説明

駐車位置案内装置、方法およびプログラム

【課題】車両の走行挙動に対応した走行支援機能を車載端末に実行させる技術の提供。
【解決手段】駐車位置案内装置であって、駐車位置ごとに、当該駐車位置にて車両が非接触式充電を実際に行った際の充電効率を示す充電効率情報を取得する充電効率情報取得手段と、前記充電効率情報に基づいて前記駐車位置を前記充電効率とともに案内する案内手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式充電を行うための駐車位置を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、車両の車両寸法に基づいて当該車両が駐車可能な駐車場を特定し、当該特定した駐車場の駐車場名や空き状況や営業時間等を案内するカーナビゲーション装置が提案されている(特許文献1、参照。)。かかる構成によれば、車両が駐車可能であり、かつ、空いている駐車場を運転者が認知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−171060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のカーナビゲーション装置では、二次電池を備える車両を駐車場や駐車枠に駐車させて非接触式充電を行う場合の充電効率を運転者が認知することができないという問題があった。特に、非接触式充電の場合、充電効率は車両が充電の際に駐車した駐車場や駐車枠に依存しやすく、良好な充電効率を得ることができる駐車場や駐車枠を認知したいという要請が強い。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、駐車位置における非接触式充電の充電効率を運転者に認知させる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明において、充電効率情報取得手段は、駐車位置ごとに、当該駐車位置にて車両が非接触式充電を実際に行った際の充電効率を示す充電効率情報を取得する。そして、案内手段は、充電効率情報に基づいて駐車位置を充電効率とともに案内する。かかる構成によれば、駐車位置における非接触式充電の充電効率を運転者が認知することができる。従って、運転者は充電効率を指針として駐車位置を選定することができる。
【0006】
充電効率情報取得手段が充電効率情報を取得する具体的手段は種々考えられる。例えば、管理サーバから充電効率情報を受信してもよい。この場合、多数の車両が非接触式充電を実際に行った際の充電効率を管理サーバが統計し、当該統計に基づいて信頼性の高い充電効率情報を作成することができる。従って、多数の車両についての充電効率の統計結果に基づく信頼性の高い充電効率情報に基づいて、案内手段が案内を行うことができる。なお、充電効率情報を駐車位置案内装置が作成してもよい。
【0007】
案内手段は、表示によって駐車位置を充電効率とともに案内をしてもよいし、音声によって駐車位置を充電効率とともに案内してもよい。また、案内手段は、少なくとも駐車位置を充電効率とともに案内すればよく、駐車位置や充電効率に対応付けて他の情報を案内してもよい。駐車位置に対応付けて案内する好適な情報として駐車位置ごとの空車状況や駐車料金や充電料金等が挙げられる。
【0008】
また、駐車位置と充電効率とに対応付けて案内する好適な情報として、車両が駐車位置に駐車するために所定の駐車開始動作を行ってから所定の駐車終了動作を行うまでに経過した駐車所要時間が挙げられる。非接触式充電においては、送電側装置と車両の受電側装置とが電界結合や磁界結合することにより充電が行われるため、送電側装置と受電側装置との位置関係が充電効率に大きく影響する。充電効率が良好となる位置に車両を駐車することが望ましいが、充電効率が良好となる位置に車両を駐車することの難易度は駐車位置の形状や送電側装置の仕様等に大きく依存する。すなわち、充電効率が良好となる位置に車両を駐車することの難易度が低い駐車位置であれば駐車所要時間が短くても良好な充電効率を得ることができるし、充電効率が良好となる位置に車両を駐車することの難易度が高い駐車位置であれば良好な充電効率を得るために必要な駐車所要時間が長くなる。さらに、そもそも駐車位置に備えられた送電側装置の性能が悪ければ、いくら駐車所要時間を費やしても良好な充電効率を得ることができない。このような状況において、駐車位置と駐車所要時間ごとに充電効率が案内されれば、どの程度の時間を費やして駐車を行えば当該駐車位置にて良好な充電効率を得ることができるか、当該駐車位置にて駐車に時間を費やすことが良好な充電効率を得るために有益なのか否かを運転者は認識できる。
【0009】
また、駐車位置と駐車所要時間ごとに充電効率を案内する場合、駐車所要時間と充電効率との多数の組み合わせごとに駐車位置が案内され得るため、案内する対象を絞り込むのが望ましい。例えば、車両の現在位置に対して所定距離以内の駐車位置を検索し、当該検索された駐車位置についてのみ案内するようにしてもよい。さらに、運転者が指定した範囲に属する駐車所要時間や充電効率に対応する駐車位置を検索し、当該検索された駐車位置についてのみ案内するようにしてもよい。当該検索が行われた駐車位置についての充電効率情報を充電効率情報取得手段が取得してもよいし、充電効率情報取得手段が取得した充電効率情報を案内手段が前記検索を行った上で案内を行うようにしてよい。
【0010】
さらに、充電効率が良好となる位置に車両を駐車することの難易度は車両の車種にも依存する。例えば、障害物が隣接して存在する駐車位置において充電効率が良好となる位置に大型車を駐車することの難易度は、当該駐車位置において充電効率が良好となる位置に小型車を駐車することの難易度よりも高い。また、駐車位置における送電側装置の設置位置と、車両における受電側装置の取り付け位置との相性によっても、当該駐車位置において当該車両が充電する場合の充電効率が大きく異なることとなる。従って、自車両の車種に対応する車種の車両が駐車位置において非接触式充電を行った際の充電効率を案内するのが望ましい。なお、車種とは車両の大きさや旋回性能等の駐車難易度に対応する車両特性が区分できるものであればよく、具体的な車両の型式を特定するものでなくてもよい。
