説明

駐車支援装置

【課題】より適切に運転者の駐車操作を支援することができる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】駐車支援装置は、目標駐車位置と自車両が所定の相対位置関係にある一旦停止位置において当該目標駐車位置を認識する認識手段と、目標駐車位置に基づいて駐車運転時の操舵操作を支援する支援手段と、一旦停止位置に自車両を運転者が停止させるにあたって、目標駐車位置の特徴箇所と前記自車両との相対位置関係を三次元的に当該運転者が視認することを補助するための自車両の車両用ミラーに設けられた車幅方向外側に延びる部材により構成される駐車補助手段22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車、トラック、バス等の自動車に適用して好適な駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に車両を駐車させる操作は運転者にとって習熟を必要とするものであり、運転者の熟練度が低い場合には円滑な駐車操作ができずに運転者の操作負担の増加を伴うことがある。そのため、近年においては、特許文献1に記載されているような駐車支援装置が提案されており、運転者が目標駐車位置の側方に自車両を一旦停止させて、目標駐車位置を駐車支援装置が認識した後に、一旦停止位置から斜め前方に車両を移動させて、その後に、車両を後退する場合に操舵操作を自動的に行い支援することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−40060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような駐車支援装置においては、運転者が目標駐車位置の側方に自車両を一旦停止させるに当たり、助手席のドアの内側に備えられた目印と、目標駐車位置を示す外枠の白線を運転者から視て一致させる手法を採っているが、運転者の目線が運転者の体格や運転席のシートポジション等の諸条件を含む個人差により変化するため、運転者が目標駐車位置の側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置に精度良く停止させることができず、従って、精度の高い駐車支援を行うことができずより適切な駐車支援を行うことができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑み、より適切に運転者の駐車操作を支援することができる駐車支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題を解決するため、本発明に係る駐車支援装置は、
目標駐車位置と自車両が所定の相対位置関係にある一旦停止位置において当該目標駐車位置を認識する認識手段と、前記目標駐車位置に基づいて駐車運転時の操舵操作を支援する支援手段と、前記一旦停止位置に自車両を運転者が停止させるにあたって、前記目標駐車位置の特徴箇所と前記自車両との相対位置関係を三次元的に当該運転者が視認することを補助するための前記自車両の車両用ミラーに設けられた車幅方向外側に延びる部材により構成される駐車補助手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、前記駐車補助手段が、前記自車両の車両用ミラーに隣接して備えられた車幅方向外側に突出する突出部材であることを特徴としてもよい。なお前記車両用ミラーとは典型的には自車両のドアミラーである。
【0008】
これによれば、前記運転者が、前記目標駐車位置のいずれかの特徴箇所、例えば白線と前記突出部材との相対位置関係を三次元的に視認した上で、前記一旦停止位置に自車両を停止させることができる。これにより、前記運転者が目標駐車位置の側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置に精度良く停止させることができ、従って、前記駐車支援装置が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0009】
あるいは、前記駐車補助手段が、前記自車両の車両用ミラーの下縁に備えられた車幅方向に指向する意匠部分であることを特徴としてもよい。
【0010】
これによれば、前記運転者が、前記目標駐車位置のいずれかの特徴箇所、例えば白線と前記意匠部分との相対位置関係を三次元的に視認した上で、前記一旦停止位置に自車両を停止させることができる。これにより、前記運転者が目標駐車位置の側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置に精度良く停止させることができ、従って、前記駐車支援装置が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0011】
あるいは、前記駐車補助手段が、前記自車両の車両用ミラーの下縁と、当該下縁の指向方向を車幅方向に調整する調整手段により構成されることを特徴とすることもできる。
【0012】
ここで、前記駐車支援装置をオンオフするオンオフ手段を備えるとともに、当該オンオフ手段がオンである場合に前記調整手段が前記下縁の指向方向を車幅方向に調整することを特徴とすることが好ましい。
【0013】
これによれば、前記運転者が、前記目標駐車位置のいずれかの特徴箇所、例えば白線と前記下縁との相対位置関係を三次元的に視認した上で、前記一旦停止位置に自車両を停止させることができる。これにより、前記運転者が目標駐車位置の側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置に精度良く停止させることができ、従って、前記駐車支援装置が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0014】
また、前記駐車支援装置のオンオフ手段がオンであるときのみに、前記下縁の指向方向を車幅方向とすることができるので、前記駐車支援装置を使用しない場合においては、前記自車両の車両用ミラーを通常通りに使用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、より適切に運転者の駐車操作を支援することができる駐車支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図3】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態が適用される駐車運転時の運転軌跡を示す模式図である。
