説明

食品の整列装置

【課題】食品の底部がガイド溝面に対して面接触できるようにして接触抵抗を大きくし、食品の搬送が円滑に行なわれることができるようにするとともに、姿勢の安定化を図って食品を確実に列化して搬送できるようにする。
【解決手段】細長状で底部が略平面に形成された多数の食品を搬送コンベアで搬送し、食品の搬送過程で食品の縦列化及び横列化を行なうもので、食品が入り込んで支承され搬送コンベアの搬送方向に沿う搬送路を形成するガイド溝16aを搬送コンベアCの搬送方向に直交する方向に複数列設して形成されるとともに振動が付与される振動盤15を設け、この振動盤15のガイド溝16aを横断面V字状に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送コンベアで無作為に搬送されてくる細長状で底部が略平面に形成される多数の食品を搬送過程で整列する整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の食品の整列装置としては、例えば、特許文献1(特開2002−362504号公報)に記載され、食品の搬送システムに備えられたものが知られている。
【0003】
図17に示すように、この食品の搬送システムSは、食品として細長い略楕円形の柔らかいパンなどの小型食品Pを包装用ケースに収容する図示外の収容装置に搬送するものである。
この搬送システムSで用いられる食品の整列装置Daは、焼成後クーリングコンベア1上で方向や列が乱れてランダムに大量に搬送されてくる小型の食品Pを整列するためのもので、食品Pを搬送コンベア2で搬送し、食品Pの搬送過程で食品Pの長手方向が搬送コンベア2の搬送方向に沿うように食品Pを整列させるものである。
整列装置Daは、搬送コンベア2の搬送方向に沿い食品Pが入り込んで支承されるガイド溝4を搬送コンベア2の搬送方向に直交する方向に複数列設して形成されるとともに振動が付与される振動盤3を備えている。
図18に示すように、この振動盤3のガイド溝4の底面5は、搬送方向に下流側にむけて徐々に深く弧状に窪むように形成されている。また、このガイド溝4の小型食品Pの実際に接触する側面6は、その巾が搬送方向の下流側に向けて徐々に狭まるよう形成されている。
【0004】
そして、この搬送システムSの整列装置Daにおいては、クーリングコンベア1から搬送されてくる食品Pが、順次、振動盤3の各ガイド溝4に入れられる。このガイド溝4に入った食品Pは、振動盤3の振動によりガイド溝4の底面5上を窪みの深い下流側に向けて徐々に落ちてこのガイド溝4を通過していく。この際、ガイド溝4の側面6により、食品Pの長手方向が搬送コンベア2の搬送方向に沿うように位置させられる。
この長手方向が合わせられて列化された食品Pは、ガイド溝4毎に設けられる後続の図示外の収容装置に送られ、包装用のケースに入れられる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−362504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような従来の整列装置Daにあっては、図18に示すように、食品Pとして、細長状で底部が略平面に形成された形状の例えばパンなどに適用した場合、食品が振動盤3に搬送されてくると、ガイド溝4がU字状に形成されているので、食品Pの低部とガイド溝面が線接触になってしまい、そのため、接触抵抗が小さく、食品Pの搬送が円滑に行なわれないことがあるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、食品の底部がガイド溝面に対して面接触できるようにして接触抵抗を大きくし、食品の搬送が円滑に行なわれることができるようにするとともに、姿勢の安定化を図って食品を確実に列化して搬送できるようにした食品の整列装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明の食品の整列装置は、細長状で底部が略平面に形成された多数の食品を搬送コンベアで搬送し、上記食品の搬送過程で該食品の縦列化及び横列化を行なう食品の整列装置において、上記食品が入り込んで支承され上記搬送コンベアの搬送方向に沿う搬送路を形成するガイド溝を上記搬送コンベアの搬送方向に直交する方向に複数列設して形成されるとともに振動が付与される振動盤を設け、該振動盤のガイド溝を横断面V字状に形成した構成としている。
ここで、「縦列化」とは、食品の搬送過程で該食品の長手方向が上記搬送コンベアの搬送方向に沿うように列化することである。また、「横列化」とは該食品が上記搬送コンベアの搬送方向に直交する方向に沿って所定間隔に位置するように列化することである。
【0009】
