には現像装置が接続されている。
【0022】
このような画像形成装置では、図2の白(W)を除いた15色の各々に関して、ハロゲン化銀感光材料の各要素色に対するR、G、Bの各LEDの露光量を多段階に変化させることにより、ほぼ連続的に濃度変化させることが可能である。これにより、インキや印刷用紙のグレードの違い等に伴う多様な色の違いに対応することができる。
【0023】
しかし、画像形成装置としては、様々な色を表現できるものであれば特に制限されず、例えば、色の異なるドットの組み合わせにより様々な色を表現するものであっても良い。網点形状を明確に再現して検版性を高めるにはハロゲン化銀感光材料を用いたものを用いるのが好ましい。
【0024】
図3は、RIP処理により得られた1ビットデータの集合体のデータ構造を示した概念図である。各ドットごとに、各版でインキが置かれる(刷られる)か否かを示す「1(インキを置く)」か「0(インキを置かない)」かの、1ビットのデータが貼り付けられている。なお、以下、説明を簡単化するために、いずれか一つの版(例えばY版)について説明し、必要により複数の版に言及する。
【0025】
図4は、いずれか一つの版の面積階調画像の一部を模式的に示した図である。図4では、標準的な線数の場合に略対応した画像を例として示した。画像はドットの集合体として構成され、インキが置かれる部分である網点5は、インキが置かれることを意味する斜線が付されたドット2の集合により構成されている。ここで、太線の略正方形の枠6は、網点が出現する周期の一つ分に相当する大きさの領域を意味する。この枠内の領域を基準として網%を求める処理を行う。
【0026】
図1の画像形成装置40で行われる処理の概略流れを図5に示した。まず、RIP20を経た1ビットデータの集合体21が画像形成装置40に入力されると、合わせて標準印刷物を用いて測定された印刷時のドットゲインのデータが入力される(S10)。ここで、印刷物のドットゲインは、標準印刷物の網%が0%の白地と100%のベタ地と、それらの中間である網%が50%の濃度をそれぞれ光学的に測定し、これらから標準印刷物の面積階調画像において網%が50%の網点の印刷物における太り量を演算して、あらかじめ求められたものである。
【0027】
また、色材の違いに由来する画質の変化を調整するための、調整色の色調レベルが入力される(S10)。ここで、色調レベルとは、後述する掛け率テーブルを介して、プルーフのベタ部のYMC濃度に対する掛け率を特定するコードを意味する。これにより調整色を特定することができる。特定される調整色は、印刷物とプルーフとの色材の違いに起因する画質の違いを調整するために用いられる。印刷条件(インキの種類や紙質等)ごとに掛け率は変化し、標準印刷物と同じ面積階調画像を用いて画像形成装置40から出力されたプルーフの画質が、標準印刷物の画質に合致するように、あらかじめ設定される。従って、印刷条件が特定されれば、掛け率も特定される。
【0028】
プルーフの網100%のベタ色は、印刷物のベタ色に可能な限り合致させる。この画像形成方法では、複数の調整手段を備えるので、このようにしてもプルーフと印刷物との画質の違いが生じない。以下、このベタ色を、上記の調整色と対比して標準色ということがある。プルーフのベタ色と網点構造の両方を印刷物に合致させると、色材の違いに由来する画質の違いの調整が困難になるが、この画質の調整を、網点の境界画素の色調を標準色から調整色に変化させることにより行う。その際、上記で触れた掛け率を用いる。詳しくは後述する。
【0029】
次に、1ビットデータの集合体21を用いて、図4の領域6の各々に関して、領域内の画像の網%が求められる(S20)。具体的には、1ビットデータの集合体21から構成される面積階調画像において、図4の14×14=196画素の同じ大きさの領域6に分割して、それぞれの領域6の中で、1ビットデータが「1(インキを置く)」となっているドット(斜線が付されている)が占める割合を求める。得られた網%を、その領域の網%とし、図6に示した網%テーブルに領域ごとに格納する。これにより、画像のく網%に対応した調整が可能となる。
【0030】
このように面積階調画像の領域ごとの網%を求めるのは、印刷物におけるドットゲインが、図7に示したごとく網%により変化するため、それに対応して面積階調画像を調整する必要があることによる。なお、網50%近傍のトーンジャンプは、説明を簡単にするために無視した。領域6の分割に伴う意図せぬムラの発生を防止するために、領域間の移動平均を求めるようにしても良い。また、領域6の大きさを適宜拡大縮小することもできるが、この領域が大きすぎると、網%を求める精度は高くなるが演算の負荷は大きくなり、さらに前述のムラを低減するための処理により画像の鮮鋭度が損なわれる。一方、小さすぎると演算の負荷は小さいが調整の精度が劣化する。そのため、網点が出現する周期(この例では14×14ドット)に対して約60%程度の領域とすることが好ましい。さらに、領域ごとに網%を定めるのではなく、各ドットを中心として領域6を定義して領域内の網%を求め、この網%を当該中心ドットの網%と定義しても良い。この場合、ドットごとに網%が定義されることになる。
【0031】
なお、S10ステップで入力された標準印刷物の網50%におけるドットゲインを基準とし、図7のドットゲインカーブに従って網%に対するドットゲインが演算されて、網%が5%刻みで図8のドットゲインテーブルに格納される。なお、図8で網%が50%の行のドットゲインの欄に「×1.0」と記載されているのは、S10ステップで入力されたドットゲインのデータを1.0倍してこの欄に格納する意味である。他の欄は、図7のカーブに従って、求められた値が格納される。
【0032】
次に、網点の境界ドットを特定する(S30)。網点の境界ドットとは、面積階調画像の各網点に含まれているドットのうち、網点の最外周に位置するドットである。具体的には、図9に示したフィルタを用い、フィルタの中央ドット50の1ビットデータが「1(インキを置く)」であり、中央ドット50に対して4近傍に位置する検査ドット51のいずれかの1ビットデータが「0(インキを置かない)」である場合に、その中央ドット50を境界ドットと言う。境界ドットの特定結果は、図10に示した境界ドットテーブルに格納される。ここでは、全ドットの各々に対して、境界ドットである場合には「1」が、境界ドットでない場合には「0」が格納されている。このように境界ドットを特定するのは、印刷物のドットゲインに対応して網点太りをプルーフで表現するに際し、境界ドットの外側に網点を大きくする際に用いるためと、印刷物とプルーフの色材の違いによる画質の違いを、この境界ドットの色を変化させることで調整するためである。