【図4】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図6】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図7】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図8】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図10】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図11】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図12】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図13】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図14】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図15】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【図16】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図17】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態を実際に適用した場合の状況を示す模式図である。
【図18】本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図19】本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態を実際に適用した場合の状況を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図2は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。図3は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態が適用される駐車運転時の運転軌跡を示す模式図である。
【0019】
駐車支援装置1は、図1及び図2に示すように、制御ECU2(Electronic Control Unit)と、操舵角センサ3と、EPSECU4(Electronic Power Steering Electronic Control Unit)と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、偏光フィルム8と、ドア内側目印9とから構成される。
【0020】
制御ECU2は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであり、認識手段2aと、支援手段2bとを備える。なお、制御ECU2はCAN(Controller Area Network)等の通信規格によりEPSECU4に接続される。
【0021】
EPSECU4は、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを相互に接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが図示しない電動パワーステアリング装置のアシスト力発生部内の電動モータを制御して操舵角の制御を行うものである。
【0022】
電動パワーステアリング装置は、例えばラックアンドピニオン式のものであり、図示しないステアリングホイールに連結されたステアリングシャフトに、運転者の操作力及び運転者による操舵操作の有無を検出する操舵トルクセンサ5を備えるとともに、操舵トルクセンサ5より検出された運転者の操作力に応じてまたは制御ECU2の指令に基づいて電動モータを駆動してアシスト力を発生するアシスト力発生部と、電動モータのロータの回転角から操舵角を検出する操舵角センサ3を備える。
【0023】
これとともに、電動パワーステアリング装置はここでは図示しないステアリングシャフトに連結されるピニオン軸と車幅方向に延びるラック軸とを備え、ピニオン軸とラック軸とは相互に噛み合わされておりアシスト力をピニオン軸からラック軸に伝達し、運転者がステアリングホイールに与える操作力に基づいて、アシスト力発生部がアシスト力を発生するとラック軸は車幅方向にストロークされる。ラック軸の両端にはタイロッドが接続され、ラック軸の車幅方向のストロークにより、タイロッドに接続された図示しない前輪が操舵される。
【0024】
シフト位置検出センサ6は図示しないシフトレバーに設けられるものであり、シフト位置がドライブ位置にある場合には、支援手段2bはシフト位置検出センサ6の検出結果に基づき車両の前進を検出し、シフト位置がリバース位置にある場合に、支援手段2bはシフト位置検出センサ6の検出結果に基づき車両の後退を検出する。
【0025】
オンオフスイッチ7は、駐車支援装置1のオンオフを選択するオンオフ手段を構成し、運転者が車両用駐車支援装置1による運転支援を行うかどうかを選択するために設けられるものである。
【0026】
偏光フィルム8は自車両の助手席側ドアガラスの内側に貼り付けられて、その偏光方向は車幅方向であり、車幅方向のみ光を透過させるものである。この偏光フィルム8は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0027】
ドア内側目印9は自車両の助手席側ドアの偏光フィルム8の下方に貼り付けられており、後述するように運転者が一旦停止するにあたって図3に示す目標駐車位置Bの左側の白線を合わせる目印となるものである。
【0028】
認識手段2aは、目標駐車位置と自車両が所定の相対位置関係にある一旦停止位置Aにおいて運転者がオンオフスイッチ7をオンとした場合に目標駐車位置Bを認識する。
【0029】
支援手段2bは、予め記憶された駐車運転時の、図3に示す一旦停止位置Aから折り返し位置Cまでの前進走行軌跡と、折り返し位置Cから目標駐車位置Bまでの後退走行軌跡に関する走行距離と操舵角の情報をもとに、EPSECU4を制御して、目標駐車位置Bに基づいて駐車運転時の操舵操作を支援する。
【0030】
加えて、ステアリングホイールの運転者による操作が操舵トルクセンサ5により検出された場合、車速が所定車速よりも高い場合等においては、支援手段2bは上述した運転支援を中止する。
【0031】
これによれば、運転者が一旦停止位置Aに自車両を停止させるにあたって、運転者が偏光フィルム8の車幅方向内側に顔を移動させた上で、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば左側の白線を視認して、白線とドア内側目印9を一致させるように自車両を一旦停止することになるので、偏光フィルム8に対する運転者の目線方向を一定とすることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置1が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0032】
実施例1においては駐車補助手段を偏光フィルムとしたが、以下のような補助ミラーとすることもできる。以下にそれについての実施例2について述べる。
【実施例2】
【0033】