これにより、食品が搬送コンベアにより振動盤に搬送されてくると、食品は、振動盤に載せられ、振動盤の振動により弾んで徐々にガイド溝に入り込むようになる。この場合、ガイド溝はV字状に形成されているので、食品の底部がガイド溝のV字を形成する斜面に対して面接触するようになる。そのため、食品のガイド溝面に対する接触抵抗が大きくなるので、食品の搬送が円滑に行なわれるとともに、正確に食品の長手方向と搬送方向とがあわせられ、姿勢も安定化するので、確実に食品が列化される。
【0010】
また、必要に応じ、上記振動盤の後半部分におけるガイド溝を平面状の底部及び該底部から鉛直に立設される一対の側壁で構成している。
食品がV字状のガイド溝からそのまま移動する場合には、下流の搬送コンベアとの間に段差ができてしまい、食品の受け渡しが円滑に行かない場合があるが、底部が平面状なので段差を無くすることができ、そのため、下流の搬送コンベアに確実に受け渡して送ることができる。
【0011】
また、必要に応じて、該振動盤の上方に上記搬送方向に直交する方向の回転軸を有し上記食品に接する一または複数の回転ブラシを設けた構成としている。
これにより、食品は、振動盤上を進んで回転ブラシに至ると、この食品は回転ブラシの毛の摩擦力も加わり回転ブラシと振動盤の間を通って回転ブラシの下流側に送られる。この場合、食品が、食品の長手方向が搬送方向に対して沿わないで、振動盤の振動により弾んでガイド溝の上にまたがろうとしても、食品の下流側の端が先に回転ブラシに触れ、毛の摩擦力によりこの端が回転ブラシにより引っ張られるようになるので、徐々に食品の長手方向と搬送方向とが合わされるように修正される。そのため、長手方向が搬送方向に合わせられた食品は、確実に安定的にガイド溝に入り込むようになる。
【0012】
また、この場合、ほとんどの食品は振動盤の振動によりガイド溝に落ちるが、搬送コンベアから振動盤に移る際に、下流側の食品に隣接する上流側の食品が載り上げようとする場合があるが、回転ブラシに至ると、下流側の食品が回転ブラシに先に触れて先に搬送方向に進められ、あるいは載り上げようとした食品が回転ブラシに当接するので載り上げずに振動盤に載るようになり、そのため、食品同士の重なり合いの防止にも役立つ。これにより、食品がガイド溝にまたがってしまったり重なり合ってしまう事態が防止される。
この場合、複数の回転ブラシを設ければ、一つの場合に比較してより一層確実に食品をガイド溝に入り込ませることができる。
また、回転ブラシの毛を樹脂製の比較的柔軟なもので構成しておけば、食品に過度に負担をかけて傷をつけること等を防止することができる。
【0013】
次にまた、必要に応じ、上記振動盤の上流側に、上記食品の長手方向が上記搬送コンベアの搬送方向に沿うように該食品の姿勢を予めある程度そろえる姿勢予矯正機構を設けている。
振動盤に載る前に食品の姿勢が搬送コンベアの搬送方向に沿うようにある程度、揃えられるので、食品が振動盤に載ろうとする際、食品が円滑にガイド溝に入り込み易くすることができるようになる。
【0014】
また、必要に応じ、上記姿勢予矯正機構を、上流側の搬送コンベアに介装され、該搬送コンベアの搬送速度よりも搬送速度を速く設定した姿勢予矯正コンベアを備えて構成している。
簡単な機構で、前後のコンベアの速度差により、細長状の食品の頭を引っ張るようにして容易に食品の姿勢を揃えられる。
【0015】
更に、必要に応じ、上記振動盤の下流側に、上記食品を、該食品の搬送方向先端をそろえてグループ化するとともに、次のグループとの間に所定間隔設けて搬送するグループ化機構を設けている。
これにより、搬送コンベアにおいて、食品を縦列化するだけでなく、先端をそろえてグループ化するので、横列化を確実に行なうことができる。
【0016】
また、必要に応じ、上記グループ化機構を、常時作動する第1コンベアと、該第1コンベアの上流側に設けられ作動及び非作動のいずれかに設定可能な第2コンベアと、上記第1コンベアの端部に設けられ、該第1コンベアにより搬送される食品の搬送経路を開閉し、閉時に該第1コンベアにより搬送される食品の搬送を停止し開時に該食品の搬送を許容するストッパとを備えて構成している。
この場合、ストッパを閉にして、第1コンベア上の食品を停止させ、この状態で、第2コンベアを非作動にする。それから、ストッパを開にして食品を通過させる。この際、第2コンベアが非作動なので、ストッパに停止された食品の次にくる食品は、第2コンベアから第1コンベアには搬送されない。そのため、次にくる食品との間に所定間隔設けることができる。
その後、ストッパの閉及び第2コンベアの作動を行ない次の食品を第1コンベアまで搬送して、これをストッパで停止させ、上記と同様にして、更に次の食品との間に間隔を設ける。