【0033】
次に、図6の領域ごとの網%を格納した網%テーブルから、図8のドットゲインテーブルを参照して、領域ごとのドットゲインを求める。さらに、このドットゲインから図11の増加ドット列数テーブルを参照して、領域ごとに網点を太らせるためのドット列の数を特定する(S40)。
【0034】
ここで、図11の増加ドット列数テーブルは、印刷物のドットゲインにより太った網点とほぼ同じ大きさの網点をプルーフにおいて再現するために、プルーフの網点境界の外側に増加せしめるべき、つまり1ビットデータを「1」にすべきドット列数を格納したテーブルである。この線数のデータは、面積階調画像の線数に対応してあらかじめ定められている。当然ながら、印刷物のドットゲインが大きくなるにつれ、プルーフの網点の外側に増加すべき、1ビットデータが「1」のドット列数も増加する。これにより、網点形状を維持したまま、プルーフの網点の大きさを印刷物とほぼ同じ大きさにすることができる。
【0035】
次に、S40ステップで特定された領域ごとの増加ドット列数と、図10の境界ドットテーブルとを用いて、面積階調画像の網点を領域ごとに太らせる(S50)。このようにして得た面積階調画像22の、図4に対応する部分の模式図を図12に示す。図12を図4と比較すると、網点5の外側の1列分のドット3に関して、それぞれのドットの1ビットデータが、「0(インキを置かない)」から「1(インキを置く)」に変化していることがわかる。その結果、図12では、網点7が網点5より一回り分大きくなっており、印刷における網点太りをプルーフで再現している。なお、図5のS10ステップからS50ステップは、第2の画像の網%が調整される網%調整ステップを構成する例である。
【0036】
しかし、これだけでは、印刷物の画質をプルーフで再現することは難しい。印刷物とプルーフは色材が一般に異なり、発色特性も異なるためである。そこで、網点7内のドットの色を、ベタ色を基本としながら、先に特定した境界ドットに関しては調整色とする。これについて続いて説明する。
【0037】
まず、次のS60ステップでは、ベタ色のYMC濃度をルックアップテーブルから特定する。ルックアップテーブルは、画像形成装置40のいわゆるデバイスプロファイルを格納したテーブルであり、印刷物の15色の色をプルーフで再現するために必要な、ハロゲン化銀感光材料の要素色であるYMCの色濃度の組み合わせを特定するテーブルである。このテーブルは、出力装置において、あらかじめY、M、Cの各層の発色を多段階に変えた条件で組み合わせ、それらの条件で露光・現像により作成されたカラーパッチに対して、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*座標及びステータスT条件下で測定されたY、M、C濃度を測定することで、印刷物の色に対応する適切なYMC濃度のデータが結びつけられて格納されたものである。このテーブル例を図13に示す。なお、説明を簡単にするために、印刷条件により決まる印刷物の色は、すでにL*a*b*座標系の値を用いて指定されているものとした。さらに、印刷物で使用される色版の全部について、面積階調画像が求められているものとする。
【0038】
次に、図12の網点7を構成するドットごとに、図13のルックアップテーブルを用いてYMC濃度を指定する。このようにして生成された露光テーブルの例を図14に示す。図14のテーブルでは、ドットごとに出力機で用いられるY、M、Cの各濃度が格納されている。これで網点7を構成するドットの色が、印刷物のベタ色に合致する色となる。
【0039】
次に、図12の網点7を構成するドットのうち、S30ステップで特定して図10のテーブルに結果が格納された境界画素について、S10ステップで入力された色調レベルに対応する掛け率が、図15の掛け率テーブルから読み出される。この掛け率とルックアップテーブルのYMC濃度から、調整色のYMC濃度が特定される(S70ステップ)。
【0040】
なお、掛け率テーブルは、色調レベルに応じて0.1倍から2.0倍までのあらかじめ定められた掛け率が格納されている。この掛け率は、ルックアップテーブルで特定されるYMC濃度の各々に対して乗ぜられることで、ベタ色に対する調整色のYMC濃度を生成することができる。掛け率が1.0より小さい場合、境界画素の色はベタ色より薄くなり、掛け率が1.0より大きい場合には境界画素の色はベタ色より濃くなる。
【0041】
次に、この調整色のYMC濃度のデータが、図10のテーブルを参照しながら、図14のドットごとのYMC濃度テーブルに格納される。これにより、境界ドットのYMC濃度が、ベタ色のYMC濃度から調整色のYMC濃度に置き換えられる(S80ステップ)。このようにして形成された面積階調画像23の模式図を図16に示す。図16は、図4、図12とも対応する部分の模式図である。図12と図16を対比すると、図12の網点7のドットのうち、図4で網点境界に位置していたドット4の色が、ベタ色(斜線で表示)から調整色(縦線で表示)に変更されているのがわかる。つまり、S30ステップ、S70ステップ、S80ステップは、色調調整ステップの例を構成する。これにより、プルーフの画質が印刷物の画質と合致するように調整される。
【0042】
図16の画像では、網点の形状、大きさ共に印刷物に近似したものとなり、また、網点中央部と周辺部に存在するベタ色も、印刷物のベタ色に可能な限り近似されている。さらに、画像全体の画質も印刷物に近似したものに調整される。
【0043】
次に、図17に示した露光テーブルにより、YMCの各濃度に関して、図示されない出力装置に対応した露光量コードが特定され(S90ステップ)、この露光コードが出力装置に出力される(S100ステップ)。出力装置では、RGBの各LEDがハロゲン化銀感光材料を二次元に走査しながら、送られたドットごとの露光コードに従ってハロゲン化銀感光材料を露光する。続いて図示されない現像装置で、この露光済み感光材料に対して現像と定着の処理がなされてプルーフが作成される。これで画像形成装置における処理が終了する。
【0044】