図4は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図5は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【0034】
駐車支援装置11は、図4及び図5に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、補助ミラー12とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0035】
補助ミラー12は自車両の助手席側車両用ミラーの下部に備えられて、図3に示す目標駐車位置Bと自車両の前輪又は後輪を運転者に視認させる凸面鏡により構成されるものである。この補助ミラー12は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0036】
これによれば、運転者が一旦停止位置Aに自車両を停止させるにあたって、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば白線と自車両の前輪又は後輪との相対位置関係を三次元的に視認することができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置11が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0037】
上述した実施例2においては駐車補助手段を補助ミラーとしたが、以下のような自車両の車両用ミラーに隣接して備えられた車幅方向外側に突出する突出部材とすることもできる。以下にそれについての実施例3について述べる。
【実施例3】
【0038】
図6は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図7は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【0039】
駐車支援装置21は、図6及び図7に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、指示棒22とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0040】
指示棒22は自車両の助手席側車両用ミラーに隣接して備えられて、車幅方向外側に突出する突出部材を構成するものである。この指示棒22は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0041】
これによれば、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば白線と指示棒22との相対位置関係を三次元的に視認した上で、一旦停止位置Aに自車両を停止させることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置21が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0042】
上述した実施例3においては駐車補助手段を突出部材としたが、以下のような自車両の車両用ミラーに備えられた意匠部分とすることもできる。以下にそれについての実施例4について述べる。
【実施例4】
【0043】
図8は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図9は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【0044】
駐車支援装置31は、図8及び図9に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、三角形状板32とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0045】
三角形状板32の車両後方側の縁は自車両の車両用ミラーの下縁に備えられた車幅方向に指向する意匠部分を構成し、この三角形状板32は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0046】
なお、自車両の両側の車両用ミラーの下縁は上方から視てハの字状をなしており、車幅方向に対して車両用ミラーの車幅方向外側部分が車幅方向内側部分に対して車両後方に位置するように傾斜している。このため、三角形状板32は上方視において、車両用ミラーの下縁の延長線と車幅方向の延長線により区画される直角三角形状をなし、直角の頂点が車幅方向内側かつ後方側に位置して、残りの頂点の内より鋭角な頂点が車幅方向外側を指向するように配置される。
【0047】
これによれば、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば白線と三角形状板32との相対位置関係を三次元的に視認した上で、一旦停止位置Aに自車両を停止させることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置31が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0048】
上述した実施例4においては駐車補助手段を意匠部分としたが、以下のような透過手段とすることもできる。以下にそれについての実施例5について述べる。
【実施例5】
【0049】
図10は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図11は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【0050】
駐車支援装置41は、図10及び図11に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、シースルー部42とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0051】
シースルー部42は自車両の助手席側ドアに備えられた、目標駐車位置Bを運転者に視認させる透過手段であり、例えばアクリルやガラス等の透明な部材により構成され、このシースルー部42は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0052】
これによれば、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば白線とシースルー部42との相対位置関係を三次元的に視認した上で、一旦停止位置Aに自車両を停止させることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置41が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0053】
なおシースルー部42を構成するアクリル又はガラス等の透明部材には適宜目印を設置して、この目印と白線との相対位置関係を三次元的に視認して、運転者が一旦停止位置Aに自車両を停止する構成としても良い。