【0017】
そしてまた、必要に応じ、上記グループ化機構を、上記第2コンベアの上流側に設けられ通常の搬送速度である通常状態及び通常よりも減速された減速状態のいずれか状態に設定可能な第3コンベアを備えて構成している。
第1コンベアにおいてストッパに停止された食品があり、かつ、第2コンベアが非作動で第2コンベア上の食品が停止していている際に、第3コンベアにおいて食品を減速状態にして第2コンベアに送るので、第2コンベア上の食品が第3コンベアからの食品に押されるようなことがあっても、急に押される事態が防止され姿勢の崩れが抑制される。
【0018】
上記グループ化機構のコンベアの上方に、該コンベアの搬送方向に直交する方向に複数列設され上記各ガイド溝に対応する搬送路を複数形成する仕切りを設けている。
仕切りによって食品がガイドされるので、振動盤の下流側の搬送コンベアにおいて食品の長手方向が搬送方向に沿うように姿勢を保持したまま搬送できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の食品の整列装置によれば、振動盤のガイド溝をV字状に形成したので、食品の底部がガイド溝のV字を形成する斜面に対して面接触するようになる。そのため、食品のガイド溝面に対する接触抵抗が大きくなり、食品の搬送を円滑に行なわせることができ、また、正確に食品の長手方向と搬送方向とをあわせることができ、姿勢も安定化するので、確実に食品を列化することができる。
【0020】
また、回転ブラシを設けた場合には、食品が、食品の長手方向が搬送方向に対して沿わないで、振動盤の振動により弾んでガイド溝の上にまたがろうとしても、食品の下流側の端が先に回転ブラシに触れ、毛の摩擦力によりこの端が回転ブラシにより引っ張られるようになるので、徐々に食品の長手方向と搬送方向とが合わされるように修正される。そのため、食品を確実に安定的にガイド溝に入り込ませることができる。また、搬送コンベアから振動盤に移る際に、食品が載り上げて食品同士が重なろうとしても、回転ブラシにより、下流側の食品を先に搬送方向に進めたり、載り上げた食品を落としたりすることができるので、食品同士の重なり合いも防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る食品の整列装置について詳細に説明する。
図1に示すように、この整列装置Dは、食品としての食品の搬送システムSに適用される。
【0022】
搬送システムSは、無作為に送給されてくる多数の食品を整列して、これを包装する包装装置(図示せず)に搬送する。実施の形態において、食品は、例えば、底部が略平面でありかつ細長状に形成され、予め、略同じ形状に夫々形成されたパンであり、搬送システムSに搬送される前に焼成機(図示せず)により焼成されるとともにクーリングコンベア(図示せず)において冷却されている。
【0023】
図1に示すように、整列装置Dは、多数の食品Pを搬送コンベアCで搬送し、これらの食品Pの搬送過程で食品Pの長手方向が搬送コンベアCの搬送方向に沿うようにかつ食品Pが搬送コンベアCの搬送方向に直交する方向に沿って所定間隔に位置するように食品Pを整列させるものであり、搬送コンベアC間に介装される振動盤15を備えて構成されている。
図1乃至図6に示すように、振動盤15は、食品Pが入り込んで支承され搬送コンベアCの搬送方向に沿う前半部分のガイド溝16a及びこれに連続する後半部分の16bを搬送コンベアCの搬送方向に直交する方向に複数列設して形成されるとともに、図示しないバイブレーション器により振動が付与される。図3及び図5に示すように、振動盤15の前半部分のガイド溝16aは、横断面V字状に形成されている。このV字状のガイド溝16aの山部17と山部17の巾は、搬送される食品Pの巾よりも広く形成され、V字を形成する斜面の巾は食品Pの巾と略同じに形成されている。また、図3及び図6に示すように、振動盤15の後半部分のガイド溝16bは、底部が平面状に形成されている。後半部分の底部が平面状のガイド溝16bは、平面状の底部19及びこの底部19に鉛直に複数立設される側壁20で構成されている。側壁20は、前半部分のガイド溝16aの山部17に連続している。
【0024】
また、図1乃至図8に示すように、この整列装置Dには、振動盤15の上方に搬送方向に直交する方向の回転軸26を有し食品Pに接する上流側の回転ブラシ25a及び下流側の回転ブラシ25bが搬送方向に沿って設けられている。実施の形態においては、上流側の回転ブラシ25aは、V字状のガイド溝16aの上方に設けられ、下流側の回転ブラシ25bは、底部が平面状のガイド溝16bの上方に夫々設けられている。回転ブラシ25a,25bは、共に回転軸26に多数設けられる樹脂製の柔軟な毛により形成され、この毛によりその外形が円柱状に形成されている。