このような画像形成方法により得られるプルーフは、本印刷機と同じRIPを経た面積階調画像を、そのまま画像形成装置40で用いているにも係わらず、目標とする印刷物に網点の形状や大きさの網点構造がきわめて近似し、網100%のベタ色もほぼ同じ色とすることができる。さらに、色材の違いにも係わらず、画像全体の画質もきわめて近似した優れたプルーフとなる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上に示された発明の具体的態様に限定されるものではない。例えば、上記の説明では、画像形成装置40の制御装置の機能は、汎用コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されているが、専用のハードウェアにより実現しても良いことは言うまでもない。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しても良い。プログラムを記録媒体に格納する際には、複数の部分に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等を言う。
【0046】
また、他の出力手段は、インキジェット方式等のほぼ連続階調の色調を再現できるプリンター類でも良い。調整色とするドットは、元の網点の境界ドットには限定されず、変換された後の網点、例えば、図12で表された太らされた網点7の周縁部のドットであっても良いし、網点の中央部に集中して配置しても良い。いずれにせよ、調整色をベタ部の色と分けることでベタ色が確認でき、かつモアレなどが生じないように調整色のドットを配置すればよい。また、上記の網%調整ステップでは、網点の全周を回る1列ごとに、網点を太らせるようにしているが、網%の微妙な変化に対応して網点の外周に接してランダムに、網点を太らせるためのドットを配置しても良い。
【0047】
また、上記では、掛け率はYMC濃度のいずれにも同じ率としているが、Y、M、Cの各々に対して調整色ごとに異なる掛け率となるようにしても良い。また、掛け率テーブルを用いるのではなく、それぞれの調整色に対してルックアップテーブルを別途用意しても良い。また、調整色を色調レベルを入力することにより特定するのではなく、印刷条件に従って、色調レベルがあらかじめ定められていても良い。また、スクリーニング方式は、AMスクリーニングに限定されず、FMスクリーニングであっても良い。図5の処理フローは、これに限定されるものではなく、必要によりステップの順番を入れ替えることもできる。
【実施例1】
【0048】
特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101を調製した。また、以下のような露光部と現像部をもつ画像形成装置を準備した。露光部は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ、露光のタイミングを少しずつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ、隣接する10ドット分の露光が一度に出来る露光ヘッドを準備した。G、Rについても同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10ミクロンで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100ミクロンとした。1ドット当たりの露光時問は約100ナノ秒であった。また、露光後のハロゲン化銀感光材料に対して、前記公報実施例1に記載の現像処理を行うように現像部を準備した。
【0049】
まず、標準的なフルカラー画像をRIP処理した面積階調画像を用いて、同じフルカラー画像の印刷物と同じベタ色となるように、ルックアップテーブルのベタ色を調整し、一方、面積階調画像の網点の大きさは調整せずに、画像形成装置を用いてプルーフ出力した。出力されたプルーフを見ると、印刷物に対して約20%程度網点の大きさが小さいことが分かった。これを基準として網50%のドットゲインを測定し、図8に記載のドットゲインテーブルと、図11に記載の増加ドット列数テーブルを用意した。なお、網50%におけるドットゲインは13%とした。
【0050】
次に、これらのテーブルを用いて、調整色の掛け率を各種振ったプルーフを作成した。画質が印刷物ともっとも近似するように掛け率を決定した。この結果、調整色はベタ色に対して濃度が0.3下がったものとなった。
【0051】
次に、こうして定めた条件で、モアレの出る印刷物の面積階調画像を用いて画像形成装置でプルーフを作成し、元の印刷物と比較したところ、印刷物と網点構造、ベタ色、画質が共にきわめて近似したプルーフが得られた。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】画像形成方法を実施できるシステムの例を示したブロック図である。
【図2】本印刷機において表現できる色ごとの、色版の刷り重ねを示した図である。
【図3】面積階調画像のデータ構造の例を示した概念図である。
【図4】いずれか1版に関する面積階調画像の例を示した模式図である。
【図5】画像形成装置における処理フローの概略を示したフローチャートである。
【図6】網%テーブルの例を示した概念図である。
【図7】網%に対するドットゲインカーブの例を示した図である。
【図8】ドットゲインテーブルの例を示した概念図である。
【図9】フィルタの例を示した概念図である。
【図10】境界ドットを特定するテーブルの例を示した概念図である。
【図11】増加ドット列数テーブルの例を示した概念図である。
【図12】ドットゲインを反映した面積階調画像の例を示した模式図である。
【図13】ルックアップテーブルの例を示した概念図である。
【図14】露光テーブルの例を示した概念図である。
【図15】掛け率テーブルの例を示した概念図である。
【図16】画質調整がなされた面積階調画像の例を示した模式図である。
【図17】露光テーブルの例を示した概念図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ドット(非網点部)
2 ドット(網点部)
3 ドット(網点太り部)
4 ドット(元の網点境界部)
5 網点
6 領域
7 網点
8 網点
50 中央ドット
51 検査ドット
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の色校正としての面積階調画像を形成するための画像形成方法に関する。より具体的には、RIP(Raster Image Processor)により分版とドットごとの2値化がなされた本印刷機用の2値画像に基づいて、印刷物に近似した色校正が得られる画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷原稿がコンピュータ上でデジタルデータとして作成され、RIPを通して印刷用の面積階調画像を形成することが普通に行われるようになってきた。通常のカラー印刷では、少なくともシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、墨(K)の4版の印刷用の面積階調画像が、印刷原稿からRIPを通して作成され、印刷に使用される。