【0054】
上述した実施例5においては駐車補助手段を透過手段としたが、以下のように車両用ミラーの下縁を利用した構成とすることもできる。以下にそれについての実施例6について述べる。
【実施例6】
【0055】
図12は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図13は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【0056】
駐車支援装置51は、図12及び図13に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、車両用ミラーの下縁52と、車両用ミラーを上下方向を軸として回動させるアクチュエータ53とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0057】
アクチュエータ53は、自車両の車両用ミラーの下縁52の指向方向を車幅方向に調整する調整手段を構成し、オンオフスイッチ7は駐車支援装置51をオンオフするオンオフ手段を構成する。オンオフスイッチ7がオンである場合にアクチュエータ53が、制御ECU2の支援手段2bの指令に基づいて車両用ミラーの下縁52の指向方向を車幅方向に調整する。
【0058】
なお通常時においては、自車両の両側の車両用ミラーの下縁52は上方から視てハの字状をなしており、車幅方向に対して車両用ミラーの車幅方向外側部分が車幅方向内側部分に対して車両後方に位置するように傾斜している。つまり、オンオフスイッチ7がオンである場合にアクチュエータ53は車両用ミラーの下縁52を、図13に示すように上下方向を軸にして車幅方向外側部分が車両前方に移動するように回動させる。
【0059】
この車両用ミラーの下縁52とアクチュエータ53は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0060】
これによれば、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば白線と車両用ミラーの下縁52との相対位置関係を三次元的に視認した上で、一旦停止位置Aに自車両を停止させることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置51が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0061】
また、駐車支援装置51のオンオフスイッチ7がオンであるときのみに、車両用ミラーの下縁52の指向方向を車幅方向とすることができるので、駐車支援装置51を使用しない場合においては、自車両の車両用ミラーを通常通りに使用することができる。
【0062】
上述した実施例6においては駐車補助手段を車両用ミラーの下縁を利用して構成したが、以下のように自車両前方のコーナー部分に備えられた上方に突出する突出部材を利用した構成とすることもできる。以下にそれについての実施例7について述べる。
【実施例7】
【0063】
図14は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図15は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態の一部を示す模式図である。
【0064】
駐車支援装置61は、図14及び図15に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、コーナーポール62と、コーナーポール62を上方に突出させるアクチュエータ63とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0065】
コーナーポール62は、自車両前方のコーナー部分に備えられた上方に突出する突出部材であり、オンオフスイッチ7は駐車支援装置61をオンオフするオンオフ手段を構成し、アクチュエータ63は、オンオフスイッチ7がオンである場合に制御ECU2の支援手段2bの指令に基づいてコーナーポール62を上方に突出させる駆動手段を構成する。
【0066】
このコーナーポール62とアクチュエータ63は、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0067】
これによれば、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば白線とコーナーポール62との相対位置関係を三次元的に視認した上で、一旦停止位置Aに自車両を停止させることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置61が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0068】
また、駐車支援装置61のオンオフスイッチ7がオンであるときのみに、コーナーポール62を上方に突出させることができるので、駐車支援装置61を使用しない場合においては、コーナーポール62による自車両の意匠上の制約を抑制することができる。
【0069】
上述した実施例7においては駐車補助手段をコーナーポールを利用して構成したが、以下のように車両用ミラーとレーザーを利用した構成とすることもできる。以下にそれについての実施例8について述べる。
【実施例8】
【0070】
図16は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図17は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態を実際に適用した場合の状況を示す模式図である。
【0071】
駐車支援装置71は、図16に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、車両用ミラーの可動ミラー72と、可動ミラー72の角度を調整するアクチュエータ73と、レーザー照射装置74とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0072】
可動ミラー72は、自車両の車両用ミラーの可動ミラー部であり、アクチュエータ73はこの可動ミラー72を、目標駐車位置Bを運転者に視認させるように調整する調整手段を構成する。レーザー照射装置74は、自車両の車幅方向外側の路面に車幅方向外側かつ下方に指向するレーザーを照射する照射手段を構成する。
【0073】
可動ミラー72と、アクチュエータ73と、レーザー照射装置74とにより、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0074】
オンオフスイッチ7は、駐車支援装置71をオンオフするオンオフ手段を構成し、オンオフスイッチ7がオンである場合に、アクチュエータ73が可動ミラー72を目標駐車位置Bを運転者に視認させるように制御ECU2の支援手段2bの指令に基づいて調整し、レーザー照射装置74が制御ECU2の支援手段2bの指令に基づいてレーザーを照射する。具体的には、アクチュエータ73は可動ミラー72をその垂線が下方かつ車幅方向外側に指向するように調整する。