【0011】
駐車位置は車両が駐車して非接触式充電を行う位置を示すが、当該駐車位置は駐車場ごとに区分されてもよい。この場合、駐車場とともに充電効率が案内されるため、運転者は充電効率を指針として車両を駐車させる駐車場を選定することができる。さらに、駐車位置は駐車場において車両が駐車可能な範囲ごとに区画された駐車枠であってもよい。この場合、駐車枠とともに充電効率が案内されるため、運転者は充電効率を指針として車両を駐車させる駐車枠を選定することができる。
【0012】
上述したように、非接触式充電における充電効率は、送電側装置と受電側装置との位置関係に大きく影響されるため、駐車枠内の枠内位置も充電効率に大きく影響を与える。従って、駐車位置を駐車枠内の枠内位置ごとに区分し、良好な充電効率が得られる枠内位置を駐車枠内において案内するようにしてもよい。さらに、駐車枠内において駐車した車両の方向とともに充電効率を案内してもよい。すなわち、駐車枠に対して車両を前進させて駐車したか後退させて駐車したかによって充電効率を区分して案内してもよいし、駐車枠内における車両の詳細な角度ごとに充電効率を区分して案内してもよい。
【0013】
さらに、本発明のように駐車位置の案内を行う手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のような装置、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーション装置や方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】駐車位置案内システムのブロック図である。
【図2】充電効率DBを作成するための処理を示すフローチャートである。
【図3】駐車位置の案内を行うための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)駐車位置案内システムの構成:
(1−1)ナビゲーション装置の構成:
(1−2)管理サーバの構成:
(2)充電効率DBを作成するための処理:
(3)駐車位置の案内を行うための処理:
(4)他の実施形態:
【0016】
(1)駐車位置案内システムの構成:
図1は、車両に備えられたナビゲーション装置10と管理センターに設置された管理サーバ20とを含む駐車位置案内システムの構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、本発明の一実施形態にかかる駐車位置案内装置を含む。ナビゲーション装置10と管理サーバ20とは無線通信によって通信可能となっている。ナビゲーション装置10は車両に搭載されている。図示しないが管理サーバ20に対してナビゲーション装置10を搭載した複数の車両が通信可能となっている。非接触式充電装置30は駐車場内の駐車枠に備えられ、駐車枠に駐車している車両に対して非接触式充電を行う。図示しないが複数の駐車場において複数の駐車枠が設けられ、当該駐車枠ごとに非接触式充電装置30が備えられている。非接触式充電装置30は、当該非接触式充電装置30が備えられた駐車枠に駐車している車両、および、管理サーバ20と通信可能である。
【0017】
(1−1)ナビゲーション装置の構成:
ナビゲーション装置10は、CPUとRAMとROM等を備える制御部11と記録媒体12とを備えている。記録媒体12には、地図情報12aと検索情報12bとが記録されている。ナビゲーション装置10は、記録媒体12やROMに記憶されたプログラムを制御部11で実行する。本実施形態において、制御部11は、駐車位置案内プログラム110と実績情報送信プログラム120とを実行する。
【0018】
地図情報12aには車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、駐車枠データ等が含まれている。ノードデータが示すノードには、駐車場に対応するノードが含まれている。駐車場に対応するノードには、駐車枠データが対応付けられている。この駐車枠データには、駐車場内において一台の車両が駐車可能な範囲として区画された各駐車枠の位置や範囲を特定する情報が含まれる。
【0019】
車両は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とカメラ44とユーザI/F部45とECU46と通信部47と電源装置48とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星から電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための情報を出力する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。ジャイロセンサ43は、車両に作用する角速度に対応した信号を出力する。制御部11は図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車両の方向を取得する。制御部11は、GPS受信部41の出力信号から特定される車両の現在位置を、車速センサ42とジャイロセンサ43等からの信号に基づいて補正する。
【0020】
カメラ44は、駐車枠に車両を駐車する場合に、駐車枠を区画する地物が視野に入るように車両に対して取り付けられている。カメラ44は、撮影した画像を示す画像データを図示しないインタフェースを介して制御部11に出力する。制御部11は、カメラ44は、撮影した画像データに基づいて、車両が駐車開始動作と駐車終了動作とを行ったことを検知する。本実施形態の駐車開始動作は車両の前方端部または後方端部が駐車枠の内側に進入することであり、駐車終了動作は車両の駐車枠内に位置し、かつ、車両のパーキングブレーキがかけられることである。また、車両が駐車開始動作を行ってから駐車終了動作を行うまでに経過した時間が駐車所要時間である。
【0021】