【0003】
この面積階調画像は、ドット(画素)の集合体として構成され、画像の階調は網点面積の大小により表現される。各ドットには、対応する印刷物においてインキが置かれる網点部のドットであるか、インキのないヌケ部のドットであるかのいずれかを意味する1ビット(2値)のデータが貼り付けられている。
【0004】
ところで、印刷版を作成・試し刷りした後に修正を施すのは無駄が多い。そのため、印刷版の作成前に、印刷物と同じ面積階調画像を出力し、あらかじめ印刷物の文字や色調の仕上がりをチェックするプルーフが作成されるのが通常である。
【0005】
プルーフの作成は、本印刷機とは異なる出力方式のプルーファと呼ばれる画像形成装置を用いて行われる。その際、作成に用いられる面積階調画像は、印刷用とは異なるプルーフ用の調整がなされた別のRIPを通したものが用いられる。これは、本印刷機では網点が太るドットゲインが生じる一方、出力方式が異なる画像形成装置では必ずしも同じドットゲインは生じないこと、また、色材の違いにより両者の発色特性が異なる等の理由による。そのため、コンピュータで作成された印刷原稿は、印刷用RIPとプルーフ用RIPの両方に送られ、それぞれで面積階調画像が生成される。
【0006】
しかし、その結果、画像形成装置から得られるプルーフと印刷物との全体的な画質をほぼ合致させた場合には、細部の網点形状や大きさが異なることがあった。また、プルーフの網100%のベタ部の色調(ベタ色)をあわせると、網%が50%程度の部分の色調がずれたりするため、ベタ部の色調をずらせてバランスをとるようなことも行われていた。さらに、RIPが違うことにより、指定するフォントの設定の誤り、網点形状の設定の誤りなどの人為的なミスが生じることもあった。
【0007】
ここで、印刷機と同じ面積階調画像を用いて、印刷におけるドットゲインを他の出力装置で表現できる画像校正方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、中間調ビットマップ画像を提供するステップと、ドット網%を推定するステップと、所定の色校正関数によって目標となるドット網%を計算するステップと、修正された画像を形成するためにon状態、off状態に変換するドット数Nを計算するステップとN個のドットをon、off状態を変換するステップを備える中間調ビットマップ画像の校正方法が開示されている。この方法によれば、色校正関数を適切に設定することにより、印刷物の網%にー致するプルーフ画像を得ることが可能となる。
【0008】
しかし、この方法では、単に網点の大きさを調整しているだけであり、色材の違いによるベタ色のずれには対処できない。例えば、色材としてハロゲン化銀感光材料を用いた場合、この方法により網点の機械的な大きさと、濃度から測定した網%とを印刷物に合わせると、プルーフのベタ部の濃度が低くなってしまい、コントラストの低い画質のプルーフしか得られない。
【0009】
また、RIPに関する記載はないが、色材としてハロゲン化銀感光材料を用いた場合に、濃度とドットゲインとを露光によって各々独立に制御して面積階調画像を形成する面積階調画像の形成方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−40781号公報
【特許文献2】特開2002−341470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、1の画像(例えば、印刷物)の作成に用いる面積階調画像を、他の画像(例えば、プルーフ)の作成でも共通に用い、1の画像と同様の網点構造とベタ色の濃度を有し、かつ画質も再現できる他の画像が作成可能な画像形成方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、前記1の出力手段と出力方式が異なる他の出力手段から他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップと、前記網点を構成するドットの色が調整される色調調整ステップとを含み、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法である。
【0012】
ここで、前記色調調整ステップにおけるドットの色の調整が、前記1の画像の少なくともいずれか1色に対して、少なくとも2色がドットごとに用いられるものであることは好ましい。また、前記2色のうちの1色が、前記1の画像の少なくともいずれか1色とほぼ同じ色調であることは好ましい。また、前記2色のうちの他の1色のドットが、前記網点の境界近傍に位置することは好ましい。
【0013】
また、前記第2の工程における網%の調整が、当該網%に応じて行われることは好ましい。また、前記第2の工程における他の1色の色調整が、網100%の色に対する掛け率に従って行われることは好ましい。また、前記1の出力手段が、前記1の画像の色材としてインキを用い、他の出力手段が、前記他の画像の色材としてハロゲン化銀感光材料を用いることは好ましい。
【発明の効果】
【0014】
1の画像と同じ1ビットデータの集合体を用い、1の画像とほぼ同じ網点構造が再現され、かつベタ部の色調も視覚的には1の画像とほぼ同じ色調が再現され、さらに、画質も1の画像と同等となる他の画像を得ることが可能となる。つまり、視覚的な画質の最適化と、測色的な画質の最適化を両立することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の画像形成方法を具体化した場合の処理流れの全体を示した図である。なお、図1は、1の出力手段の例として本印刷機30を用い、他の出力手段の例としてプルーファと呼ばれる画像形成装置を用いた例である。また、1の画像の例としては印刷物31を、他の画像の例としてはプルーフ41を用いている。また、面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体の例としては、DTPシステム10により作成された印刷原稿がRIP20により分版、2値化されて得られた1ビットデータの集合体21を用いる。また、第1の工程の例は、印刷原稿11から印刷物31を得る工程であり、第2の工程の例は、印刷原稿11からプルーフ41を得る工程に該当する。
【0016】
図1の処理流れでは、まず、コンピュータにより印刷原稿11が作成される。コンピュータとしては、ポストスクリプトなる記述言語を用いたDTP(Desk Top Publishing)システム10が多く使用される。印刷原稿11は、例えば、PDF(Portable Document Format)等のファイルとして作成され、文章の部分に関しては、テキストデータとフォントデータの組み合わせで構成される。これに図形表示のための図形部品のデータと書式データとが組み合わされて、全体が構成されている。