また、図4に示すように、各回転ブラシ25a,25bの回転速度は、回転ブラシ25a,25bの毛先付近の移動速度V2(周速)が、振動盤15上を振動によって搬送される食品Pの移動速度V1よりもやや速くなるように設定されている。
【0025】
更に、図1及び図2に示すように、振動盤15の上流側には、食品Pの長手方向が搬送コンベアCの搬送方向に沿うように、食品Pの姿勢を予めある程度そろえる姿勢予矯正機構30が設けられている。
この姿勢予矯正機構30は、上流側のベルトコンベアからなる搬送コンベアC(10)と振動盤15の間に介装され、この搬送コンベアC(10)の搬送速度よりも搬送速度の速い姿勢予矯正コンベアC(11)を備えている。姿勢予矯正コンベアC(11)は、上流側の搬送コンベアよりも食品Pの底部との摩擦力が弱いステンレス製ローラコンベアで構成するのが望ましい。実施の形態においては、姿勢予矯正コンベアC(11)の搬送速度は、例えば、毎分40mに設定され、上流側の搬送コンベアC(10)の搬送速度は、例えば、毎分9mに設定されている。
【0026】
また、図1及び図2に示すように、振動盤15の下流側の搬送コンベアCには、食品Pを、食品Pの搬送方向先端をそろえてグループ化するとともに、次のグループとの間に所定間隔設けて搬送するグループ化機構35が設けられている。
このグループ化機構35は、図9乃至図14に示すように、常時作動する第1コンベアC(36)と、第1コンベアC(36)の上流側に設けられ作動及び非作動のいずれかに設定可能な第2コンベアC(37)と、第1コンベアC(36)により搬送される食品Pの搬送経路を開閉し閉時に第1コンベアC(36)により搬送される食品Pを停止し開時に食品Pの搬送を許容するストッパ41とを備えて構成されている。
【0027】
第1コンベアC(36)は、ローラコンベアで構成され、その速度は、例えば、毎分30mに設定されている。第2コンベアC(37)は、ローラコンベアで構成され、その速度は、例えば、毎分24mに設定されている。
ストッパ41は、図10に示すように、エアシリンダ等で駆動され、第1コンベアC(36)端部付近のローラ間を天地方向に第1コンベアC(36)側から前進及び後退可能に設けられ、前進時に第1コンベアC(36)上を搬送されてくる食品Pを停止するとともに、後退時に停止された食品Pを通過させている。
【0028】
また、第2コンベアC(37)の上流側には、通常の搬送速度である通常状態及び通常よりも減速された減速状態のいずれかの状態に設定可能な第3コンベアC(38)が備えられている。
この第3コンベアC(38)は、通常状態の際の搬送速度が、例えば、毎分26mに設定され、減速状態の搬送速度が、例えば、毎分13mに設定されている。
【0029】
また、第2コンベアC(37),第3コンベアC(38)及びストッパ41を制御する制御部(図示せず)が備えられている。
この制御部は、第1コンベアC(36)の下流側であってストッパ41の直前に設けられる第1検知センサ45,第1コンベアC(36)の上流側に設けられる第2検知センサ46,第2コンベアC(37)の下流側に設けられる第3検知センサ47及び第2コンベアC(37)の上流側に設けられる第4検知センサ48の検知に基づいて、第2コンベアC(37)と第3コンベアC(38)とストッパ41とを制御している。
これらのセンサ45,46,47,48は、食品Pの搬送方向に直交する方向に所定の波長の指向性のある光を投光する投光器49及びこの光を受光する受光器50とを備えて構成されている。投光器49は、コンベアC上の食品Pに光が当たるように設けられている。この検知センサ45,46,47,48は、受光器50において、光が受光されない遮光状態及び光が受光した受光状態のいずれかを検知する。
また、この制御部には、ストッパ41の開閉のタイミングを計るタイマが内蔵されている。
【0030】
この制御部は、例えば、図15及び図16に示すフローチャートに従って、第2コンベアC(37),第3コンベアC(38),ストッパ41を制御している。
まず、制御部は、ストッパ41を前進させておく(1−1)。そして、内蔵のタイマをリセットしてそのまま止めておき(1−2)、更に、第1検知センサ45を確認する(1−3)。次に、第1検知センサ45が遮光されている場合には、タイマをスタートさせて時間を計測し(1−5)、各検知センサを確認し、ルーチンを行なう(1−7)。
【0031】