ECU46は車両の各部を制御するための演算装置である。ECU46は、パーキングブレーキがかけられたことを検知し、その旨を示す信号を図示しないインタフェースを介して制御部11に出力する。ユーザI/F部45は、運転者が指示を入力し、または運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しない表示部や操作スイッチやスピーカ等を備えている。通信部47は、無線通信によって管理サーバ20とナビゲーション装置10とを通信可能する。また、通信部47は、駐車場の駐車枠ごとに備えられた非接触式充電装置30とナビゲーション装置10とを通信可能する。なお、図1において単一の通信部47を図示しているが、非接触式充電装置30と管理サーバ20とのそれぞれと通信するためのハードウェアが個別に備えられてもよい。
【0022】
電源装置48は、図示しない二次電池を備え、当該二次電池から車両の各部に電源を供給する。また、電源装置48は、非接触式充電装置30と磁界結合や電界結合等をすることによって、非接触式充電装置30から非接触にて電力の供給を受ける。非接触式充電装置30から受け取った電力は二次電池に充電される。電源装置48は、非接触式充電において充電された充電電力量を示す情報を制御部11に出力する。また、非接触式充電装置30は、無線通信部を備えており、当該無線通信部を介して非接触式充電装置30が備えられた駐車枠に駐車している車両が備える通信部47に対して送電電力量を示す情報を送信する。
【0023】
駐車位置案内プログラム110は、充電効率情報要求部110aと充電効率情報取得部110bと案内部110cとを含む。
充電効率情報要求部110aは、管理サーバ20に対して充電効率情報の送信を要求する機能を制御部11に実行させるモジュールである。すなわち、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、ユーザI/F部45を介して運転者から所定の指示が受け付けられた場合に、管理サーバ20に対して充電効率情報要求を送信する。この充電効率情報要求には、検索種別を示す情報と検索情報12bとが含まれる。検索種別を示す情報は、駐車位置としての駐車場を検索する駐車場検索をするのか、駐車位置としての駐車枠を検索する駐車枠検索をするのかを示す。検索情報12bには、少なくとも自車両の車種と現在位置とを示す情報が含まれる。
【0024】
充電効率情報取得部110bは、駐車位置ごとに、当該駐車位置にて車両が非接触式充電を実際に行った際の平均充電効率を示す充電効率情報を取得する機能を制御部11に実行させるモジュールである。すなわち、充電効率情報取得部110bの機能により制御部11は、前記充電効率情報要求に応答して管理サーバ20が送信した充電効率情報を通信部47を介して取得する。検索種別が駐車場検索である場合には、充電効率情報取得部110bの機能により制御部11は、駐車場における駐車所要時間ごとの平均充電効率を示す充電効率情報を取得する。一方、検索種別が駐車枠検索である場合には、充電効率情報取得部110bの機能により制御部11は、駐車枠における駐車所要時間ごとの平均充電効率を示す充電効率情報を取得する。
【0025】
案内部110cは、充電効率情報に基づいて駐車位置を平均充電効率とともに案内する機能を制御部11に実行させるモジュールである。すなわち、検索種別が駐車場検索である場合には、案内部110cの機能により制御部11は、充電効率情報に基づいて、駐車場とともに駐車所要時間ごとの平均充電効率を示す案内をユーザI/F部45に表示させる。一方、検索種別が駐車枠検索である場合には、案内部110cの機能により制御部11は、充電効率情報に基づいて、駐車枠とともに駐車所要時間ごとの平均充電効率を示す案内をユーザI/F部45に表示させる。
【0026】
実績情報送信プログラム120は、車両が非接触式充電を実際に行った際の駐車位置と充電効率とを対応付けた実績情報を取得し、当該実績情報を管理サーバ20に送信する機能を制御部11に実行させるプログラムである。すなわち、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、車両の前方端部または後方端部が駐車枠の内側に進入する駐車開始動作が行われてから、車両の駐車枠内に対する駐車が終了した状態でパーキングブレーキがかけられる駐車終了動作が行われるまでの時間を駐車所要時間として取得する。また、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、車両が駐車した駐車場と駐車枠とを特定する。
【0027】
さらに、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、非接触式充電が完了すると、電源装置48から充電電力量を示す情報を取得し、非接触式充電装置30から送電電力量を示す情報を取得する。また、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、充電電力量を送電電力量で除算することにより、充電効率を算出する。そして、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、車両が非接触式充電を実際に行った際の駐車場と駐車枠と駐車所要時間と車両の車種と充電効率との組み合わせを示す実績情報を作成し、当該実績情報を管理サーバ20に送信する。
【0028】
(1−2)管理サーバの構成:
次に、管理サーバ20の構成を説明する。管理サーバ20は、CPUとRAMとROM等を備える制御部21と記録媒体22と通信部23とを備えており、制御部21は当該記録媒体22やROMに記憶されたプログラムを実行する。記録媒体22には、充電効率DB22aが記憶されている。充電効率DB22aは、駐車位置(駐車場,駐車枠)と充電効率と駐車所要時間と車両の車種との対応関係を示す実績情報を蓄積したデータベースである。通信部23は車両と非接触式充電装置30との間でと無線通信を可能とする。
【0029】
充電効率情報送信プログラム210は、情報蓄積部210aと充電効率情報作成部210bと充電効率情報送信部210cとを含む。