【0017】
RIP20は、図形を構成するベクトルデータを含む印刷原稿を、要素色に色分解すると共に、印刷や表示が可能な1ビットデータの集合であるビットマップデータに展開する。RIPにより得られたビットマップデータは、ドットの集合である網点(またはセル)の大きさにより階調表現を行うため、面積階調画像を構成できる。RIP処理では、膨大な量のデータを処理する必要があるため、RIPは専用のハードウェアで構成されることが多いが、コンピュータ上のソフトウェアで構成されていても良い。なお、同じ印刷原稿を用いても異なるRIPを通した場合には必ずしも同じ結果は得られない。それぞれのRIPに搭載されているフォントが異なっていたり、ソフトウェアのバージョンが違うなどにより、予期せぬエラーを生じることもある。
【0018】
RIP処理20を経て得られた1ビットデータの集合体21は、そのまま本印刷機30と画像形成装置40に送られて、それぞれから印刷物31とプルーフ41が得られる。ここで、RIP20における処理は、印刷機30と画像形成装置40とで共通であるから、両者で網点形状や線数の違い等の基本的な網点構造は同じとなる。しかし、一方で、印刷時に生じるドットゲインや色材の違いによる色調の変化等に対応するため、画像形成装置40では、以下に図2から図16を用いて説明する処理を行う。後述する。
【0019】
本印刷機30は、プロセスカラーであるYMCKの各版と必要により用いられる特色版とを用い、あらかじめ定めた順序で印刷用紙上にそれぞれのインキを刷り重ねていく。インキの刷り重ねにより、種々の色調を表現する。例えば、YMCKの組み合わせでは、それぞれの単独の4色と、複数の版の組み合わせで11色、これに白地を入れた合計16色が表現される。
【0020】
図2は、先のビットマップデータまたは面積階調画像の概念図である。この図は、印刷物においてプロセスカラーであるYMCKの版を用いた場合に、色名の列に示された印刷物上の網%が100%のベタ色が、同じ行の白丸で示された印刷版の刷り重ねで表現されることを意味している。ここで「+」は、色を刷り重ねていることを意味する。以下の説明に使用する版の色の表示は、図2の記載に従うものとする。これに特色版を加えるのは任意である。
【0021】
画像形成装置40の例として、ハロゲン化銀カラー感光材料を用い、図1の色名の列の色を、感光材料の要素色であるY、M、C各発色層の組み合わせで発色させるものを例に挙げて説明する。このような画像形成装置は、例えば、1ビットデータの集合体21からプルーフ形成に適した面積階調画像を生成する変換装置と、変換装置から出力された画像を用いてハロゲン化銀感光材料をLED等で露光する出力装置と、出力装置で露光されたハロゲン化銀感光材料を現像する現像装置とを備えてなる。変換装置は、汎用のコンピュータ上に設けられており、その制御出力に出力装置が接続され、さらに出力装置には現像装置が接続されている。
【0022】
このような画像形成装置では、図2の白(W)を除いた15色の各々に関して、ハロゲン化銀感光材料の各要素色に対するR、G、Bの各LEDの露光量を多段階に変化させることにより、ほぼ連続的に濃度変化させることが可能である。これにより、インキや印刷用紙のグレードの違い等に伴う多様な色の違いに対応することができる。
【0023】
しかし、画像形成装置としては、様々な色を表現できるものであれば特に制限されず、例えば、色の異なるドットの組み合わせにより様々な色を表現するものであっても良い。網点形状を明確に再現して検版性を高めるにはハロゲン化銀感光材料を用いたものを用いるのが好ましい。
【0024】
図3は、RIP処理により得られた1ビットデータの集合体のデータ構造を示した概念図である。各ドットごとに、各版でインキが置かれる(刷られる)か否かを示す「1(インキを置く)」か「0(インキを置かない)」かの、1ビットのデータが貼り付けられている。なお、以下、説明を簡単化するために、いずれか一つの版(例えばY版)について説明し、必要により複数の版に言及する。
【0025】
図4は、いずれか一つの版の面積階調画像の一部を模式的に示した図である。図4では、標準的な線数の場合に略対応した画像を例として示した。画像はドットの集合体として構成され、インキが置かれる部分である網点5は、インキが置かれることを意味する斜線が付されたドット2の集合により構成されている。ここで、太線の略正方形の枠6は、網点が出現する周期の一つ分に相当する大きさの領域を意味する。この枠内の領域を基準として網%を求める処理を行う。
【0026】
図1の画像形成装置40で行われる処理の概略流れを図5に示した。まず、RIP20を経た1ビットデータの集合体21が画像形成装置40に入力されると、合わせて標準印刷物を用いて測定された印刷時のドットゲインのデータが入力される(S10)。ここで、印刷物のドットゲインは、標準印刷物の網%が0%の白地と100%のベタ地と、それらの中間である網%が50%の濃度をそれぞれ光学的に測定し、これらから標準印刷物の面積階調画像において網%が50%の網点の印刷物における太り量を演算して、あらかじめ求められたものである。
【0027】
また、色材の違いに由来する画質の変化を調整するための、調整色の色調レベルが入力される(S10)。ここで、色調レベルとは、後述する掛け率テーブルを介して、プルーフのベタ部のYMC濃度に対する掛け率を特定するコードを意味する。これにより調整色を特定することができる。特定される調整色は、印刷物とプルーフとの色材の違いに起因する画質の違いを調整するために用いられる。印刷条件(インキの種類や紙質等)ごとに掛け率は変化し、標準印刷物と同じ面積階調画像を用いて画像形成装置40から出力されたプルーフの画質が、標準印刷物の画質に合致するように、あらかじめ設定される。従って、印刷条件が特定されれば、掛け率も特定される。
【0028】
プルーフの網100%のベタ色は、印刷物のベタ色に可能な限り合致させる。この画像形成方法では、複数の調整手段を備えるので、このようにしてもプルーフと印刷物との画質の違いが生じない。以下、このベタ色を、上記の調整色と対比して標準色ということがある。プルーフのベタ色と網点構造の両方を印刷物に合致させると、色材の違いに由来する画質の違いの調整が困難になるが、この画質の調整を、網点の境界画素の色調を標準色から調整色に変化させることにより行う。その際、上記で触れた掛け率を用いる。詳しくは後述する。