【0075】
これによれば、運転者が一旦停止位置Aに自車両を停止させるにあたって、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば図17に示すような白線Dと路面に照射されたレーザーEとの相対位置関係を三次元的に視認することができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置71が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0076】
また、駐車支援装置71のオンオフスイッチ7がオンであるときのみに、自車両の車両用ミラーの可動ミラー72を、目標駐車位置Bを運転者に視認させるように調整することができるので、駐車支援装置71を使用しない場合においては、自車両の車両用ミラーを通常通りに使用することができる。
【0077】
さらに、駐車支援装置71のオンオフスイッチ7がオンであるときのみに、レーザーを照射することができるので、駐車支援装置71を使用しない場合においては、レーザーの照射を停止して、子供等の背の低い歩行者が存在する場合の安全性を高めることができる。
【0078】
上述した実施例8においては駐車補助手段を車両用ミラーとレーザーを利用した構成としたが、以下のように前照灯を利用した構成とすることもできる。以下にそれについての実施例9について述べる。
【実施例9】
【0079】
図18は、本発明に係る駐車支援装置の一実施形態を示すブロック図である。図19は、本発明に係わる駐車支援装置の一実施形態を実際に適用した場合の状況を示す模式図である。
【0080】
駐車支援装置81は、図16に示すように、制御ECU2と、操舵角センサ3と、EPSECU4と、操舵トルクセンサ5と、シフト位置検出センサ6と、オンオフスイッチ7と、ヘッドランプ82と、ヘッドランプ82の車幅方向を中心とした角度を調整するアクチュエータ83とから構成される。なお実施例1に示した駐車支援装置1と共通する構成要素については同一の符号を付し重複する説明は割愛する。
【0081】
ヘッドランプ82は自車両の前照灯を構成し、アクチュエータ83はヘッドランプ82の光軸を調整する光軸調整手段を構成するとともに、図3に示す一旦停止位置Aに自車両を運転者が停止させるにあたって運転者の個人差に影響されずに停止の補助を行う駐車補助手段を構成する。
【0082】
オンオフスイッチ7は、駐車支援装置81をオンオフするオンオフ手段を構成し、オンオフスイッチ7がオンである場合に、アクチュエータ83が制御ECU2の支援手段2bの指令に基づいてヘッドランプ82の光軸を調整、ここでは光軸を下向きとする。
【0083】
これによれば、運転者が、目標駐車位置Bのいずれかの特徴箇所、例えば図19に示すような白線Dと路面に照射されたヘッドランプ82の光の縁Fとの相対位置関係を三次元的に視認した上で、一旦停止位置Aに自車両を停止させることができる。これにより、運転者が目標駐車位置Bの側方に自車両を一旦停止させるにあたって、一旦停止位置Aに精度良く停止させることができ、従って、駐車支援装置81が精度の高い駐車支援を行うことができ、より適切な駐車支援を行うことができる。
【0084】
また、駐車支援装置81のオンオフスイッチ7がオンであるときのみに、ヘッドランプ82の光軸を調整することができるので、駐車支援装置81を使用しない場合においては、ヘッドランプ82を通常通りに使用することができる。
【0085】
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、車両用の駐車支援装置に関するものであり、より適切に運転者の駐車操作を支援することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に適用可能なものである。
【符号の説明】
【0087】
1 駐車支援装置
2 制御ECU
2a 認識手段
2b 支援手段
3 操舵角センサ
4 EPSECU
5 操舵トルクセンサ
6 シフト位置検出センサ
7 オンオフスイッチ
8 偏光フィルム
9 ドア内側目印
11 駐車支援装置
12 補助ミラー
21 駐車支援装置
22 指示棒
31 駐車支援装置
32 三角形状板
41 駐車支援装置
42 シースルー部
51 駐車支援装置
52 車両用ミラー下縁
53 アクチュエータ
61 駐車支援装置
62 コーナーポール
63 アクチュエータ
71 駐車支援装置
72 可動ミラー
73 アクチュエータ
74 レーザー照射装置
81 駐車支援装置
82 ヘッドランプ
83 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標駐車位置と自車両が所定の相対位置関係にある一旦停止位置において当該目標駐車位置を認識する認識手段と、前記目標駐車位置に基づいて駐車運転時の操舵操作を支援する支援手段と、前記一旦停止位置に自車両を運転者が停止させるにあたって、前記目標駐車位置の特徴箇所と前記自車両との相対位置関係を三次元的に当該運転者が視認することを補助するための前記自車両の車両用ミラーに設けられた車幅方向外側に延びる部材により構成される駐車補助手段とを備えることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
前記駐車補助手段が、前記自車両の車両用ミラーに隣接して備えられた車幅方向外側に突出する突出部材であることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記駐車補助手段が、前記自車両の車両用ミラーの下縁に備えられた車幅方向に指向する意匠部分であることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記駐車補助手段が、前記自車両の車両用ミラーの下縁と、当該下縁の指向方向を車幅方向に調整する調整手段により構成されることを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記駐車支援装置をオンオフするオンオフ手段を備えるとともに、当該オンオフ手段がオンである場合に前記調整手段が前記下縁の指向方向を車幅方向に調整することを特徴とする請求項4に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−30589(P2010−30589A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223405(P2009−223405)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【分割の表示】特願2007−230241(P2007−230241)の分割
【原出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】