情報蓄積部210aは、実績情報を充電効率DB22aに蓄積する機能を制御部21に実行させるモジュールである。すなわち、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、車両から受信した実績情報を取得し、当該実績情報を充電効率DB22aに蓄積する。さらに、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、充電効率DB22aに蓄積された実績情報の統計処理を行う。具体的には、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、同一の駐車枠と駐車所要時間と車両の車種との組み合わせが対応付けられた充電効率同士を平均した駐車枠ごとの平均充電効率を算出する。さらに、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、同一の駐車場と駐車所要時間と車両の車種との組み合わせが対応付けられた充電効率同士を平均した駐車場全体の平均充電効率を算出する。情報蓄積部210aの機能により制御部21は、駐車枠ごとの平均充電効率と駐車場全体の平均充電効率とを、これらに対応する駐車所要時間と車両の車種との組み合わせに対応付けて充電効率DB22aに記憶する。
【0030】
充電効率情報作成部210bは、車両から受信した充電効率情報要求を受信し、当該充電効率情報要求に基づいて充電効率情報を作成する機能を制御部21に実行させるモジュールである。すなわち、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率情報要求に含まれる検索種別を示す情報を取得し、検索種別が駐車枠検索であるか駐車場検索であるかを判定する。
【0031】
検索種別が駐車場検索である場合に、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率DB22aにおいて統計された駐車場と駐車所要時間と平均充電効率と車種との対応関係のなかから、車両の現在位置から所定距離以内にある駐車場が対応付けられた対応関係を検索する。一方、検索種別が駐車枠検索である場合に、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率DB22aにおいて統計された駐車枠と駐車所要時間と平均充電効率と車種との対応関係のなかから、現在、車両が位置している駐車場に属する駐車枠が対応付けられた対応関係を検索する。
【0032】
現在位置から所定距離以内の駐車場または駐車枠が対応付けられた駐車所要時間と平均充電効率と車種との対応関係が検索できると、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、前記検索した対応関係のなかから検索情報12bを満足するものをさらに検索する。すなわち、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、検索情報12bが示す自車両の車種と一致する車両が対応付けられた対応関係を検索する。充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、前記検索された対応関係を含む充電効率情報を作成する。
【0033】
充電効率情報送信部210cは、充電効率情報を車両に送信する機能を制御部21に実行させるモジュールである。すなわち、充電効率情報送信部210cの機能により制御部21は、充電効率情報作成部210bの機能により作成された充電効率情報を通信部23を介して車両に送信する。これにより、車両に備えられたナビゲーション装置10は、充電効率情報に基づく案内をユーザI/F部45に表示させることができる。すなわち、検索種別が駐車場検索である場合には、案内部110cの機能により制御部11は、駐車場を、当該駐車場に駐車した場合の平均充電効率と駐車所要時間との組み合わせとともに表示する。一方、検索種別が駐車枠検索である場合には、案内部110cの機能により制御部11は、駐車枠を、当該駐車枠に駐車した場合の平均充電効率と駐車所要時間との組み合わせとともに表示する案内をユーザI/F部45に表示させる。
【0034】
以上説明した案内によれば、駐車場または駐車枠とともに非接触式充電の充電効率を案内することができる。従って、駐車場または駐車枠に駐車した場合の充電効率を運転者が認知することができる。従って、運転者は充電効率を指針として駐車場または駐車枠を選定することができる。すなわち、運転者が所望する充電効率が実現できる駐車場または駐車枠を選定することができる。良好な充電効率を得ることができる駐車場または駐車枠が選定できれば、短い時間で充電を完了させることができるし、非接触式充電装置30が出力する送電電力量を抑制することができるため低料金かつ省エネルギーで充電を行うことができる。本実施形態では、多数の車両が実際に非接触式充電を行った際の充電効率を管理サーバ20が統計し、当該統計に基づいて充電効率情報が作成される。従って、多数の車両についての充電効率の統計結果に基づく信頼性の高い充電効率情報に基づいて、案内部110cの機能により制御部11が案内を行うことができる。
【0035】
また、本実施形態では、駐車場や駐車枠とともに駐車所要時間ごとの充電効率が案内さるため、どの程度の時間を費やして駐車を行えば当該駐車場や駐車枠にて良好な充電効率を得ることができるかを運転者は認識できる。例えば、同じ充電効率を得ることができる駐車場や駐車枠が複数あった場合に、駐車所要時間の短い方の駐車場や駐車枠を選定することができる。例えば、駐車所要時間を長くしても良好な充電効率が得られない駐車場や駐車枠において無駄に駐車所要時間を長くすることも防止できる。また、本実施形態では、現在位置から所定距離以内の駐車場や駐車枠を検索して案内を行うため、運転者に案内する情報を低減できる。さらに、本実施形態では、自車両の車種に対応する車種の車両が駐車位置において非接触式充電を行った際の充電効率が案内対象として絞り込まれるため、自車両が駐車場や駐車枠に駐車する場合の駐車所要時間ごとの充電効率を運転者は正確に認識することができる。
【0036】
(2)充電効率DBを作成するための処理:
図2は充電効率DB22aを作成するための処理を示すフローチャートである。充電効率DB22aを作成するための処理は、車両に備えられたナビゲーション装置10が実行する実績情報送信処理と、当該実績情報送信処理に応じて管理サーバ20が実行する実績情報蓄積処理とを含む。実績情報送信処理を実行するにはナビゲーション装置10にて実績情報送信プログラム120がインストールされていればよく、必ずしも駐車位置案内プログラム110がインストールされていなくてもよい。
【0037】
まず、実績情報送信処理のステップSN01において、実績情報送信プログラム120の機能によりナビゲーション装置10の制御部11は、車両が駐車開始動作を行ったことを検知し、駐車所要時間の計時を開始する。駐車開始動作を行ったことは以下の手順で検知される。まず、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、地図情報12aのノードデータに基づいて駐車場の範囲を特定し、当該範囲と車両の現在位置とに基づいて車両が位置する駐車場を特定する。さらに、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、地図情報12aの駐車枠データを参照して、車両の前進方向または後退方向を基準とした所定角度以内に存在し、かつ、車両の現在位置に対して所定距離以内に存在する駐車枠を特定する。これにより、運転者が駐車場内において車両を駐車させようとしている駐車枠を特定することができる。なお、車両の前進方向と後退方向とは、ジャイロセンサ43からの出力信号等に基づいて特定できる。なお、カメラ44が撮影した画像データに基づいて運転者が駐車場内において車両を駐車させようとしている駐車枠を特定してもよい。
【0038】
さらに、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、カメラ44が撮影した画像データが示す画像における駐車枠の枠線や壁等の像の位置や方向をパターンマッチング等により検出する。そして、駐車枠の枠線や壁等の像の画像における位置や方向に基づいて枠線や壁等の車両に対する現実の位置や方向を検出する。枠線や壁等の車両に対する現実の位置や方向が検出できると、制御部11は、当該位置に基づいて車両が駐車開始動作を行ったか否かを判定する。例えば、前記画像データに基づいて、駐車枠を区画する枠線の端点のうち車両に最も近いものと車両との距離を取得し、当該端点と車両との距離が所定距離以内に転じたことをもって、車両の前方端部または後方端部が駐車枠の内側に進入開始し、駐車開始動作が行われたと判定する。なお、駐車開始動作は、車両が駐車枠から所定距離以内に位置する状態において、シフトレバーがリバースに入れられることであってもよい。
【0039】
次に、ステップSN02において、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、車両が駐車終了動作を行ったことを検知し、駐車所要時間の計時を終了する。これにより、駐車所要時間が得られる。駐車終了動作を行ったことは以下の手順で検知される。まず、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、カメラ44が撮影した画像データに基づいて、駐車枠に対する駐車が終了したか否かを判定する。例えば、駐車枠の枠線が車両の側面に対してほぼ平行となり、かつ、枠線の両端点がそれぞれ車両の前方端部と後方端部よりも車両の前後方向外側に位置したことをもって、車両が駐車枠内に位置し、駐車が終了したと判定する。そして、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、カメラ44が撮影した画像データに基づいて駐車枠に対する駐車が終了したと判定し、かつ、パーキングブレーキがかけられたことを検知した旨の信号をECU46から入力した場合に、駐車終了動作が行われたと判定する。なお、駐車終了動作は駐車枠に対する駐車が終了し、かつ、エンジンがオフとなることであってもよい。ステップSN03において、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、駐車終了動作が行われたことをもって、ステップSN01において特定した駐車場と駐車枠とを実際に駐車を行った駐車場と駐車枠として確定する。
【0040】
ステップSN04において、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、非接触式充電装置30と電源装置48との間で非接触式充電が完了するまで待機する。非接触式充電が完了するとステップSN05において、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、電源装置48から充電電力量を示す情報を取得し、非接触式充電装置30から送電電力量を示す情報を取得し、充電電力量を送電電力量で除算することにより充電効率を算出する。充電効率は、非接触式充電の効率が認識可能な指標であればよく、例えば所定の電力量が充電できるのに要した時間等であってもよい。ステップSN06において、実績情報送信プログラム120の機能により制御部11は、ステップSN04にて非接触式充電を実際に行った際の駐車場と駐車枠と駐車所要時間と車両の車種と充電効率との組み合わせを示す実績情報を作成し、当該実績情報を管理サーバ20に送信する。以上により、実績情報送信処理が終了する。
【0041】
実績情報蓄積処理のステップSS01において、情報蓄積部210aの機能により管理サーバ20の制御部21は、実績情報を車両から受信する。ステップSS02において、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、車両が非接触式充電を実際に行った際の駐車場と駐車枠と駐車所要時間と車両の車種と充電効率との組み合わせを示す実績情報を充電効率DB22aに蓄積する。さらに、ステップSS02において、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、充電効率DB22aに蓄積された実績情報の統計処理を行う。すなわち、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、情報蓄積部210aの機能により制御部21は、駐車枠ごとの平均充電効率と駐車場全体の平均充電効率とを算出し、これらの平均充電効率に対応する駐車所要時間と車両の車種の組み合わせに対応付けて充電効率DB22aに記憶する。以上により、実績情報蓄積処理が終了する。