【0029】
次に、1ビットデータの集合体21を用いて、図4の領域6の各々に関して、領域内の画像の網%が求められる(S20)。具体的には、1ビットデータの集合体21から構成される面積階調画像において、図4の14×14=196画素の同じ大きさの領域6に分割して、それぞれの領域6の中で、1ビットデータが「1(インキを置く)」となっているドット(斜線が付されている)が占める割合を求める。得られた網%を、その領域の網%とし、図6に示した網%テーブルに領域ごとに格納する。これにより、画像のく網%に対応した調整が可能となる。
【0030】
このように面積階調画像の領域ごとの網%を求めるのは、印刷物におけるドットゲインが、図7に示したごとく網%により変化するため、それに対応して面積階調画像を調整する必要があることによる。なお、網50%近傍のトーンジャンプは、説明を簡単にするために無視した。領域6の分割に伴う意図せぬムラの発生を防止するために、領域間の移動平均を求めるようにしても良い。また、領域6の大きさを適宜拡大縮小することもできるが、この領域が大きすぎると、網%を求める精度は高くなるが演算の負荷は大きくなり、さらに前述のムラを低減するための処理により画像の鮮鋭度が損なわれる。一方、小さすぎると演算の負荷は小さいが調整の精度が劣化する。そのため、網点が出現する周期(この例では14×14ドット)に対して約60%程度の領域とすることが好ましい。さらに、領域ごとに網%を定めるのではなく、各ドットを中心として領域6を定義して領域内の網%を求め、この網%を当該中心ドットの網%と定義しても良い。この場合、ドットごとに網%が定義されることになる。
【0031】
なお、S10ステップで入力された標準印刷物の網50%におけるドットゲインを基準とし、図7のドットゲインカーブに従って網%に対するドットゲインが演算されて、網%が5%刻みで図8のドットゲインテーブルに格納される。なお、図8で網%が50%の行のドットゲインの欄に「×1.0」と記載されているのは、S10ステップで入力されたドットゲインのデータを1.0倍してこの欄に格納する意味である。他の欄は、図7のカーブに従って、求められた値が格納される。
【0032】
次に、網点の境界ドットを特定する(S30)。網点の境界ドットとは、面積階調画像の各網点に含まれているドットのうち、網点の最外周に位置するドットである。具体的には、図9に示したフィルタを用い、フィルタの中央ドット50の1ビットデータが「1(インキを置く)」であり、中央ドット50に対して4近傍に位置する検査ドット51のいずれかの1ビットデータが「0(インキを置かない)」である場合に、その中央ドット50を境界ドットと言う。境界ドットの特定結果は、図10に示した境界ドットテーブルに格納される。ここでは、全ドットの各々に対して、境界ドットである場合には「1」が、境界ドットでない場合には「0」が格納されている。このように境界ドットを特定するのは、印刷物のドットゲインに対応して網点太りをプルーフで表現するに際し、境界ドットの外側に網点を大きくする際に用いるためと、印刷物とプルーフの色材の違いによる画質の違いを、この境界ドットの色を変化させることで調整するためである。
【0033】
次に、図6の領域ごとの網%を格納した網%テーブルから、図8のドットゲインテーブルを参照して、領域ごとのドットゲインを求める。さらに、このドットゲインから図11の増加ドット列数テーブルを参照して、領域ごとに網点を太らせるためのドット列の数を特定する(S40)。
【0034】
ここで、図11の増加ドット列数テーブルは、印刷物のドットゲインにより太った網点とほぼ同じ大きさの網点をプルーフにおいて再現するために、プルーフの網点境界の外側に増加せしめるべき、つまり1ビットデータを「1」にすべきドット列数を格納したテーブルである。この線数のデータは、面積階調画像の線数に対応してあらかじめ定められている。当然ながら、印刷物のドットゲインが大きくなるにつれ、プルーフの網点の外側に増加すべき、1ビットデータが「1」のドット列数も増加する。これにより、網点形状を維持したまま、プルーフの網点の大きさを印刷物とほぼ同じ大きさにすることができる。
【0035】
次に、S40ステップで特定された領域ごとの増加ドット列数と、図10の境界ドットテーブルとを用いて、面積階調画像の網点を領域ごとに太らせる(S50)。このようにして得た面積階調画像22の、図4に対応する部分の模式図を図12に示す。図12を図4と比較すると、網点5の外側の1列分のドット3に関して、それぞれのドットの1ビットデータが、「0(インキを置かない)」から「1(インキを置く)」に変化していることがわかる。その結果、図12では、網点7が網点5より一回り分大きくなっており、印刷における網点太りをプルーフで再現している。なお、図5のS10ステップからS50ステップは、第2の画像の網%が調整される網%調整ステップを構成する例である。
【0036】
しかし、これだけでは、印刷物の画質をプルーフで再現することは難しい。印刷物とプルーフは色材が一般に異なり、発色特性も異なるためである。そこで、網点7内のドットの色を、ベタ色を基本としながら、先に特定した境界ドットに関しては調整色とする。これについて続いて説明する。
【0037】
まず、次のS60ステップでは、ベタ色のYMC濃度をルックアップテーブルから特定する。ルックアップテーブルは、画像形成装置40のいわゆるデバイスプロファイルを格納したテーブルであり、印刷物の15色の色をプルーフで再現するために必要な、ハロゲン化銀感光材料の要素色であるYMCの色濃度の組み合わせを特定するテーブルである。このテーブルは、出力装置において、あらかじめY、M、Cの各層の発色を多段階に変えた条件で組み合わせ、それらの条件で露光・現像により作成されたカラーパッチに対して、CIELAB色空間におけるL*、a*、b*座標及びステータスT条件下で測定されたY、M、C濃度を測定することで、印刷物の色に対応する適切なYMC濃度のデータが結びつけられて格納されたものである。このテーブル例を図13に示す。なお、説明を簡単にするために、印刷条件により決まる印刷物の色は、すでにL*a*b*座標系の値を用いて指定されているものとした。さらに、印刷物で使用される色版の全部について、面積階調画像が求められているものとする。
【0038】
次に、図12の網点7を構成するドットごとに、図13のルックアップテーブルを用いてYMC濃度を指定する。このようにして生成された露光テーブルの例を図14に示す。図14のテーブルでは、ドットごとに出力機で用いられるY、M、Cの各濃度が格納されている。これで網点7を構成するドットの色が、印刷物のベタ色に合致する色となる。