ルーチンでは、図16に示すように、第2コンベアC(37)及び第3コンベアC(38)が制御される。まず、第1,第2及び第3検知センサ45,46,47のみが遮光であれば(2−1N,2−2Y)第2コンベアC(37)を非作動にする(2−3)。また、第1,第2,第3及び第4検知センサ45,46,47,48が遮光であれば(2−1Y)、第3コンベアC(38)を減速状態にするとともに(2−4)、第2コンベアC(37)を非作動にする(2−3)。これ以外は、何も行なわない(2−1N,2−2N)。
図15に戻り、このルーチンは、タイマの所定時間(0.5秒)経過するまで繰り返され(1−8N)、タイマの所定時間(0.5秒)経過後は(1−8Y)、ストッパ41を後退させて開にし(1−9)、タイマをリセットして再びスタートする(1−10)。
【0032】
次に、第2検知センサ46を確認し(1−11)、この第2検知センサ46が遮光状態であれば(1−12N)、再び各検知センサ45,46,47,48を確認し(1−13)、第2検知センサ46が受光状態になるまでルーチンを繰り返す(1−14)。一方、第2検知センサ46が受光状態になると(1−12Y)、第2コンベアC(37)を作動させるとともに第3コンベアC(38)を通常状態にし(第2コンベアC(37)が作動状態であればそのまま。また、第3コンベアC(38)が通常状態であればそのまま。)(1−15)、タイマの所定時間(0.2秒)後にストッパ41を閉にする(1−16Y)。
【0033】
また、第3コンベアC(38)の上流側には、第4コンベアC(39)が設けられている。この第4コンベアC(39)は、その搬送速度が、例えば、毎分12mに設定されている。この第4コンベアC(39)には、図9に示すように、所定の高さよりも高い位置を通る食品Pを検知する第5検知センサ51が設けられている。この第5検知センサ51は、上記の検知センサ45,46,47,48と同様に、食品Pの搬送方向に直交する方向に所定の波長の光を投光する投光器49及びこの光を受光する受光器50とを備えて構成されている。この第5検知センサ51の検知があると、後述の搬送路55に正しく食品Pが入っていないものとして警報音が鳴らされる。
更に、第4コンベアC(39)の上流側には、振動盤15と隣接する第5コンベアC(40)が設けられている。この第5コンベアC(40)は、その搬送速度が、例えば、毎分29mに設定されている。
また、振動盤15の下流側の搬送コンベアCである第1,第2,第3,第4及び第5コンベア36,37,38,39,40の上方に、搬送コンベアCの搬送方向に直交する方向に複数列設され各ガイド溝16a,16bに対応する搬送路55を複数形成する仕切り56が設けられている。この仕切り56は、断面円形の棒状に形成されている。
【0034】
また、この搬送システムSには、図1に示すように、グループ化機構35によりグループ化された食品Pの搬送方向を90度方向転換する方向転換装置60が設けられている。グループ化機構35から方向転換装置60に入ったグループ化された食品Pは、別のコンベアCa上に移載され、所定個数カウントされて数量がそろえられるとともに、図示しない後続の包装装置により包装される。
【0035】
従って、搬送システムSにより食品Pの搬送が行なわれると整列装置Dにおいては以下のようになる。まず、図2,図4乃至図8に示すように、焼成機により焼成されクーリングコンベアで冷却された食品Pが、搬送コンベアC(10)を介して姿勢予矯正コンベアC(11)に送られてくる。
この食品Pが搬送コンベアC(10)から姿勢予矯正コンベアC(11)に移る際に、姿勢予矯正コンベアC(11)より上流側の搬送コンベアC(10)の搬送速度に対して姿勢予矯正コンベアC(11)の搬送速度が速いので、食品Pの下流側が姿勢予矯正コンベアC(11)に引っ張られ、ある程度食品Pの長手方向が搬送方向に沿うようになる。そのため、上流側の搬送コンベアCよりも搬送速度よりも下流側の姿勢予矯正コンベアC(11)の搬送速度を速くするという簡単な機構で容易に食品Pの姿勢が揃えられる。姿勢予矯正コンベアC(11)を食品Pの底部との摩擦力が小さくなるようにステンレス製ローラコンベアとすると搬送コンベアC(10)との摩擦力の差により食品Pの姿勢矯正の効果が増す。
【0036】
姿勢予矯正コンベアC(11)で姿勢がある程度矯正された食品Pは、振動盤15に送られる。この際、食品Pは、上流側の振動盤15に載せられ、山部17に乗り上げるかまたは谷部18側に落ち込んでガイド溝16aに入り込む。山部17に乗り上げた場合も振動盤15の振動により弾んで徐々にV字状のガイド溝16aの谷部18に入り込んでいく。そのため、搬送が円滑に行なわれる。即ち、従来のU字状のガイド溝では、食品Pの低部とガイド溝面が線接触になるので、不安定であり、また、線接触なので、抵抗が小さく、搬送中の縦列化が円滑にならないことがあった。V字状のガイド溝16aの場合には、食品Pの底部はガイド溝16aに対して面接触するようになるので搬送が円滑に行なわれる。