【0042】
【表1】

表1は、実績情報蓄積処理によって得られた充電効率DB22a(平均充電効率を示す部分)を示す。表1に示すように、充電効率DB22aには、車種(セダン、SUV・・・)と駐車枠と駐車所要時間の組み合わせごとの平均充電効率が記憶されている。各駐車枠はいずれかの駐車場に属し、各駐車枠が属する駐車場全体の平均充電効率も記憶されている。本実施形態では、駐車所要時間を5秒区分で量子化した上で、駐車所要時間ごとに充電効率を平均した平均充電効率が記憶されている。基本的に、同一の駐車場や駐車枠において駐車所要時間が長いほど充電効率が良好となる傾向にあるが、非接触式充電装置30に依存して充電効率が悪い場合等には駐車所要時間が長くても充電効率が良好とならない。
【0043】
(3)駐車位置の案内を行うための処理:
図3は駐車位置の案内を行うための処理を示すフローチャートである。駐車位置の案内を行うための処理は、車両に備えられたナビゲーション装置10が実行する駐車位置案内処理と、当該駐車位置処理に応じて管理サーバ20が実行する充電効率情報送信処理とを含む。駐車位置案内処理を実行するにはナビゲーション装置10にて駐車位置案内プログラム110がインストールされていればよく、必ずしも実績情報送信プログラム120がインストールされていなくてもよい。すなわち、実績情報送信と駐車位置案内処理とは、同一のナビゲーション装置10にて実行される必要はない。以下、駐車位置案内処理を実行するナビゲーション装置10を備える車両を特に自車両と表記する。
【0044】
駐車位置案内処理は、ユーザI/F部45を介して運転者から所定の指示が受け付けられた場合に実行される処理である。まず、ステップSN11において、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、検索情報12bがすでに設定されているか否かを判定する。検索情報12bが設定されていない場合には、ステップSN12において、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、検索情報12bの指定をユーザI/F部45を介して受け付ける。具体的には、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、自車両の車種と最大駐車所要時間と最低充電効率の指定を受け付け、これらを特定する検索情報12bを記録媒体12に記憶する。
【0045】
ステップSN13において、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、自車両の現在位置がいずれかの駐車場内に位置するか否かを判定する。すなわち、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、地図情報12aのノードデータに基づいて駐車場の範囲を特定し、当該範囲と車両の現在位置とに基づいて自車両が駐車場内に位置するか否かを判定する。自車両の現在位置が駐車場内に位置する場合には、ステップSN14において、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、検索種別として駐車枠検索を設定する。一方、自車両の現在位置が駐車場内に位置しない場合には、ステップSN15において、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、検索種別として駐車場検索を設定する。そして、ステップSN16において、充電効率情報要求部110aの機能により制御部11は、管理サーバ20に対して検索種別を示す情報と検索情報12bとを含む充電効率情報要求を送信する。
【0046】
自車両から充電効率情報要求が送信されたことを受けて、管理サーバ20は充電情報送信処理を開始する。まず、ステップSS11において、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率情報要求を取得する。そして、ステップSS12において、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率情報要求に含まれる検索種別を示す情報を取得し、検索種別が駐車枠検索であるか駐車場検索であるかを判定する。
【0047】
検索種別が駐車場検索であると判定した場合、ステップSS13において、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率DB22aにて統計された駐車場と車種と駐車所要時間と平均充電効率との対応関係のなかから、自車両の現在位置から所定距離以内にある駐車場が対応付けられ、かつ、検索情報12bを満足するものを検索する。すなわち、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、図示しない地図情報のノードデータに基づいて駐車場の位置を特定し、当該位置と自車両の現在位置とに基づいて自車両の現在位置から所定距離以内にある駐車場を特定する。そして、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、自車両の現在位置から所定距離以内にある駐車場と自車両の車種と一致する車種とを含む対応関係のうち、駐車所要時間が最大駐車所要時間以下であって、平均充電効率が最低充電効率以上である対応関係を充電効率DB22aにおいて検索する。そして、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、検索された対応関係を含む充電効率情報を作成する。
【0048】