【0039】
次に、図12の網点7を構成するドットのうち、S30ステップで特定して図10のテーブルに結果が格納された境界画素について、S10ステップで入力された色調レベルに対応する掛け率が、図15の掛け率テーブルから読み出される。この掛け率とルックアップテーブルのYMC濃度から、調整色のYMC濃度が特定される(S70ステップ)。
【0040】
なお、掛け率テーブルは、色調レベルに応じて0.1倍から2.0倍までのあらかじめ定められた掛け率が格納されている。この掛け率は、ルックアップテーブルで特定されるYMC濃度の各々に対して乗ぜられることで、ベタ色に対する調整色のYMC濃度を生成することができる。掛け率が1.0より小さい場合、境界画素の色はベタ色より薄くなり、掛け率が1.0より大きい場合には境界画素の色はベタ色より濃くなる。
【0041】
次に、この調整色のYMC濃度のデータが、図10のテーブルを参照しながら、図14のドットごとのYMC濃度テーブルに格納される。これにより、境界ドットのYMC濃度が、ベタ色のYMC濃度から調整色のYMC濃度に置き換えられる(S80ステップ)。このようにして形成された面積階調画像23の模式図を図16に示す。図16は、図4、図12とも対応する部分の模式図である。図12と図16を対比すると、図12の網点7のドットのうち、図4で網点境界に位置していたドット4の色が、ベタ色(斜線で表示)から調整色(縦線で表示)に変更されているのがわかる。つまり、S30ステップ、S70ステップ、S80ステップは、色調調整ステップの例を構成する。これにより、プルーフの画質が印刷物の画質と合致するように調整される。
【0042】
図16の画像では、網点の形状、大きさ共に印刷物に近似したものとなり、また、網点中央部と周辺部に存在するベタ色も、印刷物のベタ色に可能な限り近似されている。さらに、画像全体の画質も印刷物に近似したものに調整される。
【0043】
次に、図17に示した露光テーブルにより、YMCの各濃度に関して、図示されない出力装置に対応した露光量コードが特定され(S90ステップ)、この露光コードが出力装置に出力される(S100ステップ)。出力装置では、RGBの各LEDがハロゲン化銀感光材料を二次元に走査しながら、送られたドットごとの露光コードに従ってハロゲン化銀感光材料を露光する。続いて図示されない現像装置で、この露光済み感光材料に対して現像と定着の処理がなされてプルーフが作成される。これで画像形成装置における処理が終了する。
【0044】
このような画像形成方法により得られるプルーフは、本印刷機と同じRIPを経た面積階調画像を、そのまま画像形成装置40で用いているにも係わらず、目標とする印刷物に網点の形状や大きさの網点構造がきわめて近似し、網100%のベタ色もほぼ同じ色とすることができる。さらに、色材の違いにも係わらず、画像全体の画質もきわめて近似した優れたプルーフとなる。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上に示された発明の具体的態様に限定されるものではない。例えば、上記の説明では、画像形成装置40の制御装置の機能は、汎用コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムにより実現されているが、専用のハードウェアにより実現しても良いことは言うまでもない。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納しても良い。プログラムを記録媒体に格納する際には、複数の部分に分割し、分割したものをそれぞれに記憶媒体に格納することも可能である。ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディクス、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等を言う。
【0046】
また、他の出力手段は、インキジェット方式等のほぼ連続階調の色調を再現できるプリンター類でも良い。調整色とするドットは、元の網点の境界ドットには限定されず、変換された後の網点、例えば、図12で表された太らされた網点7の周縁部のドットであっても良いし、網点の中央部に集中して配置しても良い。いずれにせよ、調整色をベタ部の色と分けることでベタ色が確認でき、かつモアレなどが生じないように調整色のドットを配置すればよい。また、上記の網%調整ステップでは、網点の全周を回る1列ごとに、網点を太らせるようにしているが、網%の微妙な変化に対応して網点の外周に接してランダムに、網点を太らせるためのドットを配置しても良い。
【0047】
また、上記では、掛け率はYMC濃度のいずれにも同じ率としているが、Y、M、Cの各々に対して調整色ごとに異なる掛け率となるようにしても良い。また、掛け率テーブルを用いるのではなく、それぞれの調整色に対してルックアップテーブルを別途用意しても良い。また、調整色を色調レベルを入力することにより特定するのではなく、印刷条件に従って、色調レベルがあらかじめ定められていても良い。また、スクリーニング方式は、AMスクリーニングに限定されず、FMスクリーニングであっても良い。図5の処理フローは、これに限定されるものではなく、必要によりステップの順番を入れ替えることもできる。
【実施例1】
【0048】
特開2002−341470号公報の実施例1に記載のハロゲン化銀感光材料No.101を調製した。また、以下のような露光部と現像部をもつ画像形成装置を準備した。露光部は、光源としてBのLEDを主走査方向に10個並べ、露光のタイミングを少しずつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ、隣接する10ドット分の露光が一度に出来る露光ヘッドを準備した。G、Rについても同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10ミクロンで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100ミクロンとした。1ドット当たりの露光時問は約100ナノ秒であった。また、露光後のハロゲン化銀感光材料に対して、前記公報実施例1に記載の現像処理を行うように現像部を準備した。
【0049】
まず、標準的なフルカラー画像をRIP処理した面積階調画像を用いて、同じフルカラー画像の印刷物と同じベタ色となるように、ルックアップテーブルのベタ色を調整し、一方、面積階調画像の網点の大きさは調整せずに、画像形成装置を用いてプルーフ出力した。出力されたプルーフを見ると、印刷物に対して約20%程度網点の大きさが小さいことが分かった。これを基準として網50%のドットゲインを測定し、図8に記載のドットゲインテーブルと、図11に記載の増加ドット列数テーブルを用意した。なお、網50%におけるドットゲインは13%とした。