また、図8に示すように、より多くの面積で接している方がより多くの力を受けてより前へ進むため、例えば、1つの溝に2個の食品Pが重なろうとした場合でも(図8(a))、よりV字の斜面と多く接している方の食品Pが、もう一方の食品Pよりも前へ進むことになるので食品P同士の重なりが防止される。
また、この際、姿勢予矯正コンベアC(11)において、食品Pは、予め、その長手方向がある程度搬送方向に沿わせられているので、ガイド溝16aに入り込みやすくすることができる。
【0037】
そして、この振動盤15上を進み、回転ブラシ25aの下方に食品Pが至ると、食品Pは、回転ブラシ25aの毛の摩擦力により回転ブラシ25aと振動盤15の間を通って回転ブラシ25aの下流側に送られる。
この場合、食品Pが、姿勢予矯正機構30によっても食品Pの姿勢が矯正されきれずに、搬送方向に対して長手方向が沿わないで、ガイド溝16a間にまたがろうとしたり、振動盤15の振動により食品Pがイレギュラーにはねようとしても、この食品Pは食品Pの搬送方向の下流側の端が先に回転ブラシ25aに触れ、回転ブラシ25aの毛の摩擦力により引っ張られるようになるので、この食品Pの長手方向と搬送方向とが徐々に合わせられていく。そのため、長手方向が搬送方向に合わせられた食品Pは、徐々に振動盤15の振動によりガイド溝16aに入り込ませられる。
【0038】
また、この場合、ほとんどの食品Pは振動盤15の振動によりガイド溝16aに落ちるが、姿勢予矯正コンベア11から振動盤15に移る際に、図7に示すように、下流側の食品Pに隣接する上流側の食品Pが載り上げようとする場合があり、載り上げたまま回転ブラシ25aに至ると(図7a)、下流側の食品Pが回転ブラシ25aに先に触れて先に搬送方向に進められ、あるいは載り上げた食品Pが回転ブラシ25aに当接するので載り上げた食品Pが落ちて振動盤15に載るようになり(図7b)、そのため、食品P同士の重なり合いも防止される。これにより、食品Pがガイド溝15aにまたがってしまったり重なり合ったりしてしまう事態が防止される
【0039】
次に、食品Pは、その長手方向が搬送方向に沿わせられた状態で、V字状のガイド溝16aから底部が平面状のガイド溝16bに送られる。
また、回転ブラシ25a,25bの毛は樹脂製で比較的柔軟なものなので、食品Pに過度に負担をかけて傷をつけること等を防止されグループ化機構35への搬送ができる。
【0040】
そして、振動盤15のガイド溝16bに入り込んだ食品Pは、各ガイド溝16bに対応する振動盤15の下流側の搬送コンベアCの搬送路55に送られる。この時点で、食品Pは、食品Pの長手方向と搬送方向とが揃えられ、縦列化が完了する。
この際、振動盤15の後半部分のガイド溝16bの底部を平面上に形成したので、各ガイド溝16bに入り込んだ食品Pを、このガイド溝16bに対応する搬送路55への受け渡しが安定し、そのため、搬送路55に確実に受け渡して送ることができる。即ち、食品PがV字状のガイド溝16aをそのまま移動する場合には、下流の搬送コンベアC(40)との間に段差ができてしまい、食品Pの受け渡しが円滑に行かない場合があるが、後半部分のガイド溝16bは底部が平面状なので段差を無くすることができ、そのため、下流の搬送コンベアC(40)に確実に受け渡して送ることができる。
また、振動盤15の下流側の搬送コンベアCに搬送路55を設けたので、振動盤15の下流側の搬送コンベアCにおいて食品Pの長手方向が搬送方向に沿った状態を保持したまま搬送できる。
【0041】
そして、振動盤15の下流側の搬送コンベアCにおいては、図2及び図4に示すように、まず、食品Pは、振動盤15から第5コンベアC(40)に送られる。
次に、食品Pは、第5コンベアC(40)から第4コンベアC(39)に送られる。第4コンベアC(39)は、比較的搬送速度が遅く設定されているので、食品Pとこの食品Pの下流側に隣接する食品Pとの間が詰まっていく。
また、第4コンベアC(39)においては、ごく希に、振動盤15の振動や回転ブラシ25a,25bの回転によっても食品Pの載り上げが解消されないものがあると、第5検知センサ51の高さ方向の検知により警報音が鳴らされる。そのため、万が一、重なったりする食品Pがあっても、ここで調整されて、後続の装置への影響を回避することができる。
【0042】
そして、図9乃至図14に示すように、第4コンベアC(39)から、グループ化機構35の第3コンベアC(38)に送られる。
第3コンベアC(38)及び第2コンベアC(37)を介して第1コンベアC(36)に食品Pが送られてくると、この食品Pは、図12に示すように、まず、第1コンベアC(36)のストッパ41に停止される。この食品Pは、第1検知センサ45の受光器50が遮光になることで検知される。そして、図13に示すように、制御部は、第1検知センサ45の検知から所定時間(0.5秒)経過後にストッパ41を開にする。次に、このストッパ41の開から所定時間(0.2秒)経過後にこのストッパ41を閉にする。