一方、ステップSS12にて検索種別が駐車枠検索であると判定した場合、ステップSS14において、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率DB22aにて統計された駐車場と車種と駐車所要時間と平均充電効率との対応関係のなかから、現在、自車両が位置している駐車場に属する駐車枠が対応付けられ、かつ、検索情報12bを満足するものを検索する。すなわち、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、図示しない地図情報のノードデータに基づいて駐車場の範囲を特定し、当該範囲と自車両の現在位置とに基づいて自車両が位置する駐車場を特定する。そして、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、現在、自車両が位置している駐車場に属する駐車枠と自車両の車種と一致する車種とを含む対応関係のうち、駐車所要時間が最大駐車所要時間以下であって、平均充電効率が最低充電効率以上である対応関係を充電効率DB22aにおいて検索する。そして、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、検索された対応関係を含む充電効率情報を作成する。
【0049】
ステップSS15において、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、充電効率情報に示される駐車場または駐車枠についての空車状況を取得し、当該空車状況を駐車場または駐車枠ごとに対応付ける。
【0050】
検索種別が駐車場検索である場合、空車状況は、以下のようにして取得される。すなわち、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、通信部23を介して、充電効率情報に示される駐車場に属するすべての駐車枠に備えられた非接触式充電装置30に対して空車状況を問い合わせる。これに応じて、非接触式充電装置30は、当該非接触式充電装置30が備えられた駐車枠に車両が駐車中であるか否かを判定し、駐車枠に車両が駐車中であるか否かを示す情報を管理サーバ20に返信する。そして、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、駐車場に属するすべての駐車枠に車両が駐車である場合に、当該駐車場についての空車状況を満車であるとする。一方、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、駐車場に属するいずれかの駐車枠に車両が駐車中でない場合に、当該駐車場についての空車状況を空車であるとする。
【0051】
一方、検索種別が駐車枠検索である場合、空車状況は、以下のようにして取得される。すなわち、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、通信部23を介して、充電効率情報に示される駐車枠に備えられた非接触式充電装置30に対して空車状況を問い合わせる。これに応じて、非接触式充電装置30は、当該非接触式充電装置30が備えられた駐車枠に車両が駐車中であるか否かを判定し、駐車枠に車両が駐車中であるか否かを示す情報を管理サーバ20に返信する。そして、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、駐車枠に車両が駐車である場合に、当該駐車枠についての空車状況を満車であるとする。一方、充電効率情報作成部210bの機能により制御部21は、駐車枠に車両が駐車中でない場合に、当該駐車枠についての空車状況を空車であるとする。なお、駐車枠や駐車場ごとの空車状況を蓄積したデータベースを用意し、当該データベースを参照して空車情報を取得してもよい。
【0052】
ステップSS16において、充電効率情報送信部210cの機能により制御部21は、作成された充電効率情報を通信部23を介して自車両に送信する。以上により、充電効率情報送信処理が終了する。
【0053】
管理サーバ20から充電効率情報が送信されると、ステップSN17において、案内部110cの機能により制御部11は、通信部47が受信した充電効率情報を取得する。そして、ステップSN18において、充電効率情報に基づく案内をユーザI/F部45に表示させる。検索種別が駐車場検索と設定されていた場合には、充電効率情報に基づいて、駐車場とともに駐車所要時間ごとの平均充電効率が一覧化されて表示される。一方、検索種別が駐車枠検索と設定されていた場合には、充電効率情報に基づいて、駐車枠とともに駐車所要時間ごとの平均充電効率が一覧化されて表示される。
【0054】
【表2】

表2は、検索情報12bにおいて最低充電効率が85%とされ、最大駐車所要時間が40秒とされ、自車両の車種がSUVとされ、かつ、自車両がXX駐車場内に位置していた場合に示される案内の例を示す。駐車枠01については平均充電効率が85%以上となる35,40秒の駐車所要時間についての平均充電効率が案内され、駐車枠02については平均充電効率が85%以上となる40秒の駐車所要時間についての平均充電効率のみが案内される。運転者は、35秒の駐車所要時間で平均充電効率が達成できる駐車枠01を選定することができる。また、駐車枠01において35秒から5秒だけ駐車所要時間を余分に費やせば、95%の平均充電効率が達成できると認識できるため、運転者は駐車を慎重に行うことにメリットがあると認識できる。また、案内部110cの機能により制御部11は、駐車場や駐車枠とともに空車状況を案内するため、運転者はすぐに駐車可能な駐車場や駐車枠を選定することができる。
【0055】
(4)他の実施形態:
前記実施形態においては、駐車場や駐車枠とともに駐車所要時間ごとの充電効率を案内するようにしたが、駐車場や駐車枠とともに駐車所要時間ごとに区分されていない充電効率のみを案内してもよい。この場合でも、運転者は充電効率を指針として駐車場や駐車枠を選定することができる。また、自車両の車種に対応する充電効率を案内したが、すべての車種に対応する充電効率を案内するようにしてもよい。前記実施形態においては、管理サーバ20から充電効率情報を受信するようにしたが、ナビゲーション装置10が実績情報を充電効率DB22aに蓄積し、ナビゲーション装置10が充電効率DB22aに基づいて充電効率情報を取得するようにしてもよい。さらに、前記実施形態では、管理サーバ20において予め検索情報12bに基づく検索が行われた上で充電効率情報が作成され、当該充電効率情報がナビゲーション装置10にて取得されるようにしたが、ナビゲーション装置10が検索情報12bに基づく検索を行った上で案内を行うようにしてよい。