【0050】
次に、これらのテーブルを用いて、調整色の掛け率を各種振ったプルーフを作成した。画質が印刷物ともっとも近似するように掛け率を決定した。この結果、調整色はベタ色に対して濃度が0.3下がったものとなった。
【0051】
次に、こうして定めた条件で、モアレの出る印刷物の面積階調画像を用いて画像形成装置でプルーフを作成し、元の印刷物と比較したところ、印刷物と網点構造、ベタ色、画質が共にきわめて近似したプルーフが得られた。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】画像形成方法を実施できるシステムの例を示したブロック図である。
【図2】本印刷機において表現できる色ごとの、色版の刷り重ねを示した図である。
【図3】面積階調画像のデータ構造の例を示した概念図である。
【図4】いずれか1版に関する面積階調画像の例を示した模式図である。
【図5】画像形成装置における処理フローの概略を示したフローチャートである。
【図6】網%テーブルの例を示した概念図である。
【図7】網%に対するドットゲインカーブの例を示した図である。
【図8】ドットゲインテーブルの例を示した概念図である。
【図9】フィルタの例を示した概念図である。
【図10】境界ドットを特定するテーブルの例を示した概念図である。
【図11】増加ドット列数テーブルの例を示した概念図である。
【図12】ドットゲインを反映した面積階調画像の例を示した模式図である。
【図13】ルックアップテーブルの例を示した概念図である。
【図14】露光テーブルの例を示した概念図である。
【図15】掛け率テーブルの例を示した概念図である。
【図16】画質調整がなされた面積階調画像の例を示した模式図である。
【図17】露光テーブルの例を示した概念図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ドット(非網点部)
2 ドット(網点部)
3 ドット(網点太り部)
4 ドット(元の網点境界部)
5 網点
6 領域
7 網点
8 網点
50 中央ドット
51 検査ドット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、前記1の出力手段と出力方式が異なる他の出力手段から他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップと、前記網点を構成するドットの色が調整される色調調整ステップとを含み、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記色調調整ステップにおけるドットの色の調整が、前記1の画像の少なくともいずれか1色に対して、少なくとも2色がドットごとに用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記2色のうちの1色が、前記1の画像の少なくともいずれか1色とほぼ同じ色調であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記2色のうちの他の1色のドットが、前記網点の境界近傍に位置することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記第2の工程における網%の調整が、当該網%に応じて行われることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記第2の工程における他の1色の色調整が、網100%の色に対する掛け率に従って行われることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記1の出力手段が、前記1の画像の色材としてインキを用い、他の出力手段が、前記他の画像の色材としてハロゲン化銀感光材料を用いることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項1】
面積階調画像を構成するドットごとの1ビットデータの集合体を用い、1の出力手段から1の画像を出力する第1の工程と、前記の集合体を用い、前記1の出力手段と出力方式が異なる他の出力手段から他の画像を出力する第2の工程とを有し、前記第2の工程は、前記面積階調画像に含まれる網点の網%が調整される網%調整ステップと、前記網点を構成するドットの色が調整される色調調整ステップとを含み、前記他の画像が前記1の画像に近似化されることを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記色調調整ステップにおけるドットの色の調整が、前記1の画像の少なくともいずれか1色に対して、少なくとも2色がドットごとに用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記2色のうちの1色が、前記1の画像の少なくともいずれか1色とほぼ同じ色調であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記2色のうちの他の1色のドットが、前記網点の境界近傍に位置することを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成方法。
【請求項5】
前記第2の工程における網%の調整が、当該網%に応じて行われることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記第2の工程における他の1色の色調整が、網100%の色に対する掛け率に従って行われることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成方法。
【請求項7】
前記1の出力手段が、前記1の画像の色材としてインキを用い、他の出力手段が、前記他の画像の色材としてハロゲン化銀感光材料を用いることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2006−33063(P2006−33063A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204749(P2004−204749)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】
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