【0043】
このストッパ41により停止された食品Pが、第1検知センサ45を遮光状態にし、かつ、第3コンベアC(38)からの食品Pが、第2コンベアC(37)において、第3検知センサ47を遮光状態にした場合、第2コンベアC(37)を作動から非作動に設定する。そのため、第3コンベアC(38)から搬送されて第2コンベアC(37)の上流側に至った食品Pは、第2コンベアC(37)上で停止され、第1コンベアC(36)には送られない。
【0044】
そして、その後、第2検知センサ46が受光状態になるまで第2コンベアC(37)の非作動で待機し、第2検知センサ46が受光状態になると、第2コンベアC(37)を非作動から作動に設定して、第2コンベアC(37)上の食品Pを第1コンベアC(36)に送る。一方、第1,第2,第3検知センサ45,46,47の遮光状態の際に、第3コンベアC(38)からの食品Pが第2コンベアC(37)に送られ、この食品Pにより第2コンベアC(37)の上流側の第4検知センサ48が遮光状態になると、第3コンベアC(38)を通常状態から減速状態に設定する。その後、第2検知センサ46が受光状態になるまで、第3コンベアC(38)はこの状態で待機する。第2検知センサ46が受光状態になると、第2コンベアC(37)を非作動から作動にし、第3コンベアC(38)を減速状態から通常状態に夫々設定する。
【0045】
そのため、図14に示すように、第1コンベアC(36)のストッパ41により食品Pが停止された状態では、第1コンベアC(36)には第2コンベアC(37)からは食品Pが送られなくなるので、前のグループと次のグループとの間に所定間隔あけることができるようになる。
また、第1コンベアC(36)において、ストッパ41に停止された食品Pがある際に、第2コンベアC(37)の非作動の状態で第2コンベアC(37)上の食品Pが停止していて、この食品Pが、第3コンベアC(38)からの食品Pに押されるようなことがあっても、急激に押される事態が防止され姿勢の崩れが抑制されることから、食品Pの受け渡しを確実にすることができ、そのため、次の食品Pとの間に確実に間隔を設けることができるようになる。
【0046】
グループ化機構35により、食品Pは、搬送方向と直交する方向に頭が揃えられて列設されて横列化が完了する。そして、このグループ化された食品Pは、更に下流側の別のストッパ61でもう一度停止されて頭が揃えられ、その後、搬送方向が90度方向転換され、別のコンベアCa上に移載される。そして、このコンベアCa上で所定個数カウントされて数量がそろえられるとともに、後続の図示しない包装装置により包装される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置を備えた搬送システムを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置の要部を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、上流側の振動盤を示す横断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、下流側の振動盤を示す横断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、振動盤及び回転ブラシの作用を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、振動盤をその作用とともに示す部分拡大断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置のグループ化機構を示す平面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、グループ化機構を示す縦断面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、グループ化機構を示す横断面図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、グループ化機構の作動状態を示す平面図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、グループ化機構の作動状態を示す平面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置において、整列状態を示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置におけるグループ化機構の制御部の制御を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態に係る食品の整列装置におけるグループ化機構の制御部の制御を示すフローチャートである。