【0056】
さらに、前記実施形態のステップSS13,SS14においては、管理サーバ20が車両の現在位置に基づいて充電効率情報を作成する対象の駐車場や駐車枠を検索したが、車両に備えられたナビゲーション装置10が車両の現在位置に基づいて駐車場や駐車枠を検索してもよい。この場合、ナビゲーション装置10は、地図情報12aを参照して対象の駐車場や駐車枠を検索し、当該検索した駐車場や駐車枠を示す充電効率情報要求を管理サーバ20に送信すればよい。そして、管理サーバ20において、充電効率情報要求が示す駐車場や駐車枠についての充電効率情報を作成すればよい。
【0057】
また、案内において、駐車場や駐車場に対応付けて駐車料金や充電料金を案内してもよい。さらに、駐車場に対応付けて当該駐車場における平均的な駐車時間、すなわち当該駐車場が付設された施設において運転者が平均的に滞在する時間を案内するようにしてもよい。このようにすることにより、充電効率に依存する非接触式充電の待ち時間を勘案して、運転者が駐車場を選定することができる。この場合、駐車所要時間を案内しないようにしてもよい。
前記実施形態では、セダン、SUV等によって車種を概略的に区分したが、より具体的に車両の型式によって車種を区分してもよいし、車両の大きさや旋回性能等の駐車難易度に対応する車両特性によって車種を区分してもよい。
【0058】
ところで、非接触式充電は、送電側装置と受電側装置との位置関係が充電効率に大きく影響するため、駐車枠内において車両を駐車した枠内位置も充電効率に大きく影響を与えると言うことができる。従って、駐車位置を駐車枠内の枠内位置ごとに区分し、良好な充電効率が得られる枠内位置を駐車枠内において案内するようにしてもよい。さらに、駐車枠内において駐車した車両の方向とともに充電効率を案内してもよい。すなわち、駐車枠に対して車両を前進させて駐車したか後退させて駐車したかによって充電効率を区分して案内してもよいし、駐車枠内における車両の詳細な角度ごとに充電効率を区分して案内してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…ナビゲーション装置、11…制御部、12…記録媒体、12a…地図情報、12b…検索情報、20…管理サーバ、21…制御部、22…記録媒体、22a…充電効率DB、23…通信部、30…非接触式充電装置、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…カメラ、45…ユーザI/F部、46…ECU、47…通信部、48…電源装置、110…駐車位置案内プログラム、110a…充電効率情報要求部、110b…充電効率情報取得部、110c…案内部、120…実績情報送信プログラム、210…充電効率情報送信プログラム、210a…情報蓄積部、210b…充電効率情報作成部、210c…充電効率情報送信部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車位置ごとに、当該駐車位置にて車両が非接触式充電を実際に行った際の充電効率を示す充電効率情報を取得する充電効率情報取得手段と、
前記充電効率情報に基づいて前記駐車位置を前記充電効率とともに案内する案内手段と、
を備える駐車位置案内装置。
【請求項2】
前記充電効率情報取得手段は、前記車両が前記駐車位置に駐車するために所定の駐車開始動作を行ってから所定の駐車終了動作を行うまでに経過した駐車所要時間ごとの前記充電効率を示す前記充電効率情報を取得し、
前記案内手段は、前記駐車位置を前記駐車所要時間ごとの前記充電効率とともに案内する、
請求項1に記載の駐車位置案内装置。
【請求項3】
前記充電効率情報取得手段は、前記非接触式充電を実際に行った前記車両の車種ごとの前記充電効率を示す前記充電効率情報を取得し、
前記案内手段は、前記駐車位置を自車両の車種に対応する車種の前記車両が前記非接触式充電を行った際の前記充電効率とともに案内する、
請求項1または請求項2のいずれかに記載の駐車位置案内装置。
【請求項4】
前記駐車位置は、少なくとも前記非接触式充電を行った際に前記車両が駐車した駐車場を示し、
前記案内手段は、少なくとも前記駐車場を前記充電効率とともに案内する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の駐車位置案内装置。
【請求項5】
前記駐車位置は、少なくとも前記非接触式充電を行った際に前記車両が駐車した駐車枠を示し、
前記案内手段は、少なくとも前記駐車枠を前記充電効率とともに案内する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の駐車位置案内装置。
【請求項6】
駐車位置ごとに、当該駐車位置にて車両が非接触式充電を実際に行った際の充電効率を示す充電効率情報を取得する充電効率情報取得工程と、
前記充電効率情報に基づいて前記駐車位置を前記充電効率とともに案内する案内工程と、
を含む駐車位置案内方法。
【請求項7】
駐車位置ごとに、当該駐車位置にて車両が非接触式充電を実際に行った際の充電効率を示す充電効率情報を取得する充電効率情報取得機能と、
前記充電効率情報に基づいて前記駐車位置を前記充電効率とともに案内する案内機能と、
をコンピュータに実行させる駐車位置案内プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−215703(P2011−215703A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80709(P2010−80709)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】