【図17】従来の食品の整列装置が備えられる搬送システムを示す図である。
【図18】従来の食品の整列装置を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0048】
D 食品の整列装置
S 搬送システム
P 食品
11 姿勢予矯正コンベア
15 振動盤
16a,16b ガイド溝
17 山部
18 谷部
19 底部
20 側壁
25a,25b 回転ブラシ
26 回転軸
30 姿勢予矯正機構
C 搬送コンベア
C(10) 搬送コンベア
C(11) 姿勢予矯正コンベア
35 グループ化機構
C(36) 第1コンベア
C(37) 第2コンベア
C(38) 第3コンベア
C(39) 第4コンベア
C(40) 第5コンベア
41 ストッパ
45 第1検知センサ
46 第2検知センサ
47 第3検知センサ
48 第4検知センサ
49 投光器
50 受光器
51 第5検知
55 搬送路
56 仕切り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長状で底部が略平面に形成された多数の食品を搬送コンベアで搬送し、上記食品の搬送過程で該食品の縦列化及び横列化を行なう食品の整列装置において、
上記食品が入り込んで支承され上記搬送コンベアの搬送方向に沿う搬送路を形成するガイド溝を上記搬送コンベアの搬送方向に直交する方向に複数列設して形成されるとともに振動が付与される振動盤を設け、該振動盤のガイド溝を横断面V字状に形成したことを特徴とする食品の整列装置。
【請求項2】
上記振動盤の後半部分におけるガイド溝を平面状の底部及び該底部から鉛直に立設される一対の側壁で構成したことを特徴とする請求項1記載の食品の整列装置。
【請求項3】
上記振動盤の上方に上記搬送方向に直交する方向の回転軸を有し上記食品に接する一または複数の回転ブラシを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の食品の整列装置。
【請求項4】
上記振動盤の上流側に、上記食品の長手方向が上記搬送コンベアの搬送方向に沿うように該食品の姿勢を予めある程度そろえる姿勢予矯正機構を設けたことを特徴とする請求項1,2または3記載の食品の整列装置。
【請求項5】
上記姿勢予矯正機構を、上流側の搬送コンベアと上記振動盤との間に介装され、該上流側の搬送コンベアの搬送速度よりも搬送速度を速く設定した姿勢予矯正コンベアを備えて構成したことを特徴とする請求項4記載の食品の整列装置。
【請求項6】
上記振動盤の下流に、上記食品を、該食品の搬送方向先端をそろえてグループ化するとともに、次のグループとの間に所定間隔設けて搬送するグループ化機構を設けたことを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の食品の整列装置。
【請求項7】
上記グループ化機構を、常時作動する第1コンベアと、該第1コンベアの上流側に設けられ作動及び非作動のいずれかに設定可能な第2コンベアと、上記第1コンベアの端部付近に設けられ、該第1コンベアにより搬送される食品の搬送経路を開閉し、閉時に該第1コンベアにより搬送される食品の搬送を停止し開時に該食品の搬送を許容するストッパとを備えて構成したことを特徴とする請求項6記載の食品の整列装置。
【請求項8】
上記グループ化機構を、上記第2コンベアの上流側に設けられ通常の搬送速度である通常状態及び通常よりも減速された減速状態のいずれかの状態に設定可能な第3コンベアを備えて構成したことを特徴とする請求項7記載の食品の整列装置。
【請求項9】
上記グループ化機構のコンベアの上方に、該コンベアの搬送方向に直交する方向に複数列設され上記各ガイド溝に対応する搬送路を複数形成する仕切りを設けたことを特徴とする請求項7または8記載の食品の整列装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−327812(P2006−327812A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157286(P2005−157286)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000178594)山崎製パン株式会社 (42)
【Fターム(参考)】